JP5036364B2 - 電力系統の線路損失低減装置、電力系統及び電力系統構築方法 - Google Patents

電力系統の線路損失低減装置、電力系統及び電力系統構築方法 Download PDF

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本発明は、負荷に電力を供給する電力系統に関し、特に、電力系統の線路損失を低減する技術に関する。
電気負荷(例えば、電力需要者が使用している電気設備)に電力を供給する場合、電力源から電力系統を介して電力が供給される。電力系統としては、従来、電力線が放射状に接続された放射状電力系統が用いられている。この放射状電力系統は、構造が簡単であるが、電力供給の信頼性が低い。
そこで、ループ状電力系統が開発されている。ループ状電力系統は、電力線がループ状に接続されたループ系を有している。このループ状電力系統は、ループ系に接続されている負荷には、少なくとも異なる2つの経路を介して電力の供給が可能である。これにより、電力供給の信頼性が高い。ループ状電力系統は、例えば、特許文献1に記載されている。
特開2001−251765号公報
特許文献1には、電力供給の信頼性を高めるためにループ状電力系統を用いることが記載されている。
ここで、本発明者らは、電力供給の信頼性が高いループ状電力系統の効率的な使用について種々検討し、その結果、ループ状電力系統の電力線の線路損失を安価に効果的に低減することができる新規な線路損失低減技術を開発した。
したがって、本発明は、電力線がループ状に接続されたループ系を有する電力系統における線路損失を安価に、効果的に低減することができる線路損失低減技術を提供することを目的とする。
前記目的を達成する本発明は、以下のように構成される。
なお、以下に説明する本発明の各態様では、「電力線」は、電力を送ることができる線を意味し、特定の用途や、電力容量(あるいは、定格電圧や定格電流)を意味するものではない。
また、「複数の電力線がループ状に接続されたループ系」は、当該ループ系に接続された負荷に、少なくとも異なる2つの経路を介して電力の供給が可能であるように電力線が接続されている系(接続態様)を意味する。本発明の各態様のループ系は、例えば、共通の送電端(例えば、共通の発電機あるいは共通の変電所の送電端)から、異なる経路を介して負荷に電力を供給可能に電力線を接続する接続態様、異なる送電端から、異なる経路を介して負荷に電力を供給可能に電力線を接続する接続態様等が用いられる。
また、電力系統は、1つまたは複数のループ系によって構成される。
本発明の一つの発明は、複数の電力線がループ状に接続されたループ系を有している電力系統の線路損失を低減する電力系統の線路損失低減装置である。
ループ系を形成している電力線それぞれの線路インダクタンスにより発生する逆起電力の和が零でない場合には、この逆起電力の和によってループ系にループ電流(ループ誘導電流)が流れ、ループ電流(ループ誘導電流)により線路損失が発生する。
本発明は、ループ系を形成している電力線それぞれの線路インダクタンスにより発生する逆起電力によるループ電流を低減するように構成されている。具体的には、ループ系を形成している電力線それぞれの線路インダクタンスにより発生する逆起電力の和に対する補償を行うことによって電力系統の線路損失を低減している。「ループ系を形成している電力線それぞれの線路インダクタンスにより発生する逆起電力の和に対する補償を行う」という記載は、ループ系の逆起電力の和を調整することを意味している。すなわち、逆起電力によるループ電流はループ系の逆起電力の和に比例するから、ループ系の逆起電力の和が小さくなるように、好ましくは零になるように調整することを意味している。
ループ系を形成している電力線それぞれの線路インダクタンスにより発生する逆起電力の和に対する補償を行う手法としては、例えば、ループ系を形成している電力線それぞれの線路インダクタンスにより発生する逆起電力の和に対応する補償量をループ系に印加することによって、ループ系の逆起電力の和を低減する手法、好ましくは零にする手法を用いることができる。補償量としては、好適には、電圧、電流、電力等の電気量が用いられる。なお、電力は電圧または電流に対応しているから、電力を補償量として用いる手法は、電圧あるいは電流を補償量として用いる手法に包含される。補償量を印加する箇所は、ループ系の任意の1つまたは複数の箇所(少なくとも1つの箇所)を選択することができる。
ループ系を形成している電力線それぞれの線路インダクタンスにより発生する逆起電力の和に対する補償を行って、ループ系の逆起電力の和を低減する(好ましくは零にする)ことにより、ループ系を形成している電力線それぞれの線路インダクタンスにより発生する逆起電力の和によってループ系を流れるループ電流(ループ誘導電流)を低減する(好ましくは零にする)ことができる。これにより、ループ系を形成している電力線のループ電流による線路損失、したがって、ループ系を有している電力系統の線路損失を低減することができる。
本発明は、送出し電圧(送電端の電圧)が同じ(送出し電圧差がない)ループ系に適用した場合に、より好適な効果を得ることができる。
電力線の線路インダクタンスにより発生する逆起電力は、典型的には、電力線の線路インダクタンスと電力線の線路電流によって判別することができる。通常、電力線の線路インダクタンスは既知であるから、電力線の線路電流を電流検出器等によって検出することによって、逆起電力を判別することができる。
本発明では、簡単な構成で安価に、ループ系を有する電力系統の線路損失を低減することができる。
電力線がループ状に接続されたループ系の送出し電圧が異なる(送出し電圧差がある)場合には、送出し電圧差によってループ系にループ電流(横流)が流れる。すなわち、前述した電力線それぞれの線路インダクタンスにより発生する逆起電力の和によるループ電流(ループ誘導電流)と、ループ系の送出し電圧差によるループ電流(横流)を含むループ電流がループ系に流れる。ループ系にループ電流が流れると、ループ電流による線路損失が発生する。
本発明の一つの発明の他の態様は、ループ系を形成している電力線それぞれの線路インダクタンスにより発生する逆起電力によるループ電流とループ系の送出し電圧差によるループ電流を低減するように構成されている。具体的には、ループ系を形成している電力線それぞれの線路インダクタンスにより発生する逆起電力の和とループ系の送出し電圧差との和に対する補償を行うことによって電力系統の線路損失を低減している。「ループ系を形成している電力線それぞれの線路インダクタンスにより発生する逆起電力の和とループ系の送出し電圧差との和に対する補償を行う」という記載は、ループ系の逆起電力の和と送出し電圧差との和を調整することを意味している。すなわち、逆起電力によるループ電流と送出し電圧差によるループ電流の和はループ系の逆起電力の和と送出し電圧差との和に比例するから、ループ系の逆起電力の和と送出し電圧差との和が小さくなるように、好ましくは零になるように調整することを意味している。
ループ系を形成している電力線それぞれの線路インダクタンスにより発生する逆起電力の和とループ系の送出し電圧差との和に対する補償を行う手法としては、例えば、ループ系を形成している電力線それぞれの線路インダクタンスにより発生する逆起電力の和とループ系の送出し電圧差との和に対応する補償量をループ系に印加することによって、ループ系の逆起電力の和と送出し電圧差との和を低減する手法、好ましくは零にする手法を用いることができる。補償量としては、好適には、電圧、電流、電力等の電気量が用いられる。補償量を印加する箇所は、ループ系の任意の1つまたは複数の箇所(少なくとも1つの箇所)を選択することができる。
ループ系を形成している電力線それぞれの線路インダクタンスにより発生する逆起電力の和とループ系の送出し電圧差との和に対する補償を行って、ループ系の逆起電力と送り出し電圧差との和を低減する(好ましくは零にする)ことにより、ループ系を形成している電力線それぞれの線路インダクタンスにより発生する逆起電力の和によってループ系を流れるループ電流(ループ誘導電流)とループ系の送出し電圧差によってループ系を流れるループ電流(横流)との和を低減する(好ましくは零にする)ことができる。これにより、ループ系を形成している電力線のループ電流による線路損失、したがって、ループ系を有している電力系統の線路損失を効率よく低減することができる。
ループ系の送出し電圧差は、例えば、予め定められているあるいは電圧検出器によって検出した、ループ系の送電端の電圧によって判別することができる。
本態様では、簡単な構成で、安価に、ループ系を有する電力系統の線路損失をより低減することができる。また、逆起電力に対する補償と送出し電圧差に対する補償を同時に行うことができるため、効率よく補償を行うことができる。
なお、ループ系を形成している電力線それぞれの線路インダクタンスにより発生する逆起電力の和に対する補償と送出し電圧差に対する補償を別々に行うこともできる。この場合には、ループ系を形成している電力線それぞれの線路インダクタンスにより発生する逆起電力の和によるループ電流(ループ誘導電流)が低減する(好ましくは零にする)ように補償を行うとともに、ループ系の送出し電圧差によるループ電流(横流)が低減する(好ましくは零にする)ように補償を行う。
ループ系を形成している電力線それぞれの線路インダクタンスにより発生する逆起電力の和とループ系の送出し電圧差との和(あるいは、ループ系を形成している電力線それぞれの線路インダクタンスにより発生する逆起電力の和)に対する補償を行うことは、ループ系を形成している電力線それぞれの線路抵抗による電圧降下の和に対する補償を行うことと等価である。
本発明の一つの発明のさらに他の態様は、ループ系を形成している電力線それぞれの線路抵抗による電圧降下の和を補償することによって、ループ系を形成している電力線それぞれの線路インダクタンスにより発生する逆起電力によるループ電流とループ系の送出し電圧差によるループ電流(あるいは、ループ系を形成している電力線それぞれの線路インダクタンスにより発生する逆起電力によるループ電流)を低減するように構成されている。「ループ系を形成している電力線それぞれの線路抵抗による電圧降下の和に対する補償を行う」という記載は、ループ系の線路抵抗による電圧降下の和を調整することを意味している。すなわち、逆起電力によるループ電流と送出し電圧差によるループ電流の和はループ系の逆起電力の和と送出し電圧差との和(ループ系の線路抵抗による電圧降下の和)(あるいは、逆起電力によるループ電流の和はループ系の逆起電力の和)に比例するから、ループ系の線路抵抗による電圧降下の和が小さくなるように、好ましくは零になるように調整することを意味している。
ループ系を形成している電力線それぞれの線路抵抗による電圧降下の和に対する補償を行う手法としては、例えば、ループ系を形成している電力線それぞれの線路抵抗による電圧降下の和に対応する補償量をループ系に印加することによってループ系の線路抵抗による電圧降下の和を低減する手法、好ましくは零にする手法を用いることができる。補償量としては、好適には、電圧、電流、電力等の電気量が用いられる。補償量を印加する箇所は、ループ系の任意の1つまたは複数の箇所(少なくとも1つの箇所)を選択することができる。
ループ系を形成している電力線それぞれの線路抵抗による電圧降下の和に対する補償を行って、ループ系の線路抵抗による電圧降下の和を低減する(好ましくは零にする)ことにより、ループ系を形成している電力線それぞれの線路インダクタンスにより発生する逆起電力によるループ電流(ループ誘導電流)とループ系の送出し電圧差によるループ電流(横流)の和(あるいは、ループ系を形成している電力線それぞれの線路インダクタンスにより発生する逆起電力によるループ電流の和)を低減(好ましくは零にする)ことができる。これにより、ループ系を形成している電力線のループ電流による線路損失、したがって、ループ系を有している電力系統の線路損失を効率よく低減することができる。
電力線の線路抵抗による電圧降下は、典型的には、電力線の線路抵抗と電力線の線路電流によって判別することができる。通常、電力線の線路抵抗は既知であるから、電力線の線路電流を電流検出器等によって検出することによって、電力線の線路抵抗による電圧降下を判別することができる。
本態様では、簡単な構成で、安価に、ループ系を有する電力系統の線路損失をより低減することができる。
前述した、ループ系を形成している電力線それぞれの線路インダクタンスにより発生する逆起電力の和に対する補償を行うことは、ループ系を形成している電力線それぞれの線路抵抗と線路インダクタンスの比に対する補償を行うことと等価である。
本発明の一つの発明のさらに他の態様は、ループ系を形成している電力線それぞれの線路抵抗と線路インダクタンスの比に対する補償を行うことによって、ループ系を形成している電力線それぞれの線路インダクタンスにより発生する逆起電力によるループ電流を低減するように構成されている。「ループ系を形成している電力線それぞれの線路抵抗と線路インダクタンスの比に対する補償を行う」という記載は、ループ系を形成している電力線の少なくとも1つの電力線の線路抵抗と線路インダクタンスの比を調整することを意味している。すなわち、ループ系を形成している電力線の線路抵抗と線路インダクタンスの比が全て等しくなるとループ系の逆起電力の和が零になるから、ループ系を形成している電力線それぞれの線路抵抗と線路インダクタンスの比が等しくなるように調整することを意味している。なお、「ループ系を形成している電力線それぞれの線路抵抗と線路インダクタンスの比が全て等しくなるように調整する」構成には、「ループ系を形成している電力線それぞれの線路抵抗と線路インダクタンスの比が略等しくなるように調整する」構成が包含される。
ループ系を形成している電力線それぞれの線路抵抗と線路インダクタンスの比に対する補償を行う手法としては、例えば、ループ系を形成している電力線の線路抵抗と線路インダクタンスの比に対応する補償量を当該電力線に印加することによって当該電力線の線路抵抗あるいは線路インダクタンスを調整し、当該電力線の線路抵抗と線路インダクタンスの比を調整する手法を用いることができる。補償量としては、好適には、電圧、電流、電力等の電気量が用いられる。補償量を印加する電力線は、ループ系を形成している電力線の中から任意の1つまたは複数を選択することができる。
ループ系を形成している電力線それぞれの線路抵抗と線路インダクタンスの比に対する補償を行って、ループ系の逆起電力の和を低減(好ましくは零にする)ことにより、ループ系を形成している電力線それぞれの逆起電力の和によるループ電流(ループ誘導電流)を低減(好ましくは零にする)ことができる。これにより、ループ系を形成している電力線のループ電流による線路損失、したがって、ループ系を有している電力系統の線路損失を効率よく低減することができる。
本態様は、送出し電圧(送電端の電圧)が同じ(送出し電圧差がない)ループ系に適用した場合に、より好適な効果を得ることができる。
通常、電力線の線路抵抗と線路インダクタンスは既知である。このため、本態様を用いる場合には、ループ系を形成している他の電力線の電流等を検出する必要がない。
本態様では、簡単な構成で、安価に、ループ系を有する電力系統の線路損失を低減することができる。
前述したように、電力線がループ状に接続されたループ系の送出し電圧が異なる(送出し電圧差がある)場合には、線路インダクタンスにより発生する逆起電力によるループ電流(ループ誘導電流)と送出し電圧差によるループ電流(横流)が流れ、これらのループ電流による線路損失が発生する。このため、ループ電流による線路損失の低減という観点からは、逆起電力によるループ電流(ループ誘導電流)の低減と送出し電圧差によるループ電流の低減を行うのが好ましい。すなわち、逆起電力に対する補償と送出し電圧差に対する補償を行うのが好ましい。
本発明の一つの発明のさらに他の態様では、段落番号[0008]で記載した、ループ系を形成している電力線それぞれの線路抵抗と線路インダクタンスの比に対する補償を行うとともに、ループ系の送出し電圧差に対する補償を行うことによって、ループ系を形成している電力線それぞれの線路インダクタンスにより発生する逆起電力によるループ電流とループ系の送出し電圧差によるループ電流を低減するように構成されている。勿論、線路抵抗と線路インダクタンスの比に対する補償と送出し電圧差に対する補償を同時に行うように構成することもできる。ループ系を形成している電力線の線路抵抗と線路インダクタンスの比が全て等しくなるとループ系の逆起電力の和が零になる。また、電圧差によるループ電流は、ループ系の電圧差に比例する。したがって、「ループ系を形成している電力線それぞれの線路抵抗と線路インダクタンスの比に対する補償を行うとともに、ループ系の送出し電圧差に対する補償を行う」という記載は、ループ系を形成している電力線それぞれの線路抵抗と線路インダクタンスの比が等しくなるように調整するとともに、ループ系の送出し電圧差を低減する(好ましくは零にする)ことを意味している。
ループ系を形成している電力線それぞれの線路抵抗と線路インダクタンスの比に対する補償を行うとともに、ループ系の送出し電圧差に対する補償を行う手法としては、前述した手法を用いることができる。
ループ系を形成している電力線それぞれの線路抵抗と線路インダクタンスの比に対する補償を行うとともに、ループ系の送出し電圧差に対する補償を行うことによって、ループ系の逆起電力の和を低減(好ましくは零にする)ことにより、ループ系を形成している電力線それぞれの線路インダクタンスにより発生する逆起電力の和によってループ系を流れるループ電流(ループ誘導電流)とループ系の送出し電圧差によってループ系を流れるループ電流(横流)との和を低減する(好ましくは零にする)ことができる。これにより、ループ系を形成している電力線のループ電流による線路損失、したがって、ループ系を有している電力系統の線路損失をより効率よく低減することができる。
本態様では、簡単な構成で、安価に、ループ系を有する電力系統の線路損失をより低減することができる。
電力系統が複数のループ系を有している場合、ループ系毎に制御を行うと、ループ系の数に対応する制御装置(例えば、電力線に電気量を印加する制御装置)が必要となる。
そこで、制御装置の数を低減するために、複数のループ系を合成し1つのループ系として扱う手法を用いることができる。複数のループ系を合成する手法としては、例えば、複数のループ系のインピーダンスを合成した合成インピーダンスを求める手法を用いることができる。
本態様では、線路損失を低減する制御を行う制御装置の数を低減することができる。
電力線の線路損失を低減する制御手法しては、電力線に電気量を印加する制御手法を用いるのが好ましい。電力線に印加する電気量としては、例えば、電圧や電力等を用いることができる。電力線に電気量を印加する制御装置としては、例えば、UPFC(総合電力潮流制御装置)が用いられる。
電力線に印加する電気量としては制御電圧を用いるのが好ましい。なお、電力は電圧によって定まるため、電気量として電力を用いる態様は、電気量として電圧を用いる態様に包含される。制御電圧の大きさや位相を調整することによって、種々の制御態様に対して線路損失を低減することができる。
本発明の他の発明は、ループ状に接続されてループ系を形成している複数の電力線と、電力線の線路損失を低減する線路損失低減装置を備える電力系統である。そして、線路損失低減装置として、前述した電力系統の線路損失低減装置のいずれかを用いている。
本発明は、前述した各効果を有する。
本発明のさらに他の発明は、複数の電力線をループ状に接続したループ系を有する電力系統を構築する電力系統構築方法である。本発明では、電力系統のループ系を形成する電力線それぞれの線路インダクタンスにより発生する逆起電力の和が零になるように電力系統を構築する。例えば、ループ系を形成する電力線それぞれの線路インダクタンスにより発生する逆起電力の和が零となるように、送電端に接続する電力線の数や種類を決定する。
本発明は、送出し電圧が同じ(送出し電圧差がない)ループ系を有する電力系統を構築する際に好適に用いることができる。
本発明の適用方法としては、種々の適用方法が可能である。例えば、処理装置により、ループ系を有する電力系統を線路損失を低減させながら構築する際に適用することができる。
本発明を用いることにより、ループ系を有する電力系統を、電力線の線路インダクタンスにより発生する逆起電力に起因して流れるループ系のループ電流、すなわち、線路損失を低減させながら電力系統を容易に構築することができる。
本発明のさらに他の発明の他の態様は、電力系統のループ系を形成する電力線それぞれの線路インダクタンスにより発生する逆起電力の和と当該ループ系の送出し電圧差との和が零になるように電力系統を構築する。
本態様を用いることにより、ループ系を有する電力系統を、電力線の線路インダクタンスにより発生する逆起電力及びループ系の送出し電圧差に起因して流れるループ系のループ電流、すなわち、線路損失を低減させながら電力系統を容易に構築することができる。
本発明のさらに他の発明の他の態様は、電力系統のループ系を形成する電力線それぞれの線路抵抗による電圧降下の和が零になるように電力系統を構築する。
本態様を用いることにより、ループ系を有する電力系統を、電力線の線路インダクタンスにより発生する逆起電力及びループ系の送出し電圧差に起因して流れるループ系のループ電流(あるいは、電力線の線路インタタンスにより発生する逆起電力に起因して流れるループ系のループ電流)、すなわち、線路損失を低減させながら電力系統を容易に構築することができる。
本発明のさらに他の発明の更に他の態様は、電力系統のループ系を形成する電力線それぞれの線路抵抗と線路インダクタンスの比が全て等しくなるように電力系統を構築する。
本態様は、送出し電圧が同じ(送出し電圧差がない)ループ系を有する電力系統を構築する際に好適に用いることができる。
本態様の適用方法としても、種々の適用方法が可能である。
本態様を用いることにより、電力線の線路インダクタンスにより発生する逆起電力に起因して流れるループ系のループ電流、すなわち、線路損失を低減させながら電力系統を容易に構築することができる。
段落番号[0017]に記載されている電力系統構築方法に、さらに、ループ系の送出し電圧差が零となるように電力系統を構築する手法を用いることができる。
本態様を用いることにより、ループ系を有する電力系統を、電力線の線路インダクタンスにより発生する逆起電力及びループ系の送出し電圧差に起因して流れるループ系のループ電流、すなわち、線路損失を低減させながら電力系統を容易に構築することができる。
本発明の電力系統の線路損失低減装置及び電力系統を用いることにより、電力線をループ状に接続したループ系を有する電力系統の効率を安価に効果的に高めることができる。また、本発明の電力系統構築方法を用いれば、電力線をループ状に接続したループ系を有する電力系統を、線路損失を低減させながら、すなわち、効率を高めらながら構築することができる。
以下に本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。なお、以下の説明において、記号〈 〉は、ベクトルを表している。
先ず、本発明の、電力系統の線路損失を低減する技術について説明する。
いま、図1に示す単位電力系統[A1]、[A2]を考える。図1に示す単位電力系統[A1]は、送電端1、負荷1、送電端1と負荷1の間に接続されている電力線1により構成されている。また、単位電力系統[A2]は、送電端2、負荷2、送電端2と負荷2の間に接続されている電力線2及び3、電力線2と3の接続点に接続されている負荷3により構成されている。
送電端1、2としては、例えば、変電所や発電機の送電端等が用いられる。送電端1、2の送電電圧(送出し電圧)は、〈V1〉、〈V2〉である。負荷1〜3の負荷インピーダンスは、〈ZLi〉(i=1、2、3)]である。負荷1〜3を流れる負荷電流は、〈ILi〉(i=1、2、3)である。電力線1〜3の一相分の線路インピーダンスは、[〈Zi〉=Ri+jωLi(i=1、2、3)]である。なお、Riは電力線i(i=1、2、3)の線路抵抗であり、Li(i=1、2、3)は電力線iの線路インダクタンスである。
図1に示されている単位電力系統[A1]、[A2]は、送電端2の送出し電圧〈V2〉を基準とする送出し電圧差[〈△V〉=〈V2〉−〈V1〉]を用いて、図2に示す等価回路で表される。なお、送り出し電圧差〈△V〉は、[〈△V〉=〈V1〉−〈V2〉]とすることもできる。送り出し電圧差〈△V〉の符号(正または負)は、その算出方法に応じて適宜決定される。
説明を簡単化するために、図2に示されている、単位電力系統[A1]、[A2]の等価回路において、負荷1〜3を、定インピーダンスから定電流源に近似化する。
この近似化は、例えば、図3に示されている、電圧源から電流源への等価変換方法を用いて行うことができる。先ず、負荷インピーダンス〈ZLi〉を送出し電圧〈Vi〉の電圧源の内部インピーダンスとみなして、電圧源を電流源に等価変換する。ここで、送出し電圧差〈△V〉は充分に小さく、負荷インピーダンス〈ZLi〉は線路インピーダンス〈Zi〉より十分に大きいと仮定すると、電圧源の内部インピーダンスとみなした負荷インピーダンス〈ZLi〉を無視することができる。これにより、負荷インピーダンス〈ZLi〉と送出し電圧〈Vi〉を有する電圧源は、電流[=負荷電流=〈Vi〉/〈ZLi〉]を有する電流源に近似的に等価変換することができる。
このような負荷を定インピーダンスから定電流源に近似化する方法を用いることにより、図1に示した単位電力系統[A1]、[A2]を放射状に接続した電力系統(放射状電力系統)は、図4に示す等価回路で表される。
また、図1に示した単位電力系統[A1]、[A2]をループ状に接続した電力系統(ループ状電力系統)は、図5に示す等価回路で表される。
以下の説明では、図4に等価回路が示されている電力系統(以下、単に「図4に示されている放射状電力系統」という)、図5に等価回路が示されているループ状電力系統(以下、単に「図5に示されているループ状電力系統」という)について説明する。なお、図5に示されているループ状電力系統は、図1に示されている単位電力系統を単純にループ化しただけであり、後述するUPFC(総合電力潮流制御装置)による線路損失低減機能を有していない。以下では、UPFCを有している本発明の実施の形態と区別するために、「単純ループ状電力系統」という。
なお、以下の説明では、「電力線」は、電力を送ることができる線を意味し、特定の用途や、電力容量(あるいは、定格電圧や定格電流)を意味するものとして用いてはいない。
「ループ状電力系統」は、ループ状電力系統に接続されている負荷に、少なくとも異なる2つの経路を介して電力が供給可能に構成されている電力系統を意味する。例えば、図7に示されているように、送電端1と送電端2が電力線1〜3を介して接続され、電力線1〜3のいずれかに負荷が接続された電力系統が対応する。図7に示す電力系統では、例えば、負荷1には、送電端1から電力線1を介する経路と、送電端2から電力線2及び3を介する経路を介して電力の供給が可能である。
送電端1および送電端2としては、同じ電力源の送電端(例えば、自家発電機の共通の送電端あるいは異なる送電端)、異なる経路を介して同じ電力源に接続されている送電端(例えば、変電所の送電端)、異なる電力源の送電端(例えば、送電端1は商用電源系統の変電所の送電端、送電端2は自家発電機の送電端)等種々の組み合わせを用いることができる。
(放射状電力系統の線路損失)
図4に示されている放射状電力系統では、各電力線1〜3を流れる線路電流〈Iri〉(i=1、2、3)は、[1式]で表される。
〈Ir1〉=〈IL1〉
〈Ir2〉=−〈IL2〉−〈IL3〉
〈Ir3〉=−〈IL2〉
[1式]
したがって、図4に示されている放射状電力系統の全線路損失Prは、[2式]で表される。
Figure 0005036364
[2式]
(単純ループ状電力系統の線路損失)
図5で示されている単純ループ状電力系統では、各電力線1〜3を流れる線路電流〈Ili〉(i=1、2、3)は、[3式]で表される。
Figure 0005036364
[3式]
したがって、図5に示されている単純ループ状電力系統の全線路損失Plは、[4式]で表される。
Figure 0005036364
[4式]
(ループ状電力系統の線路損失最小化条件)
図5に示されている単純ループ状電力系統において、各電力線1〜3の線路電流を〈Il1〉、〈Il2〉、〈Il3〉とし、基準電流を〈Il1〉とした場合、[5式]が得られる。
〈Il1〉=〈Il1〉
〈Il2〉=〈Il1〉−(〈IL1〉+〈IL2〉+〈IL3〉)
〈Il3〉=〈Il1〉−(〈IL1〉+〈IL2〉)
[5式]
この時、全線路損失Pは、[6式]で表される。
Figure 0005036364
[6式]
ここで、図5では、負荷1〜3を定電流源で表している。すなわち、〈ILi〉(i=1、2、3)は一定である。これにより、全線路損失を表す[6式]中の第2項以降は一定値となる。したがって、図5に示されている単純ループ状電力系統において、線路損失が最小となるのは、[6式]の第1項が零、すなわち、〈Il1〉が〈Im1〉に等しい時である。
この時(〈Il1〉=〈Im1〉の時)の線路電流〈Imi〉(i=1、2、3)は[7式]で表され、線路損失最小値Pminは[8式]で表される。
Figure 0005036364
[7式]
Figure 0005036364
[8式]
[3式]と[7式]、[4式]と[8式]を比べると分かるように、単純ループ状電力系統の線路電流〈Ili〉、線路損失Plは、単純ループ状電力系統の線路損失最小時における線路電流〈Imi〉、線路損失Pminと異なっている。そこで、単純ループ状電力系統の線路損失を最小化するための条件について検討する。
[3式]で表される単純ループ状電力系統の線路電流〈Ili〉と、[7式]で表される単純ループ状電力系統の線路損失最小時における線路電流〈Imi〉との差〈Iloop〉は、[9式]で表される。
Figure 0005036364
[9式]
なお、[9式]の第1項の分子は、[10式]で表される。
Figure 0005036364
[10式]
[9式]の分母Rloopは、ループ系を形成している電力線1〜3の線路抵抗を加算したものであり、ループ系の線路抵抗を表している。
[9式]の第1項の分子(または、分子の第1項)は、ループ系を形成している電力線1〜3の線路インダクタンスで発生する逆起電力の和である。ここで、インダクタンスに交流電流が流れると、自己誘導作用によって逆起電力が発生する。このインダクタンスの逆起電力によって、回路に電流が流れる。[9式]の第1項は、ループ系を形成している電力線1〜3の線路インダクタンスで発生する逆起電力の和をループ系の線路抵抗Rloopで除算したものであり、ループ系を形成している電力線1〜3の線路インダクタンスで発生する逆起電力の和によってループ系を流れるループ誘導電流を表している。
また、送電端の電圧(送出し電圧)に差がある場合には、送出し電圧の差によって送電端の間の回路に電流が流れる。[9式]の第2項は、ループ系の送出し電圧差〈△V〉をループ系の線路抵抗Rloopで除算したものであり、ループ系の送出し電圧差〈△V〉によってループ系を流れる横流を表している。
すなわち、[9式]で示されている、ループ系を流れるループ電流〈Iloop〉は、ループ系を形成している電力線の線路インダクタンスで発生する逆起電力の和によってループ系を流れるループ誘導電流と、ループ系の送出し電圧差〈△V〉によってループ系を流れる横流の和である。
以上のことから、単純ループ状電力系統(電力線を単純にループ状に接続した場合)で線路損失が最小とならないのは、電力線の線路インダクタンスで発生する逆起電力によるループ誘導電流と送出し電圧差による横流を含むループ電流〈Iloop〉がループ系を流れるためであることがわかる。
前述したことから、ループ系を流れるループ電流〈Iloop〉を零にすれば線路損失を最小にすることができる。
ループ系の線路抵抗Rloopは一定値であるから、[9式]で表されるループ電流〈Iloop〉が零となる(〈Iloop〉=0)必要十分条件は、[11式]に示すように、[9式]の第1項及び第2項の分子(または、分子)が零となることである。
Figure 0005036364
[11式]
[11式]から、線路損失が最小となる条件(線路損失最小化条件)は、以下の条件となる。
[線路損失最小化条件(1)]:ループ系を形成する電力線それぞれの線路インダクタンスで発生する逆起電力の和が零であり、且つ、送出し電圧差〈△V〉が零であること。
[線路損失最小化条件(2)]:ループ系を形成する電力線それぞれの線路インダクタンスで発生する逆起電力の和と送出し電圧差〈△V〉との和が零であること。
なお、送出し電圧差〈△V〉が零でないが、ループ系を形成する電力線それぞれの線路インダクタンスで発生する逆起電力の和が零であるという条件が成立する場合、または、ループ系を形成する電力線それぞれの線路インダクタンスで発生する逆起電力の和が零でないが、送出し電圧差〈△V〉が零であるという条件が成立する場合でも、線路損失を低減することができる。
図5に示されている単純ループ状電力系統では、ループ系に関して[12式]の関係が成立する。
Figure 0005036364
[12式]
この[12式]において、前述した[線路損失最小化条件(1)]である、ループ系を形成する電力線それぞれの線路インダクタンスで発生する逆起電力の和が零であり、且つ、送出し電圧差〈△V〉が零である条件を当てはめると、ループ系を形成する電力線それぞれの線路抵抗による電圧降下の和(Ri〈Ili〉の合計)が零となる。すなわち、ループ系を形成する電力線それぞれの線路インダクタンスで発生する逆起電力の和が零であり、且つ、送出し電圧差〈△V〉が零である条件は、ループ系を形成する電力線それぞれの線路抵抗による電圧降下の和が零である条件と等価である。
したがって、線路損失が最小となる条件(線路損失最小化条件)は、以下の条件となる。
[線路損失最小化条件(3)]:ループ系を形成する電力線それぞれの線路抵抗による電圧降下の和が零であること。
ここで、ループ系を形成する電力線それぞれの線路インダクタンスで発生する逆起電力の和を表している[10式]において、[11式]の線路損失最小化条件を適用する。図5に示されているループ状電力系統では、負荷1〜3を定電流源で表している。そこで、負荷電流の係数を零にすると、電力線1〜3それぞれの線路抵抗R1、R2、R3と線路インダクタンスL1、L2、L3は、[13式]の関係を満足する。
(R1/L1)=(R2/L2)=(R3/L3)
[13式]
[13式]の関係は、ループを形成する電力線1〜3それぞれの線路抵抗R1、R2、R3と線路インダクタンスL1、L2、L3の比が全て等しいことを表している。すなわち、ループ系を形成する電力線それぞれの線路抵抗と線路インダクタンスの比が全て等しいという条件は、ループ系を形成する電力線それぞれの線路インダクタンスで発生する逆起電力の和が零であるという条件と等価である。ループ系を形成する電力線それぞれの線路インダクタンスで発生する逆起電力の和が零であるという条件は、典型的には、ループ系を形成する各電力線として同じ線種の電力線が用いられている場合に満足される。
したがって、線路損失が最小となる条件(線路損失最小化条件)は、以下の条件となる。
[線路損失最小化条件(4)]:ループ系を形成する電力線それぞれの線路抵抗と線路インダクタンスの比が全て等しく、且つ、送出し電圧差〈△V〉が零であること。
なお、送出し電圧差〈△V〉が零でないが、ループ系を形成する電力線それぞれの線路抵抗と線路インダクタンスの比が全て等しいという条件が成立する場合、または、ループ系を形成する電力線それぞれの線路抵抗と線路インダクタンスの比が全て等しくないが、送出し電圧差〈△V〉が零であるという条件が成立する場合でも、線路損失を低減することができる。
(電流・損失の比較)
次に、放射状電力系統、単純ループ状電力系統、線路損失最小時のループ状電力系統の電流、損失を比較する。
先ず、線路電流を比較する。
[1式]で表される、図4に示されている放射状電力系統の各電力線1〜3の線路電流〈Iri〉と、[3式]で表される、図5で示されている単純ループ状電力系統の各電力線1〜3の線路電流〈Ili〉との差、すなわち、単純ループ化による線路電流の変化量〈△Ilr〉は、[14式]で表される。
Figure 0005036364
[14式]
[14式]の第1項は、電力線のループ化により、各電力線の線路インピーダンス〈Zi〉による電圧降下の和が零になることによってループ系に流れるループ電流である。第2項は、ループ化により、送出し電圧差〈△V〉によってループ系を流れる横流である。
また、[1式]で表される、図4に示されている放射状電力系統の各電力線1〜3の線路電流〈Iri〉と、[7式]で表される、線路損失最小時のループ状電力系統の線路電流〈Imi〉との差、すなわち、線路損失最小ループ化による線路電流の変化量〈△Imr〉は、[15式]で表される。
Figure 0005036364
[15式]
[15式]は、ループ化により、各電力線の線路抵抗〈Ri〉による電圧降下の和が零になることによってループ系に流れるループ電流である。これは、放射状電力系統からループ状電力系統に切り替えられた時、線路電流が〈ΔImr〉だけ変化した場合に線路損失が最小になることを表している。
ここで、[14式]で表される、単純ループ化による線路電流の変化量〈△Ilr〉と、[15式]で表される、線路損失を最小化した時の線路電流の変化量〈△Imr〉との差は、[16式]に表されている
Figure 0005036364
[16式]
[16式]は、[9式]と同じである。つまり、線路損失は、線路インダクタンスの逆起電力によるループ誘導電流と送出し電圧差による横流が流れない場合に最小となる。
以上より、単純ループ状電力系統を構成した場合、線路損失最小ループ状電力系統を構成した場合の線路電流の変化は以下のようになる。
放射状電力系統 〈Iri〉
単純ループ状電力系統 〈Ili〉=〈Iri〉+〈△Ilr〉=〈Imi〉+〈Iloop〉
線路損失最小ループ状電力系統
〈Imi〉=〈Iri〉+〈△Imr〉=〈Ili〉−〈Iloop〉
次に、損失の変化を比較する。
図4に示されている放射状電力系統の線路損失Prは、[2式]で表される。
放射状電力系統の線路損失Prを基準とすると、図5に示されている単純ループ状電力系統の線路損失Plは、[17式]で表される。
Figure 0005036364
[17式]
[17式]から、単純ループ状電力系統では、放射状電力系統に比べて、ループ電流の変化量〈△Imr〉による線路損失分だけ減少する。線路損失が減少するか増加するかは、ループ電流の変化量〈△Imr〉とループ電流〈Iloop〉の大きさに依存する。
また、放射状電力系統の線路損失Prを基準とすると、線路損失最小ループ状電力系統の線路損失Pminは、[18式]で表される。
Figure 0005036364
[18式]
[18式]から、線路損失最小ループ状電力系統では、放射状電力系統に比べて、ループ電流の変化量〈△Imr〉による線路損失分だけ減少する。
また、単純ループ状電力系統の線路損失Plを基準とすると、線路損失最小ループ状電力系統の線路損失Pminは、[19式]で表される。
Figure 0005036364
[19式]
[19式]から、線路損失最小ループ状電力系統では、単純ループ状電力系統に比べて、ループ電流〈Iloop〉による線路損失分だけ減少する。
以上より、単純ループ状電力系統を構成した場合、線路損失最小ループ状電力系統を構成した場合の線路損失の変化は以下のようになる。
放射状電力系統 Pr
単純ループ状電力系統 Pl=Pr−Rloop|〈△Imr〉|+Rloop|〈Iloop〉|
線路損失最小ループ状電力系統
Pmin=Pr−Rloop|〈△Imr〉|=Pl−Rloop|〈Iloop〉|
以上のように、ループ状電力系統において、ループ系を流れるループ電流〈Iloop〉を零にすることによって線路損失を最小化することができる。
ループ電流〈Iloop〉を最小化する線路損失最小化条件としては、前述した線路損失最小化条件(1)〜(4)を用いることができる。
例えば、ループ系を形成する電力線それぞれの線路インダクタンスで発生する逆起電力の和及び送出し電圧差を零にすることにより、または、ループ系を形成する電力線それぞれの線路インダクタンスで発生する逆起電力の和と送出し電圧差との和を零にすることにより、または、ループ系を形成する電力線それぞれの線路抵抗による電圧降下の和を零にすることにより、または、ループ系を形成する電力線それぞれの線路抵抗と線路インダクタンスの比を全て等しくするとともに送出し電圧差を零にすることにより線路損失を最小化することができる。
次に、線路損失を低減させる制御を行う線路損失低減装置について説明する。
本実施の形態では、線路損失低減装置を、UPFC(総合電力潮流制御装置:Unified Power Flow Controller)により構成している。UPFC(総合電力潮流制御装置)としては、公知のUPFCを用いることができる。UPFCは、小容量であるため、安価である。
本実施の形態で用いるUPFCの概略構成を図6に示す。UPFCは、ループ系を形成する電力線のうちの少なくとも1つの電力線に接続される。UPFCの接続位置は、適宜選択可能である。また、1つまたは複数のUPFCを用いることができる。
UPFC100は、変圧器10、リアクトル20、並列形電力変換器30、直列形電力変換器40、コンデンサ50、変圧器60、制御回路70等により構成されている。並列形電力変換器30及び直列形電力変換器40としては、典型的には、インバータが用いられる。並列形電力変換器30は、交流側が変圧器10、リアクトル20を介して電力線に接続されている。直列形電力変換器40は、交流側が変圧器60を介して電力線に接続されている。また、並列形電力変換器30及び直列形電力変換器40の直流側には、共通のコンデンサ50が接続されている。
直列形電力変換器40は、電力線に印加する制御電圧〈Vc〉を調整する。並列形電力変換器30は、入力力率1で入力電流〈Ic〉を調整し、コンデンサCの両端の直流電圧Vdcを一定に制御する。
制御回路70は、並列形電力変換器30及び直列形電力変換器40を制御する。本実施の形態では、制御回路70は、ループ状電力系統の線路損失を低減する制御電圧〈Vc〉が電力線に印加されるように、直列形電力変換器40を制御する。このため、制御回路70には、種々の信号(例えば、線路電流、負荷電流、送電端の送出し電圧)が入力され、また、種々のデータ(例えば、電力線の線路抵抗や線路インダクタンス、負荷インピーダンス)が記憶されている。制御回路70で用いられる入力信号やデータは、線路損失を低減する制御で用いられる制御パラメータ等に応じて適宜選択される。
なお、以下の説明では、簡単化のために、並列形電力変換器30の入力電流〈Ic〉は線路電流〈Ii〉に比べて無視できるほど小さいものとし、また、UPFC100が電力線との間で授受する有効電力は考えず、線路損失に影響しないものとする。
次に、UPFC100の動作を説明する。以下では、図7に示す電力系統について説明する。図7に示す電力系統は、図1に示されている単位電力系統をループ状に接続した電力系統である。図7では、電力線1と電力線3を接続線で接続することによって、電力線1〜3をループ状に接続している(電力線1〜3によりループ系が構成されている)。負荷1〜3は、ループ状に接続された(ループ系を形成している)電力線1〜3の任意の箇所に、少なくとも異なる2つの経路を介して電力が供給可能に接続されている。例えば、負荷1には電力線1または電力線3から、負荷2には電力線1または電力線3から、負荷3には電力線2または電力線3から電力が供給可能に構成されている。そして、送電端1、2にループ状に接続されている電力線1〜3のうちの電力線1にUPFCを接続することによって、線路損失低減装置を備えた、ループ系を有している電力系統が構成されている。なお、線路損失低減装置として用いられるUPFCは、ループ状に接続されている電力線1〜3の任意の箇所に設けることができる。また、UPFCは、ループ状に接続されている電力線1〜3の複数の箇所に設けることもできる。
図7において、送電端1、2の送出し電圧(送電電圧)は〈V1〉、〈V2〉、負荷1、2、3の負荷インピーダンスは〈ZL1〉、〈ZL2〉、〈ZL3〉、負荷1、2、3の負荷電流は〈IL1〉、〈IL2〉、〈IL3〉、電力線1〜3の線路インピーダンスは〈R1+jωL1〉、〈R2+jωL2〉、〈R3+jωL3〉、電力線1、2、3の線路電流は〈I1〉、〈I2〉、〈I3〉である。
先ず、送電端電圧〈V1〉と〈V2〉が等しい(〈V1〉=〈V2〉)場合(「同バンク」という)について説明する。
この場合には、送出し電圧差〈△V〉が零であるため、線路損失を低減するには、前述した線路損失最小化条件(1)〜(4)が、送出し電圧差[〈△V〉=0]の状態で満足されるように制御する。
例えば、ループ系に電気量を印加することにより、ループ系を形成している電力線それぞれの線路インダクタンスでの逆起電力の和に対する補償を行い、ループ系の逆起電力の和を低減する(好ましくは零にする)。あるいは、ループ系に電気量を印加することにより、ループ系を形成している電力線それぞれの線路抵抗Rと線路インダクタンスLの比[R/L]が全て等しくなるように補償を行う。
図7に示すループ状電力系統において、ループ系を形成している電力線1〜3それぞれの線路抵抗と線路インダクタンスの比が、例えば、[(R1/L1)≠(R2/L2)≠(R3/L3)]であり、ループ系を形成している電力線1〜3それぞれの線路インダクタンスでの逆起電力の和に対する補償を行う場合について説明する。
電力線1に設けられているUPFCからは、ループ系を形成している電力線1〜3それぞれの線路インダクタンスでの逆起電力の和に対する補償を行うための制御電圧〈Vc〉が電力線1に印加される。この場合、図8の等価回路に示されているように、電力線1に電圧〈Vc〉を有する電圧源が挿入されたことと等価である。図8に示す等価回路では、ループ系を形成している電力線1〜3の線路インダクタンスでの逆起電力の和が零となる線路損失低減化条件は[20式]で表される。
Figure 0005036364
[20式]
したがって、UPFCは、電力線1に印加する制御電圧〈Vc〉を、[21式]で示すように調整(制御)する。なお、UPFCの制御回路70は、例えば、電力線1〜3の線路インダクタンスLi(i=1、2、3)と、電流検出器等により検出された電力線1〜3の線路電流Ii(i=1、2、3)により電力線1〜3の線路インダクタンスでの逆起電力の和を判別する。
Figure 0005036364
[21式]
これにより、ループ系を形成している電力線1〜3の線路インダクタンスで発生する逆起電の和に対する補償を行って、ループ系の逆起電力の和を零に補償することができるため、電力線1〜3の線路インダクタンスで発生する逆起電力によってループ系に流れるループ誘導電流〈Iloop〉を零にすることができる。したがって、ループ状電力系統の線路損失を低減することができる。なお、ループ系の逆起電力の和が小さくなるように補償を行うことによって、電力線1〜3の線路インダクタンスで発生する逆起電力によってループ系に流れるループ誘導電流〈Iloop〉を低減するように構成することもできる。
勿論、ループ系を構成している電力線の線路抵抗と線路インダクタンスの比[R/L]を全て等しくするように補償する方法を用いることもできる。
図7に示すループ状電力系統において、ループ系を構成している電力線1〜3の線路抵抗と線路インダクタンスの比が、例えば、[(R1/L1)≠(R2/L2)=(R3/L3)]であり、ループ系を構成している電力線の線路抵抗と線路インダクタンスの比[R/L]を全て等しくするように補償する場合について説明する。
電力線の線路抵抗と線路インダクタンスの比[R/L]を全て等しくする制御態様を用いる場合には、電力線1に設けられているUPFCからは、電力線1の線路電流〈I1〉に直交する(略直交を含む)制御電圧〈Vc〉が電力線1に印加される。この場合には、図9の等価回路に示されているように、電力線1にインダクタンス〈Lc〉が挿入されたことと等価である。なお、電力線1の線路電流〈I1〉と平行(略平行を含む)な制御電圧〈Vc〉が電力線1に印加された場合には、電力線1に抵抗Rcが挿入されたことと等価である。
図9に示す等価回路では、ループ系を構成している電力線1〜3の線路抵抗R1、R2、R3と線路インダクタンスL1、L2、L3の比[R/L]が全て等しくなる線路損失低減化条件は[22式]で表される。
[R1/(L1+Lc)]=(R2/L2)=(R3/L3)
[22式]
したがって、UPFCは、電力線1に印加する制御電圧〈Vc〉の大きさと位相を、等価インダクタンスLcが、例えば、[23式]を満足するように調整(制御)する。なお、UPFCの制御回路70には、例えば、電力線1〜3の線路抵抗R1、R2、R3及び線路インダクタンスL1、L2、L3が予め入力されている。
Lc=(R1/R2)L2−L1
[23式]
これにより、ループ系を形成している電力線1〜3の線路抵抗と線路インダクタンスの比[R/L]が全て等しくなるように補償することができるため、電力線1〜3の線路インダクタンスで発生する逆起電力によってループ系に流れるループ誘導電流〈Iloop〉を零にすることができる。したがって、ループ状電力系統の線路損失を低減することができる。
勿論、ループ系を構成している電力線の線路インダクタンスでの逆起電力の和が零となるように補償する方法を用いることもできる。
次に、送電端電圧〈V1〉と〈V2〉が異なる(〈V1〉≠〈V2〉)場合(「異バンク」という)について説明する。
送電端電圧〈V1〉と〈V2〉が異なる場合には、線路損失を低減するには、ループ系を形成している電力線の線路インダクタンスでの逆起電力の和が零になるように補償し、且つ、送出し電圧差(〈△V〉=〈V2〉−〈V1〉)が零となるように補償する、または、ループ系を形成している電力線の線路インダクタンスでの逆起電力の和と送出し電圧差との和が零になるように補償する、または、ループ系を形成している電力線の線路抵抗による電圧降下の和が零となるように補償する、または、ループ系を形成している電力線の線路抵抗と線路インダクタンスの比[R/L]が全て等しくなるように補償するとともに、送出し電圧差が零になるように補償する。
なお、ループ系を形成している電力線の線路抵抗と線路インダクタンスの比[R/L]が全て略等しくなるように補償することもできる。
図7に示すループ状電力系統において、ループ系を形成している電力線1〜3の線路インダクタンスでの逆起電力の和と送出し電圧差との和に対する補償を行う場合について説明する。
ループ系を形成している電力線1〜3の線路インダクタンスでの逆起電力の和と送出し電圧差との和に対する補償を行う場合には、電力線1に設けられているUPFCからは、電力線1〜3の線路インダクタンスでの逆起電力の和と送出し電圧差との和を補償するための(和に対応する)制御電圧〈Vc〉が電力線1に印加される。この場合、図8の等価回路に示されているように、電力線1に電圧〈Vc〉を有する電圧源が挿入されたことと等価となる。図8に示す等価回路では、線路損失低減化条件は[24式]で表される。
Figure 0005036364
[24式]
したがって、UPFCは、電力線1に印加する制御電圧〈Vc〉を、[25式]を満足するように調整(制御)する。UPFCの制御回路70には、各電力線での逆起電力を、例えば、前述した方法で判別する。
Figure 0005036364
[25式]
これにより、ループ系の逆起電力の和と送出し電圧差との和が零に補償されるため、ループ系を形成している電力線1〜3の線路インダクタンスで発生する逆起電力の和によるループ誘導電流と送出し電圧差〈△V〉による横流を含むループ電流〈Iloop〉を低減することができる。特に、この方法を用いる場合には、ループ系を形成している電力線1〜3の線路インダクタンスで発生する逆起電力の和によるループ誘導電流に対する補償と、送出し電圧差〈△V〉による横流に対する補償を同時に行うことができるため、ループ系に流れるループ電流〈Iloop〉を効率よく零にすることができる。したがって、ループ状電力系統の線路損失を効率よく低減することができる。なお、ループ系の逆起電力の和と送出し電圧差との和が小さくなるように補償することによっても、ループ系を流れるループ電流を低減することができ、線路損失を低減することができる。
勿論、逆起電力の和と送出し電圧差との和に対する補償を行う方法に替えて、前述した他の方法を用いることもできる。
次に、ループ状電力系統が複数のループ系を有する場合の動作を説明する。
いま、図10に示すループ状電力系統を考える。図10に示すループ状電力系統は、ループ系1とループ系2の2つのループ系を有している。ループ系1は、送電端1と送電端4にループ状に接続されている電力線1、電力線4、接続線1によって構成されている。また、ループ系2は、送電端2と送電端5にループ状に接続されている電力線2、電力線6、接続線1、接続線2によって構成されている。
このように複数のループ系を有している電力系統では、各ループ系毎に線路損失低減化条件を満足するように制御する。例えば、ループ系1、2それぞれにUPFC1、2を設け、各UPFC1、2を用いて、ループ系1、2それぞれに流れるループ電流が低減するように制御する。
例えば、ループ系1の線路損失を低減するための線路損失低減化条件として、前述した、逆起電力の和と送出し電圧差との和に対する補償を行う[26式]を用いる。なお、[26式]において、〈Vci〉は、UPFC1からループ系1の電力線1に印加される制御電圧である。
Figure 0005036364
[26式]
また、ループ系2の線路損失を低減するための線路損失低減条件として、前述した、逆起電力の和と送出し電圧差との和に対する補償を行う[27式]を用いる。なお、[27式]において、〈Vcj〉は、UPFC2からループ系2の接続線2に印加される制御電圧である。
Figure 0005036364
[27式]
この場合、UPFC1は、ループ系1の電力線1に印加する制御電圧〈Vci〉を、[28式]を満足するように調整(制御)する。
Figure 0005036364
[28式]
また、UPFC2は、ループ系2の接続線2に印加する制御電圧〈Vcj〉を、[29式]を満足するように調整(制御)する。
Figure 0005036364
[29式]
これにより、ループ系1及びループ系2の線路損失を低減することができる。
前述したループ状電力系統の各ループ系にUPFCを設ける方法は、ループ系の数だけUPFCが必要となる。そこで、少ない数のUPFCを用いて、複数のループ系を有する電力系統の線路損失を低減することができる方法を以下に説明する。この実施の形態では、複数のループ系が並列に接続されていると考えることにより、合成インピーダンスを求める。そして、求めた合成インピーダンスを用いて、近似的に、複数のループ系を1つのループ系として扱う。
いま、図11に示すループ状電力系統を考える。図11に示すループ状電力系統は、図10に示した電力系統と同様の構成である。すなわち、ループ系1は、送電端1と送電端4にループ状に接続されている電力線1、電力線4、接続線1によって構成されている。また、ループ系2は、送電端2と送電端5にループ状に接続されている電力線2、電力線6、接続線1、接続線2によって構成されている。
ここで、ループ系1とループ系2が並列に接続されていると考える。図11では、ループ系1の接続線1と、ループ系2の電力線2、電力線6、接続線2の直列回路によって並列回路B1が形成されているものと考える。そして、並列回路B1の合成インピーダンスを求める。そして、求めた並列回路B1の合成インピーダンスを用いて、並列回路B1を1つの接続線を有する合成回路B2に変換する。これにより、図11に示されているように、ループ系1及び2を有する電力系統を、1つのループ系1のみを有する電力系統として扱うことができる。この場合、合成回路B2の接続線のインピーダンスは、並列回路B1の合成インピーダンスを有している。そして、ループ系1の電力線1にUPFCを設け、ループ系1を流れるループ電流を低減するための制御電圧〈Vc〉をUPFCから電力線1に印加する。
この場合、ループ系1に対する線路損失低減化条件として、例えば、ループ系1を形成している電力線の線路インダクタンスによる逆起電力の和と送出し電圧差との和に対する補償を行うための[30式]を用いる。
Figure 0005036364
[30式]
したがって、UPFCは、ループ系1の電力線1に印加する制御電圧〈Vc〉を、[31式]が満足されるように調整(制御)する。
Figure 0005036364
[31式]
これにより、1つのUPFCを用いて、合成後のループ系1に対して、ループ系1を形成している電力線の線路インダクタンスで発生する逆起電力の和に対する補償及び送出し電圧差〈△V〉に対する補償を行うことにより、複数のループ系1及び2に対して、ループ系を形成している電力線の線路インダクタンスで発生する逆起電力の和に対する補償と送出し電圧差に対する補償を行うことができる。したがって、少ない数のUPFCにより、効率よく複数のループ系それぞれを流れるループ電流〈Iloop〉を低減することができ、複数のループ系を有するループ状電力系統の線路損失を低減することができる。
勿論、線路損失低減化条件としては、他の条件を用いることもできる。
前述した複数のループ系を合成する方法を以下に説明する。
いま、図12に示す電力系統を考える。図12に示す電力系統は、ループ系1とループ系2の2つのループ系を有している。ループ系1は、ループ状に接続されている電力線1、電力線2、電力線3、接続線1によって構成されている。また、ループ系2は、ループ状に接続されている電力線2、電力線3、電力線4、電力線5、接続線2によって構成されている。また、図12に示す電力系統の電力線1にUPFCが接続されるものとする。なお、[〈Zi〉=Ri+jωLi(i=1、2、3、4、5)]は、電力線1〜5の線路インピーダンスである。
ループ系2をループ系1と合成するために、先ず、図13に、ループ系2を構成する回路(b)を抽出する。
電力線3の線路電流〈I3〉を、任意のベクトル〈x〉と電力線2の線路電流〈I2〉を用いて[32式]で表す。
〈I3〉=〈x〉〈I2〉
[32式]
電圧〈V〉は、[32式]と電力線2、3の線路インピーダンス〈Z2〉、〈Z3〉を用いて[33式]で表される。
〈V〉=〈Z2〉〈I2〉+〈Z3〉〈I3〉
=〈Z2〉〈I2〉+〈Z3〉〈x〉〈I2〉
=(〈Z2〉+〈x〉〈Z3〉)〈I2〉
[33式]
また、電力線5の線路電流〈I5〉を、任意のベクトル〈y〉と電力線4の線路電流〈I4〉を用いて[34式]で表す。
〈I5〉=〈y〉〈I4〉
[34式]
電圧〈V〉は、[34式]と電力線4、5の線路インピーダンス〈Z4〉、〈Z5〉を用いて[35式]で表される。
〈V〉=〈Z4〉〈I4〉+〈Z5〉〈I5〉
=〈Z4〉〈I4〉+〈Z5〉〈y〉〈I4〉
=(〈Z4〉+〈y〉〈Z5〉)〈I4〉
[35式]
ここで、グランドから見た負荷2、3の接続点電圧〈VL2〉、〈VL3〉は、電力線の電圧降下より十分に大きいから、[33式]、[35式]により、図13は図14に置き替えることができる。
図14は、インピーダンス[〈Z2〉+〈x〉〈Z3〉]と[〈Z4〉+〈y〉〈Z5〉]の並列回路であるから、合成インピーダンス〈Z〉は[36式]で表される。
Figure 0005036364
[36式]
電圧〈V〉は、[36式]の合成インピーダンスを用いて[37式]で表される。
〈V〉=〈Z〉(〈I2〉+〈I4〉)
=R(〈I2〉+〈I4〉)+jωL(〈I2〉+〈i4〉)
[37式]
したがって、図14は図15に置き替えることができる。
一方、電力線1に対しては、電圧〈V〉は、電力線1の線路電流〈I1〉と線路インピーダンス〈Z1〉(=R1+jωL1)を用いて[38式]で表される。
〈V〉=〈Z1〉〈I1〉
=R1〈I1〉+jωL1〈I1〉
[38式]
これにより、図12に示す、ループ系1とループ系2の2つのループ系を有するループ状電力系統は、1つのループ系を有するループ状電力系統として扱うことができる。
そして、1つのループ系を有するループ状電力系統に変換されたループ状電力系統に対して、線路損失低減化条件を用いて、UPFCを制御する。
[37式]と[38式]より、1つのループ系のインダクタンスで発生する逆起電力の和〈Vl〉は、電力線1、2、4の線路電流〈I1〉、〈I2〉、〈I4〉と電力線1の線路インダクタンスL1、合成インダクタンスLを用いて[39式]で表される。
〈Vl〉=jωL1〈I1〉−jωL(〈I2〉+〈I4〉)
[39式]
したがって、この逆起電力の和〈Vl〉を補償するために、電力線1に印加するUPFCの制御電圧〈Vc〉は、[40式]で表される。
〈Vl〉+〈Vc〉=0
〈Vc〉=−〈Vl〉
[40式]
これにより、図12に示すループ状電力系統の線路損失を近似的に低減することができる。
以上では、電力線をループ状に接続した電力系統の線路損失を低減する電力系統の線路損失低減装置について説明したが、本発明は、これ以外の方法あるいは装置として構成することができる。
例えば、ループ状の電力系統を構築する電力系統構築方法として構成することができる。この場合、例えば、送電端、送電端の送出し電圧、負荷に電力を供給する給電端が与えられると、ループを形成している電力線それぞれの線路インダクタンスで発生する逆起電力の和が零となり、且つ、当該ループの送出し電圧差が零となるように、または、ループを形成している電力線それぞれの線路インダクタンスで発生する逆起電力の和と当該ループの送出し電圧差との和が零となるように、または、ループを形成している電力線それぞれの線路抵抗による電圧降下の和が零となるように、または、ループを形成している電力線それぞれの線路抵抗と線路インダクタンスの比が全て等しくなるとともに、当該ループの送出し電圧差が零となるように、ループを形成する(ループ状に接続される)電力線を判別する電力系統構築方法として構成することができる。この処理は、例えば、処理装置によって処理することができる。
あるいは、ループ状電力系統の構築を支援する電力系統構築支援方法あるいは構築支援装置として構成される。この場合、電力線がループ状に接続されたループ系を有する電力系統内の電力線の接続状態に基づいて、ループを形成している電力線それぞれの線路インダクタンスで発生する逆起電力の和が零であり、且つ、当該ループの送出し電圧差が零であるか否か、または、ループを形成している電力線それぞれの線路インダクタンスで発生する逆起電力の和と当該ループの送出し電圧差との和が零であるか否か、または、ループを形成している電力線それぞれの線路抵抗による電圧降下の和が零であるか否か、または、ループを形成している電力線それぞれの線路抵抗と線路インダクタンスの比が全て等しいとともに、当該ループの送出し電圧差が零であるか否かを判別し(線路損失低減化条件を満足しているか否かを判別し)、判別結果に基づいて線路損失が低減されていることを判別する電力系統構築支援方法あるいは構築支援装置として構成することができる。この処理は、処理装置によって処理することができる。
あるいは、電力線がループ状に接続されたループ系と、実施の形態で説明した線路損失低減装置を備える電力系統として構成することもできる。
さらに、本発明の技術は、これ以外の種々の用途に用いることができる。
本発明は、実施の形態で説明した構成に限定されず、種々の変更、追加、削除が可能である。
実施の形態では、ループ系を形成している電力線それぞれの線路インダクタンスで発生する逆起電力によるループ誘導電流とループ系の送出し電圧差による横流を低減する(ループ誘導電流に対する補償と横流に対する補償を行う)ように構成する場合について説明したが、ループ誘導電流と横流のいずれか一方を低減する(ループ誘導電流に対する補償または横流に対する補償を行う)ように構成することもできる。この場合、ループ誘導電流に対する補償と横流に対する補償を行う場合よりループ電流の減少効果は低いが、ループ電流を低減することがきるため、線路損失を低減することができる。この場合には、例えば、ループを形成している電力線それぞれの線路インダクタンスで発生する逆起電力の和が零であるという線路損失低減化条件、または、ループを形成している電力線それぞれの線路抵抗と線路インダクタンスの比が全て等しいという線路損失低減化条件等を電力系統の線路損失低減装置や電力系統構築方法等に用いる。
なお、明細書中の「零」という記載には「略零」の概念が包含され、「等しい」という記載には「略等しい」という概念が包含されている。
「ループを形成している電力線それぞれの線路インダクタンスで発生する逆起電力の和に対する補償」、「ループの送出し電圧差に対する補償」、「ループを形成している電力線それぞれの線路インダクタンスで発生する逆起電力の和と当該ループの送出し電圧差との和に対する補償」、「ループを形成している電力線それぞれの線路抵抗による電圧降下の和に対する補償」、「ループを形成している電力線それぞれの線路抵抗と線路インダクタンスの比に対する補償」を行う手法としては、線路損失が最小となるように補償を行う手法に限定されず、線路損失が低減するように補償を行う手法を用いることができる。
電力線の線路インダクタンスから発生する逆起電力の和が零であるか否かの判別は、厳密に零であるか否かを判別する手法に限定されず、概略零であるか否かを判別する手法を含む。
電力線の線路抵抗と線路インダクタンスの比が全て同じである否かの判別は、全てが完全に一致しているか否かを判別する手法に限定されず、概略一致しているか否かを判別する手法を含む。
電力線の線路インダクタンスから発生する逆起電力の和と送出し電圧差との和が零であるか否かの判別は、厳密に零であるか否かを判別する手法に限定されず、概略零であるか否かを判別する手法を含む。
実施の形態で説明した各構成要件は、単独で用いることもできるし、適宜選択した複数を組み合わせて用いることもできる。
電力線に制御電圧を印加する装置としてUPFCを用いたが、他の装置を用いることもできる。
電力線の損失を低減する制御方法として制御電圧を電力線に印加する制御方法を用いたが、制御電圧以外の種々の電気量を電力線に印加する制御方法を用いることができる。
単位電力系統の一例を示す図である。 図1に示した単位電力系統の等価回路である。 負荷を定インピーダンスから定電流源に等価変換する手法を説明する図である。 図1に示した単位電力系統を放射状(樹枝状)に接続した電力系統(放射状電力系統)の等価回路を示す図である。 図1に示した単位電力系統をループ状(環状)に接続した電力系統(ループ状電力系統)の等価回路を示す図である。 UPFC(総合電力潮流制御装置)の動作を説明する図である。 図1に示した単位電力系統をループ状に接続した電力系統(ループ状電力系統)にUPFCを設けた図である。 電力系統の線路損失低減装置の一実施の形態の動作を説明する図である。 電力系統の線路損失低減装置の他の実施の動作を説明する図である。 複数のループ系を有する電力系統の線路損失を低減する動作を説明する図である。 複数のループ系を有する電力系統の線路損失を、少ない数のUPFCを用いて低減する動作を説明する図である。 複数のループ系を合成する方法を説明する図である。 複数のループ系を合成する方法を説明する図である。 複数のループ系を合成する方法を説明する図である。 複数のループ系を合成する方法を説明する図である。
符号の説明
100 UPFC(総合電力潮流制御装置)
10、60 変圧器
20 リアクトル
30 並列形電力変換装置
40 直列形電力変換装置
50 コンデンサ
70 制御回路

Claims (16)

  1. 複数の電力線がループ状に接続されたループ系を有している電力系統の線路損失を低減する電力系統の線路損失低減装置であって、前記ループ系を形成している電力線それぞれの線路インダクタンスにより発生する逆起電力の和に対する補償を行うことによって前記電力系統の線路損失を低減することを特徴とする電力系統の線路損失低減装置。
  2. 請求項1に記載の電力系統の線路損失低減装置であって、前記ループ系を形成している電力線それぞれの線路インダクタンスにより発生する逆起電力の和と前記ループ系の送出し電圧差との和に対する補償を行うことを特徴とする電力系統の線路損失低減装置。
  3. 請求項1に記載の電力系統の線路損失低減装置であって、前記ループ系を形成している電力線それぞれの線路抵抗による電圧降下の和に対する補償を行うことによって前記ループ系を形成している電力線それぞれの線路インダクタンスにより発生する逆起電力の和に対する補償を行うことを特徴とする電力系統の線路損失低減装置。
  4. 請求項2に記載の電力系統の線路損失低減装置であって、前記ループ系を形成している電力線それぞれの線路抵抗による電圧降下の和に対する補償を行うことによって前記ループ系を形成している電力線それぞれの線路インダクタンスにより発生する逆起電力の和と前記ループ系の送出し電圧差との和に対する補償を行うことを特徴とする電力系統の線路損失低減装置。
  5. 請求項1に記載の電力系統の線路損失低減装置であって、前記ループ系を形成している電力線それぞれの線路抵抗と線路インダクタンスの比に対する補償を行うことによって前記ループ系を形成している電力線それぞれの線路インダクタンスにより発生する逆起電力の和に対する補償を行うことを特徴とする電力系統の線路損失低減装置。
  6. 請求項5に記載の電力系統の線路損失低減装置であって、前記ループ系を形成している電力線それぞれの線路抵抗と線路インダクタンスの比に対する補償を行うとともに、前記ループ系の送出し電圧差の和に対する補償を行うことを特徴とする電力系統の線路損失低減装置。
  7. 請求項1〜6のいずれかに記載の電力系統の線路損失低減装置であって、前記電力系統は複数のループ系を有しており、前記複数のループ系を合成したループ系を前記ループ系とすることを特徴とする電力系統の線路損失低減装置。
  8. 請求項1〜7のいずれかに記載の電力系統の線路損失低減装置であって、前記ループ系を形成している電力線のうちの少なくとも1つの電力線に電気量を印加する制御装置を備え、前記制御装置から前記少なくとも1つの電力線に印加する電気量を制御することによって前記電力系統の線路損失を低減することを特徴とする電力系統の線路損失低減装置。
  9. 請求項8に記載の電力系統の線路損失低減装置であって、前記制御装置は、前記少なくとも1つの電力線に印加する電圧を制御することを特徴とする電力系統の線路損失低減装置。
  10. ループ状に接続されてループ系を形成している複数の電力線と、前記電力線の線路損失を低減する線路損失低減装置を備える電力系統であって、前記線路損失低減装置として請求項1〜9のいずれかに記載の電力系統の線路損失低減装置を用いていることを特徴とする電力系統。
  11. 複数の電力線をループ状に接続したループ系を有する電力系統を構築する電力系統構築方法であって、前記ループ系を形成する電力線それぞれの線路インダクタンスにより発生する逆起電力の和が零になるように前記電力系統を構築することを特徴とする電力系統構築方法。
  12. 請求項11に記載の電力系統構築方法であって、前記ループ系を形成する電力線それぞれの線路インダクタンスから発生する逆起電力の和と前記ループ系の送出し電圧差との和を零にすることを特徴とする電力系統構築方法。
  13. 請求項11に記載の電力系統構築方法であって、前記ループ系を形成する電力線それぞれの線路抵抗による電圧降下の和を零にすることによって前記ループ系を形成する電力線それぞれの線路インダクタンスにより発生する逆起電力の和を零にすることを特徴とする電力系統構築方法。
  14. 請求項12に記載の電力系統構築方法であって、前記ループ系を形成する電力線それぞれの線路抵抗による電圧降下の和を零にすることによって前記ループ系を形成している電力線それぞれの線路インダクタンスにより発生する逆起電力の和と前記ループ系の送出し電圧差との和を零にすることを特徴とする電力系統の線路損失低減装置。
  15. 請求項11に記載の電力系統構築方法であって、前記ループ系を形成する電力線それぞれの線路抵抗と線路インダクタンスの比を全て等しくすることによって前記ループ系を形成する電力線それぞれの線路インダクタンスにより発生する逆起電力の和を零にすることを特徴とする電力系統構築方法。
  16. 請求項15に記載の電力系統構築方法であって、前記ループ系を形成する電力線それぞれの線路抵抗と線路インダクタンスの比を全て等しくするとともに、前記ループ系の送出し電圧差を零にすることを特徴とする電力系統構築方法。
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