JP5034904B2 - ダクト流量可変弁及びそれを備えたダクト装置 - Google Patents

ダクト流量可変弁及びそれを備えたダクト装置 Download PDF

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Description

本発明は、ダクト内を流れる流体の流量を、外部の協働機構に依存することなく、弁機構自体で温度に応じて可変するダクト流量可変弁及びそれを備えたダクト装置に関する。
従来、例えば空調設備や給湯設備等の温度調整や保安機能として、ダクト内を流れる空気や水等の流体の流量を所定の温度で調整する、すなわちダクトの流路を開閉する仕組みは周知であり、その技術は一定のところで確立されている。
その仕組みは、一般的に、流体の温度を検知するセンサをダクト内に設け、そのセンサ出力をコンピュータ等の演算装置で予め設定されている所定の閾値と比較演算し、その演算結果に基づいて機械制御用インタフェースを制御して、駆動系の機械部を動作させ、その動作によってダクトの流路に設けられた弁を開閉する構成となっている。
これらの各部を動作させるには、電力供給用の電源が必要であり、結果的には大掛かりな設備となる場合が多い。
また、近年、上記ほど大掛かりなものではないバルブ流量制御機構も知られている。これは、例えば、形状記憶合金やバイメタルのような所定の温度で状態が変化する特性を持った素材を利用し、その変化前と変化後の2形状を利用して、制御対象となる流体の「通過/遮断」または流量の「強/弱」等の2事象を調製制御する流体制御弁が開示されている。(例えば、特許文献1参照。)
図11(a),(b) は特許文献1の技術を分かりやすく図解したものである。同図(a) は右に流体制御弁の斜視図を示し、左に流体制御弁の弁箱の断面積と内部の弁機構の投影面積を示している。投影面積の黒塗り部は弁機構を示し、白抜き部は流路を示している。また、同図(b) はダクト管内を流れる流体の流路を矢印で示している。
同図(a),(b) に示すように、流体制御弁は管体から成る弁箱1と、この弁箱1の中に配置されたバネ受け座2、コイルバネ3、弁体4、弁座5、連結シャフト6、接続部7、第1の形状記憶合金バネ8、継ぎ板9、第2の形状記憶合金バネ11、コイル受け座12等からなる弁機構とで構成されている。
尚、同図(a),(b) には、弁箱1の外部に設けられた通電制御手段と、第1及び第2の形状記憶合金バネ8及び11に通電する電極の図示は省略している。
上記の流路上流側のバネ受け座2及び流路下流側のコイル受け座12には、それらの中心部を貫通して、同図(b) に示すように、それぞれ流体の流路が形成されている。弁体4はコイルバネ3の押し付勢力により常に弁座5の方向に、つまり弁を閉じる方向に付勢されている。
そして、第1及び第2の形状記憶合金バネ8及び11は、通電制御手段からの通電量に応じて、コイルバネ3の押し付勢力に抗する方向、つまり弁を開く方向と、コイルバネ3の押し付勢力に追随する方向、つまり弁を閉じる方向とに変態する。
尚、この流体制御弁においては、同図(a) の左に示すように、弁体4の全開時・全閉時に係わり無くこの流体制御弁を通過し得る流体の最大流量は、弁箱1の内径1aと弁体4の最大外径4aとで形成された間隙13によって形成される空面積で決定される一定量Xである。
すなわち、この流体制御弁においては、弁箱1の内部を流路上流から下流へ通過する流体が制御される流量は、0〜Xの範囲である。
特開平07−027251号公報
ところで、特許文献1の流体制御弁には以下に述べる問題点がある。
第1の問題点は、流路である弁箱の断面積に対する弁機構の投影面積比率(流入及び流出方向から見た開閉弁の面積と弁箱断面積の比率)が弁の開/閉の状態に関わり無く大きい。つまり弁箱の断面積に対して流体の流量が少ない。
単位時間当たりの流量が多い状況もしくは比較的高い粘度の流体の流量制御に用いる場合においては、図11に示す構造上、弁箱の断面積に対する弁機構の投影面積占有率が大きいために、弁機構の弁に高い圧力が掛かる傾向が発現するが、この傾向は同構造では回避できない。
構造上このように弁箱断面積に対する弁機構の投影面積比率を低減することができない形状で、弁を開方向にいくら移動させても最大流量が一定となって変化が生じないから、弁全開時でも流量は大きく抑制さてしまう。
これは、流体の、弁機構が介在しない弁箱の管体そのものに流せる量と、弁機構が介在したときに流せる量の差が大きいことを意味する。したがって、弁の全開時に、流体制御弁に接続されるダクト管そのものと同程度の流量を確保するには、ダクト管の径に対して流体制御弁の弁箱の径を大口径化しなければならなくなる。
いずれにしても、ここに示される流体制御弁は構造的に部品点数が多く、それらが流体抵抗となるため、多段化には適していない。
第2の問題点は、上記にも関係するが、前述したように流体が制御される流量は0〜Xの範囲で、弁機構の開度範囲が狭小であり、非常に狭い範囲内での開閉制御しか実現できないことになる。
更に全閉・全開の各状態での流量差を大きく得られないことにもなり、仮に多段可変を実現できたとしても、各段毎の流量の違いは微量となって実用の対象分野が制限される。
第3の問題点は、温度に反応して動作するはずの第1及び第2の形状記憶合金バネ8及び11が、全て弁機構の流路下流側(流体流出側)に実装されている。
この構造では、流体の温度変化に対して即応的な開閉制御ができない。例えば、全閉状態で弁の流路上流側(流体流入側)に制御に対応する温度変化が生じたとしても、流体が流路下流側に流出しないから、第1及び第2の形状記憶合金バネ8及び11は動作することができない。
このような構造は通電による発熱を利用した制御を前提としているからである。換言すれば、この構造は、変態温度の異なる複数の形状記憶合金バネを所定の温度で動作させるために通電制御手段が不可欠な構成であることを意味する。
すなわち、弁機構の開度を調節する、いわゆるフィードバック制御を実現するために、センサ、演算装置、通電装置、電源等の弁機構以外に設けられる能動的機能の存在が不可欠な仕組みとなっていることを意味している。すなわち、ハードウェアと同時にソフトウェアが不可欠であり、意外に手数の掛かる流体制御弁であることが分かる。
それだけでなく、緊急時に確実な動作を求められる機器等のダクトに適用する場合、停電に備えて正常回復処置のための電源二重化等の対策をとる必要があり、ますます手数の掛かる流体制御弁であることが分かる。
第4の問題点としては、特許文献1では、他の図に弁機構の上流と下流にそれぞれ変態温度の異なる形状記憶合金バネを実装した構造を開示しているが、この構造は、弁の反応にタイムラグが発生する。
すなわち、上流側に実装された形状記憶合金バネが動作して弁を開制御する流体温度を30℃以上と仮定した場合、その温度に達するまで下流側に流体は流れ込まない。そのため下流側に実装された形状記憶合金バネが所定温度に反応して目的の制御を行うまでには相応の時間を要することになる。
つまり、この構造も、基本的には通電制御手段の存在を前提に考えられている。したがって、外部に能動的機能を有する仕組みを必須とすることにおいては、何ら他の例と変わるところがない。
第5の問題点としては、特許文献1では、更に他の図に変態温度の異なる複数の形状記憶合金バネを全て流路上流側に実装した例を開示している。しかし、各形状記憶合金バネを接続する継ぎ板は、その構造上から流路内に浮遊する配置とせざるを得ない。
これでは開制御時に各形状記憶合金バネが引き合う力が干渉し合い、正確に所定の開度とすることが非常に難しい。
の問題点としては、特許文献1では、「複数種の形状記憶合金による複数種の変形特性を組み合わせた状態で流体制御弁の開度特性を形成する」とあるが、構造上、既に述べたように、多段式の可変を実現するには制御方法に難がある。
それだけではなく、形状記憶合金バネを直列に接続し、その合力を利用する基本構造からみて、形状記憶合金バネを多段式に直列に接続するには、弁箱の管体の軸方向に弁機構の配置空間を必要とするため、多くて3段以上は現実的とはいえないであろう。構造的にもともと大きい流体抵抗が更に増加してしまうからである。
また、常時同一方向への付勢手段となるバネとの釣り合い設定も複雑化し、実現には多くの困難を伴うものと考えられる。
本発明の課題は、上記従来の実情に鑑み、ダクト内を流れる流体の流量を、外部の協働機構に依存することなく、弁機構自体で温度に応じて可変するダクト流量可変弁及びそれを備えたダクト装置を提供することである。
先ず、一実施例によれば、ダクト流量可変弁は、円錐体から成る1個の頭部弁体と、頭部を切断した形状の円錐体下方部分の形状を成す少なくとも1個の胴部弁体と、を有し、上記頭部弁体は連接する上記胴部弁体に対し同心円の入れ子型を成し、上記同心円の軸方向にのみ移動可能に構成され、上記胴部弁体が複数あるときは上記頭部弁体に近い方の上記胴部弁体は上記頭部弁体から遠い方に連設する上記胴部弁体に対し同心円の入れ子型で該同心円の軸方向にのみ移動可能に構成される。
このダクト流量可変弁において、例えば、上記頭部弁体と該頭部弁体に連接する胴部弁体との間、及び上記胴部弁体が複数あるときは上記頭部弁体に近い方の上記胴部弁体と該胴部弁体に上記頭部弁体から遠い方に連設する上記胴部弁体との間に、所定の温度で変態する形状記憶合金バネを内装した進退変形部が介装されて成るように構成される。
また、このダクト流量可変弁において、例えば、上記連接の接合部に気密性のある素材を介装して構成される。
次に、他の実施例によれば、ダクト流量可変弁を備えたダクト装置は、円錐体から成る1個の頭部弁体と、頭部を切断した形状の円錐体下方部分の形状を成す少なくとも1個の胴部弁体と、を有し、前記頭部弁体は連接する前記胴部弁体に対し同心円の入れ子型を成し、前記同心円の軸方向にのみ移動可能に構成され、前記胴部弁体が複数あるときは前記頭部弁体に近い方の前記胴部弁体は前記頭部弁体から遠い方に連設する前記胴部弁体に対し同心円の入れ子型で該同心円の軸方向にのみ移動可能に構成されたダクト流量可変弁を備えて構成される。
以下に説明する実施例によれば、ダクト内を流れる流体の流量を、外部の協働機構に依存することなく、弁機構自体で温度に応じて流体流量を可変するダクト流量可変弁及びそれを備えたダクト装置を提供することが可能となる。
以下、本発明の実施例を図面に基づいて詳細に説明する。
図1(a),(b) は実施例1におけるダクト流量可変弁15及びそれを備えたダクト装置16を示す図である。尚、同図(a),(b) は弁体が5段式のダクト流量可変弁を示している。また、同図(a),(b) に示すダクト装置16は、装置全体の中のダクト流量可変弁15を装着した流路を形成する管体部分のみを取り出して示している。
同図(a),(b) に示すダクト流量可変弁15を備えたダクト装置16において、同図(a) はダクト流量可変弁15が矢印aで示すように流路下流側に伸長してダクト装置16内の流路を全閉した状態を示している。
これにより、矢印bで示すように、ダクト装置16を流路上流側から下流方向に流れようとする流体がダクト流量可変弁15により全面的に堰き止められて、ダクト装置16の下流側に流出しなくなっている状態を示している。
一方、同図(b) はダクト流量可変弁15が矢印cで示すように流路上流側に収縮してダクト装置16内の流路を全開した状態を示している。
これにより、矢印bで示すように、ダクト装置16を流路上流側から下流方向に流れ入る流体が、ダクト流量可変弁15を大量に通過して、矢印dで示すようにダクト装置16の下流側に流出している状態を示している。
図2(a),(b) は上記のダクト流量可変弁15によるダクト流路の全開制御時の状態を示す図である。尚、図2(a),(b) は弁体が6段のダクト流量可変弁15を示している。また、図2(a),(b) には、図1(a),(b) に示したダクト装置16の図示は省略している。
図2(a) は右にダクト流量可変弁15の全開時の側面斜視図を示し、左に上面図を示している。この上面図において、黒塗り部分17はダクト流量可変弁15の詳しくは後述する各弁体を示し、白抜き部分18は流路を示している。
また、上面図の最大径は、ダクト装置16のダクト管体内の流路上流側または下流側からみた投影面積でもある。この図2(a) の左に示す投影面積と図11(a) の左に示した従来例の投影面積とを比較すると、従来例に対して、本例のダクト流量可変弁15は、全開
時における流体の通過可能な面積が大きいことを示している。
また、本例のダクト流量可変弁15は、全開時においては、図2(b) に示すように、各弁体19と弁体19の間から流体が矢印eで示すように通過して流路下流側に流出する。つまり、図11(b) に示したような流体の流れに偏りがなく、図2(b) に示すように全体に均一に分散した流れとなるので弁機構に加わる流体の抵抗が小さい。
図3(a) は上記ダクト流量可変弁15の組み立て方法を示す図であり、同図(b) はその組み上がりを示す斜視図である。尚、図3(a),(b) には、簡略に示すため弁体が3段のダクト流量可変弁15を示している。
図3(a) は、1段目の弁体である頭部弁体19、2段目の弁体である胴部弁体20−1、3段目の弁体である胴部弁体20−2、1段目の弁体である頭部弁体19の進退変形部21−1及び2段目の弁体である胴部弁体20−1の進退変形部21−2を示している。
図3(a) において、先ず、1段目の弁体である頭部弁体19を、矢印fで示すように、2段目の弁体である胴部弁体20−1に入れ子状に組み込む。
このとき、進退変形部21−1の先端部22を、1段目の弁体である頭部弁体19の後部の連結部23に矢印gで示すように固定し、進退変形部21−1の後部24を、複数(図では3本)の係合棒25を介して、2段目の弁体である胴部弁体20−1の後部の複数(図では3箇所)の連結孔26に固定する。
上記の係合棒25は弾力を有し、その先端は、図では定かに示していないが鉤型になっている。その鉤型の先端を連結孔26に差し込むことによって、進退変形部21−1の後部24が胴部弁体20−1に固定される。
尚、進退変形部21(21−1、21−2)の先端部22と弁体の後部の連結部23との結合方法については後述する。また、上記の進退変形部21は、全体として、これも詳しくは後述するが、ダクト流量可変弁15の軸方向(図1(a),(b) に示したダクト装置16の管体軸方向)にのみ、所定の温度に応じて伸縮する装置である。
再び図3(a) において、3段目以上の弁体となる胴部弁体20−2を連結するときは、上記のように前段の頭部弁体19を既に組み込まれていて胴部弁体20−2に対して前段の弁体となる胴部弁体20−1を、矢印で示すように、後段の弁体となる胴部弁体20−2に入れ子状に組み込む。
このとき、進退変形部21−2の先端部22を、2段目の弁体である胴部弁体20−1の進退変形部21−1の後部の連結部24に矢印iで示すように固定し、進退変形部20−2の後部24を、複数(図では3本)の係合棒25を介して、3段目の弁体である胴部弁体20−2の後部の複数(図では3箇所)の連結孔26に固定する。
これにより、図3(b) に示すように、3段式のダクト流量可変弁15が完成する。尚、弁体が4段以上の構成の場合も、上述した2段目の胴部弁体20−1を3段目の胴部弁体20−2に連結する場合と同様である。
このように、各弁体の構成部材を一式部品の形で用意しておくことにより、ダクト流量可変弁の製造を効率的に行うことができる。また、この組立方法であれば、4段以降を組み上げる場合も同様にして効率的に行うことができる。
このように、本例のダクト流量可変弁15は、円錐体から成る1個の頭部弁体19と、
頭部を切断した形状の円錐体下方部分の形状を成す少なくとも1個の胴部弁体20(20−1、20−2、・・・)を有し、各弁体19及び20は連接する弁体20に対し、同心円の入れ子型を成し、同心円の軸方向にのみ移動可能に構成される。
また、本例のダクト流量可変弁15は、図3(a),(b) に示すように、胴部弁体20が複数あるときは、同図(b) に示すように、頭部弁体19に近い方の胴部弁体20−i(例えばi=1)は頭部弁体19から遠い方に連設する胴部弁体20−i+1(この場合は20−2)に対し同心円の入れ子型で該同心円の軸方向にのみ移動可能に構成される。
そして、このダクト流量可変弁15は、図3(a),(b) に示すように、頭部弁体19と頭部弁体19に連接する胴部弁体20−1との間、及び胴部弁体20が複数あるときは、頭部弁体19に近い方の胴部弁体20−i(i=1、2、3、・・・)とこの胴部弁体20−iに頭部弁体19から遠い方に連設する胴部弁体20−i+1との間に、進退変形部21(21−1、21−2、・・・)が介装された形状となっている。
図4は、上記の進退変形部21−i+1の先端部22を、前段の弁体である胴部弁体20−iの進退変形部21−iの後部の連結部24に固定する方法を説明する図である。
先ず、ダクト流量可変弁15の組立においては、前段の弁体を後段の弁体に入れ子状に組みことに先立って、図4に示すように、進退変形部21−i+1の先端部22の固定用凹部27の端部と、進退変形部21−iの後端部24の固定用凸部28の端部とを接触させる。
そして、固定用凹部27と固定用凸部28が嵌合するまで、固定用凹部27を実線矢印j方向に回転させてねじ込む。こでで、進退変形部21−i+1の先端部22と進退変形部21−iの後端部24が固定される。取り外しの際は、破線矢印k方向に回転させて双方を離脱させる。
尚、進退変形部21−1の先端部22を頭部弁体19の後部の連結部23に固定する場合も上記と同様である。
以上説明した進退変形部21には、所定の温度で変態する形状記憶合金バネが内装されている。
図5は進退変形部21に内装されている形状記憶合金バネを透視的に示す図である。尚、図5に示す進退変形部21には、係合棒25、固定用凹部27、固定用凸部28等の図示は省略している。
図5に示す形状記憶合金バネ29は螺旋バネから成り、進退変形部21の後端部24は、形状記憶合金バネ29を収容し、この形状記憶合金バネ29の最大収縮時の螺旋の外径よりも大きな内径を有するバネ内装シリンダを形成している。
そして、形状記憶合金バネ29は、進退変形部21の後端部24であるバネ内装シリンダの内底部と、同じく前端部22であるピストンシリンダの外底部との間に介装されている。
一般に、形状記憶合金バネは、数百度の中で又は常温の中でというように、広い範囲の温度環境下で、温度変化に対応して変態させることができる。そして、現在の技術では、1℃以下の温度変化に対して変態動作するものも作り出すことができ、それが実用化されている
本例においても、形状記憶合金バネ29は、所定の温度で矢印mで示す収縮方向、又は矢印nで示す伸長方向に変態する。この形状記憶合金バネ29の伸縮に応じて、ピストン
シリンダである前端部22は、バネ内装シリンダである後端部24内を進退する。これにより、ダクト流量可変弁15において、前段の弁体が後段の弁体内を軸方向に進退する。
この構成で、後端部24(バネ内装シリンダ)内の形状記憶合金バネ29が、前段の弁体19又は20に対し、適度な力を発生するような伸縮度としておけば、組立時に安定した状態を保持することができる。
このように本例のダクト流量可変弁15は、多段入れ子円錐形という構造上、図2にも示したように、ダクト管内径の断面積に対する弁体の投形面積比率を小さく抑えることができる。
すなわち、分割された各弁体19及び20の弁体投影面積は、ダクト管内の断面積に対して占有面積を小さくすることができる。特に全開時は、ダクト管そのものの許容流量を著しく制限するようなことはない。
更に、弁体投影面積は、先端の頭部弁体19(形状記憶合金バネ29を内装する進退変形部21もこの投影面積内に含まれる)と各弁体20の側面傾斜部(ダクト管内の流体流入・流出方向から見ると同心円状に見える)によって決まるから、各弁体20の側面傾斜角度を緩やかに加工して、投影面積をより小さくすることは技術的に可能である。
また、本例のダクト流量可変弁15は、全閉時と全開時の流量差を大きく取れるので、弁としての開度範囲を広く設定できる。3段以上の多段可変構造とした場合も、各段での流量差が大きく取れるため、実用化する場合の対象分野が広くなる。
また、ダクト流量可変弁15の伸縮変形は、その軸方向のみであり、すなわち図1(a),(b) に示したように、ダクト装置6の管体の延長方向に動作するので、ダクト流量可変弁15を設置するための空間を別途必要とせず、設置空間の上の制約を大きく低減させる利点がある。
温度変化を条件とするフィードバック制御が形状記憶合金バネ29の伸縮によって行われるので、例えばセンサ、演算装置、駆動装置等の能動機器からなる制御系により外部から弁体を駆動するような動力源を必要としない。
更に、弁体の駆動は形状記憶合金バネ単独で行い、外部から温度エネルギーを加えて形状記憶合金バネを変態させるような、別途エネルギー源を必要とする構成ではないので、極めて簡単な構成でありながら的確かつ即応的な流体流量の温度によるフィードバック制御が実現する。
したがって、外部の駆動装置に構造上の欠陥等が生じることによる弁機構の動作の遅延や停止というような不具合の発生が解消される。また、簡単かつ設置空間を大きく取らない構造であるので、ダクト用流量制御弁としての設置コストの低減が可能となる。
また、全開時に弁体の流体抵抗を低減できる形態、すなわちダクト装置の管体そのものに流せる量と弁体を全開とした時の流量差を小さくすることができるので、ダクト装置16の、ダクト流量可変弁15の周辺の管体の径を大きくする必要が殆ど無いので、配置に際してダクト装置の改修などの費用が発生せず経済的である。
また、温度に感応して変態する形状記憶合金バネを、それぞれが変態によって駆動する弁体に対して、流体流路の上流側に実装しているので、流体温度に対して各々の形状記憶合金バネが同時に反応し、目的の制御動作を遅滞なく行うことができる信頼性の高いダク
ト流量可変弁の提供が可能となる。
尚、本例の説明では、各弁体19及び20並びに進退変形部21の構成素材について特には説明しなかったが、これら構成部材の素材としては、金属や硬質合成樹脂等が考えられる。
例えば、ダクト流量可変弁15による制御対象の流体が、空調設備におけるダクトとように空気である場合は、各弁体19及び20並びに進退変形部21には、それほど大きな負荷は掛からないから、各部の構成素材を硬質合成樹脂とすることができる。
これにより、形状記憶合金バネの変態時のバネ強度を低くすることができるので、軽便な構造が可能となり、製造が容易になると同時に材料費を低減でき、取り扱いが容易で且つ安価なダクト流量可変弁が提供できる。
また、例えばダクト流量可変弁15による制御対象の流体が液体の場合は、ダクト流量可変弁15の各部に比較的大きな負荷が掛かるので、各部の構成に剛性が必要となるから各部の構成素材を金属とすると、液体の制御に対応する剛性を確保することができる。
また、一般に螺旋状のバネ部材は、伸長状態のときでも収縮状態のときでも、伸縮軸方向に対する直交方向へ変形しやすい性質をもっている。
本例の螺旋状のバネ部材である形状記憶合金バネ29は、進退変形部21の後端部(バネ内装シリンダ)24に収容されているので、この後端部(バネ内装シリンダ)24の内壁によって、伸縮時の伸縮軸方向に対する直交方向への変形を抑えられ、これにより進退変形部21の伸縮時の強勢を確保することができる。
また、本例の形状記憶合金バネ29は、各弁体19及び20毎に、バネ内装シリンダ24内に実装されるので、特に多段式の流量可変構造においても、形状記憶合金バネ29の変態時の力が、互いに干渉することが無くそれぞれ独立して効率的に対応する弁体に伝達されるので、ダクト流量可変弁15の開度を、所定の設計開度に正確に反映させることができ、設計が簡明である。
すなわち、従来例に見られるように、形状記憶合金バネ同士を直接直列に接続してその合力を利用する場合は、複数の形状記憶合金バネの力が相互に干渉し合い、正確な開度を設定することが難しいが、本例のダクト流量可変弁では、各形状記憶合金バネの力はそれぞれ独立して働くので、正確な開度設定が可能である。
ところで、バネ内装シリンダ24を、単なるシリンダ構造とした場合、流体が形状記憶合金バネ29に直接接触しないため、バネ内装シリンダ24の内外で温度差が生じ、形状記憶合金バネ29、ひいいては進退変形部21の流体温度に対する反応速度が鈍くなる虞がある。
図6は実施例2における流体温度に対する反応速度が鈍くなる不具合の可能性を回避するための進退変形部の他の構成を示す図である。尚、本例において、進退変形部以外の構成は、図1ないし図4の構成、及び図5の形状記憶合金バネ29の構成と同一である。また、図6に示す進退変形部21´には、係合棒25、固定用凹部27、固定用凸部28等の図示は省略している。
図6に示すように、本例の進退変形部21´は、形状記憶合金バネ29を収容するバネ内装シリンダ24´の底面には孔31が形成され、側壁にはスリット32が形成されてい
る。なお、底面にスリット32を形成し、側壁に孔31を形成するようにしてもよい。また、底面・側壁ともに孔31のみを形成してもよく、又はスリット32のみ形成するようにしてもよい。また、バネ内装シリンダ24´全体を網状部材で構成するようにしてもよい。
このように、バネ内装シリンダ24´を構成することにより、流体温度に対する形状記憶合金バネ29の反応速度を高めることができ、ひいては進退変形部21´の流体温度に対する反応速度を高めることができる。
ところで、ダクト流量可変弁15の弁体間が閉状態となったとき、前段の弁体の後部周囲と後段の弁体の前部周囲とが、密着するようにすれば、遮断された流体の下流方向への漏れが禁止されるので、流体遮断制御時の密閉効率が向上する。
しかし、弁体の成形のみで密着するための寸法精度を上げるのは、高い技術が要求されるので製品価格が上昇し、好ましいことではない。
図7(a),(b) は実施例3における、弁体の成形に依存することなく流体遮断制御時の密閉効率が向上するダクト流量可変弁の構成を示す図である。尚、図7(a),(b) は、4段構成のダクト流量可変弁の形状を示している。また、同図(a) には、進退変形部21の図示を省略している。
図7(a),(b) に示すように、本例のダクト流量可変弁15−1は、4段構成の最後段の胴部弁体20−3を除いて、残り全ての弁体(頭部弁体19、胴部弁体20−1、20−2)の後部周囲に、封止部材33を被着している。
これにより、同図(b) に示すように、ダクト流量可変弁15−1が全閉状態となったとき、各弁体の連設部が封止され、流体が完全に遮断されて、流体遮断制御時の密閉効率が向上する。
図8(a) 〜(e) は、実施例4における、ダクト流量可変弁の各進退変形部に、それぞれ変態温度の異なる形状記憶合金バネを用いた場合における動作の例を示す図である。
尚、図8(a) 〜(e) に示すダクト流量可変弁15−2は、5段構成のダクト流量可変弁の例を示している。
また、同図(a) には、簡略に図示するため、各弁体(19、20−1、20−2、・・・)と各進退変形部21における形状記憶合金バネ29(29−1、29−2、・・・)のみを示している。
本例のダクト流量可変弁15−2においては、形状記憶合金バネ29は全て所定の温度で収縮変態するものを用いているが、形状記憶合金バネ29が変態する所定の温度は、進退変形部21が介装される位置によってそれぞれ異なる。
本例においては、形状記憶合金バネ29−1は温度80℃で収縮変態し、形状記憶合金バネ29−2は温度60℃で収縮変態し、形状記憶合金バネ29−3は温度40℃で収縮変態し、形状記憶合金バネ29−4は温度20℃で収縮変態するというように、それぞれ異なる。
この構成においては、同図(a) に示す全閉状態から、先ず温度20℃で形状記憶合金バネ29−4が収縮変態する。これにより、同図(b) に示すように4段目の胴部弁体20−
3が5段目の胴部弁体20−4内に退縮する。そして、流路上流側(図の左方)から、流体が、胴部弁体20−3と20−4との間に形成される輪状の間隙(図2(a) 参照)に対応する流量だけ下流側(図の右方)へ流れる。
次に、流体温度が40℃に上昇したとすると、形状記憶合金バネ29−3が収縮変態する。これにより、同図(c) に示すように3段目の胴部弁体20−2が4段目の胴部弁体20−3内に退縮する。そして、流路上流側からの流体が、胴部弁体20−2と20−3との間に形成される輪状の間隙に対応する流量だけ増量して下流側へ流れる。
更に、流体温度が60℃に上昇したとすると、形状記憶合金バネ29−2が収縮変態する。これにより、同図(d) に示すように2段目の胴部弁体20−1が3段目の胴部弁体20−2内に退縮する。そして、流路上流側からの流体が、胴部弁体20−1と20−2との間に形成される輪状の間隙に対応する流量だけ更に増量して下流側へ流れる。
更に、流体温度が80℃に上昇したとすると、形状記憶合金バネ29−1が収縮変態する。これにより、同図(e) に示すように1段目の頭部弁体19が2段目の胴部弁体20−1内に退縮する。そして、流路上流側からの流体が、頭部弁体19と胴部弁体20−1との間に形成される輪状の間隙に対応する流量だけ更に増量して下流側へ流れる。
このように本例によれば、変態温度が個々に異なる形状記憶合金バネ29を用いて、ダクト流量可変弁15−2の開度を温度の上昇と共に順次大きくして、流体流量を温度の上昇に比例して順次段階的に増量することができる。
このダクト流量可変弁15−2の構成は、例えば車のエンジン回りを冷やすラジエータの放熱機器等のように、冷却用流体の温度を一定に保つような機構において、所定の温度に達しないとき(低温時)は流量を抑制し、逆に所定の温度以上のとき(高温時)は流量を順次増やすという制御を、ダクト外部からの動力源なしで実現することができる。
尚、本例では、頭部弁体から最後段の胴部弁体まで、順次20℃ずつ低い温度で変態するように設定しているが、これに限ることなく、どの位置の弁体を、何℃で変態(本例では収縮)させるかは任意である。
ダクト流量可変弁の形状から、必然的に後段に位置する弁体ほど制御流量が大きく、先頭弁体が最も制御流量が小さいから、この弁体ごとの制御流量と、ダクト装置に要求される温度毎の流体流量の制御量に基づいて、どの位置の弁体を、何℃で変態(収縮)させるかを決定するとよい。
図9(a) 〜(e) は、実施例5における、ダクト流量可変弁の各進退変形部に、それぞれ変態温度の異なる形状記憶合金バネを用いた場合の動作の他の例を示す図である。
尚、図9(a) 〜(f) に示すダクト流量可変弁15−3も、5段構成のダクト流量可変弁の例を示している。
また、同図(a) には、簡略に図示するため、各弁体(19、20−1、20−2、・・・)と各進退変形部21における形状記憶合金バネ29(29−1、29−2、・・・)のみを示している。また、同図(b) は、変形前の初期状態である全開状態を示している。
本例のダクト流量可変弁15−3においては、形状記憶合金バネ29は全て所定の温度で伸長変態するものを用いているが、本例の場合も、形状記憶合金バネ29が変態する所定の温度は、進退変形部21が介装される位置によってそれぞれ異なる。
本例においては、形状記憶合金バネ29−5は温度80℃で伸長変態し、形状記憶合金バネ29−6は温度60℃で伸長変態し、形状記憶合金バネ29−7は温度40℃で伸長変態し、形状記憶合金バネ29−8は温度20℃で伸長変態する。
この構成においては、同図(b) に示す全開状態から、先ず温度20℃で形状記憶合金バネ29−8が伸長変態する。これにより、同図(c) に示すように4段目の胴部弁体20−3が5段目の胴部弁体20−4から突出する。そして、流路上流側(図の左方)からの流体が、胴部弁体20−3と20−4との間に形成されていた輪状の間隙が塞がれた分に対応する流量だけ減量して下流側(図の右方)へ流れる。
次に、流体温度が40℃に上昇したとすると、形状記憶合金バネ29−7が伸長変態する。これにより、同図(d) に示すように3段目の胴部弁体20−2が4段目の胴部弁体20−3から突出する。そして、流路上流側からの流体が、胴部弁体20−2と20−3との間に形成されていた輪状の間隙が塞がれた分に対応する流量だけ更に減量して下流側へ流れる。
続いて、流体温度が60℃に上昇したとすると、形状記憶合金バネ29−6が伸長変態する。これにより、同図(e) に示すように2段目の胴部弁体20−1が3段目の胴部弁体20−2から突出する。そして、流路上流側からの流体が、胴部弁体20−1と20−2との間に形成されていた輪状の間隙が塞がれた分に対応する流量だけ更に減量して下流側へ流れる。
そして、流体温度が80℃に上昇したとすると、形状記憶合金バネ29−5が伸長変態する。これにより、同図(f) に示すように1段目の頭部弁体19が2段目の胴部弁体20−1から突出する。そして、流路上流側からの流体が、頭部弁体19と胴部弁体20−1との間に形成されていた最後の輪状の間隙が塞がれたことにより、全面的に流れを停止する。
このように本例によれば、変態温度が個々に異なる形状記憶合金バネ29を用いて、ダクト流量可変弁15−3の開度を温度の上昇と共に順次小さくして、流体流量を温度の上昇に逆比例させて順次段階的に減量して最後には遮断することができる。
このダクト流量可変弁15−3の構成は、例えば給湯機の給湯ダクトのダクト流量可変弁のように高温度となったときの保安を必要とする場合に、温度の上昇に伴ない(例えば20℃ごと)、段階的に給湯の流量を抑制し、所定の温度(例えば80℃)に達した時点で、給湯ダクトの流路を遮断して給湯を停止することが可能となる。
このように、実施例4又は5においては、変態温度の異なる形状記憶合金バネを複数種類組合わせることにより、温度変化の複数種類の事象に対応して流体流量を制御することを可能にする。すなわち温度変化に連動して流体流量を調節することができる。
尚、本例では、頭部弁体から最後段の胴部弁体まで、順次20℃ずつ高い温度で変態するように設定しているが、これに限ることなく、本例においても、どの位置の弁体を、何℃で変態(本例では伸長)させるかは任意である。
また、本実施例及び前述の実施例4において、胴部弁体20の段数を多くするほど、温度変化に対応する制御流量を小刻みに制御することができる。前述したように形状記憶合金バネは1℃以下の温度変化に対しても変態可能に構成できるから、胴部弁体20の段数を多くすることによって、アナログ的に変化する温度に対して、ほぼアナログ的につまり
、ほぼ無段階に近い状態で流量を制御することができる。
図10(a),(b) は、実施例6におけるダクト流量可変弁の各進退変形部にそれぞれ変態温度が同一の形状記憶合金バネを用いた場合の動作の例を示す図である。
図10(a),(b) は、ダクト流量可変弁15−4の各進退変形部に、例えば、温度50℃未満で収縮し、温度50℃以上で伸長する同一の形状記憶合金バネを用いた例を示している。
同図(a),(b) の中央に示す二点鎖線34は、本例のダクト流量可変弁15−4が配置されたダクト流路内の、矢印pで示すように流路上流側から流入する流体の、温度変化領域の50℃の境界温度を仮想的に示している。
このダクト流量可変弁15−4を用いると、所定の温度範囲、例えば通常使用温度内では同図(a) に示すように、ダクト流量可変弁15−4の全弁体が収縮して流量の抑制を行わない。そして危険温度として設定された50℃の異常高温時には、同図(b) に示すように各弁体が一度に伸張動作して流露の遮断動作を行う、という制御が実現する。
尚、同図(b) の状態において、流体温度が50℃未満となって危険温度よりも低くなると同図(a) の状態に直ちに戻ることがいうまでもない。
このように、各形状記憶合金バネの変態温度を同一とした場合は、従来のダクトの弁と同じように、所定の温度での「開/閉」動作を実現することができる。
上述した各実施例に示すように、流体の想定される温度変化に対応して流体流量を所望の流量に制御するフィードバック制御の機能を実現するためには、従来では「温度センサ機能」「サーモスタット機能」「流量調整機能」等が、弁機構以外の外部に構成された能動機器及び動力源等の構成要素毎に分担されて実行されていた。
しかし、本発明の各実施例にようなダクト流量可変弁の仕組みによれば、従来の外部構成要素毎に分担されていた機能を、ダクト流量可変弁というダクト流路内に配置された単一の構成要素に集約することができ、より簡明な構造とすることができ、弁機構の外部に設けられる一切の能動機器及び外部動力源無しで、従来と同等以上の機能を実現することができる。
以上のことにより、上述した各実施例のダクト流量可変弁を用いた場合の利点は、第1には、従来の能動機器や電源設備が不要となるので、フィードバック制御設備構築費に対して大幅な費用削減が見込めるので経済性に優れているということができる。
また、第2には、ダクト流量可変弁の弁体を多段式にしても、各弁の長さだけ装置全体が長くなるだけで、従来比で大幅な省スペース化が可能となる。
更に、第3には、機構的に非常に簡明な仕組みであり、弁機構内部に組み込まれた形状記憶合金バネ以外の弁機構外部の能動機器や動力源を必要としないので、それらの機器故障による不具合が特に問題視される、緊急時対応の動作機器等に要求される高い信頼性を満足することができ、高信頼性の弁機構が実現する。
以上の実施例1〜6を含む実施形態に関し、更に以下の付記を開示する。
(付記1)
円錐体から成る1個の頭部弁体と、
頭部を切断した形状の円錐体下方部分の形状を成す少なくとも1個の胴部弁体と、
を有し、
前記頭部弁体は連接の前記胴部弁体に対し同心円の入れ子型を成し、前記同心円の軸方向にのみ移動可能に構成され、
前記胴部弁体が複数あるときは前記頭部弁体に近い方の前記胴部弁体は前記頭部弁体から遠い方に連設する前記胴部弁体に対し同心円の入れ子型で該同心円の軸方向にのみ移動可能に構成される、
ことを特徴とするダクト流量可変弁。
(付記2)
前記頭部弁体と該頭部弁体に連接する胴部弁体との間、及び前記胴部弁体が複数あるときは前記頭部弁体に近い方の前記胴部弁体と該胴部弁体に前記頭部弁体から遠い方に連設する前記胴部弁体との間に、所定の温度で変態する形状記憶合金バネを内装した進退変形部が介装されて成る、ことを特徴とする付記1記載のダクト流量可変弁。
(付記3)
前記形状記憶合金バネが変態する前記所定の温度は、前記進退変形部が介装される位置によってそれぞれ異なることを特徴とする付記2記載のダクト流量可変弁。
(付記4)
前記頭部弁体と前記胴部弁体とを連接させる接合部に気密性のある素材を介装したことを特徴とする付記1、2又は3記載のダクト流量可変弁。
(付記5)
前記形状記憶合金バネは、螺旋バネから成り、前記進退変形部は、前記螺旋バネの最大収縮時の外径よりも大きな内径を有するバネ内装シリンダと、該バネ内装シリンダ内に内装さた前記形状記憶合金バネと、該形状記憶合金バネの伸縮に応じて前記バネ内装シリンダ内を進退するピストン部とを少なくとも備えている、ことを特徴とする付記1、2、3又は4記載のダクト流量可変弁。
(付記6)
前記バネ内装シリンダは、側壁に孔またはスリットが形成されている、または側壁が網状部材で構成されている、ことを特徴とする付記5記載のダクト流量可変弁。
(付記7)
前記形状記憶合金バネ以外の部分に合成樹脂材料または金属材料を用いたことを特徴とする付記1〜6のいずれかに記載のダクト流量可変弁。
(付記8)
1段目の弁体である前記頭部弁体を2段目の弁体である前記胴部弁体に入れ子状に組み込むに際し、前記進退変形部の先端を前記1段目である前記頭部弁体の後部の連結部に固定し、前記進退変形部の後部を前記2段目である前記胴部弁体の後部の連結部に固定し、
3段目以上の弁体となる前記頭部弁体を連結するときは、前段の弁体となる胴部弁体を後段の弁体となる胴部弁体に入れ子状に組み込むに際し、前記進退変形部の先端を前記前段の弁体となる前記胴部弁体の後部の連結部に固定し、前記進退変形部の後部を前記後段の弁体となる前記胴部弁体の後部の連結部に固定する、
ことを特徴とする付記1記載のダクト流量可変弁の組立方法。
(付記9)
円錐体から成る1個の頭部弁体と、頭部を切断した形状の円錐体下方部分の形状を成す少なくとも1個の胴部弁体と、を有し、
上記頭部弁体は連接する上記胴部弁体に対し同心円の入れ子型を成し、上記同心円の軸方向にのみ移動可能に構成され、上記胴部弁体が複数あるときは上記頭部弁体に近い方の上記胴部弁体は上記頭部弁体から遠い方に連設する上記胴部弁体に対し同心円の入れ子型で該同心円の軸方向にのみ移動可能に構成されたダクト流量可変弁を備えたダクト装置。
(a),(b) は実施例1におけるダクト流量可変弁及びそれを備えたダクト装置を示す図である。 (a),(b) は実施例1におけるダクト流量可変弁の全開制御時の状態を示す図である。 (a) は実施例1におけるダクト流量可変弁の組み立て方法を示す図、(b) はその組み上がりを示す斜視図である。 実施例1におけるダクト流量可変弁の後段の弁体の進退変形部と前段の弁体の進退変形部を固定する方法を説明する図である。 実施例1におけるダクト流量可変弁の進退変形部に内装されている形状記憶合金バネを透視的に示す図である。 実施例2における流体温度に対する反応速度が鈍くなる不具合の可能性を回避するための進退変形部の他の構成を示す図である。 (a),(b) は実施例3における弁体の成形に依存することなく流体遮断制御時の密閉効率が向上するダクト流量可変弁の構成を示す図である。 (a) 〜(e) は実施例4におけるダクト流量可変弁の各進退変形部にそれぞれ変態温度の異なる形状記憶合金バネを用いた場合の動作の例を示す図である。 (a) 〜(e) は実施例5におけるダクト流量可変弁の各進退変形部にそれぞれ変態温度の異なる形状記憶合金バネを用いた場合の動作の他の例を示す図である。 (a),(b) は実施例6におけるダクト流量可変弁の各進退変形部にそれぞれ変態温度が同一の形状記憶合金バネを用いた場合の動作の例を示す図である。 (a),(b) は従来技術としての特許文献1の技術を分かりやすく図解したものである。
符号の説明
1 弁箱
1a 内径
2 バネ受け座
3 コイルバネ
4 弁体
4a 最大外径
5 弁座
6 連結シャフト
7 接続部
8 第1の形状記憶合金バネ
9 継ぎ板
11 第2の形状記憶合金バネ
12 コイル受け座
13 間隙
15(15−1、15−2、15−3、・・・) ダクト流量可変弁
16 ダクト装置
17 各弁を示す黒塗り部分
18 流路を示す白抜き部分
19、20(20−1、20−2、20−3、・・・) 弁体
19 頭部弁体
20(20−1、20−2、20−3、・・・) 胴部弁体
21(21−1、21−2、・・・)、21´ 進退変形部
22 進退変形部先端部(ピストンシリンダ)
23 頭部弁体後部連結部
24、24´ 進退変形部後端部(バネ内装シリンダ)
25 係合棒
26 胴部弁体後部連結孔
27 固定用凹部
28 固定用凸部
29(29−1、29−2、29−3、・・・) 形状記憶合金バネ
31 孔
32 スリット
33 封止部材
34 危険温度境界

Claims (4)

  1. 円錐体から成る1個の頭部弁体と、
    頭部を切断した形状の円錐体下方部分の形状を成す少なくとも1個の胴部弁体と、
    を有し、
    前記頭部弁体は連接する前記胴部弁体に対し同心円の入れ子型を成し、前記同心円の軸方向にのみ移動可能に構成され、
    前記胴部弁体が複数あるときは前記頭部弁体に近い方の前記胴部弁体は前記頭部弁体から遠い方に連設する前記胴部弁体に対し同心円の入れ子型で該同心円の軸方向にのみ移動可能に構成される、
    ことを特徴とするダクト流量可変弁。
  2. 前記頭部弁体と該頭部弁体に連接する胴部弁体との間、及び前記胴部弁体が複数あるときは前記頭部弁体に近い方の前記胴部弁体と該胴部弁体に前記頭部弁体から遠い方に連設する前記胴部弁体との間に、所定の温度で変態する形状記憶合金バネを内装した進退変形部が介装されて成る、ことを特徴とする請求項1記載のダクト流量可変弁。
  3. 前記頭部弁体と前記胴部弁とを連接させる接合部に気密性のある素材を介装したことを特徴とする請求項1又は2記載のダクト流量可変弁。
  4. 円錐体から成る1個の頭部弁体と、頭部を切断した形状の円錐体下方部分の形状を成す少なくとも1個の胴部弁体と、を有し、
    前記頭部弁体は連接する前記胴部弁体に対し同心円の入れ子型を成し、前記同心円の軸方向にのみ移動可能に構成され、前記胴部弁体が複数あるときは前記頭部弁体に近い方の前記胴部弁体は前記頭部弁体から遠い方に連設する前記胴部弁体に対し同心円の入れ子型で該同心円の軸方向にのみ移動可能に構成されたダクト流量可変弁を備えたダクト装置。
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