JP2005315292A - 流量調整弁 - Google Patents
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Abstract
【課題】 流路抵抗を増すことがないうえに乱流が生じにくく安定した流れが得られ、また流体の流量制御の精度を高めて冷却温度をより一定化することである。
【解決手段】 熱により伸長力または収縮力を得る形状記憶合金よりなるコイル2aの隣接する各コイル隙間を拡縮または接離して流量を調整するコイル弁2と、形状記憶合金よりなるコイル2aが熱による伸長力または収縮力をもたないときコイル弁2を復帰させる戻しばね4とからなるものとし、温度により作動する形状記憶合金によりコイル隙間を拡縮または接離させることにより、温度センサや温度センサからの信号により作動する駆動装置が不要となり、極めて簡単な構造で流量を調整し、冷却水温度を一定化することができるうえに保守点検が不要で故障もないものである。
【選択図】 図1
【解決手段】 熱により伸長力または収縮力を得る形状記憶合金よりなるコイル2aの隣接する各コイル隙間を拡縮または接離して流量を調整するコイル弁2と、形状記憶合金よりなるコイル2aが熱による伸長力または収縮力をもたないときコイル弁2を復帰させる戻しばね4とからなるものとし、温度により作動する形状記憶合金によりコイル隙間を拡縮または接離させることにより、温度センサや温度センサからの信号により作動する駆動装置が不要となり、極めて簡単な構造で流量を調整し、冷却水温度を一定化することができるうえに保守点検が不要で故障もないものである。
【選択図】 図1
Description
本発明は主に成形金型の冷却装置に用いられる冷却流体の流量を調整するのに有効な流量調整弁に関するものである。
従来、成形金型等の冷却装置は金型内に形成された冷却水孔に冷却水を循環供給させて金型の冷却を行うのが一般的であった。このため長時間休止していた金型を起動した直後、金型温度と冷却水温度は成形に適しない低温となっているため成形不良が発生する。このため金型温度や冷却水温度が成形に適した温度になるまでの数ショット、試し打ち成形を行わねばならなかった。この休止後の金型の起動の度毎に行われる試し打ち成形品は大量の廃棄物となり、廃棄処理にかかる費用負担が大きいという問題があった。そこでこの問題を解決するために成形樹脂の温度により該流体通路の遮断と開放を行う弁を設けたものがある(例えば、特許文献1参照)。
しかし特許文献1のものは流体通路を弁により遮断と開放のみを行うものであるため、弁の遮断と開放にしたがって金型の温度は大きな変動を繰り返すこととなるため、温度を略一定とすることができる流量調整弁の開発が要望されていた。また流量調整弁としては一般的に絞り弁がよく知られているところであるが、絞り弁を駆動するためのソレノイドや温度センサが必要となるため、電気的な制御回路や検出回路等が必要となり装置が複雑で高価となるうえに保守管理が欠かせないという問題があった。しかも絞り弁はニードル形やスライド形を一般的に用いるため、流路断面は弁座に嵌合される棒状の弁により形成されるリング状の1箇所となるため流路抵抗が大きく乱流が発生しやすく、発生した乱流により流れが不安定となるという問題があった。
特開平7−214626号公報
解決しようとする問題点は、電気的な制御回路や温度センサ等の検出回路を用いることなく冷却水出口温度を一定化するために流体の流量制御を行うとともに、流路抵抗を小さくして乱流の発生を防いで安定した流れを得ることである。
本発明は、熱により伸長力または収縮力を得る形状記憶合金よりなるコイルの隣接する各コイル隙間を拡縮または接離して流量を調整するコイル弁と、形状記憶合金よりなるコイルが熱による伸長力または収縮力をもたないときコイル弁を復帰させる戻しばねとからなる流量調整弁を請求項1の発明とし、請求項1の発明において、形状記憶合金よりなるコイル弁をテーパコイルとした流量調整弁を請求項2の発明とするものである。
本発明の請求項1は、熱により伸長力または収縮力を得る形状記憶合金よりなるコイルの隣接する各コイル隙間を拡縮または接離して流量を調整するコイル弁と、形状記憶合金よりなるコイルが熱による伸長力または収縮力をもたないときコイル弁を復帰させる戻しばねとからなるものとしたから、電気的な制御回路や温度センサ等の検出回路を全く用いることなく温度に基づく流量制御ができるので、装置が簡単で安価となるうえに制御回路や検出回路の保守点検が不要で維持管理費を大幅に削減できる。しかも制御回路や検出回路がないので故障の発生もほとんどなく、生産性を向上できることとなる。さらに複数のコイル隙間から流体を流出させるので流路抵抗は小さく乱流の発生を抑えることができるので、流体の流れが不安定となることもない。このような流量制御弁を金型の冷却装置に用いるものとすれば、冷却水は遮断と流出を行うのではなく流量を増減させるので冷却水出口温度を一定にでき金型の温度変動は小さくなり成形不良品の発生率は低下し歩留まりを向上させることができる。
また請求項2のように、形状記憶合金よりなるコイル弁をテーパコイルとしたことにより、流体が流出するコイル隙間は流路断面全体にわたり複数に分散形成されるので、流路抵抗をより小さくすることができ、乱流の発生を一層効果的に抑えることができるので、流体の流れをより円滑で安定させたものとすることができる。このような流量制御弁を金型の冷却装置に用いるものとすれば、安定した冷却水流により的確な冷却が行えることとなるので、成形不良品の発生率は低下し歩留まりを一層向上させることができる。
次に、ダイカスト成形金型の金型冷却装置に組み込んだ本発明の好ましい実施の形態を図に基づいて詳細に説明する。
図1中、1は金型冷却装置の冷却水供給管であり、該冷却水供給管1には形状記憶合金よりなるコイル2aよりなるコイル弁2と、形状記憶合金よりなるコイル2aが熱による伸長力または収縮力をもたないときコイル弁2を旧状に復帰させる戻しばね4が組み込まれている。
図1中、1は金型冷却装置の冷却水供給管であり、該冷却水供給管1には形状記憶合金よりなるコイル2aよりなるコイル弁2と、形状記憶合金よりなるコイル2aが熱による伸長力または収縮力をもたないときコイル弁2を旧状に復帰させる戻しばね4が組み込まれている。
また形状記憶合金よりなるコイル2aは流体の温度が閾値を超えると図3に示されるように伸長して隣接するコイル隙間を拡大して冷却水の流量を増大させ、冷却水の温度が閾値を越えない場合は変形せずコイル隙間は縮小したままとしているが、用途によっては冷却水の温度が閾値を越えると収縮してコイル隙間を縮小させて冷却水の流量を減少させるものとしてもよいことは勿論である。また戻しばね4の基部は冷却水供給管1内に密挿される筒状ベース7に張架されるピン7aに係止され、上端はコイル2aの先端に付勢力を受けるように設けられた蓋体5または係止バー6に係止されるものとしている。
前記コイル弁2は隣接する各コイル隙間を拡縮することにより、各コイル隙間を通じて流れる冷却水の流量を調整するものであるが、調整する流量や用途に応じて隣接する各コイルが重なり合うものとしたり、重なり合わないものとしたりする。詳しくは図4、5、6、7、10、11に示されるように隣接する各コイルの断面がその軸線上あるいは軸線上以外の位置で重なり合うものとするか、図8、9に示されるように重なり合わないものとするかであり、重なり合わないコイル弁2とすれば、冷却水の流れは滑らかとなり流路抵抗をより低減できることとなる。またコイル2aの先細径部に形成される開口は図4、5、8、9に示されるように後記戻しばね4取付用の蓋体5で閉塞するものとしても、図6、7に示されるように戻しばね4取付用の係止バー6として開放されるものとしてもよく、要は調整する流量に応じて適宜変更するものとしている。またコイル弁2のコイル2aは図4、5、6、7、8、9に示されるようにテーパコイルとしても図10、図11に示されるように、円筒コイルとしてもよいことは勿論である。さらにテーパコイルよりなるコイル弁2は筒状ベース7に拡径部を支持させ先細径部を冷却水供給管1中に臨ませたものとしているため、拡径部側から先細径部に向かって冷却水を流したほうが流路抵抗は少なくなるが、先細径部側から拡径部側に向かって冷却水を流してもよいことは勿論である。
このように構成されたものは、休止されて常温までに冷えているダイカスト成形金型を起動すれば、ダイカスト成形金型の冷却装置は冷却水を循環させることとなる。このときの冷却水温度は大気温度と同じ温度であり、ダイカスト成形の温度としては低温すぎるので、形状記憶合金よりなるコイル2aは変形しないので、冷却水供給管1内のコイル弁2はコイル隙間が縮小された状態を維持することとなる。
コイル2aが縮小されているとき隣接するコイル隙間は図1に示されるように、狭められているので冷却水供給管1からダイカスト金型に供給される冷却水量は絞られることとなる。この状態で試し打ちのダイカスト成形を行えば冷却水量は少ないのでダイカスト金型の温度は急速に昇温して、ダイカスト成形に適した温度まで上昇することとなる。そして試し打ち用のダイカスト成形品を離型した後、適正な金型温度となっているダイカスト金型により通常のダイカスト成形を行えばよいので、試し打ちによる成形廃棄物量を大幅に削減できることとなる。
続けて行われるダイカスト成形によりダイカスト金型の温度が上昇し、ダイカスト成形に適さない温度にまで上昇すると、その温度で作動するようになっている形状記憶合金のコイル2aは変形し、コイル弁2は図1の状態から図3に示される状態に伸長することとなる。説明図では図4の状態から図5の状態になる。この伸長によりコイル隙間は図3または図5に示されるように拡がって冷却水の流量は増加することとなる。そして冷却水供給管1から供給される増加した冷却水によりダイカスト金型を確実に冷却されるので過熱による成形不良を生じることがない。しかも冷却水は複数のコイル隙間から流出するので流路抵抗は小さく乱流の発生は抑えられることとなる。このため冷却水の流れが安定し金型を確実に冷却することとなる。しかも冷却水の流量を増減させるので温度変動を小さくしてより一定化することができるので精度の高い冷却が行えることとなり、成形不良品の発生率は低下し歩留まりを向上させることができる。しかも大幅な節水効果を得られることとなる。
また図12されるものは、接続用フランジ10を両端に形成した管体11に形状記憶合金のコイル2aよりなるコイル弁2を組み込んでユニット化したものであり、このようにユニット化することにより、冷却水供給管1に接続用フランジ10を介してユニットを接続するだけで流量調整弁を金型冷却装置に組み込むことができるので、施工が極めて容易となる。
なお、前記好ましい実施の形態ではコイル弁2の隣接するコイル隙間を拡縮自在なものとしたが図6、7に示されるように接離自在としてもよい。コイル弁2の隣接するコイル同士が圧接されてコイル隙間から冷却水が流出できないときは、コイル弁2の先細径部に開口部を設けることで一定の流量を確保するものとするが、コイル隙間に若干の隙間が得られるように予め設ければ開口部は不要である。また金型冷却以外の用途に用いる場合は、開口部およびコイル隙間を閉塞して流体を完全に遮断するようにしてもよいことは勿論である。
2 コイル弁
2a コイル
2a コイル
Claims (2)
- 熱により伸長力または収縮力を得る形状記憶合金よりなるコイルの隣接する各コイル隙間を拡縮または接離して流量を調整するコイル弁と、形状記憶合金よりなるコイルが熱による伸長力または収縮力をもたないときコイル弁を復帰させる戻しばねとからなることを特徴とする流量調整弁。
- 形状記憶合金よりなるコイル弁をテーパコイルとしたことを特徴とする請求項1に記載の流量調整弁。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2004131387A JP2005315292A (ja) | 2004-04-27 | 2004-04-27 | 流量調整弁 |
Applications Claiming Priority (1)
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Family Applications (1)
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2009133429A (ja) * | 2007-11-30 | 2009-06-18 | Fujitsu Ltd | ダクト流量可変弁及びそれを備えたダクト装置 |
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US9212754B2 (en) | 2013-03-12 | 2015-12-15 | A. Raymond Et Cie | Shape memory alloy valve |
CN111730980A (zh) * | 2020-06-18 | 2020-10-02 | 浙江大学 | 新型水下示踪储墨器 |
KR20210124105A (ko) * | 2020-04-03 | 2021-10-14 | 경상국립대학교산학협력단 | 유량 조절 밸브용 형상기억합금 |
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2004
- 2004-04-27 JP JP2004131387A patent/JP2005315292A/ja active Pending
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US9651158B2 (en) | 2013-03-12 | 2017-05-16 | A. Raymond Et Cie | Shape memory alloy valve |
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KR20210124105A (ko) * | 2020-04-03 | 2021-10-14 | 경상국립대학교산학협력단 | 유량 조절 밸브용 형상기억합금 |
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