JP2982997B2 - 金属管の水平連続鋳造方法及び水平連続鋳造機 - Google Patents
金属管の水平連続鋳造方法及び水平連続鋳造機Info
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、外型及び中子により形
成される管状の隙間に流し込んだ溶融金属を固化させて
鋳造する金属管の水平連続鋳造方法及び水平連続鋳造機
に関する。
成される管状の隙間に流し込んだ溶融金属を固化させて
鋳造する金属管の水平連続鋳造方法及び水平連続鋳造機
に関する。
【0002】
【従来の技術】金属管には、板状をカールして溶接する
ことにより作製する溶接管と、押出しや鋳造にて作製す
る継ぎ目無し管とがある。溶接管は溶接部の信頼性に問
題があり、気密性が必要な場合には継ぎ目無し管を用い
る。この継ぎ目無し管は、押出しや鋳造にて製造された
素管を管専用のダイスにて所定寸法に仕上げ、必要に応
じて焼鈍して軟質材に改質させて使用する。
ことにより作製する溶接管と、押出しや鋳造にて作製す
る継ぎ目無し管とがある。溶接管は溶接部の信頼性に問
題があり、気密性が必要な場合には継ぎ目無し管を用い
る。この継ぎ目無し管は、押出しや鋳造にて製造された
素管を管専用のダイスにて所定寸法に仕上げ、必要に応
じて焼鈍して軟質材に改質させて使用する。
【0003】この管の鋳造方法には様々の方式がある
が、小規模の生産を行う場合には、間欠引き出しによる
水平連続鋳造方法が用いられる。この水平連続鋳造方法
は、溶湯(溶解した銅及び銅合金等)を溶融状態に保つ
保持炉に入れ保持炉下方に設けられた穴から溶湯を鋳型
に流しこんで固化させて引き出すものである。鋳型は、
素管の外径をきめる外型(ダイスまたはノズル)及び素
管の内径をきめる中子(マンドレル)から構成され、両
者の隙間が管状になるように組み合わされ、その隙間に
溶湯を流し込む。
が、小規模の生産を行う場合には、間欠引き出しによる
水平連続鋳造方法が用いられる。この水平連続鋳造方法
は、溶湯(溶解した銅及び銅合金等)を溶融状態に保つ
保持炉に入れ保持炉下方に設けられた穴から溶湯を鋳型
に流しこんで固化させて引き出すものである。鋳型は、
素管の外径をきめる外型(ダイスまたはノズル)及び素
管の内径をきめる中子(マンドレル)から構成され、両
者の隙間が管状になるように組み合わされ、その隙間に
溶湯を流し込む。
【0004】図4は、銅管の水平連続鋳造機の一例を示
す断面図である。同図において、11は溶湯12を溶融
状態に保つ保持炉であり、下方に設けられた流出口11
aから鋳型13内に溶湯12を流し込む。鋳型13はグ
ラファイト製の円筒状の外型13a及び中子13bから
構成されている。外型13aの周囲の銅管の引き出し側
に設けられ、耐熱製の鋳鉄等で作られた冷却器15は、
内部に冷却水を流して外型13aを冷却することにより
鋳型13内に流し込まれた溶湯12を冷却して固化させ
る。冷却水の量は図示されない調節器で調整され、その
量で溶湯12の固化位置が決められる。冷却用スプレー
17は固化した銅を二次冷却する。引き抜き用ピンチロ
ール18は二次冷却した銅を固化した分だけ水平方向に
引き出す。以上の工程を繰り返すことにより、銅管16
が鋳造される。
す断面図である。同図において、11は溶湯12を溶融
状態に保つ保持炉であり、下方に設けられた流出口11
aから鋳型13内に溶湯12を流し込む。鋳型13はグ
ラファイト製の円筒状の外型13a及び中子13bから
構成されている。外型13aの周囲の銅管の引き出し側
に設けられ、耐熱製の鋳鉄等で作られた冷却器15は、
内部に冷却水を流して外型13aを冷却することにより
鋳型13内に流し込まれた溶湯12を冷却して固化させ
る。冷却水の量は図示されない調節器で調整され、その
量で溶湯12の固化位置が決められる。冷却用スプレー
17は固化した銅を二次冷却する。引き抜き用ピンチロ
ール18は二次冷却した銅を固化した分だけ水平方向に
引き出す。以上の工程を繰り返すことにより、銅管16
が鋳造される。
【0005】図5a、図5bに中子13bの形状を示
す。図5aは、中子13bを側面から見た場合の外観図
であり、図5bは、図5aのA方向即ち銅管16の引き
出し方向から見た図である。中子13bは、溶湯12が
流し込まれる側の上部及び下部にねじ部13b0 をも
ち、外型13aにねじ込み式で取り付けた状態で外型1
3aとの隙間に溶湯12を流し込むことができるよう
に、ねじ部13b0 の側面がカットされている。棒部1
3b1 は、外型13aに取り付けた状態で外型13aと
の隙間の断面形状が鋳造しようとする銅管16の断面形
状になるように設計されている。
す。図5aは、中子13bを側面から見た場合の外観図
であり、図5bは、図5aのA方向即ち銅管16の引き
出し方向から見た図である。中子13bは、溶湯12が
流し込まれる側の上部及び下部にねじ部13b0 をも
ち、外型13aにねじ込み式で取り付けた状態で外型1
3aとの隙間に溶湯12を流し込むことができるよう
に、ねじ部13b0 の側面がカットされている。棒部1
3b1 は、外型13aに取り付けた状態で外型13aと
の隙間の断面形状が鋳造しようとする銅管16の断面形
状になるように設計されている。
【0006】図4に示す水平連続鋳造機を用いて銅管1
6を鋳造する場合、その鋳造管の内径は、中子13bの
棒部13b1 の外径によって決められ、一方、鋳造管の
外径は外型13aの内径によってきめられる。例えば中
子として、図5a、5bに示す形状で長さが外型13b
の半分であるものを使用し、冷却器15に流す冷却水の
水量を調節し銅管16を鋳造すると、外径18mmφ、内
径16.4mmφ(肉厚0.8mm)の銅管16を鋳造でき
る。
6を鋳造する場合、その鋳造管の内径は、中子13bの
棒部13b1 の外径によって決められ、一方、鋳造管の
外径は外型13aの内径によってきめられる。例えば中
子として、図5a、5bに示す形状で長さが外型13b
の半分であるものを使用し、冷却器15に流す冷却水の
水量を調節し銅管16を鋳造すると、外径18mmφ、内
径16.4mmφ(肉厚0.8mm)の銅管16を鋳造でき
る。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】ところで銅管16の内
径(肉厚)を変更するときは、鋳型13を取り外して中
子13bを交換する必要がある。この鋳型13の取り外
しを行うためには、保持炉11を一端冷却する必要があ
り、多くの工数を必要とする。例えば、上記の中子13
bを用いた銅管16と外径が同じ18mmφで、内径1
5.6mmφ(肉厚1.2mm)の銅管を鋳造するために
は、細い外径の中子に交換しなければならず、保持炉1
1の冷却に20時間、鋳型13の取り外し及び中子13
bの交換、鋳型の再取り付けに4時間を要する。その
後、保持炉11の加熱、銅の溶融というように、多くの
時間がかかるという問題がある。
径(肉厚)を変更するときは、鋳型13を取り外して中
子13bを交換する必要がある。この鋳型13の取り外
しを行うためには、保持炉11を一端冷却する必要があ
り、多くの工数を必要とする。例えば、上記の中子13
bを用いた銅管16と外径が同じ18mmφで、内径1
5.6mmφ(肉厚1.2mm)の銅管を鋳造するために
は、細い外径の中子に交換しなければならず、保持炉1
1の冷却に20時間、鋳型13の取り外し及び中子13
bの交換、鋳型の再取り付けに4時間を要する。その
後、保持炉11の加熱、銅の溶融というように、多くの
時間がかかるという問題がある。
【0008】ところで、溶湯12は固化すると凝固収縮
がおきる。また、外型13aの材質であるグラファイト
と金属は一般的に熱膨張係数が大きく違い、例えば、銅
は炭素(グラファイトの原料)に比べ熱膨張係数が10
倍以上である。よって溶湯12は鋳型13内で凝固時に
収縮すると共に、鋳型13から引き出される過程で、冷
却による収縮が再度起きる。この冷却による内径縮小に
より、中子13bの長さが長く、肉厚の薄い銅管を鋳造
する場合等は、長手方向に亀裂が生じたり、中子13b
と銅管16の内面とが接触してその摩擦により傷が付い
たり、ときには極度の冷却収縮により、グラファイト製
の中子13bを破壊する等の問題がある。
がおきる。また、外型13aの材質であるグラファイト
と金属は一般的に熱膨張係数が大きく違い、例えば、銅
は炭素(グラファイトの原料)に比べ熱膨張係数が10
倍以上である。よって溶湯12は鋳型13内で凝固時に
収縮すると共に、鋳型13から引き出される過程で、冷
却による収縮が再度起きる。この冷却による内径縮小に
より、中子13bの長さが長く、肉厚の薄い銅管を鋳造
する場合等は、長手方向に亀裂が生じたり、中子13b
と銅管16の内面とが接触してその摩擦により傷が付い
たり、ときには極度の冷却収縮により、グラファイト製
の中子13bを破壊する等の問題がある。
【0009】よって通常は、上記したように外型13a
に比べ中子13bの長さは短く設計するが、この場合、
中子13bの先端が外型13aの内部にあるため、外型
13aへの仮取り付け時の偏心測定が正確に行えない。
よって、外型13aの内面と中子13bの外面との間隔
調整が正確に行えず、その間隔が微妙にばらついて、例
えば外径18mmφ、内径15.6mmφ(肉厚1.2mm)
の寸法に鋳造すべき金属管は、肉厚の最大部分が1.5
mm、最小部分が0.9mmとばらつきが大きくなる等の問
題がある。
に比べ中子13bの長さは短く設計するが、この場合、
中子13bの先端が外型13aの内部にあるため、外型
13aへの仮取り付け時の偏心測定が正確に行えない。
よって、外型13aの内面と中子13bの外面との間隔
調整が正確に行えず、その間隔が微妙にばらついて、例
えば外径18mmφ、内径15.6mmφ(肉厚1.2mm)
の寸法に鋳造すべき金属管は、肉厚の最大部分が1.5
mm、最小部分が0.9mmとばらつきが大きくなる等の問
題がある。
【0010】なお、中子13bを長くしたまま先細りに
して、上記の摩擦による問題及び偏心調整の問題を解決
しようとしても、冷却条件の微妙なばらつきにより、凝
固位置が移動し、鋳造する銅管の内径がばらついてしま
うという新たな問題が発生する。
して、上記の摩擦による問題及び偏心調整の問題を解決
しようとしても、冷却条件の微妙なばらつきにより、凝
固位置が移動し、鋳造する銅管の内径がばらついてしま
うという新たな問題が発生する。
【0011】よって本発明は、上述した従来の問題点に
鑑み、外型と中子とにより形成される管状の隙間に溶融
金属を流し込んで固化させた後、間欠的に引き出して金
属管を鋳造する金属管の水平連続鋳造方法において、中
子を交換することなく様々の内径の金属管を鋳造可能な
水平連続鋳造方法を提供することを目的とする。
鑑み、外型と中子とにより形成される管状の隙間に溶融
金属を流し込んで固化させた後、間欠的に引き出して金
属管を鋳造する金属管の水平連続鋳造方法において、中
子を交換することなく様々の内径の金属管を鋳造可能な
水平連続鋳造方法を提供することを目的とする。
【0012】また本発明の他の目的は、外型と中子とに
より管状に形成される隙間に保持炉から溶融金属が流し
込まれる鋳型と、前記隙間に流し込まれる溶融金属を固
化させる固化手段と、固化した金属を前記隙間から間欠
的に引き出す引き出し手段とを備える金属管の水平連続
鋳造機において、中子を交換することなく様々の内径の
金属管を鋳造可能な水平連続鋳造機を提供することにあ
る。
より管状に形成される隙間に保持炉から溶融金属が流し
込まれる鋳型と、前記隙間に流し込まれる溶融金属を固
化させる固化手段と、固化した金属を前記隙間から間欠
的に引き出す引き出し手段とを備える金属管の水平連続
鋳造機において、中子を交換することなく様々の内径の
金属管を鋳造可能な水平連続鋳造機を提供することにあ
る。
【0013】また本発明の他の目的は、前記水平連続鋳
造機において、隙間に流し込まれる溶融金属の固化位置
を安定させることにより、金属管を安定して鋳造可能な
水平連続鋳造機を提供することにある。
造機において、隙間に流し込まれる溶融金属の固化位置
を安定させることにより、金属管を安定して鋳造可能な
水平連続鋳造機を提供することにある。
【0014】また本発明の他の目的は、前記水平連続鋳
造機において、隙間に流し込まれる溶融金属の固化位置
を鋳造すべき金属管の内径に対応させて移動させること
により、様々の内径の金属管を安定して鋳造可能な水平
連続鋳造機を提供することにある。
造機において、隙間に流し込まれる溶融金属の固化位置
を鋳造すべき金属管の内径に対応させて移動させること
により、様々の内径の金属管を安定して鋳造可能な水平
連続鋳造機を提供することにある。
【0015】さらに本発明の他の目的は、前記水平連続
鋳造機において、外型の内径に対する中子の偏心を正確
に調整することにより、肉厚のばらつきの少ない様々の
内径の金属管を鋳造することができる水平連続鋳造機を
提供することにある。
鋳造機において、外型の内径に対する中子の偏心を正確
に調整することにより、肉厚のばらつきの少ない様々の
内径の金属管を鋳造することができる水平連続鋳造機を
提供することにある。
【0016】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明の金属管の水平連続鋳造方法は、保持炉によ
り溶融状態に保った溶融金属を、鋳型を構成する外型と
中子とにより形成される管状の隙間に流し込んで固化さ
せた後、間欠的に引き出して金属管を鋳造する金属管の
水平連続鋳造方法において、前記中子として、外径が前
記金属管の引き出し方向に階段状に小さくなるものを使
用し、前記中子の各段の中から鋳造すべき金属管の内径
に対応した段を選択し、その段上で前記隙間内における
前記溶融金属の固化を行うことを特徴とする。
め、本発明の金属管の水平連続鋳造方法は、保持炉によ
り溶融状態に保った溶融金属を、鋳型を構成する外型と
中子とにより形成される管状の隙間に流し込んで固化さ
せた後、間欠的に引き出して金属管を鋳造する金属管の
水平連続鋳造方法において、前記中子として、外径が前
記金属管の引き出し方向に階段状に小さくなるものを使
用し、前記中子の各段の中から鋳造すべき金属管の内径
に対応した段を選択し、その段上で前記隙間内における
前記溶融金属の固化を行うことを特徴とする。
【0017】また、本発明の金属管の水平連続鋳造機
は、溶融金属を溶融状態に保つ保持炉と、外型と中子と
により管状に形成される隙間に前記保持炉から前記溶融
金属が流し込まれる鋳型と、前記隙間に流し込まれた前
記溶融金属を固化させる固化手段と、前記固化した金属
を前記隙間から間欠的に引き出す引き出し手段とを備え
る金属管の水平連続鋳造機において、前記中子が、前記
金属管の引き出し方向に階段状に小さくなる外径を有
し、前記固化手段が、前記隙間内における前記溶融金属
の固化を、前記中子の各段の中から鋳造すべき金属管の
内径に応じて選択した段上で行わせることを特徴とす
る。
は、溶融金属を溶融状態に保つ保持炉と、外型と中子と
により管状に形成される隙間に前記保持炉から前記溶融
金属が流し込まれる鋳型と、前記隙間に流し込まれた前
記溶融金属を固化させる固化手段と、前記固化した金属
を前記隙間から間欠的に引き出す引き出し手段とを備え
る金属管の水平連続鋳造機において、前記中子が、前記
金属管の引き出し方向に階段状に小さくなる外径を有
し、前記固化手段が、前記隙間内における前記溶融金属
の固化を、前記中子の各段の中から鋳造すべき金属管の
内径に応じて選択した段上で行わせることを特徴とす
る。
【0018】さらに、本発明の金属管の水平連続鋳造機
は、前記固化手段が、前記鋳型の周囲の前記金属管が引
き出される側に設けられ、前記鋳型を冷却する冷却器か
らなることを特徴とする。
は、前記固化手段が、前記鋳型の周囲の前記金属管が引
き出される側に設けられ、前記鋳型を冷却する冷却器か
らなることを特徴とする。
【0019】さらに、本発明の金属管の水平連続鋳造機
は、前記鋳型の周囲の前記溶融金属が流し込まれる側に
設けられ、前記鋳型を加熱する加熱器を更に備えること
を特徴とする。
は、前記鋳型の周囲の前記溶融金属が流し込まれる側に
設けられ、前記鋳型を加熱する加熱器を更に備えること
を特徴とする。
【0020】さらに、本発明の金属管の水平連続鋳造機
は、前記中子の先端と前記外型の内面の前記金属管を引
き出す側の縁部とが略同一面にあることを特徴とする。
は、前記中子の先端と前記外型の内面の前記金属管を引
き出す側の縁部とが略同一面にあることを特徴とする。
【0021】
【作用】本発明の金属管の水平連続鋳造方法によれば、
外径が金属管の引き出し方向に階段状に小さくなる中子
を使用し、鋳型を構成する外型と中子とにより形成され
る管状の隙間に流し込んだ溶融金属の固化を、中子の各
段の中から鋳造すべき金属管の内径に対応して選択した
段上で行うので、中子を交換することなく、中子の各外
径に対応するさまざまの内径の金属管を鋳造することが
できる。
外径が金属管の引き出し方向に階段状に小さくなる中子
を使用し、鋳型を構成する外型と中子とにより形成され
る管状の隙間に流し込んだ溶融金属の固化を、中子の各
段の中から鋳造すべき金属管の内径に対応して選択した
段上で行うので、中子を交換することなく、中子の各外
径に対応するさまざまの内径の金属管を鋳造することが
できる。
【0022】また、本発明の金属管の水平連続鋳造機に
よれば、外型と金属管の引き出し方向に階段状に小さく
なる外径を有する中子とにより管状に形成される隙間に
保持炉から溶融金属を流し込まれる鋳型と、前記中子の
各段の中から鋳造すべき金属管の内径に応じて選択した
段上で隙間内に流し込まれた溶融金属の固化を行わせる
固化手段と、固化した金属を前記隙間から間欠的に引き
出す引き出し手段とを備えるので、中子を交換すること
なく、中子の各外径に対応するさまざまの内径の金属管
を鋳造することができる。
よれば、外型と金属管の引き出し方向に階段状に小さく
なる外径を有する中子とにより管状に形成される隙間に
保持炉から溶融金属を流し込まれる鋳型と、前記中子の
各段の中から鋳造すべき金属管の内径に応じて選択した
段上で隙間内に流し込まれた溶融金属の固化を行わせる
固化手段と、固化した金属を前記隙間から間欠的に引き
出す引き出し手段とを備えるので、中子を交換すること
なく、中子の各外径に対応するさまざまの内径の金属管
を鋳造することができる。
【0023】また、前記固化手段が、前記鋳型の周囲の
前記金属管が引き出される側に設けられ、鋳型を冷却す
る冷却器からなるので、前記金属管が引き出される側か
ら溶融金属が流し込まれる側に向けて鋳型を冷却するこ
とにより、鋳造すべき金属管の内径に対応する前記中子
の外径部分で前記隙間に流し込んだ溶融金属を冷却して
固化させ、金属管を安定して鋳造することができる。
前記金属管が引き出される側に設けられ、鋳型を冷却す
る冷却器からなるので、前記金属管が引き出される側か
ら溶融金属が流し込まれる側に向けて鋳型を冷却するこ
とにより、鋳造すべき金属管の内径に対応する前記中子
の外径部分で前記隙間に流し込んだ溶融金属を冷却して
固化させ、金属管を安定して鋳造することができる。
【0024】さらに、前記鋳型の周囲の前記溶融金属が
流し込まれる側に設けられ、前記鋳型を加熱する加熱器
を更に備えるので、前記鋳型の温度分布を更に変化させ
ることができる。よって、前記隙間に流し込まれる溶融
金属の固化位置を鋳造すべき金属管の内径に対応させて
移動させて、様々の内径の金属管を安定して鋳造するこ
とができる。
流し込まれる側に設けられ、前記鋳型を加熱する加熱器
を更に備えるので、前記鋳型の温度分布を更に変化させ
ることができる。よって、前記隙間に流し込まれる溶融
金属の固化位置を鋳造すべき金属管の内径に対応させて
移動させて、様々の内径の金属管を安定して鋳造するこ
とができる。
【0025】さらに、本発明の金属管の水平連続鋳造機
は、前記中子の先端と前記外型の内面の前記金属管を引
き出す側の縁部とが略同一面にあるので、外型の内径に
対する中子の外径の偏心を正確に測定することができ
る。従って、中子の偏心調整を正確に行えるので、肉厚
のばらつきの少ない様々の内径の金属管を中子を交換す
ることなく鋳造することができる。
は、前記中子の先端と前記外型の内面の前記金属管を引
き出す側の縁部とが略同一面にあるので、外型の内径に
対する中子の外径の偏心を正確に測定することができ
る。従って、中子の偏心調整を正確に行えるので、肉厚
のばらつきの少ない様々の内径の金属管を中子を交換す
ることなく鋳造することができる。
【0026】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面を用いて説明す
る。図1は、本発明にかかる水平連続鋳造機の一実施例
を示す断面図である。同図において、1は溶解された銅
(溶湯)2を溶融状態に保ち、下方に設けられた流出口
1aから鋳型3内に溶湯2を流し込む保持炉である。鋳
型3の周囲の溶湯2が流し込まれる側には、鋳型3を加
熱する加熱器4が取り付けられている。また、鋳型3の
周囲の銅管6の引き出し側には、耐熱製の鋳鉄等で作ら
れ、内部を循環する冷却水9により鋳型3を冷却する溶
融金属固化手段としての冷却器5が取り付けられてい
る。7は鋳造された銅管6を二次冷却する冷却用スプレ
ーであり、8は二次冷却された銅管6を引き出すピンチ
ロールである。
る。図1は、本発明にかかる水平連続鋳造機の一実施例
を示す断面図である。同図において、1は溶解された銅
(溶湯)2を溶融状態に保ち、下方に設けられた流出口
1aから鋳型3内に溶湯2を流し込む保持炉である。鋳
型3の周囲の溶湯2が流し込まれる側には、鋳型3を加
熱する加熱器4が取り付けられている。また、鋳型3の
周囲の銅管6の引き出し側には、耐熱製の鋳鉄等で作ら
れ、内部を循環する冷却水9により鋳型3を冷却する溶
融金属固化手段としての冷却器5が取り付けられてい
る。7は鋳造された銅管6を二次冷却する冷却用スプレ
ーであり、8は二次冷却された銅管6を引き出すピンチ
ロールである。
【0027】鋳型3はグラファイトからなる円筒状の外
型3a及び中子3bから構成されている。鋳造機の側面
から見た中子3bの外観図を図2aに、図2a中のA方
向(銅管6の引き出し側)から見た中子3bの外観図を
図2bに示す。両図において、中子3bは棒状で、その
外径は鋳造する銅管6の引き出し方向に階段状に減少し
ており、3b1 、3b2 、3b3 、3b4 部分の外径は
それぞれ16.4mmφ、16.0mmφ、15.6mmφ、
15.0mmφである。また中子3bの長さは外型3aと
同じであり、中子3bの先端と外型3aの内面の金属管
6を引き出す側の縁部とが略同一面になるように、ねじ
部3b0 により外型3aの保持炉1側の端面にねじ込み
式で取り付けられて固定されている。
型3a及び中子3bから構成されている。鋳造機の側面
から見た中子3bの外観図を図2aに、図2a中のA方
向(銅管6の引き出し側)から見た中子3bの外観図を
図2bに示す。両図において、中子3bは棒状で、その
外径は鋳造する銅管6の引き出し方向に階段状に減少し
ており、3b1 、3b2 、3b3 、3b4 部分の外径は
それぞれ16.4mmφ、16.0mmφ、15.6mmφ、
15.0mmφである。また中子3bの長さは外型3aと
同じであり、中子3bの先端と外型3aの内面の金属管
6を引き出す側の縁部とが略同一面になるように、ねじ
部3b0 により外型3aの保持炉1側の端面にねじ込み
式で取り付けられて固定されている。
【0028】中子3bを外型3aに取り付けるときに
は、階段状の中子3bの外径と外型3aの内径とにより
形成される管状の隙間の間隔が中子3bの各段3b1 〜
3b4において均一になるように、外型3aの内径に対
する中子3bの偏心を調整する。この偏心調整は、中子
3bを外型3aに仮取り付けして偏心を測定し、その測
定値に基づいて、図3に示すように外型3aと中子3b
との接触面にシート状のグラファイト21を挿入して偏
心を減少させた状態で中子3bの本取り付けを行うこと
により行っている。
は、階段状の中子3bの外径と外型3aの内径とにより
形成される管状の隙間の間隔が中子3bの各段3b1 〜
3b4において均一になるように、外型3aの内径に対
する中子3bの偏心を調整する。この偏心調整は、中子
3bを外型3aに仮取り付けして偏心を測定し、その測
定値に基づいて、図3に示すように外型3aと中子3b
との接触面にシート状のグラファイト21を挿入して偏
心を減少させた状態で中子3bの本取り付けを行うこと
により行っている。
【0029】なお、中子3bの先端は外型3aの銅管6
の内面の引き出し側の縁部と同一平面上になっているの
で、上記偏心測定及びグラファイト21による偏心調整
を正確かつ簡単に行うことができる。
の内面の引き出し側の縁部と同一平面上になっているの
で、上記偏心測定及びグラファイト21による偏心調整
を正確かつ簡単に行うことができる。
【0030】以下に、上記構造の水平連続鋳造機を用い
て外径が18mmφで内径の異なる銅管を順次鋳造する場
合について説明する。
て外径が18mmφで内径の異なる銅管を順次鋳造する場
合について説明する。
【0031】まず、溶湯2を保持炉1の下方に設けられ
た流出口1aから鋳型3の管状の隙間に順次流し込みな
がら、溶融金属固化手段としての冷却器5内に冷却水を
流して外型3aを冷却させることにより、溶湯2を次第
に固化させ、固化した銅の先端をピンチロール8に挟み
込む。
た流出口1aから鋳型3の管状の隙間に順次流し込みな
がら、溶融金属固化手段としての冷却器5内に冷却水を
流して外型3aを冷却させることにより、溶湯2を次第
に固化させ、固化した銅の先端をピンチロール8に挟み
込む。
【0032】続いて、加熱器4は作動させず、冷却器5
内に大量の冷却水を流して外型3a全体を冷却させると
ともに、ピンチロール8の回転を制御して、固化した銅
を0.5秒間引き取って4.5秒間停止させるというサ
イクルを繰り返し、鋳型3内の中子の3b1 部分(外径
16.4mmφ)で溶湯2を固化させる。このサイクルを
線速300mm/分になるように連続して固化した銅6を
引き出すことにより、内径16.4mmφ(肉厚0.8m
m)の銅管を連続鋳造することができる。
内に大量の冷却水を流して外型3a全体を冷却させると
ともに、ピンチロール8の回転を制御して、固化した銅
を0.5秒間引き取って4.5秒間停止させるというサ
イクルを繰り返し、鋳型3内の中子の3b1 部分(外径
16.4mmφ)で溶湯2を固化させる。このサイクルを
線速300mm/分になるように連続して固化した銅6を
引き出すことにより、内径16.4mmφ(肉厚0.8m
m)の銅管を連続鋳造することができる。
【0033】続いて、上記の内径16.4mmφの銅管鋳
造時よりも冷却器5内に流す水量を少量にして、外型3
a全体の中で、中子の最大外径部分である3b1 部分に
対応する部分以外の領域(3b2 、3b3 、3b4 部分
に対応する領域)のみを冷却させるとともに、上記サイ
クルを連続して繰り返して、鋳型3内の中子の3b2部
分(外径16.0mmφ)で溶湯2を固化させることによ
り内径16.0mmφ(肉厚1.0mm)の銅管を連続鋳造
することができる。
造時よりも冷却器5内に流す水量を少量にして、外型3
a全体の中で、中子の最大外径部分である3b1 部分に
対応する部分以外の領域(3b2 、3b3 、3b4 部分
に対応する領域)のみを冷却させるとともに、上記サイ
クルを連続して繰り返して、鋳型3内の中子の3b2部
分(外径16.0mmφ)で溶湯2を固化させることによ
り内径16.0mmφ(肉厚1.0mm)の銅管を連続鋳造
することができる。
【0034】続いて、上記の内径16.0mmφの銅管鋳
造時よりも冷却器5内に流す量をさらに少量にして、外
型3a全体の中で、中子の3b3 及び3b4 部分に対応
する領域のみを冷却させるとともに、上記サイクルを連
続して繰り返して、鋳型3内の中子の3b3 部分(外径
15.6mmφ)で溶湯2を固化させる。こうして内径1
5.6mmφ(肉厚1.2mm)の銅管を連続鋳造すること
ができる。
造時よりも冷却器5内に流す量をさらに少量にして、外
型3a全体の中で、中子の3b3 及び3b4 部分に対応
する領域のみを冷却させるとともに、上記サイクルを連
続して繰り返して、鋳型3内の中子の3b3 部分(外径
15.6mmφ)で溶湯2を固化させる。こうして内径1
5.6mmφ(肉厚1.2mm)の銅管を連続鋳造すること
ができる。
【0035】続いて、加熱器4を作動させて外型3aを
溶湯2の流し込み側から外型3aを加熱することによ
り、外型3a全体の中で、3b4 部分に対応する領域の
みが冷却されるように外型3aの温度分布を変化させる
と共に、上記サイクルを連続して繰り返して、鋳型3内
の中子の3b4 部分(外径15.0mmφ)で溶湯2を固
化させる。こうして内径15.0mmφ(肉厚1.5mm)
の銅管を連続鋳造することができる。
溶湯2の流し込み側から外型3aを加熱することによ
り、外型3a全体の中で、3b4 部分に対応する領域の
みが冷却されるように外型3aの温度分布を変化させる
と共に、上記サイクルを連続して繰り返して、鋳型3内
の中子の3b4 部分(外径15.0mmφ)で溶湯2を固
化させる。こうして内径15.0mmφ(肉厚1.5mm)
の銅管を連続鋳造することができる。
【0036】上述のように本実施例の水平連続鋳造機
は、中子3bとして、外径が銅管6の引き出し方向に階
段状に小さくなるものを使用している。また、外型3a
の周囲の銅管6が引き出される側に設けられた冷却器5
内に流す冷却水の水量を変化させ、更に、外型3aの周
囲の溶湯2が流し込まれる側に設けられた加熱器4をオ
ン・オフさせることにより外型3aの温度分布を変化さ
せ、外型3aと中子3bとにより形成される管状の隙間
内に流し込んだ溶湯2の固化位置を自由に変化させるこ
とができる。従って、中子3bの各段の中から鋳造すべ
き金属管の内径に対応して選択した段上で溶湯2を固化
させて、中子3bの各外径に対応した内径を持つ銅管6
を中子3bを交換することなく鋳造することができる。
は、中子3bとして、外径が銅管6の引き出し方向に階
段状に小さくなるものを使用している。また、外型3a
の周囲の銅管6が引き出される側に設けられた冷却器5
内に流す冷却水の水量を変化させ、更に、外型3aの周
囲の溶湯2が流し込まれる側に設けられた加熱器4をオ
ン・オフさせることにより外型3aの温度分布を変化さ
せ、外型3aと中子3bとにより形成される管状の隙間
内に流し込んだ溶湯2の固化位置を自由に変化させるこ
とができる。従って、中子3bの各段の中から鋳造すべ
き金属管の内径に対応して選択した段上で溶湯2を固化
させて、中子3bの各外径に対応した内径を持つ銅管6
を中子3bを交換することなく鋳造することができる。
【0037】また、中子3bは銅管6の引き出し方向に
向かって段階的に減少する形状となっているため、鋳造
する銅管6の冷却による収縮がおきても、銅管6の内面
と中子3bの外面との接触は少なく、銅管6の内径縮小
による接触摩擦はほとんど発生しない。よって銅管6の
内面に傷が発生することは殆どない。
向かって段階的に減少する形状となっているため、鋳造
する銅管6の冷却による収縮がおきても、銅管6の内面
と中子3bの外面との接触は少なく、銅管6の内径縮小
による接触摩擦はほとんど発生しない。よって銅管6の
内面に傷が発生することは殆どない。
【0038】また、外型3aの銅管引き抜き側の面と中
子3bの先端とが略同一面にあるので、鋳造前に外型3
aに対する中子3bの偏心調整を正確に行うことができ
る。よって、鋳造する銅管6の肉厚のばらつきが少なく
なるという利点がある。
子3bの先端とが略同一面にあるので、鋳造前に外型3
aに対する中子3bの偏心調整を正確に行うことができ
る。よって、鋳造する銅管6の肉厚のばらつきが少なく
なるという利点がある。
【0039】なお本実施例では中子3bは4段構成であ
ったが、さらに他段にし、例えば加熱器4の加熱量を変
化させ、冷却器5に流す冷却水量の変化との組み合わせ
により、溶湯2の固化位置をさらに細かく変化させるこ
とで、一つの中子でさらにさまざまの内径の銅管を鋳造
することができる。
ったが、さらに他段にし、例えば加熱器4の加熱量を変
化させ、冷却器5に流す冷却水量の変化との組み合わせ
により、溶湯2の固化位置をさらに細かく変化させるこ
とで、一つの中子でさらにさまざまの内径の銅管を鋳造
することができる。
【0040】また、本実施例では溶解した銅(溶湯)を
用いて銅管を鋳造したが、他の金属の鋳造も行えること
は言うまでもない。しかしその場合、銅と物性が異なる
ので、所定の位置で固化が行われるように加熱器4及び
冷却器5を調節する必要がある。
用いて銅管を鋳造したが、他の金属の鋳造も行えること
は言うまでもない。しかしその場合、銅と物性が異なる
ので、所定の位置で固化が行われるように加熱器4及び
冷却器5を調節する必要がある。
【0041】また、本実施例では中子3bの各段の断面
形状は円形であったが、先端に向かうに従い径が細くな
るのであれば、各段の断面形状を楕円、三角形または他
の多角形などにして、色々な内径をもつ楕円管、三角管
及び他の多角形管を中子を交換することなく安定して鋳
造することができる。
形状は円形であったが、先端に向かうに従い径が細くな
るのであれば、各段の断面形状を楕円、三角形または他
の多角形などにして、色々な内径をもつ楕円管、三角管
及び他の多角形管を中子を交換することなく安定して鋳
造することができる。
【0042】また、本実施例では中子3bはネジ部3b
0 をもち、ねじ込み式で外型3aに取り付けたが、中子
3bの取り付け部の形状を変化させ、はめ込み式で取り
付けてもよい。なお、はめ込み式で外型3aに中子3b
を取り付けた場合も中子3bの偏心の調整をねじ込み式
で取り付けた場合と同様に行える。
0 をもち、ねじ込み式で外型3aに取り付けたが、中子
3bの取り付け部の形状を変化させ、はめ込み式で取り
付けてもよい。なお、はめ込み式で外型3aに中子3b
を取り付けた場合も中子3bの偏心の調整をねじ込み式
で取り付けた場合と同様に行える。
【0043】また、以上の実施例では、冷却器5は鋳型
3の周囲の銅管6の引き出し側に、また加熱器4は鋳型
3の周囲の溶湯2が流し込まれる側というように、冷却
器5及び加熱器4を所定位置に固定し、冷却器5内を循
環する水量を変化させたり、加熱器4をオン・オフした
りして、溶湯2の固化位置を変化させたが、加熱器4及
び冷却器5のいづれか一方または両方を外型3aの長手
方向に移動させることにより、鋳型3の温度分布を変化
させ、中子3bの各段の中から鋳造すべき金属管6の内
径に対応した段上で、鋳型3内の溶湯2の固化を行わせ
てもよい。
3の周囲の銅管6の引き出し側に、また加熱器4は鋳型
3の周囲の溶湯2が流し込まれる側というように、冷却
器5及び加熱器4を所定位置に固定し、冷却器5内を循
環する水量を変化させたり、加熱器4をオン・オフした
りして、溶湯2の固化位置を変化させたが、加熱器4及
び冷却器5のいづれか一方または両方を外型3aの長手
方向に移動させることにより、鋳型3の温度分布を変化
させ、中子3bの各段の中から鋳造すべき金属管6の内
径に対応した段上で、鋳型3内の溶湯2の固化を行わせ
てもよい。
【0044】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、鋳造する
金属管の内径を変更するときも中子を交換する必要がな
い。よって、鋳型取り外し及び中子の交換、鋳型の再取
り付け等の時間のかかる作業を行う必要がなく、生産コ
ストが大幅に安くなる。
金属管の内径を変更するときも中子を交換する必要がな
い。よって、鋳型取り外し及び中子の交換、鋳型の再取
り付け等の時間のかかる作業を行う必要がなく、生産コ
ストが大幅に安くなる。
【0045】また、鋳造管の内面に傷を発生させること
なく中子を長くして、外型の鋳造管引き抜き側の面と中
子の先端とを略同一面にすることができる。したがっ
て、鋳造前に外型に対する中子の偏心調整を正確に行う
ことができ、肉厚のばらつきの少ない金属管を安定して
鋳造することができる。
なく中子を長くして、外型の鋳造管引き抜き側の面と中
子の先端とを略同一面にすることができる。したがっ
て、鋳造前に外型に対する中子の偏心調整を正確に行う
ことができ、肉厚のばらつきの少ない金属管を安定して
鋳造することができる。
【図1】本発明の金属管の水平連続鋳造機の一例を示す
断面図である。
断面図である。
【図2】図1に示す中子3bの形状を示す図であり、
(a)部は側面から見た外観図、(b)部は(a)部の
A方向から見た外観図である。
(a)部は側面から見た外観図、(b)部は(a)部の
A方向から見た外観図である。
【図3】図1に示す外型3a及び中子3bの偏心調整後
の取り付け状態を示す図である。
の取り付け状態を示す図である。
【図4】従来の金属管の水平連続鋳造機の一例を示す断
面図である。
面図である。
【図5】図4に示す中子13bの形状を示す図であり、
(a)部は側面から見た外観図、(b)部は(a)部の
A方向から見た外観図である。
(a)部は側面から見た外観図、(b)部は(a)部の
A方向から見た外観図である。
1、11 保持炉 2、12 溶湯 3a、13a 外型 3b、13b 中子 4 加熱器 5、15 冷却器 6、16 銅管 8、18 ピンチロール
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) B22D 11/04 114 B22D 11/04 314 B22C 9/10 B22D 11/00
Claims (5)
- 【請求項1】 保持炉により溶融状態に保った溶融金属
を、鋳型を構成する外型と中子とにより形成される管状
の隙間に流し込んで固化させた後、間欠的に引き出して
金属管を鋳造する金属管の水平連続鋳造方法において、 前記中子として、外径が前記金属管の引き出し方向に階
段状に小さくなるものを使用し、 前記中子の各段の中から鋳造すべき金属管の内径に対応
した段を選択し、その段上で前記隙間内における前記溶
融金属の固化を行うことを特徴とする金属管の水平連続
鋳造方法。 - 【請求項2】 溶融金属を溶融状態に保つ保持炉と、外
型と中子とにより管状に形成される隙間に前記保持炉か
ら前記溶融金属が流し込まれる鋳型と、前記隙間に流し
込まれた前記溶融金属を固化させる固化手段と、前記固
化した金属を前記隙間から間欠的に引き出す引き出し手
段とを備える金属管の水平連続鋳造機において、 前記中子が、前記金属管の引き出し方向に階段状に小さ
くなる外径を有し、 前記固化手段が、前記隙間内における前記溶融金属の固
化を、前記中子の各段の中から鋳造すべき金属管の内径
に応じて選択した段上で行わせることを特徴とする金属
管の水平連続鋳造機。 - 【請求項3】 前記固化手段が、前記鋳型の周囲の前記
金属管が引き出される側に設けられ、前記鋳型を冷却す
る冷却器からなることを特徴とする請求項2記載の金属
管の水平連続鋳造機。 - 【請求項4】 前記鋳型の周囲の前記溶融金属が流し込
まれる側に設けられ、前記鋳型を加熱する加熱器を更に
備えることを特徴とする請求項2又は3記載の金属管の
水平連続鋳造機。 - 【請求項5】 前記中子の先端と前記外型の内面の前記
金属管を引き出す側の縁部とが略同一面にあることを特
徴とする請求項2乃至4のいづれかに記載の金属管の水
平連続鋳造機。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP6169326A JP2982997B2 (ja) | 1994-07-21 | 1994-07-21 | 金属管の水平連続鋳造方法及び水平連続鋳造機 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP6169326A JP2982997B2 (ja) | 1994-07-21 | 1994-07-21 | 金属管の水平連続鋳造方法及び水平連続鋳造機 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0833949A JPH0833949A (ja) | 1996-02-06 |
JP2982997B2 true JP2982997B2 (ja) | 1999-11-29 |
Family
ID=15884480
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP6169326A Expired - Lifetime JP2982997B2 (ja) | 1994-07-21 | 1994-07-21 | 金属管の水平連続鋳造方法及び水平連続鋳造機 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2982997B2 (ja) |
Families Citing this family (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR101406814B1 (ko) * | 2012-11-02 | 2014-06-17 | 주식회사 동화티씨에이 | 대구경관 수평연속주조용 몰드장치 |
JP7165592B2 (ja) * | 2019-01-23 | 2022-11-04 | 株式会社栗本鐵工所 | 鋳造管の砂型鋳込み装置及びその中子の金枠への位置決め方法 |
CN109894590B (zh) * | 2019-03-28 | 2021-05-04 | 北京科技大学 | 一种大直径铜合金管的连铸设备和方法 |
CN111112566B (zh) * | 2019-12-30 | 2020-11-20 | 燕山大学 | 一种提高内螺纹铜管螺纹质量的方法及其水平连铸装置 |
-
1994
- 1994-07-21 JP JP6169326A patent/JP2982997B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH0833949A (ja) | 1996-02-06 |
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Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
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