JP5034612B2 - ジブクレーン駆動装置及び同装置を備えた物品搬送装置 - Google Patents
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そして、主エンジン組立ライン上でのエンジン組立が完了すると、各エンジンはその種類に応じて、そのラインの下流側にそれぞれ設定された各分岐位置に達した時点で、同位置に対向配備された物品移送手段によって次のエンジン搬送ライン側に移送される。その上で、更なるエンジンの組立処理がなされ、あるいは、組立処理が完了していると車体搬送ライン側との合流部に搬送された上で、所定の車体側への組み込みが成されている。
なお、特開2000−343235号公報(特許文献1)には、溶接ガンを平行リンクであるスイングアームにより支持し、これらスイングアーム及び溶接ガンを手動により移動させるにあたり、エアーアクチュエーターである空気バネを用いて溶接ガン側の重量軽減を図り、操作性を改善するようにしたポータブルスポット溶接機が開示される。
しかし、この物品搬送装置で物品移送手段として用いているジブクレーン160は、回動操作力をアシストするアクチュエーターを用いていない。ここでは手動でジブクレーンの腕部162が分岐位置P1と側方位置P2との間を回動操作される。この場合、作業者の手動操作力のみによるジブクレーン回動操作は比較的作業負担が大きなものであり、大量生産されるエンジン等の物品の搬送ラインに採用することは不適当である。更に、アクチュエーターを用いジブクレーン回動操作をアシストする構成を採るとした場合でも、作業者にとってジブクレーン回動操作性をより改善することが要求され、この点でも改善が望まれている。
特に、腕部材の静止摩擦力より流体圧アクチュエーターが発する付勢力が小さいので、付勢力が過度に大きいことによる腕部材の急激な回動を防止でき、更に、回動開始時の操作力を付勢力がアシストでき、腕部材の全回動域での操作性を良好に保持できる。
物品搬送装置A1は、図2に示すように、2種のエンジンE1,E2が投入されるエンジン投入位置U0に設けられた昇降手段である投入用リフター1と、この投入用リフター1からの各エンジンE1,E2を複数の組立工程部I,II,III,・・・を経て、分岐位置U1へと搬送させる主搬入ラインR0をなすメイン搬送コンベア3と、分岐位置U1の側方の側方送出位置U2を基点として比較的少量生産の第1種エンジンE1を不図示の第1車体に組み込むべく、不図示の第1車体の搬送ラインRb1との合流部W1に搬送する第1分岐搬送ラインR1をなす第1分岐路コンベア12と、分岐位置U1の上方の上方送出位置U3を基点として、比較的大量生産の第2種エンジンE2を不図示の第2車体に組み込むべく、第2車体の搬送ラインRb2との合流部W2に搬送する第2分岐搬送ラインR2をなすオーバーヘッドコンベア4とを備える。
なお、第1、第2種の各エンジンE1、E2には予め、エンジンの吊り下げ金具7が係合される。このエンジン吊り下げ金具7は主係止金具701を中央に連結した平面視で矩形の枠状金具702を備え、これの四角とエンジン本体の4角をフック付きワイヤ703で連結した構造をなし、このエンジン吊り下げ金具7はエンジン組立完了時に排除される。
上流部リフター301上には各エンジンE1,E2が投入されるワーク投入位置U0に設けられ、同リフターが新たなエンジンE1,E2のいずれかをパレット8に載置してメイン搬送コンベア3に送出する。
メイン搬送コンベア3に対して直交方向に延びる第1分岐搬送ラインR1は、第1分岐路コンベア12により形成される。第1分岐路コンベア12は無端ベルトコンベアである。この第1分岐路コンベア12は後述するようにジブクレーン13によって分岐位置U1より側方送出位置U2に移送された物品である第1種エンジンE1を載置し、第1車体の搬送ラインRb1との合流部W1に搬送する。
ドロップリフター6は図1,3に示すように、ポスト14、昇降台15、吊り下げ部材16、モータ駆動部17、ワイヤ18、カウンタウエイト19を備える。ドロップリフター6は、制御装置22によって各部が制御され、この制御装置22はドロップリフター6を含む物品搬送装置A1全体を制御する機能を備える。
第2分岐搬送ラインR2をなすオーバーヘッドコンベア4は、天井OWに支持されるチェーンレール26とこの下方に併設される搬送レール23とを備える。
チェーンレール26は内部に図示せぬ駆動源に接続された不図示の駆動チェーンが循環している。この駆動チェーン(不図示)にはチェーンレール26の下部スリットより突き出し、互いに所定間隔を介して係合移動部材29が順次取り付けられる。各係合移動部材29には下方に係止部291が突き出し、同係止部291が搬送レール23側の後述のトラニオン28の被係合片281に係合し、トラニオン28側を搬送方向に搬送する。
なお、トロリーTは前後3つのトラニオン28と前後連結杆29、31とからなり、昇降台15の昇降レール部16に達した際に、昇降台15と共に上下できる。なお、昇降レール部16とその上方のチェーンレール26はこの部分において比較的上下に大きな幅Hcで離れ、係合移動部材29の係止片291がトロリーT側の被係合片281と離脱している間は独自に移動可能である。
ここでシャッター80はドロップリフター6の腕部42が上方搬入位置U3に位置する際に、その下方のジブクレーン13の稼動域を水平方向に摺動可能な金網製のシャッター部材82によって区画する。
図4(a)、(b),図5に示すように、このジブクレーン13は天井OW側の構成部材に上端が固着され下方に延びた柱状の基枠体41と、その基枠体41に基端が枢支された腕部材42と、その腕部材42に水平方向の回動付勢力を加える流体圧アクチュエーターとしてのエアーシリンダ43と、腕部材42の回動域を規制する一対のストッパ44と、エアーシリンダ43に接続される流体圧回路としてのエアー圧回路45(図6参照)とを備える。
図4(a)、(b)に示すように、腕部材42の基端である縦枠部452は、基枠体41に対して縦向きでピン結合され、即ち、上下1対のヒンジ部材46にピン結合され、その回動中心線L0回りに回動端側を水平方向に回動する。
なお、基枠体41からはバー状のブラケット95(図4(a)参照)が突き出し形成され、その先端には側方送出位置(第2位置)U2に達した腕部材42と対向する際にオンする位置センサ91が取り付けられる。この位置センサ91の検出信号は制御手段22に出力される。
シリンダ43内はピストン48で区画された第1圧力室51と第2圧力室52(図6参照)を備え、第1圧力室51と第2圧力室52には流体圧源としてのエアー源53がエアー圧回路45を介して接続されている。これら第1圧力室51と第2圧力室52へのエアー圧の給排により、エアーシリンダ43は第1、第2連結部c1、c2との間の長さLpを伸縮させる方向への付勢力を発することができる。
具体的には、エアー圧回路45はエアー源53から延びる高圧管56と、それより分岐して延び、ストップ弁57、安全弁58を備えたエアー導入管59と、エアー導入管59より第1、第2分岐部r1、r2を経てエアーオペレートバルブ61に達する高圧管60と、エアーオペレートバルブ61の第1、第2供給口m1、m2よりエアーシリンダ43の第1圧力室51と第2圧力室52に接続される第1、第2供給管62,63とを備える。なお、第1、第2供給管62,63は、それぞれが調圧器V1と絞り弁V2とで供給圧を調整し、一方弁V3、V4で排気抵抗の低減を図っている。
第1切換え流路54は押しボタン66のオンにより開放する開閉弁67と、同弁を通過した高圧エアーを受け切換わる第1エアーオペレートバルブ68とを備える。第1エアーオペレートバルブ68では、適時に第2分岐部r1からの高圧エアーをエアーオペレートバルブ61の第1受圧口n1に供給する。
第2切換え流路55は押しボタン66’のオンにより開放する開閉弁67’と、同弁を通過した高圧エアーを受け切換わる第2エアーオペレートバルブ68’とを備える。第2エアーオペレートバルブ68’では適時に第2分岐部r1からの高圧エアーをエアーオペレートバルブ61の第2受圧口n2に供給する。
エアーオペレートバルブ61は、押しボタン66のオンに応じて第1エアーオペレートバルブ68が加圧位置q2に切換わり第1受圧口n1が高圧エアーを受け基準位置p0から第1位置p1に切換わる。この際、第1圧力室51が高圧エアーの供給を受け、第1、第2ピン結合部c1、c2との間の長さLp(図4(a)参照)を伸び方向へ変位させ、同伸び方向への付勢力を腕部材42に加えることができる。
次に、エアー圧回路45を備えたジブクレーン駆動装置M1及び物品搬送装置A1の作動を説明する。
図2に示すように、物品搬送装置A1はその駆動時にメイン搬送コンベア3により2種のエンジンE1,E2を適宜の順番で分岐位置U1側に搬送しその途中の過程で、エンジン組立処理がなされる。
更に、ドロップリフター6の昇降台15が上部受け渡し位置H2にあり、昇降台15の昇降レール部16にオーバーヘッドコンベア4の1のトロリーTを収容し、ずれ規制した状態に支持したことを確認する。その上で、制御装置22は昇降台15を上部受け渡し位置H2より降下させ、受け取り位置H1に移動させる。この受け取り位置H1ではすでに分岐位置U1に達した比較的生産量の多い第2種のエンジンE2の直上にトロリーT側の後連結杆31の吊り下げ係止部32にエンジン吊り下げ金具7を用いてエンジンE2が作業者によって係止される。
次いで、ジブクレーン13の腕部材42が側方送出位置U2にあることを確認し、これが作業者によって、側方送出位置U2側より分岐位置U1に移動完了するのを待つ。この間に、ジブクレーン13がエアーシリンダ43の付勢力で腕部材42側をアシストする挙動がなされる。
ここで、作業者がジブクレーンの腕部材42を側方送出位置U2(退避位置)より分岐位置U1に移動させるべく、第1の押しボタン66をオン操作するとする。
次いで、作業者がジブクレーンの腕部材42を分岐位置U1より側方送出位置U2に移動させるべく、第2の押しボタン66’をオン操作するとする。
更に、ここでは、エアーシリンダ43の付勢力Faが、エアー圧,ピストンの受圧面積によって増減調整できる。特に、ここでの付勢力Faは腕部材42の静止摩擦力Fmより小さく設定される。これによって、付勢力Faが過度に大きいことによる腕部材42の急激な回動を防止できる。
このように、ジブクレーン駆動装置M1は、回動開始時に比較的大きく必要とされる操作力Fmの一部を付勢力Faによって肩代わり、即ち、アシストでき、腕部材42の停止時には操作者の意思のままに腕部材42を停止でき、全回動域での腕部材42の手動により回動操作性を良好に保持でき、作業者の負担を軽減できる。
更に、ここでは、分岐位置U1に達した少量生産のエンジンE2をジブクレーン13により、エアーシリンダ43のアシスト力を受けることで水平方向に回動し、側方送出位置U2に移送し、分岐位置U1の第2種のエンジンE2をドロップリフター6により上方送出位置U3に移送する。この際、ドロップリフター6とジブクレーン13を選択的に駆動することで相互干渉を防止でき、物品搬送装置A1における主搬入ラインR0の分岐位置U1より2種のエンジンE1,E2をそれぞれ異なる送出位置U2,U3に分別して移送でき、物品搬送装置A1における分岐位置の集約化を図れ、物品搬送装置A1におけるスペースの有効利用が可能となる。
13 ジブクレーン
41 柱状の基枠体
42 腕部材
43 エアーシリンダ
45 エアー圧回路
51 第1圧力室
52 第2圧力室
54 第1切換え流路
55 第2切換え流路
66 第1ボタン
66’ 第2ボタン
70 ブラケット
c1 第1連結部
c2 第2連結部
t 経過時間
A1 物品搬送装置
E1,E2 エンジン
Fa 付勢力
Fm 操作力
M1 ジブクレーン駆動装置
OW 天井
R1 主搬入ライン
R1 第1分岐搬送ライン
R2 第2分岐搬送ライン
U0 エンジン投入位置
U1 分岐位置(第1位置)
U2 側方送出位置(第2位置)
U3 上方送出位置
Claims (3)
- 基枠体に枢支され回動端側が第1位置と第2位置との間を回動することで吊り下げた物品を搬送可能な腕部材と、
シリンダ内に互いに区画されて設けられた第1圧力室と第2圧力室を有し、前記腕部材にピン結合された第1連結部と前記基枠体側のブラケットにピン結合された第2連結部とを互いに接離する方向へ付勢する流体圧アクチュエーターと、
流体圧源と前記第1、第2圧力室の間を接続する流体圧回路と、を具備し、
前記流体圧回路は、第1ボタンのオン時に前記第1圧力室へ圧力流体を所定経過時間供給して前記腕部材に第1位置より第2位置への付勢力を付与すると共に前記所定経過時間後供給を停止し前記圧力流体を前記第1圧力室の外方へ開放し、第2ボタンのオン時に前記第2圧力室へ圧力流体を所定経過時間供給して腕部材に第2位置より第1位置への付勢力を付与すると共に前記所定経過時間後供給を停止し前記圧力流体を前記第2圧力室の外方へ開放するよう切換え作動し、前記腕部材を第1位置と第2位置間で回動させる際の付勢力は前記腕部材の静止摩擦力より小さく設定されることを特徴とするジブクレーン駆動装置。 - 請求項1に記載のジブクレーン駆動装置において、
前記所定経過時間は前記腕部材が回動を開始し前記第1位置と第2位置のいずれか一方へ達するに相当する時間幅より所定量短い時間幅として設定されることを特徴とするジブクレーン駆動装置。 - 請求項1又は2に記載のジブクレーンを用い、物品の搬入ライン上の分岐位置に達した第1種の物品を前記分岐位置の側方の側方送出位置に移送すると共に同位置より第1分岐搬送ライン側に送出し、更に、ドロップリフターを用い、前記分岐位置に達した第2種の物品を前記分岐位置の上方であって前記ジブクレーンの回動域の上方の上方搬入位置に移送すると共に同位置より第2分岐搬送ライン側に送出することを特徴とする物品搬送装置。
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