JP5034378B2 - タッピング機能装備パンチプレス - Google Patents

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Description

この発明は、工具を保持する上タレットおよび下タレットを交換することができ、少なくとも1組の上タレットおよび下タレットにタップ工具およびそれに対応するダイ部がそれぞれ設けられたタッピング機能装備パンチプレスに関する。
パンチプレスにおいて、パンチ加工された下孔にねじ溝の加工を施すために、タッピング機能を付加したものがある。例えば特許文献1は、工具ホルダでタップ工具を保持し、パンチ工具を昇降させるラムによりタップ工具の昇降送りを行うと共に、回転工具の回転駆動手段を利用してタップ工具に回転を与えるようにしたものである。回転工具は、パンチ中心回りの角度を変更してパンチ動作することにより、一つの工具で種々の方向のパンチ加工を行えるようにした非円形の工具のことである。
また、特許文献2は、パンチプレスに固有の工具ホルダとは別にタッピング装置を設け、パンチ加工の加工位置とは異なるタップ加工位置で前記タッピング装置によりねじ溝の加工を行うようにしたものである。
特開平11−290967号公報 特開2002−103140号公報
特許文献1のものは、複数のタップ工具を必要とする場合、タレット、カートリッジ等の工具ホルダにタップ工具用のステーションを多く設置しなければならず、その分だけタップ工具以外のパンチ工具のステーション数が少なくなるという問題がある。また、特許文献1の構成は、回転工具の回転駆動手段を利用してタップ工具を回転させるため、回転工具に対応可能なパンチプレスにしか適用できない。
特許文献2のものは、機械購入時にオプションでタッピング装置を装備することとなり、機械購入時にタッピング装置を装備しておかないと後で必要となっても追加できないという制約がある。このため、将来の必要性が不明確なタッピング装置を購入しなくてはならず、無駄が生じるおそれがある。
この発明の目的は、タップ工具以外の工具数を減少させることなく、必要な時にタッピング機能を適宜付加することができ、そのための装置は簡略な構成でありながら効率良くタップ加工を行うことができるものであるタッピング機能装備パンチプレスを提供することである。
この発明の他の目的は、加工時におけるタップ工具の昇降および回転動作を円滑かつ確実に行わせることである。
この発明のさらに他の目的は、タップ工具の刃の回転と下降とを正確に同期させて適正なねじ溝の加工を可能にし、またタップ工具の折損検出や交換時期の監視等を容易にすることである。
この発明のタッピング機能装備パンチプレスは、互いに上下に位置して同心の回転中心回りに回転可能な上側加工ヘッドおよび下側加工ヘッドを備え、これら上下の加工ヘッドの対向面にそれぞれ上タレットおよび下タレットが着脱自在に装着されるものである。前記上タレットは、前記上側加工ヘッドに装着されるタレット外周側体と、このタレット外周側体の内周に前記回転中心回りにタレット外周側体に対して相対的に回転自在なタレット内周側体とでなり、タレット内周側体は前記回転中心と同心の円周上に複数のタップ工具を昇降自在に、かつ自転自在すなわちタップ工具中心回りに回転自在に支持する。前記下タレットは前記タップ工具に対向するダイ部を有する。前記上側加工ヘッドの回転によりタレット外周側体およびタレット内周側体の両方を回転させて任意のタップ工具を割出可能である。前記上側加工ヘッドに、タップ工具を押し下げるためのラムを昇降可能に設けると共に、このラムを昇降させるラム昇降機構を設ける。前記上タレットに、前記ラム昇降機構により下降させられたラムと係合する回り止め部で構成されてこのラムとの係合により、前記タレット内周側体の回転を阻止するタレット内周側体回転阻止機構、および割出状態のタップ工具を前記ラムで上昇待機位置よりも下方の、タレット外周側体と係合するタップ回転位置まで下降させたとき、前記上側加工ヘッドの回転により前記タレット外周側体を回転させることで、前記割出状態のタップ工具に回転を与えるタップ回転伝達機構を設ける。必ずしもタップ工具全体がタップ工具中心回りに回転自在である必要はなく、タップ工具における少なくとも刃体部が回転自在であればよい。タップ回転伝達機構は、タップ工具における少なくとも刃体部をタップ工具中心回りに回転させるものとする。
タップ加工に際しては、上タレット全体を回転中心回りに回転させて、希望のタップ工具を予め定められた加工位置に割り出す。この状態でラムを固定し、ラム昇降機構によりラムを下降させる。これにより、ラムがタレット内周側体回転阻止機構に係合し、タレット内周側体の回転が阻止される。さらに、ラムを下降させてタップ工具がタップ回転位置まで下降すると、タップ回転伝達機構によりタップ工具にタップ工具中心回りの回転が与えられる。これにより、タップ工具がワークにねじ溝を加工する。
この構成によると、上側加工ヘッドおよび下側加工ヘッドにそれぞれ上タレットおよび下タレットが着脱自在に装着されるため、必要に応じてタッピング用上タレットおよび下タレットを装着してタップ加工を行うことができる。タッピング用上タレットは複数のタップ工具を有し、その中から加工に用いるタップ工具を任意に割り出すことができるので、多様なタップ加工を効率的に行える。また、タップ工具の下降はラムの昇降で行い、かつタップ工具の回転はタップ回転伝達機構により上側加工ヘッドの回転を利用して行うので、タップ工具の下降および回転のために別に駆動源を必要とせずに簡略な構成とすることができる。
この発明において、前記タップ回転伝達機構は、上タレットのタレット外周側体に前記回転中心と同心に設けられた内歯ギヤと、各タップ工具の外周に設けられて前記内歯ギヤに噛み合うタップ外周ギヤとでなり、常時は前記タップ外周ギヤが前記内歯ギヤから上方に外れた位置で、各タップ工具を前記ラムによる下降を可能に保持する上昇復帰手段を設け、前記タレット内周側体回転阻止機構は、前記タレット内周側体の上面に設けられてタップ工具が前記上昇待機位置よりも下方に下降したときにラムと係合し、その係合状態でタレット内周側体をラムに対して回り止めする回り止め部からなり、タップ工具が前記タップ回転位置まで下降することにより、そのタップ工具のタップ外周ギヤが前記内歯ギヤに噛み合うものとするのが良い。
この構成によれば、上昇復帰手段により常時は各タップ工具がラムによる下降を可能に保持されているので、タップ工具を所定のタップ加工位置に割り出した後直ちにタップ加工を行うことができる。タップ加工のためにラムを下降させると、その下降動作に起因する回り止め部の作用によりタレット内周側体をラムに対して回り止めするので、タレット内周側体を回り止めするための駆動手段を別に設ける必要がなく、構成を簡略にできる。また、タップ回転伝達機構を構成する内歯ギヤとタップ外周ギヤはラムの昇降に連係して噛合および解除がなされるので、噛合および解除のタイミングがタップ工具の送りに対し正確に同期させることができ、正確なタップ加工を行うことができる。
また、前記タップ工具は、タップ刃と、このタップ刃の柄の部分を上下方向に摺動自在に支持し外周の一部に前記タップ外周ギヤが設けられた回転入力部材と、この回転入力部材の回転により前記タップ刃に上下方向の移動を与える回転・螺進変換手段とを有し、前記タップ回転位置でタップ刃が回転しつつ下降する構成としてもよい。その場合、前記ダイ部は、回転しつつ下降するタップ刃がワークを貫通したときにこのタップ刃が挿入されるタップ刃挿入孔を有し、このタップ刃挿入孔は、上タレットが保持する各タップ工具のタップ刃がいずれも挿入可能な形態とするのが良い。
タップ工具が上記構成であると、タップ刃の回転と送りを正確に同期させることができるため、正確なねじ溝の加工が可能になる。また、下タレットのダイ部のタップ刃挿入孔を上タレットが保持する各タップ工具のタップ刃が挿入可能な形態とすると、共通のダイ部で各タップ工具に対応することができる。これにより、例えばタップ刃挿入孔にタップ刃の折損検出用のセンサやタップ刃の出入数検出用のセンサを設けて、タップ工具の折損検出や交換時期の監視等を行う場合、下タレットに設ける上記センサを1個だけにして、構成や制御を簡略にすることができる。
この発明のタッピング機能装備パンチプレスは、互いに上下に位置して同心の回転中心回りに回転可能な上側加工ヘッドおよび下側加工ヘッドを備え、これら上下の加工ヘッドの対向面にそれぞれ上タレットおよび下タレットが着脱自在に装着されるパンチプレスであって、前記上タレットは、前記上側加工ヘッドに装着されるタレット外周側体と、このタレット外周側体の内周に前記回転中心回りにタレット外周側体に対して相対的に回転自在なタレット内周側体とでなり、タレット内周側体は前記回転中心と同心の円周上に複数のタップ工具を昇降自在かつ自転自在に支持し、前記下タレットは前記タップ工具に対向するダイ部を有し、前記上側加工ヘッドの回転によりタレット外周側体およびタレット内周側体の両方を回転させて任意のタップ工具を割出可能であり、前記上側加工ヘッドに、タップ工具を押し下げるためのラムを昇降可能に設けると共に、このラムを昇降させるラム昇降機構を設け、前記上タレットに、前記ラム昇降機構により下降させられたラムと係合する回り止め部で構成されてこのラムとの係合により、前記タレット内周側体の回転を阻止するタレット内周側体回転阻止機構、および割出状態のタップ工具を前記ラムで上昇待機位置よりも下方の、タレット外周側体と係合するタップ回転位置まで下降させたとき、前記上側加工ヘッドの回転により前記タレット外周側体を回転させることで、前記割出状態のタップ工具に回転を与えるタップ回転伝達機構を設けたため、タップ工具以外の工具数を減少させることなく、必要な時にタッピング機能を適宜付加することができ、またタッピング用の装置は簡略な構成でありながら効率良くタップ加工を行えるものとできる。
前記タップ回転伝達機構は、上タレットのタレット外周側体に前記回転中心と同心に設けられた内歯ギヤと、各タップ工具の外周に設けられて前記内歯ギヤに噛み合うタップ外周ギヤとでなり、常時は前記タップ外周ギヤが前記内歯ギヤから上方に外れた位置で、各タップ工具を前記ラムによる下降を可能に保持する上昇復帰手段を設け、前記タレット内周側体回転阻止機構は、前記タレット内周側体の上面に設けられてタップ工具が前記上昇待機位置よりも下方に下降したときにラムと係合し、その係合状態でタレット内周側体をラムに対して回り止めする回り止め部からなり、タップ工具が前記タップ回転位置まで下降することにより、そのタップ工具のタップ外周ギヤが前記内歯ギヤに噛み合うものとした場合は、加工時におけるタップ工具の昇降および回転動作を円滑かつ確実に行わせることができる。
また、前記タップ工具は、タップ刃と、このタップ刃の柄の部分を上下方向に摺動自在に支持し外周の一部に前記タップ外周ギヤが設けられた回転入力部材と、この回転入力部材の回転により前記タップ刃に上下方向の移動を与える回転・螺進変換手段とを有し、前記タップ回転位置でタップ刃が回転しつつ下降するものであり、前記ダイ部は、回転しつつ下降するタップ刃がワークを貫通したときにこのタップ刃が挿入されるタップ刃挿入孔を有し、このタップ刃挿入孔は、上タレットが保持する各タップ工具のタップ刃がいずれも挿入可能な形態とした場合は、ワークとタップ工具の位置関係を安定させて、タップ工具による正確な加工を可能にし、またタップ工具の折損検出や交換時期の監視等を容易にすることができる。
この発明の一実施形態を図面と共に説明する。図1に示すように、このパンチプレスは、上型となる工具1,1Aを保持した上タレット3,3Aおよび下型となる工具2,2Aを備えた下タレット4,4Aを、プレス位置Pで上側加工ヘッド6および下側加工ヘッド7にそれぞれ装着して加工を行うものである。このパンチプレスは、上下のタレット交換装置8,9、ラム10、および板材送り手段11を有する。前記プレス位置Pは、ラム10を配置した平面位置のことである。
タレット交換装置8,9は、加工ヘッド6,7に対してタレット3,3A,4,4Aを交換する装置であり、複数のタレット3,3A,4,4Aが着脱自在に搭載されている。この実施形態のタレット交換装置8,9は、タレット保持輪31,32が支持台33,34を介して水平旋回自在に支持された旋回式のものとされ、割出機構20により任意のタレット3,3A,4,4Aがプレス位置Pに来るように旋回させられる。割出機構20は、上下のタレット保持輪31,32を共通の駆動源20aにより伝達機構20bを介して同期して旋回駆動させるものとされている。
上下のタレットとしては、パンチ工具1およびダイ工具2をそれぞれ備えた一般のタレット3,4と、タップ工具1Aおよびそれに対応するダイ部1Bを備えたタッピング用タレット3A,4Aとがある。各タレット3,3A,4,4Aはタレット保持輪31,32に着脱自在であるため、任意のタレットをタレット保持輪31,32に搭載することができる。また、必要に応じてタレットを交換することもできる。
ラム10は、加工ヘッド6,7に装着されたタレット3,3A,4,4Aの上方に位置し、上タレット3,3Aに保持された工具1,1Aを押し下げ駆動するものである。ラム10は、ラム昇降ガイド18によってプレス位置Pで昇降自在に支持されており、ラム昇降機構19により昇降駆動される。ラム昇降機構19は、例えばサーボモータ19a等の駆動源とその回転を往復直線運動に変換する運動変換機構19bとからなる。駆動源は油圧シリンダであっても良い。
板材送り手段11は、テーブル12上でワークである板材Wを前後左右に移動させる手段であり、板材Wの縁部をワークホルダ13で把持してワークホルダ13の移動により上記板材Wの前後左右の移動を行うものとされている。
図2に示すように、加工ヘッド6,7は、下端部にタレットクランプ14,15を有する。このタレットクランプ14,15により、タレット3,3A,4,4Aの外周部を保持して上下動不能に固定する。タレット3,3A,4,4Aと加工ヘッド6,7との間には、互いの円周方向の位置を規制するカップリング38,39が設けられている。カップリング38,39は、例えば噛み合い式のものとされる。加工ヘッド6,7は円筒状であり、上側加工ヘッド6の内側はラム10の昇降する空間Sとされ、下側加工ヘッド7の内側は加工により生じるスラグが通過する空間S´とされている。
上下の加工ヘッド6,7はいずれも、パンチフレーム5に支持され、上下方向を向く同心の回転中心O回りにそれぞれ回転可能とされている。これら加工ヘッド6,7に装着されたタレット3,3A,4,4Aの各工具1,1A,2,2Aを所定の加工位置Qに割り出すために、加工ヘッド6,7を上記回転中心O回りに回転させる加工ヘッド回転機構16,17が設けられている。加工位置Qは、後記ストライカ35と対応する回転中心Oから偏心した位置とされる。加工ヘッド回転機構16,17は、モータ等の回転駆動源16a,17aと、加工ヘッド6,7に設けられたギヤ部16b,17bに噛み合って回転駆動源16a,17aの回転を伝えるギヤ16c,17cとでなる。
加工ヘッド6,7は、パンチフレーム5に直接支持されているのではなく、パンチフレーム5に対して昇降可能な円筒状の昇降部材21,22の内周に、回転のみ自在に支持されている。昇降部材21,22をプレスフレーム5に対して昇降自在に支持する昇降ガイド手段25,26は、昇降部材21,22に設けられたガイド突条25a,26aと、プレスフレーム5に設置された直動軸受等のガイド部材25b,26bとでなる。昇降ガイド手段25,26は、昇降部材21,22の円周方向複数箇所、例えば4か所に設けられている。
加工ヘッド昇降機構27,28により昇降部材21,22を昇降移動させることで、加工ヘッド6,7が昇降させられる。上側の加工ヘッド昇降機構27は、パンチフレーム5に設置された流体圧シリンダまたはモータと、ボールねじ等の回転・直動変換機構とで構成される。下側の加工ヘッド昇降機構28は、傾斜溝を有するカム28aと、このカム28aを進退させる駆動部28bと、カム28aの傾斜溝に摺動自在に嵌合する固定ピン28cとで構成される。加工ヘッド6,7の昇降は、上下動不能にタレット3,3A,4,4Aを固定するときの固定高さ位置(図2に示す位置)と、この固定高さ位置からダイハイトDHに対して離れる退避高さ位置(図示せず)との間で移動させるために行われる。
ラム10は、ラム本体10aの下端に回転ラム部材10bが回転のみ自在に取り付けられており、この回転ラム部材10bの下面に突出するストライカ35を介して工具1,1Aを押し下げるものとされている。ストライカ35は、ラム中心から偏心した位置に、回転ラム部材10bと一体に設けられている。例えば図6に示すように、ストライカ35の平面形状は径方向に細長い矩形とされている。
回転ラム部材10bには、上側の加工ヘッド回転機構16による上側加工ヘッド6の回転が、ラム回転伝達機構36により選択的に伝達される。ラム回転伝達機構36は、上側加工ヘッド6の内周および回転ラム部材10bの外周にそれぞれ設けられた内向きおよび外向きの噛み合い歯36a,36bを有する。内向きの噛み合い歯36aは、上側加工ヘッド6の内周の全域にわたって設けられている。外向きの噛み合い歯36bは、回転ラム部材10bの外周における互いに180度の位相をなす2箇所に設けられ、それぞれシリンダ36cにより内向きの噛み合い歯36aに噛み合う位置と噛み合いが外れる位置とに進退可能とされている。内向き噛み合い歯36aおよび外向き噛み合い歯36bを噛み合せると、上側加工ヘッド6の回転が回転ラム部材10bに伝達される状態となり、両噛み合い歯36a,36bの噛み合いを解除すると、上側加工ヘッド6の回転が回転ラム部材10bに伝達されない状態となる。
また、図3に示すように、ラム本体10aと回転ラム部材10bを固定状態とするためのロック機構37が設けられている。このロック機構37は、回転ラム部材10bに取り付けたシリンダ37aと、このシリンダ37aにより上下に進退作動させられるロックピン37bと、回転ラム部材10bの底面に形成された凹部37cとからなる。ロックピン37bを上方に進出させて先端を凹部37cに係合させるとラム本体10aと回転ラム部材10bが互いに固定された状態となり、ロックピン37bを後退させて凹部37cとの係合を解除させるとラム本体10aと回転ラム部材10bが互いに独立して回転可能な状態となる。
図4〜図11と共にタッピング用タレット3A,4Aについて説明する。図4に示すように、上下タレット3A,4Aはいずれも平面形状が略円形に形成されている。上タレット3Aには、タレット中心(加工ヘッド3に装着した状態では回転中心O)を中心とする円周上に複数のタップ工具1Aが設けられている。この実施形態では、円周方向に等間隔で4個のタップ工具1Aが設けられている。一方、下タレット4Aには、上記タップ工具に1Aに対向して1つのダイ部2Aが設けられている。
図5および図6に示すように、タッピング用上タレット3Aは、前記タレットクランプ14により上側加工ヘッド6に装着されるタレット外周側体40と、このタレット外周側体40の内周に回転自在に嵌合するタレット内周側体41とでなる。上タレット3Aを上側加工ヘッド6に装着した状態では、タレット内周側体41は、前記回転中心O回りにタレット外周側体40に対して相対的に回転自在である。タレット外周側体40とタレット内周側体41との間には、軸受42が介在させてある。この軸受42の外輪を保持するリング状部材43は、タレット外周側体40の複数箇所に設けられた上下方向の昇降ガイド44に摺動自在に嵌合する摺動部材45に取り付けられている。また、リング状部材43の下面とその下方に位置するタレット外周側体40の水平面との間に、弾性保持ばね46が設けられている。したがって、タレット外周側体40に対しタレット内周側体41は昇降可能で、タレット内周側体41は弾性保持ばね46により弾性的に支持されている。
各タップ工具1Aは、タレット内周側体41に形成された上下に貫通するタップガイド孔47内に昇降自在に設けられている。各タップガイド孔47よりも内周側のタレット内周側体41中心部には中央孔48が形成され、この中央孔48内に中央昇降体49が昇降自在に設けられている。中央昇降体49は、上昇付勢ばね50により上昇付勢状態に保持されている。また、タレット内周側体41の下面中心部には、他よりも一段低くなった板材押え部51が形成されている。
図5の部分拡大図である図7およびタップ工具の動作説明図である図8〜図10に示すように、タップ工具1Aは、刃体部60aと、この刃体部60aを保持する柄60bとからなるタップ刃60を有する。刃体部60aは、固定手段61により柄60bに着脱自在に固定して取り付けられる。
タップ刃60の上端部には回転入力部材62の下端部が嵌合している。これらタップ刃60および回転入力部材62は、両者のキー溝にキー63を係合させることで、互いに回転不能かつ上下移動可能となっている。
回転入力部材62の外周には、軸受64を介して内周側筒状部材65が回転自在に嵌合している。また、内周側筒状部材65の内周に形成された雌ねじ部66aと、タップ刃60の柄60bの外周に形成された雄ねじ部66bとが噛み合っており、これにより回転・螺進変換手段66を構成している。この回転・螺進変換手段66は、タップ刃60が自転すなわちタップ工具中心回りに回転したときタップ刃60に上下方向の移動を与えるものである。
内周側筒状部材65の外周には外周側筒状部材67が嵌合し、この外周側筒状部材67の外周面が前記タップガイド孔47の内周面に摺動自在に接している。内周側筒状部材65と外周側筒状部材67とは、外周側筒状部材67に形成した上下方向の溝67aに挿通したピン68を内周側筒状部材65に止着することにより、互いに回転不能かつ上下移動可能とされている。上昇復帰手段である第1上昇復帰ばね69により、外周側筒状部材67に対して内周側筒状部材65が上方に付勢されている。また、同じく上昇復帰手段である第2上昇復帰ばね70により、タレット内周側体41に対して外周側筒状部材67が上方に付勢されている。第1上昇復帰ばね69の方が第2上昇復帰ばね70よりもばね定数の大きいばねが使用されている。
タレット内周側体41の上面には、ラム10の下降動作をタップ工具1Aに伝達するタップ下降伝達機構72が設けられている。タップ下降伝達機構72は、支点軸73に伝達アーム74を上下に回動自在に支持し、この伝達アーム74の先端に、下端部が軸受75を介して前記回転入力部材62の内周に回転自在に嵌合する伝達ロッド76の上端を当接させたものである。ラム10のストライカ35が所定の上昇待機位置Tよりも下降して伝達アーム74を下方に回動させると、その動作が伝達ロッド74を介してタップ工具1Aに伝えられて、タップ工具1Aが下降する。なお、上記上昇待機位置T、後記初期位置T、およびタップ回転位置Tは、伝達ロッド76の上端の位置(高さ)のことをいう。
ストライカ35に対する伝達アーム74側の接点、および伝達ロッド74に対する伝達アーム74側の接点は、それぞれ伝達アーム74に回転自在に取り付けたローラ74a,74bの外周面とされており、支点軸73からローラ74a(ストライカ35に対する接点)までの距離よりもローラ74b(伝達ロッド74に対する接点)までの距離の方が長く設定されているため、ラム10の下降動作が増幅してタップ工具1Aに伝えられる。伝達ロッド74には上下方向のガイド溝74aが形成され、この溝74aにガイド部材77が摺動自在に係合している。
上記伝達アーム74の周方向両側には、ストライカ35が嵌り込むだけの間隔を開けて配置した一対の突片からなる回り止め部79がタレット内周側体41の上面に固定して設けられている。この回り止め部79はタレット内周側体回転阻止機構となるものであって、ストライカ35が伝達アーム74を下方に回動させ始めるのとともに、ストライカ35が一対の突片の間に嵌り込み、タレット内周側体41の回転を阻止するように作用する。
タップ工具1Aには、タップ回転伝達機構81により、タレット外周側体40の回転が伝達される。タップ回転伝達機構81は、タレット外周側体40にタレット中心(回転中心O)と同心に設けられた内歯ギヤ81aと、各タップ工具1Aの回転入力部材62の外周に設けられて前記内歯ギヤ81aに噛み合うタップ外周ギヤ81bとでなる。両ギヤ81a,81bは、タップ工具1Aが上昇待機位置Tよりも下方のタップ回転位置Tまで下降したときに互いに噛み合うように上下位置関係が設定してある。なお、タップ工具1Aが初期位置Tから上昇待機位置Tの範囲にあるときには、タップ外周ギヤ81bがタレット内周側体41に設けたロックギヤ82と噛み合っていて、タップ工具1Aの回転が阻止されている。
タッピング用下タレット4Aは、全体が一体となって回転するものとされている。ダイ部2Aはタップ工具1Aに対向する位置に1箇所だけに設けられ、その周囲のタレット上面には板材Wを下から支える多数本の針状体84が植設されている。
ダイ部2Aは、加工時にタップ工具1Aのタップ刃60が挿入されるタップ刃挿入孔85を有する。このタップ刃挿入孔85は、タッピング用上タレット3Aが保持する各タップ工具1Aのタップ刃60がいずれも挿入可能である。つまり、形状や寸法が異なる各タップ刃60に対応しているということである。そして、タップ刃挿入孔85の内部には、タップ刃60の折損を検知する折損検知機構86が設けられている。折損検知機構86は、例えば、タップ刃60がタップ刃挿入孔85に挿入されることにより押し下げられる昇降部材86aと、この昇降部材86aを上方に付勢する付勢部材86bと、昇降部材86aの下降により光が遮断される光電式スイッチ86cとからなる。
また、タッピング用上タレット3Aには、各タップ工具1Aの近傍に切削油吐出機構90が設けられている。図5の部分拡大図およびその側面図である図11(A),(B)に示すように、この切削油吐出機構90は、タレット内周側体41に形成された上下に長い円柱状の空所91内に、上位側から順にプッシャ92、ピストン93、およびシリンダ94を有する。
プッシャ92は、空所91の内周に上下に摺動自在に嵌合しており、タップ工具1Aの内周側筒状部材65に連結されて一体に上下動するようになっている。ピストン93は、空所91の内周に上下に摺動自在に嵌合するピストンハウジング93aの下部に、ピストン部材93bを設けたものである。ピストンハウジング93aの外周に形成された円周方向の切削油供給溝102に規制ピン95が係合していることにより、ピストン93の上下ストロークsは、切削油供給溝102の上下幅と規制ピン95の上下幅との差の範囲に規制されている。プッシャ92とピストン93間には両者を離間する側に付勢する上側ばね96が設けられている。
シリンダ94は、前記ピストン部材93bが摺動自在に嵌合するシリンダ室97を有する上側のシリンダ部94aと、下側のノズル部94bとからなり、ノズル部94bで空所91の内周に固定状態に嵌合している。ピストン93とシリンダ94間には、両者を離間する側に付勢する下側ばね98が設けられている。
前記中央昇降体49は中空に形成され、その内部が各切削油吐出機構90に供給する切削油を貯留する切削油タンク100となっている。この切削油タンク100と各切削油吐出機構90の前記切削油供給溝102とがタンク連通油路101を介して繋がっている。また、切削油供給溝102は、ピストン内横油路103を介して、ピストン93の中心部に上下に設けたピストン内縦油路104の上部に連通している。ピストン内縦油路104の下端は前記シリンダ室97内に開口している。ピストン内縦油路104には、下方に広がる内径変化部の下側に配したボールからなる弁体105aと、この弁体105aを内径変化部に押し付けるばね105bとからなる第1逆止弁105が設けられている。
シリンダ94は、上端がシリンダ室97内に開口するシリンダ内油路106を有する。このシリンダ内油路106の下端にはパイプ107が接続され、そのパイプ107の先端が、タップ工具1Aの外周側筒状部材67の内周下部に突出させてある。シリンダ内油路106には、下方に広がる内径変化部の下側に配したボールからなる弁体108aと、この弁体108aを内径変化部に押し付けるばね108bとからなる第2逆止弁108が設けられている。
これにより、切削油タンク100から、順にタンク連通油路101、切削油供給溝102、ピストン内横油路103、ピストン内縦油路104、シリンダ室97、シリンダ内油路106、パイプ107を経てタップ工具1Aの外周側筒状部材67の内周下部に至る油路が構成されている。タップ工具1Aの動作に連動して切削油吐出機構90が動作し、切削油タンク100の切削油がタップ加工中のタップ刃60の周辺に供給される。切削油吐出機構70の動作については、後で詳しく説明する。
このパンチプレスの動作を説明する。タレット交換装置8,9のタレット保持輪31,32を旋回させることで、希望のタレットをプレス位置Pに割り出す。図1および図2はタッピング用タレット3A,4Aがプレス位置Pに割り出された状態を示している。このタレット割り出しの際、上側加工ヘッド6は上方に、また下側加工ヘッド7は下方にそれぞれ退避しているため、タレット3,3A,4,4aがプレス位置Pに旋回移動することの妨げとならない。
希望のタレット3,3A,4,4Aがプレス位置Pに来ると、加工ヘッド昇降機構27,28により上側加工ヘッド6を下降、および下側加工ヘッド7を上昇させて、それぞれの対向面をプレス位置Pにあるタレット3,3A,4,4aに押し付ける。この押し付けにより、カップリング38,39の噛み合いが行われ、タレット3,3A,4,4Aが加工ヘッド6,7に対して円周方向に精度良く位置決めされる。この位置決め状態で、タレットクランプ14,15がクランプ作動して、タレット3,3A,4,4Aを加工ヘッド6,7に装着する。
このようにタレット3,3A,4,4Aの割り出しが完了した後、加工ヘッド回転機構16,17により加工ヘッド6,7を回転中心O回りに回転させることで、加工ヘッド6,7に装着されたタレット3,3A,4,4Aの各工具1,1A,2,2Aを加工位置Qに割り出す。この状態でラム10を下降動作させることにより、割り出された工具による加工が行われる。加工位置Qに割り出されているのが一般のタレット3,4のパンチ工具1およびダイ工具2である場合は、ストライカ35でパンチ工具1を押し付けてパンチ加工を行う。タッピング用タレット3A,4Aのタップ工具1Aおよびダイ部2Aである場合は、下記の動作によるタップ加工を行う。
タップ加工について説明する。タップ工具1Aを加工位置Qに割り出した時点では、図7のように、タップ工具1Aは初期位置Tにあり、その上方にラム10のストライカ35が待機している。この状態からラム10を下降させると、ストライカ35が中央昇降体49を押すことにより、板材押え部51が板材Wに当接するまでタレット内周側体41が下降する。上昇付勢ばね50の弾性復元力の方が各弾性保持ばね46の弾性復元力の総和よりも大きいので、タレット内周側体41が一体で降下する。板材押え部51が板材Wに当接した状態が図8で、このときタップ工具1Aは上昇待機位置Tに位置している。
ラム10をさらに下降させると、ストライカ35が回り止め部79の一対の突片間に嵌り込む(図6参照)と同時に、伝達アーム74のローラ74aに当接する。ストライカ35は、このストライカ35を取付けた回転ラム部材10bが、ロック機構37(図3)のロックピン37bの係合によってラム本体10aに対して回り止めされており、不測に回転することがない。これにより、タレット内周側体41の回転が阻止されたタップ工具割出状態となる。これ以降、ラム10を下降させると、タップ下降伝達機構72によりタップ工具1が下降させられる。伝達アーム74によりラム10の下降動作が増幅してタップ工具1Aに伝えられるため、タップ工具1Aの下降量はラム10の下降量よりも大きなものとなる。
タップ工具1Aが下降させられると、第1上昇復帰ばね69の方が第2上昇復帰ばね70よりもばね定数が大きいため、始めは第2上昇復帰ばね70を収縮させながらタップ工具1A全体が下降し、外周側筒状部材67の下端が板材Wに接触してからは、第1上昇復帰ばね69を収縮させながらタップ工具1Aにおける外周側筒状部材67を除く部分だけが下降する。この間に、内歯ギヤ81aとロックギヤ82との噛み合いが外れ、その後、内歯ギヤ81aとタップ外周ギヤ81bとが噛み合う(図9参照)。このときのタップ工具1Aの位置がタップ回転位置Tである。タップ工具1Aがタップ回転位置Tにあるとき、加工ヘッド回転機構16を駆動すると、回転入力部材62およびタップ刃60が回転する。このとき回転するのは割り出されたタップ工具1Aのみで、他のタップ工具1Aは、タップ外周ギヤ81bがロックギヤ82と噛み合っているため回転が阻止されている。
タップ刃60の回転に伴い、回転・螺進変換手段66の作用でタップ刃60が下方に移動する。これにより、タップ刃60の刃体部60aが回転しながら板材Wの下孔Wa(図7参照)に挿入され、板材Wの下孔Waにねじ溝の加工が施される。図9はこのときの状態を示している。板材押え部47が板材Wを押えて固定し、さらに外周側筒状部材67の下端が下孔Waの周囲に接触して、板材Wとタップ刃60の位置関係が適正に保持されるため、正確に加工を行える。この実施形態では、板材Wのバーリング部Wb(図7参照)に形成された下孔Waにねじ溝を加工するものとされており、外周側筒状部材67の下端がバーリング部Wbの外周を押える。第1、第2上昇復帰ばね69,70により、バーリング部Wbの高さに合わせてタップ工具1Aの保持高さが調整されるので、タップ加工を一定の条件で行うことができる。
図10のように、タップ刃60の刃体部60aが下孔Waを貫通するまでタップ工具1を下降させると、ねじ溝の加工が完了する。加工完了後、加工ヘッド回転機構16を先ほどとは逆向きに駆動すると共にラム10を上昇させて、タップ工具1Aを逆回転させながら元の位置に復帰させる。タップ工具1Aは、第1、第2上昇復帰ばね69,70の作用で元の位置へ復帰する。
タップ刃60が板材Wの下孔Waを貫通したとき、タップ刃60の刃体部60aはダイ部2Aのタップ刃挿入孔85に挿入される。タップ刃60の刃体部60aに折損が生じていない場合は、折損検知機構86により正常であることが検知される。すなわち、付勢部材86bの付勢力に抗してタップ刃60が昇降部材86aを押し下げ、この昇降部材86aが光電式スイッチ86cの光を遮ることにより、光電式スイッチ86cが検知信号を出力する。タップ刃60に折損が生じている場合は、タップ刃60が昇降部材86aを押し下げないので、光電式スイッチ86cが検出信号を出力しない。
上記タップ加工の際、切削油吐出機構90は次のように動作する。ラム10に押し下げられてタップ工具1Aが下降するのに連動して、プッシャ92が下降する。プッシャ92の下降に伴い、上側ばね96を介して押されたピストン93が下降する。上側ばね96の方が下側ばね98よりもばね定数が大きいため、上側ばね96は収縮せず下側ばね98が収縮するのである。ピストン93が下降すると、シリンダ室97の容積が小さくなり油圧が高くなるため、第2逆止弁98が押し開かれて、シリンダ室97の容積変化分だけの切削油がパイプ97の先端から吐出される。この吐出された切削油は、タップ刃60が板材Wに下孔Waに挿入される直前にタップ刃60に供給される。このため、タップ加工が良好に行われる。
その後もタップ工具1Aと共にプッシャ92が下降するが、ピストン93がストロークsだけ下降すると、切削油供給溝102の上壁面に規制ピン95が係合してピストン93の下降が規制されるため、それ以後は上側ばね96が収縮することにより、プッシャ92のみが下降する。この間、切削油の吐出は行われない。つまり、実際にねじ溝を加工する直前にだけ切削油を吐出することで、切削油の浪費を防いでいる。
タップ加工が終了してタップ工具1Aが元の位置へ復帰する際には、上記と逆に、まずプッシャ92のみが上昇してから、プッシャ92およびピストン93が上昇する。ピストン93が上昇するとき、シリンダ室97の容積が大きくなって負圧が生じることにより、第1逆止弁95が開いて、切削油タンク100からシリンダ室97に切削油が流入する。
この構成のパンチプレスによると、上側加工ヘッド6および下側加工ヘッド7にそれぞれ上タレット3,3Aおよび下タレット4,4Aが着脱自在に装着されるため、必要時に必要なタレットを装着して使用することができる。例えば、機械購入時にタッピング用タレット3A,4Aが装備されていない場合でも、タッピング用タレット3A,4Aを適宜購入して装備することができる。このため、将来の必要性が不明確なタレットを当初から購入しておく必要がなく、無駄が生じない。タッピング用上タレット3Aは複数のタップ工具1Aを有し、その中から加工に用いるタップ工具1Aを任意に選択することができるので、多様なタップ加工を効率的に行える。
上昇復帰ばね69,70が設けられ、常時、タップ工具1Aが上昇待機位置Tでラム10による押し下げを可能に待機しているため、希望のタップ工具1Aをタップ加工位置等に割り出した後直ちにタップ加工を行うことができる。このため、作業能率が良い。
タップ回転伝達機構81を構成する内歯ギヤ81aとタップ外周ギヤ81bはラム10の昇降に連係して噛合および解除がなされるので、噛合および解除のタイミングがタップ工具1Aの送りに対し正確に同期させることができ、正確なタップ加工を行うことができる。また、回転・螺進変換手段66によりタップ刃60の回転と送りを正確に同期させることができるため、より一層正確なねじ溝の加工が可能になっている。さらに、板材押え部47が板材Wを押えて固定すること、および外周側筒状部材67の下端が下孔Waの周囲をしっかりと押えることも、正確なタップ加工に大いに貢献している。加えて、このタップ加工時、切削油吐出機構90により切削油がタップ刃60に適宜タイミングで供給することで、円滑な加工を可能としている。
タップ工具1Aの下降はラム10の昇降で行い、かつタップ工具1Aの回転はタップ回転伝達機構36により上側加工ヘッド6の回転を利用して行うので、タップ工具1Aの下降および回転のために別に駆動源を必要としない。また、回り止め部79により、ラム10の昇降に連動してタレット内周側体41の回り止めが行われるため、回り止めのための駆動手段を別に設ける必要がない。さらに、切削油吐出機構90の作動もタップ工具1Aの内周側筒状部材65の昇降に連動して行われるため、切削油吐出のための駆動手段を別に必要としない。これらのことから、構成を簡略にできる。
ダイ部2Aのタップ刃挿入孔85に折損検知機構86が設けられているため、タップ刃60の折損を検知することができる。また、タッピング用下タレット4Aに設けるダイ部1Aは1つだけとし、そのダイ部1Aが、上タレット3Aの各タップ工具1Aに対応する構成としたため、折損検知機構86のセンサ86cが1個だけとなり、構成や制御が簡略である。上記センサ86cによってタップ刃挿入孔85にタップ刃60が挿入される回数を検出することにより、タップ刃60の交換時期を監視することもできる。また、タップ刃60のセットが無い場合等、タップが完全に加工されずに動作が完了した場合も、加工を継続することなく機能を停止させることができる。
この発明の一実施形態にかかるパンチプレスの破断側面図である。 同パンチプレスの拡大破断正面図である。 同パンチプレスの要部の破断側面図である。 (A)はタッピング用上タレットの斜視図、(B)はタッピング用下タレットの斜視図である。 パンチプレスの要部の正面図である。 上タレットの平面図である。 図5の部分拡大図である。 タップ加工の過程における図7の次段階の状態を示す断面図である。 タップ加工の過程における図8の次段階の状態を示す断面図である。 タップ加工の過程における図9の次段階の状態を示す断面図である。 (A)図5の部分拡大図、(B)はその側面断面図である。
符号の説明
1…一般工具
1A…タップ工具
2…ダイ工具
2A…ダイ部
3…一般上タレット
3A…タッピング用上タレット
4…一般下タレット
4A…タッピング用下タレット
6…上側加工ヘッド
7…下側加工ヘッド
10…ラム
19…ラム昇降機構
16,17…上加工ヘッド回転機構
27,28…加工ヘッド昇降機構
36…ラム回転伝達機構
40…タレット外周側体
41…タレット内周側体
60…タップ刃
60a…刃体部
60b…柄
62…回転入力部材
66…回転・螺進変換手段
69…第1上昇復帰ばね(上昇復帰手段)
70…第2上昇復帰ばね(上昇復帰手段)
79…回り止め部(タレット内周側体回転阻止機構)
81…タップ回転伝達機構
81a…内歯ギヤ
81b…タップ外周ギヤ
85…タップ刃挿入孔
86…折損検知機構
90…切削油吐出機構
O…回転中心
…上昇待機位置
…タップ回転位置
W…板材(ワーク)

Claims (3)

  1. 互いに上下に位置して同心の回転中心回りに回転可能な上側加工ヘッドおよび下側加工ヘッドを備え、これら上下の加工ヘッドの対向面にそれぞれ上タレットおよび下タレットが着脱自在に装着されるパンチプレスであって、
    前記上タレットは、前記上側加工ヘッドに装着されるタレット外周側体と、このタレット外周側体の内周に前記回転中心回りにタレット外周側体に対して相対的に回転自在なタレット内周側体とでなり、タレット内周側体は前記回転中心と同心の円周上に複数のタップ工具を昇降自在かつ自転自在に支持し、前記下タレットは前記タップ工具に対向するダイ部を有し、
    前記上側加工ヘッドの回転によりタレット外周側体およびタレット内周側体の両方を回転させて任意のタップ工具を割出可能であり、
    前記上側加工ヘッドに、タップ工具を押し下げるためのラムを昇降可能に設けると共に、このラムを昇降させるラム昇降機構を設け、
    前記上タレットに、前記ラム昇降機構により下降させられたラムと係合する回り止め部で構成されてこのラムとの係合により、前記タレット内周側体の回転を阻止するタレット内周側体回転阻止機構、および割出状態のタップ工具を前記ラムで上昇待機位置よりも下方の、タレット外周側体と係合するタップ回転位置まで下降させたとき、前記上側加工ヘッドの回転により前記タレット外周側体を回転させることで、前記割出状態のタップ工具に回転を与えるタップ回転伝達機構を設けた、
    タッピング機能装備パンチプレス。
  2. 前記タップ回転伝達機構は、上タレットのタレット外周側体に前記回転中心と同心に設けられた内歯ギヤと、各タップ工具の外周に設けられて前記内歯ギヤに噛み合うタップ外周ギヤとでなり、常時は前記タップ外周ギヤが前記内歯ギヤから上方に外れた位置で、各タップ工具を前記ラムによる下降を可能に保持する上昇復帰手段を設け、前記タレット内周側体回転阻止機構は、前記タレット内周側体の上面に設けられてタップ工具が前記上昇待機位置よりも下方に下降したときにラムと係合し、その係合状態でタレット内周側体をラムに対して回り止めする回り止め部からなり、タップ工具が前記タップ回転位置まで下降することにより、そのタップ工具のタップ外周ギヤが前記内歯ギヤに噛み合うものとした請求項1記載のタッピング機能装備パンチプレス。
  3. 前記タップ工具は、タップ刃と、このタップ刃の柄の部分を上下方向に摺動自在に支持し外周の一部に前記タップ外周ギヤが設けられた回転入力部材と、この回転入力部材の回転により前記タップ刃に上下方向の移動を与える回転・螺進変換手段とを有し、前記タップ回転位置でタップ刃が回転しつつ下降するものであり、
    前記ダイ部は、回転しつつ下降するタップ刃がワークを貫通したときにこのタップ刃が挿入されるタップ刃挿入孔を有し、このタップ刃挿入孔は、上タレットが保持する各タップ工具のタップ刃がいずれも挿入可能な形態とした請求項1または請求項2記載のタッピング機能装備パンチプレス。
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