JP5032869B2 - 放電ランプ点灯装置 - Google Patents

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Description

本発明は、一般に放電ランプ点灯装置、より詳細には車載用放電ランプ点灯装置に関するものである。
従来、車載用放電ランプ点灯装置は灯具のハウジング外部に取り付けられ、該点灯装置の出力線(例えばインバータ又はイグナイタの出力線)が防水ゴム等を介して灯具内の放電ランプに接続されていた。このため、該出力線が地絡する場合、その地絡の抵抗値が数Ωから数十Ωを超える範囲にばらつくので、そのような広い範囲を考慮して地絡対策を考える必要があった。
例えば、特許文献1は、点灯判別部を地絡検出回路としても使用する放電ランプ点灯装置を開示する。点灯判別部は、該点灯装置における直流−直流変換回路の出力電圧の検出値が点灯判別用の基準値より低い値を所定時間以上にわたり継続したときに放電ランプが点灯していることを判別する。また、地絡検出回路としては、起動動作期間の経過後、直流−直流変換回路の出力電圧の検出値が点灯判別用の基準値以上のときに回路出力を停止させる。そして、地絡時に、直流−直流変換回路の出力電圧の検出値が上記基準値へ上昇するまでの時間を直流−交流変換回路の半周期よりも短く設定するようになっている。
しかしながら、特許文献1の構成では、回路出力を維持しなければならないときに、地絡検出回路が地絡の誤検出により回路出力を停止させるおそれがある。即ち、長期間使用した車両用放電ランプにおいて、放電ランプに上下振動が加わると、ランプ電極間のアーク放電の放電経路が長くなる。その結果、ランプ電流の極性反転時にランプ電流(放電電流)が非常に小さくなるランプ電流極小区間が発生する。この場合、振動が長時間加わると、上記極性反転の半周期の間で直流−直流変換回路の出力電圧の検出値が上昇し、この検出値の上昇は、地絡時の上記検出値の上昇と区別することができない。
また、従来では、放電ランプに振動が加わっても放電ランプの点灯を維持するために、立ち消えしやすいランプ電流の極性反転付近で、放電ランプへの供給電力を増大するなどしている。しかし、このような構成は、回路ロスが増大し、また装置の大型化を招く。
特許第3829428号公報
そこで、本発明の目的は、放電ランプへの振動でアーク放電長が長くなってランプ電圧が一時的に高くなっても、この状態を地絡と区別することにより放電ランプの点灯を維持することにある。
上記課題を解決するための請求項1記載の発明は、直流電圧を昇圧、昇降圧又は降圧する直流−直流変換回路と、前記直流−直流変換回路の出力を交流に変換して放電ランプに供給する直流−交流変換回路と、前記放電ランプを起動させるためのイグナイタ回路と、前記直流−直流変換回路の出力電圧を検出する電圧検出部と、前記電圧検出部により検出された電圧に基づいて、少なくとも前記直流−直流変換回路の動作を制御する制御部とを備える放電ランプ点灯装置であって、前記制御部は、前記電圧検出部により検出された電圧が所定の正常点灯電圧範囲内に所定時間以上継続して収まる場合に、前記放電ランプが正常に点灯していると判別する点灯判別手段と、前記電圧検出部により検出された電圧が前記正常点灯電圧範囲の下限値かそれよりも低い値に設定される第1しきい値以下になる時間を検出し、この時間が前記交流の半周期よりも短い第1しきい時間以上継続すれば、地絡を検出して前記直流−直流変換回路を停止する地絡判別手段と、前記電圧検出部により検出された電圧が前記正常点灯電圧範囲の上限値かそれよりも高い値に設定される第2しきい値以上になる時間を検出し、この時間が前記半周期よりも長い第2しきい時間より短ければ、放電ランプへの振動でアーク放電長が長くなる現象の発生を検出して、前記直流−直流変換回路の動作を維持し、前記第2しきい値以上になる時間が前記第2しきい時間より長ければ、放電ランプの立ち消えの発生を検出して、前記直流−直流変換回路を停止する非地絡異常判別手段とを含むことを特徴とする。
この構成では、地絡は第1しきい値及び第1しきい時間に基づいて検出される一方、放電ランプへの振動でアーク放電長が長くなってランプ電圧が一時的に高くなる状態は、第2しきい値及び第2しきい時間に基づいて検出され、第2しきい値以上になる時間が第2しきい時間より短ければ、直流−直流変換回路の動作が維持される。従って、放電ランプへの振動でアーク放電長が長くなってランプ電圧が一時的に高くなっても、この状態を地絡と区別することにより放電ランプの点灯を維持することができる。また、第2しきい値以上になる時間が第2しきい時間より短いか長いかに応じて、それぞれ、放電ランプへの振動でアーク放電長が長くなってランプ電圧が一時的に高くなっている状態と放電ランプの立消えの状態とを区別することができ、放電ランプの立消えの場合には、直流−直流変換回路を停止することができる。
請求項2記載の発明は、請求項1記載の放電ランプ点灯装置において、前記第2しきい時間は、少なくとも前記交流の半周期の2倍に設定されることを特徴とする。例えば、寿命末期の放電ランプの立消え時間は、例えば上記交流の周期の2倍程度継続するので、その時間よりも若干短い時間に第2しきい時間を設定すれば、放電ランプが寿命末期であることを判別することができる。
請求項3記載の発明は、請求項1又は2記載の放電ランプ点灯装置において、前記電圧検出部は、前記直流−直流変換回路の出力部に設けられる平滑用キャパシタの両端電圧を検出し、前記平滑用キャパシタは、両端電圧が上昇するほど該平滑用キャパシタの実行容量が減少する特性を持つことを特徴とする。この構成では、長時間点灯後の放電ランプが強い振動及び衝撃を受けた場合に、ランプ電流が低下して平滑用キャパシタの両端電圧が上昇したとき、平滑用キャパシタの実行容量が減少するので、直流−直流変換回路の負荷が軽くなり、電力が放電ランプに供給されやすくなる。その結果、放電ランプの立消えを防止し易くなる。
本発明によれば、放電ランプへの振動でアーク放電長が長くなってランプ電圧が一時的に高くなっても、この状態を地絡と区別することにより放電ランプの点灯を維持することができる。また、第2しきい値以上になる時間が第2しきい時間より短いか長いかに応じて、それぞれ、放電ランプへの振動でアーク放電長が長くなってランプ電圧が一時的に高くなっている状態と放電ランプの立消えの状態とを区別することができ、放電ランプの立消えの場合には、直流−直流変換回路を停止することができる。
図1は、本発明による一実施形態の放電ランプ点灯装置の回路図である。この放電ランプ点灯装置は、入力フィルタ1、DC/DCコンバータ2、インバータ3、出力フィルタ4、イグナイタ5及び制御部6で構成され、例えば、車灯具のハウジング内に納められ、出力(図1の例ではイグナイタの出力)は、シールドメッシュ(図示せず)で覆われた出力線を介して、灯具内の放電ランプDLと電気的に接続される。該シールドメッシュは、入力フィルタ1と接続される入力電源DCのマイナス側に接続される。なお、これに限らず、イグナイタ5は、放電ランプDLに直接的に接続され、シールドメッシュで覆われた出力線は、イグナイタ5とインバータ3又は出力フィルタ4との間に接続される構成でもよい。
放電ランプDLは、例えばHID(高輝度放電)ランプ等である。入力フィルタ1は、例えば、キャパシタC10及びC11、及びインダクタL10で構成される。キャパシタC10は、入力電源DCと並列に接続される。キャパシタC11は、この正端子側に配置されるインダクタL10と直列に接続される一方、L10及びC11の直列の組は、キャパシタC10と並列に接続される。
DC/DCコンバータ2は、例えば、入力電源DCの直流電圧を、放電ランプDLの安定点灯に適したランプ電圧まで昇圧するように構成される。図1の例では、コンバータ2は、昇降圧型フライバック方式に属し、トランスT20、スイッチング素子Q20、抵抗R20〜R24、ダイオードD20及びD21、及びキャパシタC20及びC21で構成されている。トランスT20は、1次巻線n20及びn21及び2次巻線n22及びn23を持つ。スイッチング素子Q20は、例えばFETであり、この一端(ドレイン)側に配置される1次巻線n20及びn21の各々と直列に接続される一方、n20、n21及びQ20の組は、該FETのソースがキャパシタC11の負端子に接続されるようにキャパシタC11と並列に接続される。抵抗R20は、該FETのゲートと制御部6との間に接続される一方、抵抗R21は、該FETのゲート及びソース間に接続される。2次巻線n22は、ダイオードD20のアノードと接続されるようにダイオードD20と直列に接続される一方、n22及びD20の直列の組は、キャパシタ(平滑用キャパシタ)C20と並列に接続される。抵抗R22は、ダイオードD20及びキャパシタC20の接続点と入力電源DCの負端子との間に接続される。2次巻線n23は、ダイオードD21のアノードと接続されるようにダイオードD21と直列に接続される一方、D21及びn23の直列の組はキャパシタC21と並列に接続されて、2次巻線n23及びキャパシタC21の接続点は入力電源DCの負端子と接続される。抵抗R23及びR24は、ダイオード21及びキャパシタC21の接続点とイグナイタ5との間に直列に接続される。なお、本発明の直流−直流変換回路の方式については、昇降圧方式に限らず、入力電源DCの電圧に応じて各種方式、例えば昇圧方式又は降圧方式を選択することができる。
インバータ3は、DC/DCコンバータ2の出力を交流に変換して放電ランプDLに供給するように構成される。図1の例では、インバータ3は、DC/DCコンバータ2の出力電圧を略矩形波電圧に変換するフルブリッジ回路になっており、この回路は、キャパシタC30、ダイオードD30、抵抗R30及びR31、及びスイッチング素子(例えばFET)Q31〜Q34で構成されている。キャパシタC30、及び抵抗R30及びR31は、直列に接続される一方、C30、R30及びR31の直列の組は、2次巻線n22、ダイオードD20、キャパシタC20及び抵抗R22の組と並列に接続される。ダイオードD30は、このカソードが入力電源DCの負端子側に接続されるように抵抗R30と並列に接続される。スイッチング素子Q31及びQ32は直列に接続され、スイッチング素子Q33及びQ34もまた直列に接続され、これら直列の2つの組は、Q31及びQ33の一端(ソース)が2次巻線n22及びキャパシタC20の接続点と接続され、Q32及びQ34の一端(ドレイン)が入力電源DCの負端子に接続されるように互いに並列に接続される。そして、スイッチング素子Q31及びQ32の接続点J1とスイッチング素子Q33及びQ34の接続点J2がインバータ3の出力となる。なお、本発明の直流−交流変換回路は、これに限らず、ハーフブリッジ回路でもよい。また、後述のランプ電圧及びランプ電流検出時に極性が問題になる場合には、整流することで対応可能である。
出力フィルタ4は、キャパシタC40及びC41、及びチョークコイルF40で構成される。キャパシタC40は、インバータ3の出力J1及びJ2間に接続される。チョークコイルF40は2つの巻線を含み、各巻線の一端の間にはキャパシタC40が接続される一方、各巻線の他端の間にはキャパシタC41が接続される。
イグナイタ5は、高電圧パルスを発生させて放電ランプDLに印加することによりこれを起動させるように構成される。図1の例では、イグナイタ5は、キャパシタC50及びC51、パルストランスPT50及び放電ギャップ(スイッチ素子)SG50で構成されている。キャパシタC50は、キャパシタC41と並列に接続される。キャパシタC51は、抵抗R23及びR24の直列の組と直列に接続される。パルストランスPT50は、1次巻線n51及び2次巻線n52を含む。1次巻線n51は、放電ギャップSG50と直列に接続される一方、n51及びSG50の直列の組は、キャパシタC51と並列に接続される。2次巻線n52は、放電ランプDLと直列に接続される一方、n52及びDLの直列の組は、キャパシタC50と並列に接続される。また、放電ランプDLとキャパシタC50の接続点は、キャパシタC51と放電ギャップSG50の接続点と接続される。なお、これに限らず、本発明のイグナイタ回路は、例えばLC共振電圧による始動方式でもよい。
制御部6は、放電ランプ点灯装置全般の制御を行うものであり、電源電圧監視部60、高周波駆動回路61、低周波駆動回路62、ランプ電圧検出部63、ランプ電流検出部64、2次電力・電流・電圧演算部65及び点灯・異常判別部66で構成される。電源電圧監視部60は、キャパシタC10及びインダクタL10の接続点から入力電源DCの電圧を検出してこれを監視する。高周波駆動回路61は、抵抗R20を介してスイッチング素子Q20のゲートと接続され、2次電力・電流・電圧演算部65及び点灯・異常判別部66の制御下で、スイッチング素子Q20を高周波でオン及びオフする。低周波駆動回路62は、スイッチング素子Q31〜Q34の各ゲートと接続され、点灯・異常判別部66の制御下で、スイッチング素子Q31〜Q34を高周波でオン及びオフする。例えば、低周波駆動回路62は、スイッチング素子Q31及びQ34とスイッチング素子Q32及びQ33とを交互に低周波でオン及びオフする。また、低周波駆動回路62は、点灯・異常判別部66の制御に従ってスイッチング素子Q31〜Q34への駆動信号を切り替える。ランプ電圧検出部63は、2次巻線n22及びキャパシタC20の接続点からDC/DCコンバータ2の出力電圧(キャパシタC20の積分値)を放電ランプDLに印加されるランプ電圧として検出する。ランプ電流検出部64は、ダイオードD20のカソードからDC/DCコンバータ2の出力電流を、放電ランプDLを流れるランプ電流として検出する。2次電力・電流・電圧演算部65は、ランプ電圧検出部63で検出されたランプ電圧とランプ電流検出部64で検出されたランプ電流とに基づいて、現在のランプ電力を求め、このランプ電力と目標電力(2次電力)との差を求め、この差に対応する値を高周波駆動回路61に出力して、その差を小さくするように高周波駆動回路61を動作させる。
点灯・異常判別部66は、電源電圧監視部60で検出された入力電源DCの電圧とランプ電圧検出部63で検出されたランプ電圧とに基づいて、放電ランプDLの点灯状態及び入力電源DCの電圧状態等を監視し、それらの状態に応じて高周波駆動回路61及び低周波駆動回路62の各動作モードを切り替える。
例えば、点灯・異常判別部66は、ランプ電圧検出部63により検出された電圧が所定の正常点灯電圧範囲内に所定時間以上継続して収まる場合に、放電ランプDLが正常に点灯していると判別する第1機能(点灯判別手段)を含む。なお、放電ランプDLが正常に点灯していると判別しなければ、点灯・異常判別部66は、例えば、高周波駆動回路61の発振を停止させてDC/DCコンバータ2を停止するか、更に低周波駆動回路62の発振を停止させてインバータ3を停止してもよい。
また、図2に示すように、点灯・異常判別部66は、ランプ電圧検出部63により検出された電圧VLAが、上記正常点灯電圧範囲の下限値かそれよりも低い値に設定される第1しきい値V1以下になる時間を検出し、この時間がインバータ3の交流周期Tの半分(半周期)T0よりも短い第1しきい時間T1以上継続すれば、地絡を検出して、高周波駆動回路61を介してDC/DCコンバータ2を停止する第2機能(地絡判別手段)を含む。このとき、点灯・異常判別部66は、更に低周波駆動回路62を介してインバータ3を停止してもよい。また、DC/DCコンバータ2(及びインバータ3)の停止に代えてその出力を低減してもよい。なお、図2の例では、第1しきい時間T1は半周期T0の開始点から始まっている。
ここで、従来技術では、地絡の抵抗値が数Ωから数十Ωを超える範囲にばらつくことを考慮する必要があったのに対し、本実施形態では、地絡の抵抗値を数Ω程度に限定することができる(例えば、放電ランプDL用の金属製シェード(遮光部)への接触等)。このように、地絡の抵抗値が数Ω程度である場合、点灯中の放電ランプDLの等価抵抗が200Ω程度であるため、DC/DCコンバータ2の出力電流は、地絡側に流れる。そして、放電灯DLはDC/DCコンバータ2から電流が供給されなくなって立消えし、出力線の非地絡側端子は無負荷状態になる。この結果、図2に示すように、ランプ電圧VLAは、非地絡側においては正常点灯電圧範囲の上限を超える値になる一方、地絡側においては、正常点灯電圧範囲の下限を下回る値になる。
ところで、図3に示すように、長時間使用した放電ランプDLが激しい振動状態に置かれると、放電ランプDL内のランプ電極間のアーク放電経路が長くなり、ランプ電流ILAの極性反転時にランプ電流極小区間が発生する。その結果、ランプ電圧検出部63により検出された電圧VLAが半周期T0の間で正常点灯電圧範囲以上に上昇する。このため、従来技術では、この場合の電圧VLAの上昇を、地絡時の電圧VLAの上昇と区別することができない。
そこで、本実施形態では、地絡の検出について、従来技術のように非地絡側に着目するのではなく、地絡側に着目する。これにより、地絡によりランプ電圧が高くなる状態を、放電ランプへの振動でアーク放電長が長くなってランプ電圧が一時的に高くなる状態と区別することができる。
これと関連する機能として、点灯・異常判別部66は、図3に示すように、ランプ電圧検出部63により検出された電圧VLAが、正常点灯電圧範囲の上限値かそれよりも高い値に設定される第2しきい値V2以上になる時間を検出し、この時間が半周期T0よりも長い第2しきい時間T2より短ければ、DC/DCコンバータ2(及びインバータ3も)の動作を維持する第3機能(非地絡異常判別手段)を含む。図3の例では、第2しきい値V2(又は正常点灯電圧範囲の上限)以上になる時間は、半周期T0以内になっているが、第2しきい値V2以上になる時間が半周期T0以上継続する場合があるため、第2しきい時間T2は、半周期T0よりも長い時間に設定されるのであり、例えば少なくとも半周期T0の2倍に設定されることが望ましい。この点で地絡とは相違する。また、図3の例では、第2しきい時間T2は半周期T0の開始点から始まっている。
加えて、第3機能は、第2しきい値V2以上になる時間が第2しきい時間T2より長ければ、立消えを検出して、DC/DCコンバータ2を停止する。このとき、点灯・異常判別部66は、更に低周波駆動回路62を介してインバータ3を停止してもよい。
以上をまとめると、以下の表1のようになる。
Figure 0005032869
以下、本実施形態の特徴となる動作を説明する。DC/DCコンバータ2及びインバータ3が動作して、ランプ電圧検出部63により検出された電圧VLAが正常点灯電圧範囲内に所定時間以上継続して収まった後、電圧VLAが第1しきい値V1以下になったとする。このとき、電圧VLAが第1しきい値V1以下になる時間が、第1しきい時間T1以上継続すれば、制御部6は、地絡の発生を検出してDC/DCコンバータ2を停止する。
また、DC/DCコンバータ2及びインバータ3が動作して、ランプ電圧検出部63により検出された電圧VLAが正常点灯電圧範囲内に所定時間以上継続して収まった後、電圧VLAが第2しきい値V2以上になったとする。このとき、電圧VLAが第2しきい値V2以上になる時間が、第2しきい時間T2より短ければ、制御部6は、放電ランプDLへの振動でアーク放電長が長くなって電圧VLAが一時的に高くなる現象の発生を検出して、DC/DCコンバータ2(及びインバータ3も)の動作を維持する。なお、電圧VLAが第1しきい値V1以下になる時間が、第1しきい時間T1以上継続すれば、制御部6は、地絡の発生を検出してDC/DCコンバータ2を停止する。
一方、電圧VLAが第2しきい値V2以上になる時間が、第2しきい時間T2より長ければ、制御部6は、立消えの発生を検出して、DC/DCコンバータ2を停止する。
一の好ましい実施形態において、図4に示すように、DC/DCコンバータ2の高周波の波形を平滑するキャパシタC20は、両端電圧が上昇するほどキャパシタC20の実行容量が減少する特性を持つ。この実施形態では、例えば、長時間点灯後の放電ランプDLが強い振動及び衝撃を受けたときにランプ電流が低下しても、ランプ電圧が上昇しやすくなり、立消えを起こし難くすることができる。例えば、図4の特性を持つキャパシタとしては、高誘電率型のセラミックコンデンサを挙げることができる。なお、これに限らず、印加電圧に応じて並列に接続されるキャパシタの数を切替スイッチ等で切り替える構成でもよい。例えば、印加電圧が上昇すれば、合成容量が低減するように切替スイッチをオフすればよい。
本発明による一実施形態の放電ランプ点灯装置の回路図である。 本実施形態における地絡検出の説明図である。 放電ランプへの振動でアーク放電長が長くなってランプ電圧が一時的に高くなる状態を示す図である。 一の好ましい実施形態で使用される平滑用キャパシタの特性図である。
符号の説明
1 入力フィルタ
2 DC/DCコンバータ
3 インバータ
4 出力フィルタ
5 イグナイタ
6 制御部
60 電源電圧監視部
61 高周波駆動回路
62 低周波駆動回路
63 ランプ電圧検出部
64 ランプ電流検出部
65 2次電力・電流・電圧演算部
66 点灯・異常判別部

Claims (3)

  1. 直流電圧を昇圧、昇降圧又は降圧する直流−直流変換回路と、
    前記直流−直流変換回路の出力を交流に変換して放電ランプに供給する直流−交流変換回路と、
    前記放電ランプを起動させるためのイグナイタ回路と、
    前記直流−直流変換回路の出力電圧を検出する電圧検出部と、
    前記電圧検出部により検出された電圧に基づいて、少なくとも前記直流−直流変換回路の動作を制御する制御部と
    を備える放電ランプ点灯装置であって、
    前記制御部は、
    前記電圧検出部により検出された電圧が所定の正常点灯電圧範囲内に所定時間以上継続して収まる場合に、前記放電ランプが正常に点灯していると判別する点灯判別手段と、
    前記電圧検出部により検出された電圧が前記正常点灯電圧範囲の下限値かそれよりも低い値に設定される第1しきい値以下になる時間を検出し、この時間が前記交流の半周期よりも短い第1しきい時間以上継続すれば、地絡を検出して前記直流−直流変換回路を停止する地絡判別手段と、
    前記電圧検出部により検出された電圧が前記正常点灯電圧範囲の上限値かそれよりも高い値に設定される第2しきい値以上になる時間を検出し、この時間が前記半周期よりも長い第2しきい時間より短ければ、放電ランプへの振動でアーク放電長が長くなる現象の発生を検出して、前記直流−直流変換回路の動作を維持し、前記第2しきい値以上になる時間が前記第2しきい時間より長ければ、放電ランプの立ち消えの発生を検出して、前記直流−直流変換回路を停止する非地絡異常判別手段と
    を含むことを特徴とする放電ランプ点灯装置。
  2. 前記第2しきい時間は、少なくとも前記交流の半周期の2倍に設定されることを特徴とする請求項1記載の放電ランプ点灯装置。
  3. 前記電圧検出部は、前記直流−直流変換回路の出力部に設けられる平滑用キャパシタの両端電圧を検出し、
    前記平滑用キャパシタは、両端電圧が上昇するほど該平滑用キャパシタの実行容量が減少する特性を持つ
    ことを特徴とする請求項1又は2記載の放電ランプ点灯装置。
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