JP5032259B2 - マフラーハンガー及びその製造方法 - Google Patents
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Description
(架橋ゴムシートの作製)
エチレン−プロピレン−非共役ジエン共重合体(EPDM)100重量部、酸化亜鉛5重量部、ステアリン酸1重量部、カーボンブラック50重量部、パラフィンオイル70重量部、加工助剤4重量部、老化防止剤2重量部、加硫促進剤3重量部及び硫黄0.3重量部をロールで混練してから、シート形状に成形し、160℃で10分間加硫して、厚さ3mmの架橋ゴムシートを得た。これを70mm×100mmの寸法に切り出して長方形の架橋EPDMシートを得た。得られた架橋EPDMシートのA硬度は50であった。
旭化成ケミカルズ株式会社製スチレン系エラストマー「タフテックH1062」5gをトルエン20gに溶解させた。東洋アルミニウム株式会社製アルミニウムフレーク粉(ノンリーフィング・コース)「P1100」5gをトルエン20gに分散させた。両者を混合撹拌してコーティング液Aを作製した。ここで、「タフテックH1062」は、スチレン−水添ブタジエン(エチレン−ブチレン)−スチレントリブロック共重合体であり、スチレン含有量18重量%、A硬度67である。また、「P1100」は、目開き45μmのふるいを85重量%が通過するものである。
上述のようにして得られたコーティング液Aを、刷毛を用いて架橋EPDMシートの片面に塗布し、室温下に静置して乾燥させた。また、コーティング液Aの二度塗り試料も作製した。作製した試料は、以下の3試料である。
・試料1−1:コーティング液A一度塗り(約50μm)
・試料1−2:コーティング液A二度塗り(約90μm)
・試料1−3:コーティングせず
上記試料1−1〜1−3を、ヒーター(ニクロム線電熱器)から150mm離れた位置に配置して加熱した。このとき、熱反射性皮膜を有する試料は、熱反射性皮膜面がヒーターに対向する向きになるように配置して加熱した。加熱している間の、ヒーター対抗面と裏面の、それぞれ中央部の温度を経時的に測定した。その結果を図1(ヒーター対抗面の温度変化)及び図2(裏面の温度変化)に示す。
図1及び図2に示されるように、アルミニウムフレーク粉を含有する熱反射性皮膜が形成された試料1−1及び1−2は、熱反射性皮膜が形成されていない試料1−3に比べて、ヒーター対抗面で50℃以上、裏面で20℃以上も温度上昇が抑制された。また、熱反射性皮膜厚みが約50μmから約90μmに増加することにより温度の上昇速度は低下したが、到達温度にはほとんど差が認められなかった。
(架橋ゴムシートの作製)
天然ゴム100重量部、酸化亜鉛4重量部、ステアリン酸1重量部、カーボンブラック40重量部、老化防止剤7重量部、加硫促進剤3重量部、硫黄1.7重量部及び有機系加硫剤2重量部をロールで混練してから、シート形状に成形し、160℃で10分間加硫して、厚さ3mmの架橋ゴムシートを得た。これを30mm×100mmの寸法に切り出して長方形の架橋天然ゴムシートを得た。得られた架橋天然ゴムシートのA硬度は50であった。また、実施例1で作製した架橋ゴムシートを30mm×100mmの寸法に切り出して長方形の架橋EPDMシートを得た。
旭化成ケミカルズ株式会社製スチレン系エラストマー「タフテックH1041」5gをトルエン20gに溶解させた。東洋アルミニウム株式会社製アルミニウムフレーク粉(ノンリーフィング・コース)「P1100」5gをトルエン20gに分散させた。両者を混合撹拌してコーティング液Bを作製した。ここで、「タフテックH1041」は、スチレン−水添ブタジエン(エチレン−ブチレン)−スチレントリブロック共重合体であり、スチレン含有量30重量%、A硬度84である。
実施例1で用いたコーティング液Aを、刷毛を用いて架橋EPDMシート及び架橋天然ゴムシートの片面に塗布し、室温下に静置して乾燥させた。また、上記コーティング液Bを、刷毛を用いて架橋EPDMシートの片面に塗布し、室温下に静置して乾燥させた。作製した試料は、以下の3試料であり、いずれも約50μmの熱反射性皮膜が形成されているものである。
・試料2−1:コーティング液A塗布架橋EPDM
・試料2−2:コーティング液B塗布架橋EPDM
・試料2−3:コーティング液A塗布架橋天然ゴム
ゴムシート試料の両端を、75mm間隔のチャックで挟んで固定し、チャック間隔をプラスマイナス28.5mmの振幅で振動させて屈曲させた。振動の周波数は5ヘルツであり、振動回数は10万回とした。チャック間隔が開いたときにはゴムシートは伸張し、チャック間隔が狭まったときにはゴムシートは屈曲していた。以上の屈曲試験はJIS K6260に準じて行ったものである。10万回の屈曲の後にチャックから取り外し、熱反射性皮膜表面の状況をルーペで観察した。その結果は以下のとおりである。
・試料2−1:外観上特に目立った破損なし。
・試料2−2:チャックの近傍の熱反射性皮膜面において、伸縮方向に垂直な細かい亀裂がごく狭い範囲で観察された。亀裂の長さは1mm以下である。
・試料2−3:チャックの近傍の熱反射性皮膜面において、伸縮方向に垂直な亀裂が資料2−2よりも広い範囲で観察された。亀裂の長さが1mmを超えるものも少し含まれた。
試験結果からわかるように、スチレン含有量の少ない硬度の低いスチレン系エラストマーを用いた熱反射性皮膜が架橋EPDM上に形成された試料2−1では、長時間の伸縮試験に対しても良好な密着性を示した。これに対し、スチレン含有量の多い硬度の高いスチレン系エラストマーを用いた熱反射性皮膜が形成された試料2−2では密着性が少し低下した。また、基材を架橋天然ゴムとした試料2−3では密着性がさらに少し低下した。
(試料の作製)
図3及び図4に示される形状のマフラーハンガー1を用いて試験を行った。マフラーハンガー1の外形は、長径81mm、短径54mm、厚さ21mmの略小判型をしている。貫通孔2、2’は、一方が車体側に固定され、他方が排気管側に固定されるものである。中央に空間3を有し、その両側にある伸縮部4、4’が主として伸縮することによって振動を吸収する。そして極端な屈曲を防止するために当接部5、5’が設けられている。成形されたマフラーハンガーは、実施例1で用いたものと同じ材料を用い、マフラーハンガーの型に充填した後、165℃で15分間加硫して得られたものであり、架橋EPDMからなるものである。この成形品の表面全体に、実施例1で用いたコーティング液Aを、刷毛を用いて塗布し、室温下に静置して乾燥させた。これにより、約50μmの熱反射性皮膜が全面に形成された。
熱反射性皮膜が形成されたマフラーハンガーと、熱反射性皮膜を有さないマフラーハンガーについて、加熱老化処理を施したものと、施さないものをそれぞれ作製し、引張耐久試験に供した。ここで、加熱老化処理は、ヒーター(ニクロム線電熱器)から150mm離れた位置に、マフラーハンガーの片面を対抗させる向きで配置し、26時間加熱することによって行った。また、引張耐久試験は、貫通孔2、2’に直径12mmの棒状の治具を差込み、治具間に上下方向の引張荷重が周期的にかかるようにした。周波数は5ヘルツであり、0〜35kgfの引張荷重がかかるようにし、破断までの引張回数を測定した。
・試料3−1(熱反射性皮膜あり、熱老化処理あり):23.7万回
・試料3−2(熱反射性皮膜あり、熱老化処理なし):30.7万回
・試料3−3(熱反射性皮膜なし、熱老化処理あり):0.3万回
・試料3−4(熱反射性皮膜なし、熱老化処理なし):28.7万回
試料3−2と試料3−4は、いずれも熱老化処理を施さなかった試料であり、30.7万回と28.7万回の差は、測定誤差であると考えられる。熱反射性皮膜を形成して熱老化処理を施した試料3−1では23.7万回で破断しており、熱老化処理を施さなかった試料3−2と試料3−4よりも少しだけ耐久性が低下している。これに対し、熱反射性皮膜を形成せずに熱老化処理を施した試料3−3ではわずか0.3万回で破断しており、熱反射性皮膜を形成したことによる耐久性の向上は極めて顕著であった。
2、2’ 貫通孔
3 空間
4、4’ 伸縮部
5、5’ 当接部
Claims (7)
- 排気管を車体に懸架するために車体と排気管との間に介装されるマフラーハンガーであって、架橋ゴムからなる成形品の表面が、化学的に架橋していないスチレン−ジエンブロック共重合体水添物及び金属粉末を含有する熱可塑性エラストマー組成物からなる熱反射性皮膜で覆われていることを特徴とするマフラーハンガー。
- 架橋ゴムがエチレン−プロピレン共重合体ゴム又はエチレン−プロピレン−非共役ジエン共重合体ゴムである請求項1記載のマフラーハンガー。
- スチレン−ジエンブロック共重合体水添物のスチレン含有量が10〜28重量%である請求項1又は2記載のマフラーハンガー。
- 熱反射性皮膜が前記成形品の実質的に全面を覆っている請求項1〜3のいずれか記載のマフラーハンガー。
- 熱反射性皮膜の厚さが5〜200μmである請求項1〜4のいずれか記載のマフラーハンガー。
- 熱反射性皮膜が、スチレン−ジエンブロック共重合体水添物100重量部に対して金属粉末10〜500重量部を含有する請求項1〜5のいずれか記載のマフラーハンガー。
- 排気管を車体に懸架するために車体と排気管との間に介装されるマフラーハンガーの製造方法であって、
未架橋のゴムをマフラーハンガーの形状に賦形してから架橋させることによって架橋ゴムからなる成形品を得て、
得られた成形品の表面に、スチレン−ジエンブロック共重合体水添物及び金属粉末を含有するコーティング液を塗布し、
引き続き乾燥させて溶剤を除去することによって前記成形品の表面を、化学的に架橋していないスチレン−ジエンブロック共重合体水添物及び金属粉末を含有する熱可塑性エラストマー組成物からなる熱反射性皮膜で覆うことを特徴とするマフラーハンガーの製造方法。
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