JP5031998B2 - 貴金属の回収方法 - Google Patents

貴金属の回収方法 Download PDF

Info

Publication number
JP5031998B2
JP5031998B2 JP2005131134A JP2005131134A JP5031998B2 JP 5031998 B2 JP5031998 B2 JP 5031998B2 JP 2005131134 A JP2005131134 A JP 2005131134A JP 2005131134 A JP2005131134 A JP 2005131134A JP 5031998 B2 JP5031998 B2 JP 5031998B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
silver
metal
noble metal
noble
waste material
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2005131134A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2006307283A (ja
Inventor
英樹 小山
欣也 平林
学 張替
真純 ▲土▼屋
茂紀 石川
敦 柴山
崇穂 大友
康志 高崎
斉 渡辺
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Aida Chemical Industries Co Ltd
Akita University NUC
Original Assignee
Aida Chemical Industries Co Ltd
Akita University NUC
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Aida Chemical Industries Co Ltd, Akita University NUC filed Critical Aida Chemical Industries Co Ltd
Priority to JP2005131134A priority Critical patent/JP5031998B2/ja
Publication of JP2006307283A publication Critical patent/JP2006307283A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5031998B2 publication Critical patent/JP5031998B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02PCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES IN THE PRODUCTION OR PROCESSING OF GOODS
    • Y02P10/00Technologies related to metal processing
    • Y02P10/20Recycling

Landscapes

  • Electrolytic Production Of Metals (AREA)
  • Manufacture And Refinement Of Metals (AREA)

Description

本発明は、各種の分野から廃棄される貴金属を含有する廃棄材料から効率よく貴金属を回収、リサイクルすることができる貴金属の回収方法に関する。
貴金属を含有する廃棄材料は、各種の分野に及んでおり、その一部を列記すると、例えば廃基板、廃触媒、貴金属製品屑、貴金属メッキ廃液、貴金属含有ブラスト粉等があり、その形態も、固体状、フィルム状、液状等多岐に及んでいる。
これらの廃棄材料から貴金属を回収する代表的な方法として、例えば鉱山等にて用いられてきた湿式法がある。この湿式法は、廃棄材料を必要に応じて焼成、粉砕、篩、薬品還元等の前処理を施した後、王水や硝酸等に酸溶解させ、その成分割合を分析した後、まず銅を金属銅として回収し、各貴金属成分を回収する方法である。
一方、特許文献1〜8には、乾式法として、白金属含有物質を含有する廃触媒等を炉内で金属銅又は酸化銅と共に溶融処理して溶融銅メタル中に白金族を移行させ、得られた白金族を含む溶融銅メタルから銅をある程度酸化する条件にて酸化処理し、ニッケルや鉄、インジウム等の溶融酸化物と白金族元素が濃縮した溶融メタルとに相分離する方法が提案されている。
特開2000−248322公報 特開2004−68071公報 特開2004−269936公報 特開2004−270008公報 特開2004−275866公報 特開2004−277791公報 特開2004−277792公報 特開2005−54201公報
しかしながら、前記湿式法では、銅の回収を優先的に実施するため、その後の貴金属、特に白金族の回収率が悪く、また多量の酸を用いる必要があって、回収率やコストの問題があり、実用的ではなかった。
これに対し、前記特許文献1〜8に記載の乾式法では、上記湿式法に比べて回収率が高く、しかも湿式法に比べて低コストで白金族を回収できるという利点を有しているが、以下のような解決すべき問題があった。
この乾式法では、得られた溶融銅メタルは、ほとんどが銅であって、白金属の量は1%程度或いはそれ以下の極微量に過ぎず、電解法等にて銅をまず回収した後、白金属を回収するので、銅の回収を優先的に実施する点では湿式法と同様であり、この銅を分離するための電解法(銅電解)には、99%以上の含有率の銅合金にて実施する必要があり、電気コスト及び薬品コストが多大にかかり、処理速度も遅いという問題があった。そして、白金属の回収は、その後の処理になるため、総じてコストは極めて膨大であった。
そこで、本発明は、前記従来の処理方法の問題点を解消し、各種の廃棄材料から効率よく貴金属を回収、リサイクルすることができる貴金属の回収方法を提案することを目的とする。
本発明は、上記に鑑み提案されたもので、銀とその他の貴金属との割合を6:4に調整した貴金属含有廃棄材料と銀含有廃棄材料との混合物にフラックスを加えて溶融炉内で混合、溶融してガラス質スラグとメタルとに分離した後、分離したメタルを酸化炉に移し、酸化炉内にてフラックスを加え、酸化処理してAg及び貴金属が80〜95%でありCuを含む卑金属が5〜20%である貴金属含有銀合金と酸化物スラグとに分離し、分離した貴金属含有銀合金をAg40〜94%−Cuを含む卑金属5〜40%−貴金属1〜30%となるように組成を調整して鋳造した後、銀電解して電着銀として銀を回収し、電解汚泥から貴金属を湿式処理して段階的に回収することを特徴とする貴金属の回収方法に関するものである。
即ち本発明の貴金属の回収方法は、
(1)銀とその他の貴金属との割合を6:4に調整した貴金属含有廃棄材料と銀含有廃棄材料との混合物にフラックスを加えて溶融炉内で混合、溶融してガラス質スラグとメタルとに分離する工程と、
(2)分離したメタルを酸化炉に移すと共にフラックスを加え、酸化炉内にて酸化処理してAg及び貴金属が80〜95%でありCuを含む卑金属が5〜20%である貴金属含有銀合金と酸化物スラグとに分離する工程と、
(3)分離した貴金属含有銀合金をAg40〜94%−Cuを含む卑金属5〜40%−貴金属1〜30%となるように組成を調整して鋳造する工程と、
(4)鋳造後の貴金属含有銀合金を銀電解して電着銀として銀を回収する工程と、
(5)電解汚泥から貴金属を湿式処理して段階的に回収する工程と
を含むものである。
また、上記貴金属の回収法において、銀含有廃棄材料は、感材リサイクル処理で得られた銀であることを特徴とする方法をも提案する。
さらに、上記貴金属の回収法において、貴金属含有廃棄材料は、低品位貴金属含有廃棄材料などを浮遊選鉱により分離した粉体であることを特徴とする方法をも提案する。
本発明の貴金属の回収方法は、銀含有廃棄材料中に含まれる銀、例えば感材リサイクル処理で得られた銀に、各種貴金属を吸収させて回収するため、従来の湿式法に比べて製造コストを低く抑えることができ、処理スピードも早くなる。
また、銀を循環させて用いているため、前記特許文献1〜8などの銅を循環させる乾式法に比べて融点が低く、貴金属の取り込みが容易になる。特に粘性の影響もあり、貴金属の固溶化が行われやすい。また、銀材の投入を循環させることが可能であり、銀の正味添加量を削減することが可能である。銀の消費抑制にもつながる。さらに、銀電解は、銅電解のように高含有率で実施しなくてもよく、電気コスト及び薬品コストが低く、処理速度も速いという利点もある。
さらに、酸化炉から取り出された貴金属含有銀合金がAg及び貴金属が80〜95%であり、Cuを含む卑金属が5〜20%であるため、銀とその他の貴金属との固溶体合金が形成されており、銀電解時に電着銀とスライム(その他の貴金属がスライムに存在)とに分離ができ、それぞれを精製することができる。すなわち、電解前の特定組成として、粗銀を中心に高純度で存在する必要はなく、銀固溶体として銀及び貴金属を濃縮することによって銀及びその他の貴金属を効率よく回収することができる。
また、Ag40〜94%−Cuを含む卑金属5〜40%−貴金属1〜30%となるように組成を調整して鋳造したものを銀電解するので、カソードに貴金属が電着することなく、純度が高く電気的にも効率の良い銀回収が行える。
貴金属含有廃棄材料として、低品位貴金属含有廃棄材料などを浮遊選鉱により分離された粉体を用いた場合、貴金属を中心とする有用貴金属の選択的な濃縮ができ、これまでは乾式炉では処理が困難であった極低品位廃材でも前処理としての浮遊選鉱により一次濃縮が可能である。また、浮選試薬の選定により複数の低品位廃材を対象に分離濃縮することによって、貴金属の回収が促進される。
本発明の貴金属の回収法を構成する各工程について説明する。
(1)銀とその他の貴金属との割合を6:4に調整した貴金属含有廃棄材料と銀含有廃棄材料との混合物にフラックスを加えて溶融炉内で混合、溶融してガラス質スラグとメタルとに分離する工程;
貴金属含有廃棄材料は、例えば廃基板、廃触媒、貴金属製品屑、貴金属メッキ廃液等の焼却灰を指し、一部有機物を含んでいてもよい。
その他にも、貴金属含有廃棄材料として、現状(湿式)処理からの移行品目としては宝飾関係では、一部の貴金属製品屑、バフ、リューターを適用でき、歯科材関係では撤去冠、石膏、石綿などを適用でき、廃基板、自動車/石油化学廃触媒、電子基板製造工程廃棄物、廃電子部品、ペースト/めっき(吸着樹脂)、サンドブラスト粉などを適用できる。
また、電子基板等の廃基板などの低品位貴金属含有廃棄材料などを粉砕して浮遊選鉱したものも、この貴金属含有廃棄材料とすることができる。
浮遊選鉱は、多くは鉱物類から資源選別を行う目的で実施されており、一般的に鉱物粒子の表面的性質の一つである疎水性、親水性に基づいて、鉱物相互の分離を行う選鉱法と定義される。即ち疎水性鉱物は水に濡れにくいが、その表面が気体又は油状物質などと親和性を有するため浮遊性を示す。反対に親水性鉱物は水に濡れやすいため水相にとどまり浮遊しにくい。このことを応用し、単に鉱物本来の表面的性質を利用するのみならず、種々の浮遊選鉱試薬を用い、鉱物粒子表面の本来の疎水性又は親水性を人為的に制御し、その浮遊性を変化させて相互の分離を行う。特に有用な泡沫浮遊選鉱法は、粉砕された微粒子を懸濁した液中に、適宜浮遊選鉱試薬を加えて微粒子の表面の性質を調節した後、細かい多数の気泡を発生又は導入し、その気泡表面に疎水性微粒子を付着させ、浮上させ分離回収することができる。これらの浮遊選鉱を実施する装置として、既にファーレンワルド型浮選機(FW型、デンバー・サブ・A型浮選機)、フェジャーグレン型浮選機、アジテヤ型浮選機、ワーマン型浮選機などの各種の浮遊選鉱機が市販されている。
銀含有廃棄材料は、一般的にフィルムや定着液或いは製造過程にて生ずる屑等を感材リサイクル処理で得られた銀、銀製品屑などを指す。尚、前記貴金属含有廃棄材料中に銀が含有されるものであれば、別途銀含有廃棄材料を添加する必要はない。即ち貴金属含有廃棄材料と銀含有廃棄材料は、一種の廃棄材料であってもよい。
フラックスとしては、シリカ、酸化カルシウム、炭酸カルシウム、硼砂等を使用することができる。
これらの貴金属含有廃棄材料、銀含有廃棄材料は、後述する(4)の工程に特定の組成の銀−貴金属合金を提供し、これを銀電解するようにするために、予め処理割合を調整しておく。即ち各廃棄材料をサンプリングして元素分析にかけ、それらの溶融炉への添加量を調整する。具体的には銀と貴金属との割合が6:4程度になるように混合する
そして、溶融炉では、前記貴金属含有廃棄材料及び銀含有廃棄材料にフラックスを加えて1200〜1700℃にて混合、溶融すると、比重差にてガラス質スラグとメタルとに分離される。メタルは、銀に、金、白金、パラジウム、ロジウム等の貴金属と銅や鉛等の卑金属などが含有されている。また、ガラス質スラグにはそれ以外の成分、例えばNaO,SiO2等のガラス質の成分が含まれる。このガラス質スラグは取り除かれる。
(2)メタルを酸化炉に移すと共にフラックスを加え、酸化炉内にて酸化処理してAg及び貴金属が80〜95%でありCuを含む卑金属が5〜20%である貴金属含有銀合金と酸化物スラグとに分離する工程;
この工程では、前記した(1)の工程で分離されたメタルを酸化炉に移し、フラックスを加えて酸化処理する。前記特許文献1〜8などの銅を循環させる乾式法における酸化処理と異なる点は、従来の乾式法では銅を酸化させない(銅をある程度酸化する)条件にて酸化処理し、銅より卑なる金属を酸化させて除去するのに対し、本発明では銀を酸化させない条件にて酸化処理し、銀より卑なる金属を酸化させて除去する点にあり、銀の存在により、銀より卑なる金属を酸化させて除去することにより、多量の銅が酸化物として分離できる。
酸化炉は、例えば傾動式で1300〜1600℃にて加熱可能であって、空気(酸素含有ガス)を炉内或いは溶湯中に導入することによって酸化処理できるものであり、この酸化処理により、メタル中の卑金属は酸化物スラグとなり、酸化されない貴金属含有銀合金と分離される。この場合、酸化物スラグは炉内の上方に、貴金属含有銀合金は炉内の下方(底部)に位置するように分離する。この貴金属含有銀合金には、銀及び貴金属合金の他に銅(少量)が含まれている。また、酸化物スラグには、鉄、ニッケル、銅(多量)、クロム、錫、鉛、亜鉛等の酸化物が含まれている。そして、この工程では、酸化炉から取り出された貴金属含有銀合金が、Ag及び貴金属が80〜95%、Cuを含む卑金属が5〜20%となるように酸化処理及び分離を行う。
(3)分離した貴金属含有銀合金をAg40〜94%−Cuを含む卑金属5〜40%−貴金属1〜30%となるように組成を調整し鋳造する工程;
この工程では、以後の工程(4)にて銀電解を容易にするため、必要に応じて銀を添加するなど組成を調整し、その組成割合をAg40〜94%−Cuを含む卑金属5〜40%−貴金属1〜30%となるように調整する。その後、組成調整した合金より、次の(4)電解工程にて用いる電極プレート板(合金アノード板)を鋳造する。
(4)鋳造後の貴金属含有銀合金を銀電解して銀を回収する工程
前記した(2)の工程で分離された貴金属含有銀合金を銀電解するには、前記した(3)の工程で得られた電極プレート板(合金アノード板)を用い、電解液として硝酸銀を用い、20g/L以上の銀濃度とし、好ましくは60g/Lとする。浴電圧は1〜3Vとし、好ましくは2.5Vとする。陰極電流密度は200〜300A/m2とし、好ましくは270A/m2とする。また、電解液の温度は常温でも可能である。
前記のようにこの工程で銀電解に供給される銀貴金属合金は、Ag40〜94%−Cuを含む卑金属5〜40%−貴金属1〜30%となるように調整されており、この範囲で行う銀電解を行うため、カソードに貴金属が電着することはなく、純度が高く電気的にも効率の良い銀回収が行える。この範囲から逸脱する場合には、通電直後は、電解を行うが、電解汚泥がアノードに固着し、電解の妨げとなり、電解効率が落ち、電気が流れなくなる。また、カソードに他金属、貴金属の電着も起こりやすくなり、銀回収の電解効率が悪くなる。
(5)電解汚泥から貴金属を湿式処理して段階的に回収する工程;
前記した(4)の工程で銀のみを分離精製した後、その電解汚泥には金、白金、パラジウム、ロジウム等の貴金属が含まれている。これらの電解汚泥から貴金属を回収するには、湿式処理して段階的に貴金属を回収する。
尚、前記(2)の工程にて分離された酸化物スラグには、酸化鉄、酸化ニッケル、酸化銅、酸化クロム等が含まれていると説明したが、この中には極微量の銀及び貴金属も含まれている。そのため、この酸化物スラグから銅及び極微量の銀及び貴金属を回収するため、還元炉にて処理する。即ち酸化物スラグを還元炉に移し、フラックスと炭素質還元剤を加えて溶融還元する。炭素質還元剤としてはコークスを使用するのがよい。
この還元処理により、酸化物スラグ中の酸化銅は金属銅に還元され、銀及び貴金属もこの金属銅と同様に炉内の下方(底部)に溜まる。これらに対し、酸化鉄、酸化ニッケル、酸化クロムなどはほとんど還元されないため、酸化物スラグとして残存し、炉内の上方に位置して分離される。
分離された銅及び貴金属含有銀合金は、銅電解して金属銅として回収すると共に、その残渣を前記した(4)の工程の電解汚泥と共に湿式処理して段階的に貴金属を回収する。
図1に示す実施例では、貴金属含有廃棄材料として2種類のものを用い、そのうちの一種類(貴金属含有廃棄材料2)は浮遊選鉱を施した。これらの混合物は、予め処理割合を調整し銀と貴金属との割合が6:4程度になるように混合したものである。
これら貴金属含有廃棄材料1,2と銀含有廃棄材料とを溶融炉にてフラックスを加えて1200〜1700℃に溶融し、ガラス質スラグとメタルとに分離した。ガラス質スラグは除去し、メタルは酸化炉に移し、フラックスを加えて1300〜1600℃で空気等を導入するなどして酸化処理し、Ag及び貴金属が80〜95%でありCuを含む卑金属が5〜20%である貴金属含有銀合金と酸化物スラグとに分離した。
分離した貴金属含有銀合金は、必要に応じてAg40〜94%−Cuを含む卑金属5〜40%−貴金属1〜30%となるように組成を調整し後段の銀電解で用いる電極プレート板に鋳造・成形した。この電極プレート板を用いて銀電解し、電着銀として銀を取り出した。
一方、分離した酸化スラグは還元炉に移され、還元処理され、多量の銅からなる成分とスラグに分離した後、銅電解して銅を取り出した。
そして、前述の銀電解、銅電解から回収される電解汚泥を併せ、貴金属を湿式処理して段階的に回収する。
〔浮遊選鉱による低品位貴金属含有廃棄材からの貴金属選別〕
焼成、粉砕処理後、60mesh(目開き250μm)の篩を通過した粒径の歯科廃材に対して浮遊選鉱処理を行なった。歯科廃材に関して、まず条件層にてパルプ濃度10%のスラリーを作った。次に撹拌中のスラリーに水硫化ソーダにより硫化処理を行なった。十分な撹拌を終えてから、pHを2以下に調整した。その後、浮選機にて捕収剤(n−アミルキサントゲン酸カリウム(KAX))50mg/lを投入した。さらに起泡剤(4−メチル−2−ペンタノール(MIBC))を微量添加した。
上記の条件でフロス、シンクを回収し、貴金属を分析したところ、得られたフロス(回収物)中の貴金属の回収率は88.2%であり、貴金属品位を0.15%から2.39%までに濃縮することができた。貴金属が濃縮されたフロス(回収物)は、酸溶解処理を行ない、微量の貴金属(11.8%)が残ったシンクは濾過、乾燥後に精錬処理となる。
〔酸化処理及び分離〕
酸化炉における酸化処理にて、メタルとして銀及び貴金属が濃縮され、銅などの卑金属が分離される一例を表1に示した。
Figure 0005031998
表1より明らかなように、酸化処理当初に比べて明らかに銀及び貴金属が濃縮され、ニッケル、インジウム、鉄は消失し、銅も含有量が著しく低下した。
〔第1の工程〕
貴金属含有(及び銀含有)廃棄材料100Kgを焼成して有機物を除去した後、その焼却灰(金属を含む)30Kgにフラックス成分(Na2BO47・10H2O:Na2CO3=6:4)13.8Kgを混合して溶融炉にて1350℃で溶融した。
メタルとガラス質スラグを分離し、得られたメタルを蛍光X線にて分析したところ、その合金は、貴金属が4%、Agが10%、それ以外が86%であった。
〔第2の工程〕
その後、分離したメタル20Kgを酸化炉に移し、フラックス(CaO:Na2CO3:Na2BO47・10H2O=1.5:1:1)5Kgを投入し、1350℃にて酸化処理及び分離を行い、貴金属含有銀合金(貴金属0.8Kg/Ag2Kg/Cuを含む卑金属1.2Kg)と酸化物スラグ(21Kg)に分離した。
〔第3の工程〕
その後、得られた銀含有機金属合金(Ag50%−Cuを含む卑金属30%−貴金属20%)を溶解炉にて偏析のない合金を鋳造し、次の銀電解工程にて用いる電極プレート板(合金アノード板)を作製した。
〔第4の工程〕
長さ340mm×幅120mm×深さ200mmの電解槽内に、電解液として硝酸銀(60g/L)を7L入れ、前記第3の工程にて製造した幅50mm×長さ120mm×厚さ7mmの合金アノード一枚と、SUS板幅50mm×長さ120mm×厚さ2mmのカソードを、極間が100mmになるよう二枚投入した。
浴電圧を2.5Vに固定し、陰極電流密度を250〜300A/m2の範囲で7時間通電した結果、電着銀中に貴金属が混入することなく、電解汚泥中に貴金属が濃縮された状態になって回収された。
〔第5の工程〕
前記第3の工程で得られた電解汚泥を王水に溶解し、銀をろ別し、ろ液からAu、Pt、Pdを段階的に回収した。
〔第4の工程の比較例〕
長さ340mm×幅120mm×深さ200mmの電解槽内に、電解液として硝酸銀(60g/L)を7L入れ、Ag35%−Cu35%−貴金属30%合金にて製造した幅50mm×長さ120mm×厚さ7mmの合金アノード一枚と、SUS板幅50mm×長さ120mm×厚さ2mmのカソードを、極間が100mmになるよう二枚投入した。
浴電圧を2.5V固定し、陰極電流密度を250〜300A/m2の範囲で7時間通電した結果、電解汚泥が合金アノードに固着し、電流密度が50A/m2に低下し、銀の電着が困難になってきた。
各種の分野から廃棄される貴金属含有廃棄材料から効率よく貴金属を回収、リサイクルすることができる。
本発明の貴金属の回収法の一例を示すフローチャートである。

Claims (3)

  1. 銀とその他の貴金属との割合が6:4に調整した貴金属含有廃棄材料と銀含有廃棄材料との混合物にフラックスを加えて溶融炉内で混合、溶融してガラス質スラグとメタルとに分離した後、分離したメタルを酸化炉に移し、酸化炉内にてフラックスを加えて酸化処理してAg及び貴金属が80〜95%でありCuを含む卑金属が5〜20%である貴金属含有銀合金と酸化物スラグとに分離し、分離した貴金属含有銀合金をAg40〜94%−Cuを含む卑金属5〜40%−貴金属1〜30%となるように組成を調整して鋳造した後、銀電解して電着銀として銀を回収し、電解汚泥から貴金属を湿式処理して段階的に回収することを特徴とする貴金属の回収方法。
  2. 銀含有廃棄材料は、感材リサイクル処理で得られた銀であることを特徴とする請求項1に記載の貴金属の回収方法。
  3. 貴金属含有廃棄材料は、浮遊選鉱により分離した粉体であることを特徴とする請求項1又は2に記載の貴金属の回収方法。
JP2005131134A 2005-04-28 2005-04-28 貴金属の回収方法 Expired - Fee Related JP5031998B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2005131134A JP5031998B2 (ja) 2005-04-28 2005-04-28 貴金属の回収方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2005131134A JP5031998B2 (ja) 2005-04-28 2005-04-28 貴金属の回収方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2006307283A JP2006307283A (ja) 2006-11-09
JP5031998B2 true JP5031998B2 (ja) 2012-09-26

Family

ID=37474497

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2005131134A Expired - Fee Related JP5031998B2 (ja) 2005-04-28 2005-04-28 貴金属の回収方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5031998B2 (ja)

Families Citing this family (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
FR2907352B1 (fr) * 2006-10-20 2009-02-20 Terra Nova Procede de traitement de dechets contenant des metaux precieux et dispositif pour la mise en oeuvre de ce procede.
JP2009155678A (ja) * 2007-12-25 2009-07-16 Mitsubishi Materials Corp 貴金属回収方法および回収貴金属
JP5542605B2 (ja) * 2010-09-30 2014-07-09 Jx日鉱日石金属株式会社 銀の電解精製方法
CN102168176B (zh) * 2011-03-10 2012-11-14 田文学 焙烧——氰化含金尾渣中有价金属综合回收工艺
CN105714122B (zh) * 2016-03-08 2017-10-27 开封大学 回收氰化尾渣中金、铁、铅的方法
KR101685931B1 (ko) * 2016-07-14 2016-12-14 한국지질자원연구원 구리함유자원을 이용한 귀금속 농축 회수방법
EP3486337B1 (en) * 2016-07-14 2021-05-26 Korea Institute Of Geoscience & Mineral Resources Method for concentrating and recovering noble metals
JP2023019519A (ja) * 2021-07-29 2023-02-09 Dowaメタルマイン株式会社 白金族元素の回収方法
CN115125584B (zh) * 2022-07-15 2023-08-08 中山岚锜科技有限公司 一种废旧电路板中有色金属的高效提取方法

Family Cites Families (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP3474526B2 (ja) * 2000-03-03 2003-12-08 日鉱金属株式会社 銀の回収方法
JP2003293049A (ja) * 2002-04-08 2003-10-15 Mitsubishi Materials Corp 銀鉛含有滓から銀を回収する方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP2006307283A (ja) 2006-11-09

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5031998B2 (ja) 貴金属の回収方法
US10988826B2 (en) Hydrometallurgical treatment process for extraction of precious, base and rare elements
Hait et al. Processing of copper electrorefining anode slime: a review
JP5716867B2 (ja) 廃非鉄スラグを活用した使用済み携帯電話のプリント回路基板と廃自動車触媒からの貴金属濃縮回収方法
JP4219947B2 (ja) 鉛の回収方法
CN100469908C (zh) 含铜材料的处理方法
CN102459659A (zh) 加工贵金属原料的方法
US3772003A (en) Process for the electrolytic recovery of lead, silver and zinc from their ore
Burat et al. Gold&silver recovery from jewelry waste with combination of physical and physicochemical methods
Panda et al. Hydrometallurgical processing of waste integrated circuits (ICs) to recover Ag and generate mix concentrate of Au, Pd and Pt
JP2018145479A (ja) 白金族金属の回収方法
CN102925705A (zh) 一种从分银炉炉砖中回收有价金属的方法
US4892631A (en) Recovery of precious metals from complex ores
JP5196095B2 (ja) 貴金属回収方法および回収貴金属
JP2010235999A (ja) 硫化銅鉱物からの金の濃縮方法
JP4417152B2 (ja) 飛灰の処理方法
JP2019527769A (ja) 貴金属の濃縮回収方法
Kongolo et al. The extractive metallurgy of gold
JP2022114298A (ja) 銀の回収方法
CN106636648A (zh) 一种含金属废弃物的综合回收分离方法
Dimitrijević et al. 17 E-scrap processing: theory and practice
JP2001279344A (ja) 錫の回収方法
JPS6348929B2 (ja)
Zhang et al. Study on Pre-removal Antimony from Antimony–Gold Concentrate Using Slurry Electrolysis
CN105274567B (zh) 高频电解高纯度白银的生产工艺

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20080418

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20101110

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20101116

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20110107

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20110927

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20111024

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20120605

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20120628

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5031998

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20150706

Year of fee payment: 3

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees