JP5031746B2 - 液体媒質からのポリマーの回収方法 - Google Patents

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Description

本発明は、ポリマーを含む液体媒質からこのポリマーを回収する方法、並びにこの方法によって得られるポリマー粒子の粉末に関する。
ポリマーは様々な形態、主に固体状態で多量に使用されている。しかしながら、その存在の1つ以上の段階においてポリマーは液体媒質中に、しばしばその後抽出しなければならない溶媒中の溶液の形態で存在する。したがってポリマー溶液を、ある種の重合処理(「溶液重合処理」と呼称)の終点で、ある種の再生処理の間に、及びポリマーベースの物体もしくは塗料の製造のためのある種の設備の清浄化の間に処理しなければならない。溶液から出発する固体状態のポリマーの回収は、一般的に溶媒を蒸発させる少なくとも一つの工程を含む。ここで、この操作はそのエネルギー消費のためにしばしば費用が嵩み、しかも必ずしも適当な粒度分布のポリマー粒子をもたらさない。更にまた、これらポリマー粒子はしばしば無視しがたい残留溶媒含量を有する。
特許出願JP 11/012390 は、溶液中のポリマーの回収方法を開示しており、これによれば、前記溶液を噴霧し、且つ蒸気と接触させて溶媒残渣を蒸発させる。しかしながら、非常に濃度の高い溶液は噴霧による液滴の生成のためには粘性に過ぎるため、この方法は希薄なポリマー溶液に対してのみ適用可能であることが判明している。
Solvayの名でWO 03/054064の願番で公開された特許出願は、その全体が均一な媒質を成す溶媒溶液中のポリマーの回収方法が記載されている。この方法は以下の工程:
(1)非溶媒を均一な媒質に添加してこれを不均一にする工程;
(2)不均一な媒質を噴霧によって液滴に転換させる工程;
(3)液滴を、溶媒を蒸発させる基体と接触させる工程;
(4)ポリマーを粒子の形態で回収する工程;
を含む。
出願WO 03/054064に記載された方法によれば、より濃厚な溶液から出発するポリマーの回収が可能になるが、この場合には工程(3)の間の蒸発による溶媒の除去が常に望ましい有効性で達成されるわけではないことが判明しており、噴霧装置中で凝集してクラストを形成するポリマー粒子中に、無視できない部分量の溶媒が見いだされることがあり得る。更にまた、装置高さを適当な寸法に低減するためにしばしば高温が用いられるが、これは僅かの間に噴霧ノズルの閉塞をもたらす。
ポリマー溶液の噴霧/噴霧化を含む別の方法が提案されている。従って、例えば、特許CA 617,788は廃物ポリマーを低沸点溶媒に溶解させ、この溶液を沸騰水中に注入するかまたは逆にこのポリマー溶液中に蒸気を注入することによる前記ポリマーの回収方法を記載している。しかしながら、この方法で得られるポリマー粒子は、スポンジ状フレークの形態であり、これは高い残留溶媒含量を有し、また通常技術(押出、カレンダー、射出成型等)によっては利用が困難であって、更には利用不可能でさえある。更にまた、この文献中に記載される方法は不連続な方法であり、工業用の方法としては経済的に有利でない。
JP 11/012390 WO 03/054064 CA 617,788 Encyclopedia of Polymer Science and Engineering" published by John Wiley & Sons, volume 16, 1989, pages 62-63 Properties of Polymers, D.W. Van Krevelen, 1990 edition, pp.200- 202 Polymer Handbook, J. Brandrup and E.H. Immergut, Editors, Second Edition, p.IV-337 a IV-359
然るに本発明の主題は、高濃度であってよい濃度でポリマーを含む液体媒質から前記ポリマーを回収する改善された方法を提供すると共に、生成する固体製品を低残留溶媒含量及び容易に制御される形態及び粒径分布をもって得られるようにすることである。この方法はまた、連続的になるように容易に適合可能なものである。
然るに本発明は、ポリマー及びこのポリマーのための溶媒を含む液体媒質からポリマーを回収する方法において、
(a)この液体媒質(1)が非溶媒の大きな重量画分及び溶媒の小さな重量画分を含む実質的に単相の液体撹拌混合物を入れた反応器(2)に注入される工程であって、前記混合物が該混合物から徐々にポリマーが沈降するような組成及び温度を有する工程;
(b)前記ポリマーが、非溶媒を多く含む液体中に懸濁した粒子(5)の形態で回収される工程;
(c)前記ポリマー粒子(9)が液体から分離される工程;
を含む方法に関する。
従って本発明において鍵となる要因は、溶媒を含む(非溶媒のみでない)沈降「バス」と前記バスの適当な撹拌との組み合わせにある。いかなる理論に束縛されることも意図せず、出願人は沈降「バス」として非溶媒と溶媒との混合物を使用するという事実によって沈降速度を低下させ、これにより溶液液滴からの溶媒の排液が可能になる/促進されると考えている。更にまた、適当な撹拌を利用するという事実により、(溶液液滴からの)その生成の間にポリマー粒子を懸濁状態に保持すること及びその凝集を防ぐことが可能になる。
その回収が本発明による方法の目的とされるポリマーは、いかなる性質のものであってもよい。これは熱可塑性樹脂またはエラストマーから成るものであってよく、いかなる場合でも溶媒中に溶解させることができ、したがって架橋しないか軽度の架橋のみするものである。これは以前に使用されたことのない、おそらく造粒以外には溶解によるいかなる成形も経ていない樹脂(もしくは未使用樹脂)から成って良く、あるいは既に使用された樹脂(樹脂製品または再生樹脂由来の廃物)から成っても良い。これは、無極性ポリマー、例えばエチレンポリマー(PE)またはプロピレンポリマー(PP)から成って良い。これはまた、極性ポリマー、例えばスチレンモノマー、アクリルモノマー、及びハロゲン化エチレン性不飽和モノマーから誘導されるポリマー、あるいは更にエチレン/ビニルアルコール(EVOH)またはエチレン/酢酸ビニルまたはブチルアクリレート(EVA、EBA等)コポリマーから成って良い。これはまた、例えばビスフェノールAとホスゲンとの反応により得られるポリカーボネートなどの縮合反応から得られる熱可塑性ポリマーから成っても良い。
スチレンモノマーから誘導されるポリマーの中では、スチレンホモポリマー及びコポリマーを挙げてよい。本発明の方法により回収可能なスチレンホモポリマーの中では、例えば"Encyclopedia of Polymer Science and Engineering" published by John Wiley & Sons, volume 16, 1989, pages 62-63に定義される通り「クリスタル」または「汎用」と呼称される透明ポリスチレンを挙げてよい。重合時及びその後の蒸気での処理時に発泡剤、例えばペンタンを添加することによるか、またはその押出の間に溶融ポリマー中に加圧下で気体(例えばペンタン)を注入することによって得られる、発泡ポリスチレンもまた挙げてよい。
本発明の方法により回収可能なスチレンコポリマーの中で挙げて良いのは、
・スチレンとアクリロニトリルとのコポリマー;
・スチレンとアルキルアクリレート、例えばメチルメタクリレート等とのコポリマー;
・スチレンと無水マレイン酸とのコポリマー;
・スチレンとジビニルベンゼンとのコポリマー;
・スチレンとアルキルスチレン、例えばアルファ−メチルスチレン等とのコポリマー;
・スチレンとブタジエンとのランダムコポリマー;
・スチレン単位を含むブロック及びエラストマーブロックを含むコポリマー;「耐衝撃性ポリスチレン(HIIPS)」と呼称されるポリスチレンがこのカテゴリーに属する。これらコポリマーは、しばしばスチレンブロック上にエラストマーブロックをグラフト化させることによって得られる。グラフト化可能なエラストマーブロックとしては、ポリブタジエン、ブタジエン-スチレンコポリマー、及びエチレン-プロピレン-ジエンターポリマーを挙げてよい。スチレン単位を含むブロックは、それ自体コポリマーであって良く、例えばスチレン-アクリロニトリルコポリマーまたはスチレン-メチルメタクリレートコポリマーであって良い。
アクリルモノマーから誘導されるポリマーの中では、そのアルキル基が1乃至18の炭素原子を有するアルキルアクリレート及びメタクリレートから誘導されるポリマーを挙げてよい。これらポリマーの例としては、メチル、エチル、n-プロピル、及びn-ブチルのアクリレート及びメタクリレートを挙げてよい。
「ハロゲン化エチレン性不飽和モノマーから誘導されるポリマー」なる定義は、本発明の意味内では、これらモノマーのホモポリマー、並びにこれらが互いとの間で且つ/または少なくとも一つの非ハロゲン化エチレン性不飽和モノマーと共に形成するコポリマーを示すと解される。ハロゲン化モノマーは好ましくは塩素化及びフッ素化モノマー、特に塩素化モノマーから選択される。
フッ素化モノマーから誘導されるポリマーは、これらモノマーのホモポリマー及び、これらが少なくとも一つの別のハロゲン化モノマー及び/または別の非ハロゲン化エチレン性不飽和モノマー、例えばエチレン、酢酸ビニル、及びアクリルもしくはメタクリルモノマーと共に形成するコポリマーを示すと解される。
フッ素化モノマーは、脂肪族であって1つ以上のフッ素原子を唯一もしくは複数のヘテロ原子として有するエチレン性不飽和フッ素化モノマーを示すと理解される。フッ素原子の数が一つであるフッ素化モノマーの例としては、フッ化アリル及びフッ化ビニルを挙げてよい。フッ素原子の数が二つであるフッ素化モノマーの例としては、フッ化ビニリデンを挙げてよい。
特に好ましいものは、フッ化ビニリデンポリマーと一致する。フッ化ビニリデンポリマーは、本発明の目的のためには、フッ化ビニリデンから誘導される少なくともおよそ50重量%のモノマー単位を含む全てのポリマー、然るに同様のフッ化ビニリデンのホモポリマー、並びに有利にはフッ素化された1つ以上のエチレン性不飽和モノマーを有するフッ化ビニリデンコポリマーを示すと理解される。使用可能な別のフッ素化モノマーの例としては、フッ素化ビニル、トリフルオロエチレン、クロロトリフルオロエチレン、テトラフルオロエチレン、及びヘキサフルオロプロピレンを挙げてよい。
塩素化ポリマーから誘導されるポリマーは、これらモノマーのホモポリマー並びにこれらが少なくとも一つの別のハロゲン化モノマー及び/または別の非ハロゲン化エチレン性不飽和モノマー、例えばビニルエステル、アクリルもしくはメタクリルモノマー、スチレンモノマー、及びオレフィン性モノマーと共に形成するコポリマーを示すと解される。
塩素化モノマーは、脂肪族であって、唯一もしくは複数のヘテロ原子として1つ以上の塩素原子を有するエチレン性不飽和塩素化モノマーを示すと理解される。塩素原子の数が一つである塩素化モノマーの例としては、塩化アリル、塩化クロチル、及び塩化ビニルを挙げてよい。塩素原子の数が二つである塩素化モノマーの例としては、塩化ビニリデンを挙げてよい。
本発明による方法はまた、上述のポリマーのブレンドにも、これらが同様の性質であるか異なる性質であるかによらず該当する。これらポリマーブレンドの中では、
・ポリスチレンとポリフェニレンオキシドとのブレンド;
・ポリスチレンとエラストマーとのブレンド、例えばブタジエン-スチレンエラストマーコポリマー;
・「ABS樹脂」の名称で既知であり、スチレン−アクリルニトリルコポリマーに基づく連続性ガラス状マトリックス中に分散したスチレン-ブタジエンコポリマーに基づくエラストマー相を含むブレンド;
・これらABS樹脂とポリカーボネートとのブレンド;
・塩化ビニル及びABS樹脂から誘導されるポリマーブレンド;
を挙げてよい。
上述の全てのポリマー及びポリマーブレンドの中で、塩化ビニル(PVC)から誘導されるポリマー、フッ化ビニリデン及び塩化ビニリデン(PVDF及びPVDC)から誘導されるポリマー、スチレンホモポリマー及びコポリマー、ABS樹脂、ポリカーボネート、並びにこれらポリマーのブレンドを用いて優れた結果が得られている。本発明による方法によって特に回収可能なポリマーは、PVC、PVDC、「クリスタル」ポリスチレン、「耐衝撃性ポリスチレン」、ABS樹脂、及びポリカーボネートである。特に、PVC、スチレンのホモポリマー及びコポリマー、並びにABS樹脂は、本発明による方法に非常に好適である。
ポリマーは、いかなる形態であっても良い。これは例えば重合、配合、または処理由来の廃物であって良く、場合によって液体またはペーストの状態、おそらくは溶媒中の溶液であって良い。これはまた1つ以上の通常の添加剤、例えば可塑剤、安定化剤、抗酸化剤、難燃剤、顔料、充填剤等を含む、強化繊維を含む固形物品から成っても良い。これら繊維はいかなる種類、天然または合成のものであっても良く、特にガラス、セルロース、またはプラスチック繊維を使用して良い。これらはしばしばプラスチック繊維、特にポリエステル繊維からなる。
本発明による方法は、それ自体が前記ポリマーのための溶媒を含む液体媒質中に含まれる、あらゆるポリマーの回収に応用される。本発明によれば、ポリマーが少なくとも部分的に可溶性であって大抵は完全に可溶性であるこの溶媒は、一般的にはポリマーの溶解度パラメータ(その定義及び実験値については、"Properties of Polymers", D.W. Van Krevelen, 1990 edition, pp.200- 202, as well as in "Polymer Handbook", J. Brandrup and E.H. Immergut, Editors, Second Edition, p.IV-337 a IV-359を参照のこと)に近い溶解度パラメータを有し、且つ/またはポリマーと強度の相互作用(例えば水素結合)を有する。「近い」なる語は、一般的にその相違がおよそ1.8超とはならないポリマーの溶解度パラメータ(MPa1/2と表記される)を定義することを企図する。
一般的に、有機の、好ましくは極性の溶媒、例えばケトン、特にMEK(メチルエチルケトン)が使用され、これは多くのポリマーと共に、特にPVC等のハロゲン化ポリマーと共に優れた結果をもたらす。溶媒は、単一の物質並びに物質の混合物であると理解される。特に、連続的に且つ/または閉回路で機能する再生処理の場合には、溶媒は再生液体のフローであってよく、所定量の非溶媒を含んでよい。一般的に、これら化合物の沸点は通常条件下では150℃以下、大抵は120℃以下である。これら化合物またはこれら化合物の混合物中に水が存在する可能性は排除されない。いずれにせよ、これらの化合物の水溶性があまり高くないこと(低い溶解性は一般的に30重量%、好ましくは20重量%のオーダーであり、更には6重量%に相当する(DEKの場合))、またはこれらが少量の水を溶解するのみであることが好ましい。
非常に好適な溶媒の例は以下:
・MEK (メチルエチルケトン)(ポリマーがPVCまたはABS樹脂である場合);
・MEK-ヘキサン、(おそらくは水を含む。ポリマーがPVCである場合);
・DEK(ジエチルケトン)(ポリマーが「クリスタル」ポリスチレン、「耐衝撃性」ポリスチレン、またはABS樹脂である場合);
・シクロヘキサンまたはシクロヘキサノン(ポリマーがPVDFまたはPVDCである場合);
・水とアルコール(エタノール、メタノール、プロパノール等)との混合物(ポリマーがEVOHである場合);
・ヘキサン、シクロヘキサン、またはヘプタン(ポリマーがPEである場合);
等である。
本発明による方法において使用される非溶媒は、一般的に回収されるポリマーのものとは異なる溶解度パラメータを有し、前記ポリマーとは強い相互作用を示さない。「異なる」との語は、一般的に非溶媒及びポリマーの溶解度パラメータ間の相違が4単位超であるか、さらには6単位超であることを表す。(ほとんどのポリマーの溶解度パラメータとは異なる高い溶解度パラメータを有すること、及び環境的観点から有利であるために)非常に好適な非溶媒は、特に回収しようとするポリマーがABS樹脂、スチレンポリマー、またはPVCである場合は、水である。更に、多くのタイプのプラスチック廃物がかなりの量の水を含み、このためひいては媒質中にも水が見られるという観点からも、非溶媒としての水の選択は賢明である。回収しようとするポリマーがPVDFまたはPVDCである場合は、非常に好適な非溶媒はメタノールである。
本発明による方法においては、ポリマーを回収するために溶媒を除去せねばならない液体媒質は様々な態様
・有機溶媒(純粋溶媒、または混合物、または水を含む有機相)中のポリマーの溶液
・有機溶媒(純粋溶媒、または混合物、または水を含む有機相)中のポリマーの固体粒子の分散物
・有機相/水性相の二相媒質(そのマトリックスになるのは水性相、分散剤が存在する可能性あり)
−水性相中に分散した有機相中のポリマー溶液
−水性相中に分散した有機相中のポリマー粒子の懸濁物
・有機相/水性相の二相媒質(そのマトリックスになるのは有機相、分散剤が存在する可能性あり)
−分散した水滴を含む有機相中のポリマー溶液
−分散した水滴を含む有機相中のポリマー粒子の懸濁物
をとりうる。
本発明による方法によって回収しようとするポリマー源が、前記ポリマーの溶媒中の希薄溶液(すなわち20重量%以下、好ましくは10重量%以下のポリマーを含む溶液)である場合には、これはそのまま本発明による方法に処して良い。然るに、第一の有利な変形によれば、前記方法の液体媒質は溶媒中のポリマーの溶液からなる実質的に単相の媒質である。
他方、ポリマー源が前記ポリマーを含む固形物質である場合には、これを溶液とし、次いでこれを沈降によって回収することができるように、できる限り少量の溶媒を使用することが、経済的観点から明らかに有利である。この場合には、前述のようにこの(過度に粘性である)溶液を直接使用せずに、非溶媒中のこの樹脂濃溶液の分散物(エマルション)を使用すること(その目的は系の粘度をこの温度での水(非溶媒)の粘度にすることである)が一般的に有利である。したがって、第一の有利な変形によれば、この方法の液体媒質は、非溶媒相中に分散されたポリマー溶液(おそらくはポリマーの粒子を含む)からなる二相媒質である。
回収しようとするポリマーの液体媒質中の濃度は、大幅に相違しうる。一般的に、ポリマーの量は液体媒質全重量の5重量%超、好ましくは10重量%超、とりわけ15重量%超を占める。溶解したポリマーのこの量は、一般的には溶液全重量の60重量%、好ましくは40重量%、とりわけ35重量%を超えない。ポリマーが過度に低濃度であると、溶媒の除去のためのエネルギー消費が多大になる。ポリマーが過度に高濃度であると、溶液の流動性及びその取り扱い性が損なわれる。
ポリマーが液体媒質中に溶解または分散する温度もまた大幅に相違しうる。これは一般的に0℃超、好ましくは20℃超、とりわけ少なくとも30℃に等しい。一般的に、これは溶媒の通常の沸点を超えない。好ましくはこれは130℃以下、更には110℃以下、とりわけ80℃以下である。
前述のエマルションまたは二相媒質の調製及び/または安定化を促進するために、既知の分散剤を通常の量で分散相中に導入しても良い。分散剤としては、ポリビニルアルコール及びそのナトリウム塩、セルロースエーテル、ポリエチレングリコール等を挙げてよい。一般的にこれらの分散剤を使用する場合には、これらは0.01乃至2重量%の割合、好ましくは0.05乃至0.5重量%の割合で添加される。
これらエマルションは、当業者に既知のいかなる定法でも生成可能である。然るに、例えば分散させようとする相(例えばそれぞれ水または有機相)の適当量を激しく且つ迅速な撹拌と共に添加して、分散相(それぞれ有機相または水)の体積を定めることができる。
ルーチン試験によって当業者は、分散させようとする相及び分散相の、安定なエマルションを得るためのそれぞれの体積を決定することができる。したがって、例えばポリマーがABS樹脂またはスチレンポリマーであって、溶媒がDEKである場合には、60乃至75℃の温度下、環境圧乃至3バールの圧力で、1000gのDEKについて500gのポリマーを含み、1500乃至2000gの水を加えがエマルションを用いて優れた結果が得られている。
本発明による方法では、ポリマーを含む液体媒質を、ポリマーの溶媒と非溶媒との実質的に単相の液体混合物を入れた反応器に注入する。実質的に単相の前記混合物(本明細書中では単に「混合物」とも呼称)中に存在する溶媒は、回収しようとするポリマーを含む液体媒質に関する上述の定義及び制限に合致する。通常は、液体媒質の溶媒及び混合物の溶媒は性質が同様の化合物であり、互いに近いか、さらには同一でさえある溶解度パラメータを有する。好ましくは、液体媒質と混合物との溶媒は同一化合物である。
本発明によれば、溶媒及び非溶媒は、これらが非溶媒の大きな画分と溶媒の小さな画分が混合された場合に単相媒質を形成することができることから、少なくとも部分的に混和性である。
実質的に単相の液体混合物を得るために使用される溶媒及び非溶媒のそれぞれの量は、ルーチン試験によって容易に決定しうる。例えばこれは、非溶媒からなる液相にいかなるデカンテーションも行う前に、飽和するまで徐々に溶媒を添加することによって行うことができる。したがって、例えば、非溶媒が水であり、溶媒がMEKまたはDEKである場合には、それぞれ15乃至20重量%または3乃至5重量%の溶媒を60乃至90℃の温度にて0.5乃至1バールの圧力で用いて水性相を飽和させることにより優れた結果が得られている。溶媒で飽和させた非溶媒を扱う利点は、反応器中の液体媒質への溶媒排出の改善及び沈降の相当な遅延化にある。その一方で、条件(特に溶媒/非溶媒相平衡状態図に従って、温度及び圧力)を適合させるにあたっては、ポリマー粒子が生成する際にその凝集を引き起こす、溶媒相の出現を引き起こさないように留意する。
実質的に単相である液体混合物の調製は、非溶媒中に上述の分散剤を導入することによって促進することができる。これら分散剤の存在は、本発明による方法に従って回収されるポリマー粒子の形態及びサイズを制御することが可能になるという点でも有利である。
回収しようとするポリマーを含む液体媒質の、実質的に単相の液体混合物への注入は、当業者に既知のあらゆる方法で実行可能である。好ましくはこの注入は、液体混合物中に液体媒質を、前者への後者の連続的噴流もしくはスプレーの形態で導入することによって実行される。スプレーによれば、液体混合物への溶媒の排出が容易な小径の液滴が得られやすいため、優れた結果が得られる。
この目的に使用可能なスプレーノズルは、好ましくは「フルコーン」タイプのものであり、好ましくは低圧(典型的には7バール以下)で作動することが好ましく、中程度から小径の液滴(典型的には500乃至1700μm)を生ずることが好ましい。Spaying Systems Co.により市販のFULLJET(登録商標)システムが優れた結果をもたらす。これらは排出口で好ましいと思われる制御された乱流を生み出す。より好ましくは、モジュラーシステム(そのヘッド及び発散部が取り外し及び交換可能である)が使用される。これらの部品は好ましくは金属部品であり、最も好ましくはステンレススチール製である。
ポリマーを含む液体媒質が沈降「バス」を構成する液体媒質中に注入されるやいなや、ポリマーは沈降し始め、上述の液滴が徐々に溶媒から精製されて粒子もしくは液体中に懸濁したポリマーの粒子を構成する。前述の通り、バスの適当な攪拌によって、生成してくる際に粒子の凝集を回避することは重要である。この目的を達成するために、メカニカルスターラーであって(適切なタイプのもの、例えば)数百のrpm(一分毎の回転数)のオーダーの速度、例えば500乃至800rpmで回転するものを使用してよい。液体媒質を入れた容器もまた、カウンターブレイドを備えたものであると有利である。
本発明による方法では、これが連続的であるか非連続的であるかによらず、一般的に、ポリマー粒子の懸濁物を回収する前に溶媒の実質的画分を除去することに注意が払われる。然るに、ポリマーが徐々に沈降した後に回収されるのは、非溶媒を多く含む、すなわち典型的には20重量%以下の溶媒を含む(MEKの場合)、さらには6重量%以下の溶媒を含む(DEKの場合)、液体中のポリマー粒子の懸濁物である。
この溶媒除去は、いかなる適当な手段によっても実行可能である。溶媒を任意の適当な圧力での蒸発によって除去することが好ましいが、これはむろん非溶媒の前に蒸発し、且つ/又は非溶媒と共に溶媒を多く含む共沸混合物を形成する溶媒が選択された場合にのみ可能である。本発明による方法の有利な変形によれば、溶媒及び非溶媒が溶媒を多く含む共沸混合物を形成し、液体混合物は非溶媒蒸気を注入することによって実質的に共沸性条件下での蒸留に処される。この操作は、その沸点がその構成成分のものよりも低い共沸混合物が関与する場合には実際にエネルギー的観点から有利である。ポリマー粒子の凝集を引き起こしうる、当初単相である混合物中の有機相の形成を回避するために、これは(所与の圧力について)共沸混合物の温度よりもやや高温で稼働させることが好ましい。
蒸発を促進するために、環境圧より低い圧力を使用することが好ましい。一般的に、この圧力は0.1乃至1バール、好ましくは0.5乃至1バールである。例えば、600ミリバールの圧力及び60℃(75℃)の温度、または1バールの圧力及び80℃(90℃)の温度が、MEK/水及びDEK/水の組み合わせを用いて優れた結果をもたらす。
本発明による方法がバッチ法である場合には、「共沸性」蒸留はポリマー粒子の懸濁物が回収される前に終点まで継続されることが好ましい。これは、実質的に全ての溶媒が反応器中の液体から除去されることを意味すると解される。
しかしながら、前述の通り、本発明による方法の一つの利点が連続的に作動するように適合可能なことである一方で、当然ながら反応器中の液体の組成は好ましくは一定であり(少なくとも一定の状態で操作が実現される場合には)、従ってこうした大量除去はもはや可能ではない。然るに、別の好ましい変形によれば、本発明による方法は、液体媒質および非溶媒蒸気の注入並びにポリマー粒子の懸濁物の回収が、流速で、反応器を一定状態に維持するために適合させた条件下、選択された(疑似)共沸蒸留条件(温度、圧力、組成)下で連続的に起こる、連続的方法である。この方法では、ポリマーを溶解するために使用される溶媒は一般的にかなりの量(大きな重量画分)の非溶媒を含み、逆にポリマーを沈降させるために使用される非溶媒はごく少量(小さな重量画分)の溶媒を含む。これは有利には、放出される様々なフローが、本方法においてはそのまま再利用されることに関連している。
溶媒の実質的な除去に次いで、反応器中に残留するかまたは液体媒質を構成する非溶媒を多く含む媒質中に懸濁した、十分に形成されたポリマー粒子をここで回収する。その後これら粒子を液体から固体を分離するあらゆる定法、例えばデカンテーション、遠心分離(排液)、濾過、水蒸気ストリッピング等によって非溶媒から分離することができる。こうした処理を組み合わせることもまた可能である。例えば、濾過/遠心分離及び乾燥/ストリッピングを適当な装置、例えばストリッピングカラム等を用いて組み合わせることが可能である。本発明による方法に従って得られるポリマー粒子から排液され、その残留溶媒含量が低量であるという事実のため、前述の出願WO03/054064による方法で装置を操作する際に必要とされるものと比べてこうしたカラムのサイズは縮小されてもよい。
本発明による回収方法の重要な利点は、(連続的またはバッチ式であるが実質的に溶媒の完全再循環を伴い、廃物を生成しない)閉回路で機能しうることである。実際、ポリマー粒子が分離された後に残る液体は主に非溶媒からなるものであるが、適当な処理を利用して任意に再利用してよい。この処理は、1つ以上の蒸留、凝析、デカンテーション、洗浄等、並びにこれら処理の組み合わせから成って良い。
特に有利な変形によれば、この方法で処理される液体の少なくとも一部を反応器の洗浄及びエンクラステーションの回避に役立てることができる。実際、一般的に、反応器(もしくは通常は密閉室、一般的に温度及び圧力について制御され、スターラーを備え、おそらくは封鎖可能な開口部及び/または試薬及び添加剤等を導入し、また生成物(ポリマー、液体、蒸気)を取り出すための管を備える)は、その下部が液体混合物と接触し、且つその上部が液体媒質を注入する気相と接触する内部壁を有する。好ましくは、ポリマー粒子の分離後に懸濁物から得られる液体の画分は、反応器の内部壁の上部の少なくとも一部を連続的に洗浄するために使用される。
同様に、溶媒が水との共沸蒸留により懸濁物から排除された場合には、この蒸留から生じる蒸気を濃縮して上述の通りに処理可能な液相を構成し、当該方法において、例えばポリマーの溶解のために使用するために再利用してよい。
本発明は、図1乃至図3に非限定的な方式で図示される。図1は本発明の変形の方法図であり、図2は本発明のこの変形による連続方法の例であり、図3は後者の特に好ましい変形の一部を図示する。これらの図面において、同一の数字は同一もしくは類似の要素を示す。
図1には、スターラー付き反応器(2)はDEKで飽和させた水からなり、且つ懸濁剤(Poval 420)を含む基本的に単相の媒質を含んで良いことが示される。一定状態であり、温度が75℃に、圧力が600ミリバールに制御されたこの反応器中に、ABS溶液またはエマルション(1)並びに蒸気(3)を注入し、疑似共沸条件下での蒸留によりDEK(またはそのかなりの画分)を除去する。放出される蒸気(4)を回収し、再利用のために濃縮する。
図2には、適当な処理及び試薬のフローを利用してこの連続方法をどのように実行するかが示される。実際には容器(2)の底部に存在するポリマー粒子の懸濁物のフロー(5)が、このフロー(5)を蒸気(3)がフロー方向に反して注入されるストリップ塔(6)内で処理し;ストリップされたポリマー粒子(7)、すなわち溶媒から精製されたが水を含んでいる粒子を回収することで連続的に進行させ、他方では、蒸気源として反応器(3’)に注入された溶媒を含む蒸気(3’)のフローを、水を含むポリマーの粒子から排液し、一方ではその後乾燥に処される湿った粒子(9)のフローを、他方ではこれも反応器に再循環され、図3に表示のように容器の洗浄/抗エンクラステーション剤として作用する水流(3”)を得ることで進行させれば十分である。
以下の実施例もまたその範囲を制限することなく本発明を詳説することを企図する。これらは、バッチタイプの、図1に記載される反応器を使用している。使用した樹脂は、Bayer製のNovodur(登録商標)2PH- AT (ABS)及びDow製のStyron(登録商標) 485 (HIPS)である。
(実施例1乃至3)
これら実施例は、純粋MEK中のABS 20%溶液または純粋DEK中の純粋25%溶液からABSビーズを得ることを詳説する。このためには、カウンターブレイドが取り付けられ、且つ650rpmで回転するプロペラスターラーを備える円筒状反応器の底部を占める単相混合物中に、前記溶液をスプレー(噴霧)によって導入したが、前記混合物は、分散剤としてポリビニルアルコール(PVA) Poval(登録商標) 420を受容しようとする樹脂の重量に基づいて0.3乃至0.4重量%の割合で含む水2000gの中に300gのMEKまたは200gのDEKを導入することによって得られた。
溶液が噴霧された水性マトリックスとの単相混合物を、溶媒(MEKまたはDEK)で飽和させた。この単相混合物の組成は、所望の温度及び圧力の条件によって決定された。圧力を真空ポンプによって制御し、媒質を反応器底部から蒸気を添加することによって加熱した。溶媒/水共沸混合物が蒸留し始めた時点で、所望の圧力にて所望の温度が得られるように蒸気のフローを制御した。最後に、系が一定状態になった時点でポリマー溶液を注入した。蒸気のフローの制御を続け、溶媒が回収される期間に亘って反応器内の温度及び圧力が一定に維持されるようにした。
溶解反応器の温度及び圧力にてFullJet(登録商標) 1/8 GG-SSlノズルを用い、溶液から噴霧を行った。実施例1乃至3の操作条件を下記の表1に示す。
Figure 0005031746
P=圧力;
T=温度。
これら実施例により、本発明による方法によれば、MEKまたはDEK中のABS濃溶液を、MEK(実施例1及び2)またはDEK(実施例3)で飽和させた水性マトリックスとの単相混合物中に噴霧することによって、非常に特殊な形状をもつABS樹脂のビーズ(直径600μm未満のビーズ)が得られることが示される。
(実施例4乃至7)
これらの実施例は、本発明の方法によって、高濃度の、然るに高度に粘性の溶液からポリマー粒子を回収することがいかにして可能であるのかを示す。この場合は、溶媒の除去は、単独の溶液ではなく、濃縮ポリマー溶液の分散物(エマルション)を水性相(非溶媒)中にスプレーすることによって達成されるが、その目的は、系の粘度を操作を行おうとする温度での水(非溶媒)の粘度にすることである。分散物は、適当な分散剤、この場合はポリビニルアルコール(PVA):Poval(登録商標) 420を含む水中に「噴霧化」させる。
反応器内にて溶液を噴霧化させた水性相を、さらに溶媒で飽和させた。この単相混合物の組成は所望の温度及び圧力の条件によって決定した。これは、沈降反応器中に2000gの水及び200gのDEKを導入することによって得られた。圧力を真空ポンプによって制御し、媒質を反応器の底部から蒸気を添加することによって加熱した。DEK/水共沸混合物が蒸留し始めた時点で、所望の圧力にて所望の温度が得られるように蒸気のフローを制御した。最後に、系が一定状態になった時点でポリマー溶液を注入した。蒸気のフローを制御し、溶媒が回収される期間に亘って反応器内の温度及び圧力が一定に維持されるようにした。溶解反応器の温度及び圧力にてFullJet(登録商標) 1/8 GG-SSlノズルを用い、溶液から噴霧を行った。操作条件を下記の表2に示す。
Figure 0005031746
実施例4は、1500gの水が加えられたABS溶液から、激しい撹拌を伴ってエマルションが調製された場合、この配合物をスプレーして、沈降反応器中に粒子の形態でポリマーが回収できることを示す。実施例5、6、及び7は、HIPSを用い、様々な温度及び圧力条件でも同様に操作できることを示す。
図1は本発明の変形の方法図である。 図2は本発明のこの変形による連続方法の例を示す図である。 図3は前記方法の特に好ましい変形の一部を示す図である。
符号の説明
1…液体媒質
2…反応器
5…懸濁した粒子
9…ポリマー粒子

Claims (12)

  1. ポリマー及びこのポリマーのための溶媒を実質的に含む液体媒質(1)からポリマーを回収する方法において、
    (a)この液体媒質(1)が非溶媒の大きな重量割合及び溶媒の小さな重量割合を含む実質的に単相の撹拌された液体混合物を入れた反応器(2)に注入される工程であって、前記混合物が該混合物からポリマーが沈降するような組成及び温度を有する工程;
    (b)前記ポリマーが、非溶媒を多く含む液体中に懸濁した粒子(5)の形態で回収される工程;
    (c)前記ポリマー粒子(9)が液体から分離される工程;
    を含む方法であって、前記ポリマーが、塩化ビニルから誘導されるポリマー、フッ化ビニリデン及び塩化ビニリデンから誘導されるポリマー、スチレンホモポリマー及びコポリマー、ABS樹脂、ポリカーボネート、エチレンもしくはプロピレンのホモポリマー、エチレンと酢酸ビニルもしくは酢酸ブチルとのコポリマー、並びにこれらポリマーのブレンドから選択される、方法
  2. 前記溶媒がメチルエチルケトンまたはジエチルケトンであることを特徴とする、請求項に記載の方法。
  3. 前記非溶媒が水であることを特徴とする、請求項1または2に記載の方法。
  4. ポリマーを含む前記液体媒質が、溶媒中のポリマー溶液からなる実質的に単相媒質であることを特徴とする、請求項1乃至のいずれか一項に記載の方法。
  5. ポリマーを含む前記液体媒質が、非溶媒相中に分散したポリマー溶液からなる二相媒質であることを特徴とする、請求項1乃至のいずれか一項に記載の方法。
  6. 前記液体媒質が分散剤を含むことを特徴とする、請求項に記載の方法。
  7. 前記液体混合物が分散剤を含むことを特徴とする、請求項1乃至のいずれか一項に記載の方法。
  8. 前記液体媒質(1)が前記液体混合物中に、前記液体媒質の前記液体混合物中への連続的噴流もしくはスプレーの形態で注入されることを特徴とする、請求項1乃至のいずれか一項に記載の方法。
  9. 前記溶媒及び前記非溶媒が溶媒を多く含む共沸混合物を形成すること、並びに前記液体混合物が非溶媒蒸気(3、3’)の注入による疑似共沸条件下での蒸留に処されることを特徴とする、請求項1乃至のいずれか一項に記載の方法。
  10. 前記溶媒の共沸蒸留がポリマー粒子の懸濁物(5)が回収される前に終点まで継続される「バッチ」方法であることを特徴とする、請求項に記載の方法。
  11. 前記液体媒質(1)及び非溶媒蒸気(3、3’)の注入並びにポリマー粒子の懸濁物(5)の回収が、反応器を安定状態に維持するために適合させた流速及び条件をもって選択的(疑似)共沸蒸留条件(温度、圧力、組成)下で連続的に起こることを特徴とする、請求項に記載の方法。
  12. 前記反応器が、その下部が液体混合物と接触し、且つその上部が液体媒質を注入する気相と接触する内部壁を有すること、並びに、ポリマー粒子の分離後の懸濁物から誘導される液体の一部(3”)が、反応器の内部壁の上部の少なくとも一部を連続的に洗浄するために使用されることを特徴とする、請求項11に記載の方法。
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