JP5030911B2 - ディーゼルエンジンの排ガス後処理装置 - Google Patents
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Description
図4において、ディーゼルエンジン(以下エンジン100という)は、排気タービン110aとこれに同軸駆動されるコンプレッサ110bを有する排気ターボ過給機110を備えており、該過給機110のコンプレッサ110bから吐出された空気は空気管107を通って空気冷却器106に入り、該空気冷却器106で冷却される。
該空気冷却器106で冷却された空気は、給気スロットルバルブ105で開度を制御された後、給気マニホールド108bを通り、シリンダ毎に設けられた給気ポート108からエンジン100に吸入される。
また、前記排気マニホールド109bの途中から、EGR(排ガス再循環)管116が分岐されて、排ガス120の一部(EGRガス)はEGR管116を通り、EGRクーラ115で降温され、給気スロットルバルブ105の下流部位の給気マニホールド108bに投入される。
該DOC121で排ガス120中の燃料を酸化させて昇温された後、排ガス後処理装置1のDPF122に送り込まれる。DPF122においては、前記DOCでHC(炭化水素)成分を酸化しこのとき発生する反応熱で、DPF122に堆積されているPMが燃焼処理される。
また、特許文献2(特開2002−371901号公報)においては、DPFの下流に脱硝触媒装置を設けるとともに、該DPFをバイパスする排気通路を設け、通路切換弁を切り替えて排ガスを、DPFをパスして脱硝触媒装置に供給するかDPFを経て脱硝触媒装置に供給するか否かを切り替えるように構成されている。
従って、DPF122出口の排ガス温度は600〜650℃程度となり、この600〜650℃程度の排ガスが脱硝触媒装置130に導入される。
一般に尿素あるいはアンモニアを含む還元触媒の場合は、脱硝触媒装置130入口の排ガス温度は400℃程度が尿素あるいはアンモニアによる脱硝反応の適正作動温度とされているが、脱硝触媒装置130入口の排ガス温度が、この尿素あるいはアンモニアを含む還元触媒に好適な400℃程度と低い場合には、DPF122でPMが燃焼する温度(一般的には600〜650℃)に達せず、PMの燃焼には低すぎることとなる。
かかる課題は、前記従来技術には開示されていないし、また前記特許文献1、2にも開示されていない。
前記DPFと前記脱硝触媒装置との間の排ガス通路に熱交換器を設け、該熱交換器は、前記高圧過給機の高圧空気出口管から加圧空気の一部を抜き出して加圧空気入口管にて供給された加圧空気を前記排ガスと熱交換して、該脱硝触媒装置に供給する排ガスの温度を前記尿素あるいはアンモニアによる脱硝反応の適正作動温度に保持するように構成されてなり、前記熱交換器の出口の前記加圧空気を、加圧空気出口管により前記低圧過給機と高圧過給機との間の加圧空気通路に接続したことを特徴とする(請求項1)。
前記DPFと前記脱硝触媒装置との間の排ガス通路に熱交換器を設け、該熱交換器は、前記高圧過給機の高圧空気出口管から加圧空気の一部を抜き出して加圧空気入口管にて供給された加圧空気を前記排ガスと熱交換して、該脱硝触媒装置に供給する排ガスの温度を前記尿素あるいはアンモニアによる脱硝反応の適正作動温度に保持するように構成されてなり、前記熱交換器の出口の前記加圧空気を、加圧空気出口管により前記低圧過給機と高圧過給機との間の加圧空気通路に接続するように構成することによって(請求項1)、2段圧縮過給機によって高圧になった加圧空気を排ガスの冷却媒体として用いるので、熱交換器の熱伝達率が増加して熱交換器の小型化が可能となり、あるいは使用空気量を低減できる。また、加圧空気のエネルギーで冷却媒体を移動できるので、ポンプ等は不要となる。
加圧空気の流量を、脱硝触媒装置が好適な脱硝効率で作動できる排ガス温度を400℃程度に常時保持し、且つ加圧空気流量を調整する空気加減弁の流量値を制限値に保持して前記脱硝触媒装置が低効率にならない600℃以下に維持することも可能となる。これにより、排ガス温度の制御性能が向上する。
図1は本発明の基本構成に係るDOC(酸化触媒)及びDPF(ディーゼルパティキュレートフィルター)、及び脱硝触媒装置を備えたディーゼルエンジンの排ガス処理の全体構成図である。
図1において、ディーゼルエンジン(以下エンジン100という)は、排気タービン110aとこれに同軸駆動されるコンプレッサ110bを有する排気ターボ過給機110を備えており、該過給機110のコンプレッサ110bから吐出された空気は空気管107を通って空気冷却器106に入り、該空気冷却器106で冷却される。
該空気冷却器106で冷却された空気は、給気スロットルバルブ105で開度を制御された後、給気マニホールド108bを通り、シリンダ毎に設けられた給気ポート108からエンジン100に吸入される。
また、排気マニホールド109bの途中から、EGR(排ガス再循環)管116が分岐されて、排ガス120の一部(EGRガス)はEGR管116を通り、EGRクーラ115で降温され、給気スロットルバルブ105の下流部位の給気マニホールド108bに投入される。
そして前記DPF122再生時には、該DOC121で排ガス120中の燃料を酸化させて昇温された後、排ガス後処理装置1のDPF122に送り込まれる。DPF122においては、前記DOCでHC(炭化水素)成分を酸化しこのとき発生する反応熱で、DPF122に堆積されているPMが燃焼処理される。
前記DPF122でPMが燃焼、除去された排ガスは、後述する脱硝触媒装置130に接続され、該脱硝触媒装置130でNOxが除去される。
本発明は、前記脱硝触媒装置130を、尿素及び、アンモニアを含む還元触媒が装填された脱硝触媒とし、該脱硝触媒装置130に流入する排ガス温度制御に関するものである。
従って、DPF122出口の排ガス温度は600〜650℃程度となり、この600〜650℃程度の排ガスが脱硝触媒装置130に導入される。
一般に尿素あるいはアンモニアを含む還元触媒の場合は、脱硝触媒装置130入口の排ガス温度は400℃程度が尿素あるいはアンモニアによる脱硝反応の適正作動温度とされている。しかしながら、脱硝触媒装置130入口の排ガス温度が尿素あるいはアンモニアを含む還元触媒に好適な400℃程度と低い場合には、DPF122でパティキュレートが燃焼する温度(一般的には600〜650℃)に達せず、前記400℃程度ではPMの燃焼には低すぎることとなる。
そして、該熱交換器131は、エンジン冷却水の一部を抜き出してエンジン冷却水導出路138にて供給された冷却水を冷却媒体として排ガスと熱交換して、該排ガスの温度を前記尿素あるいはアンモニアの適正作動温度に保持するように構成している。
そしてエンジン冷却水導出路138を通して送られてきた冷却水を熱交換器131にて、DPF122でPMが燃焼する温度(600〜650℃)に保持した排ガスと熱交換して、該排ガスの温度を、脱硝触媒装置130の尿素あるいはアンモニアを含む還元触媒に好適な400℃程度に降下せしめ、かかる熱交換後の冷却水は冷却水戻り路139を通って、前記サーモスタット133の出口に接続される。
前記冷却水はポンプ137aでエンジン冷却水導出路138及び冷却水戻り路139を循環される。該冷却水戻り路139には水量制御弁132が設置されている。
そして、弁コントローラ137においては、排気温度計134よりの排ガス温度の検出値に基づき前記水量制御弁132における冷却水の流量を、脱硝触媒装置130の尿素あるいはアンモニアの適正作動温度、つまり400℃程度になるように保持せしめる。
以上の制御により、排ガス温度の制御性能を向上させることができる。
そして、該冷却器136出口の配管136aを脱硝触媒装置130の排ガス通路112bの直上流に設置された混合器135に接続している。
該混合器135は、前記脱硝触媒装置130に用いられる尿素あるいはアンモニアを前記冷却器136出口の配管136aからの水で溶かして該脱硝触媒装置130に供給するように構成している。
このように構成すれば、脱硝触媒装置130通過後の排ガス中の水分を冷却器136で採取して、脱硝触媒装置130の排ガス通路112bの直上流に設置された混合器135に送り込むことにより、脱硝触媒装置130に供給用の尿素水やアンモニア水を効率的に得ることができる。
即ち、前記DPF122と脱硝触媒装置130との間の排ガス通路112bに熱交換器131を設けて、該熱交換器131において、エンジン冷却水の一部をエンジン冷却水導出路138で抜き出して冷却媒体として、排ガスと熱交換して排ガスの温度を脱硝触媒装置130の尿素あるいはアンモニアの適正作動温度近傍に低下させることができる。
即ち排ガスの温度を尿素あるいはアンモニアの適正作動温度である400℃程度まで低下させることができ、脱硝触媒装置130を脱硝効率の高い状態で作動させることができる。
さらに、熱交換器131では、排ガスとエンジン冷却水との熱交換であるため、排ガスと水との物性値の相違から比較的小さなスペースで熱交換器131を設置可能となる。
また、熱交換器131の設置による冷却水の移動手段であるポンプ類の駆動馬力はそれ程大きくないので、機関効率の低下は小さく、総合的にはコストメリットを得ることができる。
図2は本発明の参考例に係るDOC(酸化触媒)及びDPF(ディーゼルパティキュレートフィルター)、及び脱硝触媒装置を備えたディーゼルエンジンの排ガス処理の全体構成図である。
この参考例においては、前記DPF122と脱硝触媒装置130との間の排ガス通路112bに混合器140を設けている。
該混合器140は、前記排気ターボ過給機110のコンプレッサ110bの出口の空気管107から加圧空気の一部を抜き出して加圧空気入口管143にて供給して冷却媒体とし、該加圧空気を前記排ガスと混合することにより、該脱硝触媒装置130に供給する排ガスの温度を前記尿素あるいはアンモニアの適正作動温度(約400℃)に保持するように構成する。
また、加圧空気のエネルギーで冷却媒体を移動できるので、ポンプ等は不要となる。
そして、排気温度計134よりの排ガス温度の検出値に基づき前記空気加減弁142の冷却媒体の流量を、前記脱硝触媒装置130の尿素あるいはアンモニアの適正作動温度(400℃)になるように保持せしめる弁コントローラ141を設けている。
また、弁コントローラ141は、加圧空気の流量を調整する空気加減弁142の流量値を適正作動温度(400℃)になるように保持しているが、前記脱硝触媒装置130が低効率になる600℃になると、自動的に空気加減弁142を開き、流量値を上げて前記600℃以下の温度を保持する。
その他の構成は、前記基本構成(図1)と同様であり、これと同一の部材は同一の符号で示す。
図3は本発明の実施形態に係るDOC(酸化触媒)及びDPF(ディーゼルパティキュレートフィルター)、及び脱硝触媒装置を備えたディーゼルエンジンの排ガス処理の全体構成図である。
この実施形態においては、排気ターボ過給機200を、低圧過給機220と高圧過給機210とで構成し、低圧過給機220を低圧タービン220a及び低圧コンプレッサ220bにより構成し、高圧過給機210を高圧タービン210a及び高圧コンプレッサ210bにより構成した2段圧縮過給機としている。
そして、エンジン100から高圧過給機210及び低圧過給機220をこの順に経た排ガスを、DOC121及びDPF122を通し、さらに尿素あるいはアンモニアを含む還元触媒が装填された脱硝触媒装置130に通している。
該熱交換器145は、高圧過給機210の高圧コンプレッサ210bからの空気管107から加圧空気の一部(149aが抜出し部)を抜き出して加圧空気入口管149にて冷却媒体として導入され、該加圧空気と前記排ガスとを熱交換して、該脱硝触媒装置130に供給する排ガスの温度を前記尿素あるいはアンモニアの適正作動温度(400℃)に保持するように構成されている。
さらに、前記熱交換器145の出口の前記加圧空気を、加圧空気出口管150により前記低圧過給機220の低圧コンプレッサ220bと高圧過給機210の高圧コンプレッサ210bとの間の加圧空気通路150aに接続するように構成している。
そして、排気温度計134よりの排ガス温度の検出値に基づき前記空気加減弁148の加圧空気の流量を、前記脱硝触媒装置130の尿素あるいはアンモニアの適正作動温度(400℃)になるように保持せしめる弁コントローラ147を設けている。
また、前記弁コントローラ147は、加圧空気の流量を調整する空気加減弁148の流量値を適正作動温度(400℃)になるように保持しているが、前記脱硝触媒装置130が低効率になる600℃になると、自動的に空気加減弁148を開き、流量値を上げて前記600℃以下の温度を保持する。
また、加圧空気のエネルギーで冷却媒体を移動できるので、ポンプ等の移動手段は不要となる。
その他の構成は、前記基本構成(図1)と同様であり、これと同一の部材は同一の符号で示す。
100 エンジン
101 燃料噴射弁
104 給気管
105 給気スロットルバルブ
108 給気ポート
109 排気ポート
108b 給気マニホールド
109b 排気マニホールド
110、200 排気ターボ過給機
110a 排気タービン
110b コンプレッサ
210 高圧過給機
220 低圧過給機
210a 高圧タービン
210b 高圧コンプレッサ
220a 低圧タービン
220b 低圧コンプレッサ
111、112 排気管
116 EGR(排ガス再循環)管
120 排ガス
121 DOC
122 DPF
130 脱硝触媒装置
131 熱交換器
132 水量制御弁
133 サーモスタット
134 排気温度計
137 排気温度計
137 弁コントローラ
137a ポンプ
138 エンジン冷却水導出路
139 冷却水戻り路
140 混合器
142 空気加減弁
143 加圧空気入口管
145 熱交換器
147 弁コントローラ
148 空気加減弁
149 加圧空気入口管
150 加圧空気出口管
Claims (2)
- 排気ターボ過給機を、低圧過給機と高圧過給機との2段圧縮過給機とする一方、エンジンから高圧過給機及び低圧過給機をこの順に経た排ガスを、DOC及びDPFを通し、さらに前記DPF出口の排ガスを尿素あるいはアンモニアを含む還元触媒が装填された脱硝触媒装置に導き、前記DOCで排ガス中の燃料を酸化させ、前記DPFに堆積されたPMを前記DOCにて加熱された排ガスによって燃焼させ、前記脱硝触媒装置で排ガス中の脱硝を行うように構成されたディーゼルエンジンの排ガス後処理装置において、
前記DPFと前記脱硝触媒装置との間の排ガス通路に熱交換器を設け、該熱交換器は、前記高圧過給機の高圧空気出口管から加圧空気の一部を抜き出して加圧空気入口管にて供給された加圧空気を前記排ガスと熱交換して、該脱硝触媒装置に供給する排ガスの温度を前記尿素あるいはアンモニアによる脱硝反応の適正作動温度に保持するように構成されてなり、前記熱交換器の出口の前記加圧空気を、加圧空気出口管により前記低圧過給機と高圧過給機との間の加圧空気通路に接続したことを特徴とするディーゼルエンジンの排ガス後処理装置。 - 前記脱硝触媒装置入口の排ガス温度を計測する排気温度計と前記加圧空気入口管または加圧空気出口管の何れかに前記加圧空気の流量を調整する空気加減弁を設け、前記排気温度計よりの排ガス温度の検出値に基づき前記空気加減弁の流量を、前記脱硝触媒装置の尿素あるいはアンモニアによる脱硝反応の適正作動温度になるように保持せしめる弁コントローラを設けたことを特徴とする請求項1に記載のディーゼルエンジンの排ガス後処理装置。
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