JP5029102B2 - 伝達比可変装置 - Google Patents

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本発明は、車両の操舵伝達系の途中に設けられる伝達比可変機構を備えた伝達比可変装置に関するものである。
従来より、車両の操舵伝達系の途中に設けられる伝達比可変機構を備えた伝達比可変装置に関するものとして、下記特許文献1に示す、車両用操舵装置が知られている。この車両用操舵装置は、操舵伝達系における操舵用ハンドルに直結されるハンドル軸(入力軸)と、モータにより回転駆動される車輪操舵軸(出力軸)とが機械的に分離された構成を有し、ハンドル軸の角度位置および車速から決定される伝達比(舵角変換比)に基づいてモータを駆動することで車両の運転状況に応じた伝達比可変機能(伝達比可変機構)が構成されている。なお、このような「ハンドルと操舵輪とを連結する操舵伝達系の途中にてモータの駆動により伝達比を可変する伝達比可変機構」を、VGRS(Vriable Gear Ratio System )と称する場合もある。
操舵伝達系におけるハンドル軸と車輪操舵軸との間には、両軸を一体回転可能にロック結合するロック状態と、このロック結合を解除するアンロック状態との間で切り替え可能なロック機構が設けられている。例えば、モータへの通電異常などの異常が生じると、予定されている伝達比の制御が実行できなくなるおそれがあるので、このような場合には、ロック機構によりハンドル軸と車輪操舵軸とを一体回転可能にロック結合して伝達比可変機能を停止させる。
特開2004−058743号公報
ところで、伝達比可変機構を制御する制御装置が、外部から入力される角度動作量、例えば、上位の制御装置である車両の主制御装置から入力される角度動作量に基づいて伝達比可変機構を制御している場合において、異常過熱などの制御装置の異常が発生すると、当該制御装置は、ロック機構を作動させて操舵伝達系におけるハンドル軸と車輪操舵軸とをロック結合するように制御する。
このような場合であっても、制御装置は、伝達比可変機構を制御するための角度動作量を自ら変更することができないので、ハンドル軸と車輪操舵軸との位置関係にかかわらず両軸をロック結合する。このとき、操舵伝達系におけるハンドル軸と車輪操舵軸との中立位置がずれた状態で両軸をロック結合してしまうと、運転者がハンドルを直進状態に保舵しても操舵輪が直進状態にないために車両が偏向してしまい、運転者に違和感を与えてしまうという問題が生じる。
本発明は、上述した課題を解決するためになされたものであり、その目的とするところは、ロック結合時における操舵伝達系の中立位置を維持し得る伝達比可変装置を提供することにある。
上記目的を達成するため、特許請求の範囲に記載の請求項1の伝達比可変装置(20)では、ステアリングホイール(21)と操舵輪(FR、FL)とを連結する車両の操舵伝達系の途中に設けられ、前記ステアリングホイール側の入力軸(22)と前記操舵輪側の出力軸(23)と間の伝達比をモータ(40m)の回転駆動により変化可能な伝達比可変機構(40)と、上位の制御装置である車両の主制御装置(10)から入力される前記伝達比を変更するための角度動作量(θact)に応じて前記伝達比を変化させるように前記モータの回転駆動を制御するモータ制御手段(50)と、前記モータの回転駆動を阻止して前記入力軸と前記出力軸とを1:1の伝達比で連結し得るロック手段(30)と、前記モータ制御手段の異常を検出する異常検出手段(50、70)と、前記異常検出手段により緊急停止を要しない前記モータ制御手段の異常が検出された場合には、前記角度動作量が前記入力軸と前記出力軸との中立位置が一致しているとみなされる所定の閾値(θ)以下になると前記ロック手段を作動させるロック制御手段(50)と、を備えることを技術的特徴とする。
請求項1の発明では、モータ制御手段が上位の制御装置である車両の主制御装置から入力される伝達比を変更するための角度動作量に応じてモータの回転駆動を制御することにより、伝達比可変機構は、操舵伝達系におけるステアリングホイール側の入力軸と操舵輪側の出力軸との間の伝達比を変化させる。ロック制御手段は、異常検出手段により緊急停止を要しないモータ制御手段の異常が検出された場合には、角度動作量が入力軸と出力軸との中立位置が一致しているとみなされる所定の閾値以下になると入力軸と出力軸とを1:1の伝達比で連結(ロック結合)するようにロック手段を作動させる。
これにより、緊急停止を要しないモータ制御手段の異常、例えば、過熱保護を必要とする程度のモータ制御手段の異常が検出された場合には、上記角度動作量が上記所定の閾値以下になるまで両軸をロック結合せず、上記主制御装置から入力される角度動作量が上記所定の閾値以下になると両軸をロック結合するので、操舵伝達系における入力軸と出力軸との中立位置がずれた状態で両軸をロック結合してしまうような問題が生じることもない。したがって、ロック結合時における操舵伝達系の中立位置を維持することができる。
請求項2の発明では、ロック制御手段は、異常検出手段により緊急停止を要するモータ制御手段の異常が検出された場合には、上記主制御装置から入力される角度動作量にかかわらず入力軸と出力軸とを1:1の伝達比で連結(ロック結合)するようにロック手段を作動させる。
これにより、緊急停止を要するモータ制御手段の異常、例えば、予定されている伝達比の制御が実行不可能となる程度のモータ制御手段の異常が検出された場合には、上記角度動作量、すなわち、操舵伝達系における入力軸と出力軸との位置関係にかかわらず直ちに両軸をロック結合することができる。したがって、異常検出手段により検出されるモータ制御手段の異常の緊急度合に応じてロック手段を制御することができる。


請求項3の発明では、異常検出手段は、温度センサにより検出されるモータ制御手段の温度が当該モータ制御手段の過熱保護を必要とする第1の温度閾値以上であって予定されている伝達比の制御が実行不可能である第2の温度閾値未満である温度状態を、緊急停止を要しないモータ制御手段の異常として検出する。
これにより、温度センサにより検出されるモータ制御手段の温度に基づいて、当該モータ制御手段に発生している異常が緊急停止を要しない異常であるか否かについて確実に判断し得る。したがって、ロック結合時における操舵伝達系の中立位置を維持することができる。
以下、本発明の伝達比可変装置を車両制御装置に適用した一実施形態について図を参照して説明する。図1は、本実施形態に係る伝達比可変装置を適用した車両制御装置20の構成概要を示す説明図である。
図1に示すように、車両制御装置20は、主に、ステアリングホイール21、第1ステアリングシャフト22、第2ステアリングシャフト23、EPSアクチュエータ24、ロッド25、トルクセンサ26、ロック機構30、伝達比可変機構40、VGRS_ECU50、EPS_ECU60等から構成されている。
具体的には、ステアリングホイール21に第1ステアリングシャフト22の一端が接続され、この第1ステアリングシャフト22の他端側にはロック機構30を介して伝達比可変機構40の入力側が接続されている。この伝達比可変機構40の出力側には、第2ステアリングシャフト23の一端側が接続され、第2ステアリングシャフト23の他端側には、EPSアクチュエータ24の入力側が接続されている。
EPSアクチュエータ24は、電気式動力舵取装置であり、図示しないラック・ピニオンギヤ等により、第2ステアリングシャフト23によって入力された回転運動をロッド25の軸方向運動に変換して出力し得るとともに、EPS_ECU60により制御されるアシストモータ24mにより操舵状態に応じたアシスト力を発生させて運転者による操舵をアシスト可能に構成されている。このロッド25には操舵輪FR、FLが装着されている。
図2は、本実施形態に係るロック機構30を示す斜視図である。
ロック機構30は、伝達比可変機構40のVGRS用モータ40mの回転を阻止し得る機構で、主に、ハウジング31、ロックホルダ32、ロックアーム33、支軸34、ソレノイド35等により構成されており、その下方(第2ステアリングシャフト23側)にVGRS用モータ40mや減速機等を備えた伝達比可変機構40が位置している。この伝達比可変機構40の構成は公知であり、上述した特許文献1に詳細に開示されているので、ここでは説明を省略する。
ハウジング31は、ロック機構30を構成するロックホルダ32、ロックアーム33、ソレノイド35等をその内部に収容する機能を有するものである。なお、このハウジング31は、その下方(第2ステアリングシャフト23側)に伝達比可変機構40のハウジングを取付可能に構成することで、伝達比可変機構40のハウジング40aに連結された伝達比可変機構40の出力側、つまり第2ステアリングシャフト23とハウジング31との固定的な連結を可能にしている。
ロックホルダ32は、ロック機構30を貫通し伝達比可変機構40の入力側に連結されている第1ステアリングシャフト22の外側全周にわたって取付固定されるとともに、その外周には周方向所定間隔ごとに軸方向に延びる係合凹部32aが形成されている。なおこのロックホルダ32だけが、第1ステアリングシャフト22の回転に従い自在に回動し得るように構成されている。
ロックアーム33は、その一端側先端に係合凹部32aに係合可能な係合凸部33aが形成されているとともに、他端側に向かって「への字」形状に全体が形成され、その屈曲部位には支軸34が貫通可能な軸孔が形成されている。またロックアーム33の他端は、ソレノイド35のプランジャ35bの先端を連結可能な連結端33bが構成されている。
支軸34は、ロックアーム33の軸孔に貫通して軸支可能な軸径を有するもので、この支軸34に軸支されたロックアーム33が当該軸中心に回転した場合に、ロックアーム33の係合凸部33aがロックホルダ32の係合凹部32aに係合し得るように、当該支軸34の一端がハウジング31に固定されている。またこの支軸34には、ねじりコイルばね36も装着されており、このねじりコイルばね36は、当該支軸34に軸支されたロックアーム33の係合凸部33aがロックホルダ32の係合凹部32aに係合する方向にロックアーム33を付勢している。
ソレノイド35は、固定鉄心に巻回された電磁コイル35aと可動鉄心であるプランジャ35bとから構成されており、入出力ピン38を介して電磁コイル35aに励磁電流が供給されると、プランジャ35bを電磁コイル35a方向に電磁吸引する機能を有するものである。このプランジャ35bの先端は、ロックアーム33の連結端33bと連結可能に構成されている。そのため、支軸34に軸支されたロックアーム33の連結端33bがプランジャ35bに連結されることにより、ソレノイド35に励磁電流が供給された場合には、ロックアーム33をソレノイド35方向に引き寄せる力がロックアーム33に作用することとなる。なお、入出力ピン38を介して供給される励磁電流の有無は、VGRS_ECU50による後述のVGRS制御処理50a(図3参照)によって制御されている。
このように構成されたロック機構30は、支軸34に回転自在に軸支されたロックアーム33を有するとともに、当該ロックアーム33の係合凸部33aがロックホルダ32の係合凹部32aに係合する方向に、ねじりコイルばね36の付勢力によって付勢されている。このため、VGRS_ECU50の制御によってソレノイド35に励磁電流が供給されていない場合には、ロックホルダ32の係合凹部32aにロックアーム33の係合凸部33aが係合してロックホルダ32をその回転方向に係止した状態を維持することから、当該ロックホルダ32の回転が阻止される。その結果、当該ロックホルダ32に取り付けられて固定されている第1ステアリングシャフト22と、伝達比可変機構40のハウジング40aを介してハウジング31に固定的に連結されている第2ステアリングシャフト23と、が係合されるため、両軸は1:1の伝達比で連結される。つまり、入力軸である第1ステアリングシャフト22と出力軸である第2ステアリングシャフト23とをロック結合することができる。
一方、VGRS_ECU50の制御によってソレノイド35に励磁電流が供給されている場合には、ねじりコイルばね36の付勢力に抗してロックアーム33がソレノイド35方向に引き寄せられる。そのため、支軸34を中心にロックホルダ32の係合凹部32aからロックアーム33の係合凸部33aが外れる方向に回転することから、ロックアーム33によるロックホルダ32の係止が解かれて、ロックホルダ32の回転阻止が解除される。その結果、当該ロックホルダ32に固定された第1ステアリングシャフト22が、ハウジング31に連結された第2ステアリングシャフト23に係止されることなく、回転可能となる。つまり、入力軸である第1ステアリングシャフト22と出力軸である第2ステアリングシャフト23とを伝達比n:mで連結することができる(n,mは0を除いた正の数値)。
図1に示すように、VGRS_ECU50には、上位ECUである車両のMAIN_ECU10、ロック機構30、伝達比可変機構40、温度センサ70およびIGSWセンサ80が電気的に接続されており、EPS_ECU60には、EPSアクチュエータ24およびトルクセンサ26が電気的に接続されている。
MAIN_ECU10は、操舵伝達系における第1ステアリングシャフト22に対する第2ステアリングシャフト23の伝達比(以下、ステアリング伝達比ともいう)を変更するための角度動作量であるACT動作量θactをVGRS_ECU50へ出力する。このACT動作量θactは、MAIN_ECU10が第1ステアリングシャフト22の回転量および車速等に基づいて設定する、第2ステアリングシャフト23の中立位置からの回転量と考えることもできる。したがって、ACT動作量θact=0(ゼロ)である状態とは、第2ステアリングシャフト23を回転させる必要がない状態であることから、第1ステアリングシャフト22と第2ステアリングシャフト23との中立位置が一致している状態を意味する。
トルクセンサ26は、第2ステアリングシャフト23(操舵伝達系)の途中に設けられる図略のトーションバー等のねじれ量から操舵トルクTを検出し、その操舵トルクTに対応した検出信号をEPS_ECU60へ出力する。
温度センサ70は、VGRS_ECU50の温度(以下、ECU温度tともいう)を検出し、そのECU温度tに対応した検出信号をVGRS_ECU50へ出力する。
IGSWセンサ80は、図略のイグニッションスイッチ(IGSW)のオン状態またはオフ状態を検出し、その検出状態に対応した検出信号をVGRS_ECU50へ出力する。
次に、車両制御装置20におけるVGRS_ECU50およびEPS_ECU60による車両制御処理の概要を図3を参照して説明する。
図3(A) は、本実施形態に係る車両制御装置20のVGRS_ECU50によるVGRS制御処理を表した機能ブロック図を示し、図3(B) は、EPS_ECU60によるEPS制御処理を表した機能ブロック図を示す。
車両制御装置20では、VGRS_ECU50により伝達比可変機構40およびロック機構30を制御するVGRS制御処理50aが行われている。
具体的には、VGRS_ECU50は、MAIN_ECU10から入力されるACT動作量θactに応じたモータ電圧をモータ駆動回路によりVGRS用モータ40mに供給する。これにより、伝達比可変機構40およびVGRS_ECU50では、VGRS制御処理50aにより、MAIN_ECU10から入力されるACT動作量θactに応じてステアリング伝達比が変更される。また、後述するようにVGRS_ECU50に異常が生じた場合、VGRS制御処理50aにより、ロック機構30を作動させて第1ステアリングシャフト22と第2ステアリングシャフト23とがロック結合される。
また、車両制御装置20では、EPS_ECU60によりEPSアクチュエータ24のアシストモータ24mを制御するEPS制御処理60aが行われている。
具体的には、EPS_ECU60は、トルクセンサ26により検出される操舵トルクTに応じたEPSアクチュエータ24におけるアシストモータ24mの電流指令値を決定する処理を行い、決定した電流指令値に応じたモータ電圧をモータ駆動回路によりアシストモータ24mに供給する。これにより、EPSアクチュエータ24およびEPS_ECU60では、EPS制御処理60aにより、トルクセンサ26により検出した運転者の操舵状態に応じて、運転者の操舵をアシストするアシスト力をアシストモータ24mにより発生させている。
このように構成することによって、伝達比可変機構40およびVGRS_ECU50では、VGRS制御処理50aにより制御されるVGRS用モータ40mと減速機によって、MAIN_ECU10からのACT動作量θactに応じてステアリング伝達比を変更し、操舵伝達系における第1ステアリングシャフト22の操舵角に対する第2ステアリングシャフト23の出力角の比を可変する。また、EPSアクチュエータ24およびEPS_ECU60では、EPS制御処理60aにより制御されるアシストモータ24mによって、トルクセンサ26により検出した運転者の操舵状態(操舵トルクT)に応じて、運転者の操舵をアシストするアシスト力を発生させて運転者による操舵をアシスト可能にしている。
ところで、上位ECUである車両のMAIN_ECU10から出力されるACT動作量θactに基づいてステアリング伝達比を変更している間にVGRS_ECU50に異常が発生した場合には、予定されている伝達比の制御が実行できなくなるおそれがあるためにロック機構30を作動させて第1ステアリングシャフト22と第2ステアリングシャフト23とをロック結合する必要がある。
しかしながら、従来の伝達比可変装置では、VGRS_ECU50に緊急停止(緊急ロック結合)を要しないような緊急度合の低い異常、例えば、VGRS_ECU50の過熱保護が必要な程度の異常が発生した場合であってもロック機構30が作動してしまい、第1ステアリングシャフト22と第2ステアリングシャフト23との中立位置がずれた状態で両シャフト22、23をロック結合してしまう場合が想定される。
そこで、本実施形態に係る伝達比可変機構40におけるVGRS_ECU50では、以下に述べる図4に示すフローチャートに基づいてロック機構30を作動させることにより、VGRS_ECU50に緊急度合の低い異常が発生した場合には、第1ステアリングシャフト22と第2ステアリングシャフト23との中立位置が一致したときに両シャフト22、23をロック結合する。以下、VGRS_ECU50によるVGRS制御処理50aの流れを図4に示すフローチャートに基づいて詳細に説明する。
まず、ステップS101にてMAIN_ECU10からのACT動作量θactおよび温度センサ70にて検出されるVGRS_ECU50のECU温度tが、VGRS_ECU50に入力された後、ステップS103において、VGRS_ECU50についてシステム異常が発生しているか否かについて判定される。
ここで、例えば、過電流異常など、VGRS_ECU50がモータ制御不可能であるようなシステム異常が発生していれば(S103でYes)、予定されている伝達比の制御が実行できなくなるおそれがあるので、MAIN_ECU10から入力されるACT動作量θactにかかわらず、ステップS115にてソレノイド35に励磁電流を供給してロック機構30を作動させることにより第1ステアリングシャフト22と第2ステアリングシャフト23とをロック結合する。
一方、上述のようなシステム異常が発生していなければ(S103でNo)、ステップS105において、ECU温度tがVGRS_ECU50に過熱保護を必要とする温度である保護温度閾値t以上であるか否かについて判定される。なお、本実施形態においては、保護温度閾値tは100℃に設定されているが、運転状況などを考慮して100℃とは異なる温度に適宜設定してもよい。
ここで、ECU温度tが保護温度閾値t未満である場合には(S105でNo)、過熱保護する必要もなく通常の制御状態であるから、ステップS107において、ACT動作量θactに基づいて伝達比可変機構40のVGRS用モータ40mを駆動してステアリング伝達比を変更することにより、第1ステアリングシャフト22の操舵角に対する第2ステアリングシャフト23の出力角を変更する。
このように第2ステアリングシャフト23の出力角を変更した後、ステップS109においてIGSWがオフであるか否かについて判定され、IGSWセンサ80からの検出信号によりIGSWがオフ状態であれば(S109でYes)、ACT動作量θactにかかわらず、ステップS115にて第1ステアリングシャフト22と第2ステアリングシャフト23とをロック結合する。一方、IGSWがオン状態であれば(S109でNo)、上記ステップS101からの処理が繰り返される。なお、IGSWがオフ状態でありステップS109にてYesと判定された場合には、現時点で入力されているACT動作量θactをVGRS_ECU50の図略の不揮発性メモリ等に記憶させた後に両シャフト22、23をロック結合し、再びIGSWがオン状態になったときに上述のように不揮発性メモリ等に記憶されたACT動作量θactを読み出すとともにロック結合を解除するようにしてもよい。
このようなステップS101からの繰り返し処理中に、VGRS_ECU50に温度異常が生じてECU温度tが保護温度閾値t以上となると(S105でYes)、ステップS111において、ECU温度tが予定されている伝達比の制御が実行できなくなるほどの緊急停止を要する温度である限界温度閾値t以上であるか否かについて判定される。なお、本実施形態においては、限界温度閾値tは110℃に設定されているが、運転状況などを考慮して110℃とは異なる温度に適宜設定してもよい。
ここで、ECU温度tが限界温度閾値t以上である場合には(S111でYes)、緊急停止を要する温度異常がVGRS_ECU50に発生していることから、予定されている伝達比の制御が実行できなくなるおそれがあるので、ACT動作量θactにかかわらず、ステップS115にて第1ステアリングシャフト22と第2ステアリングシャフト23とをロック結合する。
一方、ECU温度tが限界温度閾値t未満の場合には(S111でNo)、ステップS113において、MAIN_ECU10から入力されるACT動作量θactが、第1ステアリングシャフト22と第2ステアリングシャフト23との中立位置が一致しているとみなされる角度閾値であるθ以下であるか否かについて判定される。なお、本実施形態においては、角度閾値θは、0(ゼロ)に設定されているが、第1ステアリングシャフト22と第2ステアリングシャフト23との中立位置が一致しているとみなされる角度であればよい。
ここで、MAIN_ECU10から入力されるACT動作量θactが角度閾値θ以下でなければ、第1ステアリングシャフト22と第2ステアリングシャフト23との中立位置がずれた状態であるから、直ちに第1ステアリングシャフト22と第2ステアリングシャフト23とをロック結合すると両シャフト22、23の中立位置がずれてしまう。
現時点において、ECU温度tは、保護温度閾値t以上であって限界温度閾値t未満である温度状態、すなわち、過熱保護を必要とするが緊急停止を要しない温度状態であるから、両シャフト22、23を緊急にロック結合する必要も無い。そこで、ECU温度tが保護温度閾値t以上であって限界温度閾値t未満である場合にはステップS113にてNoと判定することにより、MAIN_ECU10から入力されるACT動作量θactが角度閾値θ以下になるまでステップS107でACT動作量θactに基づいて伝達比可変機構40におけるVGRS用モータ40mの駆動処理がなされる。
このような状況のもと、ステップS103でNo、ステップS105でYes、ステップS111でNo、ステップS113でNoおよびS109でNoとの判定を繰り返している間、すなわち、VGRS_ECU50のECU温度tが過熱保護を必要とするが緊急停止を要しない温度状態を維持している間に、MAIN_ECU10から入力されるACT動作量θactが角度閾値θ以下になると(S113でYes)、このとき第1ステアリングシャフト22と第2ステアリングシャフト23との中立位置が一致しているとみなされる状態にあるから、ステップS115にて第1ステアリングシャフト22と第2ステアリングシャフト23との中立位置を一致させた状態で両シャフト22、23をロック結合する。
以上説明したように、本実施形態に係る伝達比可変装置では、VGRS_ECU50がMAIN_ECU10から入力されるACT動作量θactに応じてVGRS用モータ40mの回転駆動を制御することにより、伝達比可変機構40は、操舵伝達系における第1ステアリングシャフト22と第2ステアリングシャフト23との間のステアリング伝達比を変化させる。そして、VGRS_ECU50は、温度センサ70により検出されるECU温度tが保護温度閾値t以上限界温度閾値t未満であることから緊急停止を要しないVGRS_ECU50の異常が検出された場合には、ACT動作量θactが角度閾値θ以下になると両シャフト22、23とを1:1の伝達比で連結(ロック結合)するようにロック機構30を作動させる。
これにより、上述のように緊急停止を要しないVGRS_ECU50の異常が検出された場合には、ACT動作量θactが角度閾値θ以下になるまで両シャフト22、23をロック結合せず、ACT動作量θactが角度閾値θ以下になると両シャフト22、23をロック結合するので、操舵伝達系における第1ステアリングシャフト22と第2ステアリングシャフト23との中立位置がずれた状態で両シャフト22、23をロック結合してしまうような問題が生じることもない。したがって、ロック結合時における操舵伝達系の中立位置を維持することができる。
また、本実施形態に係る伝達比可変装置では、VGRS_ECU50は、温度センサ70により検出されるECU温度tが限界温度閾値t以上であることから緊急停止を要するVGRS_ECU50の異常が検出された場合には、MAIN_ECU10から入力されるACT動作量θactにかかわらず第1ステアリングシャフト22と第2ステアリングシャフト23とを1:1の伝達比で連結(ロック結合)するようにロック機構30を作動させる。
これにより、緊急停止を要するVGRS_ECU50の異常(予定されているステアリング伝達比の制御が実行不可能となる程度の異常)が検出された場合には、ACT動作量θact、すなわち、操舵伝達系における第1ステアリングシャフト22と第2ステアリングシャフト23との位置関係にかかわらず直ちに両シャフト22、23をロック結合することができる。したがって、検出されるVGRS_ECU50の異常の緊急度合に応じてロック機構30を制御することができる。
さらに、本実施形態に係る伝達比可変装置では、温度センサ70により検出されるVGRS_ECU50のECU温度tが当該VGRS_ECU50の過熱保護を必要とする温度閾値(保護温度閾値t)以上であって予定されているステアリング伝達比の制御が実行不可能な温度閾値(限界温度閾値t)未満である温度状態を、緊急停止を要しないVGRS_ECU50の異常として検出する。
これにより、温度センサ70により検出されるVGRS_ECU50のECU温度tに基づいて、当該VGRS_ECU50に発生している異常が緊急停止を要しない異常であるか否かについて確実に判断し得る。したがって、ロック結合時における操舵伝達系の中立位置を維持することができる。
なお、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、以下のように具体化してもよく、その場合でも、上記実施形態と同等の作用・効果が得られる。
(1)VGRS_ECU50は、ステップS105およびステップS111において、温度センサ70により検出されるECU温度tが保護温度閾値t以上であって限界温度閾値t未満であるか否かの判定に基づいて、緊急停止を要しないVGRS_ECU50の異常を検出することに限らず、例えば、VGRS_ECU50の電流値が過電流保護を必要とする電流閾値以上であって緊急停止を要しない電流閾値未満であるか否かの判定に基づいて、緊急停止を要しないVGRS_ECU50の異常を検出してもよいし、ステアリング伝達比を変更する制御において比較的重要でない信号、例えば、車速等の信号がVGRS_ECU50に入力されているか否かの判定に基づいて、緊急停止を要しないVGRS_ECU50の異常を検出してもよい。
(2)VGRS_ECU50は、MAIN_ECU10から入力されるACT動作量θactに応じたモータ電圧をモータ駆動回路によりVGRS用モータ40mに供給することに限らず、VGRS_ECU50に必要な指示を出力する上位のECUなど、外部から入力される動作量に応じたモータ電圧をモータ駆動回路によりVGRS用モータ40mに供給するようにしてもよい。
(3)VGRS_ECU50は、ECU温度tが過熱保護を必要とするが緊急停止を要しない温度状態であると判定(S105でYes、S111でNo)された後、ACT動作量θactが角度閾値θ以下になり(S113でYes)、第1ステアリングシャフト22と第2ステアリングシャフト23との中立位置を一致させた状態で両シャフト22、23をロック結合した場合において、VGRS_ECU50のECU温度tが保護温度閾値t未満になると、両シャフト22、23のロック結合を解除するようにしてもよい。
すなわち、異常検出手段(50、70)により緊急停止を要しないモータ制御手段の異常が検出されてロック制御手段(50)によりロック手段(30)を作動させた後に上記緊急停止を要しないモータ制御手段の異常が解消した場合には、ロック制御手段は、ロック手段による入力軸(22)と出力軸(23)との1:1の伝達比での連結(ロック結)を解除するようにしてもよい。
これにより、モータ制御手段の異常が解消した場合には、自動的にロック結合を解除して、外部(10)から入力される動作量(θact)に応じて伝達比を変更することができる。
本実施形態に係る伝達比可変装置を適用した車両制御装置の構成概要を示す説明図である。 本実施形態に係る車両制御装置のロック機構を示す斜視図である。 図3(A)は、本実施形態に係る車両制御装置のVGRS_ECUによるVGRS制御処理を表した機能ブロック図であり、図3(B)は、EPS_ECUによるEPS制御処理を表した機能ブロック図である。 本実施形態に係る伝達比可変装置のVGRS_ECUによるロック制御の流れを示すフローチャートである。
符号の説明
10…MAIN_ECU(外部)
20…車両制御装置(伝達比可変装置)
21…ステアリングホイール
22…第1ステアリングシャフト(操舵伝達系、入力軸)
23…第2ステアリングシャフト(操舵伝達系、出力軸)
24…EPSアクチュエータ(操舵伝達系)
24m…アシストモータ
26…トルクセンサ
30…ロック機構(ロック手段)
40…伝達比可変機構
40m…VGRS用モータ
50…VGRS_ECU(モータ制御手段、異常検出手段、ロック制御手段)
60…EPS_ECU
70…温度センサ(異常検出手段)
80…IGSWセンサ
t…ECU温度
…保護温度閾値(第1の温度閾値)
…限界温度閾値(第2の温度閾値)
θact…ACT動作量(動作量)
θ…角度閾値(所定の閾値)

Claims (3)

  1. ステアリングホイールと操舵輪とを連結する車両の操舵伝達系の途中に設けられ、前記ステアリングホイール側の入力軸と前記操舵輪側の出力軸と間の伝達比をモータの回転駆動により変化可能な伝達比可変機構と、
    上位の制御装置である車両の主制御装置から入力される前記伝達比を変更するための角度動作量に応じて前記伝達比を変化させるように前記モータの回転駆動を制御するモータ制御手段と、
    前記モータの回転駆動を阻止して前記入力軸と前記出力軸とを1:1の伝達比で連結し得るロック手段と、
    前記モータ制御手段の異常を検出する異常検出手段と、
    前記異常検出手段により緊急停止を要しない前記モータ制御手段の異常が検出された場合には、前記角度動作量が前記入力軸と前記出力軸との中立位置が一致しているとみなされる所定の閾値以下になると前記ロック手段を作動させるロック制御手段と、
    を備えることを特徴とする伝達比可変装置。
  2. 前記ロック制御手段は、前記異常検出手段により緊急停止を要する前記モータ制御手段の異常が検出された場合には、前記角度動作量にかかわらず前記ロック手段を作動させることを特徴とする請求項1記載の伝達比可変装置。
  3. 前記モータ制御手段の温度を検出する温度センサを備え、
    前記異常検出手段は、前記温度センサにより検出される前記モータ制御手段の温度が当該モータ制御手段の過熱保護を必要とする第1の温度閾値以上であって予定されている前記伝達比の制御が実行不可能である第2の温度閾値未満である温度状態を、前記緊急停止を要しない前記モータ制御手段の異常として検出することを特徴とする請求項1または2記載の伝達比可変装置。
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