JP5028959B2 - 便座用発熱体とそれを備えた暖房便座とそれを備えたトイレ装置 - Google Patents

便座用発熱体とそれを備えた暖房便座とそれを備えたトイレ装置 Download PDF

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Description

本発明は、暖房機能を有する便座に関するものである。
従来この種の暖房便座は、図12に示すように、合成樹脂製の馬蹄形の便座の着座部に面状発熱体101を埋設していた。この面状発熱体101は金属箔シート102と粘着テープ103との間にフッ素樹脂を絶縁皮膜104とした外径1mm以下のコード状ヒータ105を略長U字形状の連続した配線パターンで挟持したものである。
実際には、7本の0.05mmのニッケルクロム合金線を撚り線状態にした抵抗線106にフッ素樹脂としてETFE(エチレン−テトラフルオロエチレンの共重合体の架橋体)で被覆して、外径約0.55mmのコード状ヒータ105としている。
これによって、コード状ヒータ105の絶縁皮膜104として薄肉であっても十分な機械的強度を有し、かつ比較的高温まで溶融しにくいフッ素樹脂を使用したことにより、コード状ヒータ105の外径を1mm以下の細径にすることが可能で、面状発熱体101の表面を平滑に近くでき、便座に埋設する際に合成樹脂の流れを円滑にできるというものであった(例えば、特許文献1参照)。
特開平8−78143号公報
しかしながら、前記従来の構成においては、コード状ヒータ105に通電がなされて抵抗線106が発熱する際に熱膨張が発生し、特に、略長U字形状の長手方向に伸張度が高い傾向となる。
そして、暖房便座においては、その保温機能を維持するために、通電のON、OFFなどの制御がなされ、それに伴い、コード状ヒータ105の抵抗線106は熱膨張、収縮を繰り返す。
前記熱膨張、収縮による歪みは、コード状ヒータ105、金属箔シート102、粘着テープ103の三者の間に発生した空隙107などで集中して発生して増幅されるため、時として断線を生起し、便座の暖房性能が失われることがあった。
本発明は前記従来の課題を解決するもので、発熱体の熱膨張、収縮を合理的に吸収して発熱体の破損を防止し、耐久性を大幅に向上させることを目的とするものである。
前記従来の課題を解決するために、本発明の便座用発熱体は、コード状発熱体と、前記コード状発熱体を上下で挟持して、前後に長辺と左右に短辺で形成された主体部を有する便座の着座部に配設される箔体と、を備え、前記コード状発熱体は、前記主体部の長辺方向の一端から他端へ向けて短辺方向である左右方向に凹凸部を有するように蛇行させながら配設した第1の系列と、前記第1の系列を方向転換したものであって、前記主体部の長辺方向の他端から一端へ向けて短辺方向である左右方向に凹凸部を有するように蛇行させながら配設した第2の系列とを有し、前記第1の系列と前記第2の系列とは、前記第1の系列の凹部に前記第2の系列の凸部がかみあうように、および、前記第1の系列の凸部に前記第の系列の凹部がかみあうようにして重複した形態で間隔をおいて配設され、前記第1の系列と前記第2の系列とは、通電時における電流の向きが逆になるようにしたことを特徴とするものである。
したがって、この構成により通電のON、OFFの繰返しでなど発生するコード状発熱体の熱膨張、収縮による熱応力歪を緩和、低減し、またコード状発熱体を第1の系列と第2の系列とし、電流の向きを逆としたために、熱放散が大きい着座部の内、外周での加熱分布を高め、暖房温度の均一化が図れ、電磁波の発生を抑えることも可能となる。
本発明の暖房便座は、発熱体の熱膨張、収縮による熱応力歪を緩和、低減する熱応力緩衝作用で、発熱体の破損を防止できるのみならず、着座部の温度分布特性を高め、快適な暖房が実現できるものである。
第1の発明は、コード状発熱体と、前記コード状発熱体を上下で挟持して、前後に長辺と左右に短辺で形成された主体部を有する便座の着座部に配設される箔体と、を備え、前記コード状発熱体は、前記主体部の長辺方向の一端から他端へ向けて短辺方向である左右方向に凹凸部を有するように蛇行させながら配設した第1の系列と、前記第1の系列を方向転換したものであって、前記主体部の長辺方向の他端から一端へ向けて短辺方向である
左右方向に凹凸部を有するように蛇行させながら配設した第2の系列とを有し、前記第1の系列と前記第2の系列とは、前記第1の系列の凹部に前記第2の系列の凸部がかみあうように、および、前記第1の系列の凸部に前記第の系列の凹部がかみあうようにして重複した形態で間隔をおいて配設され、前記第1の系列と前記第2の系列とは、通電時における電流の向きが逆になるようにしたことを特徴とする便座用発熱体である。
第2の発明は、第1の発明において、前記コード状発熱体は、絶縁被覆で被覆したエナメル線を有し、前記箔体の前記コード状発熱体を挟持する面には耐熱絶縁層を設けたものである。
第3の発明は、第1又は第2の発明において、前記コード状発熱体は1本の発熱体からなることを特徴としたものである。
第4の発明は、第1又は第2の発明において、前記コード状発熱体は複数の発熱体からなることを特徴としたものである。
第5の発明は、第4の発明において、前記複数の発熱体は、それぞれを1つのグループとし、前記箔体において配設部位を異ならせたことを特徴としたものである。
第6の発明は、第1の発明から第5のいずれかの発明の便座用発熱体を、着座部を有する便座の内面に貼着したものである。
第7の発明は、第6の発明において、入室検知手段を備え、前記入室検知手段で入室を検知すると、人体が着座するまでの時間に前記コード状発熱体へ通電して前記着座部を暖房温度に昇温し、不使用時には前記コード状発熱体の加熱を停止または前記暖房温度よりも低い温度で前記着座部を保温することを特徴としたものである。
第8の発明は、第6または第7の発明の暖房便座において、前記コード状発熱体は、前記着座部の外周側又は内周側に曲げ部を設けて前記箔体に配設されたことを特徴とするものである。
第9の発明は、第6から第8の発明において、着座部を良導熱体のアルミニウムとしたものであります。
第10の発明は、第6から第9の発明の暖房便座において、前記コード状発熱体の一部に密蛇行部を設け、前記密蛇行部は前記着座部の異常温度を検知する検温部としたものである。
第11の発明は、第6から第10のいずれか1つに記載の暖房便座を便器に装着したトイレ装置としたものである。
本発明は、着座部、およびこの着座部の下方に配置した便座本体と、前記着座部の内面に配設した発熱体とを備え、前記発熱体は着座部の内周側と外周側とに曲げ部が位置するようにそれぞれ蛇行状に形成された複数系列のコード状発熱体で構成して、コード状発熱体における曲げ部間部位の熱歪発生を抑制した。つまり、曲げ部間部位の長さを最小に設定できるものである。
系列化された蛇行状のコード状発熱体を複数グループに区分すれば、着座部の温度分布を変えることも可能で、例えば、臀部が接する部位とそれ以外の部位とで暖房温度を異ならせることもできる。
隣接する系列のコード状発熱体に流れる電流の向きを逆方向に設定することでコード状発熱体の全領域で電磁波の発生を抑えることができる。
蛇行状のコード状発熱体の電流系は、単一電流系、つまりは1本のコード状発熱体を蛇行状に形成しても、或いは蛇行状のコード状発熱体の電流系を系列毎に異ならせてもよく、グループ毎に異ならせることも考えられるものである。
細線化を目的として、コード状発熱体をエナメル線で構成し、またこのエナメル線を絶縁被覆で被覆したものも考えられるであろう。
蛇行状のコード状発熱体は、具体的には熱良導性の箔体を介して着座部の内面に取着される。さらに具体的には、対応して絶縁シートを有し、それら絶縁シート側を接着した上下熱良導性箔体の間にコード状発熱体を挟持し、上方の熱良導性箔体を着座部の内面に取着する。
そして、着座部を熱良導材で構成すれば瞬間的に便座の暖房が行われる。もちろん前記暖房便座を便器に装着すれば、優れた機能のトイレ装置となる。
以下本発明の実施例を述べる前にその参考実施例について図面を参照して説明する。
(参考実施例1)
図1〜図4において、暖房便座1は、金属として板厚約1mmのアルミニウムの板材を成型して構成した着座部2と、この着座部2を上方に配置した便座本体3で構成してある。
また、図4(a)にも示すように、着座部2に装着した発熱体4は、ニッケルめっきを施した銅線を材料とし、抵抗値が0.4Ω/m、外径0.25mmの単一の導体線5に、フッ素含有樹脂のテトラフルオロエチレンパーフルオロアルキルビニルエーテルコポリマー(以後PFAと呼称)からなる被覆厚約0.2mmの一層の絶縁被覆6を構成した約10mのコード状発熱体7を用いている。
また、このコード状発熱体7は、箔厚0.05mmのアルミニウム箔で構成した第一金属箔シート8、および粘着層9を介してこの第一金属箔シート8上に接着された第二金属箔シート10で挟持されている。そして、第二金属箔シート10の上面に設けた粘着層11により着座部2の内面に接着されている。
また、コード状発熱体7は、その始端部12と終端部13の間を着座部2の形状に合わせて蛇行形状に配設したものである。
蛇行形状は、具体的には、左右各6列程度のU字幅の間隔が約5mmの略U字状部14を、使用者が通常に着座する場合における大腿部の着座方向にほぼ並行に沿わせた形状である。
さらに、蛇行形状の経路中に、複数の熱応力緩衝部15を構成したもので、具体的形状は、図1において楕円指示したように、各略U字状部14に複数の偏曲部16を構成した配列である。
また、着座方向に略直交する着座部2の断面では、その両端部近傍ではコード状発熱体7を密に配設し、中央部近傍では疎に配設している。断面部の一例として、図2、図3において、W−W断面の端部17,18近傍では密に設定し、中央部19近傍では疎に配設している。
以上のように構成された暖房便座1について、以下、動作、作用について説明する。
発熱体4の始端部12と終端部13に一定の電圧で通電されると、内部の導体線5を電流が流れ、オームの法則にしたがってこの導体線5が発熱する。この時、発生した熱は、導体線5から絶縁被覆6、第一の金属箔シート8、第二の金属箔シート10、そして着座部2の下面側から上面側に熱伝導する。
コード状発熱体7は、絶縁被覆6が250℃程度の高温まで耐熱性を保持しているPFAで構成されているため、被覆厚が0.15〜0.2mmと薄くても、導体線5の100〜150℃への急速昇温に対しても絶縁被覆6が破壊されることはないものである。
したがって、コード状発熱体7から着座部2への熱伝導がすばやく進行して急速に昇温する。
この場合、コード状発熱体7に通電されて所定の最適温度に到達するのは5〜6秒と短時間であり、例えば、使用者がトイレ室(図示せず)に入室して着座部2に着座するまで7〜8秒より短時間であり、使用者がトイレ室に入室したことを赤外線センサなどの何らかの検知手段(図示せず)で検知すると同時にコード状発熱体7に通電を開始しても、使用者が着座するまでには十分、最適温度に到達させることができる。
さらに、着座部2にあって、通常、内、外周部17,18近傍は中央部19近傍に比べて周囲への放熱が多いため、内、外周部17,18の近傍でコード状発熱体7を密に設定し、当該部位での加熱分布を高くしており、したがって、使用者が着座部2に着座した瞬間に、温度ムラや冷感を感ずることがない。
一方、コード状発熱体7は全長10m程度の長いものであり、導体線5の急速昇温に伴って急速な膨張が発生し、結果として長さ方向に伸張する。また、通電が停止された場合は、導体線5の温度が低下し、収縮によって元の長さに戻る。つまり、導体線5には熱膨張、収縮による熱応力歪が反復して形成されることになる。
このような熱応力歪は、コード状発熱体7と第一,第二の金属箔シート8,10の密着が弱かったり、着座部2との間に隙間が構成されたりした場合、熱応力歪全体がそれらのうちの最も動きやすい箇所に集中することになり、その結果、比較的強い屈伸運動が発生して、その応力疲労の蓄積により導体線5の破断といったコード状発熱体7の破損が発生する。
しかるに、本参考実施例では、コード状発熱体7を形成する略U字状部14に熱応力緩衝部15として複数の偏曲部16を構成しており、これらの偏曲部16が全体の熱応力歪を細かく分散させるだけでなく、吸収する作用をも果たすため、これらの部分での熱応力は極めて小規模で、結果として微小な屈伸の発生に留まり、導体線5の破断といった事態には至らず、コード状発熱体7の長寿命化、耐久性を向上させることができる。
偏曲部16の配置やその数は、比較的放熱の多い着座部の端部17,18近傍では中央部19近傍に比べて配設間隔を長くしたり、また、配設数を少なくしても同様の効果が得られる。
さらに、コード状発熱体7は、全長がほぼ10mという長いものであり、また略U字状部14に偏曲部16を構成するため、着座部2への装着時にこれらの配列を維持、固定化する必要があるが、コード状発熱体7を第一,第二の金属箔シート8,10の間に挟持して密着させることによってユニット化された発熱体4となるため、その配列を強固に維持した状態で着座部2に接着することができる。
また、このような挟持構成は、第一,第二の金属箔シート8,10によって均等に熱分散ができ、コード状発熱体7が高温化することを防ぎ、着座部2の均熱化と発熱体4の破損防止にも有効である。
一方、本参考実施例では、発熱体4の導体線5の抵抗値は0.4Ω/mのものを用いたが、印加電圧などによって0.3〜0.9Ω/mの範囲が使用できる。
また、絶縁被覆6の被覆厚も、0.15〜0.3mmの範囲であれば絶縁性とすばやい熱伝導性は確保可能である。
コード状発熱体7の構成としては、図4(b)に示すように、導体線5に二重のPFAの絶縁被覆20,21からなる合計被覆厚0.2mmの絶縁被覆22で被覆したものも考えられ、内側の絶縁被覆20にピンホールなどが発生していても外側の絶縁被覆21で絶縁性を確保できるため、絶縁性が向上する。
また、図4(c)に示すように、外径0.09mmの導体線23を7本撚り合わせた合計抵抗値が0.4Ω/mの集合導体線24に二重にPFAの絶縁被覆20,21からなる合計被覆厚約0.2mmの絶縁被覆22で被覆したものでもよく、二重絶縁によって絶縁性能が向上するだけでなく、撚り線による集合導体線24であるところから単線の場合に比べ、熱膨張、収縮による応力を分散でき、さらに長期耐久性を確保することができる。
(参考実施例2)
図5(a)において、参考実施例1と異なる点は、外径0.25mmの銅線25にPAI、またはPIを材料とした被覆厚0.012mmの絶縁被覆26を施した外径0.254mmの単一のエナメル線27に、PFAからなる被覆厚0.12mmの絶縁被覆28を施したコード状発熱体7を用いたところである。
以上のように、単一のエナメル線27を用いて、その上に絶縁被覆28を形成することによって、二重絶縁構造が確保できる。しかも、PAI、またはPIは耐熱性にも優れ、PIに至っては最高360℃まで耐熱性を確保できる。
また、二層目のPFAの絶縁被覆28は比較的薄くても問題なく、実質的な被覆厚は参考実施例1の場合に比べて薄くすることができる。
さらに、図5(b)に示すように、外径0.09mmの銅線29にPAI、またはPIを材料とした被覆厚0.005mmの絶縁被覆30を形成したエナメル線31を7本撚り合わせ、これらの合計抵抗値が0.4Ω/mの集合導体線32にPFAの絶縁被覆33を構成したコード状発熱体7も考えられる。
この場合、撚り線によるエナメル線31の集合導体線32となっているため、単線に比べ、熱膨張、収縮による応力を分散でき、さらに長期耐久性を確保することができる。
以上の参考実施例を踏まえ、以下本発明の実施例を添付図面を参照しつつ説明する。
(実施例1)
図6〜9において、便座51は、合成樹脂などで形成された便座本体52と、この上方に設けた着座部53とから構成してある。
着座部53の形状として、本実施例1では左右の主体部先端を間隔をおいて形成した、所謂、馬蹄状を挙げているが、場合によっては、主体部先端がつながった楕円輪状のものも考えら、また、その材質としては、板厚約1mmのアルミニウムなどの熱良導性板材が使用されている。
熱良導性とした着座部53は即熱特性を重視したものであって、この場合には、トイレへの使用者の入室を、例えば赤外線式の人体検知センサーで検知して着座部53を速熱的に暖房温度に昇温させるようにしており、トイレ不使用時にはその着座部53の加熱を停止するか、或いは所定温度よりも低い保温温度に維持するようにしている。
着座部53の内面には発熱体54が配設してある。すなわち、前記発熱体54はエナメル線55を絶縁材56で被覆したコード状発熱体57が採用されており、上、下熱良導性の箔体58,59の間に蛇行状に配列保持されている。
エナメル線55は、外径0.25mmの銅線60にPAI、またはPIを材料とした被覆厚0.012mmの絶縁被覆61を施した外径0.254mmのものであり、外周をPFAなどからなる被覆厚0.12mmの絶縁被覆56でさらに被覆した構成である。
前記エナメル線55を挟持する箔体58,59は、0.05mmのアルミニウム箔材が使用されており、それらの対抗面、つまりはエナメル線挟持面には層厚0.025mmのPETなどの耐熱絶縁層62,63が施されている。
耐熱絶縁層62,63を粘着剤で接着することで前記上、下箔体58,59は一体化されており、また上箔体58は着座部53の内面に同じく粘着剤を介して接着してある。
このように、コード状発熱体57は、エナメル線55の絶縁被覆61、それを被覆する絶縁被覆56、さらには箔体58,59の耐熱絶縁層62,63で三重に絶縁対策が施されているので、非常に安全性の高いものとしてある。
ところで、コード状発熱体57は先述したように蛇行状としてあるが、具体的には、馬蹄状、若しくは楕円輪状である着座部53の内周側と外周側とに曲げ部64,65が位置するような蛇行状としてある。
そして、前記蛇行構成は単なる単一系列蛇行ではなく、複数系列としてある。本実施例では2系列のものが示されており、Aが第1系列、Bが第2系列であって、1本のコード状発熱体57からなる。
さらに述べると、コード状発熱体57の始端部57aから着座部53の左主体部の先へ蛇行状にのびるのが第1系列A、その先端部で方向転換する形で両主体部の連結部方向へ蛇行状に戻るのが第2系列Bであり、右主体部にあってもその先端部へ蛇行状にのびるのが第1系列A、連結部方向へ蛇行状に戻るのが第2系列Bとなっており、最後に終端部57bに至るようにしてある。
前記の構成において、今、コード状発熱体57に通電して発熱させると、その熱は箔体58,59から着座部53に伝熱され、全面を所定の暖房温度に加温することとなる。
箔体58,59は上下2枚のものが一体化されている形にあるので、下部箔体59に伝導された熱も熱伝導しやすい上部箔体58に殆んどが伝わり、有効に着座部53に熱移動するものである。
そして、コード状発熱体57は、着座部53の内周側と外周側とに曲げ部64,65が位置するような蛇行状としてあるために、曲げ部64と65間が短く、熱膨張に起因する長さ変化が小さいものとなる。例え伸縮があっても曲げ部64,65がそれを吸収する緩衝部位となるところから、結局、コード状発熱体57の熱膨張に起因するストレスが小さくなり、長期間の使用でも破損などを抑制できるものである。
また、コード状発熱体57の熱的伸縮が小さいので箔体58,59に対する密着性も長期間良好に維持できることとなり、これにより着座部53の加温が効率的に、かつ確実に行うことができるものである。
次に、コード状発熱体57を第1系列A、第2系列Bの2系列に設定した技術的意義について以下説明する。
図10に示すように、蛇行状コード状発熱体57における第1系列A、第2系列Bの内、外周側曲げ部64,65は間隔をおいて重複した形態にあり、それぞれの曲げ長さLA,LB、およびそれら間の間隔Sを任意に調整できることとなる。つまり、それらの値で着座部53の内、外周部位の加熱分布を調整できるものである。
これまで述べたように、着座部53の内、外周部位からの放熱は中央部よりも大きく、したがって、内、外周部位の加熱分布を中央部位よりも高くしておけば、着座部53の全領域において均等な暖房温度を維持できることとなる。
例えば、曲げ長さLA,LBを大きくするか、間隔Sを小さくするとともに、着座部53の内、外周部位に近づけるなど、少なくとも一方を実行すれば、内、外周部位の加熱分布を高くできる。
また、着座部53の外周縁は便座本体52との結合のため、立下り縁となっているが、その立下り縁の高さは相手方である便座本体52との関係で全周均一とは限らず、部分的に高い部位と低い部位とが存在する。高い部位は低い部位に比べ表面積が大きくなるために放熱量が多い。
この場合にも、曲げ長さLA,LBおよび/または間隔Sを調整して、高い部位の加熱分布を低い部位の加熱分布よりも高くすることで対応できるものである。
さらに、本実施例では1本のコード状発熱体57で2系列の蛇行状を構成しているために、それぞれの曲げ部64,65でも第1系列A、第2系列Bの電流の向きが必然的に逆となり、発生する電磁波も互いが打ち消すような形となる。故に、ノイズ発生の面でも非常に有効となる。
本実施例では着座部53における左右主体部の連結部では曲げ部64,65が左右にあり、左右主体部の蛇行構成とは異なるが、曲げ部64、65間の長さが短いところから、コード状発熱体57の熱膨張に起因するストレスを小さくし、箔体58,59に対する密着性向上を図る上では相当の価値を見出すことができるものであり、必要とあれば、左右主体部の連結部でも内、外周に曲げ部を有する蛇行構成を採用してもよい。
なお、コード状発熱体57の一部を蛇行とした検温部66,67が2箇所形成してあり、一方の検温部66にはバイメタルなどを使った復帰型のサーモスタットが、他方の検温部67には温度ヒューズなどを使用した非復帰型のサーモスタットがそれぞれ対設されようにしてあり、例えば、着座部53が想定外の異常温度となると復帰型のサーモスタットが開いて一時的に通電を停止し、また復帰型のサーモスタットが故障などを起こして
危険温度に達しようとすると非復帰型のサーモスタットが開いて電源を遮断するようにしている。
(実施例2)
図11は本発明の実施例2を示し、コード状発熱体57を第1系列A、第2系列Bの2系列に設定した点で実施例1と同じであるが、異なるところは、それぞれ第1系列A、第2系列Bの2系列に設定したコード状発熱体57を左右のグループに区分した点である。
なお、実施例1と同作用をする構成については同一符号を付し、詳細な説明は実施例1のものを援用する。
図11のものでは、1本のコード状発熱体57の長さが短くなり、その分、断線などのリスクを抑えることができるものである。
図11では左右の2グループに区分したものを示したが、前後方向に複数のグループに区分して、例えば、臀部に相当する部位と、大腿部に相当する部位と、それ以外の加熱分布を調整することも可能である。
もちろん、前記複数グループに区分したときに、電流系も別々に設定するのが望ましく、加えて、同一グループ内における第1,第2系列A,Bの電流の向きは、電磁波の発生を抑止する上で、好ましくは逆方向とする。
なお、蛇行状のコード状発熱体57の系列化は前記実施例1,2の2系列に特定されることはなく、必要に応じて3系列以上の複数系列に設定することももちろん可能である。
以上の実施例から明らかなように、本発明の本質は、発熱体54を、着座部53の内周側と外周側とに曲げ部64,65が位置するようにそれぞれ蛇行状に形成された複数系列のコード状発熱体57で構成した点にあり、コード状発熱体57としてはエナメル線55に特定されることはなく、例えば、先の参考実施例で挙げた図4,5のものであってもよく、また、即熱タイプの着座部ではなく、常時、暖房温度を維持しておく通常の暖房便座へももちろん展開可能で、便器上にセットすれば快適なトイレにすることができるものである。
以上のように、本発明にかかる暖房便座は、着座部の温度的特性を向上したもので、快適なトイレを創出する可能性をもつものである。
本発明の参考実施例1における暖房便座の発熱体の配列図 同参考実施例1の着座部の上面図 図2のW−W断面図 同発熱体の拡大断面図 参考実施例2における発熱体の拡大断面図 本発明の実施例1を示す暖房便座における発熱体の配列図 同暖房便座の着座部の上面図 同暖房便座の断面図 同発熱体の拡大断面図 同作用説明図 本発明の実施例2を示す暖房便座における発熱体の配列図 (a)従来の暖房便座における発熱体の配列図、(b)同発熱体部の断面図
52 便座本体
53 着座部
54 発熱体
55 エアナメル線
56 絶縁被覆
57 コード状発熱体
58,59 箔体
64,65 曲げ部
A,B 系列
34 エナメル線
39 集合エナメル線

Claims (11)

  1. コード状発熱体と、
    前記コード状発熱体を上下で挟持して、
    前後に長辺と左右に短辺で形成された主体部を有する便座の着座部に配設される箔体と、を備え、
    前記コード状発熱体は、
    前記主体部の長辺方向の一端から他端へ向けて短辺方向である左右方向に凹凸部を有するように蛇行させながら配設した第1の系列と、
    前記第1の系列を方向転換したものであって、前記主体部の長辺方向の他端から一端へ向けて短辺方向である左右方向に凹凸部を有するように蛇行させながら配設した第2の系列と
    を有し、
    前記第1の系列と前記第2の系列とは、前記第1の系列の凹部に前記第2の系列の凸部がかみあうように、および、前記第1の系列の凸部に前記第の系列の凹部がかみあうようにして重複した形態で間隔をおいて配設され、
    前記第1の系列と前記第2の系列とは、通電時における電流の向きが逆になるようにしたことを特徴とする便座用発熱体。
  2. 前記コード状発熱体は、絶縁被覆で被覆したエナメル線を有し、前記箔体の前記コード状発熱体を挟持する面には耐熱絶縁層を設けた請求項1に記載の便座用発熱体。
  3. 前記コード状発熱体は1本の発熱体からなることを特徴とした請求項1または2に記載の便座用発熱体。
  4. 前記コード状発熱体は複数の発熱体からなることを特徴とした請求項1または2に記載の便座用発熱体。
  5. 前記複数の発熱体は、それぞれを1つのグループとし、前記箔体において配設部位を異ならせたことを特徴とした請求項4記載の便座用発熱体。
  6. 着座部を有する便座の内面に請求項1から5のいずれか1項に記載の便座用発熱体を貼着した暖房便座。
  7. 入室検知手段を備え、
    前記入室検知手段で入室を検知すると、人体が着座するまでの時間に前記コード状発熱体へ通電して前記着座部を暖房温度に昇温し、
    不使用時には前記コード状発熱体の加熱を停止または前記暖房温度よりも低い温度で前記着座部を保温することを特徴とした請求項6記載の暖房便座。
  8. 前記コード状発熱体は、前記着座部の外周側又は内周側に曲げ部を設けて前記箔体に配設されたことを特徴とする、請求項6または7に記載の暖房便座
  9. 着座部を良導熱体のアルミニウムとした請求項6から8のいずれか1項に記載の暖房便座。
  10. 前コード状発熱体の一部に密蛇行部を設け、
    前記密蛇行部は前記着座部の異常温度を検知する検温部とした請求項6から9のいずれか1項に記載の暖房便座。
  11. 請求項6から10のいずれか1項記載の暖房便座を便器に装着したトイレ装置。
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