JP2003310485A - 便座装置およびそれを備えた衛生洗浄装置 - Google Patents

便座装置およびそれを備えた衛生洗浄装置

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JP2003310485A
JP2003310485A JP2002126795A JP2002126795A JP2003310485A JP 2003310485 A JP2003310485 A JP 2003310485A JP 2002126795 A JP2002126795 A JP 2002126795A JP 2002126795 A JP2002126795 A JP 2002126795A JP 2003310485 A JP2003310485 A JP 2003310485A
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JP
Japan
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toilet seat
seat device
casing
magnesium alloy
heating
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Pending
Application number
JP2002126795A
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English (en)
Inventor
Hideki Ono
英樹 大野
Tomohide Matsumoto
朋秀 松本
Shigeru Shirai
白井  滋
Hiroaki Fujii
宏明 藤井
Ryoichi Koseki
良一 古関
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Panasonic Holdings Corp
Original Assignee
Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 少い消費電力で効率の良い暖房を行うことが
できるとともに安価かつ容易に製造できる便座装置およ
びそれを備えた衛生洗浄装置を提供する。 【解決手段】 便座装置400は、便座ケーシング40
5、線状ヒータ10および電源回路490により構成さ
れている。便座ケーシング405は、マグネシウム合金
により形成されており、内部に線状ヒータ10を備え
る。また、線状ヒータ10は、均等な間隔をもって便座
ケーシング405の便座表板の裏面全体にわたって蛇行
するように配置されている。さらに、線状ヒータ10の
両端部は電源回路490に接続されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、人体の局部を洗浄
する際に用いられる便座装置およびそれを備えた衛生洗
浄装置に関する。
【0002】
【従来の技術】人体の局部を洗浄する衛生洗浄装置の分
野においては、人体に不快感を与えないようにするため
に、例えば、洗浄に用いる洗浄水を適切な温度に調整す
る加熱装置や人体との接触部の温度を適切な温度に調整
する便座装置等様々な機能を有する装置が案出されてい
る。なかでも、上記に示す便座装置によれば、使用者は
冬場等気温が低い場合においても不快感を感じることな
く便座装置上に着座することができる。
【0003】以下、従来より用いられている便座装置の
構造について図12〜図14に基づき説明する。図12
は、従来の便座装置を上面より見た場合の模式的透視図
であり、図13は、図12に示す便座装置のZ−Z線断
面図であり、図14は、図13に示す便座装置のZ−Z
線断面の一部を拡大した図である。
【0004】図12および図13によれば、便座装置9
00は、便座ケーシング905、線状ヒータ10x、ア
ルミ薄膜950および電源回路990により構成されて
いる。便座ケーシング905は、ABS(アクリルニト
リルブタジエンスチレン)樹脂もしくはPP(ポリプロ
ピレン)樹脂等の樹脂により構成されている。便座ケー
シング905は、さらに便座表板901および便座裏板
902により形成されており、内部にアルミ薄膜950
および線状ヒータ10xを備える。
【0005】線状ヒータ10xは、均等な間隔をもって
便座表板901の裏面全体にわたって蛇行するように配
置されている。アルミ薄膜950は、さらに線状ヒータ
10xの全体を覆うように便座表板901の裏面側に貼
着されている。また、線状ヒータ10xの両端部は、電
源回路990に接続されている。
【0006】上記に示す線状ヒータ10xおよびアルミ
薄膜950の便座表板901への貼着は、次のようにし
て行われる。
【0007】初めに、線状ヒータ10xおよびアルミ薄
膜950は、離型紙(図示せず)および粘着層940よ
りなる粘着シート(図示せず)の粘着層940上に貼着
される。ここで、粘着シートは、予め便座表板901と
同形状に形成されている。
【0008】そして、線状ヒータ10xおよびアルミ薄
膜950が貼着された粘着シートの離型紙が剥離され、
図14に示すように線状ヒータ10xおよびアルミ薄膜
950が粘着層940を介して便座表板901の裏面側
に貼着される。
【0009】上記構成を有する便座装置900におい
て、電源回路990が線状ヒータ10xの両端に電圧を
印加することにより線状ヒータ10xに電流が流れる。
それにより、線状ヒータ10xが熱を発生する。そし
て、線状ヒータ10xにより発生された熱はアルミ薄膜
950により便座表板901の全体に均一に伝達され
る。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】上記の従来の便座装置
900においては、便座ケーシング905の材質が樹脂
であるため、強度を確保するために補強用のリブ(図示
せず)を設けたり、肉厚を2mm以上に設計したりする
必要がある。
【0011】また、便座装置900の線状ヒータ10x
は、熱伝導性に乏しい樹脂に熱を伝達する必要がある。
つまり、線状ヒータ10xより発生する熱は、大きい損
失を伴って便座ケーシング905の着座面に伝達され
る。そのため、便座装置900に用いられる消費電力が
高くなる。そして、便座装置900においては、線状ヒ
ータ10xが発生する熱を便座ケーシング905の着座
面全体に均一に伝達するために上述のアルミ薄膜950
が必要となっている。そのため、部品点数および製造工
程が多くなる。
【0012】本発明の目的は、少い消費電力で効率の良
い暖房を行うことができるとともに安価かつ容易に製造
できる便座装置およびそれを備えた衛生洗浄装置を提供
することである。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明に係る便座装置
は、着座面を有する便座ケーシングと、便座ケーシング
に内蔵され、着座面を加熱する加熱手段とを備え、便座
ケーシングがマグネシウム合金により形成されたもので
ある。
【0014】本発明に係る便座装置においては、マグネ
シウム合金により形成された便座ケーシングの内部に加
熱手段が備えられ、便座ケーシングの有する着座面を加
熱手段が加熱する。
【0015】このように、便座ケーシングがマグネシウ
ム合金により形成されているので、質感が向上するとと
もに、以下に示す効果が得られる。
【0016】マグネシウム合金は熱伝導性に優れてい
る。これにより、加熱手段の発生する熱が着座面の全体
に均一に伝達されるので、アルミニウム薄膜などの均熱
板が不要であり、構成および製造工程の簡素化が図られ
る。さらに、マグネシウム合金の熱伝導性によれば、便
座装置の不使用時に着座面の温度が低い状態であって
も、加熱手段の発生する熱により急激に着座面を昇温す
ることができる。したがって、便座装置の不使用時にお
ける加熱手段の消費電力が低減される。
【0017】マグネシウムは多く存在する物質であるた
め、安価である。これにより、製作時における低コスト
化が図られる。
【0018】また、マグネシウム合金は再利用しやす
い。つまり、再加工時に必要となるエネルギーが低減で
きる。
【0019】マグネシウム合金は人体に対し安全であ
る。これにより、使用者は金属アレルギー等の心配をす
る必要がない。
【0020】マグネシウム合金は非常に軽量である。こ
れにより、便座装置の開閉に必要な使用者の負担が低減
される。
【0021】マグネシウム合金は電磁波のシールド性に
優れている。これにより、加熱手段より発生する電磁波
が人体に及ぶことが防止できる。
【0022】マグネシウム合金は加工性に優れている。
これにより、便座装置の製造が容易となる。
【0023】マグネシウム合金は耐くぼみ性に優れてい
る。これにより、外部に露出した便座装置の便座ケーシ
ングは、設置工事の際に工具が衝突した場合において
も、大きいくぼみができにくい。
【0024】上記に示す各種マグネシウム合金の特徴に
より、少い消費電力で効率の良い暖房を行うことができ
るとともに安価かつ容易に製造できる便座装置が実現す
る。
【0025】加熱手段は、線状発熱体を含み、線状発熱
体は、便座ケーシングにおける着座面の裏面側に接着層
を介して貼着されてもよい。
【0026】この場合、線状発熱体は接着層を介して便
座ケーシングにおける着座面の裏面側に貼着されるの
で、便座装置の構成および製造工程の簡素化が図られ
る。
【0027】加熱手段は、外部に接着層を有する線状発
熱体を含み、線状発熱体は、便座ケーシングにおける着
座面の裏面側に融着により貼着されてもよい。
【0028】この場合、線状発熱体の外部に設けられる
接着層が、便座ケーシングにおける着座面の裏面側に融
着されるので、便座装置の構成および製造工程の簡素化
が図られる。
【0029】加熱手段は、帯状発熱体を含み、帯状発熱
体は、便座ケーシングにおける着座面の裏面側に印刷さ
れてもよい。
【0030】この場合、帯状発熱体は便座ケーシングに
おける着座面の裏面側に印刷されるので、便座装置の製
造を機械化することができる。また、帯状発熱体が便座
ケーシングにおける着座面の裏面側に面で接触するた
め、帯状発熱体の発生する熱が効率よく着座面に伝達さ
れる。さらに、帯状発熱体が便座ケーシングにおける着
座面の裏面側に面で接触するため、帯状発熱体が熱を発
生した場合に便座ケーシングにおける着座面に温度むら
が生じない。
【0031】加熱手段に24V以下の電圧を印加する電
源回路をさらに備えてもよい。この場合、加熱手段に
は、電源回路により24V以下の電圧が印加される。こ
れにより、使用者は、便座装置から漏電があった場合に
おいても、感電によるダメージを受ける心配がない。
【0032】便座ケーシングの表面に、コーティングに
よる防錆処理が行われてもよい。この場合、便座ケーシ
ングの表面にコーティングがなされることにより、マグ
ネシウム合金により形成される便座ケーシングの耐食性
が向上し、過酷な環境下にあるトイレの空間において
も、便座装置の耐久性が向上する。
【0033】便座ケーシングの表面に、塗装による防錆
処理が行われてもよい。この場合、便座ケーシングの表
面に塗装がなされることにより、マグネシウム合金によ
り形成される便座ケーシングの耐食性が向上し、過酷な
環境下にあるトイレの空間においても、便座装置の耐久
性が向上する。
【0034】マグネシウム合金は、マグネシウム、アル
ミニウムおよび亜鉛を含むんでもよい。この場合、高強
度で耐食性が高い便座装置が実現する。また、このマグ
ネシウム合金の成形は、チクソモールド法により行うこ
とができる。
【0035】人体を検出する検出手段をさらに備え、検
出手段による検出に応答して加熱手段が昇温してもよ
い。この場合、検出手段が人体を検出することにより、
便座ケーシングにおける着座面が加熱手段により昇温さ
れる。したがって、便座装置の不使用時における加熱手
段の消費電力が低減される。便座装置の不使用時に着座
面の温度が低い状態であっても、便座ケーシングがマグ
ネシウム合金により形成されるので加熱手段の発生する
熱により急激に着座面を昇温することができる。
【0036】本発明に係る衛生洗浄装置は、洗浄水を人
体の局部に噴出する噴出手段と、便座装置とを備え、便
座装置は、着座面を有する便座ケーシングと、便座ケー
シングに内蔵され着座面を加熱する加熱手段とを含み、
便座ケーシングが、マグネシウム合金により形成された
ものである。
【0037】本発明に係る衛生洗浄装置においては、噴
出手段により洗浄水が人体の局部に噴出される。また、
マグネシウム合金により形成された便座ケーシングの内
部に加熱手段が備えられ、便座ケーシングの有する着座
面を加熱手段が加熱する。
【0038】このように、便座ケーシングがマグネシウ
ム合金により形成されているので、質感が向上するとと
もに、以下に示す効果が得られる。
【0039】マグネシウム合金は熱伝導性に優れてい
る。これにより、加熱手段の発生する熱が着座面の全体
に均一に伝達されるので、アルミニウム薄膜などの均熱
板が不要であり、構成および製造工程の簡素化が図られ
る。さらに、マグネシウム合金の熱伝導性によれば、便
座装置の不使用時に着座面の温度が低い状態であって
も、加熱手段の発生する熱により急激に着座面を昇温す
ることができる。したがって、便座装置の不使用時にお
ける加熱手段の消費電力が低減される。
【0040】マグネシウムは多く存在する物質であるた
め、安価である。これにより、製作時における低コスト
化が図られる。
【0041】また、マグネシウム合金は再利用しやす
い。つまり、再加工時に必要となるエネルギーが低減で
きる。
【0042】マグネシウム合金は人体に対し安全であ
る。これにより、使用者は金属アレルギー等の心配をす
る必要がない。
【0043】マグネシウム合金は非常に軽量である。こ
れにより、便座装置の開閉に必要な使用者の負担が低減
される。
【0044】マグネシウム合金は電磁波のシールド性に
優れている。これにより、加熱手段より発生する電磁波
が人体に及ぶことが防止できる。
【0045】マグネシウム合金は加工性に優れている。
これにより、衛生洗浄装置の製造が容易となる。
【0046】マグネシウム合金は耐くぼみ性に優れてい
る。これにより、外部に露出した便座装置の便座ケーシ
ングは、設置工事の際に工具が衝突した場合において
も、大きいくぼみができにくい。
【0047】上記に示す各種マグネシウム合金の特徴に
より、少い消費電力で効率の良い暖房を行うことができ
るとともに安価かつ容易に製造できる衛生洗浄装置が実
現する。
【0048】噴出手段および加熱手段を制御する制御部
を内蔵する本体ケーシングをさらに備え、本体ケーシン
グがマグネシウム合金により形成されてもよい。この場
合、噴出手段および加熱手段は制御部により制御され
る。
【0049】このように、本体ケーシングがマグネシウ
ム合金により形成されているので、質感が向上するとと
もに、製作時における低コスト化、再加工時に必要とな
るエネルギーの低減、安全性の向上、加工性の向上およ
び耐くぼみ性の向上が図られる。その結果、安価かつ容
易に製造できる衛生洗浄装置が実現する。
【0050】便座装置に開閉自在に設けられた便蓋をさ
らに備え、便蓋がマグネシウム合金により形成されても
よい。
【0051】このように、便蓋がマグネシウム合金によ
り形成されているので、質感が向上するとともに、軽量
化、製作時における低コスト化、再加工時に必要となる
エネルギーの低減、安全性の向上、加工性の向上および
耐くぼみ性の向上が図られる。その結果、安価かつ容易
に製造できる衛生洗浄装置が実現する。
【0052】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態に係る
便座装置およびそれを備えた衛生洗浄装置について説明
する。
【0053】(第1の実施の形態)図1は、第1の実施
の形態に係る衛生洗浄装置を便器に装着した状態を示す
斜視図である。
【0054】図1に示すように、便器600上に衛生洗
浄装置100が装着される。タンク700は、水道配管
に接続されており、便器600内に洗浄水を供給する。
【0055】衛生洗浄装置100は、本体部200、遠
隔操作装置300、便座装置400および便蓋部500
により構成される。
【0056】本体部200には、便座装置400および
便蓋部500が開閉自在に取り付けられる。また、本体
部200には、ノズル部800を含む洗浄水供給機構が
設けられるとともに、制御部および人体検出センサ25
0が内蔵されている。本体部200の制御部は、遠隔操
作装置300により送信される信号に基いて、洗浄水供
給機構を制御する。さらに、本体部200の制御部は、
後述の人体検出センサ250により送信される信号に基
づき後述の便座装置400に内蔵された線状ヒータを制
御したり、本体部200に設けられた脱臭装置(図示せ
ず)および温風供給装置(図示せず)等を制御したりす
る。
【0057】遠隔操作装置300には、複数の調整スイ
ッチ、おしりスイッチ、刺激スイッチ、停止スイッチ、
ビデスイッチ、乾燥スイッチおよび脱臭スイッチ等(図
示せず)が備えられている。そして、使用者が各種スイ
ッチを押下することにより本体部200の制御部に各種
指令信号が送信される。例えば、使用者がおしりを洗浄
したい場合におしりスイッチを押下すると、おしりの洗
浄を行う旨の指令信号が本体部200の制御部に送信さ
れる。
【0058】人体検出センサ250には、赤外線センサ
または超音波センサ等が用いられる。そして、人体検出
センサ250は、使用者の存在を検知することにより衛
生洗浄装置100の使用が開始された旨の信号を本体部
200の制御部に送信する。
【0059】上記に示す衛生洗浄装置100の本体部2
00のケーシング、便座装置400の後述する便座ケー
シングおよび便蓋部500は、マグネシウム合金により
形成されている。
【0060】以下に、第1の実施の形態に係る衛生洗浄
装置100の便座装置400の構造について図2〜図6
に基づき説明する。
【0061】図2は、第1の実施の形態に係る衛生洗浄
装置100の便座装置400を上面より見た場合の模式
的透視図であり、図3は、図2に示す便座装置400の
A−A線断面図である。
【0062】図2および図3によれば、便座装置400
は、便座ケーシング405、線状ヒータ10および電源
回路490により構成されている。便座ケーシング40
5は、さらに便座表板401および便座裏板402によ
り形成されており、内部に線状ヒータ10を備える。ま
た、線状ヒータ10の両端部は電源回路490に接続さ
れている。
【0063】線状ヒータ10は、均等な間隔をもって便
座表板401の裏面全体にわたって蛇行するように配置
されている。また、線状ヒータ10の両端部は、電源回
路490に接続されている。以下に、線状ヒータ10の
構造について説明する。
【0064】図4は、第1の実施の形態に係る便座装置
400に用いられる線状ヒータ10の構造を示す切り欠
き斜視図である。
【0065】図4によれば、線状ヒータ10は、芯線1
1、発熱線12および被覆チューブ13を含み、芯線1
1が発熱線12に巻回され、さらに発熱線12が巻回さ
れた芯線11が被覆チューブ13により被覆されてい
る。ここで、上記に示す芯線11はポリエステル等によ
り形成され、発熱線12は銅合金等により形成され、被
覆チューブ13はシリコンゴム等により形成されてい
る。そして、電源回路490が発熱線12に電圧を印加
することにより発熱線12に電流が流れる。それによ
り、発熱線12が熱を発生し、発熱線12より発生した
熱は被覆チューブ13を介して外部へ放出される。本実
施の形態において、線状ヒータ10には最大24Vの電
圧が印加される。
【0066】上記に示す電源回路490による発熱線1
2への電圧の印加は、本体部200の制御部290によ
り制御される。つまり、上述のように人体検出センサ2
50は、使用者の存在を検知することにより衛生洗浄装
置100の使用が開始された旨の信号を本体部200の
制御部に送信する。そして、人体検出センサ250より
衛生洗浄装置100の使用が開始された旨の信号を受信
した制御部290は、電源回路490を制御し、発熱線
12への電圧の印加を行う。
【0067】図5は、第1の実施の形態に係る便座装置
400に使用可能な線状ヒータの他の例を示す切り欠き
斜視図である。
【0068】図5によれば、線状ヒータ50は、芯線1
1、発熱線12、保護層51および被覆チューブ52を
含み、芯線11が発熱線12に巻回され、発熱線12が
巻回された芯線11が保護層51により巻回され、さら
に保護層51が被覆チューブ52により被覆されてい
る。ここで、上記に示す芯線11はポリエステル等によ
り形成され、発熱線12は銅合金等により形成され、保
護層51は横巻糸等により形成され、被覆チューブ52
は耐熱PVC(塩化ビニル)等により形成されている。
そして、発熱線12の両端に電圧を印加することにより
発熱線12に電流が流れる。それにより、発熱線12が
熱を発生し、発熱線12より発生した熱は保護層51お
よび被覆チューブ52を介して外部へ放出される。
【0069】図6は、図3に示す便座装置400のA−
A線断面の一部を拡大した図である。
【0070】図6によれば、便座表板401の裏面に
は、上記に示す線状ヒータ10が粘着層21を介して直
接貼着されている。また、便座表板401の表面は、ブ
ラスト加工により下地処理面41が形成され、下地処理
面41上にテフロン42がコーティングされている。こ
こで、下地処理面41およびテフロン42のコーティン
グは図3の便座裏板402の表面にも施されている。
【0071】なお、本実施の形態においては、上記に示
すように便座ケーシング405の表面はテフロン42の
コーティングによる表面処理がなされているが、便座ケ
ーシング405の表面に下塗りプライマー層を設け、さ
らに下塗りプライマー層上に上塗り塗膜層を形成するこ
とにより表面処理を行ってもよい。
【0072】上記構成を有する便座装置400において
は、線状ヒータ10は上述のように電圧が印加されるこ
とにより熱を発生し、線状ヒータ10により発生された
熱はマグネシウム合金により形成された便座表板401
の全体に均一に伝達される。このようにして、便座装置
400による暖房が行われる。
【0073】以上に示す衛生洗浄装置100の本体部2
00のケーシング、便座装置400の便座ケーシング4
05および便蓋部500に用いられるマグネシウム合金
には、Mg−Al−Zn合金が用いられる。Mg−Al
−Zn合金としては、例えばマグネシウムにアルミニウ
ムが約9%、亜鉛が約1%の割合で添加され、さらに微
量のマンガン、ケイ素、銅、ニッケルおよび鉄が添加さ
れたもの(AZ91D)が用いられる。このAZ91D
は高強度で耐食性が高い。そして、このマグネシウム合
金の成形は、チクソモールド法により行われる。このチ
クソモールド法によれば、マグネシウム合金に熱と振動
を加えることにより樹脂と同様の射出成形が可能とな
る。
【0074】本実施の形態に係る衛生洗浄装置100に
おいては、上記に示すように本体部200のケーシン
グ、便座装置400の便座ケーシング405および便蓋
部500が、マグネシウム合金により形成されているた
め、質感が向上するとともに、以下に示す特徴を有す
る。
【0075】マグネシウム合金は熱伝導性に優れてい
る。これにより、上述のように便座表板401の裏面側
に線状ヒータ10が直接貼着された場合においても、線
状ヒータ10より発生する熱が便座表板401の表面側
に均一に伝達される。つまり、便座装置400の製造時
においては、アルミニウム薄膜などの均熱板が不要であ
り、構成および製造工程の簡素化が図られる。
【0076】さらに、マグネシウム合金の熱伝導性によ
れば、便座装置400の待機時の温度が低い状態であっ
ても、線状ヒータ10の発熱とともに急激に便座装置4
00の着座面の温度が上昇するため消費電力を低減する
ことができる。
【0077】マグネシウムは地球上で8番目に多く存在
する物質であるため、安価である。これにより、製作時
における低コスト化が図られる。
【0078】また、マグネシウム合金は再利用しやす
い。つまり、再加工時に必要となるエネルギーが低減で
きる。
【0079】マグネシウム合金は人体に対し安全であ
る。これにより、使用者は金属アレルギー等の心配をす
る必要がない。
【0080】マグネシウム合金は非常に軽量である。こ
れにより、便座装置400および便蓋部500の開閉に
必要な使用者の負担が低減される。
【0081】マグネシウム合金は電磁波のシールド性に
優れている。これにより、線状ヒータ10より発生する
電磁波が人体に及ぶことが防止できる。
【0082】マグネシウム合金は加工性に優れている。
これにより、衛生洗浄装置100の製造が容易となる。
【0083】マグネシウム合金は耐くぼみ性に優れてい
る。これにより、外部に露出した本体部200のケーシ
ング、便座装置400の便座ケーシング405および便
蓋部500は、設置工事の際に工具が衝突した場合にお
いても、大きいくぼみができにくい。
【0084】また、本実施の形態に係る衛生洗浄装置1
00においては、上記に示すように便座装置400に用
いられる電圧は最大で24Vである。これにより、使用
者は、便座装置400から漏電があった場合において
も、感電によるダメージを受ける心配がない。
【0085】さらに、本実施の形態に係る衛生洗浄装置
100においては、上記に示すように便座装置400の
便座ケーシング405の表面は、テフロンによりコーテ
ィングされている。これにより、金属材料であるマグネ
シウム合金の耐食性が向上し、過酷な環境下にあるトイ
レの空間においても、衛生洗浄装置100の耐久性が向
上する。また、テフロンによるコーティングに代えて塗
膜層が設けられる場合においても、上記と同様の効果が
得られる。
【0086】(第2の実施の形態)第2の実施の形態に
係る衛生洗浄装置は、以下に示す便座装置の構造を除き
第1の実施の形態に示す衛生洗浄装置と同様の構造を有
する。
【0087】以下に、第2の実施の形態に係る衛生洗浄
装置の便座装置について図7および図8に基づき説明す
る。
【0088】第2の実施の形態に係る便座装置410に
おいては、第1の実施の形態に係る便座装置400に用
いられる線状ヒータ10に代えて接着チューブ22を有
する線状ヒータ60が用いられている。なお、線状ヒー
タ60は、図2および図3に示す便座装置400と同様
に、均等な間隔をもって便座表板401の裏面全体にわ
たって蛇行するように配置されている。また、線状ヒー
タ60の両端部は、電源回路に接続されている。
【0089】図7は、第2の実施の形態に係る便座装置
410に用いられる線状ヒータ60の構造を示す切り欠
き斜視図である。
【0090】図7によれば、線状ヒータ60は、芯線1
1、発熱線12、被覆チューブ13および接着チューブ
22を含み、芯線11が発熱線12に巻回され、発熱線
12が巻回された芯線11が被覆チューブ13により被
覆され、さらに被覆チューブ13が接着チューブ22に
より被覆されている。ここで、上記に示す芯線11はポ
リエステル等により形成され、発熱線12は銅合金等に
より形成され、被覆チューブ13はシリコンゴム等によ
り形成され、接着チューブ22はポリエチレン等により
形成されている。そして、電源回路が発熱線12に電圧
を印加することにより発熱体12に電流が流れる。それ
により、発熱線12が熱を発生し、発熱線12より発生
した熱は被覆チューブ13および接着チューブ22を介
して外部へ放出される。本実施の形態において、線状ヒ
ータ60には最大24Vの電圧が印加される。なお、電
源回路による発熱線12への電圧の印加は、第1の実施
の形態と同様に本体部の制御部により制御される。
【0091】図8は、便座装置410の便座表板401
の断面の一部を拡大した図である。図8によれば、便座
表板401の裏面には、上記に示す線状ヒータ10が接
着チューブ22を介して直接貼着されている。また、第
1の実施の形態に係る便座装置400と同様に便座表板
401の表面は、ブラスト加工により下地処理面41が
形成され、下地処理面41上にテフロン42がコーティ
ングされている。ここで、下地処理面41およびテフロ
ン42のコーティングは第1の実施の形態と同様に図3
の便座裏板402の表面にも施されている。
【0092】本実施の形態に係る便座装置410におい
ては、線状ヒータ60は、外部より熱を与えられること
により接着チューブ22が溶解し便座表板401に融着
される。このため便座表板401への線状ヒータ60の
貼着が容易に行われる。つまり、予め便座表板401の
表面に熱を加えておくことで線状ヒータ60を直接、便
座表板401の裏面に融着することができる。なお、便
座表板401への線状ヒータ60の融着は、予め便座表
板401の裏面上に線状ヒータ60を配線し、その後、
便座表板401を加熱することにより行ってもよい。
【0093】上記構成を有する便座装置410において
は、線状ヒータ60は電圧が印加されることにより熱を
発生し、線状ヒータ60により発生された熱はマグネシ
ウム合金により形成された便座表板401の全体に均一
に伝達される。このようにして、便座装置410の暖房
が行われる。
【0094】以上に示す衛生洗浄装置の本体部のケーシ
ング、便座装置410の便座ケーシング405および便
蓋部500に用いられるマグネシウム合金には、Mg−
Al−Zn合金が用いられる。Mg−Al−Zn合金と
しては、例えばマグネシウムにアルミニウムが約9%、
亜鉛が約1%の割合で添加され、さらに微量のマンガ
ン、ケイ素、銅、ニッケルおよび鉄が添加されたもの
(AZ91D)が用いられる。このAZ91Dは高強度
で耐食性が高い。そして、このマグネシウム合金の成形
は、チクソモールド法により行われる。このチクソモー
ルド法によれば、マグネシウム合金に熱と振動を加える
ことにより樹脂と同様の射出成形が可能となる。
【0095】本実施の形態に係る衛生洗浄装置において
も、第1の実施の形態に係る衛生洗浄装置と同様に本体
部のケーシング、便座装置410の便座ケーシング40
5および便蓋部500が、マグネシウム合金により形成
されているため、質感が向上するとともに、以下に示す
特徴を有する。
【0096】マグネシウム合金は熱伝導性に優れてい
る。これにより、上述のように便座表板401の裏面側
に線状ヒータ60が直接貼着された場合においても、線
状ヒータ60より発生する熱が便座表板401の表面側
に均一に伝達される。つまり、便座装置410の製造時
においては、アルミニウム薄膜などの均熱板が不要であ
り、構成および製造工程の簡素化が図られる。
【0097】さらに、マグネシウム合金の熱伝導性によ
れば、便座装置410の待機時の温度が低い状態であっ
ても、線状ヒータ60の発熱とともに急激に便座装置4
10の着座面の温度が上昇するため消費電力を低減する
ことができる。
【0098】マグネシウムは地球上で8番目に多く存在
する物質であるため、安価である。これにより、製作時
における低コスト化が図られる。
【0099】また、マグネシウム合金は再利用しやす
い。つまり、再加工時に必要となるエネルギーが低減で
きる。
【0100】マグネシウム合金は人体に対し安全であ
る。これにより、使用者は金属アレルギー等の心配をす
る必要がない。
【0101】マグネシウム合金は非常に軽量である。こ
れにより、便座装置410および便蓋部500の開閉に
必要な使用者の負担が低減される。
【0102】マグネシウム合金は電磁波のシールド性に
優れている。これにより、線状ヒータ60より発生する
電磁波が人体に及ぶことが防止できる。
【0103】マグネシウム合金は加工性に優れている。
これにより、衛生洗浄装置の製造が容易となる。
【0104】マグネシウム合金は耐くぼみ性に優れてい
る。これにより、外部に露出した本体部のケーシング、
便座装置410の便座ケーシング405および便蓋部5
00は、設置工事の際に工具が衝突した場合において
も、大きいくぼみができにくい。
【0105】また、本実施の形態に係る衛生洗浄装置に
おいては、上記に示すように便座装置410に用いられ
る電圧は最大で24Vである。これにより、使用者は、
便座装置410から漏電があった場合においても、感電
によるダメージを受ける心配がない。
【0106】さらに、本実施の形態に係る衛生洗浄装置
においては、上記に示すように便座装置410の便座ケ
ーシング405の表面は、テフロンによりコーティング
されている。これにより、金属材料であるマグネシウム
合金の耐食性が向上し、過酷な環境下にあるトイレの空
間においても、衛生洗浄装置の耐久性が向上する。ま
た、テフロンによるコーティングに代えて塗膜層が設け
られる場合においても、上記と同様の効果が得られる。
【0107】(第3の実施の形態)第3の実施の形態に
係る衛生洗浄装置は、以下に示す便座装置の構造を除き
第1の実施の形態に示す衛生洗浄装置と同様の構造を有
する。
【0108】以下に、第3の実施の形態に係る衛生洗浄
装置の便座装置について図9および図10に基づき説明
する。
【0109】図9は、第3の実施の形態に係る便座装置
420の断面の一例を示す模式的断面図である。図10
は、便座装置420の便座表板401の断面の一部を拡
大した図である。
【0110】第3の実施の形態に係る便座装置420に
おいては、第1の実施の形態に係る便座装置400に用
いられる線状ヒータ10に代えてプリントヒータ70が
用いられている。図9によれば、プリントヒータ70は
便座表板401の裏面側を覆うように印刷(プリント)
されている。図10に示すように、プリントヒータ70
は、抵抗体71、導体72、絶縁層75および保護層7
6からなる。なお、抵抗体71は、一本の帯状に形成さ
れており、図2および図3に示す便座装置400の線状
ヒータ10と同様に均等な間隔をもって便座表板401
の裏面全体にわたって蛇行するように配置されている。
また、抵抗体71の両端部は、導体72を介して電源回
路に接続されている。
【0111】ここで、図10に基づき便座表板401の
裏面へのプリントヒータ70のプリント工程について説
明する。初めに、便座表板401の裏面には絶縁層75
がプリントされる。そして、絶縁層75の乾燥および焼
成が行われる。その後、絶縁層75の表面上に帯状の抵
抗体71がプリントされる。
【0112】次に、プリントされた抵抗体71を乾燥さ
せた後、電極となる一対の導体72が抵抗体71の両端
部と接触した状態でプリントされる。最後に、導体72
が乾燥および焼成された後、一対の導体72の一部が露
出するように保護層76が抵抗体71および導体72を
覆うように絶縁層75上にプリントされ、乾燥および焼
成される。以上が、プリントヒータ70の便座表板40
1へのプリント工程である。
【0113】ここで、本実施の形態においては、上記に
示す抵抗体71は、例えば10μmの厚さを有する銀と
パラジウムからなる合金等により形成されている。ま
た、導体72は、例えば10μmの厚さを有する銀等に
より形成されている。さらに、絶縁層75は、例えば7
5μmの厚さを有するガラス等の絶縁材料により形成さ
れており、保護層76は、例えば50μmの厚さを有す
るガラス等の絶縁材料により形成されている。
【0114】上記構成を有する便座装置420において
は、電源回路が一対の導体72間に電圧を印加すること
により、抵抗体71に電流が流れる。ここで、プリント
ヒータ70には最大24Vの電圧が印加される。これに
より、抵抗体71は熱を発生し、抵抗体71により発生
された熱は絶縁層75を介してマグネシウム合金により
形成された便座表板401の全体に均一に伝達される。
このようにして、便座装置420による暖房が行われ
る。なお、電源回路による一対の導体72間への電圧の
印加は、第1の実施の形態と同様に本体部の制御部によ
り制御される。
【0115】本実施の形態に係る便座装置420におい
ては、熱を発生する抵抗体71が帯状である。これによ
り、便座装置420は抵抗体71が面で便座表板401
に接触しているため、抵抗体71より発生する熱が効率
よく便座表板401に伝達される。つまり、便座装置4
20は昇温特性に優れている。さらに、便座装置420
は抵抗体71が面で便座表板401に接触しているた
め、便座装置420の着座面に温度むらが生じない。
【0116】ここで、図11に基づき便座装置420の
昇温特性について説明する。図11は、従来の便座装置
と本実施の形態に係る便座装置420との昇温特性を比
較した図である。
【0117】図11において、横軸は時間を示し、縦軸
は便座装置420の着座面の温度を示す。ここでは、従
来の便座装置として、便座ケーシングがPP(ポリプロ
ピレン)樹脂により形成され、熱の発生源に線状ヒータ
が用いられたものを想定する。
【0118】従来の便座装置および本実施の形態に係る
便座装置420の昇温動作は、第1の実施の形態で示し
たように人体検出センサ250が人体の存在を検知した
入室検知時Sより開始されるものとし、入室検知時Sま
での時間を待機時間T1とする。また、入室検知時Sよ
り使用者の便座装置への着座時Uまでの時間は非常に短
時間であると想定されるが、この入室検知時Sより使用
者の便座装置への着座時Uまでの時間を便座装置の昇温
時間T2とする。
【0119】使用者の着座に適した温度を着座温度Kv
とした場合、本実施の形態に係る便座装置420によれ
ば、図11の実線Mhに示すように昇温時間T2におい
て急激な昇温が行われている。つまり、マグネシウム合
金により形成されている便座装置420は昇温特性に優
れているため、待機時間T1に着座面が低い温度Kmで
あった場合においても、使用者の入室が検知されるとと
もに着座面が短い昇温時間T2の間に急激に着座温度K
vまで昇温している。
【0120】一方、従来の便座装置によれば、図11の
実線Phに示すように昇温時間T2においてなだらかな
昇温しか行われない。つまり、PP樹脂により形成され
ている従来の便座装置では短時間に昇温できる温度に制
限があるため、着座面を待機時間T1に予め上記の温度
Kmよりも高い特定の便座温度Kp(32〜36℃)に
保持しておく必要がある。
【0121】上記に示すように、本実施の形態に係る便
座装置420は非常に優れた昇温特性を有するため、衛
生洗浄装置の不使用時(待機時)において着座面を高い
温度に保持しておく必要がない。これにより、便座装置
420の消費電力が従来のPP樹脂製の便座装置に比べ
低減されている。
【0122】以上に示す衛生洗浄装置の本体部のケーシ
ング、便座装置420の便座ケーシング405および便
蓋部500に用いられるマグネシウム合金には、Mg−
Al−Zn合金が用いられる。Mg−Al−Zn合金と
しては、例えばマグネシウムにアルミニウムが約9%、
亜鉛が約1%の割合で添加され、さらに微量のマンガ
ン、ケイ素、銅、ニッケルおよび鉄が添加されたもの
(AZ91D)が用いられる。このAZ91Dは高強度
で耐食性が高い。そして、このマグネシウム合金の成形
は、チクソモールド法により行われる。このチクソモー
ルド法によれば、マグネシウム合金に熱と振動を加える
ことにより樹脂と同様の射出成形が可能となる。
【0123】本実施の形態に係る衛生洗浄装置において
は、上記に示すように本体部のケーシング、便座装置4
20の便座ケーシング405および便蓋部500が、マ
グネシウム合金により形成されているため、質感が向上
するとともに、以下に示す特徴を有する。
【0124】マグネシウム合金は熱伝導性に優れてい
る。これにより、上述のように便座表板401の裏面側
にプリントヒータ70が直接貼着された場合において
も、プリントヒータ70より発生する熱が便座表板40
1の表面側に均一に伝達される。つまり、便座装置42
0の製造時においては、アルミニウム薄膜などの均熱板
が不要であり、構成および製造工程の簡素化が図られ
る。
【0125】マグネシウムは地球上で8番目に多く存在
する物質であるため、安価である。これにより、製作時
における低コスト化が図られる。
【0126】また、マグネシウム合金は再利用しやす
い。つまり、再加工時に必要となるエネルギーが低減で
きる。
【0127】マグネシウム合金は人体に対し安全であ
る。これにより、使用者は金属アレルギー等の心配をす
る必要がない。
【0128】マグネシウム合金は非常に軽量である。こ
れにより、便座装置420および便蓋部500の開閉に
必要な使用者の負担が低減される。
【0129】マグネシウム合金は電磁波のシールド性に
優れている。これにより、プリントヒータ70より発生
する電磁波が人体に及ぶことが防止できる。
【0130】マグネシウム合金は加工性に優れている。
これにより、衛生洗浄装置の製造が容易となる。
【0131】マグネシウム合金は耐くぼみ性に優れてい
る。これにより、外部に露出した本体部のケーシング、
便座装置420の便座ケーシング405および便蓋部5
00は、設置工事の際に工具が衝突した場合において
も、大きいくぼみができにくい。
【0132】また、本実施の形態に係る衛生洗浄装置に
おいては、上記に示すように便座装置420に用いられ
る電圧は最大で24Vである。これにより、使用者は、
便座装置420から漏電があった場合においても、感電
によるダメージを受ける心配がない。
【0133】さらに、本実施の形態に係る衛生洗浄装置
においては、上記に示すように便座装置420の便座ケ
ーシング405の表面は、テフロンによりコーティング
されている。これにより、金属材料であるマグネシウム
合金の耐食性が向上し、過酷な環境下にあるトイレの空
間においても、衛生洗浄装置の耐久性が向上する。ま
た、テフロンによるコーティングに代えて塗膜層が設け
られる場合においても、上記と同様の効果が得られる。
【0134】以上に示す第1〜第3の実施の形態におい
ては、線状ヒータ10,50,60およびプリントヒー
タ70が加熱手段に相当し、線状ヒータ10,50,6
0が線状発熱体に相当し、粘着層21および接着チュー
ブ22が接着層に相当し、抵抗体71が帯状発熱体に相
当し、人体検出センサ250が検出手段に相当し、ノズ
ル部800が噴出手段に相当する。
【0135】
【発明の効果】本発明に係る便座装置においては、マグ
ネシウム合金により形成された便座ケーシングの内部に
加熱手段が備えられ、便座ケーシングの有する着座面を
加熱手段が加熱する。
【0136】このように、便座ケーシングがマグネシウ
ム合金により形成されているので、質感が向上するとと
もに、以下に示す効果が得られる。
【0137】マグネシウム合金は熱伝導性に優れてい
る。これにより、加熱手段の発生する熱が着座面の全体
に均一に伝達されるので、アルミニウム薄膜などの均熱
板が不要であり、構成および製造工程の簡素化が図られ
る。さらに、マグネシウム合金の熱伝導性によれば、便
座装置の不使用時に着座面の温度が低い状態であって
も、加熱手段の発生する熱により急激に着座面を昇温す
ることができる。したがって、便座装置の不使用時にお
ける加熱手段の消費電力が低減される。
【0138】マグネシウムは多く存在する物質であるた
め、安価である。これにより、製作時における低コスト
化が図られる。
【0139】また、マグネシウム合金は再利用しやす
い。つまり、再加工時に必要となるエネルギーが低減で
きる。
【0140】マグネシウム合金は人体に対し安全であ
る。これにより、使用者は金属アレルギー等の心配をす
る必要がない。
【0141】マグネシウム合金は非常に軽量である。こ
れにより、便座装置の開閉に必要な使用者の負担が低減
される。
【0142】マグネシウム合金は電磁波のシールド性に
優れている。これにより、加熱手段より発生する電磁波
が人体に及ぶことが防止できる。
【0143】マグネシウム合金は加工性に優れている。
これにより、便座装置の製造が容易となる。
【0144】マグネシウム合金は耐くぼみ性に優れてい
る。これにより、外部に露出した便座装置の便座ケーシ
ングは、設置工事の際に工具が衝突した場合において
も、大きいくぼみができにくい。
【0145】上記に示す各種マグネシウム合金の特徴に
より、少い消費電力で効率の良い暖房を行うことができ
るとともに安価かつ容易に製造できる便座装置が実現す
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施の形態に係る衛生洗浄装置を便器に
装着した状態を示す斜視図
【図2】第1の実施の形態に係る衛生洗浄装置の便座装
置を上面より見た場合の模式的透視図
【図3】図2に示す便座装置のA−A線断面図
【図4】第1の実施の形態に係る便座装置に用いられる
線状ヒータの構造を示す切り欠き斜視図
【図5】第1の実施の形態に係る便座装置に使用可能な
線状ヒータの他の例を示す切り欠き斜視図
【図6】図3に示す便座装置のA−A線断面の一部を拡
大した図
【図7】第2の実施の形態に係る便座装置に用いられる
線状ヒータの構造を示す切り欠き斜視図
【図8】便座装置の便座表板の断面の一部を拡大した図
【図9】第3の実施の形態に係る便座装置の断面の一例
を示す模式的断面図
【図10】便座装置の便座表板の断面の一部を拡大した
【図11】従来の便座装置と本実施の形態に係る便座装
置との昇温特性を比較した図
【図12】従来の便座装置を上面より見た場合の模式的
透視図
【図13】図12に示す便座装置のZ−Z線断面図
【図14】図13に示す便座装置のZ−Z線断面の一部
を拡大した図
【符号の説明】
10,50,60 線状ヒータ 21 粘着層 22 接着チューブ 41 下地処理面 42 テフロン 70 プリントヒータ 71 抵抗体 72 導体 100 衛生洗浄装置 200 本体部 250 人体検出センサ 290 制御部 400、410、420 便座装置 401 便座表板 405 便座ケーシング 490 電源回路 500 便蓋部 800 ノズル部
フロントページの続き (72)発明者 白井 滋 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 (72)発明者 藤井 宏明 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 (72)発明者 古関 良一 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 Fターム(参考) 2D037 AA02 AA13 AB01 AD03 AD09 AD14 AD16 EB00 2D038 JC00 JF03 KA02

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 着座面を有する便座ケーシングと、前記
    便座ケーシングに内蔵され、前記着座面を加熱する加熱
    手段とを備え、前記便座ケーシングがマグネシウム合金
    により形成されたことを特徴とした便座装置。
  2. 【請求項2】 前記加熱手段は、線状発熱体を含み、前
    記線状発熱体は、前記便座ケーシングにおける前記着座
    面の裏面側に接着層を介して貼着されたことを特徴とし
    た請求項1記載の便座装置。
  3. 【請求項3】 前記加熱手段は、外部に接着層を有する
    線状発熱体を含み、前記線状発熱体は、前記便座ケーシ
    ングにおける前記着座面の裏面側に融着により貼着され
    たことを特徴とした請求項1記載の便座装置。
  4. 【請求項4】 前記加熱手段は、帯状発熱体を含み、前
    記帯状発熱体は、前記便座ケーシングにおける前記着座
    面の裏面側に印刷されたことを特徴とした請求項1記載
    の便座装置。
  5. 【請求項5】 前記加熱手段に24V以下の電圧を印加
    する電源回路をさらに備えたことを特徴とした請求項1
    〜4のいずれかに記載の便座装置。
  6. 【請求項6】 前記便座ケーシングの表面に、コーティ
    ングによる防錆処理が行われたことを特徴とした請求項
    1〜5のいずれかに記載の便座装置。
  7. 【請求項7】 前記便座ケーシングの表面に、塗装によ
    る防錆処理が行われたことを特徴とした請求項1〜5の
    いずれかに記載の便座装置。
  8. 【請求項8】 前記マグネシウム合金は、マグネシウ
    ム、アルミニウムおよび亜鉛を含むことを特徴とした請
    求項1〜7のいずれかに記載の便座装置。
  9. 【請求項9】 人体を検出する検出手段をさらに備え、
    前記検出手段による検出に応答して前記加熱手段が昇温
    することを特徴とした請求項1〜8のいずれかに記載の
    便座装置。
  10. 【請求項10】 洗浄水を人体の局部に噴出する噴出手
    段と、便座装置とを備え、前記便座装置は、着座面を有
    する便座ケーシングと、前記便座ケーシングに内蔵され
    前記着座面を加熱する加熱手段とを含み、前記便座ケー
    シングが、マグネシウム合金により形成されたことを特
    徴とした衛生洗浄装置。
  11. 【請求項11】 前記噴出手段および前記加熱手段を制
    御する制御部を内蔵する本体ケーシングをさらに備え、
    前記本体ケーシングがマグネシウム合金により形成され
    たことを特徴とした請求項10記載の衛生洗浄装置。
  12. 【請求項12】 前記便座装置に開閉自在に設けられた
    便蓋をさらに備え、前記便蓋がマグネシウム合金により
    形成されたことを特徴とした請求項10または11に記
    載の衛生洗浄装置。
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