JP5028068B2 - アクティブアンテナ発振器 - Google Patents

アクティブアンテナ発振器 Download PDF

Info

Publication number
JP5028068B2
JP5028068B2 JP2006297307A JP2006297307A JP5028068B2 JP 5028068 B2 JP5028068 B2 JP 5028068B2 JP 2006297307 A JP2006297307 A JP 2006297307A JP 2006297307 A JP2006297307 A JP 2006297307A JP 5028068 B2 JP5028068 B2 JP 5028068B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
conductor
resonance
dielectric
gain
active antenna
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2006297307A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2008011490A5 (ja
JP2008011490A (ja
Inventor
健明 井辻
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Canon Inc
Original Assignee
Canon Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Canon Inc filed Critical Canon Inc
Priority to JP2006297307A priority Critical patent/JP5028068B2/ja
Priority to US11/802,113 priority patent/US7884764B2/en
Publication of JP2008011490A publication Critical patent/JP2008011490A/ja
Publication of JP2008011490A5 publication Critical patent/JP2008011490A5/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5028068B2 publication Critical patent/JP5028068B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01QANTENNAS, i.e. RADIO AERIALS
    • H01Q9/00Electrically-short antennas having dimensions not more than twice the operating wavelength and consisting of conductive active radiating elements
    • H01Q9/04Resonant antennas
    • H01Q9/0407Substantially flat resonant element parallel to ground plane, e.g. patch antenna
    • H01Q9/0414Substantially flat resonant element parallel to ground plane, e.g. patch antenna in a stacked or folded configuration
    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01QANTENNAS, i.e. RADIO AERIALS
    • H01Q1/00Details of, or arrangements associated with, antennas
    • H01Q1/36Structural form of radiating elements, e.g. cone, spiral, umbrella; Particular materials used therewith
    • H01Q1/38Structural form of radiating elements, e.g. cone, spiral, umbrella; Particular materials used therewith formed by a conductive layer on an insulating support
    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01QANTENNAS, i.e. RADIO AERIALS
    • H01Q9/00Electrically-short antennas having dimensions not more than twice the operating wavelength and consisting of conductive active radiating elements
    • H01Q9/04Resonant antennas
    • H01Q9/0407Substantially flat resonant element parallel to ground plane, e.g. patch antenna
    • H01Q9/045Substantially flat resonant element parallel to ground plane, e.g. patch antenna with particular feeding means
    • H01Q9/0457Substantially flat resonant element parallel to ground plane, e.g. patch antenna with particular feeding means electromagnetically coupled to the feed line
    • HELECTRICITY
    • H03ELECTRONIC CIRCUITRY
    • H03BGENERATION OF OSCILLATIONS, DIRECTLY OR BY FREQUENCY-CHANGING, BY CIRCUITS EMPLOYING ACTIVE ELEMENTS WHICH OPERATE IN A NON-SWITCHING MANNER; GENERATION OF NOISE BY SUCH CIRCUITS
    • H03B7/00Generation of oscillations using active element having a negative resistance between two of its electrodes
    • H03B7/02Generation of oscillations using active element having a negative resistance between two of its electrodes with frequency-determining element comprising lumped inductance and capacitance
    • H03B7/06Generation of oscillations using active element having a negative resistance between two of its electrodes with frequency-determining element comprising lumped inductance and capacitance active element being semiconductor device
    • H03B7/08Generation of oscillations using active element having a negative resistance between two of its electrodes with frequency-determining element comprising lumped inductance and capacitance active element being semiconductor device being a tunnel diode
    • HELECTRICITY
    • H03ELECTRONIC CIRCUITRY
    • H03BGENERATION OF OSCILLATIONS, DIRECTLY OR BY FREQUENCY-CHANGING, BY CIRCUITS EMPLOYING ACTIVE ELEMENTS WHICH OPERATE IN A NON-SWITCHING MANNER; GENERATION OF NOISE BY SUCH CIRCUITS
    • H03B2200/00Indexing scheme relating to details of oscillators covered by H03B
    • H03B2200/006Functional aspects of oscillators
    • H03B2200/0084Functional aspects of oscillators dedicated to Terahertz frequencies

Landscapes

  • Physics & Mathematics (AREA)
  • Electromagnetism (AREA)
  • Variable-Direction Aerials And Aerial Arrays (AREA)
  • Waveguide Aerials (AREA)
  • Details Of Aerials (AREA)
  • Inductance-Capacitance Distribution Constants And Capacitance-Resistance Oscillators (AREA)

Description

本発明は、アクティブアンテナ発振器に関し、特には、アンテナと利得媒質を集積化した発振器に関するものである。より詳しくは、ミリ波からテラヘルツ波領域の高周波(30GHz乃至30 THz)電磁波を発生する集積構造を持つ発振器に関する。
近年、ミリ波からテラヘルツ波領域(30GHz〜30THz)のうちの任意の帯域の波長を有する高周波電磁波(本明細書ではテラヘルツ波とも呼ぶ)を用いた、非破壊な検査技術が開発されている。テラヘルツ波には、生体分子をはじめとして、様々な物質の吸収線が存在することが知られている。この周波数領域の応用分野として、X線に替わる安全な透視検査を行うイメージング技術がある。また、物質内部の吸収スペクトルや複素誘電率を求めて、分子の結合状態を調べる分光技術がある。また、生体分子の解析技術、キャリヤ濃度や移動度を評価する技術等が期待される。
これらの技術開発において、テラヘルツ波の発生技術は重要である。発生技術として、フェムト秒レーザを励起源とした光伝導素子がある。また、同じく、レーザ装置を励起源とする、非線形光学結晶を用いたパラメトリック発振器がある。また、小型電子真空管や自由電子レーザ等の大型電子線加速器を用いた、後進波発振器(BWO)やジャイロトロンがある。しかし、これらの発生技術を用いた発振器は、一般的に装置構成が大きい。
一方、小型の発振器として、半導体技術を用いたものがある。例えば、ガンダイオードや、共鳴トンネルダイオード(RTD)を利用したものがある。これらの発振器は、電流注入による半導体中の電子の移動や遷移によって得られる負性抵抗を利用している。これらの半導体素子を含んだ発振回路を構成し、所望の周波数領域について、適当に負荷抵抗と位相を調整することによって、発振状態を実現する。
従来、この様にして得られた電磁波は、アンテナ等の放射素子に接続され、外部に放射されることが多い。ところが、高周波領域になると、電磁波の伝搬ロスや、個別に設計された素子間のミスマッチにより、効率良く電磁波を外部に放射することが難しくなる。そこで、このアンテナ素子も発振回路を構成する負荷抵抗の一部とみなし、一体的に設計、集積化を行う試みがなされている(非特許文献1参照)。
非特許文献1は、伝送線路(マイクロストリップライン(MSL))型のアンテナ発振器である。このアンテナ発振器は、伝送線路を構成する誘電体膜厚方向に形成されたガンダイオードに対し、パッチアンテナを接続している。このアンテナ発振器は、下の式(1)と(2)に示した、発振が開始する条件を満たすため、パッチアンテナを負荷抵抗の一部として用いる。そして、位相条件を満たすために、位相調整用のスタブを用いている。また、パッチアンテナと他の伝送線路で構成される回路は、インピーダンス変換回路によって接続されている。全体として、本アンテナ発振器は、平面状に集積される構成となる。
インピーダンスの実部:Re[Yact+Yload]<0 (1)
インピーダンスの虚部:Im[Yact+Yload]=0 (2)
尚、式(1)と(2)において、Yact
とYloadは、利得素子(ガンダイオード)のアドミッタンスとアンテナを含む伝送線路型の発振回路のアドミッタンスに、それぞれ対応している。また、本明細書では、ガンダイオードの様な電磁波利得機能を有する部分を含む回路とアンテナとが配置ないし集積されたものを、アクティブアンテナと呼ぶ。特に、この様なアクティブアンテナのうち、発振器として設計、製作されたものをアクティブアンテナ発振器と呼ぶ。
IEEETransaction on Microwave Theory Tech., vol.42, pp.734-741, 1994
上記先行技術は、利得素子に対し、アンテナを含む発振回路を並列に接続し、発振器として機能させている。一般的に、高周波回路では、波長が短くなるに伴い、回路規模が小さくなる。その結果、負荷抵抗の一部として用いたアンテナ素子に、十分な負荷抵抗を与えることが困難になる。より詳しくは、波長が短くなるに伴い、アンテナ素子の抵抗値が低下する。アンテナ素子は、利得素子に対して並列に接続されているため、アンテナ素子の抵抗値の低下に伴い、Yloadの値が大きくなる。その結果、テラヘルツ波領域において、インピーダンスの実部の条件(1)を満たすことが難しくなり、発振器としての動作が不安定になりやすい。また、波長によっては、発振させること自体が難しくなる。
また、導波路に関し、テラヘルツ波領域では、金属との界面の影響による電磁波の伝搬ロスが大きくなる。そのため、上記先行技術の様に、インピーダンス変換回路や、位相調整を行うために伝送線路を多用すると、電磁波の伝搬ロスが大きくなり、電磁波の発生効率が劣化しがちとなる。
上記課題に鑑み、本発明のアクティブアンテナ発振器は、伝送線路型の第1共振部とアンテナとして機能する第2共振部を備える。伝送線路型の第1共振部は、発振されるべき電磁波(典型的には、テラヘルツ波である)に対して利得を持つ利得部を有する第1誘電体部を挟んで、第1導体部と、各部に対して基準の電位を規定するための接地導体部が積層された構成を有する。第2共振部は、第1共振部に対し、第2誘電体部を挟んで、電磁波を外部に放射する第2導体部が積層され、前記接地導体部と前記第2導体部の間の構成でもってアンテナとして機能する。第1共振部の第1導体部と第2共振部の第2導体部は、第2誘電体部を介して、積層方向に分離配置されている。そして、前記利得部の一端部は前記第1導体部に接続され、前記利得部のもう一方の端部は前記接地導体部と同電位になっており、第1共振部と第2共振部は、電磁界的な結合を有して、電磁波に共振を起こさせる共振回路を構成する様に、配置されている。又は、本発明のアクティブアンテナ発振器は、伝送線路型の第1共振部とアンテナとして機能する第2共振部を備える。伝送線路型の第1共振部は、発振されるべき電磁波に対して利得を持つ利得部を有する第1誘電体部を挟んで、第1導体部と、各部に対して基準の電位を規定するための接地導体部が積層された構成を有する。第2共振部は、第1共振部に対し、第2誘電体部と前記接地導体部を挟んで、電磁波を外部に放射する第2導体部が積層され、前記接地導体部と前記第2導体部の間の構成でもってアンテナとして機能する。前記接地導体部と第2共振部の第2導体部は、第2誘電体部を介して、積層方向に分離配置されている。そして、前記利得部の一端部は前記第1導体部に接続され、前記利得部のもう一方の端部は前記接地導体部と同電位になっており、第1共振部と第2共振部は、電磁界的な結合を有して、電磁波に共振を起こさせる共振回路を構成する様に、配置されている。こうして、本発明のアクティブアンテナ発振器は、典型的には、テラヘルツ波領域で動作し、電磁波利得機能を有する部分を含む回路とアンテナが配置ないし集積されて構成される。また、典型的には、第2共振部は、アンテナとして機能し、第1共振部の共振波長近傍で動作し、第1共振部と第2共振部が電磁界的な結合を有する様に、各共振部を構成する各要素は、所望の位置に集積配置される。また、場合によって、1つ或いは複数の導体で構成される調整用導体によって、第1共振部の第1導体部と第2共振部の第2導体部を接続する構成としてもよい。
また、上記課題に鑑み、本発明のアクティブアンテナ発振器の作製方法は、当該発振器の発振状態を監視し、発振状態を監視しつつ、所期の発振条件を満たす様に、第1共振部と第2共振部の構成要素を調整することを特徴とする。また、上記調整用導体を使用した場合、上記第2誘電体部界面に露出するこの調整用導体の端面をアライメントマーカとして利用して、第2導体部を配置することを特徴とする。
本発明のアクティブアンテナ発振器は、利得部を有する第1共振部とアンテナ機能を有する第2共振部を、電磁界的に結合し、発振器を構成している。従って、利得部に対するアンテナの負荷抵抗を比較的十分確保することができるため、発振条件を満たすことが比較的容易になる。そのため、本発明の発振器は、比較的安定的に発振することが可能となる。また、第1共振部を構成する第1導体部と、第2共振部を構成する第2導体部が、調整用導体を介して接続されている場合、この調整用導体は、インダクタ成分として付加され、位相調整の自由度を上げることが可能になる。また、この調整用導体は、アンテナ機能を有する第2共振部の第2導体部を配置する際のアライメントマーカとしても利用できる。そのため、作製の歩留まりを向上させることができる。
以下に、本発明の実施の形態について、図面を参照して説明する。尚、図中の同一要素に関しては、同符号を用いる。
図1は、本発明によるアクティブアンテナ発振器の一実施形態の概略構成図である。図1において、(a)は上面図、(b)は破線AA’における断面図である。また、本実施形態では、図1の様に、XYZ軸を定義する。特に、第1導体部105の長手方向をY軸と定義する。
本実施形態のアクティブアンテナ発振器は、主に2つの共振部で構成される。これらの共振部は、電磁界的な結合によって、互いに相互作用することにより、1つの共振回路を構成するものである。ただし、説明の便宜上、第1共振部と第2共振部とに分ける。
図1において、第1共振部は、利得部101、第1導体部105、各部に対して基準となる一定の電位を規定するための接地導体部106、第1誘電体部103で構成される。図1の様に、第1導体部105は、オープンスタブ型のストリップ導体であり、接地導体部106、第1誘電体部103と共に、導波路を構成している。この様な構成のため、導波路を伝搬する電磁波は、第1導体部105の端部で反射され、第1導体部105の長さに起因する波長によって共振する。こうして、共振回路が形成される。
第1導体部105と接地導体部106の間には、利得部101が挿入されている。利得部101は、RTD、量子カスケードレーザ、ガンダイオード等、或る波長に対して利得を有する部分である。本実施形態では、特に断りがない限りRTDを用いるが、これに限らない。図1に示す様に、利得部101の端部は、第1導体部105に接続されており、もう一方の端部は、接地導体部106と同電位になっている。また、利得部101の周囲は、第1誘電体部103で充填されている。
第2共振部は、第2導体部104、接地導体部106、第1誘電体部103、第2誘電体部102で構成される。図1の様に、第2導体部104は四角形状を有している。そのため、第2共振部は、パッチアンテナ型の共振回路とみなすことができ、共振周波数に対応する波長の電磁波を外部に放出する働きを有する。第2導体部104の形状は、四角形状に限るものではなく、円形状や三角形状など、アンテナとして機能し得る構造であればよい。また、第1誘電体部103と第2誘電体部102は、同一の材料で構成してもよい。更に、空気の様にガス形態であってもよい。
尚、図1において、107は、第1及び第2の共振部が形成された誘電体基板部であり、108は、利得部101のコンタクト層であり、109は、利得部101にバイアスを供給するバイアス供給部である。
図1の様に、本実施形態では、第1共振部は、第2共振部に対して、各誘電体部の膜厚方向ないし積層方向に重なる形で、集積配置されている。より詳しくは、第1共振部は、第2共振部を構成する第2導体部104の直下の所望の位置に配置されている。そして、第2導体部104は、アクティブアンテナ発振器を構成する誘電体を介して、第1共振部を構成する第1導体部105と、分離配置されている。各共振部を、互いに他方の共振部の電磁界分布に対して影響を及ぼす位置に、配置することによって、各共振部は、電磁界的な結合を実現できる。ここで、電磁界分布に対して影響を及ぼす位置の範囲とは、例えば、ピーク値の1/e2以上の電磁界分布を有する領域を含む位置に、互いの共振部が配置されることを意味する。
例えば、図1の場合、第1導体部105と第2導体部104を十分近接させることによって、第1導体部105を伝搬する電磁波は、第2導体部104にも伝搬させることができる。つまり、たとえ第2誘電体部102が薄くなっても第1誘電体部103の膜厚で両者の合計の厚さを十分にできる。そのため、高周波帯であっても、アンテナ素子である第2共振部の誘電体膜厚を厚くすることができ、利得部101に対し、十分な負荷抵抗を与えることが可能になる。
また、第1共振部と第2共振部の相対位置によって、電磁界的な結合状態は変化する。例えば、第1導体部105と第2導体部104の間には、容量成分が付加されていると考えると、各共振部の相対位置によって、この容量成分が変化する。つまり、位相状態を制御することができる。図8は、電磁波利得と位相に関する極座標グラフである。図8において、利得が0dB以上で、位相が2nπ(n=0,1,2・・・)を満たす周波数域において、回路は発振を開始する。この様な発振条件を満たす様に、各共振部の相対位置や形状を一体的に設計することにより、本実施形態のアクティブアンテナ発振器を発振させることが可能になる。
以上の実施形態におけるアクティブアンテナ発振器は、利得部101を有する第1共振部と、アンテナ機能を有する第2共振部を、電磁界的に結合し、発振器を構成している。そして、利得部101に対する、アンテナの負荷抵抗を十分確保することができるため、発振条件を満たすことが容易になる。そのため、本発振器は、安定的に発振することが可能となる。
また、本実施形態のアクティブアンテナ発振器は、各共振部の電磁界結合の結合状態によって発振条件を制御している。そして、この発振条件を満たす様に、各共振部の配置を一体的に設計、製作することにより、従来必要であった位相調整回路を不要としている。そのため、回路規模を小さくできる。また、回路規模が小さくなることで、電磁波の伝搬ロスを抑制し、高効率な発振器を実現することができる。
また、電磁界の結合状態は、共振部を構成する誘電体部102、103の膜厚と、積層方向に垂直な面内方向への配置によって制御できる。そのため、従来、蒸着等によって形成していた位相スタブによる位相条件の制御方法に比較して、膜厚制御と各導体形成に用いるマスクのアライメントによって制御できるため、精度良く位相条件を制御することができる。
また、従来、位相制御を行うために位相スタブの種類に応じたプロセス用のマスクが必要であったが、本実施形態では、各共振部の相対位置によって位相を調整することができるので、アンテナ形成用のマスクだけでよい。そのため、マスク数を減らすことができ、コスト的に比較的安くできる。
次に、より具体的な実施例について、図面を参照して説明する。尚、本発明のアクティブアンテナ発振器は、これらの実施例に限定されるものではない。
(実施例1)
実施例1は、上記したアクティブアンテナ発振器の実施形態に対応する例である。図1は、本実施例のアクティブアンテナ発振器の構成を示す図である。
本実施例の第1共振部は、誘電体基板部107上に形成された第1導体部105、接地導体部106、第1誘電体部103、利得部101で構成される。つまり、第1共振部は、MSL型の共振回路である。誘電体基板部107としては、半絶縁性のインジウムリン(InP)基板を用いている。第1導体部105と接地導体部106としては、金(Au)(0.3μm)/チタン(Ti)(0.03μm)を用いている。ここで、第1導体部105の線幅は、10μmにする。第1誘電体部103としては、ベンゾシクロブテン(BCB)を3μm塗布する。
また、本実施例では、利得部101としてRTDを用いる。利得部101は、インジウムガリウムヒ素(InGaAs)/インジウムアルミニウムヒ素(InAlAs)ヘテロ接合からなる3重障壁量子井戸構造の活性層を有する。これらの活性層は、分子線エピタキシャル法(MBE法)によって、誘電体基板部107にエピタキシャル成長することによって形成することができる。これ以後、活性層と誘電体基板部107含めてエピタキシャル基板部と呼ぶこともある。そして、コンタクト層108は、上記活性層の上下に積層されたシリコン(Si)を高濃度にドープしたn+InGaAsで構成する。このコンタクト層108によって、利得部101は、第1導体部105と接地導体部106との導通を実現する。
場合によっては、接地導体部106の絶縁性を確実にするため、例えば、研磨法及びウェットエッチング法を用いて半絶縁性部分(誘電体基板部107)を選択的に除去し、絶縁性基板に貼り付けてもよい。
本実施例の上記活性層構造は、第1導体部105から接地導体部106にかけて下記の通りとなっている。
InGaAs(5.0nm)/InAlAs(2.66nm)/InGaAs(5.61nm)/InAlAs(2.66nm)/InGaAs(7.67nm)/InAlAs(2.66nm)/InGaAs(5.0nm)
また、利得部101にバイアスを印加するため、図1の様に、第1導体部105にバイアス供給部109が接続されている。ここでは、バイアス供給部109として、Au(0.3μm)/Ti(0.03μm)のストリップ導体を用いている。そのため、バイアス供給部109も、MSL型の導波路となる。バイアス供給部109は、他の回路に影響を及ぼさないために、高インピーダンスなものが望ましい。そのため、線幅は小さくするのが好ましい。また、第1共振部を伝搬する電磁波に対する影響を最小限にするため、バイアス供給部109の接続位置は、電磁界分布の節となる位置(電界が0となる位置)にするのが良い。
第2共振部は、上記第1共振部の上に、第2誘電体部102と第2導体部104を順次積層して構成する。第2誘電体部102は、第1誘電体部103と同じくBCBを塗布して形成する。また、第2導体部104は、Au(0.3μm)/Ti(0.03μm)を用い、300μm×300μmの四角形状を有している。つまり、本実施例の第2共振部は、接地導体部106、第1誘電体部103、第2誘電体部102と共に、パッチアンテナ型の共振回路を形成している。
尚、本実施例の作製方法は上記したものに限らず、既存のプロセス技術を用いることもできる。
図8は、本実施例によるアクティブアンテナ発振器の小信号解析例である。本解析は、電磁界シミュレータと高周波回路シミュレータを併用して求めている。上記した様に、利得と位相に関する極座標グラフであり、位相条件が2nπの時の利得が0dB以上の点が発振開始点である。
上記した様に、本実施例におけるアクティブアンテナ発振器は、各共振部の相対位置や形状、すなわち配置を制御することにより、上記発振条件を満たすものである。以下に、その設計に関する解析例を示す。
図5は、第1共振部の端部(本実施例では、図1における利得部101の位置)に対して、第2導体部104の相対位置を変化させた時の、発振周波数をプロットしたグラフである。ここで、第2誘電体部102の厚みは3μmである。また、第1導体部105の線路長は、300μmである。図5中、X方向は、図1(a)において第1共振部の端部の位置を、(0μm,150μm)を開始点として、X方向にオフセットさせたものである。同じく、Y方向は、図1(a)において第1共振部の端部の位置を、(150μm,0μm)を開始点として、Y方向にオフセットさせたものである。
図5より、第1共振部と第2共振部の相対位置を面内方向に変化させることによって、位相整合条件が変化し、発振周波数が変化する様子が分かる。特に、Y方向へのオフセットによって、位相条件が大きく変化することが分かる。また、X方向へのオフセットについては、発振周波数の変化の割合が小さいことから、微妙な調整に向いていることが分かる。図5より、第1共振部の端部が、第2導体部104の中心(150μm,150μm)付近、すなわち、アンテナの共振波長λ(600μm)に対して、およそ1/4・λの位置にある時、最も発振周波数が高いことが分かる。また、本実施例におけるアクティブアンテナ発振器の放射効率も、第1共振部の端部がこの位置付近にある時、最も良いことが、解析により示されている。
図6は、第2誘電体部102の厚みを膜厚方向に変化させた時の、発振周波数をプロットしたグラフである。ここで、上記第1共振部の端部の位置は(150μm,150μm)としている。また、第1導体部105の長さは300μmである。図6中、Z方向は、図1において第2誘電体部102の厚みをZ方向に変化させたものである。
図6より、第2誘電体部102の厚みを変化させることによって、第1共振部と第2共振部の電磁波の結合状態が変化し、発振周波数が変化する様子が分かる。この第2誘電体部102の厚み制御は、既存の薄膜形成技術を用いれば、ナノメートルオーダでの微妙な制御が可能である。そのため、発振条件を精度良く制御することができる。また、第2共振部は、第1共振部に対して、第2誘電体部102と第2導体部104を順次積層するタイプである。そのため、第2誘電体部102と第2導体部104を除去することも容易である。つまり、発振器の作製に失敗しても、再度作製し直すことが容易になる。
また、従来の位相スタブを用いる方式では、位相条件を振るために、位相スタブの長さを変化させる必要がある。そのため、各位相スタブの長さに応じて、マスクを用意する必要がある。これに対して、本実施例では、発振条件を探るため位相条件を振る作業を行う場合において、第2誘電体部102の膜厚を振るだけでよい。つまり、第2導体部104を形成するためのマスクは1種類でよいため、低コストである。
また、本実施例では、第2誘電体部102の厚みを変化させたが、場合によって、第1誘電体部103の厚みを調整することも可能である。
図7は、第1導体部105の長さを変化させた時の、発振周波数をプロットしたグラフである。ここで、第1共振部の端部の位置は(150μm,150μm)に固定している。また、第2誘電体部102の膜厚は2μmである。
図7では、第1導体部105の長さを、第2導体部104の長さに対して、微妙に変化させている。この場合、第1導体部105の長さの変化の割合に対して、発振周波数は、ほぼ線形に変化している様子が分かる。
また、図7では、第1導体部105の長さを変化させているが、第2導体部104の長さを変化させることも可能である。要は、第1導体部105と第2導体部104の長さの比が変化すればよい。
尚、図1では、利得部101は、第1導体部105の端部に配置してあるが、配置位置はこれに限らない。第1導体部105中の任意の位置に利得部101を配置することも、発振条件の制御に有効である。
以上の様に、本実施例のアクティブアンテナ発振器において、第1共振部と第2共振部の相対位置や形状を制御することにより、電磁界的な結合状態を制御している。この電磁界的な結合状態を制御することにより、発振条件を満たしている。このため、従来必要であった位相調整用の回路が不要になる。そのため、回路規模が小さくなる。また、回路規模が小さくなることで、電磁波の伝搬ロスを抑制し、高効率な発振器を提供することができる。
また、本実施例のアクティブアンテナ発振器は、発振器を構成する各要素が分離配置されている。そのため、例えば、第2共振部の作製中に、プロセスを失敗しても、第2誘電体部102や第2導体部104を取り除き、再度作製を試みることが可能になる。つまり作製コストや時間が短縮できる。更に、この様に再プロセスが容易であるということは、例えば、作製過程中において作製物の発振状態を監視し、監視しつつ所期の発振条件を満たす様に、各共振部の構成要素の調整を行うことも可能になる。そのため、歩留まりが上がるという効果もある。
(実施例2)
本発明の実施例2を説明する。本実施例では、第1共振部と第2共振部の電磁界的な結合方法の一形態について述べる。尚、実施例1と重複する部分についての説明は省略する。
図2は、本実施例における、アクティブアンテナ発振器の構成図である。図2において、(a)は上面図、(b)は破線BB’における断面図、(c)は破線CC’における断面図である。
図2において、実施例1と異なる点は、接地導体部106にスロット部201が付加されている点である。そして、実施例1では、第1導体部105と第2導体部104を近接させて電磁界的な結合を実現していたのに対し、本実施例では、スロット部201を介して、各共振部を結合させている点である。
本実施例では、上記エピタキシャル基板部のうち、半絶縁性部分(図1における誘電体基板部107に相当)を選択的に除去し、第1導体部105を形成する。そして、第1導体部105の絶縁性を確保するため、絶縁性の支持基板部202を貼り付ける。
本実施例の形態においても、第1共振部と第2共振部の相対位置や形状を制御することにより、電磁界的な結合状態を制御することが可能である。本実施例においても、利得部101が第1導体部105の端部に配置されているが、この位置に限るものではない。
本実施例の様に、接地導体部106中のスロット部201を介して、電磁界的な結合状態を制御することにより、スロット部201以外の箇所で発生する電磁波成分は、接地導体部106に吸収される。つまり、アクティブアンテナ発振器中の不要な電磁波の干渉を抑制することができるので、誤動作が少なく、安定的な発振器を提供することができる。
(実施例3)
本発明の実施例3を説明する。本実施例は、実施例1の変形例である。より詳しくは、利得部101へのバイアス供給方法の変形例である。そのため、実施例1と重複する部分の説明は省略する。
図3は、本実施例によるアクティブアンテナ発振器の構成図である。図3において、(a)は上面図、(b)は破線DD’における断面図である。図3において、実施例1と異なる点は、利得部101へのバイアス供給が、材料の部分を貫通する貫通導体部301によって行われている点である。
この構成によって、本実施例のアクティブアンテナ発振器へのバイアスの供給は、誘電体基板部107の背面より行うことができる。この結果、バイアス供給部分の不要な電磁波成分は、接地導体部106に吸収される。つまり、アクティブアンテナ発振器中の不要な電磁波の干渉を抑制できるので、誤動作が少なく、安定的な発振器を提供することができる。また、バイアス供給部分を、膜厚方向に作製することにより、発振器の回路規模を小型化できる。そのため、本実施例のアクティブアンテナ発振器を、複数並べた、アレイ型の発振器を構成する場合、レイアウトの自由度が向上するという効果がある。
また、本実施例の構成では、発振器へのバイアス回路を、貫通電極を用いて、各共振部の配置方向(積層方向)に形成する。この構成により、本実施例による発振器をアレイ化する際、バイアス回路を引き回すことなく、最短で接続することができる。そのため、バイアス回路による電磁波の伝搬ロスを抑制できるため、高効率な発振器を提供することができる。また、貫通電極によって、バイアス回路を各共振部の配置方向に形成することによって、レイアウトの自由度が向上する。
(実施例4)
本発明の実施例4を説明する。本実施例は、実施例2の変形例である。利得部101へのバイアス供給方法の変形例である。そのため、実施例2と重複する部分の説明は省略する。
図4は、本実施例によるアクティブアンテナ発振器の構成図である。図4において、(a)は上面図、(b)は破線EE’における断面図である。
図4において、実施例2と異なる点は、利得部101へのバイアス供給が、貫通導体部401によって行われている点である。この構成によって、アクティブアンテナ発振器へのバイアスの供給は、支持基板部202の背面より行うことができる。この結果、実施例3と同じ様に、発振器の回路規模を小型化できる。そのため、本実施例のアクティブアンテナ発振器を、複数並べた、アレイ型の発振器を考えた場合、レイアウトの自由度が向上するという効果がある。
(実施例5)
本発明の実施例5を説明する。本実施例は、実施例1の変形例である。より詳しくは、第1共振部と第2共振部の電磁界的な結合方法の他の形態に係る。尚、上記実施例と重複する部分についての説明は省略する。
図9は、本実施例における、アクティブアンテナ発振器の構成図である。図9において、(a)は上面図、(b)は破線FF’における断面図である。尚、図9では、実施例1に記載のバイアス供給部109は、省略されている。本実施例においても、実施例1と同じく、バイアス供給部109の接続位置は、電磁界分布の節となる位置(電界が0となる位置)にするのが好ましい。また、実施例3と同じく、材料の部分を貫通する貫通導体部によって行われてもよい。
図9において、実施例1と異なる点は、第1共振部を構成する第1導体部105と、第2共振部を構成する第2導体部104が、調整用導体910によって接続されていることである。実施例1の形態では、第1共振部と第2共振部は、第1導体部105と第2導体部104の間に寄生するキャパシタ成分(容量成分)によって、結合している。これに対し、本実施例では、このキャパシタ成分の他に、調整用導体910によって得られるインダクタ成分を付加し、第1共振部と第2共振部の結合を図るものである。
利得部101や各共振部の位相特性によって、位相条件の調整は、キャパシタ成分によって行うより、インダクタ成分によって行う方が有効な場合がある。本実施例では、位相条件の調整を行うパラメータを増やすことによって、この様な事態に対処するものである。そのため、調整用導体910の形状(多くの場合、断面形状)や配置位置は、調整する位相量に応じて変化する。
尚、図9において、調整用導体910の形状は、円柱状で表現されているが、これに限らない。例えば、断面が多角形状を有してもよい。また、第2誘電体部102の膜厚方向に対し、テーパ形状を有してもよい。また、このテーパ形状は多角形状であってもよい(例えば、膜厚方向に対し、テーパ角度が変化する様な形状)。また、調整用導体910の一部が不連続形状であってもよい(例えば、第2誘電体部102の膜厚方向の一部に、空隙を有している様な形状)。こうすれば、より微妙な調整が可能になる場合もある。
また、本実施例において、調整用導体910の端面は、第2誘電体部102の界面に露出している。そのため、この露出部分を利用して第2導体部104を配置する際のアライメントマーカとして利用することも可能である。
以上の様に、本実施例によれば、調整用導体910によって、発振を行うための位相整合用のパラメータを増やすことができる。そのため、位相整合の自由度が上がるという効果がある。その結果、発振動作を安定化させることができる。
(実施例6)
本発明の実施例6を説明する。本実施例は、実施例5の変形例である。尚、実施例5と重複する部分についての説明は省略する。
図10は、本実施例のアクティブアンテナ発振器の構成図である。図10において、(a)は上面図、(b)は破線GG’における断面図である。尚、実施例5と同じく、本実施例においても、バイアス供給部分の記載は省略している。
図10において、実施例5と異なる点は、調整用導体1010が、複数の導体で構成されていることである。このことによって、第1導体部105と第2導体部104の間に寄生するキャパシタ成分の他に、調整用導体1010の各導体によって得られるインダクタ成分を付加できる。更に、調整用導体1010の各導体間に寄生する第2のキャパシタ成分を付加することもできる。これらのインダクタ成分や第2のキャパシタ成分は、調整用導体1010を構成する導体の本数や間隔によって変化する。また、調整用導体1010を構成する各導体の形状は、実施例5と同じく、様々な形状を取ることが可能である。
本実施例でも、調整用導体1010の端面は、第2誘電体部102の界面に露出している。そのため、この露出部分を利用して第2導体部104を配置する際のアライメントマーカとして利用することも可能である。
以上の様に、本実施例によれば、調整用導体1010によって、発振を行うための位相整合用のパラメータを更に増やすことができる。そのため、位相整合の自由度が上がるという効果がある。その結果、発振動作を安定化させることができる。
(実施例7)
本発明の実施例7を説明する。本実施例は、実施例2及び実施例5の変形例である。尚、上記実施例と重複する部分についての説明は省略する。
図11は、本実施例のアクティブアンテナ発振器の構成図である。図11において、(a)は上面図、(b)は破線HH’における断面図である。尚、実施例5と同じく、本実施例においても、バイアス供給部分の記載(実施例2や実施例4と同形態のもの)は省略している。
図11において、実施例5と異なる点は、調整用導体1110が、第1誘電体部103と第2誘電体部102を貫通して形成されていることである。そして、第1導体部105と第2導体部104は、接地導体部106を挟んで、スロット部201(実施例2及び実施例4と同形態のもの)と調整用導体1110を介して、電磁界的に結合する。
尚、スロット部201と調整用導体1110の配置関係は、調整する位相状態によって変化する。例えば、図11の様に、スロット部201の空隙部分に調整用導体1110があってもよいし、離間していてもよい。スロット部201と調整用導体1110が離間している場合、調整用導体1110と接地導体部106の電位を切り分けるために、接地導体部106中の貫通部分に、絶縁処理(例えば、空隙を設け、空隙内に調整用導体1110を通す)を施す。
また、調整用導体1110の形状は、実施例5と同じく、様々な形状を取ることが可能である。ここでも、調整用導体1110の端面は、第2誘電体部102の界面に露出している。そのため、この露出部分を利用して第2導体部104を配置する際のアライメントマーカとして利用することも可能である。
以上の様に、本実施例によれば、調整用導体1110によって、発振を行うための位相整合用のパラメータを増やすことができる。そのため、位相整合の自由度が上がるという効果がある。更に、スロット部201を介して、電磁界的な結合状態を行うことにより、スロット部201以外の箇所で発生する電磁波成分は、接地導体部106に吸収される。つまり、アクティブアンテナ発振器中の不要な電磁波の干渉を抑制することができる。これらの結果、誤動作が少なく、安定的な発振器を提供することができる。
(実施例8)
本発明の実施例8を説明する。本実施例は、実施例7の変形例である。尚、これまでの説明と重複する部分については省略する。
図12は、本実施例のアクティブアンテナ発振器の構成図である。図12において、(a)は上面図、(b)は破線II’における断面図である。尚、実施例7と同じく、本実施例においても、バイアス供給部分の記載(実施例2や実施例4と同形態のもの)は省略している。
図12において、実施例7と異なる点は、調整用導体1210が、実施例6と同じ様に、複数の導体で構成されている点である。このことによって、実施例6と同じく、各導体の本数や間隔によって、位相調整用のパラメータを更に増やすことができる。
また、調整用導体1210を構成する各導体の形状は、実施例5と同じく、様々な形状を取ることが可能である。また、スロット部201と調整用導体1210の配置関係も、実施例7と同じく、変化する。本実施例の場合、調整用導体1210を構成するすべての導体が、スロット部201内にあってもよいし、スロット部から離間していてもよい。更に、調整用導体1210を構成する一部の導体が、スロット部201内にあり、一部が離間している態様を取ることもできる。
ここでも、調整用導体1210の端面は、第2誘電体部102の界面に露出している。そのため、この露出部分を利用して、第2導体部104を配置する際のアライメントマーカとして利用することも可能である。
以上の様に、本実施例によれば、調整用導体1210によって、発振を行うための位相整合用のパラメータを更に増やすことができる。そのため、位相整合の自由度が上がるという効果がある。更に、スロット部201を介して、電磁界的な結合状態を行うことにより、スロット部201以外の箇所で発生する電磁波成分は、接地導体部106に吸収される。つまり、アクティブアンテナ発振器中の不要な電磁波の干渉を抑制することができる。これらの結果、誤動作が少なく、安定的な発振器を提供することができる。
本発明の実施形態及び実施例1を説明する図。 本発明の実施例2を説明する図。 本発明の実施例3を説明する図。 本発明の実施例4を説明する図。 実施例1における発振器の動作を説明する図。 実施例1における発振器の動作を説明する図。 実施例1における発振器の動作を説明する図。 発振器における利得と位相の関係を説明する図。 本発明の実施例5を説明する図。 本発明の実施例6を説明する図。 本発明の実施例7を説明する図。 本発明の実施例8を説明する図。
符号の説明
101 利得部
102 第2誘電体部
103 第1誘電体部
104 第2導体部
105 第1導体部
106 接地導体部
107 誘電体基板部
108 コンタクト層
109 バイアス供給部
201 スロット部
202 支持基板部
301、401 貫通電極(貫通導体部)
910、1010、1110、1210 調整用導体

Claims (6)

  1. 発振されるべき電磁波に対して利得を有する利得部を有する第1誘電体部を挟んで、第1導体部と、各部に対して基準の電位を規定するための接地導体部が積層された、伝送線路型の第1共振部と、
    前記第1共振部に対し、第2誘電体部を挟んで、電磁波を外部に放射する第2導体部が積層され、前記接地導体部と前記第2導体部の間の構成でもってアンテナとして機能する第2共振部と、
    を備え、
    前記第1共振部の前記第1導体部と前記第2共振部の前記第2導体部は、前記第2誘電体部を介して、積層方向に分離配置されており、
    前記利得部の一端部は前記第1導体部に接続され、前記利得部のもう一方の端部は前記接地導体部と同電位になっており、
    前記第1共振部と前記第2共振部は、電磁界的な結合を有して、前記電磁波に共振を起こさせる共振回路を構成する様に、配置されている、
    ことを特徴とするアクティブアンテナ発振器。
  2. 前記第1共振部の前記第1導体部と前記第2共振部の前記第2導体部は、前記第2誘電体部を貫通して伸びて形成された、1つまたは複数の調整用導体によって接続されている、
    ことを特徴とする請求項1に記載のアクティブアンテナ発振器。
  3. 発振されるべき電磁波に対して利得を有する利得部を有する第1誘電体部を挟んで、第1導体部と、各部に対して基準の電位を規定するための接地導体部が積層された、伝送線路型の第1共振部と、
    前記第1共振部に対し、第2誘電体部と前記接地導体部を挟んで、電磁波を外部に放射する第2導体部が積層され、前記接地導体部と前記第2導体部の間の構成でもってアンテナとして機能する第2共振部と、
    を備え、
    前記接地導体部と前記第2共振部の前記第2導体部は、前記第2誘電体部を介して、積層方向に分離配置されており、
    前記利得部の一端部は前記第1導体部に接続され、前記利得部のもう一方の端部は前記接地導体部と同電位になっており、
    前記第1共振部と前記第2共振部は、電磁界的な結合を有して、前記電磁波に共振を起こさせる共振回路を構成する様に、配置されている、
    ことを特徴とするアクティブアンテナ発振器。
  4. 前記第1共振部の前記第1導体部と前記第2共振部の前記第2導体部は、前記第1誘電体部と前記第2誘電体部と前記接地導体部を貫通して伸びて形成された、1つまたは複数の調整用導体によって接続されている、
    ことを特徴とする請求項3に記載のアクティブアンテナ発振器。
  5. 請求項1から4の何れか1項に記載のアクティブアンテナ発振器を作製する作製方法であって、
    アクティブアンテナ発振器の発振状態を監視し、
    前記発振状態を監視しつつ、所期の発振条件を満たす様に、前記第1共振部と前記第2共振部の構成要素を調整する、
    ことを特徴とするアクティブアンテナ発振器の作製方法。
  6. 請求項2または4に記載のアクティブアンテナ発振器を作製する作製方法であって、
    前記第2誘電体部の界面に露出する前記調整用導体の端面をアライメントマーカとして利用して、前記第2導体部を配置する
    ことを特徴とするアクティブアンテナ発振器の作製方法。
JP2006297307A 2006-05-31 2006-11-01 アクティブアンテナ発振器 Expired - Fee Related JP5028068B2 (ja)

Priority Applications (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2006297307A JP5028068B2 (ja) 2006-05-31 2006-11-01 アクティブアンテナ発振器
US11/802,113 US7884764B2 (en) 2006-05-31 2007-05-21 Active antenna oscillator

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2006150922 2006-05-31
JP2006150922 2006-05-31
JP2006297307A JP5028068B2 (ja) 2006-05-31 2006-11-01 アクティブアンテナ発振器

Publications (3)

Publication Number Publication Date
JP2008011490A JP2008011490A (ja) 2008-01-17
JP2008011490A5 JP2008011490A5 (ja) 2009-12-24
JP5028068B2 true JP5028068B2 (ja) 2012-09-19

Family

ID=38789405

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2006297307A Expired - Fee Related JP5028068B2 (ja) 2006-05-31 2006-11-01 アクティブアンテナ発振器

Country Status (2)

Country Link
US (1) US7884764B2 (ja)
JP (1) JP5028068B2 (ja)

Families Citing this family (36)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP5006642B2 (ja) 2006-05-31 2012-08-22 キヤノン株式会社 テラヘルツ波発振器
JP4861220B2 (ja) * 2006-08-28 2012-01-25 キヤノン株式会社 電磁波を用いた検査装置
JP4963640B2 (ja) * 2006-10-10 2012-06-27 キヤノン株式会社 物体情報取得装置及び方法
JP5031330B2 (ja) * 2006-11-15 2012-09-19 キヤノン株式会社 検体分析装置、及び検体分析方法
JP5043488B2 (ja) 2007-03-30 2012-10-10 キヤノン株式会社 検出装置、及びイメージング装置
EP2031374B1 (en) * 2007-08-31 2012-10-10 Canon Kabushiki Kaisha Apparatus and method for obtaining information related to terahertz waves
US8242450B2 (en) * 2007-12-26 2012-08-14 Richard Graziano Stimulated emission and enhanced detection of chemicals and chemical compounds
US8059034B2 (en) * 2008-07-24 2011-11-15 The United States of America as resprented by the Secretary of the Army High efficiency and high power patch antenna and method of using
JP5328265B2 (ja) * 2008-08-25 2013-10-30 キヤノン株式会社 テラヘルツ波発生素子、及びテラヘルツ波発生装置
JP5717336B2 (ja) 2009-03-27 2015-05-13 キヤノン株式会社 発振器
JP5632599B2 (ja) * 2009-09-07 2014-11-26 キヤノン株式会社 発振器
JP5632598B2 (ja) * 2009-09-07 2014-11-26 キヤノン株式会社 発振回路及び発振器
JP5612842B2 (ja) * 2009-09-07 2014-10-22 キヤノン株式会社 発振器
JP5735824B2 (ja) * 2011-03-04 2015-06-17 キヤノン株式会社 情報取得装置及び情報取得方法
US8541773B2 (en) 2011-05-02 2013-09-24 Intel Corporation Vertical tunneling negative differential resistance devices
JP6033106B2 (ja) * 2013-02-12 2016-11-30 三菱電機株式会社 アンテナ装置
JP6039472B2 (ja) 2013-03-15 2016-12-07 日東電工株式会社 アンテナモジュールおよびその製造方法
JP2014207654A (ja) * 2013-03-16 2014-10-30 キヤノン株式会社 導波路素子
JP6282041B2 (ja) * 2013-03-29 2018-02-21 キヤノン株式会社 発振器
JP6415036B2 (ja) * 2013-11-07 2018-10-31 キヤノン株式会社 発振器
JP6562645B2 (ja) 2014-02-28 2019-08-21 キヤノン株式会社 発振素子、及びこれを用いた発振器
DE102014014071A1 (de) * 2014-09-29 2016-03-31 Trw Automotive Gmbh Fahrzeugbedienelement sowie Verfahren zur nichtinvasiven Messung von Biomolekülen
WO2016203712A1 (en) * 2015-06-15 2016-12-22 Canon Kabushiki Kaisha Semiconductor device generating or detecting terahertz waves
JP7076937B2 (ja) 2015-06-15 2022-05-30 キヤノン株式会社 半導体素子
JP6672639B2 (ja) * 2015-08-26 2020-03-25 カシオ計算機株式会社 誘電体アンテナ
US10971806B2 (en) 2017-08-22 2021-04-06 The Boeing Company Broadband conformal antenna
JP7023683B2 (ja) * 2017-11-29 2022-02-22 Tdk株式会社 パッチアンテナ
US11233310B2 (en) * 2018-01-29 2022-01-25 The Boeing Company Low-profile conformal antenna
US10938082B2 (en) 2018-08-24 2021-03-02 The Boeing Company Aperture-coupled microstrip-to-waveguide transitions
US10916853B2 (en) 2018-08-24 2021-02-09 The Boeing Company Conformal antenna with enhanced circular polarization
US10923831B2 (en) 2018-08-24 2021-02-16 The Boeing Company Waveguide-fed planar antenna array with enhanced circular polarization
JP7395281B2 (ja) * 2019-08-23 2023-12-11 キヤノン株式会社 素子
US11276933B2 (en) 2019-11-06 2022-03-15 The Boeing Company High-gain antenna with cavity between feed line and ground plane
CN112952340B (zh) * 2019-11-26 2023-04-28 华为技术有限公司 一种天线结构、带天线结构的电路板和通信设备
JP7449137B2 (ja) * 2020-03-25 2024-03-13 京セラ株式会社 アンテナ素子及びアレイアンテナ
CN112688067B (zh) * 2020-12-15 2023-02-21 加特兰微电子科技(上海)有限公司 复介电常数测量方法、射频器件、集成电路及无线电器件

Family Cites Families (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5641001B1 (ja) * 1971-04-30 1981-09-25
FR2668305B1 (fr) * 1990-10-18 1992-12-04 Alcatel Espace Dispositif d'alimentation d'un element rayonnant fonctionnant en double polarisation.
JP2001136017A (ja) * 1999-08-23 2001-05-18 Tokai Univ アクティブ集積アンテナ及びアクティブ集積アンテナアレイ
JP3830029B2 (ja) * 2001-09-28 2006-10-04 日本電波工業株式会社 平面回路
JP4732201B2 (ja) * 2006-03-17 2011-07-27 キヤノン株式会社 電磁波を用いたセンシング装置
JP4829669B2 (ja) * 2006-04-28 2011-12-07 キヤノン株式会社 検体情報取得装置、及び検体情報取得方法
JP5006642B2 (ja) * 2006-05-31 2012-08-22 キヤノン株式会社 テラヘルツ波発振器

Also Published As

Publication number Publication date
US20070279143A1 (en) 2007-12-06
JP2008011490A (ja) 2008-01-17
US7884764B2 (en) 2011-02-08

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5028068B2 (ja) アクティブアンテナ発振器
JP4977048B2 (ja) アンテナ素子
US9184697B2 (en) Oscillation device
US7898348B2 (en) Terahertz oscillation device
KR101323641B1 (ko) 발진기
US7952441B2 (en) Electromagnetic-wave oscillator
JP5612842B2 (ja) 発振器
US10277167B2 (en) Oscillation element and oscillator using the same
EP2624380A2 (en) Waveguide, apparatus including the waveguide, and method of manufacturing the waveguide
JP2014158254A (ja) 電磁波発生素子及び検出素子
CN114270701A (zh) 元件及制造元件的方法
JP2013236326A (ja) 発振素子、受信素子、及び測定装置
US8319565B2 (en) Resonator tunnel device
JP2021052276A (ja) 素子、素子の製造方法
Alharbi High performance terahertz resonant tunnelling diode sources and broadband antenna for air-side radiation
US20160036200A1 (en) Oscillation device
JP5417199B2 (ja) 発振素子
JP6100024B2 (ja) 発振素子
JP2019216434A (ja) 発振素子、及びこれを用いた発振器

Legal Events

Date Code Title Description
A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20091102

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20091102

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20120410

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20120525

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20120619

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20120625

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20150629

Year of fee payment: 3

R151 Written notification of patent or utility model registration

Ref document number: 5028068

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151

RD03 Notification of appointment of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R3D03

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees