JP5027485B2 - 医用画像診断支援装置とその方法及びプログラム - Google Patents
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Description
このような大腰筋領域の抽出は、上記胴囲のX線CT画像の中での近いCT値を呈しているものが多いため、閾値処理のみでは難しい。そこで、大腰筋領域の抽出には、その領域の形状の特徴からその領域の中心線を利用している手法が特許文献1に提案されている。
図1の医用画像診断支援装置1は、X線CT装置2と、MR装置3と、X線CT装置2及びMR装置3が撮影して得た医用画像を格納する画像データベース4と、医用画像を表示する医用画像表示装置10とを備え、X線CT装置2、MR装置3、画像データベース4、及び医用画像表示装置10は、LAN5等のネットワークにより互いに接続される。
まず、第1の実施形態では、図2乃至4に基づいて、大腰筋付近に混在する組織群から大腰筋及び脊柱起立筋を抽出するプロセスを説明する。
図2は図1の医用画像診断支援装置の動作例を示すメインフローチャート、図3は図2のステップ22の動作例を示すサブルーチンのフローチャート、図4は図3のフローチャートを説明するための補足図であって、大腰筋付近に混在する組織群から大腰筋及び脊柱起立筋を抽出する原理を示す図である。
CPU11は、上記入力に応答して磁気ディスク13に格納される画像データを磁気ディスク13から主メモリ12へ読み出させる。画像データは被検体の大腰筋が含まれる軟部組織、脊椎領域を含有する腹部領域を撮影した断層像である。(ステップ21)
CPU11は主メモリ12に読み出した被検体の断層像から大腰筋及び脊柱起立筋を計算によって抽出する「自動抽出処理」を実行する。「自動抽出処理」は図3にて後述する。(ステップ22)
CPU11は「自動抽出処理」でのエラー非検出の場合、閉じた臓器領域の面積の大きさを測り、その大きさの大きい上位の4領域と脊椎との位置関係によって「面積比較処理」を実行する。「面積比較処理」は図5にて後述する。(ステップ24)
CPU11は「終了判定処理」の処理データが終了していない場合、次に処理する断層像データへ更新する。(ステップ26)
CPU11は「自動抽出処理」でのエラー検出の場合、後で実行する手動での「手動抽出処理」を纏めて実行させるため、エラー一覧を作成する。(ステップ27)
CPU11は主メモリ12に読み出した被検体の断層像から骨のCT値の値域情報を利用して脊椎の二値化画像を作成する。(ステップ31)
CPU11は主メモリ12に読み出した被検体の断層像から筋肉などの軟部組織のCT値の値域情報を利用して筋肉の二値化画像を作成する。(ステップ32)
図4(a)はステップ31で作成された脊椎の二値化画像とステップ32で作成された軟部組織の二値化画像で抽出された部分を示す。ここでは、図面を直感的に理解しやすくするため、本来、“1”の画素値に塗りつぶされる二値化画像でなく、より実際の画像に近い形で表現している。
CPU11は動径rが通る部分の画素データを読み出し、筋肉領域であること示す画素に対応する動径rの半径(「筋肉領域の遠縁半径」と称する)の極小位置を計算する。CPU11はこの計算された極小位置によって、筋肉領域を個々の大腰筋領域、脊柱起立筋領域及びその他の筋肉領域のそれぞれに分離する処理を行う。(ステップ34)
CPU11はステップ31で抽出された脊椎の位置より、特定された筋肉領域をそれぞれ一対の大腰筋領域と脊柱起立筋領域として図4(c)に示されるように、識別する。(ステップ36)
また、大腰筋領域と脊柱起立筋領域が適正に抽出されないケーススタディが蓄積され、そのケーススタディが類型化されることも期待できる。その場合、CPU11は、その類型化されたケーススタディでエラー一覧を自動作成してもよい。この場合、より自動抽出に近づくことになり、さらに効率化できる。
例えば、評価方法は、大腰筋が歩行時の足の持ち上げに関与するため、路面などのわずかな突起にもつまずいてころびやすくになることが知られているため、経過観察により大腰筋の面積や体積が縮小した場合には、その事実を受診者に知らせ、大腰筋の面積や体積が回復するようなリハビリを促すといったものである。
次に、第2の実施形態では、図5乃至6に基づいて、受診者の起立姿勢等の衰えを正確にかつ即時に評価可能なプロセスを説明する。
図5は図2のステップ24の動作例を示すサブルーチンのフローチャート、図6は図5のフローチャートを説明するための補足図であって、図6(a)は年齢と大腰筋又は脊柱起立筋の面積の正常範囲と測定結果を示す例、図5(b)は断層画像と共に正常/異常を示すメッセージを表示する例をそれぞれ示す図である。
CPU11は、ステップ22で抽出された大腰筋領域又は脊柱起立筋領域の面積を計算する。(ステップ52)
CPU11は、ステップ52の抽出領域面積が正常範囲の場合、正常メッセージを生成する。(ステップ54)
CPU11は、ステップ52の抽出領域面積が異常範囲の場合、異常メッセージを生成する。(ステップ55)
ここで、符号67は大腰筋領域、68は脊柱起立筋領域、69は脊柱骨領域を示している。
また、各大腰筋領域67、脊柱起立筋領域68の脊柱骨領域69近傍に脂肪が付着していることが診断できるので、この部分は筋肉領域でないと判定すれば、より精度の高い診断が可能となる。
最後に、第3の実施形態では、図7に基づいて、自動抽出処理では抽出できなかったエラー情報を効率的に手動抽出するためのプロセスを説明する。
図7は図2で格納されたエラー一覧によってそのエラー一覧のみを手動抽出するための手順を示すフローチャートである。
CPU11は、読み出されたエラー一覧に対応する画像データを磁気ディスク13から主メモリ12へ読み出させる。(ステップ72)
CPU11は、主メモリ12へ読み出された画像データを表示メモリ14に転送し、表示メモリ14に接続されるモニタ15に表示させる。操作者は、モニタ15に表示された画像データを参照し、大腰筋領域又は脊柱起立筋領域をマウス17でトレースする。CPU11は、マウス17によってトレースした結果がマウス17のコントローラ18を通じて主メモリ12に記憶させる。(ステップ73)
CPU11は「終了判定処理」の処理データが終了していない場合、次に処理する断層像データへ更新する。(ステップ76)
Claims (5)
- 受診者の大腰筋が含まれる軟部組織、脊椎領域を含有する腹部領域の断層像を取得する画像取得手段と、
前記取得された断層像に所定の閾値を設定して前記軟部組織を抽出した抽出画像を生成する抽出画像生成手段と、
前記生成された抽出画像を表示する画像表示手段と、
を備えた医用画像診断支援装置において、
前記抽出画像生成手段は、前記設定された閾値により二値画像を得、前記得られた二値画像上に脊椎骨領域内に回転中心を持つ動径を設定し、その動径が通る部分の画素データを読み出し、軟部組織であることを示す画素に対応する動径の極小値をとる位置の動径に沿って、前記二値画像中の軟部組織領域を周方向に切断し、その切断された切断領域の面積の比較と脊椎領域との位置関係に基づいて大腰筋領域と脊柱起立筋領域を識別することを特徴とする医用画像診断支援装置。 - 前記抽出画像生成手段は、前記切断領域の各面積を比較し、面積が大きい上位の4領域を前記大腰筋領域と前記脊柱起立筋領域として抽出することを特徴とする請求項1に記載の医用画像診断支援装置。
- 前記抽出画像生成手段は、大腰筋領域又は脊柱起立筋領域の面積を縦軸、年齢を横軸としたグラフ内に、年齢毎の正常範囲を示すとともに、識別された前記大腰筋領域又は前記脊柱起立筋領域の面積と前記受診者の年齢とに基づき測定結果を表示することを特徴とする請求項1又は2に記載の医用画像診断支援装置。
- 受診者の大腰筋が含まれる軟部組織、脊椎領域を含有する腹部領域の断層像を取得するステップと、
前記取得された断層像に所定の閾値を設定し、前記設定された閾値により二値画像を得るステップと、
前記得られた二値画像上に脊椎骨領域内に回転中心を持つ動径を設定するステップと、
前記設定された動径が通る部分の画素データを読み出し、軟部組織であることを示す画素に対応する動径の極小値をとる位置の動径に沿って、前記二値画像中の軟部組織領域を周方向に切断するステップと、
前記切断された切断領域の面積の比較と脊椎領域の位置に基づいて大腰筋領域と脊柱起立筋領域を識別するステップと、
前記識別された前記大腰筋領域と前記脊柱起立筋領域を表示するステップと、
を備えたことを特徴とする医用画像診断支援方法。
- 受診者の大腰筋が含まれる軟部組織、脊椎領域を含有する腹部領域の断層像を取得する機能と、
前記取得された断層像に所定の閾値を設定し、前記設定された閾値により二値画像を得る機能と、
前記得られた二値画像に脊椎骨領域内に回転中心を持つ所定半径の動径を設定する機能と、
前記設定された動径が通る部分の画素データを読み出し、軟部組織であることを示す画素に対応する動径の極小値をとる位置の動径に沿って、前記二値画像中の軟部組織領域を周方向に切断する機能と、
前記切断された切断領域の面積の比較と脊椎領域との位置関係に基づいて大腰筋領域と脊柱起立筋領域を識別する機能と、
前記識別された前記大腰筋領域と前記脊柱起立筋領域を表示する機能と、
をコンピュータに実行させることを特徴とする医用画像診断支援プログラム。
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