JP4169967B2 - 画像診断支援装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、コンピュータ画像処理を用いて医用画像から病巣候補とされる陰影等を抽出し、抽出された病巣の候補とされる陰影を識別可能に表示する画像診断支援装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、CT装置やMRI装置で撮影された画像の陰影をコンピュータを用いて解析し、その陰影の中から病巣候補を絞り込んで医者に提示し、医者の判断を仰ぐという診断支援が行われている。陰影の中から病巣候補を絞り込むものとして、肺野の医用画像を例にしたものが種々報告されている。その中の一つとして、肺野の医用画像の中から細長い血管陰影と円形に近い癌陰影を識別する方法として、例えば"クオイトフ ィルタ"(1999年11月第9回コンピュータ支援画像診断学会大会論文集21ページ に記載)が報告されている。肺野の医用画像には、癌などの陰影のほか、血管、血管の断面、気管支の断面などが混在して写っているので、これらの画像の中から癌候補と思われる陰影を抽出して医者に提示することが望ましい。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、実際の陰影は大きさも形も様々であり、陰影の識別能力をあげるにはパラメータの調節に多くの労力を要し、使いにくいものであった。大きさや形の異なる陰影を統一的に扱える方法があれば、コンピュータプログラムを作成するのも容易となり、識別能力をあげるためのパラメータの調節も容易となる。また、簡単な処理で陰影の中から病巣候補を絞り込むことができれば、コンピュータの演算時間も少なくて済み、早く正確な病巣候補を抽出することができるようになる。また、抽出された病巣候補を医者に瞬時に表示することが可能となるので望ましい。
そこで、本願の出願人は、大きさや形の異なる陰影を統一的に扱うことができ、コンピュータ演算に要する時間も短時間で済む画像診断支援装置を出願している(特願2001−187969号)。この画像診断支援装置は、磁気ディスク等の記憶装置からCT装置によって撮影された患者のCT画像を読み込み、読み込まれたCT画像の中から診断対象臓器に対して多値化処理を施し、多値化画像を生成する。この多値化画像は、複数の臓器の部位又は臓器同士が連結している場合があるので、それらを個々の部位又は臓器に分離するための切断処理を行なう。そして、切断された各診断対象臓器の部位又は臓器の種類に対応した最適な検出処理を行う。この検出処理では、部位又は臓器の種類等を判断して、それらに適した画像処理を施し、病巣候補陰影を絞り込み、病巣の候補とされる陰影すなわち異常陰影を検出している。この異常陰影検出処理は、原画像(CT画像)を使わずに、多値化画像だけに基づいて行なったり、CT画像及び多値化画像の両方に基づいて行なっている。そして、異常陰影と判定されたものを病巣部として残し、そうでないものを削除し、異常陰影についてCT画像中に分かりやすいように色情報やマーカー等を付加して表示している。
上述の出願では、切断処理する方法として種々の提案を行なっているが、血管の分岐部分や癌などの病巣陰影にひげ状の血管が結合しているものなどについては、切断処理が効率的に機能しないことがあった。従って、切断処理を効率的に行い、異常陰影の処理を行なうことが重要な課題であった。また、上述の出願では、異常陰影を検出処理する方法として種々の提案を行い、陰影を異常陰影の候補にすべきかどうかの判定を行なっているが、一般的に、陰影のどのような特徴を利用するかによって、異常陰影の候補検出率に違いが出てくる。従って、いかに優れた特徴量を用いて検出処理を行なうかが重要な課題であった。
【0004】
本発明の目的は、CT画像、MR画像、超音波画像及び過去画像と現在画像の差画像等を含めた医用画像から病巣候補などをコンピュータを用いて自動的に判別する際に、多値化された陰影であって、血管の分岐部分や病巣陰影にひげ状の血管が結合しているものなどについて切断処理を効率的に行なうことのできる画像診断支援装置を提供することにある。
【0005】
本発明の目的は、CT画像、MR画像、超音波画像及び過去画像と現在画像の差画像等を含めた医用画像から病巣候補などをコンピュータを用いて自動的に判別する際に、陰影の持つ特徴を利用し、異常陰影の候補検出率の高い検出処理を行なうことができる画像診断支援装置を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
請求項1に係る画像診断支援装置は、医用画像又は前記医用画像の中から判別対象となる陰影の種類に応じた画素値範囲に属する画素だけを抽出して作成された判別対象医用画像に対して所定の画像処理を施して多値化画像を作成する多値化手段と、前記多値化画像に基づいて陰影の中心又は重心を検出し、前記陰影の中心又は重心付近を基準点とする所定長の半径を前記多値化画像、前記医用画像又は前記判別対象用医用画像中の陰影上で回転させて、前記半径と前記多値化画像の縁との交点を基準にして前記多値化画像の内外に所定距離だけ離れた少なくとも2個所における前記医用画像又は前記判別対象用医用画像中の陰影の画素値をサンプリングし、前記2個所の画素値の差分値に基づいて前記陰影が病巣候補陰影であるか否かを判別する抽出手段とを備えたものである。医用画像には、癌などの陰影のほか、血管、血管の断面、気管支の断面などが混在して写っているので、医用画像に直接画像処理を施したとしても病巣の候補とされる病巣候補陰影を抽出することは非常に困難である。そこで、この発明では、多値化手段によって医用画像を多値化し、その多値化画像に基づいて陰影の中心又は重心座標などを求め、その中心座標を基準にしてさらに多値化画像に種々の画像処理を施して、血管、血管の断面、気管支の断面などのような病巣ではない陰影を効率的に削除し、結果として病巣確信度の高い病巣候補陰影だけを抽出するようにした。病巣候補陰影だけを抽出する方法の一つとして、この発明では、医用画像又は判別対象用画像中の陰影は、その境界付近の濃度すなわちCT値がぼんやりしており、様々な濃度値(CT値)を示すことが分かっている。そこで、多値化画像の陰影の縁を基準に、その内外2個所における実際の医用画像又は判別対象用画像の陰影の濃度差すなわち画素値の差分値を求めることによって、その陰影が病巣候補陰影であるかそうでないかを判別することができる。
【0007】
請求項2に係る画像診断支援装置は、請求項1において、前記抽出手段が、前記半径と前記多値化画像の縁との交点を基準にして前記多値化画像の内外に所定距離だけ離れた前記半径上の少なくとも2個所における前記医用画像又は前記判別対象用医用画像中の陰影の画素値をサンプリングするものである。これは、多値化画像の陰影の縁を基準にした内外の2個所の位置として、動径(多値化画像の陰影の中心又は重心を中心に回転する半径)上の点を用いるようにしたものである。
【0008】
請求項3に係る画像診断支援装置は、請求項1において、前記抽出手段が、前記半径と前記多値化画像の縁との交点を含むように前記多値化画像の縁に形成された接線に対して垂直な線上であって、前記交点を基準にして前記多値化画像の内外に所定距離だけ離れた少なくとも2個所における前記医用画像又は前記判別対象用医用画像中の陰影の画素値をサンプリングするものである。これは、多値化画像の陰影の縁を基準にした内外の2個所の位置として、多値化画像の陰影の縁の形成される接線に対して垂直な線上の点を用いるようにしたものである。
【0009】
請求項4に係る画像診断支援装置は、請求項1、2又は3において、前記抽出手段が、前記半径の回転時の角度を横軸として前記2個所の画素値の差分値に基づいた差分値波形を作成し、前記差分値波形に基づいて前記陰影が病巣候補陰影であるか否かを判別するものである。これは、多値化画像の内外2個所の差分値の波形を動径の角度を横軸として作成した差分値波形に基づいて病巣候補陰影の判別を行なうようにしたものである。陰影が病巣候補の場合と、血管断面の陰影の場合とでは、この差分値波形に顕著な相違が現れるからである。一般に、病巣候補陰影でないものは、陰影内の濃度は一つのピークを有するような単純なものとなり、病巣候補陰影の場合は、逆に複数のピークを有するような複雑なものとなることが知られている。従って、このような陰影について差分値波形を求めると、病巣候補陰影でない場合は比較的変化の少ない波形を示し、病巣候補陰影の場合は変化の多い波形を示すようになる。そこで、ここでは、これらの差分値波形に基づいて、陰影が病巣候補陰影であるか否かを判別している。
【0010】
請求項5に係る画像診断支援装置は、請求項4において、前記抽出手段が、前記差分値波形をフーリエ変換し、このフーリエ変換の結果に基づいて、前記陰影が病巣陰影であるか否かを判別するものである。これは、差分値波形の特徴を抽出するためにフーリエ変換し、その結果を用いて病巣候補陰影の判別を行なうようにしたものである。前述のように、差分値波形は、病巣候補陰影でない場合は比較的変化の少ない波形を示し、病巣候補陰影の場合は変化の多い波形を示すので、そのフーリエ変換の結果も同様に、病巣候補陰影の場合の方が、血管端末の陰影などに比べて高周波側にずれる傾向がある。従って、高周波側へのずれ量、例えばピーク位置のずれが陰影の特徴量となる。ピーク位置が所定の値より高周波側にあると判定した場合は、陰影を病巣候補陰影とし、そうでない場合には、病巣候補陰影ではないと判別する。
【0011】
請求項6に係る画像診断支援装置は、請求項5において、前記抽出手段が、前記フーリエ変換の結果、その周波数成分の大小関係に基づいて、前記陰影が病巣陰影であるか否かを判別するものである。これは、フーリエ変換した結果の周波数成分の大小関係に基づいて判別するようにしたものである。
【0012】
請求項7に係る画像診断支援装置は、請求項5において、前記抽出手段が、前記フーリエ変換の結果、その周波数成分のピークを示す周波数の大小に基づいて、前記陰影が病巣陰影であるか否かを判別するものである。これは、フーリエ変換した結果の周波数成分のピークを示す周波数の大小に基づいて判別するようにしたものである。
【0013】
請求項8に係る画像診断支援装置は、請求項4において、前記抽出手段が、前記差分値波形において、前記多値化画像の内側に位置する画素値が前記多値化画像の外側に位置する画素値よりもも小さい場合の割合を求め、その割合が一定値よりも大きいか否かに基づいて、前記陰影が血管の末端であると見なして、病巣候補陰影から除外するものである。これは、請求項4で求められた差分値波形に基づいて直接判別するようにしたものであり、血管の末端の陰影の場合、それに接続する血管部分の陰影が存在するので、差分値波形の一部において多値化画像の内側に位置する画素値が多値化画像の外側に位置する画素値よりもも小さい場合があり、その割合が一定値よりも大きくなるので、そのような場合は血管の末端であると見なすことにした。
【0014】
請求項9に係る画像診断支援装置は、請求項1において、前記抽出手段が、前記多値化画像に基づいて陰影の中心又は重心を検出し、前記陰影の中心又は重心付近を基準点として所定長の直線を前記多値化画像、前記医用画像又は前記判別対象用医用画像中の陰影上で回転させて、前記直線と前記多値化画像、前記医用画像又は前記判別対象用医用画像中の陰影と交差する直線部分の長さの最小値を求め、前記最小値に基づいて切断半径を求め、前記切断半径によって形成される切断円に含まれる前記陰影を残し、それ以外の陰影を除去し、残った陰影が病巣候補陰影であるか否かを判別するものである。孤立領域の切断で最も簡単な場合は円形による切断である。これは、切断円形の半径に対象孤立領域の属性を反映させるようにしたものであり、陰影の動径最小値に基づいて切断円形の半径を決定し、切断処理を行なうようにしたものである。
【0015】
請求項10に係る画像診断支援装置は、請求項1において、前記抽出手段が、前記多値化画像に基づいて陰影の中心又は重心を検出し、前記陰影の中心又は重心付近を基準点として所定長の直線を前記多値化画像、前記医用画像又は前記判別対象用医用画像中の陰影上で回転させて、前記直線と前記多値化画像、前記医用画像又は前記判別対象用医用画像中の陰影と交差する直線部分の長さの最小値及び最大値値を求め、前記最小値と前記最大値との比に基づいて切断半径を求め、前記切断半径によって形成される切断円に含まれる前記陰影を残し、それ以外の陰影を除去し、残った陰影が病巣候補陰影であるか否かを判別するものである。これは、動径の最小値及び最大値の比に基づいて切断円形の半径を決定し、切断処理を行なうようにしたものである。
【0016】
請求項11に係る画像診断支援装置は、請求項9において、前記抽出手段が、前記多値化画像に基づいて陰影の中心又は重心を検出し、前記中心又は重心から前記陰影の縁部までの距離を前記陰影の全周囲に渡って求め、全周囲に渡って求められた距離の分散値又は標準偏差値を求め、前記分散値又は標準偏差値と前記最小値に基づいて前記陰影が病巣候補陰影であるか否かを判別するものである。これは、動径と陰影の縁部までの距離の分散値又は標準偏差を求め、それを請求項9で求めた最小値と関連付けて、判別処理を行なうようにしたものである。
【0017】
請求項12に係る画像診断支援装置は、請求項10において、前記抽出手段が、前記陰影領域の面積を求めると共に前記陰影領域の縁部に形成される凹部領域の面積を求め、前記陰影領域の面積と前記凹部領域の面積との比率を求め、求められた比率と前記最小値と前記最大値との比とに基づいて前記陰影が病巣候補陰影であるか否かを判別するものである。これは、陰影の面積とその縁部の凹部領域の面積を求め、その面積の比率を、請求項10で求めた最小値と最大値との比に関連付けて、判別処理を行なうようにしたものである。
【0018】
請求項13に係る画像診断支援装置は、請求項10において、前記抽出手段が、前記陰影領域の面積を求めると共に前記陰影領域の縁部に形成される凹部領域の面積を求め、前記前記凹部領域の面積の中で最も大きい二つの面積の重心位置付近を直線又は曲線で接続し、この直線又は曲線を用いて前記陰影領域を切断するものである。これは、陰影の縁部の凹部領域の面積を求め、その面積の中で大きいもの二つを用いて、陰影の切断処理を行なうようにしたものである。血管陰影に病巣候補陰影が重なっている場合には、この処理によって血管陰影と病巣候補陰影を切断することができる。
【0019】
請求項14に係る画像診断支援装置は、請求項13において、前記直線又は前記曲線を用いて切断された前記陰影について病巣候補陰影であるか否かを判別するものである。これは、請求項13の切断処理後の両方の陰影について病巣候補陰影の判別処理を行なうようにしたものである。
【0020】
請求項15に係る画像診断支援装置は、請求項14において、前記直線又は前記曲線を用いて切断された前記陰影について、切断前の陰影の中心又は重心を含まない方の切断後陰影を削除し、削除後の陰影が病巣候補陰影であるか否かを判別するものである。一般的に病巣候補陰影を含む部分に陰影の中心又は重心が存在する場合が多いので、これは、請求項13の切断処理後に中心又は重心を含まない方の陰影を削除するようにしたものである。
【0021】
請求項16に係る画像診断支援装置は、請求項1において、前記抽出手段が、前記多値化画像の所定の領域を複数の領域に分割し、分割されたそれぞれの領域に異なるパラメータを割り当て、前記多値化画像に基づいて検出された陰影の中心又は重心が位置する前記分割領域に割り当てられているパラメータを用いて前記陰影の切断処理又は病巣候補陰影であるか否かを判別処理を行なうものである。これは、判定基準値であるパラメータを画像の臓器の位置に依存させるようにしたものであり、多値化画像に基づいて臓器に該当する領域を分割し、その分割領域毎に異なるパラメータを割り当てるようにしたものである。これによって、臓器の位置に応じた適切なパラメータの設定を行なうことが可能となる。
【0022】
請求項17に係る画像診断支援装置は、請求項1において、前記抽出手段が、前記多値化画像に基づいて平均値画像を作成し、前記多値化画像又は前記平均値画像に基づいて陰影の中心又は重心を検出し、前記陰影の中心又は重心付近を基準点として所定長の直線を前記多値化画像及び前記平均値画像中の陰影上で回転させて、前記直線と前記多値化画像及び前記平均値画像中の陰影と交差する直線部分の長さの差分値を求め、前記直線の回転時の角度を横軸として前記差分値に基づいた差分値波形を作成し、前記差分値波形に基づいて前記陰影が病巣候補陰影であるか否かを判別するものである。これは、多値化画像をさらに所定の区画領域で平均化して平均値画像を作成し、この多値化画像及び平均値画像と動径とが交差する直線部分の長さの差分値を求め、その差分値波形に基づいて病巣候補陰影の判別処理を行なうようにしたものである。病巣候補陰影の場合は、平均値画像も多値化画像とほとんど変わらないが、血管の断面陰影の場合は、多値化画像と平均値画像における陰影の形状が異なり、差分値波形の変化が大きくなるので、これに基づいて病巣候補陰影の判別を容易に行なうことができる。
【0023】
請求項18に係る画像診断支援装置は、請求項1において、前記多値化手段によって処理される前に前記医用画像の中から不要なものを取り除き、異常陰影検出処理の対象となるものを選択する処理画像選択手段を備えたものである。医用画像などの数は増加する傾向にあり、一回の検査で大量の医用画像が生成される。そこで、この発明では、大量の医用画像の中から不要なものを取り除き、異常陰影検出処理の対象となるものを選択するようにした。これによって、異常陰影検出処理を効率化することができる。
【0024】
請求項19に係る画像診断支援装置は、請求項18において、前記処理画像選択手段が、前記医用画像の中で所定の領域の面積が最も大きい第1の医用画像を抽出し、前記第1の医用画像とその前後の医用画像との間で前記所定の領域の相関を取り、その相関値の大きさに基づいて前記前後の医用画像が前記異常陰影検出処理の対象となるか否かを判断し、前記相関の比較対象となる医用画像を順次前後にシフトして前記異常陰影検出処理の対象となるか否かの判断を行なうものである。これは、大量の医用画像の中から不要な画像を選択する場合の処理に関するものであり、医用画像の中の所定の領域、例えば肺野領域に注目し、その領域が最も大きい第1の医用画像を抽出する。通常、所定の領域が最も大きい医用画像は大量の画像の中の中間部に位置するので、この第1の医用画像を基準としてその前後に多数の医用画像が存在することになる。そこで、前後の医用画像間で所定領域の相関を取り、その相関に基づいて所定領域が存在するか否かを判断し、存在する場合には、それは処理の対象とする。この処理を前後にシフトして順次行なうことによって、相関のとれない画像が存在するようになるので、その場合にはその画像より前後のものは所定領域を含まないものとして、処理の対象から除外するようにした。これによって、大量の画像の中から処理対象となる画像を抽出することができる。
【0025】
請求項20に係る画像診断支援装置は、医用画像又は前記医用画像の中から判別対象となる陰影の種類に応じた画素値範囲に属する画素だけを抽出して作成された判別対象医用画像に対して所定の画像処理を施して多値化画像を作成する多値化手段と、前記多値化画像、前記医用画像及び前記判別対象医用画像のいずれか一つに基づいて少なくとも1つ以上の判別処理を実行して病巣の候補とされる病巣候補陰影を抽出する抽出手段と、異常陰影検出処理前の医用画像と前記抽出手段によって抽出された前記病巣候補陰影を含む医用画像と類似非異常陰影を含む医用画像とを並べて表示する表示手段とを備えたものである。これは、異常陰影検出処理前の医用画像と同時にがん陰影を含む医用画像及びがん陰影ではないがそれに近い類似非がん陰影を含む医用画像を同時に表示するようにしたものであり、これによって、医師はこれらの医用画像の陰影を参照しながら、未知の医用画像の陰影について適切な判断を行なうことができるようになる。
【0026】
【発明の実施の形態】
以下添付図面に従って本発明に係る画像診断支援装置の好ましい実施の形態について説明する。
図1は、本発明が適用される画像診断支援装置全体のハードウエア構成を示すブロック図である。この画像診断支援装置は、例えばX線CT装置等で被検体の対象部位について収集した複数の断層像(CT画像など)に基づいて、抽出された病巣候補陰影等を表示したり、抽出された病巣候補陰影等の中から確信度の高いものを絞り込んで表示した。また、これらの処理の途中における画像を表示したりするものである。この画像診断支援装置は、各構成要素の動作を制御する中央処理装置(CPU)40と、装置全体の制御プログラムが格納された主メモリ42と、複数の断層像データ及びプログラム等が格納された磁気ディスク44と、表示用の画像データを一時記憶する表示メモリ46と、この表示メモリ46からの画像データに基づいて画像を表示する表示装置としてのCRTディスプレイ48と、画面上のソフトスイッチを操作するマウス50及びそのコントローラ52と、各種パラメータ設定用のキーやスイッチを備えたキーボード54と、スピーカ57と、上記各構成要素を接続する共通バス56とから構成される。この実施の形態では、主メモリ42以外の記憶装置として、磁気ディスク44のみが接続されている場合を示しているが、これ以外にフロッピディスクドライブ、ハードディスクドライブ、CD−ROMドライブ、光磁気ディスク(MO)ドライブ、ZIPドライブ、PDドライブ、DVDドライブなどが接続されていてもよい。さらに、通信インターフェイスを介してLAN (ローカルエリアネットワーク)やインターネット、電話回線などの種々の通信ネットワーク58上に接続可能とし、他のコンピュータやCT装置59などとの間で画像データのやりとりを行えるようにしてもよい。また、画像データのやりとりは、X線CT装置やMRI装置などの被検体の断層像が収集可能な医用画像診断装置を上記LAN等の通信ネットワーク58と接続して行ってもよい。
【0027】
以下、図1の画像診断支援装置の動作例について図面を用いて説明する。図2は、画像診断支援装置が実行するメインフローの一例を示す図である。図1のCPU40は、このメインフローに従って動作する。図3は、このメインフローによってCT画像がどのように処理されるのかを示す図である。図4は、CRTディスプレイ48上の表示画面の一例を示す図である。このメインフローは、操作者が図4の表示画面上の患者名の欄に病巣候補抽出及び表示処理の対象となる患者名を入力し、演算ボタンをクリックすることによって起動するものである。以下、このメインフローの詳細をステップ順に説明する。
【0028】
[ステップS80]
CPU40は、CT装置によって撮影された患者のCT画像の中から図4の患者名に対応する患者のCT画像20(図3(a1))を磁気ディスク44から読み込む。
[ステップS81]
CPU40は、読み込まれたCT画像の中から診断対象臓器に対して多値化処理を施し、図3(b1)に示すような多値化画像を生成する。この多値化処理の詳細については後述する。
[ステップS82]
診断対象臓器の部位又は臓器の種類に対応した最適な検出処理を行うために、CPU40は、その部位又は臓器の種類等を判断して、ステップS83に進むか、ステップS83に進むかの判断を行う。
[ステップS83]
CPU40は、図3(b1)の多値化画像に対して種々の画像処理を施し、病巣候補陰影を絞り込み、病巣の候補とされる陰影すなわち異常陰影22を検出する。この異常陰影検出処理は、元のCT画像を使わずに、ステップS81で生成された多値化画像だけに基づいて異常陰影22を検出するものである。その詳細については後述する。この実施の形態のように、多値化画像に基づいて異常陰影検出処理を行うことによって、コンピュータ演算などに要する時間を短縮化したり、演算処理の負担を軽減することができる。
[ステップS84]
CPU40は、図3(a1)のCT画像及び図3(b1)の多値化画像に対して種々の画像処理を施し、病巣候補陰影を絞り込み、病巣の候補とされる陰影すなわち異常陰影22を検出する。
【0029】
なお、ステップS83及びステップS84における異常陰影検出処理の途中経過を示す判別中画像24は、図4に示すようにCRTディスプレイ48上で図3(a1)のCT画像20の横に並列的に表示される。なお、図4に示される合成ボタンがクリックされるとそれに応じて判別中画像24がCT画像20に合成されて表示される。なお、判別中画像24は、多値化画像のデータの処理過程に従って(すなわち、病巣候補陰影の抽出段階に応じて)順次表示内容が変わるようになっている。異常陰影検出処理によって検出された異常陰影の抽出数が所定数よりも多い時は、判定不能を表示して終了することもある。また、その結果は随時磁気ディスクに記録される。この異常陰影検出処理の詳細については後述する。
【0030】
[ステップS85]
CPU40は、前記ステップS83又はステップS84で異常陰影と判定されたものを病巣部として残し、そうでないものを削除する。
[ステップS86]
CPU40は、図4の三次元画像構成ボタン3Dがクリックされているか否か、すなわち三次元画像構成フラグが「1」か「0」かを判定し、「1」(yes)の場合にはステップS87に進み、「0」(no)の場合にはステップS88に進む。なお、三次元画像構成フラグは、操作者が必要に応じて任意に図4の三次元画像構成ボタンをクリックすることによって「1」又は「0」に設定できるようになっている。
[ステップS87]
ステップS87の処理は、ステップS86でyesと判定した場合に実行されるものである。CPU40は、異常陰影付近の複数枚のCT画像から三次元画像の構成処理を開始する。なお、この三次元画像の構成処理は、ステップS88の処理と並列的に実行されるようになっているが、この三次元画像の構成処理が終了した後にステップS88に進み、ステップS88の処理を実行するようにしてもよい。
【0031】
[ステップS88]
CPU40は、異常陰影を容易に特定することができるように図3(a1)のCT画像中に色情報を付加して表示したり、その異常陰影をマーカーMで囲むようにして表示したり、原画像(CT画像)中に着色された抽出病巣部やマーカーなどを表示する合成処理を行なう。図3(a2)には、マーカーMで異常陰影を囲んだ場合の合成画像の一例が表示されている。
[ステップS89]
CPU40は、多機能画像表示ボタンがオンされたか否かの判定を行い、オンされた (yes)場合にはステップS8Aに進み、オンされていない(no)場合にはステップS8Bに進む。
[ステップS8A]
多機能画像表示ボタンがオン状態にあるので、CPU40は、ステップS87で構成された三次元画像などを表示する。
[ステップS8B]
CPU40は、別患者の画像に対して同様の病巣候補抽出表示処理を行う旨の指示が操作者によって行われたか否かの判定を行い、別患者の画像を表示する(yes)と判定した場合には、ステップS80に戻り、同様の処理を繰り返し実行し、別患者の画像を表示しない(no)と判定した場合には、ステップS8Cに進む。
[ステップS8C]
CPU40は、図4の終了ボタンのオン操作が操作者によって行われたか否かを判定を行い、オンされていない(no)と判定した場合にはステップS89に戻り、通常の画像表示または多機能画像表示を継続し、オンされた(yes)と判定した場合には処理を終了する。
【0032】
図2のステップS81の多値化画像処理は、図3に示すようなCT画像20に基づいて行われる。この多値化画像処理は、図3に示すように、図3(a1)に示すような元のCT画像20の標準偏差等を計算した結果に対して、所定の閾値処理を施して多値化するものである。図5及び図6は、図2のステップS81の診断対象臓器の多値化画像処理の詳細を示すフローチャート図である。ここでは、多値化画像処理の中の最も基本的な2値化画像処理について説明する。従来、陰影を強調表示するための画像処理方法の一つに、各CT画像間の差をとる方法がある。例えば、画像サイズ512×512の隣り合う2枚のCT画像間で、同じアドレス(x,y)の画素のCT値の差をとり、このCT値の差をメモリのアドレス(x,y)に格納し、これにより陰影を強調した強調画像を得るようにしている。また、標準偏差値(分散値を含む)を用いる方法などもある。これらの方法は、陰影の境界付近を特に強調表示するものではなく、また、陰影の境界(縁)を抽出したり、陰影のみを抽出するものではない。そこで、この実施の形態では、CT画像内の陰影 (特に陰影の境界付近)を抽出したり、陰影を強調表示することのできる多値化画像処理を採用している。図7は、この多値化画像処理を原理的に説明するための図である。以下、このメインフローの詳細をステップ順に説明する。
【0033】
[ステップS11]
CPU40は、所定形状の特定領域をCT画像上の初期位置に設定する。すなわち、CPU40は、図7に示すように、例えば10×10画素程度の正方形状の特定領域(小領域)12A及び12BをCT画像20(被検体の断層像)内に設定し、それを左上隅の初期位置に設定する。この小領域12A,12Bの中心位置の座標が(X,Y)である場合、その座標(X,Y)はそれぞれ(0,0)に設定される。なお、図7において、小領域12Aは、陰影15の内部に設定され、小領域12Bは、陰影16の境界(縁)を跨がるように設定されている。この小領域の大きさは、10×10画素に限定されるものではなく、例えば、正方形以外の長方形や菱形、円形であってもよい。また、中心位置と重心位置が異なる場合は、重心位置を優先させるが、場合によって選択できるようにしてもよい。
[ステップS12]
CPU40は、小領域内の濃度値(CT値)の平均値AVを求める。求められた平均値AVは、図7の小領域12Aのように陰影15内に存在する場合は高い値を示し、小領域が陰影に跨がっていない場合は低い値を示し、小領域12Bのように陰影16に跨がっている場合はこれらのほぼ中間の値を示す。
[ステップS13]
CPU40は、小領域内において、濃度値がその平均値AV以上である画素の座標の平均値p(xp,yp)、及び濃度値がその平均値AVよりも小さな画素の座標の平均値m(xm,ym)をそれぞれ求める。図7の小領域12Aの場合には、平均値pA,mAは、小領域12Aのほぼ中心付近となり、両者の座標位置はほぼ一致する。一方、小領域12Bの場合には、平均値pBは、陰影16と小領域12Bの重なり部分のほぼ中心付近となり、平均値mBは陰影16と小領域12Bの重ならない部分のほぼ中心付近となり、両者の座標は離れたものとなる。
【0034】
[ステップS14]
CPU40は、平均値pの座標(xp,yp)と平均値mの座標(xm,ym)との間の距離Dを求める。図7の小領域12Aの場合は、平均値pA,mAは同じ値なので、距離Dは「0」となる。小領域12Bの場合は、平均値pBと平均値mBとは離れているので、それに対応した距離DBとなる。すなわち、この距離Dは、小領域が陰影の縁付近に位置している場合に大きくなり、小領域が陰影に跨がっていない場合には小さな値となる傾向がある。
[ステップS15]
上述の傾向をより顕著にするために、このステップS15では、CPU40は、ステップS14で求められた距離Dに基づいて、小領域の中心座標(X,Y)におけるモーメントMとしてM=g・f(D)を求める。このモーメントMは、(X,Y)に関連した値とする。例えば、小領域内において、濃度値が前記平均値AV以上である画素数をNpとし、濃度値が平均値AVよりも小さな画素数をNmとしたとき、次式に基づいて求められた各モーメントM1〜M3をステップS15のモーメントMとして定義する。
モーメントM1は、M1=Np×Nm×Dとする。
モーメントM2は、M2=Nor×Dとする。
(Norは、Np,Nmのうちの大きい方とする。)
モーメントM3は、M3=従来の分散値×Dとする。
(但し、Dは約1〜3の値のδ乗としてもよい。)
一般に、Dを含む演算は有効である。また、後述する判別処理においても、病巣領域に対するDを含む演算結果を判別に用いることができる。
【0035】
[ステップS16]
CPU40は、小領域を画像のX方向に移動させるために小領域の中心座標Xに1を加える。
[ステップS17]
CPU40は、小領域の中心座標Xの値が最大(小領域が画像の右端を越えた位置)か否かを判定し、最大(yes)であると判定した場合にはステップS17に進み、最大でない(no)と判定した場合にはステップS12に戻り、中心座標Xの値が最大になるまでステップS12〜ステップS17の処理を繰り返す。
[ステップS18]
CPU40は、前記ステップS17で小領域の中心座標Xが最大であると判定されたので、小領域を画像の左端に戻すために、中心座標Xを初期値(通常は0)に戻す。
[ステップS19]
CPU40は、小領域を画像のY方向に移動させるために小領域の中心座標Yに「1」を加える。
[ステップS20]
CPU40は、小領域の中心座標Yの値が最大(小領域が画像の下端を越えた位置)か否かを判定し、最大(yes)であると判定した場合には処理を終了し、結合子Aを介して図6のステップS21に進み、最大でない(no)と判定した場合にはステップS12に戻り、Yが最大になるまでステップS12〜ステップS20の処理を繰り返す。このようにして、CPU40は、小領域をCT画像20の左上から右下まで走査して、その中心座標位置におけるモーメントMを順次算出する。
【0036】
このようにして求められたモーメントMを使用し、各CT画像20上から陰影又は陰影の境界付近に位置する画素を抽出する方法について図6に示すフローチャートにしたがって説明する。
[ステップS21]
CPU40は、CT画像20の各画素が陰影又は陰影の境界であるのか否かを判定するための閾値として操作者のキーボード入力による定数、又は磁気ディスク44等に予め記憶されている定数を読み込み、これらのいずれかを定数として指定する。
[ステップS22]
CPU40は、判定対象となる画素(被判定画素)をCT画像20の左上隅の初期位置に設定するために、その座標(X,Y)をそれぞれ(0,0)に設定する。
[ステップS23]
CPU40は、被判定画素の座標(X,Y)を中心とする小領域について、図5のステップS15で求めたモーメントMを読み出す。
【0037】
[ステップS24]
CPU40は、読み出されたモーメントMがステップS21で指定された定数より大きいか否かを判定し、大きい(yes)と判定した場合はステップS25に進み、小さい (no)と判定した場合はステップS26にジャンプする。
[ステップS25]
CPU40は、ステップS24でモーメントMが定数より大きいと判定されたということは、その座標(X,Y)に対応する被判定画素が、陰影又は陰影の境界に該当することを意味するので、このステップではその座標(X,Y)を抽出し、メモリ(主メモリ42又は磁気ディスク44)に格納する。すなわち、CPU40は、ステップS24でモーメントMが定数より大きい(yes)と判定した場合には、その座標(X,Y)に2値化のうちのハイレベル「1」をセットし、逆にステップS24でモーメントMが定数より小さい(no)と判定した場合には、その座標(X,Y)に2値化のうちのローレベル「0」をセットする。このようにして各座標はローレベル「0」又はハイレベル「1」のいずれか一方にセットされ、2値化されていく。このように各座標を2値化することによって各座標を1ビットで表現することができるようになるので、以後の処理を単純化することができる。
[ステップS26]
CPU40は、被判定画素の座標をX方向に移動させるために座標Xに1を加える。
【0038】
[ステップS27]
CPU40は、被判定画素の座標Xの値が最大(画像の右端を越えた位置)か否かを判定し、最大(yes)であると判定した場合にはステップS28に進み、最大でない(no)と判定した場合にはステップS23に戻り、Xが最大になるまでステップS23〜ステップS26の処理を繰り返す。
[ステップS28]
CPU40は、前記ステップS27で被判定画素の座標Xが最大であると判定したので、被判定画素を左端に戻すために、座標Xを「0」とし、被判定画像をY方向に移動させるためにその座標Yに1を加える。
[ステップS29]
CPU40は、被判定画素の座標Yが最大(画像の下端を越えた位置)か否かを判定し、最大(yes)であると判定した場合には処理を終了し、最大でない(no)と判定した場合にはステップS23に戻り、Yが最大になるまでステップS23〜ステップS28の処理を繰り返す。
【0039】
このようにして、CPU40は、被判定画素をCT画像20の左上から右下まで走査して、それが陰影又は陰影の境界であるのか否かの判定を行う。以上の処理によって、定数よりも大きなモーメントMを有する小領域の中心点(X,Y)すなわち陰影又は陰影の境界である画素の座標点がメモリ(主メモリ42又は磁気ディスク44)に順次格納される。なお、図5及び図6では、ローレベル「0」及びハイレベル「1」の2値化について説明したが、ステップS21で定数を複数指定することによって、任意の数に多値化することができる。例えば、定数をC1,C2,C3の3個指定し、モーメントMが定数C1よりも小さい場合、定数C1以上で定数C2よりも小さい場合、定数C2以上で定数C3よりも小さい場合、定数C3以上の場合のいずれに該当するかを判定することによって、CT画像を4値化することができる。4値化した場合、一つの画素は2ビットで表現されることになる。なお、これ以外の数に多値化する場合も同様に複数の定数を指定し、それも基づいて多値化することができる。
【0040】
図8は、上述した陰影又は陰影の境界に位置する画素を抽出する方法によってどのように陰影が抽出されるのかその概念を示す図である。図8(A)に示すように陰影の中心付近が最もCT値が高く、半径方向に行くに従って徐々にCT値が減少するような、円状の陰影を有するCT画像21に対して、上述の処理を実行することによって、メモリには、図8(B)に示すような陰影の境界がはっきりとした多値化画像の陰影22が格納されると共にCRTディスプレイ48上に表示されるようになる。また、ステップS21で指定する定数を大きくすることによって、図8(C)に示すような陰影の境界23の強調されたリング状の陰影が抽出される。従って、ステップS21で指定する定数を種々変化することによって、陰影の境界だけを抽出したり、陰影全体を抽出したりすることができる。また、このようにして抽出した陰影の境界等を強調表示することもできる。
【0041】
上述の多値化画像処理によって生成された多値化画像を用いて、図2のステップS83の異常陰影検出処理が行われる。また、この多値化画像と元画像であるCT画像20とを用いて、図2のステップS84の異常陰影検出処理が行われる。ステップS83のように多値化画像だけを用いて異常陰影検出処理を行う場合には、2値化画像とこれよりも大きな多値化画像(例えば8値化画像又は16値化画像)を用いて行うことが望ましい。これ以降の説明では、2値化画道とCT画像20を用いて異常検出処理を行う場合について説明する。なお、図2のステップS83のように多値化画像だけを用いて異常陰影検出処理を行う場合には、CT画像20を多値化画像に読み替えることによって同様に対応することができることは言うまでもない。
【0042】
以下、本発明に係る異常陰影検出処理の詳細について説明する。この異常陰影検出処理では、陰影を2値化抽出し、抽出された2値化陰影の重心付近を中心に回転する動径を設定し、2値化陰影の境界と動径との交点に対する内外の所定位置の断層像上の濃度差を動径の角度の関数として求め、さらにこの関数をフーリエ変換して周波数成分の大小に基づいて又はその周波数成分のピークを示す周波数の大小に基づいて、陰影を病巣候補陰影と正常陰影とに区別するものである。
【0043】
図9及び図10は、この異常陰影検出処理の様子を概念的に示す図である。図9(a)は、CT画像の肺野部分を拡大して示す図であり、肺野中に陰影1aが存在している様子が示されている。図9(b)は、図9(a)の陰影を2値化処理後に抽出したものであり、2値化陰影1bが存在している様子が示されている。図10(a)は、図9(a)の元のCT画像と図9(b)の2値化抽出画像とを重ね合わせて示した画像である。コンピュータ上では別々のメモリ領域に格納されているが、処理時には図10(a)のように同一座標を取り、仮想的に重ね合わせられて異常陰影検出処理が行なわれる。図10(b)は図10(a)の一部を拡大して示し、どのように異常陰影検出処理が行われるのかを示す図である。
【0044】
図10(b)の2値化陰影1bに基づいてその中心(重心)を決定し、その陰影1bの中心OをCT画像中の陰影1aにも適用し、その中心Oの周りを回転する動径100を設定する。動径100と2値化陰影1bの外周部の交点aから動径100上においてそれぞれ微小距離dR1,dR2だけ離れた点b,cを設定する。CT画像における点b,cのCT値の差分値(点bのCT値−点cのCT値)を角度Θ毎に求めて、角度Θを横軸とし、差分値を縦軸としてプロットすると、図11(a)のような曲線になる。図11(a)のような曲線をフーリエ変換し、横軸を周波数fとし、縦軸をフーリエ係数Cとする折れ線グラフを作成すると図11(b)のようなグラフが得られる。図11(b)のがん陰影の場合を示す曲線110は、図11(a)の曲線をフーリエ変換したものである。一方、図11(b)の血管陰影の場合を示す曲線111は、図13に示すような血管の末端に対応するような陰影について上述の処理を施したものである。図11(b)から明かなようにがん陰影の場合の方が、血管端末の陰影などに比べて高周波側にずれる傾向があることがわかる。従って、高周波側へのずれ量、例えばピーク位置のずれが陰影の特徴量となる。ピーク位置が所定の値より高周波側にあると判定した場合は、その2値化陰影1bを病巣候補陰影として残し、そうでない場合には、その2値化陰影1bを病巣候補陰影から削除する。上述の微小距離dR1,dR2は、予め決められた定数でもいいし、2値化陰影1bの大きさ(長径又は短径)に基づいて決定してもよい。また、微小距離dR1と微小距離dR2は同じ値でもいいし、異なる値でもいい。図では、微小距離dR1の方が微小距離dR2よりも約2分の1程度と、小さい場合の例が示してある。
【0045】
なお、図11(b)の折れ線グラフにおいて、周波数f0の時のフーリエ係数をC0、周波数f1の時のフーリエ係数をC1、周波数f2の時のフーリエ係数をC2のようにして、各フーリエ係数をCiと表し、各周波数をfiと表し、これらの積の絶対値|fi×Ci|を求め、さらにその総和Σ|fi×Ci|を求め、それをフーリエ係数Ciの絶対値|Ci|の総和Σ|Ci|で除することによって被判別値ffを算出する。この被判別値ffは次式にようになる。
ff=Σ|fi×Ci|/Σ|Ci|
この被判別値ffが所定値よりも小さいか否かに応じて陰影が病巣候補陰影であるかどうかを判別するようにしてもよい。陰影が図13に示すような血管の末端に対応する陰影の場合には、フーリエ変換の結果、低次の周波数成分のフーリエ係数が大きくなる。逆に、陰影が図9(a)のような病巣候補陰影1aのような場合には、フーリエ変換の結果、高次の周波数成分が多く含まれ、低次の周波数成分は少なくなる。従って、被判別値ffの値に基づいてその陰影が病巣候補陰影であるのか血管断面陰影であるのかを判別することができる。なお、この被判別値ffに代えて、特定の|fi×Ci|を被判別値としてもよい。
【0046】
図10(b)では、点b,cを動径100上に設定する場合について説明したが、図12では点b1,c1を動径100と2値化陰影1bの外周部の交点a上で、2値化陰影1bの外周線の接線120に垂直な方向の直線121上に設定している。すなわち、2値化陰影1bの中心Oの周りを回転する動径100と2値化陰影1bの外周部の交点a上の接線120を作成し、この接線に垂直な線121を作成し、この垂直線121上においてそれぞれ微小距離dR1,dR2だけ離れた点b1,c1を設定する。CT画像における点b1,c1のCT値の差分値(点b1のCT値−点c1のCT値)を角度Θ毎に求めて、角度Θを横軸とし、差分値を縦軸としてプロットすると、図11(a)と同様な曲線を得ることができるので、この曲線をフーリエ変換し、横軸を周波数fとし、縦軸をフーリエ係数Cとする折れ線グラフを作成し、陰影の判別を行なう。
【0047】
図13は、血管部のCT画像とこれを2値化抽出処理した場合の2値化抽出領域とを重ね合わせて示した図であり、CT画像の血管部分を拡大して示してある。図では、2値化処理によって血管の末端部が2値化抽出領域131として抽出される。図13は、元のCT画像の血管と2値化抽出領域131とを重ね合わせて示してある。一般に、CT画像ではスライスされたCT画像間に跨がって血管が存在する場合、すなわち血管が隣のスライス画像に連続して存在する場合、その血管の末端部分の濃度が低くなる傾向がある。そこで、図10(b)のようにして点b,c上のCT値又は図12のようにして点b1,c1上のCT値を求め、点b(又は点b1)の濃度が点c(又は点c1)の濃度よりも小さい場合の割合を求め、その割合が一定値よりも大きければ、それは血管の末端であると見なして、病巣候補陰影から除外する。すなわち、図13のような血管の末端部分の2値化抽出領域131は、複数のスライス画像に連続して存在する部分なので、2値化抽出領域131のCT値は、血管部分のCT値よりも小さくなる。血管の存在する個所では、点b(又は点b1)の濃度が点c(又は点c1)の濃度よりも小さくなり、その割合も血管の存在する個所の大きさに対応した比較的大きな割合を示すようになる。従って、図13の場合は、2値化抽出領域131は血管の末端と見なされて削除される。この場合は、前述のようなフーリエ変換処理を行なう必要がないので、演算時間を短縮化することができる。
【0048】
なお、上述の実施の形態では、CT画像に図5及び図6の2値化画像処理を施し、所定値よりも細い血管部分の陰影を取り除くという処理を行なっている。この処理は、横(X軸)又は縦(Y軸)方向において所定の画素数以下の陰影を抽出し、それを削除するというものである。この条件に該当しない比較的大きな血管陰影は取り除かれることがなかった。このような血管部分の陰影であっても図14(a)に示すような分岐した血管141の場合や図15(a)に示すような比較的大きな病巣候補陰影151と血管陰影152〜154とが重なっている場合には、この血管陰影141,152〜154を取り除くことができない場合があった。そこで、この実施の形態では、以下説明する切断処理によって図14(a)又は図15(a)のような血管陰影141,152〜154を切断除去するようにした。
【0049】
まず、CT画像に図5及び図6の2値化画像処理を施し、所定値よりも細い血管部分の陰影を取り除く。この処理の後、図14(a)又は図15(a)の陰影に対して仮の重心位置Oを求める。重心位置の求め方は先に提案した出願に記載の種々の方法を用いて行なう。動径145,155を矢印146,156の方向に回転させながら、その動径145,155の重心位置Oから陰影の縁までの距離を測定し、その最小値(動径最小長)Rmin及び最大値(動径最大長)Rmaxを決定する。ここで動径最小長Rmin及び動径最大長Rmaxは、画素をその大きさの単位とする。動径最小長Rminが決定したら、この最小長Rminに定数aを乗じ、それに定数bを加算した値を切断半径Rcとする。すなわち、切断半径Rc=a×Rmin+bとする。図16(a)は、この式に対応した曲線を示すものである。図16(a)から明かなように、動径最小長Rminによって、切断半径Rcが決定する。図16(a)では、切断半径Rcが線型に変化する場合について示してあるが、非線形に変化させるようにしてもよい。図16(b)は、動径最大長Rmaxを動径最小長Rminで除した値、すなわち動径最大長Rmaxと動径最小長Rminとの比を非線形曲線で変換して切断半径Rcを決定するようにしたものである。切断長半径Rcが決定したら、図14(b)又は図15(b)に示すように、この切断半径Rcに基づいて、切断円147,157を形成し、この切断円147,157に含まれない陰影部分を除去することによって、血管部分の陰影の切断を行なう。図17(a)は図14(b)切断処理の結果を示し、図17(b)は図15(b)の切断処理の結果を示す。なお、切断半径Rcを決定する際の定数a,bや図16(b)の非線形曲線の形状などは、適宜最適なものを採用することが好ましい。また、上述の実施の形態では、切断半径を動径最大長Rmaxや動径最小長Rminに基づいて決定する場合について説明したが、陰影の面積に基づいて切断半径を決定するようにしてもよい。
【0050】
図18は、陰影の面積とこの陰影に関する他の面積を利用して異常陰影を検出処理するものである。図18では、病巣候補陰影全体の全面積と陰影の縁部分にできた凹部分の面積との比を求め、それに基づいて異常陰影検出処理を行なっている。図18(a)は、図17(a)の陰影、図18(b)は、図17(b)の陰影に対して、面積比による異常陰影検出処理を行なう場合の具体例を示す図である。図18(b)に示す陰影は、図18(a)に示す血管領域の陰影などと比較すればその違いが容易に理解できるものであり、円形に近い形をしていることが理解できる。図18(a)に示す血管陰影の場合、凹部分181〜184のそれぞれの面積s1a,s2a,s3a,s4aの総和の面積S1Aと陰影の全面積S2Aとの面積比RSAを用いて病巣候補陰影を判別する。図18(b)に示す陰影の場合、凹部分185〜189のそれぞれの面積s1b,s2b,s3b,s4b,s5bの総和の面積S1Bと陰影の全面積S2Bとの面積比RSBを用いて病巣候補陰影を判別する。面積比RSA,RSBは、凹部分の総和の面積SlA,S1Bと陰影の全面積S2A,S2Bとの比を単純に示した比率式:RSA=SlA/S2A,RSB=SlB/S2Bによって求めてもよいし、面積S1A,S1Bと面積S2A,S2Bの合計値と面積S2A,S2Bとの比を示す比率式:RSA=S2A/(SlA+S2A),RSB=S2B/(SlB+S2B)によって求めてもよい。
【0051】
図18(c)は、凹部分の面積を求める方法が示されている。以下、凹部の面積を求める処理の詳細を図19のフローチャートを用いて説明する。
[ステップS821]
CPU40は、図18(c)に示すように、陰影の輪郭線上の二点pl,p2を対として、両方の点を直線で選ぶ。ここで対として選ばれるのは最初の1回のみである。
[ステップS822]
二点pl,p2間を結ぶ直線上を一方の点p1から他方の点p2に向かって一定長づつ移動するような点pを想定する。CPU40は、点pが一定長移動する毎に、点pが抽出領域(s2)上に存在するか否かの判定を行なう。判定結果がyesの場合(点pが抽出領域(s2)上に存在する場合)はステップS824に進み、判定結果がnoの場合はステップS823に進む。
[ステップS823]
点pが抽出領域(s2)上に存在しないので、CPU40は、その部分に特定値(例えば「5」)を記録する。
[ステップS824]
CPU40は、点pl,p2間を結ぶ直線上を点pが移動したかどうかを判定し、判定結果がnoの場合(移動が終了していない場合)はステップS822に戻り、判定結果がyesの場合(移動が終了している場合)は、ステップS825に進む。ステップS822〜ステップS824の処理によって、点pが点p1から点p2まで移動しながら抽出領域(s2)以外の領域に特定値(例えば5)が記録される。
[ステップS825]
CPU40は、点plを固定点、点p2を移動点とした場合は、移動点p2が抽出領域の全ての輪郭線上を移動したか否かの判定を行なう。CPU40は、点p2を固定点、点p1を移動点とした場合は、移動点p1が抽出領域の全ての輪郭線上を移動したか否かの判定を行なう。判定結果がnoの場合(移動点の移動が終了していない場合)はステップS821に戻り、次の二点間について同様の処理を行なう。判定結果がyesの場合は、ステップS826に進む。
【0052】
[ステップS826]
CPU40は、特定値(例えば5)の記録された領域の面積(SlA,S1B)を求める。この面積S1A,S1Bが凹部分の面積となる。
[ステップS827]
CPU40は、面積SlA,S1Bと抽出領域の面積S2A,S2Bの面積比RSA,RSBを求める。
[ステップS828]
CPU40は、面積比RSA,RSBが予め設定された一定値よりも大きいか否かの判定を行なう。判定結果がyesの場合(大きい場合)はステップS829に進み、判定結果がnoの場合(小さいか又は等しい場合)はステップS82Aに進む。
[ステップS829]
ステップS828で面積比RSAは一定値よりも大きいと判定されたので、抽出された陰影は血管陰影の可能性が高い。従って、CPU40は、図18(a)の陰影を病巣候補陰影から削除する。
[ステップS82A]
ステップS828で面積比RSBは一定値以下だと判定されたので、抽出された陰影は病巣候補陰影の可能性が高い。従って、CPU40は、図18(b)の陰影を病巣候補陰影として座標位置などの情報を保存する。
【0053】
図20は、陰影の動径長、陰影の面積及びこの陰影に関する他の面積を利用して異常陰影を検出処理する場合の別の実施例を示すものである。図20(a)では、2値化抽出陰影の動径長の最大長と最小長の比を横軸とし、病巣候補陰影全体の全面積と陰影の縁部分にできた凹部分の面積の比を縦軸として異常陰影検出処理を行なっている。すなわち、2値化抽出陰影の動径最小長に対する動径最大長の長さの割合の関数となるように、凹部分の総和の面積を陰影の全面積で除した値(パーセント値)を規定し、これが判定基準となる曲線に対して非がん側又はがん側のいずれの領域に該当するかで病巣候補陰影を判別している。図20(b)では、動径最小長を横軸とし、動径の分散値(標準偏差値を含む)を縦軸とし、異常陰影検出処理を行なっている。すなわち、2値化抽出陰影の動径長の最小長の関数となるように、その動径長の分散値(標準偏差値を含む)を規定し、この分散値が判定基準となる曲線に対して非がん側又はがん側のいずれの領域に該当するかで病巣候補陰影を判別している。
【0054】
図21は、前述の判定基準となるパラメータを画像の臓器の位置に依存させる場合の一例を示す図である。図21(a)では、肺野領域を分割する場合の一例を示す図である。この分割処理は、2値化抽出処理などで肺野211の全体を抽出後に、肺野211の縁から1画素ずつ内側に肺野211を削って行く。肺野211の縁であるかどうかの判定は、例えば3×3の画素の小領域を考えて、この小領域の画素のいずれかが肺野211の抽出領域から外れた場合、その3×3画素の小領域の中心を縁と見なして削除するようにすればよい。この分割処理によって、肺野211は、第1回目の削除処理後の肺野領域212となる。以下、同様にして削除することによって、第2〜4回目の削除処理後の肺野領域213〜215が形成される。このようにして肺野領域が形成されたら、それぞれの肺野領域211〜215にパラメータを割り当てる。この実施の形態では、一例として、肺野領域211に切断半径r1を,肺野領域212に切断半径r2,肺野領域213に切断半径r3,・・・を順次割り当てる。これによって、図21(b)のように肺野領域全体にその位置に対応したパラメータ(切断半径)が割り当てられる。肺野領域にパラメータとして切断半径が割り当てられた場合、図14(a)に示すような分岐した血管141の場合や図15(a)に示すような比較的大きな病巣候補陰影151と血管陰影152〜154とが重なっている場合には、その重心位置Oが肺野領域211〜215のどこに位置するかに応じてその切断半径を決定することになる。すなわち、図14(a)の血管陰影141の重心位置が肺野領域212に位置する場合には、切断半径はr2となり、この切断半径r2によって血管陰影141が切断処理される。また、図15(a)の病巣候補陰影151と血管陰影152〜154の重心位置Oが肺野領域213に位置する場合には、切断半径はr3となり、この切断半径r3によって病巣候補陰影151と血管陰影152〜154は切断処理される。なお、重心位置Oが肺野領域のどこに位置するかでパラメータを決定する場合について説明したが、陰影がどの肺野領域に多く存在するかによってパラメータを決定したり、又は、陰影が存在する割合に応じてパラメータを計算するようにしてもよい。
【0055】
図22は、切断処理の別の実施の形態を示す図である。ここでは、陰影の縁部分にできた凹部分の面積に基づいて切断処理を行なうようにした。図22(a)は、分岐した血管陰影220に対して切断処理を行なう場合を示し、図22(b)は、病巣候補陰影と血管陰影が結合されたような陰影225に対して切断処理を行なう場合を示す。まず、各陰影220,225に対して、前述の処理によって凹部分の面積s1a,s2a,s3a,s1b,s2b,s3b,s4bを求める。各面積の大きさを比較し、大きい順番に並べる。図22(a)の場合は、s1a>s2a>s3aとなり、図22(b)の場合は、s1b>s2b>s3b>s4bとなる。各面積の大きいもの上位2つの重心(重心付近でもよい)を求める。図22(a)の場合は、面積の大きい上位2つの面積s1aとs2aの重心O1a,O2aを求め、それを結ぶ線分O1a−O2aで陰影220を切断する。図22(b)の場合も同様にして、面積の大きい上位2つの面積s1bとs2bの重心O1b,O2bを求め、それを結ぶ線分O1b−O2bで陰影225を切断する。具体的には、線分O1a−O2a,O1b−O2bに2値化陰影の背景値と同じ値をメモリに書き込むことによって切断処理が行なわれる。これによって、図22(a)のような血管の分岐した陰影や図22(b)のような病巣陰影と血管の結合したものが適切に切断されるので、後の異常陰影検出処理が適切に行なわれるようになる。なお、切断された陰影のうち、元の陰影220,225の中心(重心)Oの属する方だけを残し、それ以外の陰影を削除するようにしてもよい。また、上述の実施の形態では、線分として直線を用いているが、陰影220,225の中心(重心)O側に円弧の中心を有するような円弧227,228で切断するようにしてもよい。また、陰影220,225の中心(重心)Oを中心とするような円弧で切断するようにしてもよい。
【0056】
図23は、陰影の平均値画像を作成し、動径を用いて平均値画像の縁から陰影の縁までの距離を利用して異常陰影を検出処理する場合の実施例を示すものである。2値化陰影231に所定領域(例えば、3×3,5×5,7×7,9×9,・・・などの区画領域)を当てはめて、2値化陰影231の平均値を演算し、それを所定領域の中央の平均値とし、平均値画像232を作成する。この所定領域の大きさに応じて、2値化陰影231と平均値画像の関係が異なって来る。そして、陰影231の中心付近を回転中心として角度θを0度から360度まで約1度ずつ所定長の動径233を回転させる。このときに、その動径233が各角度において陰影231の縁及び平均値画像232の縁と交わる時の、両縁間の距離dLを求める。この距離dLは、陰影231の縁が平均値画像232より外側に存在する場合をプラス、内側に存在する場合をマイナスの値とする。この長さdLに基づいて、図23(b)のように、角度θを横軸とし、両縁間の距離dLを縦軸とする曲線を描き、この曲線に基づいて陰影231が病巣陰影であるかどうかを判別する。図23(a)のような血管の分岐を表す陰影の場合は、図23(b)のように距離dLにマイナス部分が多く存在するが、病巣陰影の場合には、このマイナス部分の存在が少ないか、存在しないので、これによって判別することができる。なお、この曲線をフーリエ展開して、フーリエ展開された結果に基づいて、横軸を周波数とし、縦軸をフーリエ係数とする折れ線グラフを作成し、この折れ線グラフに基づいて陰影が病巣陰影であるかどうかを判別してもよい。なお、上述の実施の形態では、2値化陰影231の中心付近を回転中心とする場合を説明したが、平均値画像232の中心付近を回転中心としてもよい。
【0057】
図24〜図26は、上述の異常陰影検出処理の対象となるCT画像を選択する画像選択処理の一例を示す図である。CT画像、MR画像、超音波画像等においては、計測画像数はますます増加する傾向にあり、大量の医用画像が生成される。そこで、この実施の形態では、医用画像の中から不要なものを取り除き、異常陰影検出処理の対象となるものを選択するようにした。図24は、大量のCT画像の中からどのようにして選択するか模式的に示す図である。図25及び図26はこの画像選択処理の一例を示すフローチャート図である。以下、画像選択処理の詳細をこれらのフローチャートを用いて説明する。
[ステップS251]
CPU40は、図24に示すような複数枚(Nmax)のCT画像に対して、肺野領域が存在する画像番号Nにフラグflg[N]にハイレベル「1」をセットする。すなわち、この処理では、例えば、図23に示すような複数枚の画像の中から肺野領域243〜246の存在しない画像N=1,N=Nmaxを抽出するものである。なお、このフラグセット処理の詳細については後述する。
[ステップS252]
ステップS251のフラグセット処理が終了したので、画像番号レジスタNに「1」をセットする。
[ステップS253]
この画像番号レジスタNのフラグflg[N]がハイレベル「1」であるか否かの判定を行い、「1」(yes)の場合はステップS254に進み、「0」(no)の場合はステップS255に進む。
[ステップS254]
候補点検出処理すなわち上述の異常陰影検出処理を行なう。
[ステップS255]
抽出された結果に基づいて上述のようなマーカー付きのCT画像を表示したり、抽出結果をメモリや磁気ディスクに格納したりする表示・格納処理を行なう。なお、候補点検出処理を行なわなかったCT画像の処理も行なうことがある。
[ステップS256]
画像番号レジスタNを「1」だけインクリメントして次に進む。
[ステップS257]
画像番号レジスタNの値が最大値に達したか否かの判定を行い、達していない場合には、ステップS253にリターンし、画像番号レジスタNが最大値に達するまで、ステップS253〜ステップS257の処理を繰り返す。
【0058】
図26は、図25のステップS251のフラグセット処理の詳細を示す図である。以下、このフラグセット処理の詳細をフローチャートを用いて説明する。
[ステップS261]
CPU40は、図24に示すような複数枚(Nmax)のCT画像に対して、肺野領域最大を与える画像番号Npeakを求める。図では、肺野領域245が最大を与える。
[ステップS262]
変数kを「0」にリセットすると共に画像番号Npeakに対応するフラグflg[Npeak]にハイレベル「1」をセットする。
[ステップS263]
この画像番号Npeakに変数kを加算した画像番号Npeak+kの肺野領域と、画像番号Npeakに変数k+1を加算した画像番号Npeak+k+1の肺野領域との相関をとる。
[ステップS264]
画像番号Npeak+kの肺野領域と、画像番号Npeak+k+1の肺野領域との相関値が一定値よりも大きいか否かの判定を行い、一定値よりも大きい(yes)場合はステップS265に進み、小さい(no)場合はステップS266に進む。
[ステップS265]
画像番号Npeak+k+1に対応するフラグflg[Npeak+k+1]にハイレベル「1」をセットする。
[ステップS266]
画像番号Npeak+k+1に対応するフラグflg[Npeak+k+1]にローレベル「0」をセットする。
[ステップS267]
変数kを「1」だけインクリメントして次に進む。
[ステップS268]
変数kが最大値に達した否かの判定を行い、達した場合(yes)は次のステップS269に進み、達していない場合(no)はステップS263にリターンし、変数kが最大値になるまで上述の処理を繰り返す。
[ステップS268]
変数kが最大値に達した否かの判定を行い、達した場合(yes)は次のステップS269に進み、達していない場合(no)はステップS263にリターンし、変数kが最大値になるまで上述の処理を繰り返す。
【0059】
[ステップS269]
上述のステップS263〜ステップS268の処理は画像番号Npeakに対して画像番号をプラス方向に移動して、両画像の相関を取っているが、次は画像番号Npeakに対して画像番号をマイナス方向に移動して両画像の相関を取るようにした。従って、変数kを「0」にリセットする。
[ステップS26A]
画像番号Npeakに変数kを加算した画像番号Npeak+kの肺野領域と、画像番号Npeakに変数k−1を加算した画像番号Npeak+k−1の肺野領域との相関をとる。すなわち、画像番号Npeakに対してマイナス方向に画像番号を移動して、相関を取る。ここで、変数kはマイナスの値なので、画像番号の+kはマイナスを意味し、その結果画像番号はNpeakからマイナス方向に移動することになる。
[ステップS26B]
画像番号Npeak+kの肺野領域と、画像番号Npeak+k−1の肺野領域との相関値が一定値よりも大きいか否かの判定を行い、一定値よりも大きい(yes)場合はステップS26Cに進み、小さい(no)場合はステップS26Bに進む。
[ステップS26C]
画像番号Npeak+k−1に対応するフラグflg[Npeak+k−1]にハイレベル「1」をセットする。
[ステップS26D]
画像番号Npeak+k−1に対応するフラグflg[Npeak+k−1]にローレベル「0」をセットする。
[ステップS26E]
変数kを「1」だけデクリメントして次に進む。
[ステップS26F]
変数kがマイナス方向の最大値に達した否かの判定を行い、達した場合(yes)は処理を終了し、図25のステップS252に進み、達していない場合(no)はステップS26Aにリターンし、変数kが最大値になるまで上述の処理を繰り返す。ここでは、アキシャル画像について処理する場合を説明したが、これ以外のサジタル画像及びコロナル画像についても同様に適用できることはいうまでもない。
【0060】
図27は、断層像をCRTディスプレイ48上に表示する場合の一例を示す図である。通常、断層像を表示する場合、1枚の断層像をCRTディスプレイ48上に表示し、その表示を順次切り換えたり、複数の断層像を同時にCRTディスプレイ48上に表示し、その表示を複数枚毎切り換えたりしている。このように複数枚の断層像を連続的に表示する場合に、切り換えて表示するのではなく、図27に示すように、シフト表示するようにした。すなわち、図27(a)では、第1の断層像271と第2の断層像272に表示されている。この状態でネクストボタンがマウスポインタによってクリックされると、図27(b)に示すように、第1の断層像271と第2の断層像272が右にシフトし、左側に新たな第3の断層像273が表示されるようになる。以下、図27(c),図27(d)に示すように、ネクストボタンのクリックに応じて、断層像272〜275が右側に順次シフト表示されるようになる。このように、シフト表示することによって、中央の画像で診断する場合、両脇にその前後の画像が常に表示されるようになるので、医師は、両脇の画像を参照しながら中央の画像について適切な判断を行なうことができるようになる。
【0061】
図28は、断層像をCRTディスプレイ48上に表示する場合の変形例を示す図である。複数の断層像データ及びプログラム等を格納した磁気ディスク44は、予め、がん陰影を含む画像データ281と、がんではないががんに似た陰影(類似非がん陰影)を含む画像の特徴量を計算し、その特徴量と画像とを関係づけた画像データ282を格納している。そして、CRTディスプレイ48の左側に陰影が病巣候補陰影かそうでないかの判定の行なわれていない未知のCT画像が表示されている時に、右下の参考画像ボタンがクリックされた場合、未知のCT画像の右側に、がん陰影を含む画像データ281の中から特徴量を用いた演算値が最も近いがん陰影を選択して表示すると共に同じく画像データ282の中から特徴量を用いた演算値が最も近い類似非がん陰影を選択して表示する。これによって、医師は、がん陰影又は類似非がん陰影を参照しながら、未知のCT画像の陰影について適切な判断を行なうことができるようになる。なお、特徴量を用いた演算値には、例えばマハラノビス距離、ユークリッド距離、ニューラルネットワークなどがある。
【0062】
上記の種々の特徴量を用いて病巣候補にすべきかどうかの判定をする場合、途中に統計的処理やニューラルネットなどの処理を採用したとしても、最終的にはしきい値処理などの正確なパラメータを決定する必要がある場合がある。このような場合の常套手段としては、毎日得られる画像から逆にパラメータをより正確にしていく、いわゆる”学習”によることはいうまでもない。
この特微量や分散値又は標準偏差値を、マハラノビス距離、ユークリッド距離、ニューラルネットワークなどの入力値として使用し、CPU40は、その結果を用いて判別するようにしてもよい。これにより、従来にない病巣陰影を判別するための特徴量とその特徴量を利用した処理手順を提供することができる。
上述の実施の形態では、切断円を用いて切断する場合について説明したが、楕円その他の形状を用いて切断するようにしてもよい。その場合、陰影の長軸方向と楕円の長軸方向とを一致させることが好ましい。また、上述の実施の形態では、2次元画像を例に説明したが、画像を複数用いた3次元画像空間についても同様の処理を行なっても同様の効果があることはいうまでもない。
【0063】
【発明の効果】
以上説明したように本発明の画像診断支援装置によれば、コンピュータで医用画像から病巣候補などを自動判別する際に、大きさや形の異なる陰影を統一的に扱うことができ、コンピュータ演算も短時間で済むという効果がある。また、本発明の画像診断支援装置によれば、抽出された病巣候補と思われる陰影を容易かつ瞬時に識別可能に表示することができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明が適用される病巣候補抽出及び表示装置全体のハードウエア構成を示すブロック図
【図2】 病巣候補抽出表示装置が実行するメインフローを示す図
【図3】 図2のメインフローによってCT画像がどのように処理されるのかを示す図
【図4】 図1のCRTディスプレイ上の表示画面の一例を示す図
【図5】 図2のステップS81の多値化画像処理の前半部分を示す詳細フローチャート図
【図6】 図2のステップS80の多値化画像処理の後半部分を示す詳細フローチャート図
【図7】 図5及び図6の多値化画像処理を原理的に説明するための図
【図8】 陰影又は陰影の境界に位置する画素を抽出する方法によってどのように陰影が抽出されるかの概念を示す図
【図9】 異常陰影検出処理の様子を概念的に示す図であり、(a)はCT画像の一部拡大図、(b)は2値化後の抽出陰影を示す図
【図10】 異常陰影検出処理の様子を概念的に示す図であり、(a)はCT画像と抽出画像とを重ね合わせた図、(b)は(a)の一部を取り出した拡大図
【図11】 (a)は角度Θを横軸とし、CT画像における点b,cのCT値の差分値を縦軸としてプロットした曲線を示し、(b)は(a)のような曲線をフーリエ変換し、横軸を周波数fとし、縦軸をフーリエ係数Cとする折れ線グラフを示す図
【図12】 図10(b)の変形例を示す図
【図13】 血管部のCT画像とこれを2値化抽出処理した場合の2値化抽出領域とを重ね合わせて示した図
【図14】 血管の分岐した陰影に対する切断処理の様子を概念的に示す図
【図15】 比較的大きな病巣候補陰影と血管陰影とが重なっている場合の切断処理の様子を概念的に示す図
【図16】 切断処理を行なう場合の切断半径の決定方法を示す図
【図17】 (a)は図14(b)切断処理の結果を示し、(b)は図15(b)の切断処理の結果を示す図
【図18】 陰影の面積とこの陰影に関する他の面積を利用して異常陰影を検出処理する様子を示す図
【図19】 凹部の面積を求める処理の詳細を示すフローチャート図
【図20】 陰影の動径長、陰影の面積及びこの陰影に関する他の面積を利用して異常陰影を検出処理する場合の別の実施例を示す図
【図21】 判定基準となるパラメータを画像の臓器の位置に依存させる場合の一例を示す図
【図22】 切断処理の別の実施の形態を示す図
【図23】 陰影の平均値画像を作成し、動径を用いて平均値画像の縁から陰影の縁までの距離を利用して異常陰影を検出処理する場合の実施例を示す図
【図24】 異常陰影検出処理の対象となるCT画像を選択する画像選択処理の一例を示す図
【図25】 この画像選択処理の一例を示すフローチャート図
【図26】 図25のステップS251のフラグセット処理の詳細を示す図
【図27】 断層像をCRTディスプレイ48上に表示する場合の一例を示す図
【図28】 断層像をCRTディスプレイ48上に表示する場合の変形例を示す図
【符号の説明】
1a,15,16…陰影
1b…2値化陰影
12A,12B…小領域
20,21…元のCT画像
22…病巣候補陰影
24…処理途中の画像
30…医用画像
31,32,33…円(マーカー)
40…中央処理装置(CPU)
42…主メモリ
44…磁気ディスク
46…表示メモリ
48…CRTディスプレイ
50…マウス
52…コントローラ
54…キーボード
56…共通バス
57…スピーカ
58…ローカルエリアネットワーク
59…他のコンピュータ又はCT装置
100,130,145,155…動径
131…2値化抽出領域
147,157…切断円

Claims (20)

  1. 医用画像又は前記医用画像の中から判別対象となる陰影の種類に応じた画素値範囲に属する画素だけを抽出して作成された判別対象用医用画像に対して所定の画像処理を施して多値化画像を作成する多値化手段と、
    前記多値化画像に基づいて陰影の中心又は重心を検出し、前記陰影の中心又は重心付近を基準点とする所定長の半径を前記多値化画像前記医用画像又は前記判別対象用医用画像とを重ね合わせた画像中の陰影上で回転させて、前記半径と前記多値化画像中の前記陰影の縁との交点を基準にして前記多値化画像中の前記陰影の内外に所定距離だけ離れた少なくとも2個所における前記医用画像又は前記判別対象用医用画像中の陰影の画素値をサンプリングし、前記サンプリングされた画素値の中の2個所の差分値に基づいて前記陰影が病巣候補陰影であるか否かを判別する抽出手段と
    を備えたことを特徴とする画像診断支援装置。
  2. 請求項1において、前記抽出手段が、前記半径と前記多値化画像の縁との交点を基準にして前記多値化画像の内外に所定距離だけ離れた前記半径上の少なくとも2個所における前記医用画像又は前記判別対象用医用画像中の陰影の画素値をサンプリングすることを特徴とする画像診断支援装置。
  3. 請求項1において、前記抽出手段が、前記半径と前記多値化画像の縁との交点を含むように前記多値化画像の縁に形成された接線に対して垂直な線上であって、前記交点を基準にして前記多値化画像の内外に所定距離だけ離れた少なくとも2個所における前記医用画像又は前記判別対象用医用画像中の陰影の画素値をサンプリングすることを特徴とする画像診断支援装置。
  4. 請求項1において、前記抽出手段が、前記半径の回転時の角度を横軸として前記2個所の画素値の差分値に基づいた差分値波形を作成し、前記差分値波形に基づいて前記陰影が病巣候補陰影であるか否かを判別することを特徴とする画像診断支援装置。
  5. 請求項4において、前記抽出手段が、前記差分値波形をフーリエ変換し、このフーリエ変換の結果に基づいて、前記陰影が病巣陰影であるか否かを判別することを特徴とする画像診断支援装置。
  6. 請求項5において、前記抽出手段が、前記フーリエ変換の結果、その周波数成分の大小関係に基づいて、前記陰影が病巣陰影であるか否かを判別することを特徴とする画像診断支援装置。
  7. 請求項5において、前記抽出手段が、前記フーリエ変換の結果、その周波数成分のピークを示す周波数の大小に基づいて、前記陰影が病巣陰影であるか否かを判別することを特徴とする画像診断支援装置。
  8. 請求項4において、前記抽出手段が、前記差分値波形において、前記多値化画像の内側に位置する画素値が前記多値化画像の外側に位置する画素値よりも小さい場合の割合を求め、その割合が一定値よりも大きいか否かに基づいて、前記陰影が血管の末端であると見なして、病巣候補陰影から除外することを特徴とする画像診断支援装置。
  9. 請求項1において、前記抽出手段が、前記多値化画像に基づいて陰影の中心又は重心を検出し、前記陰影の中心又は重心付近を基準点として所定長の直線を前記多値化画像前記医用画像又は前記判別対象用医用画像とを重ね合わせた画像中の陰影上で回転させて、前記直線と前記多値化画像、前記医用画像又は前記判別対象用医用画像中の陰影と交差する直線部分の長さの最小値を求め、前記最小値に基づいて切断半径を求め、前記切断半径によって形成される切断円に含まれる前記陰影を残し、それ以外の陰影を除去し、残った陰影が病巣候補陰影であるか否かを判別することを特徴とする画像診断支援装置。
  10. 請求項1において、前記抽出手段が、前記多値化画像に基づいて陰影の中心又は重心を検出し、前記陰影の中心又は重心付近を基準点として所定長の直線を前記多値化画像前記医用画像又は前記判別対象用医用画像とを重ね合わせた画像中の陰影上で回転させて、前記直線と前記多値化画像、前記医用画像又は前記判別対象用医用画像中の陰影と交差する直線部分の長さの最小値及び最大値を求め、前記最小値と前記最大値との比に基づいて切断半径を求め、前記切断半径によって形成される切断円に含まれる前記陰影を残し、それ以外の陰影を除去し、残った陰影が病巣候補陰影であるか否かを判別することを特徴とする画像診断支援装置。
  11. 請求項9において、前記抽出手段が、前記多値化画像に基づいて陰影の中心又は重心を検出し、前記中心又は重心から前記陰影の縁部までの距離を前記陰影の全周囲に渡って求め、全周囲に渡って求められた距離の分散値又は標準偏差値を求め、前記分散値又は標準偏差値と前記最小値に基づいて前記陰影が病巣候補陰影であるか否かを判別することを特徴とする画像診断支援装置。
  12. 請求項10において、前記抽出手段が、前記陰影領域の面積を求めると共に前記陰影領域の縁部に形成される凹部領域の面積を求め、前記陰影領域の面積と前記凹部領域の面積との比率を求め、求められた比率と前記最小値と前記最大値との比とに基づいて前記陰影が病巣候補陰影であるか否かを判別することを特徴とする画像診断支援装置。
  13. 請求項10において、前記抽出手段が、前記陰影領域の面積を求めると共に前記陰影領域の縁部に形成される凹部領域の面積を求め、前記前記凹部領域の面積の中で最も大きい二つの面積の重心位置付近を直線又は曲線で接続し、この直線又は曲線を用いて前記陰影領域を切断することを特徴とする画像診断支援装置。
  14. 請求項13において、前記直線又は前記曲線を用いて切断された前記陰影について病巣候補陰影であるか否かを判別することを特徴とする画像診断支援装置。
  15. 請求項14において、前記直線又は前記曲線を用いて切断された前記陰影について、切断前の陰影の中心又は重心を含まない方の切断後陰影を削除し、削除後の陰影が病巣候補陰影であるか否かを判別することを特徴とする画像診断支援装置。
  16. 請求項1において、前記抽出手段が、前記多値化画像の所定の領域を複数の領域に分割し、分割されたそれぞれの領域に異なるパラメータを割り当て、前記多値化画像に基づいて検出された陰影の中心又は重心が位置する前記分割領域に割り当てられているパラメータを用いて前記陰影の切断処理又は病巣候補陰影であるか否かを判別処理を行なうことを特徴とする画像診断支援装置。
  17. 請求項1において、前記抽出手段が、前記多値化画像に基づいて平均値画像を作成し、前記多値化画像又は前記平均値画像に基づいて陰影の中心又は重心を検出し、前記陰影の中心又は重心付近を基準点として所定長の直線を前記多値化画像及び前記平均値画像を重ね合わせた画像中の陰影上で回転させて、前記直線と前記多値化画像及び前記平均値画像中の陰影と交差する直線部分の長さの差分値を求め、前記直線の回転時の角度を横軸として前記差分値に基づいた差分値波形を作成し、前記差分値波形に基づいて前記陰影が病巣候補陰影であるか否かを判別することを特徴とする画像診断支援装置。
  18. 請求項1において、前記多値化手段によって処理される前に前記医用画像の中から不要なものを取り除き、異常陰影検出処理の対象となるものを選択する処理画像選択手段を備えたことを特徴とする画像診断支援装置。
  19. 請求項19において、前記処理画像選択手段が、前記医用画像の中で所定の領域の面積が最も大きい第1の医用画像を抽出し、前記第1の医用画像とその前後の医用画像との間で前記所定の領域の相関を取り、その相関値の大きさに基づいて前記前後の医用画像が前記異常陰影検出処理の対象となるか否かを判断し、前記相関の比較対象となる医用画像を順次前後にシフトして前記異常陰影検出処理の対象となるか否かの判断を行なうことを特徴とする画像診断支援装置。
  20. 請求項1において、前記前記病巣候補陰影の検出処理前の医用画像と前記抽出手段によって抽出された前記病巣候補陰影を含む医用画像と類似非異常陰影を含む医用画像とを並べて表示する表示手段をさらに備えたことを特徴とする画像診断支援装置。
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