<全体構成>
まず、図1を用いて、本実施例に係るスロットマシン100の全体構成について説明する。なお、同図はスロットマシン100の外観斜視図である。
スロットマシン100は、本体101と、本体101の正面に取付けられ、本体101に対して開閉可能な前面扉102と、を備える。本体101の中央内部には、(図1において図示省略)外周面に複数種類の図柄が配置されたリールが3個(左リール110、中リール111、右リール112)収納され、スロットマシン100の内部で回転できるように構成されている。これらのリール110〜112はステッピングモータ等の駆動手段により回転駆動される。
本実施例において、各図柄は帯状部材に等間隔で適当数印刷され、この帯状部材が所定の円形筒状の枠材に貼り付けられて各リール110〜112が構成されている。リール110〜112上の図柄は、遊技者から見ると、図柄表示窓113から縦方向に概ね3つ表示され、合計9つの図柄が見えるようになっている。そして、各リール110〜112を回転させることにより、遊技者から見える図柄の組み合せが変動することとなる。つまり、各リール110〜112は複数種類の図柄の組合せを変動可能に表示する表示手段として機能する。なお、このような表示手段としてはリール以外にも液晶表示装置等の電子画像表示装置も採用できる。また、本実施例では、3個のリールをスロットマシン100の中央内部に備えているが、リールの数やリールの設置位置はこれに限定されるものではない。
各々のリール110〜112の背面には、図柄表示窓113に表示される個々の図柄を照明するためのバックライト(図示省略)が配置される。バックライトは、各々の図柄ごとに遮蔽されて個々の図柄を均等に照射できるようにすることが望ましい。なお、スロットマシン100内部において各々のリール110〜112の近傍には、投光部と受光部から成る光学式センサ(図示省略)が設けられており、この光学式センサの投光部と受光部の間をリールに設けられた一定の長さの遮光片が通過するように構成される。このセンサの検出結果に基づいてリール上の図柄の回転方向の位置を判断し、目的とする図柄が入賞ライン上に表示されるようにリール110〜112を停止させる。
入賞ライン表示ランプ120は、有効となる入賞ラインを示すランプである。有効となる入賞ラインは、遊技媒体としてベットされたメダルの数によって予め定まっている。入賞ラインは5ラインあり、例えば、メダルが1枚ベットされた場合、中段の水平入賞ラインが有効となり、メダルが2枚ベットされた場合、上段水平入賞ラインと下段水平入賞ラインが追加された3本が有効となり、メダルが3枚ベットされた場合、右下り入賞ラインと右上り入賞ラインが追加された5ラインが入賞ラインとして有効になる。なお、入賞ラインの数については5ラインに限定されるものではなく、また、例えば、メダルが1枚ベットされた場合に、中段の水平入賞ライン、上段水平入賞ライン、下段水平入賞ライン、右下り入賞ラインおよび右上り入賞ラインの5ラインを入賞ラインとして有効としてもよい。
告知ランプ123は、例えば、後述する内部抽選において特定の入賞役(具体的には、ボーナス)に内部当選していること、または、ボーナス遊技中であることを遊技者に知らせるランプである。遊技メダル投入可能ランプ124は、遊技者が遊技メダルを投入可能であることを知らせるためのランプである。再遊技ランプ122は、前回の遊技において入賞役の一つである再遊技に入賞した場合に、今回の遊技が再遊技可能であること(メダルの投入が不要であること)を遊技者に知らせるランプである。リールパネルランプ128は演出用のランプである。
メダル投入ボタン130〜132は、スロットマシン100に電子的に貯留されているメダル(クレジットという。)を所定の枚数分投入するためのボタンである。本実施例においては、メダル投入ボタン130が押下される毎に1枚ずつ最大3枚まで投入され、メダル投入ボタン131が押下されると2枚投入され、メダル投入ボタン132が押下されると3枚投入されるようになっている。以下、メダル投入ボタン132はMAXメダル投入ボタンとも言う。なお、遊技メダル投入ランプ129は、投入されたメダル数に応じた数のランプを点灯させ、規定枚数のメダルの投入があった場合、遊技の開始操作が可能な状態であることを知らせる遊技開始ランプ121が点灯する。
メダル投入口141は、遊技を開始するに当たって遊技者がメダルを投入するための投入口である。すなわち、メダルの投入は、メダル投入ボタン130〜132により電子的に投入することもできるし、メダル投入口141から実際のメダルを投入(投入操作)することもでき、投入とは両者を含む意味である。貯留枚数表示器125は、スロットマシン100に電子的に貯留されているメダルの枚数を表示するための表示器である。遊技情報表示器126は、各種の内部情報(例えば、ボーナス遊技中のメダル払出枚数)を数値で表示するための表示器である。払出枚数表示器127は、何らかの入賞役に入賞した結果、遊技者に払出されるメダルの枚数を表示するための表示器である。
スタートレバー135は、リール110〜112の回転を開始させるためのレバー型のスイッチである。即ち、メダル投入口141に所望するメダル枚数を投入するか、メダル投入ボタン130〜132を操作して、スタートレバー135を操作すると、リール110〜112が回転を開始することとなる。スタートレバー135に対する操作を遊技の開始操作と言う。
ストップボタンユニット136には、ストップボタン137〜139が設けられている。ストップボタン137〜139は、スタートレバー135の操作によって回転を開始したリール110〜112を個別に停止させるためのボタン型のスイッチであり、各リール110〜112に対応づけられている。以下、ストップボタン137〜139に対する操作を停止操作と言い、最初の停止操作を第1停止操作、次の停止操作を第2停止操作、最後の停止操作を第3停止操作という。なお、各ストップボタン137〜139の内部に発光体を設けてもよく、ストップボタン137〜139の操作が可能である場合、該発光体を点灯させて遊技者に知らせることもできる。
メダル返却ボタン133は、投入されたメダルが詰まった場合に押下してメダルを取り除くためのボタンである。精算ボタン134は、スロットマシン100に電子的に貯留されたメダル、ベットされたメダルを精算し、メダル払出口155から排出するためのボタンである。ドアキー孔140は、スロットマシン100の前面扉102のロックを解除するためのキーを挿入する孔である。メダル払出口155は、メダルを払出すための払出口である。
音孔160a〜cはスロットマシン100内部に設けられているスピーカの音を外部に出力するための孔である。前面扉102の下部に設けられたタイトルパネル162は、遊技台を装飾するためのものであり、前面扉102の左右各部に設けられたサイドランプ144は遊技を盛り上げるための装飾用のランプである。前面扉102の上部には、次に説明する演出装置200が配設されている。
<演出装置の構成>
次に、図2を用いて、演出装置200の構成について説明する。同図は、正面側から見た演出装置200の分解斜視図である。演出装置200は、演出装置本体200aおよびカバー部材200bによって構成されている。演出装置本体200aは、開口部201を有する装飾部材202が取り付けられた移動体205と、この移動体205の奥側に配設された液晶表示装置157と、を備えており、液晶表示装置157が演出表示を行うと共に、移動体205が液晶表示装置157の手前で垂直方向に移動する構造となっている。
この構造をさらに詳しく説明すると、移動体205は、開口部201を有する装飾部材202と、移動体支柱204と、接続部材216と、から構成され、接続部材216をねじで移動体支柱204に固定している。また、移動体205は、液晶表示装置157の両側の縦枠に上下を固定した状態で設置された2本の第1の支柱212aおよび2本の第2の支柱212bに、第1取付部210aおよび第2取付部210bを介して移動可能に取り付けられている。移動体205は、これらの支柱212a、212bに沿って垂直方向に移動する構成となっている。
また、移動体205の手前側には、液晶表示装置157および移動体205を覆うようにカバー部材200bが配設される。このカバー部材200bは、第1フランジ226aおよび第2フランジ226bによって、演出装置本体200aにねじ止めされ、固定される。さらに、演出装置200は、カバー部材200bの左右の側面から後方に向けて突出した第1の爪208aおよび第2の爪208bによって前面扉102の上部に組み付けられ、固定される。
また、このカバー部材200bには、その正面に、液晶表示装置157の表示画面157aの大きさよりもやや小さい矩形の開口部が設けられている。演出装置200を正面から見た場合、この開口部を介して液晶表示装置157の表示画面157aの略全域が見える一方、表示画面157aの外周部分、第1取付部210a、第2取付部210b、第1の支柱212aおよび第2の支柱212bが見えないように、カバー部材200bで隠蔽される。すなわち、カバー部材200bは隠蔽部材としても機能する。なお、後述する最上位置に移動体205が位置する場合には、移動体支柱204はカバー部材200bによって完全に隠蔽されるため、正面から移動体支柱204が視認されることはない。
カバー部材200bには、その左右上部にそれぞれ音孔160a、160bが形成されており、左右一対のスピーカユニットが音孔160aの背後に配設される(図示省略)。スピーカユニットから出力される音は、音孔160a、160bを通過してスロットマシン100の正面へ出力される。また、スピーカユニットは、第1の支柱212aとカバー部材200bとの隙間部分に配設される。このように、当該隙間部分をスピーカユニットの配設空間として利用することにより、スロットマシン100におけるスピーカの配設レイアウト性を向上することができる。
液晶表示装置157はその外形がパネル状(直方体形状)をなすと共に、その正面に方形の表示画面157aが形成された電子画像の表示ユニットである。本実施例では電子画像の表示ユニットとして液晶表示装置を用いるが、本発明はそれに限定されるものではなく、他の電子画像の表示装置も適用可能である。
<移動体の取付状況および移動機構>
次に、図3および図4を用いて、移動体205の取付状況とその移動機構について説明する。図3は正面側から見た演出装置本体200aの分解斜視図、図4は背面側から見た演出装置本体200aの分解斜視図である。
まず、移動体205の取付状況について説明する。移動体支柱204の中央部付近には、略円形の開口部201を有する装飾部材202が接続部材216を介して取り付けられている。この開口部201を通して、装飾部材202の後方に配置されている液晶表示装置157の表示画面157aの少なくとも一部が視認可能となっている。装飾部材202は、例えば、演出中に注目して欲しい画像上へ移動する等して、演出効果を高めるために使用される。
また、移動体205には、その両端部に第1取付部210aの前部分211aおよび第2取付部210bの前部分211bが、後述する応力緩衝部(図15、234aおよび234b)を介して取り付けられている。さらに、左前部分211aのねじ220aおよび右前部分211bのねじ220bが、左後部分230aのねじ穴231aおよび右後部分230bのねじ穴231bにそれぞれ螺合し、第1取付部の前部分211aと後部分230aおよび第2取付部の前部分211bと後部分230bがそれぞれ組み付けられ、固定される。
第1取付部の後部分230aおよび第2取付部の後部分230bの背面には、第1取付部210aおよび第2取付部210bが第1の支柱212aおよび第2の支柱212bに沿って移動するための円環部が、それぞれ配設される(図示省略)。このような構成にすることによって、移動体205は、支柱212aおよび212bに沿って、垂直方向へ移動することが可能となる。
次に、移動体205を移動するための移動機構について説明する。前述した第1取付部の後部分230aおよび第2取付部の後部分230bの背面に設けられた円環部の背面には、第1のベルト228aおよび第2のベルト228bが固着されている(図3には第2のベルト228bのみ図示、図4には第1のベルト228aのみ図示)。
第1のベルト228aおよび第2のベルト228bは、プーリー224a1〜a4および224b1〜b4に張力が与えられた状態で掛け渡されている。第1のモータ232aおよび第2のモータ232bによって発生した回転力は、それぞれのモータの軸芯に取り付けられた第1のプーリー222aおよび第2のプーリー222bを介して第1のベルト228aおよび第2のベルト228bに伝達され、第1のベルト228aおよび第2のベルト228bに固着された第1取付部の後部分230aおよび第2取付部の後部分230bが、それぞれ垂直方向へ移動する。
なお、本実施例では、第1のモータ232aおよび第2のモータ232bには、ステッピングモータを使用しているが、本発明はこれに限定されることはなく、他のモータを用いてもよいし、他の駆動手段を用いてもよい。さらには、第1取付部210aおよび第2取付部210bを、リニアモータによって移動させてもよい。
また、詳細は後述するが、第1取付部210aおよび第2取付部210bの位置は、最上位置、中間位置、最下位置の位置に設けられている光学式センサによって検知される(図3および図4には、最上位置を検知する光学式センサ233aおよび233bのみ図示、中間位置および最下位置を検知する光学式センサについては図示省略)。
なお、第1の支柱212aおよび第2の支柱212bと液晶表示装置157の縦枠との間には、縦枠の中央部付近に弾性部材227aおよび227bが設けられ、第1取付部210aおよび第2取付部210bの下方向への移動を制限するとともに、装飾部材202の破損を防いでいる。
<制御部>
次に、図5〜図7を参照してスロットマシン100の制御部の回路構成について詳細に説明する。スロットマシン100制御部は、大別すると遊技の中枢部分を制御する主制御部300と、主制御部300から送信されるコマンドに応じて各種デバイスを制御する副制御部400と、副制御部400から送信されるコマンドに応じて演出装置200を制御する副制御部500と、から構成されている。
<主制御部>
まず、図5を参照してスロットマシン100の主制御部300について説明する。主制御部300は、主制御部300の全体を制御するための演算処理装置であるCPU310や、CPU310が各ICや各回路と信号の送受信を行うためのデータバスおよびアドレスバスを備え、その他、以下に述べる構成を有する。クロック補正回路314は、水晶発振器311から発振されたクロックを分周してCPU310に供給する回路である。例えば、水晶発振器311の周波数が12MHzの場合に、分周後のクロックは6MHzとなる。CPU310は、クロック補正回路314により分周されたクロックをシステムクロックとして受け入れて動作する。
また、CPU310には、後述するセンサやスイッチの状態を常時監視するための監視周期やリールを回転駆動するモータの駆動パルスの送信周期を設定するためのタイマ回路315がバスを介して接続されている。CPU310は、電源が投入されると、データバスを介してROM312の所定エリアに格納された分周用のデータをタイマ回路315に送信する。タイマ回路315は、受信した分周用のデータを基に割り込み時間を決定し、この割り込み時間ごとに、割り込み要求をCPU310に送信する。CPU310は、この割込み要求を契機に、各センサ等の監視や駆動パルスの送信を実行する。例えば、CPU310のシステムクロックを6MHz、タイマ回路315の分周値を1/256、ROM312の分周用のデータを44に設定した場合、この割り込みの基準時間は、256×44÷6MHz=1.877msとなる。
また、CPU310には各ICを制御するためのプログラム、入賞役の内部抽選時に用いる抽選データ、リールの停止制御データ等の各種データを記憶しているROM312や、一時的なデータを保存するためのRAM313が接続されている。RAM313は、遊技者が所有するメダルをその投入操作によって電子的にクレジットとして貯留するために、該クレジットの数を記憶する記憶手段としても機能する。これらのROM312やRAM313については他の記憶手段を用いてもよく、この点は後述する副制御部400、副制御部500においても同様である。また、CPU310には、外部の信号を受信するための入力インタフェース360が接続され、割込み時間ごとに入力インタフェース360を介して、メダル受付センサ320、スタートレバーセンサ321、ストップボタンセンサ322、メダル投入ボタンセンサ323、精算/貯留スイッチ324、メダル払出センサ326の状態を検出し、各センサを監視している。
メダル受付センサ320は、メダル投入口141に通じる通路に2個設置されており、メダルの通過有無を検出する。スタートレバーセンサ321は、スタートレバー135に設置されており、遊技者によるスタート操作を検出する。ストップボタンセンサ322は、各々のストップボタン137〜139に設置されており、遊技者によるストップボタンの操作を検出する。メダル投入ボタンセンサ323は、ベットボタン130〜132のそれぞれに設置されており、これらに対する遊技者の操作を検出する。精算/貯留スイッチ324は、精算ボタン134に対する操作を検出し、精算ボタン134が一回押されると、精算可能なメダルが払い出されることになる。本実施形態では、精算可能なメダルとは貯留されているメダルとベットされているメダルの双方であるが、貯留されているメダルのみとしてもよい。メダル払出センサ326はメダル払い出し口155から払い出されるメダルを検出するためのセンサである。なお、以上の各センサは、非接触式のセンサであっても接点式のセンサであってもよい。
CPU310には、さらに、入力インタフェース361、出力インタフェース370、371がアドレスデコード回路350を介してアドレスバスに接続されている。CPU310は、これらのインタフェースを介して外部のデバイスと信号の送受信を行っている。入力インタフェース361には、インデックスセンサ325が接続されている。インデックスセンサ325は、各リール110〜112の取付台の所定位置に設置されており、リールに設けた遮光片がこのインデックスセンサ325を通過するたびにHレベルになる。CPU310は、この信号を検出すると、リールが1回転したものと判断し、リールの回転位置情報をゼロにリセットする。
出力インタフェース370には、リールを回転駆動するステッピングモータ等を駆動させるためのリールモータ駆動部330と、ホッパー(バケットにたまっているメダルをメダル払出口155から払出すための装置。図示せず。)のモータを駆動するためのホッパーモータ駆動部331と、遊技ランプ340(入賞ライン表示ランプ120、遊技開始ランプ121、再遊技ランプ122、遊技メダル投入可能ランプ124、リールパネルランプ128等)と、7セグメント表示器341(貯留枚数表示器125、遊技情報表示器126、払出枚数表示器127等)が接続されている。
また、CPU310には、乱数発生回路317がデータバスを介して接続されている。乱数発生回路317は、水晶発振器311および水晶発振器316から発振されるクロックに基いて、一定の範囲内で値をインクリメントし、そのカウント値をCPU310に出力することのできるインクリメントカウンタであり、後述する入賞役の内部抽選をはじめ各種抽選処理に使用される。本発実施形態における乱数発生回路317は、2つの乱数カウンタを備えている。CPU310のデータバスには、副制御部400にコマンドを送信するための出力インタフェース371が接続されている。
<副制御部400>
次に、図6を参照してスロットマシン100の副制御部400について説明する。副制御部400は、主制御部300より送信されたコマンドに基づいて副制御部400の全体を制御する演算処理装置であるCPU410や、CPU410が各IC、各回路と信号の送受信を行うためのデータバスおよびアドレスバスを備え、以下に述べる構成を有する。
クロック補正回路414は、水晶発振器411から発振されたクロックを補正し、補正後のクロックをシステムクロックとしてCPU410に供給する回路である。また、CPU410にはタイマ回路415がバスを介して接続されている。CPU410は、所定のタイミングでデータバスを介してROM412の所定エリアに格納された分周用のデータをタイマ回路415に送信する。タイマ回路415は、受信した分周用のデータを基に割り込み時間を決定し、この割り込み時間ごとに、割り込み要求をCPU410に送信する。CPU410は、この割込み要求のタイミングをもとに、各ICや各回路を制御する。タイマ回路415は複数設けることができる。
また、CPU410には、副制御部400の全体を制御するための命令およびデータ、バックライトの点灯パターンや演出パターンの選択用のデータ、各種表示器を制御するためのデータが記憶されたROM412や、データ等を一時的に保存するためのRAM413が各バスを介して接続されている。また、CPU410には、外部の信号を送受信するための入出力インタフェース460が接続されており、入出力インタフェース460には、各リール110〜112の絵柄を背面より照明するためのバックライト420、前面扉102の開閉を検出するための扉センサ421、RAM413のデータをクリアにするためのリセットスイッチ422が接続されている。
CPU410には、データバスを介して主制御部300からコマンドを受信するための入力インタフェース461が接続されており、入力インタフェース461を介して受信したコマンドに基づいて、遊技全体を盛り上げる演出処理等が実行される。また、CPU410のデータバスとアドレスバスには、音源IC480が接続されている。音源IC480は、CPU410からの命令に応じて音声の制御を行う。また、音源IC480には、音声データが記憶されたROM481が接続されており、音源IC480は、ROM481から取得した音声データをアンプ482で増幅させてスピーカ483から出力する。スピーカ483には音孔160a〜cの背後に設けられたスピーカが含まれる。
CPU410には、主制御部300と同様に、外部ICを選択するためのアドレスデコード回路450が接続されており、アドレスデコード回路450には、主制御部300からのコマンドを受信するための入力インタフェース461、デマルチプレクサ419への信号を出力するための出力インタフェース470、時計IC423、7セグメント表示器440への信号を出力するための出力インタフェース472が接続されている。
時計IC423が接続されていることで、CPU410は、現在時刻を取得することが可能である。7セグメント表示器440は、スロットマシン100の内部に設けられており、例えば、副制御部400に設定された所定の情報を店の係員等が確認できるようになっている。更に、出力インタフェース470には、デマルチプレクサ419が接続されている。デマルチプレクサ419は、出力インタフェース470から送信された信号を各表示部等に分配する。即ち、デマルチプレクサ419は、CPU410から受信されたデータに応じて演出ランプ424(サイドランプ144等)、メダル払出口155を内側から閃光にて照明する払出口ストロボ425を制御する。なお、CPU410は、副制御部500へのコマンド送信はデマルチプレクサ419を介して実施する。
<副制御部500>
次に、図7を参照してスロットマシン100の副制御部500について説明する。副制御部500は、演算処理装置であるCPU510や、各IC、各回路と信号の送受信を行うためのデータバスおよびアドレスバスを備え、以下に述べる構成を有する。クロック補正回路514は、水晶発振器511から発振されたクロックを補正して、補正後のクロックをシステムクロックとしてCPU510に供給する回路である。
また、CPU510にはタイマ回路515がバスを介して接続されている。CPU510は、所定のタイミングでデータバスを介してROM512の所定エリアに格納された分周用のデータをタイマ回路515に送信する。タイマ回路515は、受信した分周用のデータを基に割り込み時間を決定し、この割り込み時間ごとに、割り込み要求をCPU510に送信する。CPU510は、この割込み要求のタイミングをもとに、各ICや各回路を制御する。CPU510は、副制御部400の出力インタフェース470、デマルチプレクサ419を介して出力されたコマンドを入力インタフェース520およびバスを介して受信し、副制御部500全体を制御する。
ROM512には、副制御部500全体を制御するためのプログラムやデータが記憶されている。RAM513は、CPU510で処理されるプログラムのワークエリア等を有する。ROM512やRAM513は、バスを介してCPU510に接続されている。また、CPU510には、バスを介して、CPU530、演出装置200の各モータ232a、232bを独立して駆動するモータドライバ540、演出装置200の移動体205に係る位置センサ233a、233b、・・・の検知結果が入力される入力インタフェース541が接続されている。更に、CPU530には、バスを介して、ROM531、RAM532、VDP(ビデオ・ディスプレイ・プロセッサー)534が接続されている。
ROM531にはCPU530で処理されるプログラムが格納されている。RAM532はCPU530で処理されるプログラムのワークエリアを提供する。VDP534には、水晶発振器533が接続され、さらに、バスを介して、ROM535、RAM536が接続されている。ROM535には、液晶表示装置157の画像データが複数種類格納されている。そして、CPU530は、CPU510からのコマンドに基づいてROM535の画像データを読み出し、RAM536のワークエリアを使用して画像信号を生成し、D/Aコンバータ537を介して、液晶表示装置157の表示画面に画像を表示する。
<図柄配列>
次に、図8を用いて、上述の各リール110〜112に施される図柄配列について説明する。なお、同図は、各リール(左リール110、中リール111、右リール112)に施される図柄の配列を平面的に展開して示した図である。
各リール110〜112には、同図の右側に示す複数種類(本実施例では、8種類)の図柄が所定コマ数(本実施例1では、番号0〜20の21コマ)だけ配置されている。また、同図の左端に示した配置番号0〜20は、各リール110〜112上の図柄の配置位置を示す番号である。例えば、本実施例では、左リール110の配置番号1のコマには「青7図柄」、中リール111の配置番号0のコマには「チャンス図柄(チャンス2図柄)」、右リール112の配置番号2のコマには「リプレイ図柄」がそれぞれ配置されている。
<入賞役の種類>
本実施例における入賞役の種類は下記の通りであるが、その他にも任意に採用することができる。
(1)ビッグボーナス(BB)
入賞によりビッグボーナスゲーム(BBゲーム)が開始される入賞役である。本実施形態では2種類(青7、赤7)用意されている。また、本実施形態ではBBについてフラグ持越しを行う。すなわち、BBに内部当選すると、これを示すフラグが立つが(RAM313(上記図5)の所定のエリア内に記憶される)、その遊技においてBBに入賞しなかったとしても、入賞するまでフラグが立った状態が維持され(フラグ持ち越し)、次遊技以降でもBBに内部当選中とする。
(2)レギュラーボーナス(RB)
入賞により、レギュラーボーナスゲーム(RBゲーム)が開始される入賞役である。本実施形態では1種類(BAR)用意されている。また、本実施形態ではRBについても上述したフラグ持越しを行う。BBまたはRBのいずれかのフラグ持ち越しが行なわれている状態をボーナス内部当選中という。
(3)シフトレギュラーボーナス(SRB)
BBゲーム中(より詳細にはBB一般遊技中)にのみ入賞する入賞役であって、入賞によりRBゲームと内容が同じシフトレギュラーボーナスゲーム(RBゲーム)が開始される入賞役である。
(4)小役
入賞により所定数のメダルが払い出される入賞役である。本実施形態では3種類(スイカ、ベル、チェリー)用意されている。対応する絵柄組合せや払出枚数は、同図に示す通りである。
(5)再遊技
入賞により、次回のゲームでメダルの投入を行うことなくゲームを行うことができる入賞役である。本実施形態では1種類(リプレイ)用意されている。
(6)役物
RBゲームおよびSRBゲームの各遊技(役物遊技)において入賞する入賞役であり、入賞により所定数のメダルが払い出される入賞役である。
各入賞役には、設定値毎に内部当選確率が設定されている。設定値は例えば6段階あり、各設定値における各入賞役の内部当選確率は、入賞役抽選テーブルとしてROM312(上記図5)に格納されている。入賞役の内部抽選では、取得した乱数値が入賞役抽選テーブルのどの範囲に属するかで入賞役の内部当選の当否が決定する。内部抽選以外の各種の抽選処理についても同様な方式を採用することができる。
なお、スロットマシンの分野では、ボーナスゲームに移行するビッグボーナス(BB)およびレギュラーボーナス(RB)や、新たにメダルを投入することなく次のゲームが可能となる再遊技(リプレイ)は、入賞役と区別されて「作動絵柄」と呼ばれる場合があるが、本実施例における「入賞役」にはビッグボーナス、レギュラーボーナス、再遊技のいずれも含まれ、また、「入賞」にはこれらに入賞することが含まれる。
<遊技状態>
本実施形態では、大別すると、遊技状態として通常遊技、BBゲーム、RBゲームおよびSRBゲームがある。
(1)BBゲーム
BBゲームの内容は、複数種類考えられるが、本実施形態では、BBゲーム中にSRBに入賞することが可能で、これに入賞するとSRBゲームが開始される。なお、BBゲームを、SRBゲーム中の場合とそうでない場合とを区別するため、後者をBB一般遊技と称する。BBゲームの終了条件は、例えば、予め定められた獲得枚数に達した場合(例えば235枚の払い出し)とすることができる。また、他の終了条件として、例えば、SRBの入賞回数が所定数に達した場合(例えば3回)か、BB一般遊技のゲーム回数が所定数に達した場合(例えば30回)とすることもできる。
(2)RBゲーム、SRBゲーム
RBゲームおよびSRBゲームの内容は複数種類考えられるが、予め定めた回数(例えば12回)の役物遊技を消化するか、あるいは、役物が予め定めた回数(例えば8回)入賞するかのいずれかの条件が成立することにより終了するものとすることができる。
遊技状態にはこの他にも例えば、いわゆるAT(アシストタイム)、CT(チャレンジタイム)、RT(リプレイタイム。リプ連とも呼ばれる。)等が挙げられる。ATとは、例えば、リール停止制御上、ストップボタン137〜139の押し順を要求するものであり、AT期間内では当該押し順を報知するものである。また、CTとは、例えば、CT期間内では、所定の場合に少なくともいずれかのリール110〜112を原則として遊技者がストップボタン137〜139を操作したところで停止し、滑りコマ制御を行わないものである。RTとはリプ連期間内では他の場合よりも再遊技に高確率で内部当選し、リプ連期間におけるゲームでのメダルの消費が抑えられ、遊技者に有利に働くものである。
<主制御部メイン処理>
次に、図9を用いて、主制御部300のメイン処理について説明する。なお、同図は、主制御部300のメイン処理の流れを示すフローチャートである。
遊技の基本的制御は、主制御部300のCPU310が中心になって行い、電源断等を検知しないかぎり、CPU310が主制御部メイン処理を繰り返し実行する。
スロットマシン100に電源が投入されると、まず、ステップS101で、各種の初期化処理が実行される。
ステップS102では、メダル投入に関する処理を行う。ここでは、メダルの投入の有無をチェックし、投入されたメダルの枚数に応じて入賞ライン表示ランプ120を点灯させる。なお、前回の遊技で再遊技に入賞した場合はメダルの投入が不要である。
ステップS103では、遊技のスタート操作に関する処理を行う。ここでは、スタートレバー135が操作されたか否かのチェックを行い、スタート操作されたと判断した場合は、投入されたメダル枚数を確定する。また、副制御部400に対してスタートレバー受付コマンドを送信する。副制御部400は、このスタートレバー受付コマンドを受信することによって遊技の開始を把握する。
ステップS104では、有効な入賞ラインを確定する。
ステップS105では、乱数発生回路317で発生させた乱数を取得する。
ステップS106では、ステップS105で取得した乱数値と、ROM312に格納されている入賞役抽選テーブルを用いて、入賞役の内部抽選を行う。内部抽選の結果、いずれかの入賞役に内部当選した場合、その入賞役のフラグが内部的にONになる。なお、ステップS105で取得した乱数値は、入賞役内部抽選のほかにも、リール停止制御テーブルを選択するときの抽選等にも使用してもよい。
ステップS107では、リール回転開始処理により、全リール110〜112の回転を開始させる。この際、ステップS106の内部抽選結果等に基づき、停止位置データ選択テーブルを参照し、いずれか一つのリール停止制御テーブルを選択する。
ステップS108では、リール停止制御処理により、押されたストップボタン137〜139に対応するリール110〜112の回転を停止させる。この際、各リール110〜112を、ステップS107で選択したリール停止制御テーブルに基づいて停止させる。
ステップS109では、ストップボタン137〜139が押されることによって停止した図柄の入賞判定を行う。ここでは、有効化された入賞ライン上に、内部当選した入賞役またはフラグ持越し中の入賞役に対応する入賞図柄組合せが揃った(表示された)場合にその入賞役に入賞したと判定する。例えば、有効化された入賞ライン上に、「リプレイ−リプレイ−リプレイ」が揃っていたならば再遊技入賞と判定する。また、入賞した入賞役に対応するフラグがリセットされる。
また、ステップS109では、副制御部400に対して入賞判定コマンドを送信する。副制御部400は、この入賞判定コマンドを受信することによって遊技の終了を把握する。
ステップS110では、メダル払出処理を行う。このメダル払出処理では、払い出しのある何らかの入賞役に入賞していれば、その入賞役に対応する枚数のメダルを払い出す。
ステップS111では、遊技状態制御処理を行う。この遊技状態制御処理では、遊技状態を移行するための制御が行われ、例えば、BB入賞やSRB入賞の場合に次回からBB遊技またはSRB遊技を開始できるよう準備し、それらの最終遊技では、次回から通常遊技が開始できるよう準備する。また、再遊技に入賞した場合に、次ゲームにおいてメダルを投入しなくてもベットが自動設定されるように設定する。
以上により一つの遊技が終了し、以降、主制御部メイン処理を繰り返すことにより遊技が進行することになる。
<副制御部400割り込み処理>
次に、図10(a)を用いて、副制御部400の割り込み処理について説明する。なお、同図(a)は、副制御部400の割り込み処理の流れを示すフローチャートである。
副制御部400割り込み処理は、所定の周期(例えば、2ms)で実行される。まず、ステップS201では、主制御部300からのコマンドを受信したか否かを判断する。コマンドを受信した場合はステップS202に進み、そうでない場合は終了する。
ステップS202では、受信したコマンドをRAM413の所定の領域に格納して記憶する。
<副制御部400メイン処理>
次に、図10(b)を用いて、副制御部400のメイン処理について説明する。なお、同図(b)は、副制御部400のメイン処理の流れを示すフローチャートである。
ステップS301では、主制御部300からのコマンドを受信してRAM413に格納しているか否かを判断する。何らかのコマンドが格納されている場合はステップS302に進み、そうでない場合はステップS303に進む。
ステップS302では、主制御部300から受信したコマンドを解析して判定する。
ステップS303では、演出ランプ424やスピーカ483等を用いた演出処理を、コマンドに基づいて実行する。また、各デバイスのデバイスドライバへ制御データを送信する。
ステップS304では、副制御部500へのコマンド送信があるか否かを判断する。副制御部500へのコマンド送信がある場合はステップS305に進み、そうでない場合はステップS306に進む。
ステップS305では、副制御部500へのコマンドを送信する。
ステップS306では、メイン処理を終了するか否かを判断する。ここでは、例えば電源断等を検知した場合は処理を終了し、そうでない場合はステップS301に戻り、上記の処理を繰り返し実行する。
<副制御部500メイン処理>
次に、図11(a)を用いて、副制御部500のメイン処理について説明する。なお、同図(a)は、副制御部500メイン処理の流れを示すフローチャートである。
ステップS401では、副制御部400のコマンド送信処理(上記図10(b)ステップS305)で送信されたコマンドの種類を判定し、対応するコマンドをRAM513の所定の記憶領域に設定するコマンド設定処理(詳細は後述)を行う。
ステップS402では、上述したコマンドに基づいてROM512から所定の情報を取得する演出制御処理(詳細は後述)を行う。
ステップS403では、その他の制御処理(例えば、VDP制御処理、スワップ処理、等)を行う。
副制御部500のCPU510は、以上の処理を、電源断等を検知しないかぎり繰り返し実行する。
<コマンド割込み処理>
次に、図11(b)を用いて、副制御部500のコマンド割込み処理について説明する。なお、同図(b)は、コマンド割込み処理の流れを示すフローチャートである。
副制御部500は、副制御部400から入力されるストローブ信号の変化を検出した場合に、このコマンド割込み処理を行う。
ステップS501では、副制御部400から何らかのコマンドを受信したか否かを判定し、コマンドを受信した場合にはステップS502に進み、コマンドを受信していない場合には処理を終了する。なお、ここで副制御部400から受信するコマンドは、可動物制御コマンドおよびその他の制御コマンド(例えば、画像表示制御コマンド)である。
ステップS502では、受信したコマンドをRAM513のコマンド記憶領域に格納する。
<0.3msタイマ割り込み処理>
次に、図11(c)を用いて、副制御部500の0.3msタイマ割込み処理について説明する。なお、同図(c)は、0.3msタイマ割込み処理の流れを示すフローチャートである。CPU510は、0.3ms毎に割り込み処理を行い、移動体205等の可動物の制御処理を行う。
ステップS601では、可動物制御処理を行う。この可動物制御処理は、副制御部400からの可動物制御コマンドに基づいて、移動体205等の可動物の制御を行う。
<コマンド設定処理>
次に、図12(a)を用いて、上述した副制御部500メイン処理におけるコマンド設定処理(上記図11(a)ステップS401)について説明する。なお、同図(a)は、コマンド設定処理の流れを示すフローチャートである。
ステップS701では、コマンド判定処理を行う。このコマンド判定処理は、コマンド割込み処理でRAM513のコマンド記憶領域に格納した(上記図11(b)ステップS502)コマンドを取得し、コマンドを解析する。
ステップS702では、可動物制御コマンドの送信処理(上記図10(b)ステップS305)で送信された可動物制御コマンドがあるか否かを判定し、可動物制御コマンドがある場合にはステップS703に進み、可動物制御コマンドがない場合にはステップS704に進む。なお、可動物制御コマンドの詳細については後述する。
ステップS703では、受信した可動物制御コマンドをRAM513の可動物可動コマンドバッファに保存し、ステップS704に進む。
ステップS704では、その他の制御コマンドの送信処理(上記図10(b)ステップS305)で送信されたその他の制御コマンド(例えば、画像表示制御コマンド)があるか否かを判定し、その他の制御コマンドがある場合にはステップS705に進み、その他の制御コマンドがない場合には処理を終了する。
ステップS705では、受信したその他の制御コマンド(例えば、画像表示制御コマンド)をRAM513のその他のコマンドバッファに保存し、処理を終了する。
<演出制御処理>
次に、図12(b)を用いて、上述した副制御部500メイン処理における演出制御処理(上記図11(a)ステップS402)について説明する。なお、同図(b)は、演出制御処理の流れを示すフローチャートである。
ステップS801では、上述した可動物可動コマンドバッファに可動物制御コマンドが保存されているか否かを判定し、可動物制御コマンドがある場合にはステップS802に進み、可動物制御コマンドがない場合にはステップS803に進む。
ステップS802では、可動物制御コマンドに基づいて、ROM512またはRAM513から可動物可動情報(例えば、下記図13(a)移動体205の動作データ)を取得し、ステップS803に進む。なお、この可動物可動情報は、前述した0.3msタイマ割り込みにより解析され、この可動物可動情報に基づいて移動体205等の可動物の制御が行われる。なお、移動体205の移動パターンに係る可動物可動情報の詳細については後述する。
ステップS803では、上述したその他のコマンドバッファにその他の制御コマンド(例えば、演出表示制御コマンド)が保存されているか否かを判定し、その他の制御コマンドがある場合にはステップS804に進み、その他の制御コマンドがない場合には処理を終了する。
ステップS804では、その他の制御コマンド(例えば、演出表示制御コマンド)に基づいて、ROM512からその他の表示情報(例えば、画像表示情報)を取得し、処理を終了する。
<移動体の移動パターン>
次に、図13を用いて、実施例1に係る移動体の移動パターンについて説明する。同図(a)は、実施例1に係る移動体205の移動パターンを示した表である。また、同図(b)は、同図(a)で示された移動パターンに従って最上位置から最下位置へ移動した移動体205を有する演出装置本体200aを示した正面図である。
同図(a)では、移動パターン1〜30の変動開始から停止までの移動態様が示されている。例えば、移動パターン1は、変動開始から停止まで、「最上位置」→「中間位置」→「最上位置」→「中間位置」→「最上位置」と、移動体205の移動態様を変化させるための動作データである。なお、本実施例の移動態様には、最上位置、中間位置、最下位置の3態様がある。最上位置とは、移動体205が最も上部に位置する態様で、同図(b)では、破線で示されている。最下位置とは、移動体205が最も下部に位置する態様で、同図(b)では、実線で示されている。中間位置とは、上記最上位置と上記最下位置の中間に位置する態様である(図示省略)。
同図(a)に示す移動パターンの動作を行うための動作データは、副制御部500のROM512に保管されている(上記図7)。上述したように、主制御部300のCPU310から送信された移動体205に係る可動物制御コマンドは、副制御部400を介して、副制御部500のRAM513の可動物可動コマンドバッファに格納される(上記図12(a)ステップS703)。副制御部500のCPU510は、この可動物制御コマンドに基づき、ROM512から所定のパターン(例えば、同図(a)の移動パターン1)の動作データを取り出し、その動作データをRAM513において左用動作データと右用動作データに展開する。
ここで、左用動作データとは、液晶表示装置157の左側に設けられた第1のモータ232a(上記図4)を駆動させるための動作データであり、右用動作データとは、液晶表示装置157の右側に設けられた第2のモータ232b(上記図4)を駆動させるための動作データである。これらの動作データは、モータドライバ540(上記図7)を介して第1のモータ232aおよび第2のモータ232bへ同一のタイミングで送信され、それぞれのモータを共通の移動パターンによって同期させて制御する。このように、ROM512に予め記憶している1つの動作データを、RAM513にて左用動作データおよび右用動作データの2つの動作データに展開し、移動体205の制御に使用しているために、制御上は左右のモータ駆動にずれが生じない構成となっている。
なお、本実施例では、左用動作データおよび右用動作データを共通のデータとしているが、本発明はこれに限定されるものではなく、ROM512に左用動作データおよび右用動作データを保管し、各々の動作データに基づいて、第1のモータ232aおよび第2のモータ232bの制御を行うようにしてもよい。例えば、一方のモータを正回転させ、他方のモータを逆回転させた場合に、移動体205が移動可能となる構成とした場合は、各々の動作データに基づいて、第1のモータ232aおよび第2のモータ232bを制御する。
また、最上位置、中間位置、最下位置の位置に設けられている光学式センサ(最上位置の光学式センサのみ図3および図4に図示、中間位置および最下位置の光学式センサは図示省略)によって、第1取付部210aおよび第2取付部210bの位置が検出され、その検出データは、入力インターフェース541およびバスを介してCPU510に送信される(上記図7)。これにより、副制御部500のCPU510は、入力インターフェース541およびバスを介して入力される検出データに基づいて、移動体205の垂直方向の位置を把握することが可能である。
<移動体に作用する力>
次に、図14を用いて、実施例1に係る移動体に作用する力について説明する。同図(a)は、実施例1に係る移動体205の両端に均等な力が作用する理想的な状態を示した正面図である。また、同図(b)は、実施例1に係る移動体205の左端に対して右端の方に大きな力が作用する現実的な状態を示した正面図である。
重心の位置を考慮しない場合には、同図(a)の矢印で示しているように、移動体205の両端には、左右に均等の力が作用する。しかし、現実には、同図(b)に示すように、接続部材216を移動体支柱204の中央に配置していないために、移動体205の重心は、移動体支柱204の中央からずれている。なお、本実施例において、接続部材216を移動体支柱204の中央からずらして配置した理由は、より効果的な演出を行う際に、装飾部材202を左端ぎりぎりまで寄せる場合があることを考慮しているためである。このように、重心位置がずれた状態では、移動体205の左端と比較して、右端の方が作用する力が大きくなる。このため、例えば、移動体205が下方へ移動した後に上方へ移動する場合には、左端と比較して右端の方に大きな重力負荷がかかり、脱調しやすい状態になっている。その結果、移動体支柱204が取付けられた第2取付部210bが脱調により移動を停止している間に、第1取付部210aが上方へ移動をしてしまうことになり、この時には、移動体支柱204にせん断応力が加わるようになる。しかし、本実施例では、第1取付部210aと第2取付部210bの両者に応力緩和部を備えるようにしたので、第1取付部210aまたは第2取付部210bのどちらが不意に移動を停止させた場合であっても、移動体支柱204に発生する破損要因となる応力が移動体支柱204の一部に集中してしまうことがなく、結果的には、移動体支柱204自身が破損する直前まで移動体支柱204全体の剛性を最大限利用して破損要因となる応力を吸収するようになる。本発明は、このような状況におかれた遊技台に対して、特に効果をもたらすものである。
なお、この効果は、装飾部材202が大きいほど(装飾部材202の重量が重いほど)大きくなる。さらに、画像表示装置が大きい場合には、移動体支柱204の長さが長くなるために、このような重心の位置ずれによる重力負荷の影響は、より顕著に現れることになる。したがって、実施例1に係る遊技台は、近年の画像表示装置の大型化の風潮に合致している遊技台であるといえる。
<実施例1に係る応力緩和部>
次に、図15を用いて、実施例1に係る応力緩和部について説明する。同図(a)は、実施例1に係る移動体支柱と第1および第2取付部との取付部における分解斜視図である。
同図(a)に示すように、移動体支柱204は、略円柱形状を呈しており、その両端部に、第1の応力緩和部234aおよび第2の応力緩和部234bを介して、第1取付部の前部分211aおよび第2取付部の前部分211bがそれぞれ取り付けられる。
第1の応力緩和部234aおよび第2の応力緩和部234bは、略中空円柱形状を呈しており、ゴムが用いられている。なお、本実施例では、応力緩和部にゴムを使用しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、応力緩和部に、バネ等の他の弾性体を用いてもよいし、プラスチックを用いてもよい。また、後述する実施例4に示すように、この部分をフリーにすることによって、応力を緩和するようにしてもよい。
同図(b)は、実施例1に係る移動体支柱204と第1取付部の前部分211aとの取付部における分解図および組立図である。同図(b)に示すように、移動体支柱204の左端部には、第1の応力緩和部234aが隙間なく勘合するように取り付けられている。すなわち、移動体支柱204の左端部の外径が、第1の応力緩和部234aの内径と略同一となるように取り付けられている。
さらに、第1の応力緩和部234aは、第1取付部の前部分211aに形成した略円柱形状の座ぐり穴に隙間なく勘合するように取り付けられている。すなわち、第1の応力緩和部234aの外径が、第1取付部の前部分211aに形成した略円柱形状の座ぐり穴の内径と略同一となるように取り付けられている。その際、第1の応力緩和部234aは、第1取付部の前部分211aに形成した略円柱形状の座ぐり穴から突出していない。このため、第1の応力緩和部234aは、遊技者から視認されることはない。すなわち、外観上は、第1の応力緩和部234aを使用していない場合と同様で、違和感が生じることはない。
なお、ここでは、移動体支柱204の左端部と第1取付部の前部分211aとの取付状況について説明したが、本実施例では、移動体支柱204の右端部も上記と同様の取付状況となっている。
したがって、略中空円柱形状に形成した弾性部材(本実施例では、第1の応力緩和部234aおよび第2の応力緩和部234b)は、弾性部材の内径が移動体支柱204の両端部の外径と略同一となるように、略円柱形状に形成した移動体支柱204の両端部へ外嵌され、且つ弾性部材の外径が第1取付部の前部分211aおよび第2取付部の前部分211bに形成した略円柱形状の穴の内径と略同一となるように、これらの穴へ内嵌される。
なお、本実施例では、第1取付部および第2取付部に略円柱形状の座ぐり穴を形成しているが、本発明はこれに限定されることはなく、キリ穴等、他の形状の穴としてもよい。
同図(c)は、実施例1に係る移動体支柱204の左端に負荷がかかっている例を示した正面図である。同図(c)に示すように、移動体支柱204の左端へ図14(b)で例示したような不均一な力が作用した場合、第1の応力緩和部234aは、その弾性(力が除去されると元の形状に戻る性質)によって、移動体支柱204に生じるせん断応力を緩和する。すなわち、第1の応力緩和部234aの有する弾性によって、移動体支柱204の破損に対する許容応力が大きくなるのである。このため、第1の応力緩和部234aの円環部には、ある程度の厚みが必要で、あまりにも薄い場合には、弾性域が小さくなるため、許容応力の向上は望めない。しかし、逆に、上述した円環部の肉厚があまりにも大きい場合には、非常に大きなせん断応力を緩和することになるとともに、設置スペースも大きくなるため、望ましい状況とはいえない。したがって、第1の応力緩和部234aの円環部の厚みは、適正な弾性域を有し、適正な応力を緩和する厚みに設定することが大切である。
なお、本実施例では、移動体支柱(例えば、移動体支柱204)と取付部(例えば、第1取付部210aおよび第2取付部210b)との間に応力緩和部(例えば、第1の応力緩和部234aおよび第2の応力緩和部234b)を設けているが、本発明はこれに限定されるものではなく、取付部(例えば、第1取付部210aおよび第2取付部210b)とガイド(例えば、第1の支柱212aおよび第2の支柱212b(上記図2))の間に応力緩和部を設けてもよい。ただし、この場合には、移動体の移動に伴う取付部とガイドとの摩擦の影響を考慮し、応力緩和部の内面(応力緩和部とガイドとの接触面)を鉄等の耐摩耗性の材料で補強することが好ましい。
このように、本発明においては、応力緩和部を駆動部側に設けてもよいし、前述したように移動体に設けてもよく、どちらを適用しても、駆動部の駆動により移動体に発生し、移動体の破損要因となる応力を緩和することが可能となる。
また、本実施例では、駆動部の駆動により移動体に発生し、移動体の破損要因となる応力をせん断応力のみとしているが、状況によっては、ねじり応力、引張応力、曲げ応力、圧縮応力、等、またはこれらの組み合わせ応力が発生する場合も考えられる。
例えば、移動体を取付けた第1取付部および第2取付部が回転運動をしている場合であって、何れか一方の取付部の駆動部がトラブルによって停止した場合には、移動体にはねじり応力が加わるようになる(後述する実施例2および実施例3)。
また、例えば、棒状の移動体を取付けた第1取付部および第2取付部が移動体の中心軸線の軌道(本実施例では、水平方向に相当する。)を同方向へ移動するような場合であって、進行方向に対して先に移動する取付部の駆動部がトラブルによって停止した場合には、進行方向に対して後に移動する取付部が移動体をトラブル停止した取付部に押し付ける移動を行うことにより、移動体には圧縮応力が加わるようになる。逆に、この場合において、進行方向に対して後に移動する取付部の駆動部がトラブルによって停止した場合には、進行方向に対して先に移動する取付部が移動体をトラブル停止した取付部から引き離す移動を行うことにより、移動体には引張応力が加わるようになる。
さらに、第1取付部および第2取付部の駆動部が、トラブルによって双方とも急停止した場合には、装飾部材の重力によって、移動体に曲げ応力が加わることもある。
したがって、本発明での移動体の破損要因となる応力には、せん断応力だけでなく、ねじり応力、引張応力、曲げ応力、圧縮応力、等、またはこれらの組み合わせ応力を含むこととする。すなわち、本発明の応力緩和部は、せん断応力のみを緩和するための応力緩和部でなく、上述した応力すべてを緩和するための応力緩和部として用いられる。なお、ここでの組み合わせ応力とは、せん断応力、ねじり応力、引張応力、曲げ応力、圧縮応力、等のすべての組み合わせパターンを含むものとする(以下、同じ)。
また、実施例1に係る応力緩和部は、上述したようにゴムであり、その弾性変形の範囲内で上述したせん断応力等を吸収せしめ得るものである。したがって、上述したせん断応力がさらに増加し、弾性域を超えて塑性域に入った場合には、移動体には破損が生じるおそれがある。すなわち、実施例1に係る応力緩和部は、移動体の破損を完全に防止するものではなく、あくまでも軽減するにとどめていることに留意しなければならない。これは、あまりにも大きなせん断応力を緩和することは、かえって危険を伴うからであり、許容値を超えた場合には、むしろ、わざと移動体が破損するようにしている。
以上説明したように、実施例1に係る遊技台は、移動体(例えば、移動体205)と、移動体を移動させる駆動部(例えば、第1の支柱212a、第1取付部210aおよび第1のモータ232a)と、を少なくとも備えている。また、移動体と駆動部の少なくとも一方(本実施例では、移動体205)は、駆動部の駆動により移動体に発生し、移動体の破損要因となる応力を緩和させる応力緩和部(例えば、第1の応力緩和部234a)をさらに備えている。
このため、駆動部の不具合等によって生じるせん断応力やねじり応力等に起因する移動体の破損を未然に防止して移動体の耐用寿命を延ばすことが可能となる。
また、実施例1に係る遊技台は、駆動部が移動体(例えば、移動体205)を移動させる第1駆動部(例えば、第1の支柱212a、第1取付部210aおよび第1のモータ232a)と、第1駆動部とは異なる場所に設置され、且つ移動体を移動させる第2駆動部(例えば、第2の支柱212b、第2取付部210bおよび第2のモータ232b)と、で構成されている。また、第1駆動部と第2駆動部の少なくとも一方は、応力緩和部(例えば、第1の応力緩和部234a)を備えている。
このため、第1駆動部と第2駆動部の少なくとも一方の不具合等によって生じるせん断応力やねじり応力等に起因する移動体の破損を未然に防止して移動体の耐用寿命を延ばすことが可能となる。
また、実施例1に係る遊技台は、第1駆動部が略直線状に形成した第1ガイド(例えば、第1の支柱212a)と、移動体(例えば、移動体205)が取付けられ、且つ第1ガイドに沿って移動自在な第1取付部(例えば、第1取付部210a)と、第1取付部を移動させる第1駆動装置(例えば、第1のモータ232a)と、で構成される。また、第2駆動部が第1ガイドに対して略平行に設けられ、且つ略直線状に形成した第2ガイド(例えば、第2の支柱212b)と、移動体が取付けられ、且つ第2ガイドに沿って移動自在な第2取付部(例えば、第2取付部210b)と、第2取付部を移動させる第2駆動装置(例えば、第2のモータ232b)と、で構成されている。さらに、応力緩和部(例えば、第1の応力緩和部234a)は、第1取付部および前記第2取付部に取り付けた弾性部材としている。
このため、第1駆動部および第2駆動部の不具合等によって生じるせん断応力やねじり応力等に起因する移動体の破損を未然に防止して移動体の耐用寿命を延ばすことが可能となる。
また、実施例1に係る遊技台は、略中空円柱形状に形成した弾性部材(例えば、第1の応力緩和部234aおよび第2の応力緩和部234b)が、弾性部材の内径が移動体の両端部の外径と略同一となるように、略円柱形状に形成した移動体(例えば、移動体205)の両端部へ外嵌されている。さらに、この弾性部材は、弾性部材の外径が第1取付部(例えば、第1取付部210a)および第2取付部(例えば、第2取付部210b)に形成した略円柱形状の穴の内径と略同一となるように、これらの穴へ内嵌されている。
このため、移動体の移動に伴う取付部とガイドとの摩擦の影響を受けることなく、第1駆動部および第2駆動部の不具合等によって生じるせん断応力やねじり応力等に起因する移動体の破損を未然に防止して移動体の耐用寿命を延ばすことが可能となる。
また、実施例1に係る遊技台は、第1取付部(例えば、第1取付部210a)および第2取付部(例えば、第2取付部210b)を、共通の移動パターンデータ(例えば、移動パターン1の動作データ)に基づいて略同一方向且つ略同タイミングで移動させる制御部(例えば、副制御部500のCPU510)をさらに備えている。
このため、制御上は第1取付部および第2取付部の移動にずれが生じないように制御を行うことができる上に、このような遊技台において、第1駆動部および第2駆動部の不具合等によって生じるせん断応力やねじり応力等に起因する移動体の破損を未然に防止して移動体の耐用寿命を延ばすことが可能となる。
また、実施例1に係る遊技台は、画像を表示する方形状の画像表示装置(例えば、液晶表示装置157)をさらに備え、第1取付部(例えば、第1取付部210a)を、画像表示装置の一方の縦枠側に設け、第2取付部(例えば、第2取付部210b)を、画像表示装置の他方の縦枠側に設け、移動体(例えば、移動体205)の少なくとも一部が、画像表示装置の表示画面上を移動するように、移動体を第1取付部および前記第2取付部に取り付けている。
このため、画像表示装置の前方で移動する移動体を有する演出装置を備えた遊技台において、第1駆動部および第2駆動部の不具合等によって生じるせん断応力やねじり応力等に起因する移動体の破損を未然に防止して移動体の耐用寿命を延ばすことが可能となる。
また、実施例1に係る遊技台は、移動体(例えば、移動体205)の少なくとも一部が画像表示装置(例えば、液晶表示装置157)の画像を視認可能とする開口部(例えば、開口部201)を有した装飾部材(例えば、装飾部材202)である。
このため、装飾部材によって、より演出効果が高められた遊技台において、第1駆動部および第2駆動部の不具合等によって生じるせん断応力やねじり応力等に起因する移動体の破損を未然に防止して移動体の耐用寿命を延ばすことが可能となる。