JP5024327B2 - ディーゼルエンジンの着火時期検出装置 - Google Patents

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Description

本発明は、ディーゼルエンジンにおける着火時期を検出する装置に関する。
ディーゼルエンジンでは、燃料噴射時期を制御することで着火時期が調整される。ディーゼルエンジンにおける着火時期は排気中のNOx排出量や燃料消費率に影響し、実際の着火時期を所望の着火時期に制御することはNOx排出量と燃料消費率とを両立させる上で重要である。
特許文献1には、ディーゼルエンジンのシリンダブロックに加速度センサであるノックセンサを取り付け、検知された振幅が所定の着火時期判定レベルになった時を着火時期と判定するようにした技術が開示されている。
特開平9−144583号公報
ところで、ノックセンサの検出値によって複数の気筒の着火時期を判定する場合、気筒毎にノックセンサまでの距離が異なることから、各気筒での燃焼に起因する振動が仮に同程度であっても、その振動を検出するノックセンサの位置では各気筒の信号の大きさが異なってしまう。そのため着火時期判定レベルを一定値として各気筒の実着火時期を判定したのでは、各気筒の着火時期を正確に判定することができない。
一方、予備燃焼を行うことで安定した主燃焼を行うことが知られているが、本件出願人は、同一気筒からの主燃焼期間におけるノックセンサの検出値の総積算値と、主燃料噴射とは異なるプレ燃料噴射等の予備噴射による予備燃焼期間におけるノックセンサの検出値の総積算値との間には、ノックセンサと気筒の距離にかかわらず一定の関係があることを明らかにした。そして、特願2009−059259において、予備燃焼期間の総積算値を主燃焼期間の総積算値で割った総積算値比に基づいて着火時期判定レベルを設定することで、実際の着火時期を精度よく求めることができる着火時期検出装置を提案した。
この着火時期検出装置は、総積算値比が大きいほど着火時期判定レベルを小さく設定するように構成されている。そのため主燃焼が失火した場合には、総積算値比が大きくなって着火時期判定レベルが過剰に小さく設定され、失火からの復帰後に着火時期が実際よりも進角側に検出されてしまい、着火時期の検出精度が低下するおそれがある。
そこで、本発明は、このような問題点に着目してなされたものであり、主燃焼失火後においても着火時期の検出精度の低下を抑制することができるディーゼルエンジンの着火時期検出装置を提供することを目的とする。
本発明は以下のような解決手段によって前記課題を解決する。なお、理解を容易にするために本発明の実施形態に対応する符号を付するが、これに限定されるものではない。
本発明は、エンジンに設置された加速度センサ(41)の出力値に基づいて各気筒の着火時期を検出するディーゼルエンジン(100)の着火時期検出装置において、主燃焼期間に加速度センサ(41)の出力値を積算する主燃焼期間積算手段(S106、S205)と、主燃焼期間よりも前の予備燃焼期間に加速度センサ(41)の出力値を積算する予備燃焼期間積算手段(S202)と、主燃焼が失火しているか否かを判定する失火判定手段(S110)と、主燃焼が失火していない場合には予備燃焼期間の総積算値を主燃焼期間の総積算値で割った総積算値比に基づいて着火時期判定レベルを設定し、主燃焼が失火している場合には予備燃焼期間の総積算値を失火時用総積算値で割った総積算値比に基づいて着火時期判定レベルを設定する判定レベル設定手段(S102)と、主燃焼期間の開始時より積算した積算値が着火時期判定レベルに到達した到達時期に基づいて着火時期を検出する着火時期検出手段(S109)と、を備えることを特徴とする。
本発明によれば、主燃焼が失火した場合には、予備燃焼期間の総積算値を失火時用総積算値で割った総積算値比に基づいて着火時期判定レベルを設定するので、着火時期判定レベルが過度に制御されることがなく、失火後における着火時期の検出精度の低下を抑制することが可能となる。
車両用のディーゼルエンジンの着火時期検出装置の概略構成図である。 プレ燃焼期間及び主燃焼期間におけるノックセンサの検出値の変化を示す図である。 プレ燃焼期間及び主燃焼期間におけるノック信号積算値の変化を示す図である。 着火時期検出ルーチンを示すフローチャートである。 着火時期判定レベルの演算処理のサブルーチンを示すフローチャートである。 補正値を決定するためのテーブルである。 第2実施形態の着火時期検出装置における着火時期判定レベルの演算処理のサブルーチンを示すフローチャートである。 第3実施形態の着火時期検出装置における着火時期の算出処理のサブルーチンを示すフローチャートである。 主燃焼失火後からの燃焼サイクル数と平均化処理における平均回数との関係を示す図である。 主燃焼失火前後の着火時期の変化を示す図である。 主燃焼失火後からの燃焼サイクル数と平均化処理における平均回数との関係を示す図である。
(第1実施形態)
以下、図1〜図6を参照して、本発明の第1実施形態について説明する。
図1に示すエンジン100は、車両用の直列4気筒のディーゼルエンジンである。エンジン100は、燃焼室1へ吸気を流す吸気通路10と、燃焼室1からの排気を流す排気通路20とを備える。
吸気通路10には、吸気絞り弁11が設けられる。吸気絞り弁11は、吸気通路10の吸気流通面積を変化させることで、エンジン100に供給される吸気量を調整する。吸気絞り弁11を通過した吸気は、吸気コレクタを介してエンジン100の各気筒に分配される。
エンジン100のシリンダヘッドには、気筒毎にインジェクタ2が設置される。インジェクタ2は、燃焼室1内に燃料を噴射する。噴射された燃料は、燃焼室1内で高圧縮化されて高温になった吸気とともに燃焼する。燃焼により生じた排気は、燃焼室1から排気通路20に排出される。
排気通路20には、上流から順に窒素酸化物(NOx)触媒コンバータ21と、ディーゼルパティキュレートフィルタ(DPF)22とが設けられる。
NOx触媒コンバータ21は、空気過剰率に応じてNOxを捕集、浄化するNOx触媒を備える。
DPF22は、コージェライト製の多孔質のハニカム構造体であって、エンジン100から排出された排気に含まれる粒子状物質(PM)を捕集し、PMを除去した排気を下流に流す。
また、排気通路20には、EGR(Exhaust Gas Recirculation)装置30が設置される。EGR装置30は、排気通路20を流れる排気の一部を、EGR通路31を介して吸気通路10に再循環させる。吸気通路10に再循環させるEGRガス量は、EGR通路31に設けられた制御弁32によって調整される。
上記したインジェクタ2は、圧縮上死点近傍で主燃料噴射を実施するとともに、主燃料噴射の前に少量の燃料を噴射することで急激な燃焼を抑制するプレ燃料噴射を実施するように、コントローラ40によって制御される。
コントローラ40は、中央演算装置(CPU)、読み出し専用メモリ(ROM)、ランダムアクセスメモリ(RAM)、及び入出力インタフェース(I/Oインタフェース)を備えたマイクロコンピュータで構成される。
コントローラ40には、ノックセンサ41と、クランク角センサ42と、アクセルペダルセンサ43とからの検出データがそれぞれ信号として入力する。
ノックセンサ41は、エンジン100のシリンダブロックの側壁に設置される。ノックセンサ41は、複数の気筒の振動を検知し得る適宜な位置を選択してシリンダブロックに1つ設けられる。ノックセンサ41は、加速度センサであって、シリンダブロックの振動加速度を検出する。
クランク角センサ42は、所定クランク角度ごとにクランク角度信号を生成する。クランク角度信号は、エンジン100のエンジン回転速度を代表する信号として用いられる。
アクセルペダルセンサ43は、アクセルペダルの踏み込み量を検出する。アクセルペダルの踏み込み量は、エンジン100のエンジン負荷を代表する信号として用いられる。
コントローラ40は、図2に示すように主燃料噴射時期以降の適切な時期に設定された主燃焼期間ΔSmainの開始時期よりノックセンサ41の検出値に基づいてノック信号積算値を算出し、図3に示すようにノック信号積算値が着火時期判定レベルSLに達した時を着火時期として検出する。コントローラ40は、目標着火時期と検出された着火時期とが一致するようにインジェクタ2の燃料噴射時期を進角又は遅角制御する。もしくは、プレ燃料噴射量を増減制御してもよいし、これら制御を組み合わせてもよい。
本件出願人は、特願2009−059259において、プレ燃焼期間のノックセンサ41の検出値の総積算値を主燃焼期間のノックセンサ41の検出値の総積算値で割った総積算値比に基づいて着火時期判定レベルを設定することで、着火時期を精度よく求めることができる着火時期検出装置を提案している。この着火時期検出装置は、総積算値比が大きいほど着火時期判定レベルを小さく設定する。そのため主燃焼が失火した場合には、総積算値比が大きくなって着火時期判定レベルSLが過剰に小さく設定され、失火からの復帰後等において着火時期が実際よりも進角側に検出されてしまい、着火時期の検出精度が低下するおそれがある。
そこで、本実施形態の着火時期検出装置では、主燃焼失火時においても着火時期の検出精度の低下を抑制することができるように、着火時期判定レベルを設定する。
図4及び図5を参照して、エンジン100における着火時期の検出について説明する。
図4は、コントローラ40が気筒毎に実行する着火時期検出ルーチンを示すフローチャートである。このルーチンは、エンジン100の運転中に所定時間毎に繰り返し実行される。
ステップS101では、コントローラ40は、クランク角センサ42、アクセルペダルセンサ43からの信号を読み込む。
ステップS102では、コントローラ40は、主燃料が着火したか否かを判定するための着火時期判定レベルSLを設定する。着火時期判定レベルSLは、前回の燃焼サイクルにおける燃焼状態に基づいて設定される。着火時期判定レベルSLの設定処理については、図5を参照して後述する。
ステップS103では、今回の燃焼サイクルにおいてクランク角が所定の主燃焼期間ΔSmain内にあるか否かを判定する。
主燃焼期間ΔSmainは、図2及び図3に示すように、エンジン出力を得るための主燃料噴射の着火時期を含み、燃焼圧の発生区間を抽出するように設定され、例えば50〜60°CA程度の期間とされる。主燃焼期間ΔSmainは、プレ燃料噴射による振動の影響を回避するために、このプレ燃焼期間ΔSpreと重複しないように設定される。なお、主燃焼期間ΔSmainにおけるノック信号積算開始時期は、少なくとも着火時期よりも前であって、主燃料噴射の開始時期以降に設定され、圧縮上死点付近とされる。
図4に戻り、クランク角が主燃焼期間ΔSmain内にある場合には、コントローラ40はステップS104の処理を実行する。これに対して、クランク角が主燃焼期間ΔSmain内になければ、コントローラ40は、主燃焼期間ΔSmainにおけるノックセンサ41の検出値に基づいて算出されるノック信号積算値Sを0にして初期化する。
ステップS104では、コントローラ40は、ノックセンサ41の検出値を読み込む。
ステップS105では、コントローラ40は、ノックセンサ41の検出値をバンドパスフィルタ処理やハイパスフィルタ処理して、明らかにノイズと考えられる周波数帯域を除いた所定周波数範囲の信号のみを抽出する。
ステップS106では、コントローラ40は、ノックセンサ41の検出値に基づいてノック信号積算値Sを算出して更新する。ノック信号積算値Sは、ノックセンサ41によって検出される振動加速度の二乗値を順次積算して求められる。
ステップS107では、コントローラ40は、ノック信号積算値Sを着火時期判定レベルSLと比較する。
ノック信号積算値Sが着火時期判定レベルSLに到達している場合には、コントローラ40はステップS108の処理を実行する。これに対して、ノック信号積算値Sが着火時期判定レベルSLに到達していなければ、コントローラ40は処理を終了する。
ステップS108では、コントローラ40は、ノック信号積算値Sが着火時期判定レベルSLに到達した到達時期に基づいて、ノック信号積算開始時期から到達時期までの経過時間を算出する。
ステップS109では、コントローラ40は、経過時間をクランク角に変換して、エンジン100の着火時期を算出する。着火時期は少なくとも前回値を用いて平均化処理される。このようにして求められた着火時期は、エンジン100における種々の制御に利用され、例えば着火時期が目標着火時期となるように燃料噴射時期が進角又は遅角制御される。
ステップS110では、コントローラ40は、主燃焼が失火しているか否かを判定する。ステップS109で検出された着火時期が目標着火時期よりも大きく遅角している場合や主燃焼期間ΔSmainが終了してもノック信号積算値Sが着火時期判定レベルSLに到達しなかった場合に、主燃焼が失火していると判定する。
なお、失火判定は、筒内圧を検出する筒内圧センサに基づいて判定するようにしてもよい。
主燃焼が失火していないと判定された場合には、コントローラ40はステップS111の処理を実行する。これに対して、主燃焼が失火していると判定された場合には、コントローラ40はステップS112の処理を実行する。
ステップS111では、コントローラ40は失火フラグFを0に設定して処理を終了する。
ステップS112では、コントローラ40は失火フラグFを1に設定して処理を終了する。
次に、図5を参照して、前回燃焼サイクルにおける燃焼状態に基づいて設定される着火時期判定レベルSLについて説明する。図5は、コントローラ40が気筒毎に実行する着火時期判定レベルSLの演算処理のサブルーチンを示すフローチャートである。
ステップS201では、コントローラ40は、プレ燃焼期間ΔSpreが終了したか否かを判定する。
プレ燃焼期間ΔSpreは、図2及び図3に示すように、プレ燃料噴射の着火時期を含み、主燃焼期間ΔSmainと重複しないように主燃焼期間ΔSmainよりも前の所定クランク角範囲、例えば各気筒の圧縮上死点前30°CA程度の期間とされる。
コントローラ40は、プレ燃焼期間ΔSpreが終了している場合にはステップS202の処理を実行し、プレ燃焼期間ΔSpreが終了していない場合には処理を終了する。
ステップS202では、コントローラ40は、プレ燃焼期間ΔSpreの開始時期から終了時期までのノックセンサ41の検出値に基づいてプレ燃焼期間総積算Spreを算出する。
ステップS203では、コントローラ40は、主燃焼期間ΔSmainが終了したか否かを判定する。
コントローラ40は、主燃焼期間ΔSmainが終了している場合にはステップS204の処理を実行し、プレ燃焼期間ΔSmainが終了していない場合には処理を終了する。
ステップS204では、コントローラ40は、失火フラグFが0に設定されているか否かを判定する。
主燃焼が失火しておらず失火判定フラグFが0に設定されている場合には、コントローラ40はステップS205の処理を実行する。これに対して、主燃焼が失火しており失火判定フラグFが1に設定されている場合には、コントローラ40はステップS206の処理を実行する。
ステップS205では、コントローラ40は、主燃焼期間ΔSmainの開始時期から終了時期までのノックセンサ41の検出値に基づいて主燃焼期間総積算値Smainを算出する。
ステップS206では、コントローラ40は、失火直前の燃焼サイクルにおいて算出された前回の主燃焼期間総積算値を、今回の主燃焼期間総積算値Smainとする。なお、前回の主燃焼期間総積算値に限らず、複数回前の主燃焼期間総積算値を使用してもよい。
ステップS207では、プレ燃焼期間総積算値Spreを主燃焼期間総積算Smainで割って総積算値比Rを算出する。
そして、ステップS208及びS209において、プレ燃焼期間総積算値Spreと総積算値比Rに基づいて着火時期判定レベルSLを設定する。
ステップS208では、コントローラ40は、総積算値比Rに基づいて、プレ燃焼期間総積算値Spreに対する補正値を算出する。この補正値は、図6に示す補正テーブルを参照して算出される。図6に示すように、総積算値比Rが大きくなるほど補正値は小さくなる。
ステップS209では、コントローラ40は、ステップS207で算出した補正値にプレ燃焼期間総積算値Spreを乗算することによって着火時期判定レベルSLを算出し、着火時期判定レベルSLを更新して処理を終了する。
以上により、第1実施形態のエンジン100の着火時期検出装置では下記の効果を得ることができる。
プレ燃焼や主燃焼が正常であれば総積算値比Rは気筒によらずほぼ一定となることに着目し、プレ燃焼期間総積算値Spreと総積算値比Rに基づいて着火時期判定レベルSLを設定することで、1つのノックセンサ41によって各気筒における着火時期を精度よく検出することができる。特に、主燃焼が失火した場合には、失火前の燃焼サイクルにおいて算出された主燃焼期間総積算値を用いて総積算値比Rを算出するので、主燃焼失火後に総積算値比Rが大きくなって着火時期判定レベルが過剰に小さく設定されるということがなく、失火からの復帰後において着火時期の検出精度の低下を抑制することが可能となる。
(第2実施形態)
第2実施形態におけるエンジン100の着火時期検出装置は、第1実施形態とほぼ同様の構成であるが、プレ燃焼の燃焼状態に応じてプレ燃料噴射を制御する点において相違する。以下、その相違点を中心に説明する。
第1実施形態において説明したように、着火時期判定レベルSLはプレ燃焼期間総積算値Spreと総積算値比Rに基づいて算出されるため、インジェクタ2の噴射ばらつき等に起因してプレ燃焼の燃焼状態が悪化した場合には、着火時期判定レベルSLを正確に演算することが困難となるおそれがある。
そこで、第2実施形態のエンジン100の着火時期検出装置では、プレ燃焼の燃焼状態に応じてプレ燃料噴射を制御する。
図7は、第2実施形態のエンジン100の着火時期検出装置における着火時期判定レベルSLの演算処理を示すフローチャートである。図7においてステップS201〜ステップS209における処理は、第1実施形態の図5と同様の処理であるので詳細な説明は省略する。
ステップS207において総積算値比Rを算出した後、コントローラ40はステップS210の処理を実行する。
ステップS210では、コントローラ40は、基準総積算値比RtとステップS207で算出した総積算値比Rとの差が所定範囲内にあるか否かを判定する。ここで、基準総積算値比Rtは、定数sSpreを主燃焼期間総積算値Smainで割った値であり、プレ燃焼が正常である場合の総積算値比に相当する。
基準総積算値比Rtと総積算値比Rとの差が所定範囲内にある場合にはプレ燃焼が正常であると判定し、コントローラ40はステップS208、S209の処理を順次実施する。これに対して、基準総積算値比Rtと総積算値比Rとの差が所定範囲内にない場合にはプレ燃焼の燃焼性が悪化していると判定し、コントローラ40はステップS211〜S213の処理を実行してプレ燃焼の燃焼性の改善を図る。
ステップS211では、コントローラ40は、失火フラグFが0に設定されているか否かを判定する。
主燃焼が失火しておらず失火判定フラグFが0に設定されている場合には、コントローラ40はステップS212の処理を実行する。これに対して、主燃焼が失火しており失火判定フラグFが1に設定されている場合には、コントローラ40はステップS213の処理を実行する。
ステップS212では、コントローラ40は通常プレ燃料噴射補正を実施する。この通常プレ燃料噴射補正では、ステップS202のプレ燃焼期間総積算値SpreとステップS205の主燃焼期間総積算値Smainとから求められた総積算値比Rに基づき、プレ燃料噴射量を補正する。具体的には、総積算値比Rが小さくなるほど、プレ燃料噴射量を増大補正する。
ステップS213では、コントローラ40は失火時プレ燃料噴射補正を実施する。失火時プレ燃料噴射補正では、ステップS202のプレ燃焼期間総積算値SpreとステップS206の主燃焼期間総積算値Smainとから求められた総積算値比Rに基づき、プレ燃料噴射量を補正する。具体的には、総積算値比Rが小さくなるほど、プレ燃料噴射量を増大補正する。
主燃焼失火時には主燃焼期間総積算値Smainが小さく、総積算値比Rが大きくなりすぎるので、主燃焼失火時に通常プレ燃料噴射補正を実施するとプレ燃料噴射量が過剰に増大されてしまい、却ってプレ燃焼の燃焼性が悪化する。本実施形態では、主燃焼失火時に、失火前の燃焼サイクルにおける主燃焼期間総積算値に基づいて算出した総積算値比Rを用いてプレ燃料噴射量を補正するので、プレ燃料噴射量を過剰に増大補正することがない。
以上により、第2実施形態のエンジン100の着火時期検出装置では下記の効果を得ることができる。
プレ燃焼の燃焼性が悪化している場合には、総積算値比Rに基づいてプレ燃料噴射量を補正するので、プレ燃焼の異常を抑制することができ、プレ燃焼期間総積算値Spreと総積算値比Rに基づいて算出される着火時期判定レベルSLを正確に演算することが可能となる。
また、主燃焼が失火している場合には、失火前の燃焼サイクルにおける主燃焼期間総積算値に基づいて算出した総積算値比Rを用いてプレ燃料噴射量を補正するので、プレ燃料噴射量を過剰に増大補正することがない。
(第3実施形態)
第3実施形態におけるエンジン100の着火時期検出装置は、第1及び第2実施形態とほぼ同様の構成であるが、着火時期の平均化処理の仕方において相違する。以下、その相違点を中心に説明する。
第1実施形態の図4のステップS109において説明したように、着火時期は今回値と前回までの複数の検出値を用いて平均化処理されて算出される。主燃焼が失火した場合には主燃焼失火時における着火時期を用いて平均化処理を実施するため、失火状態からの復帰後の着火時期が目標着火時期から大きく遅角した値として検出されてしまい、着火時期検出精度が悪化する。
そこで、第3実施形態のエンジン100の着火時期検出装置では、主燃焼失火後の着火時期の平均化処理における平均回数を制御することで、失火状態からの復帰後における着火時期検出精度の悪化を抑制する。
図8を参照して、図4のステップS109において実施される着火時期の算出について説明する。
ステップS301では、コントローラ40は、失火フラグFが0に設定されているか否かを判定する。主燃焼が失火しておらず失火判定フラグFが0に設定されている場合には、コントローラ40はステップS302の処理を実行する。これに対して、主燃焼が失火しており失火判定フラグFが1に設定されている場合には、コントローラ40はステップS303の処理を実行する。
ステップS302では、コントローラ40は通常平均化処理を実施する。通常平均化処理では、着火時期は、今回値と前回までの複数の検出値を用いて平均化処理される。
ステップS303では、コントローラ40は失火フラグFが1から0に反転したか否かを判定する。
失火フラグFが反転しておらず主燃焼が失火状態にある場合には、コントローラ40はステップS304の処理を実行する。これに対して、失火フラグFが反転して失火状態から復帰した場合には、コントローラ40はステップS305の処理を実行する。
ステップS304では、コントローラ40は、目標着火時期と着火時期との差に基づいて着火時期算出のための平均化処理における平均回数を低下させる。平均回数は、平均化処理において遡って使用される過去のデータ数である。
コントローラ40は、目標着火時期と着火時期との差が大きいほど、平均化処理における平均回数を低下させる。例えば、目標着火時期と着火時期との差が大きくなる主燃焼失火直後には、平均化処理における平均回数を1回とする。
ステップS305では、コントローラ40は、失火状態からの復帰後に算出された着火時期を用いて平均化処理を行うように、失火後からの燃焼サイクル数に応じて平均化処理における平均回数を制御する。
コントローラ40は、図9に示す失火後からの燃焼サイクル数と平均化処理における平均回数との関係に基づき、失火後からの燃焼サイクル数が小さい時には平均回数を低下させ、失火後から所定の燃焼サイクル経過後に徐々に平均回数を増加させる。
以上により、第3実施形態のエンジン100の着火時期検出装置では下記の効果を得ることができる。
主燃焼失火時は平均化処理における平均回数を低減し、主燃焼失火状態からの復帰後は徐々に平均回数を増加させるので、図10に示すように、失火状態からの復帰後の着火時期が目標着火時期から大きく遅角した値として検出されることがなく、着火時期検出精度の悪化を抑制することができる。
なお、本発明は上記の実施形態に限定されずに、その技術的な思想の範囲内において種々の変更がなしうることは明白である。
第1〜第3実施形態では、着火時期判定レベルSLの算出に用いる予備噴射としては、プレ燃料噴射に限らず、主噴射の前に噴射することで着火前に空気と燃料の予混合気を形成し、燃焼音の低減を図るパイロット燃料噴射を利用することもできる。
また、第3実施形態のステップS305においては、図11(A)に示すように失火後燃焼サイクルの増加に応じて平均回数を増加させた後に所定期間一定としその後再び平均回数を増加させたり、図11(B)に示すように失火後燃焼サイクルの増加に応じて平均回数を増加させた後に低下させ、その後再び平均回数を増加させたりするようにしてもよい。
100 エンジン
2 インジェクタ
10 吸気通路
20 排気通路
40 コントローラ
41 ノックセンサ(加速度センサ)
S106、S205 主燃焼期間積算手段
S203 予備燃焼期間積算手段
S110 失火判定手段
S102 判定レベル設定手段
S109 着火時期検出手段
S210 燃焼状態判定手段
S211〜S213 予備燃料噴射量補正手段

Claims (8)

  1. エンジンに設置された加速度センサの出力値に基づいて各気筒の着火時期を検出するディーゼルエンジンの着火時期検出装置において、
    主燃焼期間に、前記加速度センサの出力値を積算する主燃焼期間積算手段と、
    主燃焼期間よりも前の予備燃焼期間に、前記加速度センサの出力値を積算する予備燃焼期間積算手段と、
    主燃焼が失火しているか否かを判定する失火判定手段と、
    主燃焼が失火していない場合には予備燃焼期間の総積算値を主燃焼期間の総積算値で割った総積算値比に基づいて着火時期判定レベルを設定し、主燃焼が失火している場合には予備燃焼期間の総積算値を失火時用総積算値で割った総積算値比に基づいて着火時期判定レベルを設定する判定レベル設定手段と、
    主燃焼期間の開始時より積算した積算値が前記着火時期判定レベルに到達した到達時期に基づいて着火時期を検出する着火時期検出手段と、
    を備えることを特徴とするディーゼルエンジンの着火時期検出装置。
  2. 予備燃焼の燃焼状態を判定する燃焼状態判定手段と、
    予備燃焼の燃焼状態が悪化している場合には、予備燃焼期間の総積算値を主燃焼期間の総積算値で割った総積算値比に基づき、燃焼状態が改善するように予備燃焼のための予備燃料噴射量を補正する予備燃料噴射量補正手段と、をさらに備える、
    ことを特徴とする請求項1に記載のディーゼルエンジンの着火時期検出装置。
  3. 前記予備燃料噴射量補正手段は、主燃焼が失火している場合には予備燃焼期間の総積算値を失火時用総積算値で割った総積算値比に基づき、予備燃料噴射量を補正する、
    ことを特徴とする請求項2に記載のディーゼルエンジンの着火時期検出装置。
  4. 前記判定レベル設定手段は、失火前の燃焼サイクルにおいて算出された主燃焼期間の総積算値を失火時用総積算値とする、
    ことを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1つに記載のディーゼルエンジンの着火時期検出装置。
  5. 前記着火時期検出手段は、着火時期を以前に検出された複数の着火時期を用いて平均化処理する、
    ことを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか1つに記載のディーゼルエンジンの着火時期検出装置。
  6. 前記着火時期検出手段は、主燃焼失火時に平均化処理で使用される過去データ数である平均回数を低減して、失火状態からの復帰後に平均回数を徐々に増大させる、
    ことを特徴とする請求項5に記載のディーゼルエンジンの着火時期検出装置。
  7. 前記着火時期検出手段は、目標着火時期と着火時期との差に基づいて、主燃焼失火時における平均化処理の平均回数を決定する、
    ことを特徴とする請求項6に記載のディーゼルエンジンの着火時期検出装置。
  8. 前記着火時期検出手段は、失火後の燃焼サイクル数に基づいて、失火状態からの復帰後における平均化処理の平均回数を決定する、
    ことを特徴とする請求項6に記載のディーゼルエンジンの着火時期検出装置。
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