以下図面により本発明の実施の形態について説明する。
(第1実施形態)
図1は、本発明の電子式計算機の実施形態に係るグラフ関数電卓10の外観構成(その1)を示す正面図である。
図2は、本発明の電子式計算機の実施形態に係るグラフ関数電卓10の外観構成(その2)を示す正面図である。
このグラフ関数電卓10は、教師側で使用するグラフ関数電卓10Aも生徒側で使用するグラフ関数電卓10Bも同じものとして構成される。
このグラフ関数電卓10の本体ケースには、本体正面の下端から3分の2程度の範囲でキー入力部12が設けられ、上端から3分の1程度の範囲で液晶表示部13が設けられる。液晶表示部13には、透明のタブレット14が重ねて設けられている。
キー入力部12には、数値・記号キー12a、関数・演算子キー12b、「MENU」キー12c、「SHIFT」キー12d、「OPTN」キー12e、「EXE」キー12f、カーソルキー12g、そしてファンクションキー「F1」〜「F6」等が備えられる。
数値・記号キー12aは、数字,記号などの個々のキーを配列した数値・記号の入力用キー群からなる。
関数・演算子キー12bは、演算式や関数式を入力する際に操作される各種の関数記号キーや「+」「−」「×」「÷」「=」などの演算子キーからなる。
「MENU」キー12cは、四則計算式や関数計算式等の任意の計算式を入力して演算処理を行わせる演算モード、入力された関数式に対応したグラフの描画処理を行わせるグラフモード、グラフ関数の学習処理を行わせるe-Activityモード、任意のプログラムを入力して対応する計算処理を行わせるプログラムモード等、各種の動作モードの選択設定メニューを表示させる際に操作される。
「SHIFT」キー12dは、キー入力部12における各キートップの左上に記述された各種の記号や機能を指定入力する際に該当するキーと合わせて操作される。
「OPTN」キー12eは、キー入力部12における各キートップの右上に記述された各種の記号や機能を指定入力する際に該当するキーと合わせて操作される。
「EXE」キー12fは、選択あるいは入力されたデータの確定や各種処理機能の実行を指示する際に操作される。
カーソルキー「↑」「↓」「←」「→」12gは、それぞれ表示されたデータの選択,送り操作や、カーソルCuの移動操作を行なう際等に操作される。
ファンクションキー「F1」〜「F6」は、当該各キーに対応して固定表記された機能[Trace]〜[G−T]または種々の動作モードに応じて液晶表示部13の画面下端に沿って配列表示される各種ボタンB1〜B6の機能を実行させる際に操作される。
そして、このグラフ関数電卓10は、例えば図1に示すように、当該電卓10にて生成された各種のデータをメモリ・カードなどの外部記憶媒体16に記録して外部に持ち出したり、同外部記憶媒体16に記録された各種のデータを読み込んで実行したりするための記憶媒体書き込み・読み取り部17、また例えば図2に示すように、当該電卓10にて生成された各種のデータをUSBケーブル18cを介して外部のパーソナルコンピュータPCへ出力転送したり、同外部のパーソナルコンピュータPCからUSBケーブル18cを介して出力転送された各種のデータを受信入力したりするための通信制御部18を備えている。
このグラフ関数電卓10において、グラフ関数の課題学習を行わせるためのe-Activityモードでは、例えば教師側のグラフ関数電卓10Aにより学習すべき課題を生成しe-Activityファイルとして登録する登録モードと、生徒側のグラフ関数電卓10Bにより前記登録されたe-Activityファイルを読み出して学習すべき課題を実行する実行モードが存在する。
登録モードでは、課題のファイル名F、内容テキストT、課題を処理する機能の実行を指示するストリップボタン(所定マーク)SBを記述してなるe-Activity画面Qを生成するのと共に、当該ストリップボタンSBの指示に応じて実行される機能上での前記教師による実際の課題解析操作に応じた課題データ(処理データ)を、前記ストリップボタンSBに対応付けた後述のメイン・メモリ19M(図4,図5参照)に記憶しe-Activityファイルとして登録する機能を有する。例えば任意の関数式に応じたグラフを描画表示させる機能を実行する[GRPH・E:グラフエディタ]のストリップボタンSBを指定表示させたe-Activity画面Qの生成に伴い、グラフ化すべき任意の関数式を入力表示させ、当該入力関数式のグラフを描画表示させると、当該関数式の入力表示からグラフ描画の実行指示までの一連の操作・表示データが課題データとして前記ストリップボタンSBに対応付けられて記憶され、前記e-Activity画面Qを伴うe-Activityファイルとして登録されるものである。
そして、教師側のグラフ関数電卓10Aにおいて生成されたe-Activityファイルは、図1に示すように、メモリ・カードなどの外部記憶媒体16に記録されて持ち出され、生徒側のグラフ関数電卓10Bに読み込ませて実行表示させたり、また図2に示すように、外部のパーソナルコンピュータPCを経由して生徒側のグラフ関数電卓10Bに転送させて実行表示させたりすることで、生徒側ではその課題を解析するための電卓操作を容易に習得できると共に、当該課題の解析過程を学習することができる。
この場合、生徒側のグラフ関数電卓10Bによるe-Activityモードの実行モードでは、前記e-Activityファイルの読み出しによってe-Activity画面Qに表示されるストリップボタンSBを、カーソルCuにより指示して実行操作することで、当該ストリップボタンSBに表記された機能([TBL・E][GRPH・E][LIST][RUN]など)が起動・実行され、同ストリップボタンSBに対応付けられた課題データがその機能の実行により解析されて表示される。例えば、前記[GRPH・E:グラフエディタ]のストリップボタンSBに対して、関数式の入力表示からグラフの描画実行指示までの一連の操作・表示データが課題データとして対応付けられて記憶されたe-Activityファイルが実行された場合には、表示されたe-Activity画面Q上のストリップボタン[GRPH・E]SBを指定操作することでグラフ機能が起動され、当該グラフ機能上にて前記課題データとして記憶された関数式が入力表示され、当該関数式に対応するグラフが描画表示されるものである。
図3は、前記グラフ関数電卓10の電子回路の構成を示すブロック図である。
このグラフ関数電卓10は、コンピュータ等からなる制御部(CPU)11を備えている。
制御部(CPU)11は、キー入力部12から入力されるキー入力データや、液晶表示部13の表示画面上に重ねて設けられたタブレット14から位置検出回路20を介して入力されるタッチ位置データに応じて、ROM15に予め記憶されているシステムプログラムを起動させ、あるいは外部記憶媒体(メモリ・カードなど)16に予め記憶されている計算機制御用プログラムを記憶媒体書き込み・読み取り部17により読み取らせて起動させ、あるいは通信制御部18によって他のコンピュータ端末から通信ネットワークNtを介して受信された計算機制御用プログラムを起動させ、RAM19をワークメモリとして回路各部の動作制御を行なうものである。
この制御部(CPU)11には、前記キー入力部12、液晶表示部13、タブレット14、位置検出回路20、ROM15、RAM19、記録媒体書き込み・読み取り部17、通信制御部18が接続され、また、液晶表示部13が表示駆動回路21を介して接続される。
タブレット14は、液晶表示部13の表示画面上に重ねて設けられ、タッチされた位置に応じた電圧信号を発生するもので、このタブレット14から出力されるタッチ位置に応じた電圧信号に基づき、位置検出回路20により表示画面に対応させた座標が検出され、このタッチ位置座標に応じて制御部(CPU)11により操作の内容が判断される。
ROM15には、本電子式計算機の電子回路における全体の処理を司るシステムプログラムデータが予め記憶されると共に、演算モード処理、グラフモード処理、e-Activityモード処理、プログラムモード処理等、前記動作モードの選択設定メニュー画面において設定可能な各種の動作モードに対応した制御プログラムデータも予め記憶される。
図4は、前記グラフ関数電卓10の第1実施形態のRAM19に確保されたデータメモリの構成を示す図である。
この第1実施形態のRAM19には、表示データメモリ19A、キー入力データメモリ19B、ストリップ登録メモリ19S(19a1,19a2,19b1,19b2,〜,19N1,19N2)、関数式データメモリ19C、計算結果データメモリ19D、及びワークエリア19E等の各種のデータメモリが備えられる。
このうち、ストリップ登録メモリ19Sは、前記e-Activityモードの実行に際して使用されるもので、個々のe-Activityファイル(19a1,19a2)(19b1,19b2)〜(19N1,19N2)毎に、ファイル名・内容テキストメモリ19N1およびストリップ実行メモリ19N2を有する。
表示データメモリ19Aには、前記各種の動作モードにおいて液晶表示部13に表示すべき表示データがビットマップのパターンデータとして展開されて記憶される。
キー入力データメモリ19Bには、キー入力された数値・記号・文字の各種のデータが一連のキー入力毎に記憶される。
前記e-Activityファイル(19N1,19N2)のファイル名・内容テキストメモリ19N1には、例えば教育側ユーザ(教師)によって任意に作成される当該e-Activityファイルのファイル名Fおよびその学習内容説明文などのテキストT、そしてストリップボタンSBの実行機能を示す表記文字など、e-Activity画面Qを構成する各記述データが記憶される(図1,図2のe-Activity画面Q参照)。
また、同e-Activityファイル(19N1,19N2)のストリップ実行メモリ19N2には、当該e-ActivityファイルのストリップボタンSBによって実行処理される課題データの格納先であるメイン・メモリ19M(図5参照)の格納エリアA,B,…が記憶される。
図5は、前記グラフ関数電卓10のRAM19に確保されたメイン・メモリ19Mの構成を示す図である。
メイン・メモリ19Mには、前記e-ActivityファイルそれぞれのストリップボタンSBによって実行処理される課題データが記憶されるもので、個々のe-Activityファイル毎にその課題データの格納エリア(A)19MA,(B)19MB,…が確保される。
なお、この第1実施形態におけるe-Activityモードでの登録モードでは、新規のe-Activityファイルの作成に際し、既に作成されたe-Activityファイルとその課題データを共用にして設定することが可能なもので、この場合、例えば図4(A)の既存e-Activityファイル(19b1,19b2)と新規e-Activityファイル(19c1,19c2)とで示すように、各e-ActivityファイルのストリップボタンSBによって起動実行される機能は[TBL・E:テーブルエディタ]と[GRPH・E:グラフエディタ]とで異なるものの、当該各ストリップボタンSBに対応付けられる課題データの格納先(メイン・メモリ19M)の格納エリアは共通の[B]になる。
関数式データメモリ19Cには、入力された任意の関数計算式(y=f(x))が記憶される。
計算結果データメモリ19Dには、前記入力された任意の関数計算式(y=f(x))に応じた計算結果のデータ(例えば求解データ)が記憶される。
ワークエリア19Eには、各種動作モードの制御処理に伴ない制御部(CPU)11により入出力されるデータが一時的に記憶される。
図6は、前記グラフ関数電卓10のRAM19内のメイン・メモリ19Mに対して各e-Activityファイルの課題データとして格納されるデータ名およびその内容のグループ分けを示す図である。
メイン・メモリ19Mの各格納エリアA,B,…に格納される各e-Activityファイルそれぞれの課題データは、その課題データの内容に応じてメモリグループが分けられるデータ名によって管理される。例えばグラフ化すべき関数式のデータは、<LIST FILE>グループの[Y=DATA]として管理され、またグラフを描画する座標設定データは、<V-WIN>グループの[V-WIN n]として管理され、またデータのリストを生成するデータは、<LIST FILE>グループの[LIST n]として管理され、またリストに対応したグラフデータは、<G-MEM>グループの[G-MEM n] として管理される。
次に、前記構成によるグラフ関数電卓10の第1実施形態のe-Activity機能について説明する。
図7は、前記グラフ関数電卓10によるe-Activity処理を示すフローチャートである。
ここでは、e-Activityモードの登録モードによって、既に複数のe-Activityファイルが生成登録された状態とする。
この第1実施形態の動作説明では、ユーザ所望のe-Activityファイルの選択に伴うe-Activity画面Qの表示状態において、当該e-Activity画面Q内のストリップボタンSB1とは異なる機能を起動実行させる新規のストリップボタンSB2を挿入するためのストリップ挿入処理(ステップSA)について説明する。
また、後述する第2実施形態の動作説明では、ユーザ所望のe-Activityファイルの選択に伴うe-Activity画面Qの表示状態において、当該e-Activity画面Q内のストリップボタンSBに対応付けられる課題データの格納先を修正して変更するためのストリップ修正処理(ステップSC)について説明する。
図8は、前記グラフ関数電卓10のe-Activity処理に伴うストリップ挿入処理を示すフローチャートである。
図9は、前記グラフ関数電卓10のストリップ挿入処理に伴うe-Activity画面Qの操作表示状態を示す図である。
例えば、図4(A)に示すように、[LIST]機能上での課題学習を行わせるためのe-Activityファイル(19a1,19a2)と、[TBL・E]機能上での課題学習を行わせるためのe-Activityファイル(19b1,19b2)とが、既に登録された状態で、当該各e-Activityファイルのファイル名一覧画面(図示せず)からユーザ所望のe-Activityファイル(19b1,19b2)が選択されると(ステップS1)、図9(A)に示すように、当該選択されたe-Activityファイル(19b1,19b2)に対応する[TBL・E]機能のストリップボタンSB1を反転カーソルCuによって識別表記したe-Activity画面Qが表示される(ステップS2)。
ここで、前記選択表示中のe-Activityファイル(19b1,19b2)によって実行可能な[TBL・E]機能とは異なる[GRPH・E]機能のストリップボタンSB2を新規に挿入するべく、ファンクションキー「F2」によって[STRP]ボタンB2が選択されると、図9(B)に示すように、新規挿入の対象となるストリップボタンSB2の機能を選択するための機能選択ウインドウRが表示される。
この機能選択ウインドウRにおいて、カーソルキー12gの操作に応じた反転カーソルCuの移動により、新規挿入すべく機能である[Graph Editor]が選択指定され、「EXE」キー12fが操作されると(ステップS3(Yes))、図8におけるストリップ挿入処理へ移行される(ステップSA)。
すると、前記既存のe-Activityファイル(19b1,19b2)に対応するストリップボタンSB1の表示状態での新規のストリップボタンSB2の挿入であると判断され(ステップA1(Yes))、図9(C)に示すように、前記既存の[TBL・E]機能のストリップボタンSB1に対応付けられた課題データを、今回新規の[GRPH・E]機能のストリップボタンSB2に対応付けられる課題データとして共用するか否かのユーザ判断を促すデータ共有決定ウインドウP1が表示される(ステップA2)。
このデータ共有決定ウインドウP1において、ファンクションキー「F1」(Yes)の操作により、前記既存の[TBL・E]機能のストリップボタンSB1に対応付けられた課題データを、今回新規の[GRPH・E]機能のストリップボタンSB2に対応付けられる課題データとして共用することが決定されると(ステップA2(Yes))、図9(D)に示すように、前記既存の[TBL・E]機能のストリップボタンSB1の下側に連結して今回新規の[GRPH・E]機能のストリップボタンSB2が表示される。これに応じて、図4(A)に示すように、新規の[GRPH・E]機能を実行させるためのe-Activityファイル(19c1,19c2)が追加で登録され、その課題データの格納エリアが、前記既存の[TBL・E]機能を実行させるためのe-Activityファイル(19b1,19b2)における課題データの格納先と同じメイン・メモリ−Bに設定され共有化管理される(ステップA3)。
これにより、既に登録されている[TBL・E]機能のe-Activityファイル(19b1,19b2)の課題データ(格納エリア−B)を、新規に挿入登録された[GRPH・E]機能のe-Activityファイル(19c1,19c2)の課題データ(格納エリア−B)として共用することができる。
一方、前記ステップA2に従い表示される図9(C)で示したデータ共有決定ウインドウP1において、ファンクションキー「F6」(No)の操作により、前記既存の[TBL・E]機能のストリップボタンSB1に対応付けられた課題データを、今回新規の[GRPH・E]機能のストリップボタンSB2に対応付けられる課題データとして共用しないことが決定されると(ステップA2(No))、図9(E)に示すように、前記既存の[TBL・E]機能のストリップボタンSB1に離間して今回新規の[GRPH・E]機能のストリップボタンSB2が表示される。これに応じて、図4(B)に示すように、新規の[GRPH・E]機能を実行させるためのe-Activityファイル(19c1,19c2)が追加で登録され、その課題データの格納エリアが新規の格納先であるメイン・メモリ−Cに設定され個別管理される(ステップA4)。
図10は、前記グラフ関数電卓10のe-Activity処理に伴うストリップ実行処理を示すフローチャートである。
図11は、前記グラフ関数電卓10のストリップ実行処理に伴う第1実施形態に対応した操作表示状態を示す図である。
例えば、図4(A)で示したように、[LIST]機能上での課題学習を行わせるための第1のe-Activityファイル(19a1,19a2)と、[TBL・E]機能上での課題学習を行わせるための第2のe-Activityファイル(19b1,19b2)と、当該第2のe-Activityファイル(19b1,19b2)の課題データが共用(メイン・メモリ−B)に設定された[GRPH・E]機能上での課題学習を行わせるための第3のe-Activityファイル(19c1,19c2)とが、既に登録された状態で、当該各e-Activityファイルのファイル名一覧画面(図示せず)から実行すべきユーザ所望の第2のe-Activityファイル(19b1,19b2)が選択されると(ステップS1)、図11(A)に示すように、当該選択された第2のe-Activityファイル(19b1,19b2)に対応する[TBL・E]機能のストリップボタンSB1を反転カーソルCuによって識別表記したe-Activity画面Qが表示される(ステップS2)。なお、この第2のe-Activityファイル(19b1,19b2)に対応するe-Activity画面Qでは、その[TBL・E]機能のストリップボタンSB1に連結して課題データを共有にした[GRPH・E]機能のストリップボタンSB2が表示される。
ここで、前記[TBL・E]機能のストリップボタンSB1が反転カーソルCuにより選択指示された状態で、「EXE」キー12fが操作されてストリップ実行の操作がされたと判断されると(ステップS4(Yes))、図10におけるストリップ実行処理へ移行される(ステップSB)。
そして、前記ストリップボタンSB1からの実行操作に応じて[TBL・E]機能が指定されると(ステップB1)、これに対応するところのストリップ実行メモリ19b2に設定された課題データの格納エリア(メイン・メモリ−B)が共用設定されているか否か判断される(ステップB2)。
この場合、次のストリップ実行メモリ19c2に設定された課題データの格納エリア(メイン・メモリ−B)が共用設定されていると判断されるので(ステップB2(Yes))、当該メイン・メモリ−Bに格納されている共用の課題データが読み出され、例えば図11(B)(C)(D1)〜(D3)に示すように、その課題データを用いた[TBL・E]機能が実行されて表示される(ステップB3)。
ここでは、課題データとして登録された関数式「Y1=X2」を表記したテーブル機能表示画面TB(図11(B)参照)から、当該関数式「Y1=X2」をグラフ化表示させるための座標レンジ等を設定するView Window画面VW(図11(C)参照)が順次表示される。このView Window画面VWにおいて、前記関数式「Y1=X2」をグラフ化表示させるための座標レンジ等を設定表示させると、当該設定された座標レンジ等に従って、図11(D1)〜(D3)に示すように、前記関数式「Y1=X2」に対応するグラフデータが、順次そのplot点が繋がって行くように解析されるグラフ表示画面G1〜G3として描画表示される。
こうして、前記第2のe-Activityファイル(19b1,19b2)に従った[TBL・E]機能のストリップボタンSB1による課題の表示・解析が実行された後、一旦この第2のe-Activityファイル(19b1,19b2)によるストリップ実行処理が終了されると(ステップB5(Yes)→S5(Yes))、今回のストリップ実行処理に伴い設定表示されたテーブル機能表示画面TBでの関数式「Y1=X2」およびView Window画面VWでの座標レンジのデータが、当該第2のe-Activityファイル(19b1,19b2)の課題格納先であるメイン・メモリ(B)19MBに保存される(ステップS6)。
この後再び、前記ユーザ所望のe-Activityファイルの選択表示操作に従い(ステップS1,S2)、図11(E)に示すように、前記第2のe-Activityファイル(19b1,19b2)に対応する[TBL・E]機能のストリップボタンSB1を表記したe-Activity画面Qを表示させた状態で、当該[TBL・E]機能のストリップボタンSB1と連結表示された[GRPH・E]機能のストリップボタンSB2を反転カーソルCuにより指定表示させる。そして、「EXE」キー12fが操作されると、前記図10におけるストリップ実行処理(ステップS4→SB)に従い、共有のメイン・メモリ(B)19MBに保存されている課題データが読み出され、例えば図11(F)(G)に示すように、その課題データを用いた[GRPH・E]機能が実行されて表示される(ステップB1〜B3)。
つまり、今回の[GRPH・E]機能のストリップボタンSB2の指定実行によって、前記[TBL・E]機能のストリップボタンSB1の指定実行に際し共用のメイン・メモリ(B)19MBに保存されていた関数式「Y1=X2」およびView Window画面VWでの座標レンジの設定データが読み出され、図11(F)に示すように、当該関数式「Y1=X2」を表記したグラフ機能表示画面GRが表示されると共に、図11(G)に示すように、当該関数式「Y1=X2」に対応するグラフデータY1が前記View Window画面VWで設定された座標レンジに従ったグラフ表示画面Gとして描画表示される。
なお、前記ステップB2において(No)、つまり、前記ステップS1,S2に従い選択表示されたユーザ所望のe-Activity画面QでのストリップボタンSBの指定に応じた機能の実行に伴い、これに対応するところのストリップ実行メモリ19N2に設定された課題データの格納エリアが個別設定されていると判断された場合には、当該個別設定されたメイン・メモリ19Mの格納エリアから読み出された課題データを用いて、今回のストリップボタンSBの指定に応じた機能が実行されて表示される(ステップB4)。
したがって、前記構成の第1実施形態のe-Activity処理に伴うストリップ挿入機能によれば、既に登録されている[TBL・E]機能のe-Activityファイル(19b1,19b2)の課題データ(格納エリア−B)を、新規に挿入登録された[GRPH・E]機能のe-Activityファイル(19c1,19c2)の課題データ(格納エリア−B)として共用にして設定できるので、前記[TBL・E]機能を実行させる既存のe-Activityファイル(19b1,19b2)の課題データとして、例えば関数式のデータやグラフ描画用の座標設定データが記憶されていれば、新規のe-Activityファイル(19c1,19c2)のストリップボタンSB2による[GRPH・E]機能の実行に伴い、当該関数式の入力表示処理およびそのグラフの描画表示処理が直ちに実行されるようになる。
よって、既存のe-Activityファイルの機能実行ストリップSBに対応付けた課題データと同じ課題データを用いた新規の機能実行ストリップSBを挿入する場合には、当該同じ課題データを繰り返し入力して登録する必要はなく、容易に所望のe-Activityファイルを作成して実行させることが可能になる。
(第2実施形態)
この第2実施形態では、ユーザ所望のe-Activityファイルの選択に伴うe-Activity画面Qの表示状態において、当該e-Activity画面Q内のストリップボタンSBに対応付けられる課題データの格納先を修正して変更するためのストリップ修正処理(図7のステップSC)について説明する。
図12は、前記グラフ関数電卓10の第2実施形態のRAM19に確保されたデータメモリの構成を示す図である。
図13は、前記グラフ関数電卓10のe-Activity処理に伴うストリップ修正処理を示すフローチャートである。
図14は、前記グラフ関数電卓10のストリップ修正処理に伴うe-Activity画面Qの操作表示状態を示す図である。
例えば、図12(A)に示すように、[LIST]機能上での課題学習を行わせるための第1のe-Activityファイル(19a1,19a2)と、[RUN]機能上での課題学習を行わせるための第2のe-Activityファイル(19b1,19b2)とが、既に登録された状態で、当該各e-Activityファイルのファイル名一覧画面(図示せず)からユーザ所望の第1のe-Activityファイル(19a1,19a2)が選択されると(ステップS1)、図14(A)に示すように、当該選択された第1のe-Activityファイル(19a1,19a2)に対応する[LIST]機能のストリップボタンSB1を表記したe-Activity画面Qが表示される(ステップS2)。
なお、この第2実施形態におけるe-Activity画面Qの表示処理では、ストリップボタンSBnに対して、当該ボタンSBnの指定により起動実行される機能([LIST][RUN]など)を示す表記だけでなく、当該実行される機能上で動作させる課題データの格納先エリア([A][B]など)を示すデータグループマークMも表記される。
前記図14(A)で示した第1のe-Activityファイル(19a1,19a2)に対応する[LIST]機能のストリップボタンSB1を表記したe-Activity画面Qが表示された状態で、例えば第2のe-Activityファイル(19b1,19b2)のストリップボタンSB2の指定により実行対象となる課題データの格納エリアを修正するために、キー入力部12のユーザ操作に応じてストリップ修正の指示が為されると(ステップS7(Yes))、図13におけるストリップ修正処理へ移行される(ステップSC)。
ここで、カーソルキー「↓」12gの操作によりe-Activity画面Qをスクロールさせ、図14(B)に示すように、今回の修正対象となる第2のe-Activityファイル(19b1,19b2)に対応する[RUN]機能のストリップボタンSB2を反転カーソルCuにより識別表示させたe-Activity画面Qを表示させる。この際、反転カーソルCuにより識別表示され修正対象とされたストリップボタンSB2については、実行対象となる課題データの格納エリアを示すデータグループマークMは一旦消去される(ステップC1)。
そして、ファンクションキー「F5」の操作によって[SHARE]ボタンB5が選択指示されると(ステップC2(Yes))、図14(C)に示すように、新たなデータグループの格納先エリアを指定するか(Yes「F1」)、既存のデータグループの格納先エリアを共用として指定するか(No「F6」)、の何れかを選択するための修正内容選択ウインドウP2が表示される(ステップC3)。
この修正内容選択ウインドウP2において、既存のデータグループの格納先エリアを共用として指定するべくファンクションキー「F6」が操作されると(ステップC3(No))、図14(D)に示すように、既存の課題データの格納先エリアを一覧表記したデータグループ選択ウインドウP3が表示される。そして、このデータグループ選択ウインドウP3において、修正対象のストリップボタンSB2によって実行対象となる課題データを、前記第1のe-Activityファイル(19a1,19a2)のストリップボタンSB1により実行対象とされる課題データで共用するために、当該ストリップボタンSB1による課題データの格納先エリアである“A”が選択され「EXE」キー12fが操作されると、図12(B)に示すように、修正対象である第2のe-Activityファイル(19b1,19b2)のストリップ実行メモリ19b2に記憶される課題データの格納先エリアが“A”に修正され、共用にして設定管理される。これと共に、図14(E)に示すように、ストリップボタンSB2に対しては、実行対象となる課題データの格納先エリアが、前記第1のe-Activityファイル(19a1,19a2)のストリップボタンSB1の場合と同じメイン・メモリ(A)19MAであることを示すデータグループマークMが表記される(ステップC4)。
これにより、既に登録されている第2のe-Activityファイル(19b1,19b2)の課題データ(格納エリア−B)を、同様に既に登録されている第1のe-Activityファイル(19a1,19a2)の課題データ(格納エリア−A)に修正して共用することができる。
一方、前記図14(C)で示した修正内容選択ウインドウP2において、新たなデータグループの格納先エリアを指定するべくファンクションキー「F1」が操作されると(ステップC3(Yes))、図12(C)に示すように、修正対象である第2のe-Activityファイル(19b1,19b2)のストリップ実行メモリ19b2に記憶される課題データの格納先エリアが、既存の課題データの格納先エリア“A”“B”の次の新たな“C”に修正され、個別にして設定管理される。これと共に、図14(F)に示すように、ストリップボタンSB2に対しては、実行対象となる課題データの格納先エリアが、新たに設定されたメイン・メモリ(C)19MCであることを示すデータグループマークMが表記される(ステップC5)。
図15は、前記グラフ関数電卓10のストリップ実行処理に伴う第2実施形態に対応した操作表示状態を示す図である。
例えば、図12(A)(B)で示したように、[LIST]機能上での課題学習を行わせるための第1のe-Activityファイル(19a1,19a2)と、当該第1のe-Activityファイル(19a1,19a2)の課題データが共用(メイン・メモリ−A)として修正設定された[RUN]機能上での課題学習を行わせるための第2のe-Activityファイル(19b1,19b2)とが、既に登録された状態で、当該各e-Activityファイルのファイル名一覧画面(図示せず)から実行すべきユーザ所望の第1のe-Activityファイル(19a1,19a2)が選択されると(ステップS1)、図15(A)に示すように、当該選択された第1のe-Activityファイル(19a1,19a2)に対応する[LIST]機能のストリップボタンSB1を反転カーソルCuによって識別表記したe-Activity画面Qが表示される(ステップS2)。
ここで、前記[LIST]機能のストリップボタンSB1が反転カーソルCuにより選択指示された状態で、「EXE」キー12fが操作されてストリップ実行の操作がされたと判断されると(ステップS4(Yes))、図10におけるストリップ実行処理へ移行される(ステップSB)。
そして、前記ストリップボタンSB1からの実行操作に応じて[LIST]機能が指定されると(ステップB1)、これに対応するところのストリップ実行メモリ19a2に設定された課題データの格納エリア(メイン・メモリ−A)が共用設定されているか否か判断される(ステップB2)。
この場合、次のストリップ実行メモリ19b2に設定された課題データの格納エリア(メイン・メモリ−A)が共用設定されていると判断されるので(ステップB2(Yes))、当該メイン・メモリ−Aに格納されている課題データが読み出され、例えば図15(B)〜(E)に示すように、その課題データを用いた[LIST]機能が実行されて表示される(ステップB3)。
ここでは、先ず図15(B)に示すように、課題データとして登録されたリストデータを表記したリスト表示画面Lが表示され、このリストデータに対応して、図15(C)に示すように、プロット形式のグラフを表示させたグラフプロット画面Gpが表示される。そして、このグラフプロット画面Gpに表示されたグラフデータについて、一次回帰の計算が指示実行され、図15(D)に示すように、一連の回帰式が表記された回帰式表示画面Ckが表示される。この回帰式表示画面Ckにおいて、回帰グラフの描画が指示実行されると、図15(E)に示すように、前記リストデータ(図15(B)参照)に対応した回帰グラフを描画した回帰グラフ表示画面Gkが表示される。
こうして、前記第1のe-Activityファイル(19a1,19a2)に従った[LIST]機能のストリップボタンSB1による課題の表示・解析が実行された後、一旦この第1のe-Activityファイル(19a1,19a2)によるストリップ実行処理が終了されると(ステップB5(Yes)→S5(Yes))、今回のストリップ実行処理に伴い解析表示されたリスト表示画面Lでのリストデータ、および回帰式表示画面Ckでの回帰式データが、当該第1のe-Activityファイル(19a1,19a2)の課題格納先であるメイン・メモリ(A)19MAに保存される(ステップS6)。
この後、前記ユーザ所望のe-Activityファイルの選択表示操作に従い(ステップS1,S2)、図15(F)に示すように、第2のe-Activityファイル(19b1,19b2)に対応する[RUN]機能のストリップボタンSB2を反転カーソルCuにより指定表示したe-Activity画面Qを表示させた状態で、「EXE」キー12fが操作されると、前記図10におけるストリップ実行処理(ステップS4→SB)に従い、共有のメイン・メモリ(A)19MAに保存されている課題データが読み出され、例えば図15(G)(H)に示すように、その課題データを用いた[RUN]機能が実行されて表示される(ステップB1〜B3)。
つまり、今回の[RUN]機能のストリップボタンSB2の指定実行によって、前記[LIST]機能のストリップボタンSB1の指定実行に際し共用のメイン・メモリ(A)19MAに保存されていた前記リスト表示画面L(図15(B)参照)でのリストデータおよび回帰式表示画面Ck(図15(D)参照)での回帰式データが読み出される。そして、この[RUN]機能の実行状態において、ファンクションキー「F3」の操作により「MAT」ボタンB3が指示されて推定値の計算が指定されると、前記ストリップボタンSB1と共用のメイン・メモリ(A)19MAから読み出されたリストデータおよび回帰式データに基づいて、前記回帰グラフ(図15(E)参照)におけるx係数とy係数の推定値の計算が実行される。これにより、図15(G)に示すように計算中画面Gr1が表示された後に、図15(H)に示すように、前記推定値の計算結果を表記した計算結果表示画面Gr2が表示される。
なお、前記ステップB2において(No)、つまり、前記ステップS1,S2に従い選択表示されたユーザ所望のe-Activity画面QでのストリップボタンSBの指定に応じた機能の実行に伴い、これに対応するところのストリップ実行メモリ19N2に設定された課題データの格納エリアが個別設定されていると判断された場合には、当該個別設定されたメイン・メモリ19Mの格納エリアから読み出された課題データを用いて、今回のストリップボタンSBの指定に応じた機能が実行されて表示される(ステップB4)。
したがって、前記構成の第2実施形態のe-Activity処理に伴うストリップ修正機能によれば、既に登録されている第2のe-Activityファイル(19b1,19b2)の課題データ(格納エリア−B)を、同様に既に登録されている第1のe-Activityファイル(19a1,19a2)の課題データ(格納エリア−A)に修正して共用することができるので、[LIST]機能を実行させる第1のe-Activityファイル(19a1,19a2)の課題データとして、例えばリストデータやその回帰式データが記憶されていれば、第2のe-Activityファイル(19b1,19b2)のストリップボタンSB2による[RUN]機能の実行に伴い、当該リストデータおよび回帰式に基づいた推定値の計算処理が直ちに実行されるようになる。
よって、既存のe-Activityファイルの機能実行ストリップSBnに対応付けた課題データと同じ課題データを用いた異なる機能実行ストリップSBn+1を有するe-Activityファイルを生成したい場合には、当該同じ課題データを繰り返し入力して新たなe-Activityファイルを生成登録する必要はなく、既存且つ所望の機能実行ストリップSBn+1を有するe-Activityファイルに対応付けられた課題データの格納先エリアを、既存且つ所望の課題データの格納先エリアに修正して共有に設定するだけで、容易に所望のe-Activityファイルを作成して実行させることが可能になる。
なお、前記各実施形態において記載したグラフ関数電卓10による各処理の手法、すなわち、図7のフローチャートに示すe-Activity処理、図8のフローチャートおよび図9の操作表示手順で示す前記e-Activity処理に伴う第1実施形態のストリップ挿入処理、図10のフローチャートに示す前記e-Activity処理に伴うストリップ実行処理、図13のフローチャートおよび図14の操作表示手順で示す前記e-Activity処理に伴う第2実施形態のストリップ修正処理での各手法は、何れもコンピュータに実行させることができるプログラムとして、メモリ・カード(ROMカード、RAMカード等)、磁気ディスク(フロッピディスク、ハードディスク等)、光ディスク(CD−ROM、DVD等)、半導体メモリ等の外部記憶媒体16に格納して配布することができる。そして、コンピュータは、この外部記憶媒体16に記憶されたプログラムを記憶媒体書き込み・読み取り部17によって読み込み、この読み込んだプログラムによって動作が制御されることにより、前記各実施形態において説明したe-Activity処理に伴うストリップ挿入・修正機能を実現し、前述した手法による同様の処理を実行することができる。
また、前記各手法を実現するためのプログラムのデータは、プログラムコードの形態としてネットワークNt上を伝送させることができ、このネットワークNtに接続されたコンピュータ端末の通信制御部18によって前記のプログラムデータを取り込み、前述したe-Activity処理に伴うストリップ挿入・修正機能を実現することもできる。
なお、本願発明は、前記各実施形態に限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で種々に変形することが可能である。さらに、前記各実施形態には種々の段階の発明が含まれており、開示される複数の構成要件における適宜な組み合わせにより種々の発明が抽出され得る。例えば、各実施形態に示される全構成要件から幾つかの構成要件が削除されたり、幾つかの構成要件が異なる形態にして組み合わされても、発明が解決しようとする課題の欄で述べた課題が解決でき、発明の効果の欄で述べられている効果が得られる場合には、この構成要件が削除されたり組み合わされた構成が発明として抽出され得るものである。