JP5023281B2 - 画像処理方法、その装置並びに断層撮影装置 - Google Patents

画像処理方法、その装置並びに断層撮影装置 Download PDF

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Description

この発明は、断層画像に対する画像処理方法、その装置並びに断層撮影装置に係り、特にアーティファクトを除去する技術に関する。
断層画像として、X線管(照射手段)および検出器(検出手段)からなる撮像系を被検体の体軸の軸心周りに回転させて撮像を行うX線CT(Computed Tomography)装置で得られたCT画像を例に採って説明する。X線CT装置は、臨床に必須の医療機器であり、シングルスライスCT装置や、検出器のセルを体軸方向に沿って並設されたマルチスライスCT装置や、体軸方向に沿って拡がったコーン状のX線ビームをX線管から照射するコーンビームCT装置などがある。また、X線CT装置に備えられる検出器として、近年、コーンビームCTでは、フラットパネル型X線検出器(以下、「FPD」と略記する)が用いられる。
X線CT装置の場合には、撮像系を被検体の体軸の軸心周りに回転させることで、アーティファクトがCT画像においてリング状として現れる(以下、「リングアーティファクト」と略記する)。図14を参照して、具体的に説明する。図14は、CT画像におけるリングアーティファクト発生の説明に供する模式図である。図14では、簡単に説明するためにシングルスライスCT装置を例に採って説明する。一般に、CT画像におけるリングアーティファクトはX線検出アレイ4などに代表される検出器のセルの欠損や感度劣化(図14(a)では符号「D」で付されたセルを参照)により発生する。1列のチャネル検出器とX線管2とを対にして被検体Mの体軸zの軸心周りに回転させて、図14(b)に示すように、チャネル検出器のセルの並設方向(「Channel方向」とも呼ぶ)を横軸にとり、投影方向(「View方向」とも呼ぶ)を縦軸にとった元データ(「サイノグラム」という)を取得する。ここで、検出器のあるセルに、図14(a)に示すように欠損または感度変化Dがあると、サイノグラム上にはライン状のアーティファクトARTが発生し、図14(c)に示すように、再構成されたCT画像上ではリング状アーティファクト(リングアーティファクト)ARTが発生する。わずか0.1%の検出器の感度差でも明瞭にリングとして視認することができる。
従来は一般に、サイノグラム上で欠損画素の補間を行ったり、検出器の感度補正によってCT画像上のリングアーティファクトを除去して来た。一方、CT画像上の処理でリングアーティファクトを除去する手法としては、特許文献1、2がある。特許文献1、2では、CT画像上のリングアーティファクトを収集観察することにより、リングの帯状の幅や輝度(画素値)の変化の分布を予め調べる。そして、これらの条件に該当するリングアーティファクトに対してローパスフィルタ(低域通過型フィルタ)やメディアンフィルタ等を直接に適用してリングアーティファクトを除去する。
ところで、近年、多次元信号解析法として、互いに独立な信号が重なり合った混合信号を観測して、それに基づいて互いに独立な原信号を分離する独立成分分析(ICA: Independent Component Analysis)が提案されている(例えば、非特許文献1〜5参照)。特に、非特許文献2では独立成分分析(ICA)を画像に適用して、画像を基底関数で展開することにより特徴ベクトルを計算して、画像の特徴解析を実施している。
特表平11−514121号公報 特開平11−128218号公報 陳延偉著,「独立成分分析(1)−カクテルパーティー効果−」,日本医用画像工学会誌,2003年,21巻,1号,p.81−85 陳延偉著,「独立成分分析(2)−ICA基底による特徴抽出−」,日本医用画像工学会誌,2003年,21巻,2号,p.170−174 村田昇著,「入門 独立成分分析」,東京電機大学出版局、2004年7月 Aapo Hyvarinen著,Juha Karhunen著,Erkki Oja著,根元幾訳,川勝真喜訳 「詳解 立成分分析−信号解析の新しい世界−」東京電機大学出版局,2005年2月 村田昇、"独立成分分析概論"、平成14年5月1日、早稲田大学 理工学部 電気電子情報工学科、[online] 、インターネット< URL : http://www.eb.waseda.ac.jp/murata/~mura/lecture/ica/note/ >
しかし、検出器は個々に少しずつ特性が異なり、検出器の感度が時間的に変化する場合もあり、上述したサイノグラムの感度処理だけではアーティファクトを完全に除去するのは難しい。さらに、CT画像上の領域(例えば上半分と下半分)でアーティファクトの強さが変化する場合もあるが、これを処理するにはサイノグラム上よりも画像上の方が容易である。また、特許文献1、2のように、上述した平滑化を目的とするフィルタの画像への直接の適用は、本来のCT画像に分解能低下をもたらし、さらにフィルタに起因するアーティファクトを発生させることもある。
この発明は、このような事情に鑑みてなされたものであって、安定してアーティファクトを除去することができる画像処理方法、その装置並びに断層撮影装置を提供することを目的とする。
この発明は、このような目的を達成するために、次のような構成をとる。
すなわち、この発明の画像処理方法は、断層画像に対して処理を行う画像処理方法であって、断層画像を対象としてアーティファクトの特徴量解析を行うことで、アーティファクトを含む画素群とアーティファクトを含まない画素群とに分割して、前記アーティファクトを含む画素群のみに対して補正に関する所定の処理を施すことで、アーティファクトを除去する補正処理を行い、前記特徴量解析は独立成分分析であって、その独立成分分析を利用して前記アーティファクトに対応する画像成分と前記アーティファクトに対応しない画像成分とに独立して分離することで、前記アーティファクトを含む画素群と前記アーティファクトを含まない画素群とに分割し、
前記アーティファクトに対応する画像成分を消去することで、前記アーティファクトを含む画素群のみに対して前記補正に関する所定の処理を施し、
前記断層画像における断層面をx,y平面とするとともに、断層画像の各画素値をF(x,y)とし、その断層画像F(x,y)を前記x,yによってΔ個の群に分割することによりN個の画素から構成される要素画像F (x,y)を得て(ただし、i=1〜Δ)、前記独立成分分析を適用することにより各々の前記要素画像F (x,y)を前記N個の画素から構成される基底関数A で展開して(ただし、j=1〜N)、
(x,y)=Σ j=1 ji *A …(A)
上記(A)式で展開された前記基底関数A のうち、前記アーティファクトに対応する基底関数A (ただし、1≦h≦N、該当するhの数は1個または複数個)を選択して、この選択された基底関数A に対応する成分s hi を前記アーティファクトに対応する画像成分として、その成分s hi を“0”に置き換えることでアーティファクトに対応する画像成分を消去した、各々の要素画像F (x,y)に対する前記補正処理を施して、この要素画像F (x,y)をi=1〜Δで並べることにより前記アーティファクトを除去した断層画像を得ることを特徴とするものである。
この発明の画像処理方法によれば、断層画像を対象としてアーティファクトの特徴量解析を行うことで、アーティファクトを含む画素群とアーティファクトを含まない画素群とに分割して、上述したアーティファクトを含む画素群のみに対して補正に関する所定の処理を施すことで、アーティファクトを除去する補正処理を行う。このように、アーティファクトを含む画素群のみに対して補正に関する所定の処理を施し、アーティファクトを含まない画素群に対しては補正に関する所定の処理を施さないので、アーティファクトを含まない画素群で構成される本来の正常な断層画像については、補正のためのフィルタ処理等が施されずに、フィルタに起因するアーティファクトが発生せずに、画像分解能の低下などのフィルタ等による副作用はほとんど発生しない。その結果、安定してアーティファクトを除去することができる。なお、本明細書中における「アーティファクトを含む画素群のみに対して補正に関する所定の処理を施す」とは、アーティファクトを含まない画素群に対しては補正に関する所定の処理を施さないことのみを意味し、補正以外に関する所定の処理(例えば画素値から輝度へのスケール変更、アーティファクト除去以外の補正処理(例えばラグ補正やゲイン補正など))については、その処理を、アーティファクトを含まない画素群に対しては施してもよいことを意味することに留意されたい。
上述した特徴量解析独立成分分析(ICA)である。その独立成分分析を利用してアーティファクトに対応する画像成分とアーティファクトに対応しない画像成分とに独立して分離することで、アーティファクトを含む画像群とアーティファクトを含まない画像群とに分割する。なお、特徴量解析は独立成分分析に限定されずに、例えばウェーブレット(Wavelet)変換などであってもよい。特徴量解析として独立成分分析を利用した場合には、より具体的に下記のように行えばよい。
すなわち、アーティファクトに対応する画像成分を消去することで、アーティファクトを含む画素群のみに対して補正に関する所定の処理を施す。アーティファクトに対応する画像成分を消去するには、下記のように行えばよい。
例えば、断層画像における断層面をx,y平面とするとともに、断層画像の各画素値をF(x,y)とし、その断層画像F(x,y)をx,yによってΔ個の群に分割することによりN個の画素から構成される要素画像F(x,y)を得る(ただし、i=1〜Δ)。上述した独立成分分析を適用することにより各々の要素画像F(x,y)をN個の画素から構成される基底関数Aで展開する(ただし、j=1〜N)。
(x,y)=Σj=1 ji*A …(A)
上記(A)式で展開された基底関数Aのうち、アーティファクトに対応する基底関数A(ただし、1≦h≦N、該当するhの数は1個または複数個)を選択して、この選択された基底関数Aに対応する成分shiをアーティファクトに対応する画像成分とする。その成分shiを“0”に置き換えることでアーティファクトに対応する画像成分shiを消去した、各々の要素画像F(x,y)に対する補正処理を施す。この要素画像F(x,y)をi=1〜Δで並べることによりアーティファクトを除去した断層画像を得る。アーティファクトに対応する基底関数Aは必ずしも1個だけとは限らず、複数個のアーティファクトに対応する基底関数Aが存在する場合があり、この場合には対応する全ての成分shiを“0”に置き換えることでアーティファクトを除去する。
また、例えば、上述した断層画像F(x,y)を極座標系r,θの極座標上の画像F(r,θ)に変換することにより、断層画像F(x,y)上のアーティファクトを画像F(r,θ)上のアーティファクトに変換して、この画像F(r,θ)をr,θによってΔ個の群に分割することによりN個の画素から構成される要素画像F(r,θ)を得る(ただし、i=1〜Δ)。上述した独立成分分析を適用することにより各々の要素画像F(r,θ)をN個の画素から構成される基底関数Aで展開する(ただし、j=1〜N)。
(r,θ)=Σj=1 ji*A …(B)
上記(B)式で展開された基底関数Aのうち、アーティファクトに対応する基底関数A(ただし、1≦h≦N、該当するhの数は1個または複数個)を選択して、この選択された基底関数Aに対応する成分shiをアーティファクトに対応する画像成分とする。その成分shiを“0”に置き換えることでアーティファクトに対応する画像成分を消去した、各々の要素画像F(r,θ)に対する補正処理を施す。この要素画像F(r,θ)をi=1〜Δで並べた画像F(r,θ)を直交座標系x,yの直交座標上の断層画像F(x,y)に逆変換することによりアーティファクトを除去した断層画像を得る。この一例においても、複数個のアーティファクトに対応する基底関数Aが存在する場合があり、この場合には対応する全ての成分shiを“0”に置き換えることでアーティファクトを除去する。また、断層画像がCT画像の場合には、断層画像F(x,y)を極座標系r,θの極座標上の画像F(r,θ)に変換することにより、断層画像F(x,y)上のリングアーティファクトが画像F(r,θ)上の直線アーティファクトに変換される。
特徴量解析として独立成分分析を利用した場合では、アーティファクトを含む画素群に対してスムージング(平滑化)フィルタを施すことで、アーティファクトを含む画素群のみに対して補正に関する所定の処理を施すのがより一層好ましい。独立成分分析を利用した場合においてアーティファクトに対応する画像成分を消去する上述した手法と比較すると、本来の正常な断層画像に対する画像分解能の低下などのフィルタ等による副作用をより一層抑えることができる。
アーティファクトを含む画素群に対してスムージング(平滑化)フィルタを施す場合において下記のようにまとめることができる。すなわち、独立成分分析を利用してアーティファクトに対応する画像成分とアーティファクトに対応しない画像成分とに独立して分離することで、アーティファクトを含む画素群とアーティファクトを含まない画素群とに分割して、アーティファクトに対応する画像成分に対して上述したスムージングフィルタを施すことで、アーティファクトを含む画素群のみに対して補正に関する所定の処理を施す。アーティファクトに対応する画像成分に対してスムージングフィルタを施すには、下記のように行えばよい。
すなわち、上記(B)式で展開された基底関数Aのうち、アーティファクトに対応する基底関数A(ただし、1≦h≦N、該当するhの数は1個または複数個)を選択して、この選択された基底関数Aおよびそれに対応する成分shiからなる要素画像shi*Aをアーティファクトに対応する画像成分とする。その画像成分に対してスムージングフィルタを施すことでアーティファクトに対応する画像成分を平滑化した、shi*Aからなる要素画像F(r,θ)に対する補正処理を施す。この要素画像F(r,θ)、および、選択されなかった残りの基底関数Aとそれに対応する成分sjiからなる要素画像F(r,θ)をi=1〜Δで並べた画像F(r,θ)を直交座標系x,yの直交座標上の断層画像F(x,y)に逆変換することによりアーティファクトを除去した断層画像を得る。かかる場合には、より具体的に下記のように行えばよい。
例えば、上述した要素画像shi*Aからなる要素画像F(r,θ)をθによってM個(ただし、Mは1を含んだ自然数)の領域の画像Fhk(r,θ)に分割し(ただし、k=1〜M)、それぞれの画像Fhk(r,θ)毎にθで積分したプロファイル関数P(r)を求める。そのプロファイル関数P(r)に対してrについてスムージングフィルタを施すことで、P(r)´を求める。上述した画像Fhk(r,θ)を、
hk(r,θ)=Fhk(r,θ)*P(r)´/P(r) …(C)
上記(C)式の右辺に代入して左辺を求めることで補正し、この補正された画像Fhk(r,θ)をk=1〜Mで並べることにより要素画像F(r,θ)を補正する。ここでMは1を含んだ自然数であるので、要素画像F(r,θ)を分割せずに上記(C)式の右辺に代入して左辺を求めることで要素画像F(r,θ)を補正する場合も含まれる。
上述のCT画像上の領域でアーティファクトの強さが変化する場合には、このMの値を適当に調節して使用することによって対処することができる。
また、例えば、上述した画像Fhk(r,θ)を、
hk(r,θ)=Fhk(r,θ)−(P(r)−P(r)´) …(D)
上記(D)式の右辺に代入して左辺を求めることで補正し、この補正された画像Fhk(r,θ)をk=1〜Mで並べることにより要素画像F(r,θ)を補正する。この一例においても、要素画像F(r,θ)を分割せずに上記(D)式の右辺に代入して左辺を求めることで要素画像F(r,θ)を補正する場合も含まれる。一般に、プロファイル関数P(r)の値が、スムージング(平滑化)されたP(r)´の値よりも極端に小さな値をとり得る場合には、上記(C)式のような除算ではノイズの影響を拡大させる可能性があるので、上記(D)式のような減算の方が有利である。
上述したこれらの発明では、アーティファクトの特徴量解析を行うことで、アーティファクトを含む画素群とアーティファクトを含まない画素群とに分割して、上述したアーティファクトを含む画素群のみに対して補正に関する所定の処理を施すことで、アーティファクトを除去する補正処理を行う技術的思想を前提としていたが、かかる技術的思想を前提とせずに、上記(C)式を下記(C)´式に変形、あるいは上記(D)式を下記(D)´式に変形して、断層画像に対してスムージングフィルタを施してもよい。
すなわち、上述した画像処理方法とは別の画像処理方法は、断層画像に対して処理を行う画像処理方法であって、断層画像における断層面をx,y平面とするとともに、断層画像の各画素値をF(x,y)とし、その断層画像F(x,y)を極座標系r,θの極座標上の画像F(r,θ)に変換することにより、前記断層画像F(x,y)上のアーティファクトを前記画像F(r,θ)上のアーティファクトに変換して、この画像F(r,θ)を前記θによってM個(ただし、Mは1を含んだ自然数)の領域の画像F(r,θ)に分割し(ただし、k=1〜M)、それぞれの前記画像F(r,θ)毎にθで積分したプロファイル関数P(r)を求めて、そのプロファイル関数P(r)に対して前記rについて前記スムージングフィルタを施すことで、P(r)´を求めて、前記画像F(r,θ)を、
(r,θ)=F(r,θ)*P(r)´/P(r) …(C)´
上記(C)´式の右辺に代入して左辺を求めることで補正し、この補正された画像F(r,θ)をk=1〜Mで並べることにより前記画像F(r,θ)を補正し、この画像F(r,θ)を直交座標系x,yの直交座標上の断層画像F(x,y)に逆変換することにより前記アーティファクトを除去した断層画像を得ることを特徴とするものである。
また、上述した画像処理方法とはさらなる別の画像処理方法は、断層画像に対して処理を行う画像処理方法であって、断層画像における断層面をx,y平面とするとともに、断層画像の各画素値をF(x,y)とし、その断層画像F(x,y)を極座標系r,θの極座標上の画像F(r,θ)に変換することにより、前記断層画像F(x,y)上のアーティファクトを前記画像F(r,θ)上のアーティファクトに変換して、この画像F(r,θ)を前記θによってM個(ただし、Mは1を含んだ自然数)の領域の画像F(r,θ)に分割し(ただし、k=1〜M)、それぞれの前記画像F(r,θ)毎にθで積分したプロファイル関数P(r)を求めて、そのプロファイル関数P(r)に対して前記rについて前記スムージングフィルタを施すことで、P(r)´を求めて、前記画像F(r,θ)を、
(r,θ)=F(r,θ)−(P(r)−P(r)´) …(D)´
上記(D)´式の右辺に代入して左辺を求めることで補正し、この補正された画像F(r,θ)をk=1〜Mで並べることにより前記画像F(r,θ)を補正し、この画像F(r,θ)を直交座標系x,yの直交座標上の断層画像F(x,y)に逆変換することにより前記アーティファクトを除去した断層画像を得ることを特徴とするものである。
上記(C)´式や上記(D)´式においても、下記のようなことがいえる。すなわち、一般に、プロファイル関数P(r)の値が、スムージング(平滑化)されたP(r)´の値よりも極端に小さな値をとり得る場合には、上記(C)´式よりも上記(D)´式のような減算の方が有利である。
上述したこれらの発明において、断層画像の一例は、被検体の体軸の軸心周りに撮像系が相対的に回転して得られた画像(すなわちCT画像)である。断層画像がCT画像の場合には、上述したように撮像系を被検体の体軸の軸心周りに回転させることで、アーティファクトがCT画像上にリングアーティファクトとして現れる。これらの発明では、断層画像がCT画像の場合において特に有用である。なお、断層画像については、CT画像に限定されずに、断層撮影によって得られる画像であればよい。撮像系を構成する照射手段が被検体に沿って平行移動し、撮像系を構成する検出手段が照射手段の移動とは逆方向に平行移動することで得られる断層画像や、被検体の体軸に直交する軸心周りに各撮像系が歳差運動することで得られる断層画像に例示されるように、断層画像については特に限定されない。
また、この発明の画像処理装置は、断層画像に対して処理を行う画像処理装置であって、断層画像を対象としてアーティファクトの特徴量解析を行うことで、アーティファクトを含む画素群とアーティファクトを含まない画素群とに分割する分割手段と、前記アーティファクトを含む画素群のみに対して補正に関する所定の処理を施す画素群処理手段とを備えることで、アーティファクトを除去する補正処理を行い、前記特徴量解析は独立成分分析であって、その独立成分分析を利用して前記アーティファクトに対応する画像成分と前記アーティファクトに対応しない画像成分とに独立して分離することで、前記アーティファクトを含む画素群と前記アーティファクトを含まない画素群とに分割し、
前記アーティファクトに対応する画像成分を消去することで、前記アーティファクトを含む画素群のみに対して前記補正に関する所定の処理を施し、
前記断層画像における断層面をx,y平面とするとともに、断層画像の各画素値をF(x,y)とし、その断層画像F(x,y)を前記x,yによってΔ個の群に分割することによりN個の画素から構成される要素画像F (x,y)を得て(ただし、i=1〜Δ)、前記独立成分分析を適用することにより各々の前記要素画像F (x,y)を前記N個の画素から構成される基底関数A で展開して(ただし、j=1〜N)、
(x,y)=Σ j=1 ji *A …(A)
上記(A)式で展開された前記基底関数A のうち、前記アーティファクトに対応する基底関数A (ただし、1≦h≦N、該当するhの数は1個または複数個)を選択して、この選択された基底関数A に対応する成分s hi を前記アーティファクトに対応する画像成分として、その成分s hi を“0”に置き換えることでアーティファクトに対応する画像成分を消去した、各々の要素画像F (x,y)に対する前記補正処理を施して、この要素画像F (x,y)をi=1〜Δで並べることにより前記アーティファクトを除去した断層画像を得ることを特徴とするものである。
この発明の画像処理装置によれば、断層画像を対象としてアーティファクトの特徴量解析を行うことで、アーティファクトを含む画素群とアーティファクトを含まない画素群とに分割する分割手段と、上述したアーティファクトを含む画素群のみに対して補正に関する所定の処理を施す画素群処理手段とを備えることで、アーティファクトを除去する補正処理を行う。このように、アーティファクトを含む画素群のみに対して補正に関する所定の処理を施し、アーティファクトを含まない画素群に対しては補正に関する所定の処理を施さないので、アーティファクトを含まない画素群で構成される本来の正常な断層画像については、画像分解能の低下などのフィルタ等による副作用がほとんど発生せずに、安定してアーティファクトを除去することができる。また、安定してアーティファクトを除去することで、良好な断層画像を得ることができる。
また、独立成分分析を利用してアーティファクトに対応する画像成分とアーティファクトに対応しない画像成分とに独立して分離することで、アーティファクトを含む画像群とアーティファクトを含まない画像群とに分割する。
また、上記(A)式で展開された基底関数A のうち、アーティファクトに対応する基底関数A (ただし、1≦h≦N、該当するhの数は1個または複数個)を選択して、この選択された基底関数A に対応する成分s hi をアーティファクトに対応する画像成分とする。その成分s hi を“0”に置き換えることでアーティファクトに対応する画像成分s hi を消去した、各々の要素画像F (x,y)に対する補正処理を施す。この要素画像F (x,y)をi=1〜Δで並べることによりアーティファクトを除去した断層画像を得る。アーティファクトに対応する基底関数A は必ずしも1個だけとは限らず、複数個のアーティファクトに対応する基底関数A が存在する場合があり、この場合には対応する全ての成分s hi を“0”に置き換えることでアーティファクトを除去する。
画像処理方法でも述べたように、断層画像の一例は、被検体の体軸の軸心周りに撮像系が相対的に回転して得られた画像(CT画像)である。同様に、断層画像については、CT画像に限定されない。
また、この発明の断層撮影装置は、断層画像を撮像する断層撮影装置であって、被検体からの光または放射線を検出する検出手段と、その検出手段によって得られた光または放射線に関する被検体の断層画像に対して処理を行う画像処理手段とを備え、前記画像処理手段は、前記断層画像を対象としてアーティファクトの特徴量解析を行うことで、アーティファクトを含む画素群とアーティファクトを含まない画素群とに分割する分割手段と、前記アーティファクトを含む画素群のみに対して補正に関する所定の処理を施す画素群処理手段とを備えることで、アーティファクトを除去する補正処理を行い、前記特徴量解析は独立成分分析であって、その独立成分分析を利用して前記アーティファクトに対応する画像成分と前記アーティファクトに対応しない画像成分とに独立して分離することで、前記アーティファクトを含む画素群と前記アーティファクトを含まない画素群とに分割し、
前記アーティファクトに対応する画像成分を消去することで、前記アーティファクトを含む画素群のみに対して前記補正に関する所定の処理を施し、
前記断層画像における断層面をx,y平面とするとともに、断層画像の各画素値をF(x,y)とし、その断層画像F(x,y)を前記x,yによってΔ個の群に分割することによりN個の画素から構成される要素画像F (x,y)を得て(ただし、i=1〜Δ)、前記独立成分分析を適用することにより各々の前記要素画像F (x,y)を前記N個の画素から構成される基底関数A で展開して(ただし、j=1〜N)、
(x,y)=Σ j=1 ji *A …(A)
上記(A)式で展開された前記基底関数A のうち、前記アーティファクトに対応する基底関数A (ただし、1≦h≦N、該当するhの数は1個または複数個)を選択して、この選択された基底関数A に対応する成分s hi を前記アーティファクトに対応する画像成分として、その成分s hi を“0”に置き換えることでアーティファクトに対応する画像成分を消去した、各々の要素画像F (x,y)に対する前記補正処理を施して、この要素画像F (x,y)をi=1〜Δで並べることにより前記アーティファクトを除去した断層画像を得ることを特徴とするものである。
この発明の断層撮影装置によれば、被検体からの光または放射線を検出手段が検出して、その検出手段によって得られた光または放射線に関する被検体の断層画像に対して画像処理手段が処理を行うことで断層画像を撮像する。この画像処理手段は、断層画像を対象としてアーティファクトの特徴量解析を行うことで、アーティファクトを含む画素群とアーティファクトを含まない画素群とに分割する分割手段と、上述したアーティファクトを含む画素群のみに対して補正に関する所定の処理を施す画素群処理手段とを備えることで、アーティファクトを除去する補正処理を行う。このように、アーティファクトを含む画素群のみに対して補正に関する所定の処理を施し、アーティファクトを含まない画素群に対しては補正に関する所定の処理を施さないので、アーティファクトを含まない画素群で構成される本来の正常な断層画像については、画像分解能の低下などのフィルタ等による副作用がほとんど発生せずに、安定してアーティファクトを除去することができる。また、安定してアーティファクトを除去することで、良好な断層画像を得ることができ、ひいては、良好な撮像を行うことができる。
また、独立成分分析を利用してアーティファクトに対応する画像成分とアーティファクトに対応しない画像成分とに独立して分離することで、アーティファクトを含む画像群とアーティファクトを含まない画像群とに分割する。
また、上記(A)式で展開された基底関数A のうち、アーティファクトに対応する基底関数A (ただし、1≦h≦N、該当するhの数は1個または複数個)を選択して、この選択された基底関数A に対応する成分s hi をアーティファクトに対応する画像成分とする。その成分s hi を“0”に置き換えることでアーティファクトに対応する画像成分s hi を消去した、各々の要素画像F (x,y)に対する補正処理を施す。この要素画像F (x,y)をi=1〜Δで並べることによりアーティファクトを除去した断層画像を得る。アーティファクトに対応する基底関数A は必ずしも1個だけとは限らず、複数個のアーティファクトに対応する基底関数A が存在する場合があり、この場合には対応する全ての成分s hi を“0”に置き換えることでアーティファクトを除去する。
上述した断層撮影装置では、検出手段の他に、被検体に向けて光または放射線を照射する照射手段を備えてもよい。この場合には、検出手段は、被検体を透過した光または放射線を検出する。もちろん、照射手段を備えずに、核医学診断装置のように、被検体の体内に放射性薬剤を投与して、被検体から発生した放射線(例えばα線やβ線やγ線など)を検出手段によって検出することで断層画像を得る装置に適用してもよい。
また、断層撮影装置は、照射手段および検出手段を被検体の体軸の軸心周りに相対的に回転させる回転手段を備え、断層画像は、被検体の体軸の軸心周りに照射手段および検出手段が相対的に回転して得られた画像(CT画像)のときに有用である。画像処理方法やその装置でも述べたように、断層撮影装置は、X線CT装置に限定されないし、断層画像についても、CT画像に限定されない。
この発明に係る画像処理方法、その装置並びに断層撮影装置によれば、断層画像を対象としてアーティファクトの特徴量解析を行うことで、アーティファクトを含む画素群とアーティファクトを含まない画素群とに分割して、上述したアーティファクトを含む画素群のみに対して補正に関する所定の処理を施すことで、アーティファクトを除去する補正処理を行う。このように、アーティファクトを含む画素群のみに対して補正に関する所定の処理を施し、アーティファクトを含まない画素群に対しては補正に関する所定の処理を施さないので、アーティファクトを含まない画素群で構成される本来の正常な断層画像については、画像分解能の低下などのフィルタ等による副作用がほとんど発生せずに、安定してアーティファクトを除去することができる。
また、独立成分分析を利用してアーティファクトに対応する画像成分とアーティファクトに対応しない画像成分とに独立して分離することで、アーティファクトを含む画像群とアーティファクトを含まない画像群とに分割する。
また、上記(A)式で展開された基底関数A のうち、アーティファクトに対応する基底関数A (ただし、1≦h≦N、該当するhの数は1個または複数個)を選択して、この選択された基底関数A に対応する成分s hi をアーティファクトに対応する画像成分とする。その成分s hi を“0”に置き換えることでアーティファクトに対応する画像成分s hi を消去した、各々の要素画像F (x,y)に対する補正処理を施す。この要素画像F (x,y)をi=1〜Δで並べることによりアーティファクトを除去した断層画像を得る。アーティファクトに対応する基底関数A は必ずしも1個だけとは限らず、複数個のアーティファクトに対応する基底関数A が存在する場合があり、この場合には対応する全ての成分s hi を“0”に置き換えることでアーティファクトを除去する。
各実施例に係るX線CT装置の概略構成図およびブロック図である。 各々の断層画像に関する取得の説明に供する模式図である。 (a)、(b)は、x,y,zをそれぞれ変えたときの直交座標系および各々の断層画像の模式図である。 実施例1に係る一連の断層撮影の流れを示すフローチャートである。 1枚の断層画像を1024個の群に分割して要素画像を取得したときの模式図である。 正常な断層画像に対して様々なパターンのリングアーティファクトを人為的に入れたときの模式図である。 実施例2に係る一連の断層撮影の流れを示すフローチャートである。 (a)、(b)は、直交座標系から極座標系へ変換したときの各断層画像およびアーティファクトの関係を示した模式図である。 実施例3に係る一連の断層撮影の流れを示すフローチャートである。 (a)、(b)は、領域を4分割にしたときの直交座標系から極座標系へ変換したときの各断層画像およびアーティファクトの関係を示した模式図である。 分割された領域が重複(オーバーラップ)するときの極座標系の模式図である。 変形例に係る断層撮影装置の概略側面図である。 変形例に係る断層撮影装置の概略正面図である。 (a)〜(c)は、CT画像におけるリングアーティファクト発生の説明に供する模式図である。
符号の説明
2 … X線管
3 … X線検出素子
4 … X線検出アレイ
5 … 回転駆動部
8 … 画像処理部
8b … 分割部
8c … 画素群処理部
F(x,y) … 断層画像
… 基底関数
(x,y)、F(r,θ) … 要素画像
z … 体軸
M … 被検体
以下、図面を参照してこの発明の実施例1を説明する。図1は、後述する実施例2、3も含んだ各実施例に係るX線CT装置の概略構成図およびブロック図であり、図2は、各々の断層画像に関する取得の説明に供する模式図であり、図3は、x,y,zをそれぞれ変えたときの直交座標系および各々の断層画像の模式図である。後述する実施例2、3も含めて、本実施例1では、断層撮影装置としてX線CT装置を例に採って説明するとともに、断層画像としてCT画像を例に採って説明する。
図1に示すように、被検体Mの体軸をzとして、紙面に垂直な方向とする。また、図1に示すようにx軸およびy軸をとる。後述する実施例2、3も含めて、本実施例1に係るX線CT装置は、図1に示すように、被検体Mを載置する天板1と、被検体Mに向けてX線を照射するX線管2と、被検体Mを透過したX線を検出するX線検出アレイ4とを備えている。X線管2はファン状のX線を照射するように構成されている。コーンビームCTの場合には、体軸z方向に沿って拡がったコーン状のX線ビームをX線管2は照射する。X線検出素子3は、チャネル単位でセルとして構成されており、これらをリング状に並設することで、X線検出アレイ4を構成している。マルチスライスCTの場合には、X線検出素子3を体軸z方向にも沿って並設することでX線検出アレイ4を構成する。コーンビームCTの場合には、平面パネルにX線検出素子3を2次元的に配置したFPDをX線検出アレイ4として使用する。X線管2は、この発明における照射手段に相当し、X線検出アレイ4は、この発明における検出手段に相当する。
また、X線CT装置は、X線管2およびX線検出アレイ4からなる撮像系を被検体Mの体軸zの軸心周りに回転させる回転駆動部5を備えている。この回転駆動部5は図示を省略するモータや回転ベルト等で構成されており、モータの回転駆動によって回転ベルトを回転させ、回転ベルトの回転によりガントリ(図示省略)を回転させることで、ガントリ内に配設されたX線管2およびX線検出アレイ4が互いに対向した状態で図中の矢印の方向あるいはその逆方向に回転する。回転駆動部5は、この発明における回転手段に相当する。
この他に、X線CT装置は、X線管2に管電流や高電圧の管電圧を付与する高電圧発生部6と、X線検出アレイ4によって得られたデータを投影データとして収集するデータ収集部(DAS)7と、データ収集部7で収集された投影データに対して各種の処理を行う画像処理部8と、X線CT装置を構成する各部分を統括制御するコントローラ9と、コントローラ9に入力する入力部10と、コントローラ9を介して送り込まれた各種のデータを出力する出力部11と、コントローラ9を介して送り込まれた各種のデータを書き込んで記憶するメモリ部12とを備えている。画像処理部8は、この発明における画像処理装置に相当し、この発明における画像処理手段にも相当する。
コントローラ9は、中央演算処理装置(CPU)などで構成されている。入力部10は、オペレータが入力したデータや命令をコントローラ9に送り込む。入力部10は、マウスやキーボードやジョイスティックやトラックボールやタッチパネルなどに代表されるポインティングデバイスで構成されている。出力部11はモニタなどに代表される表示部やプリンタなどで構成されている。
メモリ部12は、ROM(Read-only Memory)やRAM(Random-Access Memory)などに代表される記憶媒体で構成されている。後述する実施例2、3も含めて、本実施例1では、データ収集部7で収集されたデータや画像処理部8で処理された各種のデータをRAMに書き込んで記憶し、必要に応じてRAMから読み出す。ROMには、各種の断層撮影を行うためのプログラム等を予め記憶しており、そのプログラムをコントローラ9が実行することでそのプログラムに応じた断層撮影をそれぞれ行う。
データ収集部7や画像処理部8は、例えば上述したメモリ部12などに代表される記憶媒体のROMに記憶されたプログラムあるいは入力部10などに代表されるポインティングデバイスで入力された命令をコントローラ9が実行することで実現される。画像処理部8は、データ収集部7で収集された投影データを再構成して断層画像(ここではCT画像)を求める再構成処理部8aと、その断層画像を、リングアーティファクトを含む画素群とリングアーティファクトを含まない画素群とに分割する分割部8bと、そのリングアーティファクトを含む画素群のみに対して補正に関する所定の処理を施す画素群処理部8cとを備えている。分割部8bや画素群処理部8cの具体的な機能については、図4〜図6で後述する。分割部8bは、この発明における分割手段に相当し、画素群処理部8cは、この発明における画素群処理手段に相当する。
再構成処理部8aは、投影データに基づいて再構成処理を行って断層画像を得る。再構成処理については、周知のフィルタード・バックプロジェクション(FBP: Filtered Back Projection)(「フィルタ補正逆投影法」とも呼ばれる)を用いて行えばよい。このように得られた断層画像は、被検体Mの体軸zの軸心周りにX線管2およびX線検出アレイ4を回転させる、すなわち図1中のx,y平面内で回転させて得られたデータであるので、その断層面はx,y平面となる。また、断層画像の各画素値をF(x,y)とする。
後述する実施例2、3も含めて、本実施例1では、図1に示すようにx,y,z軸をとっていることで、得られる断層画像F(x,y)は、横断像、すなわちアキシャル(Axial)像となり、図2に示すように、体軸z方向にアキシャル像が各々の断層(すなわちスライス)毎に得られる。本実施例1では、図1に示すようにx,y,z軸をとることで断層画像F(x,y)はアキシャル像であったが、図3(a)に示すように、図1、図2中のxをyに変えて、図1中のyをzに変えて、図1、図2中のzをxに変えることで、断層画像F(x,y)は、冠状断像、すなわちコロナル(coronal)像であってもよいし、逆に、図3(b)に示すように、図1、図2中のxをzに変えて、図1、図2中のyをxに変えて、図1、図2中のzをyに変えることで、断層画像F(x,y)は、矢状断像、すなわちサジタル(sagittal)像であってもよい。
したがって、アキシャル像として得られた断層画像を、コロナル像あるいはサジタル像に変換してもよい。なお、X線CT装置の場合には、上述したようにX線管2およびX線検出アレイ4を被検体Mの体軸zの軸心周りに回転(すなわち図1中のx,y平面内で回転)させるので、アキシャル像上でリングアーティファクトが現れる。したがって、リングアーティファクトを確実に除去する点を考慮すると、断層画像F(x,y)はアキシャル像であるのが好ましい。また、リングアーティファクトを確実に除去する点を考慮すると、アキシャル像として得られた断層画像を、コロナル像あるいはサジタル像に変換せずに、アキシャル像のままで、下記のようにリングアーティファクトを含む画素群とリングアーティファクトを含まない画素群とに分割するのが好ましい。
次に、分割部8bや画素群処理部8cの具体的な機能について、図4〜図6を参照して説明する。図4は、実施例1に係る一連の断層撮影の流れを示すフローチャートであり、図5は、1枚の断層画像を1024個の群に分割して要素画像を取得したときの模式図であり、図6は、正常な断層画像に対して様々なパターンのリングアーティファクトを人為的に入れたときの模式図である。
(ステップS1)断層画像をΔ個の群に分割
分割部8b(図1を参照)は、断層画像F(x,y)を対象としてリングアーティファクトの特徴量解析を行うことで、リングアーティファクトを含む画素群とリングアーティファクトを含まない画素群とに分割する。後述する実施例2、3も含めて、本実施例1では、特徴量解析として独立成分分析(ICA)を例に採って説明する。その独立成分分析を利用してリングアーティファクトに対応する画像成分とリングアーティファクトに対応しない画像成分とに独立して分離することで、リングアーティファクトを含む画像群とリングアーティファクトを含まない画像群とに分割する。本実施例1では、断層画像F(x,y)をx,yによってΔ個の群に分割することによりN個の画素から構成される要素画像F(x,y)を得る(ただし、i=1〜Δ)。
具体的には、CT画像でもある断層画像F(x,y)が体軸z方向にスライス毎にα枚取得された(図2を参照)とすると、α枚の断層画像F(x,y)からN個の画素から構成される基底関数Aを算出する。基底関数AはN個の要素画素のF(x,y)で構成され、N個の要素からなるベクトルとして取り扱うことができる。なお、基底関数Aの個数は基底関数Aを構成する画素数と等しい(j=1〜N)。1枚の断層画像F(x,y)はx,y方向にΔ個,Δ個の群内に属する要素画像F(x,y)をi=1〜Δ/α(ただしΔ×Δ=Δ/α)で並べたものであり、Δ/α個の要素画像の集合である。したがって、α枚の断層画像F(x,y)はΔ個の要素画像から構成される。N個の要素から構成される要素画像F(x,y)もN個の要素から構成されるベクトルとして取り扱うことができ、α枚の断層画像F(x,y)はΔ個の要素画像F(x,y)で構成される。
ここで、α=10、縦横に512×512画素を持つ断層画像F(x,y)、N=256、Δ=32、Δ=32(すなわちΔ/α=32×32=1024、Δ=1024×α=10240)を例に採って説明すると、512×512画素を持つ断層画像F(x,y)が体軸z方向にスライス毎に10枚(α=10)取得される。基底関数Aは縦横に16×16個の画素、すなわち256個(N=256)の画素で構成され、256個の要素からなるベクトルとして取り扱うことができる。基底関数Aの個数(ここでは256個)は基底関数Aを構成する画素数と等しい(j=1〜256)。図5に示すように、1枚の断層画像F(x,y)はx,y方向に(512/16=)32個(Δ=32),(512/16=)32個(Δ=32)の合計1024個の群内に属する要素画像F(x,y)をi=1〜1024(Δ/α=1024)で並べたものであり、1024個の要素画像の集合である。したがって、10枚の断層画像F(x,y)は10240個(Δ=10240)の要素画像から構成される。256個の画素から構成される要素画像F(x,y)も256個の要素から構成されるベクトルとして取り扱うことができ、10枚の断層画像F(x,y)は10240個の要素画像F(x,y)で構成される。このように、1枚の断層画像F(x,y)を1024個の群に分割することにより256個の画素から構成される要素画像F(x,y)を得る。また、10枚の断層画像F(x,y)では10240個の群に分割することにより256個の画素から構成される要素画像F(x,y)を得る。
(ステップS2)要素画像を基底関数で展開
独立成分分析を適用すると、各々の要素画像F(x,y)と基底関数Aとの間に下記(1)式の関係式が成立する。
Figure 0005023281
上記(1)式はベクトルと行列との積で表されているが、これをまとめたのが下記(2)式である。
Figure 0005023281
上記(1)式あるいは上記(2)式を満たす基底関数Aについては、上述した独立成分分析(ICA)を適用して求めることができる。具体的な基底関数Aの算出方法については、上述した非特許文献1(陳延偉著,「独立成分分析(1)−カクテルパーティー効果−」,日本医用画像工学会誌,2003年,21巻,1号,p.81−85)を参照されたい。上記(1)式あるいは上記(2)式は、この発明における(A)式に相当する。
(ステップS3)リングアーティファクトに対応する画像成分を求める
上記(1)式あるいは上記(2)式で展開された基底関数Aのうち、リングアーティファクトに対応する基底関数A(ただし、1≦h≦N、該当するhの数は1個または複数個)を選択して、この選択された基底関数Aに対応する成分shiを上述したリングアーティファクトに対応する画像成分とする。リングアーティファクトに対応する基底関数Aは1つだけとは限らず、複数個の基底関数Aが存在する。
このリングアーティファクトに対応する画像成分(すなわち選択された基底関数Aに対応する成分shi)を求めるには、図6に示すように、予め求められた正常な断層画像Pに対して、人為的にリングアーティファクトを様々なパターン(リングアーティファクトARTの径を変えたパターンA、リングアーティファクトARTの幅を変えたパターンB、リングアーティファクトの輝度(画素値)あるいは輝度分布を変えたパターンC)を入れて、正常な断層画像Pのときの各成sji分がパターンを入れることでどのように変化したのかをサンプリングする。このようなサンプリングデータを予め作成することで、リングアーティファクトに対応する画像成分shiを求める。リングアーティファクトに対応する画像成分shiを求めるには、この他にも、例えば正常なセルのみからなるX線検出アレイおよび異常なセルを持つX線検出アレイからそれぞれ断層画像を計算して、それぞれの断層画像に対応する画像成分を求めて、異常なX線検出アレイ(すなわちリングアーティファクト)に対応する画像成分shiを求めることで行ってもよい。また、正常なセルのみからなるX線検出アレイで取得したサイノグラムの特定セルの値に、たとえば0.99を乗算(これは特定セルの感度を99%に低下させることに対応)してから断層画像を計算することでリングアーティファクトに対応する画像成分shiを求めることもできる。
このように、リングアーティファクトに対応する画像成分shiを求めることで、リングアーティファクトに対応する基底関数Aおよびそれに対応する成分shiからなる要素画像shi*Aがリングアーティファクトに対応する画像成分、すなわちリングアーティファクトを含む画素群となる。そして、選択されなかった残りの基底関数Aおよびそれに対応する成分sjiからなる要素画像sji*Aがリングアーティファクトに対応しない画像成分、すなわちリングアーティファクトを含まない画素群となる。したがって、このステップS1〜S3のステップを行うことでリングアーティファクトを含む画素群とリングアーティファクトを含まない画素群とに分割される。このステップS1〜S3のステップを上述した分割部8b(図1を参照)が行う。
(ステップS4)その成分を“0”に置換(補正処理)
ステップS3で求められたリングアーティファクトに対応する画像成分shiを“0”に置き換えることでリングアーティファクトに対応する画像成分shiを消去する。つまり、上述した消去に関する各々の要素画像F(x,y)に対する補正処理を施すことになる。したがって、リングアーティファクトに対応する画像成分shiを消去することで、リングアーティファクトを含む画素群のみに対して補正に関する所定の処理が行われる。リングアーティファクトに対応する基底関数Aが複数存在する場合には、対応する全ての画像成分shiを“0”に置き換える。一方、リングアーティファクトに対応しない画像成分(リングアーティファクトを含まない画素群)については、このステップS4での“0”に置換される補正処理はもちろんのこと、補正のためのフィルタ処理等が行われない。なお、上述したように、(リング)アーティファクトを含まない画素群に対しては補正に関する所定の処理を施さないことのみを意味している。したがって、補正以外に関する所定の処理(例えば画素値から輝度へのスケール変更、アーティファクト除去以外の補正処理(例えばラグ補正やゲイン補正など))については、その処理を、(リング)アーティファクトを含まない画素群に対しては施してもよい。このステップS4での補正処理を上述した画素群処理部8c(図1を参照)が行う。
(ステップS5)要素画像を並べる
ステップS4で補正処理された要素画像F(x,y)、および選択されなかった残りの基底関数Aおよびそれに対応する成分sjiからなる要素画像F(x,y)をi=1〜Δで並べることによりリングアーティファクトを除去した断層画像F(x,y)を得る。
本実施例1に係るステップS1〜S5によれば、断層画像を対象としてリングアーティファクトの特徴量解析(本実施例1では独立成分分析(ICA))を行うことで、リングアーティファクトを含む画素群とリングアーティファクトを含まない画素群とに分割して、上述したリングアーティファクトを含む画素群のみに対して補正に関する所定の処理(本実施例1では“0”に置き換える処理)を施すことで、リングアーティファクトを除去する補正処理を行う。このように、リングアーティファクトを含む画素群のみに対して補正に関する所定の処理を施し、リングアーティファクトを含まない画素群に対しては補正に関する所定の処理を施さないので、リングアーティファクトを含まない画素群で構成される本来の正常な断層画像については、補正のためのフィルタ処理等が施されずに、フィルタに起因するアーティファクトが発生せずに、画像分解能の低下などのフィルタ等による副作用はほとんど発生しない。その結果、安定してアーティファクト(ここではリングアーティファクト)を除去することができる。
本実施例1に係る画像処理部8およびそれを備えたX線CT装置によれば、被検体Mに向けてX線を照射するX線管2と、被検体Mを透過したX線を検出するX線検出アレイ4を備え、そのX線検出アレイ4によって得られたX線に関する被検体Mの断層画像に対して画像処理部8が処理を行うことで断層画像を撮像する。この画像処理部8は、断層画像を対象としてリングアーティファクトの特徴量解析(本実施例1では独立成分分析(ICA))を行うことで、リングアーティファクトを含む画素群とリングアーティファクトを含まない画素群とに分割する分割部8bと、上述したリングアーティファクトを含む画素群のみに対して補正に関する所定の処理(本実施例1では“0”に置き換える処理)を施す画素群処理部8cとを備えることで、リングアーティファクトを除去する補正処理を行う。このように、リングアーティファクトを含む画素群のみに対して補正に関する所定の処理を施し、リングアーティファクトを含まない画素群に対しては補正に関する所定の処理を施さないので、リングアーティファクトを含まない画素群で構成される本来の正常な断層画像については、画像分解能の低下などのフィルタ等による副作用はほとんど発生せずに、安定してアーティファクト(ここではリングアーティファクト)を除去することができる。また、安定してアーティファクトを除去することで、良好な断層画像を得ることができ、ひいては、良好な撮像を行うことができる。
後述する実施例2、3も含めて、本実施例1では、X線管2およびX線検出アレイ4を被検体Mの体軸zの軸心周りに回転させる回転駆動部5を備えたX線CT装置に適用している。このX線CT装置において、断層画像は、被検体Mの体軸zの軸心周りにX線管2およびX線検出アレイ4が回転して得られた画像(すなわちCT画像)のときに有用である。断層画像がCT画像の場合には、X線管2およびX線検出アレイ4からなる撮像系を被検体Mの体軸zの軸心周りに回転させることで、アーティファクトがCT画像上にリングアーティファクトとして現れる。
後述する実施例2、3も含めて、本実施例1では、特徴量解析として独立成分分析(ICA)を採用している。その独立成分分析を利用してリングアーティファクトに対応する画像成分とリングアーティファクトに対応しない画像成分とに独立して分離することで、リングアーティファクトを含む画像群とリングアーティファクトを含まない画像群とに分割している。
後述する実施例2も含めて、本実施例1では、リングアーティファクトに対応する画像成分shiを消去することで、アーティファクトを含む画素群のみに対して補正に関する所定の処理を施している。具体的には、本実施例1では、断層画像F(x,y)をx,yによってΔ個の群に分割することによりN個の画素から構成される要素画像F(x,y)を得ている(ただし、i=1〜Δ)。独立成分分析を適用することにより各々の要素画像F(x,y)をN個の画素から構成される基底関数Aで展開する(ただし、j=1〜N)。上記(1)式あるいは上記(2)式で展開された基底関数Aのうち、リングアーティファクトに対応する基底関数A(ただし、1≦h≦N、該当するhの数は1個または複数個)を選択して、この選択された基底関数Aに対応する成分shiをリングアーティファクトに対応する画像成分とする。その成分shiを“0”に置き換えることでリングアーティファクトに対応する画像成分shiを消去した、各々の要素画像F(x,y)に対する補正処理を施している。この要素画像F(x,y)をi=1〜Δで並べることによりリングアーティファクトを除去した断層画像F(x,y)を得ている。
上述したように、リングアーティファクトに対応する基底関数Aは必ずしも1個だけとは限らず、複数個のアーティファクトに対応する基底関数Aが存在する場合があり、この場合には対応する全ての成分shiを“0”に置き換えることでリングアーティファクトを除去することができる。
次に、図面を参照してこの発明の実施例2を説明する。図7は、実施例2に係る一連の断層撮影の流れを示すフローチャートであり、図8は、直交座標系から極座標系へ変換したときの各断層画像およびアーティファクトの関係を示した模式図である。本実施例2に係るX線CT装置については、上述した実施例1と同じ構成であるので、その説明を省略する。なお、実施例2に係る図7のフローチャートについても、上述した実施例1と共通するステップについては同じ符号を付して、その説明を省略し、相違点のみを説明する。
(ステップT1)極座標系に変換
分割部8b(図1を参照)は、図8(a)中の直交座標系x,yの直交座標上の断層画像F(x,y)を、図8(b)中の極座標系r,θの極座標上の画像F(r,θ)に変換する。上述した実施例1や後述する実施例3と同様に、本実施例2では、断層画像(x,y)としてCT画像を採用しているので、断層画像F(x,y)を極座標系r,θの極座標上の画像F(r,θ)に変換することにより、図8(a)に示す断層画像F(x,y)上のリングアーティファクトARTが、図8(b)に示す画像F(r,θ)上の直線アーティファクトARTに変換される。
(ステップS1)断層画像をΔ個の群に分割
このステップS1では、分割の対象となる画像が、実施例1では断層画像F(x,y)であったのに対して、本実施例2では画像F(r,θ)であるのを除けば、実施例1と同じであるので、その説明を省略する。画像F(r,θ)をr,θによってΔ個の群に分割することによりN個の画素から構成される要素画像F(r,θ)を得る(ただし、i=1〜Δ)。
(ステップS2)要素画像を基底関数で展開
独立成分分析を適用すると、各々の要素画像F(r,θ)と基底関数Aとの間に下記(3)の関係式が成立する。
Figure 0005023281
上記(3)式は、この発明における(B)式に相当する。
(ステップT2)直線アーティファクトに対応する画像成分を求める
上記(3)式で展開された基底関数Aのうち、直線アーティファクトに対応する基底関数A(ただし、1≦h≦N、該当するhの数は1個または複数個)を選択して、この選択された基底関数Aに対応する成分shiを上述した直線アーティファクトに対応する画像成分とする。上述した実施例1と同様に、本実施例2のような直線アーティファクトの場合においても、直線アーティファクトに対応する基底関数Aは1つだけとは限らず、複数個の基底関数Aが存在する。直線アーティファクトに対応する画像成分(すなわち選択された基底関数Aに対応する成分shi)を求める手法については、上述した実施例1と同じであるので、その説明を省略する。
このように、直線アーティファクトに対応する画像成分shiを求めることで、直線アーティファクトに対応する基底関数Aおよびそれに対応する成分shiからなる要素画像shi*Aが直線アーティファクトに対応する画像成分、すなわち極座標上では直線アーティファクトを含む画素群、直交座標上ではリングアーティファクトを含む画素群となる。そして、選択されなかった残りの基底関数Aおよびそれに対応する成分sjiからなる要素画像sji*Aが直線アーティファクトに対応しない画像成分、すなわち極座標上では直線アーティファクトを含まない画素群、直交座標上ではリングアーティファクトを含まない画素群となる。したがって、このステップT1,S1,S2,T2のステップを行うことで(直交座標上において)リングアーティファクトを含む画素群とリングアーティファクトを含まない画素群とに分割される。このステップT1,S1,S2,T2のステップを上述した分割部8b(図1を参照)が行う。
(ステップS4)その成分を“0”に置換(補正処理)
ステップT3で求められた直線アーティファクトに対応する画像成分shiを“0”に置き換えることで直線アーティファクトに対応する画像成分shiを消去する。このステップS4では、“0”に置換される画像成分の対象となる画像が、実施例1では断層画像F(x,y)であったのに対して、本実施例2では画像F(r,θ)であるのを除けば、実施例1と同じであるので、その説明を省略する。このステップS4での補正処理を上述した画素群処理部8c(図1を参照)が行う。
(ステップS5)要素画像を並べる
このステップS5では、要素画像が、実施例1では要素画像F(x,y)であったのに対して、本実施例2では要素画像F(r,θ)であるのを除けば、実施例1と同じである。すなわち、ステップS4で補正処理された要素画像F(r,θ)、および選択されなかった残りの基底関数Aおよびそれに対応する成分sjiからなる要素画像F(r,θ)をi=1〜Δで並べることにより直線アーティファクトを除去した画像F(r,θ)を得る。
(ステップT3)直交座標系に逆変換
ステップS5で直線アーティファクトを除去した画像F(r,θ)を直交座標系x,yの直交座標上の断層画像F(x,y)に逆変換する。このように逆変換することによりリングアーティファクトを除去した断層画像F(x,y)を得る。
本実施例2に係るステップT1,S1,S2,T2,S4,S5,T3によれば、上述した実施例1と同様に、リングアーティファクトを含む画素群のみに対して補正に関する所定の処理(本実施例2では実際の補正対象は極座標変換された直線アーティファクトに対応する画像成分shi)を施し、リングアーティファクトを含まない画素群に対しては補正に関する所定の処理を施さないので、リングアーティファクトを含まない画素群で構成される本来の正常な断層画像については、画像分解能の低下などのフィルタ等による副作用はほとんど発生せずに、安定してアーティファクト(ここではリングアーティファクト)を除去することができる。
本実施例2では、断層画像F(x,y)を極座標系r,θの極座標上の画像F(r,θ)に変換することにより、断層画像F(x,y)上のリングアーティファクトを画像F(r,θ)上の直線アーティファクトに変換して、この画像F(r,θ)をr,θによってΔ個の群に分割することによりN個の画素から構成される要素画像F(r,θ)を得ている(ただし、i=1〜Δ)。独立成分分析を適用することにより各々の要素画像F(r,θ)をN個の画素から構成される基底関数Aで展開する(ただし、j=1〜N)。上記(3)式で展開された基底関数Aのうち、直線アーティファクトに対応する基底関数A(ただし、1≦h≦N、該当するhの数は1個または複数個)を選択して、この選択された基底関数Aに対応する成分shiを直線アーティファクトに対応する画像成分とする。その成分shiを“0”に置き換えることで直線アーティファクトに対応する画像成分shiを消去した、各々の要素画像F(r,θ)に対する補正処理を施している。この要素画像F(r,θ)をi=1〜Δで並べた画像F(r,θ)を直交座標系x,yの直交座標上の断層画像F(x,y)に逆変換することによりリングアーティファクトを除去した断層画像F(x,y)を得ている。
なお、上述した実施例1のような直交座標系の場合には、一般に、基底関数Aのサイズ、すなわちNの値が小さい時に、直線は2つの方向(x,y)のパターンであるので特徴として検出し易く、リングアーティファクトは特徴として検出し難くなる傾向がある。本実施例2のような極座標系の場合には、Nの値が小さくても直線アーティファクトが特徴として検出し易く、実施例1のリングよりも本実施例2の直線の方が特徴として検出し易いという効果を有する。
次に、図面を参照してこの発明の実施例3を説明する。図9は、実施例3に係る一連の断層撮影の流れを示すフローチャートであり、図10は、領域を4分割にしたときの直交座標系から極座標系へ変換したときの各断層画像およびアーティファクトの関係を示した模式図であり、図11は、分割された領域が重複(オーバーラップ)するときの極座標系の模式図である。本実施例3に係るX線CT装置については、上述した実施例1、2と同じ構成であるので、その説明を省略する。なお、実施例3に係る図9のフローチャートについても、上述した実施例1、2と共通するステップについては同じ符号を付して、その説明を省略し、相違点のみを説明する。
(ステップT1)極座標系に変換
このステップT1では、実施例2と同じであるので、その説明を省略する。後述するようにθによってM個(図10では4つ)の領域に分割する場合には、断層画像F(x,y)を極座標系r,θの極座標上の画像F(r,θ)に変換することにより、図10(a)に示す断層画像F(x,y)上のリングアーティファクトARTが、図10(b)に示す画像F(r,θ)上の直線アーティファクトARTに変換される。
このとき、図10(a)に示すようにx軸とy軸との間にある45°(π/4[rad])の軸を基準にして角度θをとると、図10(a)の「upper」と表記されている領域は、極座標系では0〜π/2[rad]の領域となり、図10(a)の「left」と表記されている領域は、極座標系ではπ/2〜π[rad]の領域となり、図10(a)の「bottom」で表記されている領域は、極座標系ではπ〜3π/2[rad]の領域となり、図10(a)の「right」と表記されている領域は、極座標系では3π/2〜2π[rad]の領域となる。
(ステップS1)断層画像をΔ個の群に分割
このステップS1では、実施例2と同じであるので、その説明を省略する。
(ステップS2)要素画像を基底関数で展開
このステップS2では、実施例2と同じであるので、その説明を省略する。実施例2で述べた上記(3)式により基底関数Aで展開する。
(ステップT2)直線アーティファクトに対応する画像成分を求める
上記(3)式で展開された基底関数Aのうち、直線アーティファクトに対応する基底関数A(ただし、1≦h≦N、該当するhの数は1個または複数個)を選択して、上述した実施例2では、この選択された基底関数Aに対応する成分shiを上述した直線アーティファクトに対応する画像成分としていたのに対して、本実施例3では、この選択された基底関数Aおよびそれに対応する成分shiからなる要素画像shi*Aを直線アーティファクトに対応する画像成分とする。
つまり、選択された基底関数Aに対応する成分shiを上述した実施例1、2のように“0”にせずに、その成分をそのまま残す。逆に、選択されなかった基底関数Aに対応する成分sjiを“0”にする。このように、選択された基底関数Aに対応する成分shiをそのまま残した状態での基底関数Aおよびそれに対応する成分shiからなる要素画像shi*A、および選択されなかった基底関数Aに対応する成分sjiを“0”に置換した状態での基底関数Aおよびそれに対応する成分sjiからなる要素画像sji*Aをi=1〜Δで並べることによりshi*Aからなる要素画像F(r,θ)を求める。このshi*Aからなる要素画像F(r,θ)は、直線アーティファクトを含む画素群でもあり、直線アーティファクト成分より構成される画像とみなされる。
一方、上述した実施例1、2のように、選択された基底関数Aに対応する成分shiを“0”にして、逆に、選択されなかった基底関数Aに対応する成分sjiを“0”にせずに、その成分をそのまま残し、選択された基底関数Aに対応する成分shiを“0”に置換した状態での基底関数Aおよびそれに対応する成分shiからなる要素画像shi*A、および選択されなかった基底関数Aに対応する成分sjiをそのまま残した状態での基底関数Aおよびそれに対応する成分sjiからなる要素画像sji*Aをi=1〜Δで並べることにより、残りのsji*Aからなる要素画像F(r,θ)を求める。このsji*Aからなる要素画像F(r,θ)は、直線アーティファクトを含まない画素群でもあり、直線アーティファクト成分を除いた成分より構成される画像とみなされる。
このようにして、このステップT1,S1,S2,T2のステップを行うことで(直交座標上において)リングアーティファクトを含む画素群とリングアーティファクトを含まない画素群とに分割される。このステップT1,S1,S2,T2のステップを上述した分割部8b(図1を参照)が行う。
(ステップU1)その成分に対するスムージングフィルタ処理(補正処理)
ステップT2で選択された基底関数Aおよびそれに対応する成分shiからなる要素画像shi*A、すなわち直線アーティファクトに対応する画像成分に対してスムージング(平滑化)フィルタを施す。つまり、上述した平滑化に関するshi*Aからなる要素画像F(r,θ)に対する補正処理を施すことになる。
具体的には、上述した要素画像shi*Aからなる要素画像F(r,θ)をθによってM個(ただし、Mは1を含んだ自然数)の領域の画像Fhk(r,θ)に分割する(ただし、k=1〜M)。M=4の場合には、上述したように4分割となるので、例えば図10(a)に示すように分割すると、極座標系では図10(b)に示すように分割される。なお、分割するときには、Mについては特に限定されずに、自然数であれば、1,2,3,…と任意に指定して、任意の分割数を選択することができる。また、図11に示すように、極座標系において分割された領域(符号「T」を参照)がオーバーラップしてもよい。また、Mは1を含んだ自然数であるので、M=1のときにおいて要素画像F(r,θ)を分割しない場合も含まれる。
分割されたそれぞれの画像Fhk(r,θ)毎にθで積分したプロファイル関数P(r)を求める。極座標系r,θの極座標上にてθで積分した一元プロファイル関数P(r)は下記(4)式のように表される。
Figure 0005023281
なお、画像Fhk(r,θ)はθから見て不連続な関数であるので、上記(4)式では積算することで積分したが、θから見て連続的になるように画像Fhk(r,θ)を補間あるいは近似関数を求めて、その連続的な補間された画像Fhk(r,θ)あるいは連続的な近似関数を、下記(5)式のように積分することで、θで積分した一次元プロファイル関数P(r)を求めてもよい。
Figure 0005023281
上記(4)式あるいは上記(5)式で求められた一次元プロファイル関数P(r)に対してrについてスムージングフィルタを施すことで、P(r)´を求める。このスムージングフィルタについては、P(r)の加算平均(相加平均)やP(r)の加乗平均(相乗平均)を用いてもよい。また、通常において用いられるスムージングフィルタ(例えば、ガウス型フィルタ、一様重み平滑化フィルタ、メディアンフィルタなど)であれば、特に限定されない。そして、画像Fhk(r,θ)を下記(6)式中の右辺に代入して左辺を求めることで補正する。
Figure 0005023281
(ステップU2)要素画像をk=1〜Mで並べる
上記(6)式によって補正された画像Fhk(r,θ)をk=1〜Mで並べることにより要素画像F(r,θ)を補正する。上述したようにMは1を含んだ自然数であるので、要素画像F(r,θ)を分割せずに上記(6)式の右辺に代入して左辺を求めることで要素画像F(r,θ)を補正する場合も含まれる。上記(6)式は、この発明における(C)式に相当する。
一般に、プロファイル関数P(r)の値が、スムージング(平滑化)されたP(r)´の値よりも極端に小さな値をとり得る場合には、上記(6)式のような除算ではノイズの影響を拡大させる可能性があるので、下記(7)式のような減算の方が有利である。すなわち、画像Fhk(r,θ)を下記(7)式中の右辺に代入して左辺を求めることで補正する。
Figure 0005023281
上記(7)式によって補正された画像Fhk(r,θ)をk=1〜Mで並べることにより要素画像F(r,θ)を補正する。上記(7)式の場合においても、要素画像F(r,θ)を分割せずに上記(7)式の右辺に代入して左辺を求めることで要素画像F(r,θ)を補正する場合も含まれる。上記(7)式は、この発明における(D)式に相当する。
(ステップU3)要素画像をi=1〜Δで並べる
上記(6)式あるいは上記(7)式で補正された要素画像F(r,θ)、および選択されなかった残りの基底関数Aおよびそれに対応する成分sjiからなる要素画像F(r,θ)をi=1〜Δで並べることにより直線アーティファクトを除去した画像F(r,θ)を得る。
(ステップT3)直交座標系に逆変換
このステップT3では、実施例2と同じである。すなわち、ステップU3で直線アーティファクトを除去した画像F(r,θ)を直交座標系x,yの直交座標上の断層画像F(x,y)に逆変換する。このように逆変換することによりリングアーティファクトを除去した断層画像F(x,y)を得る。
本実施例3に係るステップT1,S1,S2,T2,U1〜U3,T3によれば、上述した実施例1、2と同様に、リングアーティファクトを含む画素群のみに対して補正に関する所定の処理(本実施例3では実施例2と同様に実際の補正対象は極座標変換された直線アーティファクトに対応する画像成分shi)を施し、リングアーティファクトを含まない画素群に対しては補正に関する所定の処理を施さないので、リングアーティファクトを含まない画素群で構成される本来の正常な断層画像については、画像分解能の低下などのフィルタ等による副作用はほとんど発生せずに、安定してアーティファクト(ここではリングアーティファクト)を除去することができる。
本実施例3では、上述した実施例1、2と相違し、リングアーティファクトを含む画素群に対してスムージング(平滑化)フィルタを施すことで、リングアーティファクトを含む画素群のみに対して補正に関する所定の処理を施している。リングアーティファクトに対応する画像成分を消去する上述した実施例1、2のような手法と比較すると、本来の正常な断層画像に対する画像分解能の低下などのフィルタ等による副作用をより一層抑えることができる。
具体的には、上述した実施例1、2の場合には、基底関数Aを構成する画素数(すなわちN)は基底関数A自身の個数でもあるが、サイズが小さい(すなわちNの値が小さい)基底関数基底関数A(例えばN=16)を使用する場合には、画像の特徴量を十分細かく分けることができなくなる恐れがある。この結果、直交座標系においてはリングアーティファクトが、極座標系においては直線アーティファクトに対応する基底関数Aはアーティファクト成分以外の本来のCT画像の成分(アーティファクト成分を除いた成分)も少しは含まれる。ここで、上述した実施例1、2にしたがって、リングアーティファクトに対応する画像成分を“0”に置き換えて消去すると、本来の正常な断層画像(ここではCT画像)の成分も消去されることになり、補正後の画像にボケやアーティファクトが発生する。一方で、Nを例えば256あるいはそれ以上の大きな値に設定すると補正後の画像の画質は徐々に向上するが計算量が膨大になり、実際に使用することが難しくなる。本実施例3の場合には、スムージングフィルタを使用しているので、かかる問題が生じない。
本実施例3では、リングアーティファクトを含む画素群に対してスムージング(平滑化)フィルタを施す場合において、特徴量解析として実施例1、2と同様に独立成分分析を利用しており、下記のようにまとめることができる。すなわち、独立成分分析を利用してリングアーティファクトに対応する画像成分とリングアーティファクトに対応しない画像成分とに独立して分離することで、リングアーティファクトを含む画素群とリングアーティファクトを含まない画素群とに分割している。そして、リングアーティファクトに対応する画像成分に対して上述したスムージングフィルタを施す(実際には極座標系に変換された後に平滑化されているので、この時点では直線アーティファクトに対応する画像成分に対してスムージングフィルタを施す)ことで、リングアーティファクトを含む画素群のみに対して補正に関する所定の処理を施す。リングアーティファクト(極座標系では直線アーティファクト)に対応する画像成分に対してスムージングフィルタを施すには、上述したように極座標系への変換および直交座標系への逆変換を行っている。
すなわち、上記(3)式で展開された基底関数Aのうち、直線アーティファクトに対応する基底関数A(ただし、1≦h≦N、該当するhの数は1個または複数個)を選択して、この選択された基底関数Aおよびそれに対応する成分shiからなる要素画像shi*Aを直線アーティファクトに対応する画像成分とする。その画像成分に対してスムージングフィルタを施すことで直線アーティファクトに対応する画像成分を平滑化した、shi*Aからなる要素画像F(r,θ)に対する補正処理を施している。この要素画像F(r,θ)、および、選択されなかった残りの基底関数Aとそれに対応する成分sjiからなる要素画像F(r,θ)をi=1〜Δで並べた画像F(r,θ)を直交座標系x,yの直交座標上の断層画像F(x,y)に逆変換することによりリングアーティファクトを除去した断層画像F(x,y)を得ている。
より具体的には、要素画像shi*Aからなる要素画像F(r,θ)をθによってM個(ただし、Mは1を含んだ自然数)の領域の画像Fhk(r,θ)に分割している(ただし、k=1〜M)。それぞれの画像Fhk(r,θ)毎にθで積分したプロファイル関数P(r)を求める。そのプロファイル関数P(r)に対してrについてスムージングフィルタを施すことで、P(r)´を求める。求められたP(r)´を用いて画像Fhk(r,θ)を上記(6)式あるいは上記(7)式中の右辺に代入して左辺を求めることで補正し、この補正された画像Fhk(r,θ)をk=1〜Mで並べることにより要素画像F(r,θ)を補正している。
この発明は、上記実施形態に限られることはなく、下記のように変形実施することができる。
(1)上述した各実施例では、断層撮影装置としてX線CT装置を例に採って説明したが、断層撮影装置はX線CT装置に限定されない。例えば、図12に示すように、被検体Mの体軸z方向に沿ってX線管2およびフラットパネル型X線検出器(FPD)30が互いに逆方向に平行移動することで断層撮影を行う装置や、図13に示すように、被検体Mの体軸zに直交する軸Vの軸心周りにX線管2・FPD30が歳差運動することで断層撮影を行う装置に適用してもよい。軸Vは図中のx軸あるいはy軸に平行であってもよく、体軸に直交すれば特に限定されない。これらの場合には、上述したCT画像の替わりに、これらの断層撮影によって得られた断層画像に対して上述した各実施例での処理を行うことになる。
(2)上述した各実施例では、X線を例に採って説明したが、PET(Positron Emission Tomography)やSPECT(Single Photon Emission CT)などに代表される核医学診断装置、すなわちECT(Emission Computed Tomography)装置などのように、X線以外の放射線(PET装置の場合にはγ線)をこの発明における検出手段が検出して、その検出手段によって得られた放射線に関する被検体の断層画像に対して上述した各実施例での処理を行ってもよい。
(3)上述した各実施例では、X線などに代表される放射線を例に採って説明したが、放射線以外に光をこの発明における検出手段が検出して、その検出手段によって得られた光に関する被検体の断層画像に対して上述した各実施例での処理を行ってもよい。
(4)上述した各実施例では、この発明における照射手段(各実施例ではX線管)を備えた場合を例に採って説明したが、必ずしも照射手段を備える必要はない。上述した核医学診断装置のように、被検体の体内に放射性薬剤を投与して、被検体から発生した放射線(例えばα線やβ線やγ線など)をこの発明における検出手段によって検出することで断層画像を得る装置に適用してもよい。また、核医学診断装置においても、放射性薬剤と同種の放射線を照射する外部線源などに代表される照射手段を備えることで、吸収補正を行う場合においても適用してもよい。この場合には、吸収補正後の断層画像に対して上述した各実施例での処理を行うことになる。
(5)上述した各実施例では、この発明における照射手段としてX線管を例に採って説明したが、上述した変形例(2)〜(4)のようにX線以外の放射線や光に応じて照射手段を構成すればよい。例えば光の場合には、照射手段はLED(light-emitting diode)であってもよいし、レーザ光を照射するYAGレーザなどであってもよい。
(6)上述した各実施例では、この発明における検出手段としてX線検出素子をチャネル単位でセルとして構成し、それらを並設して構成されたX線検出アレイを例に採って説明したが、X線検出素子単独で検出手段を構成してもよいし、イメージインテンシ・ファイアやX線フィルムなどで検出手段を構成してもよいし、上述した変形例(2)〜(4)のようにX線以外の放射線や光に応じて検出してもよい。例えば、光の場合には、検出手段はフォトダイオードなどであってもよい。
(7)上述した各実施例では、断層画像としてCT画像を例に採って説明したが、上述した変形例(1)〜(4)のようなCT画像以外の断層画像であってもよい。
(8)上述した各実施例では、CT画像は、被検体の体軸の軸心周りにこの発明における照射手段(各実施例ではX線管)およびこの発明における検出手段(各実施例ではX線検出アレイ)が回転して得られた画像であったが、被検体自身を体軸の軸心周りに回転させることでCT画像を得てもよいし、被検体を体軸の軸心周りに回転させるとともに、この発明における照射手段およびこの発明における検出手段を体軸の軸心周りに回転させることでCT画像を得てもよい。したがって、被検体の体軸の軸心周りに照射手段および検出手段が相対的に回転するのであれば、回転の具体的な形態については特に限定されない。
(9)上述した各実施例では、X線CT装置などに代表される断層撮影装置を例に採って説明したが、この発明における照射手段(各実施例ではX線管)やこの発明における検出手段(各実施例ではX線検出アレイ)を除いた単独の画像処理装置(各実施例では画像処理部)に適用してもよい。したがって、外部装置である断層撮影装置から得られた断層画像を画像処理装置に転送して、この画像処理装置で断層画像に対して上述した各実施例での処理を行ってもよい。
(10)上述した各実施例では、特徴量解析として独立成分分析(ICA)を例に採って説明したが、通常において特徴量解析を行うものであれば、例えばウェーブレット(Wavelet)変換などのように、独立成分分析に限定されない。
(11)上述した各実施例では、アーティファクトの特徴量解析を行うことで、アーティファクトを含む画素群とアーティファクトを含まない画素群とに分割して、上述したアーティファクトを含む画素群のみに対して補正に関する所定の処理を施すことで、アーティファクトを除去する補正処理を行う技術的思想を前提としていたが、かかる技術的思想を前提とせずに、上記(C)式(実施例3では上記(6)式)を下記(C)´式に変形、あるいは上記(D)式(実施例3では上記(7)式)を下記(D)´式に変形して、断層画像に対してスムージングフィルタを施してもよい。
すなわち、断層画像F(x,y)を極座標系r,θの極座標上の画像F(r,θ)に変換して、この画像F(r,θ)をθによってM個(ただし、Mは1を含んだ自然数)の領域の画像F(r,θ)に分割する(ただし、k=1〜M)。それぞれの画像F(r,θ)毎にθで積分したプロファイル関数P(r)を求めて、そのプロファイル関数P(r)に対してrについてスムージングフィルタを施すことで、P(r)´を求めて、画像F(r,θ)を下記(C)´式あるいは下記(D)´式中の右辺に代入して左辺を求めることで補正する。
(r,θ)=F(r,θ)*P(r)´/P(r) …(C)´
(r,θ)=F(r,θ)−(P(r)−P(r)´) …(D)´
上記(C)´式あるいは上記(D)´式によって補正された画像F(r,θ)をk=1〜Mで並べることにより画像F(r,θ)を補正し、この画像F(r,θ)を直交座標系x,yの直交座標上の断層画像F(x,y)に逆変換することによりアーティファクトを除去した断層画像を得る。これらの(C)´式あるいは(D)´の場合には、必ずしも特徴量解析を行う必要はなく、上述した各実施例において特徴量解析を利用して得られた要素画像F(r,θ)の替わりに、元の断層画像F(x,y)から極座標変換されたF(r,θ)に対してスムージングフィルタ処理を施せばよい。

Claims (13)

  1. 断層画像に対して処理を行う画像処理方法であって、断層画像を対象としてアーティファクトの特徴量解析を行うことで、アーティファクトを含む画素群とアーティファクトを含まない画素群とに分割して、前記アーティファクトを含む画素群のみに対して補正に関する所定の処理を施すことで、アーティファクトを除去する補正処理を行い、前記特徴量解析は独立成分分析であって、その独立成分分析を利用して前記アーティファクトに対応する画像成分と前記アーティファクトに対応しない画像成分とに独立して分離することで、前記アーティファクトを含む画素群と前記アーティファクトを含まない画素群とに分割し、
    前記アーティファクトに対応する画像成分を消去することで、前記アーティファクトを含む画素群のみに対して前記補正に関する所定の処理を施し、
    前記断層画像における断層面をx,y平面とするとともに、断層画像の各画素値をF(x,y)とし、その断層画像F(x,y)を前記x,yによってΔ個の群に分割することによりN個の画素から構成される要素画像F(x,y)を得て(ただし、i=1〜Δ)、前記独立成分分析を適用することにより各々の前記要素画像F(x,y)を前記N個の画素から構成される基底関数Aで展開して(ただし、j=1〜N)、
    (x,y)=Σj=1 ji*A …(A)
    上記(A)式で展開された前記基底関数Aのうち、前記アーティファクトに対応する基底関数A(ただし、1≦h≦N、該当するhの数は1個または複数個)を選択して、この選択された基底関数Aに対応する成分shiを前記アーティファクトに対応する画像成分として、その成分shiを“0”に置き換えることでアーティファクトに対応する画像成分を消去した、各々の要素画像F(x,y)に対する前記補正処理を施して、この要素画像F(x,y)をi=1〜Δで並べることにより前記アーティファクトを除去した断層画像を得ることを特徴とする画像処理方法。
  2. 断層画像に対して処理を行う画像処理方法であって、断層画像を対象としてアーティファクトの特徴量解析を行うことで、アーティファクトを含む画素群とアーティファクトを含まない画素群とに分割して、前記アーティファクトを含む画素群のみに対して補正に関する所定の処理を施すことで、アーティファクトを除去する補正処理を行い、前記特徴量解析は独立成分分析であって、その独立成分分析を利用して前記アーティファクトに対応する画像成分と前記アーティファクトに対応しない画像成分とに独立して分離することで、前記アーティファクトを含む画素群と前記アーティファクトを含まない画素群とに分割し、
    前記アーティファクトに対応する画像成分を消去することで、前記アーティファクトを含む画素群のみに対して前記補正に関する所定の処理を施し、
    前記断層画像における断層面をx,y平面とするとともに、断層画像の各画素値をF(x,y)とし、その断層画像F(x,y)を極座標系r,θの極座標上の画像F(r,θ)に変換することにより、前記断層画像F(x,y)上のアーティファクトを前記画像F(r,θ)上のアーティファクトに変換して、この画像F(r,θ)を前記r,θによってΔ個の群に分割することによりN個の画素から構成される要素画像F(r,θ)を得て(ただし、i=1〜Δ)、前記独立成分分析を適用することにより各々の前記要素画像F(r,θ)を前記N個の画素から構成される基底関数Aで展開して(ただし、j=1〜N)、
    (r,θ)=Σj=1 ji*A …(B)
    上記(B)式で展開された前記基底関数Aのうち、前記アーティファクトに対応する基底関数A(ただし、1≦h≦N、該当するhの数は1個または複数個)を選択して、この選択された基底関数Aに対応する成分shiを前記アーティファクトに対応する画像成分として、その成分shiを“0”に置き換えることでアーティファクトに対応する画像成分を消去した、各々の要素画像F(r,θ)に対する前記補正処理を施して、この要素画像F(r,θ)をi=1〜Δで並べた画像F(r,θ)を直交座標系x,yの直交座標上の断層画像F(x,y)に逆変換することにより前記アーティファクトを除去した断層画像を得ることを特徴とする画像処理方法。
  3. 断層画像に対して処理を行う画像処理方法であって、断層画像を対象としてアーティファクトの特徴量解析を行うことで、アーティファクトを含む画素群とアーティファクトを含まない画素群とに分割して、前記アーティファクトを含む画素群のみに対して補正に関する所定の処理を施すことで、アーティファクトを除去する補正処理を行い、前記特徴量解析は独立成分分析であって、その独立成分分析を利用して前記アーティファクトに対応する画像成分と前記アーティファクトに対応しない画像成分とに独立して分離することで、前記アーティファクトを含む画素群と前記アーティファクトを含まない画素群とに分割し、
    前記アーティファクトに対応する画像成分を消去することで、前記アーティファクトを含む画素群のみに対して前記補正に関する所定の処理を施し、
    前記断層画像における断層面をx,y平面とするとともに、断層画像の各画素値をF(x,y)とし、その断層画像F(x,y)を極座標系r,θの極座標上の画像F(r,θ)に変換することにより、前記断層画像F(x,y)上のアーティファクトを前記画像F(r,θ)上のアーティファクトに変換して、この画像F(r,θ)を前記r,θによってΔ個の群に分割することによりN個の画素から構成される要素画像F(r,θ)を得て(ただし、i=1〜Δ)、前記独立成分分析を適用することにより各々の前記要素画像F(r,θ)を前記N個の画素から構成される基底関数Aで展開して(ただし、j=1〜N)、
    (r,θ)=Σj=1 ji*A …(B)
    上記(B)式で展開された前記基底関数Aのうち、前記アーティファクトに対応する基底関数A(ただし、1≦h≦N、該当するhの数は1個または複数個)を選択して、この選択された基底関数Aおよびそれに対応する成分shiからなる要素画像shi*Aをアーティファクトに対応する画像成分として、その画像成分に対してスムージングフィルタを施すことでアーティファクトに対応する画像成分を平滑化した、shi*Aからなる要素画像F(r,θ)に対する前記補正処理を施して、この要素画像F(r,θ)、および、選択されなかった残りの基底関数Aとそれに対応する成分sjiからなる要素画像F(r,θ)をi=1〜Δで並べた画像F(r,θ)を直交座標系x,yの直交座標上の断層画像F(x,y)に逆変換することにより前記アーティファクトを除去した断層画像を得ることを特徴とする画像処理方法。
  4. 請求項3に記載の画像処理方法において、前記要素画像shi*Aからなる要素画像F(r,θ)を前記θによってM個(ただし、Mは1を含んだ自然数)の領域の画像Fhk(r,θ)に分割し(ただし、k=1〜M)、それぞれの前記画像Fhk(r,θ)毎にθで積分したプロファイル関数P(r)を求めて、そのプロファイル関数P(r)に対して前記rについて前記スムージングフィルタを施すことで、P(r)´を求めて、前記画像Fhk(r,θ)を、
    hk(r,θ)=Fhk(r,θ)*P(r)´/P(r) …(C)
    上記(C)式の右辺に代入して左辺を求めることで補正し、この補正された画像Fhk(r,θ)をk=1〜Mで並べることにより要素画像F(r,θ)を補正することを特徴とする画像処理方法。
  5. 請求項3に記載の画像処理方法において、前記要素画像shi*Aからなる要素画像F(r,θ)を前記θによってM個(ただし、Mは1を含んだ自然数)の領域の画像Fhk(r,θ)に分割し(ただし、k=1〜M)、それぞれの前記画像Fhk(r,θ)毎にθで積分したプロファイル関数P(r)を求めて、そのプロファイル関数P(r)に対して前記rについて前記スムージングフィルタを施すことで、P(r)´を求めて、前記画像Fhk(r,θ)を、
    hk(r,θ)=Fhk(r,θ)−(P(r)−P(r)´) …(D)
    上記(D)式の右辺に代入して左辺を求めることで補正し、この補正された画像Fhk(r,θ)をk=1〜Mで並べることにより要素画像F(r,θ)を補正することを特徴とする画像処理方法。
  6. 断層画像に対して処理を行う画像処理方法であって、断層画像における断層面をx,y平面とするとともに、断層画像の各画素値をF(x,y)とし、その断層画像F(x,y)を極座標系r,θの極座標上の画像F(r,θ)に変換することにより、前記断層画像F(x,y)上のアーティファクトを前記画像F(r,θ)上のアーティファクトに変換して、この画像F(r,θ)を前記θによってM個(ただし、Mは1を含んだ自然数)の領域の画像F(r,θ)に分割し(ただし、k=1〜M)、それぞれの前記画像F(r,θ)毎にθで積分したプロファイル関数P(r)を求めて、そのプロファイル関数P(r)に対して前記rについてスムージングフィルタを施すことで、P(r)´を求めて、前記画像F(r,θ)を、
    (r,θ)=F(r,θ)*P(r)´/P(r) …(C)´
    上記(C)´式の右辺に代入して左辺を求めることで補正し、この補正された画像F(r,θ)をk=1〜Mで並べることにより前記画像F(r,θ)を補正し、この画像F(r,θ)を直交座標系x,yの直交座標上の断層画像F(x,y)に逆変換することにより前記アーティファクトを除去した断層画像を得ることを特徴とする画像処理方法。
  7. 断層画像に対して処理を行う画像処理方法であって、断層画像における断層面をx,y平面とするとともに、断層画像の各画素値をF(x,y)とし、その断層画像F(x,y)を極座標系r,θの極座標上の画像F(r,θ)に変換することにより、前記断層画像F(x,y)上のアーティファクトを前記画像F(r,θ)上のアーティファクトに変換して、この画像F(r,θ)を前記θによってM個(ただし、Mは1を含んだ自然数)の領域の画像F(r,θ)に分割し(ただし、k=1〜M)、それぞれの前記画像F(r,θ)毎にθで積分したプロファイル関数P(r)を求めて、そのプロファイル関数P(r)に対して前記rについてスムージングフィルタを施すことで、P(r)´を求めて、前記画像F(r,θ)を、
    (r,θ)=F(r,θ)−(P(r)−P(r)´) …(D)´
    上記(D)´式の右辺に代入して左辺を求めることで補正し、この補正された画像F(r,θ)をk=1〜Mで並べることにより前記画像F(r,θ)を補正し、この画像F(r,θ)を直交座標系x,yの直交座標上の断層画像F(x,y)に逆変換することにより前記アーティファクトを除去した断層画像を得ることを特徴とする画像処理方法。
  8. 請求項1から請求項7のいずれかに記載の画像処理方法において、前記断層画像は、被検体の体軸の軸心周りに撮像系が相対的に回転して得られた画像であることを特徴とする画像処理方法。
  9. 断層画像に対して処理を行う画像処理装置であって、断層画像を対象としてアーティファクトの特徴量解析を行うことで、アーティファクトを含む画素群とアーティファクトを含まない画素群とに分割する分割手段と、前記アーティファクトを含む画素群のみに対して補正に関する所定の処理を施す画素群処理手段とを備えることで、アーティファクトを除去する補正処理を行い、前記特徴量解析は独立成分分析であって、その独立成分分析を利用して前記アーティファクトに対応する画像成分と前記アーティファクトに対応しない画像成分とに独立して分離することで、前記アーティファクトを含む画素群と前記アーティファクトを含まない画素群とに分割し、
    前記アーティファクトに対応する画像成分を消去することで、前記アーティファクトを含む画素群のみに対して前記補正に関する所定の処理を施し、
    前記断層画像における断層面をx,y平面とするとともに、断層画像の各画素値をF(x,y)とし、その断層画像F(x,y)を前記x,yによってΔ個の群に分割することによりN個の画素から構成される要素画像F (x,y)を得て(ただし、i=1〜Δ)、前記独立成分分析を適用することにより各々の前記要素画像F (x,y)を前記N個の画素から構成される基底関数A で展開して(ただし、j=1〜N)、
    (x,y)=Σ j=1 ji *A …(A)
    上記(A)式で展開された前記基底関数A のうち、前記アーティファクトに対応する基底関数A (ただし、1≦h≦N、該当するhの数は1個または複数個)を選択して、この選択された基底関数A に対応する成分s hi を前記アーティファクトに対応する画像成分として、その成分s hi を“0”に置き換えることでアーティファクトに対応する画像成分を消去した、各々の要素画像F (x,y)に対する前記補正処理を施して、この要素画像F (x,y)をi=1〜Δで並べることにより前記アーティファクトを除去した断層画像を得ることを特徴とする画像処理装置。
  10. 請求項9に記載の画像処理装置において、前記断層画像は、被検体の体軸の軸心周りに撮像系が相対的に回転して得られた画像であることを特徴とする画像処理装置。
  11. 断層画像を撮像する断層撮影装置であって、被検体からの光または放射線を検出する検出手段と、その検出手段によって得られた光または放射線に関する被検体の断層画像に対して処理を行う画像処理手段とを備え、前記画像処理手段は、前記断層画像を対象としてアーティファクトの特徴量解析を行うことで、アーティファクトを含む画素群とアーティファクトを含まない画素群とに分割する分割手段と、前記アーティファクトを含む画素群のみに対して補正に関する所定の処理を施す画素群処理手段とを備えることで、アーティファクトを除去する補正処理を行い、前記特徴量解析は独立成分分析であって、その独立成分分析を利用して前記アーティファクトに対応する画像成分と前記アーティファクトに対応しない画像成分とに独立して分離することで、前記アーティファクトを含む画素群と前記アーティファクトを含まない画素群とに分割し、
    前記アーティファクトに対応する画像成分を消去することで、前記アーティファクトを含む画素群のみに対して前記補正に関する所定の処理を施し、
    前記断層画像における断層面をx,y平面とするとともに、断層画像の各画素値をF(x,y)とし、その断層画像F(x,y)を前記x,yによってΔ個の群に分割することによりN個の画素から構成される要素画像F (x,y)を得て(ただし、i=1〜Δ)、前記独立成分分析を適用することにより各々の前記要素画像F (x,y)を前記N個の画素から構成される基底関数A で展開して(ただし、j=1〜N)、
    (x,y)=Σ j=1 ji *A …(A)
    上記(A)式で展開された前記基底関数A のうち、前記アーティファクトに対応する基底関数A (ただし、1≦h≦N、該当するhの数は1個または複数個)を選択して、この選択された基底関数A に対応する成分s hi を前記アーティファクトに対応する画像成分として、その成分s hi を“0”に置き換えることでアーティファクトに対応する画像成分を消去した、各々の要素画像F (x,y)に対する前記補正処理を施して、この要素画像F (x,y)をi=1〜Δで並べることにより前記アーティファクトを除去した断層画像を得ることを特徴とする断層撮影装置。
  12. 請求項11に記載の断層撮影装置において、前記被検体に向けて光または放射線を照射する照射手段を備え、前記検出手段は、前記被検体を透過した光または放射線を検出することを特徴とする断層撮影装置。
  13. 請求項12に記載の断層撮影装置において、前記照射手段および検出手段を前記被検体の体軸の軸心周りに相対的に回転させる回転手段を備え、前記断層画像は、被検体の体軸の軸心周りに照射手段および検出手段が相対的に回転して得られた画像であることを特徴とする断層撮影装置。
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