しかしながら、上記従来の衝突防止方法では、以下に説明するような問題点があった。即ち、撮像カメラで取得する2次元画像には奥行きに関する情報がなく、刃物台及び工具とチャック及びワークとが奥行き方向で間隔を隔てていたとしても、得られる2次元画像はこれらが重なったものとなる場合があるため、このようなときまでこれらが衝突すると判定されて正確な衝突判定処理を行うことができない。
また、このような問題を防止するには、異なる方向からチャック,ワーク,刃物台及び工具を撮像可能な複数の撮像カメラを用いて2次元画像を取得し、取得した2次元画像を組み合わせて3次元空間内における刃物台及び工具とチャック及びワークの位置関係を認識する必要があるが、この場合においても、例えば、工具及びワークが刃物台などで隠れていないような2次元画像を、取得した2次元画像の中から選択して衝突防止処理を行わなければならず、単に複数の2次元画像を組み合わせるだけでは、精度良く衝突を回避することができないこともある。更に、工具及びワークが刃物台などで隠れていないような2次元画像を選択する処理を行うようにすると、当該衝突防止処理が複雑になるという新たな問題を生じる。
また、NC装置内に組み込まれた衝突防止装置に衝突防止処理を実行させると、この衝突防止処理がNC装置の演算能力に大きく左右され、高精度且つ高速に実施することが困難になるという問題や、撮像カメラにより取得した2次元画像をNC装置側に送信するためなどに当該NC装置に外部機器との間でデータの送受信を行う機能を付加しなければならず、NC装置が高価となり、工作機械のコストが上昇するという問題を生じる。尚、このような問題は、NC装置とは別体の衝突防止装置がNC装置から干渉確認用の情報(例えば位置情報など)を得て衝突防止処理を行う場合も同様に発生し、更に、この場合には、NC装置の製造メーカによってNC装置で扱われるデータの種類やデータ構成などが異なるために製造メーカ毎に衝突防止装置の仕様を変更しなければならず、衝突防止装置の開発期間や開発コストなどの面で負担が増大するという問題も生じる。
本発明は、以上の実情に鑑みなされたものであって、移動体の移動領域内を撮像して得られる2次元画像データを用い、簡単な処理で正確に移動体と構造体との間の干渉を防止することができ、しかも、制御装置から独立して構成することができる干渉確認装置の提供をその目的とする。
上記目的を達成するための本発明は、
予め設定された第1軸,第2軸及び第3軸の直交3軸方向に移動可能となった移動体と、前記移動体の移動領域内に配置された構造体と、前記移動体を移動させる駆動機構部と、前記駆動機構部の作動を制御する制御装置とを備えた工作機械に設けられ、前記移動体と構造体とが相互に干渉するか否かを確認する装置において、
光軸が前記第1軸,第2軸及び第3軸とそれぞれ平行に設けられて前記移動体の移動領域内を撮像可能に前記工作機械に配置された第1撮像部,第2撮像部及び第3撮像部を備え、これらの各撮像部により前記移動体の移動領域内を一定時間間隔で撮像して2次元画像データを生成する画像生成手段と、
前記画像生成手段によって生成された2次元画像データを記憶する画像データ記憶手段と、
前記第1軸と直交する第1平面、前記第2軸と直交する第2平面、及び前記第3軸と直交する第3平面における前記移動体及び構造体の輪郭形状に関するデータをそれぞれ記憶する輪郭形状データ記憶手段と、
前記移動体と構造体が干渉するか否かを判定する干渉判定手段とを備えてなり、
前記干渉判定手段は、
前記画像データ記憶手段に格納された2次元画像データをそれぞれ読み出し、読み出した各2次元画像データにおける移動体及び構造体の輪郭形状を、前記輪郭形状データ記憶手段に格納された移動体及び構造体の輪郭形状データを参照してそれぞれ特定した後、前記第1平面,第2平面及び第3平面内における前記移動体及び構造体の位置を認識して、認識した移動体及び構造体の位置と、前記輪郭形状データ記憶手段に格納された移動体及び構造体の輪郭形状データとを基に、前記第1平面,第2平面及び第3平面内において前記移動体と構造体とが相互に干渉するか否かをそれぞれ確認する干渉確認処理部と、
前記干渉確認処理部によって前記第1平面,第2平面及び第3平面のすべてにおいて前記移動体と構造体が干渉すると判断された場合にアラーム信号を前記制御装置に送信する干渉判定処理部とから構成されてなることを特徴とする干渉確認装置に係る。
この発明によれば、第1軸と直交する第1平面、第2軸と直交する第2平面、及び第3軸と直交する第3平面内における移動体及び構造体の輪郭形状、即ち、第1軸方向,第2軸方向及び第3軸方向から見たときの移動体及び構造体の輪郭形状に関するデータが予め輪郭形状データ記憶手段にそれぞれ格納される。
そして、制御装置により駆動機構部が制御されて移動体が第1軸方向や第2軸方向、第3軸方向に移動せしめられると、画像生成手段によって、各撮像部により移動体の移動領域内が一定時間間隔で撮像されて2次元画像データがそれぞれ生成され、画像データ記憶手段に格納される。尚、このとき、各撮像部は、各軸方向から移動体の移動領域内を撮像する。
この後、干渉判定手段の干渉確認処理部によって、画像データ記憶手段に格納された2次元画像データなどを基に、第1平面,第2平面及び第3平面内において移動体と構造体とが干渉するか否かがそれぞれ確認される。具体的には、次のようにして確認される。尚、ここでは、第1平面内において移動体と構造体とが干渉するか否かを確認する場合を一例に挙げて説明するが、第2平面及び第3平面内において移動体と構造体とが干渉するか否かについても同様にして確認される。
まず、画像データ記憶手段に格納された、第1撮像部により得られる2次元画像データが読み出され、読み出された2次元画像データにおける移動体及び構造体の輪郭形状が、輪郭形状データ記憶手段に格納された、第1平面における移動体及び構造体の輪郭形状データが参照されて特定された後、第1平面内における移動体及び構造体の位置が認識される。
この後、認識された第1平面内における移動体及び構造体の位置と、輪郭形状データ記憶手段に格納された、第1平面における移動体及び構造体の輪郭形状データとを基に、第1平面内において移動体及び構造体が干渉するか否かが確認される。
移動体及び構造体が干渉するか否かは、例えば、移動体の輪郭形状と構造体の輪郭形状との間で接触又は重なり合う部分が存在するか否かを基に判断したり、移動体の輪郭形状と構造体の輪郭形状との間の距離が所定の距離よりも接近しているか否かを基に判断する。接触又は重なり合う部分があった場合や、接近している場合には移動体と構造体が干渉すると判断される。
そして、干渉確認処理部により第1平面,第2平面及び第3平面のすべてにおいて移動体と構造体が干渉すると判断されると、干渉判定手段の干渉判定処理部によってアラーム信号が制御装置に送信される。送信されたアラーム信号が制御装置によって受信されると、当該制御装置により駆動機構部の作動が停止せしめられて移動体が停止する。尚、上記干渉判定手段の処理は、各撮像部の撮像間隔と同じ周期で実行される。
このように、本発明に係る干渉確認装置によれば、第1軸,第2軸及び第3軸の直交3軸方向から移動体の移動領域内を撮像して2次元画像データを生成するとともに、生成した2次元画像データと、第1平面,第2平面及び第3平面における移動体及び構造体の輪郭形状データとを基に、第1平面,第2平面及び第3平面内において移動体及び構造体が干渉するか否かをそれぞれ確認し、すべての平面内で干渉すると判断した場合に移動体及び構造体が実際に干渉すると判断してアラーム信号を制御装置に送信するようにしたので、簡単な処理で正確に干渉判定手段における一連の処理を実行することができる。
また、制御装置から干渉判定用の情報を一切得ることなく処理を行っているので、当該干渉確認装置を制御装置から分離,独立した構成とすることができ、制御装置の演算能力に左右されることなく、高精度且つ高速に干渉判定手段における処理を実施することができる。また、制御装置を少なくともアラーム信号のみ入力可能に構成すれば良く、制御装置と当該干渉確認装置との間で各種データの送受信を行う必要がないので、制御装置を安価にして工作機械のコストを抑えることができる。また、更に、制御装置の製造メーカに合わせて当該干渉確認装置の仕様を変更するのを不要にし、どの製造メーカが製造した制御装置にも同じ干渉確認装置を適用することができるので、当該干渉確認装置の開発期間や開発コストなどの面で負担を低減することができる。
尚、前記干渉確認処理部は、前記画像データ記憶手段に格納された2次元画像データであって最新のもの及びこの一定時間前のものを前記各撮像部毎にそれぞれ読み出し、読み出したそれぞれの2次元画像データにおける移動体及び構造体の輪郭形状を、前記輪郭形状データ記憶手段に格納された移動体及び構造体の輪郭形状データを参照して特定するとともに、前記各撮像部毎にそれぞれ2つの2次元画像データを比較して、前記第1平面,第2平面及び第3平面内における前記構造体の位置、並びに前記第1平面,第2平面及び第3平面内における前記移動体の現在及び一定時間前の位置をそれぞれ認識する第1処理部と、前記第1処理部により認識された移動体の現在及び一定時間前の位置と、前記撮像部の撮像間隔とを基に、前記第1平面,第2平面及び第3平面内における前記移動体の移動方向及び移動速度をそれぞれ算出する第2処理部と、前記第1処理部により認識された移動体の現在位置、並びに前記第2処理部により算出された移動体の移動方向及び移動速度を基に、前記第1平面,第2平面及び第3平面内での予め設定された時間経過後における前記移動体の位置をそれぞれ推定する第3処理部と、前記第3処理部により推定された移動体の位置と、前記第1処理部により認識された移動体の現在位置及び構造体の位置と、前記輪郭形状データ記憶手段に格納された移動体及び構造体の輪郭形状データとを基に、前記移動体の輪郭形状を前記現在位置から推定位置に移動させて前記第1平面,第2平面及び第3平面内において前記移動体及び構造体が干渉するか否かをそれぞれ確認する第4処理部とから構成されていても良い。
このようにすれば、干渉確認処理部では、次のようにして干渉確認される。尚、以下の説明では、第1平面における干渉確認について説明するが、第2平面及び第3平面における干渉確認についても同様である。
即ち、まず、第1処理部によって、画像データ記憶手段に格納された、第1撮像部により得られる2次元画像データであって最新のもの及びこの一定時間前のものが読み出され、読み出されたそれぞれの2次元画像データにおける移動体及び構造体の輪郭形状が、輪郭形状データ記憶手段に格納された、第1平面における移動体及び構造体の輪郭形状データが参照されて特定されるとともに、これら2つの2次元画像データが比較されて、第1平面内における構造体の位置、並びに第1平面内における移動体の現在及び一定時間前の位置が認識される。
ついで、第2処理部よって、第1処理部により認識された移動体の現在及び一定時間前の位置と、第1撮像部の撮像間隔とを基に第1平面内における移動体の移動方向及び移動速度が算出された後、第3処理部によって、第1処理部により認識された移動体の現在位置、並びに第2処理部により算出された移動体の移動方向及び移動速度を基に、予め設定された時間経過後における第1平面内での移動体の位置が推定される。
移動体の位置を推定するに当たっては、例えば、算出した移動方向に算出した移動速度で移動した場合の位置を推定するようにしても、算出した移動速度から加速又は減速しつつ算出した移動方向に移動した場合の位置を推定するようにしても良い。また、予め設定された時間経過後における移動体の位置に代え、制御装置が直ちに移動体の停止処理を行った場合に現在位置にある移動体が停止すると想定される位置よりも移動体移動方向において現在位置から離れた位置を移動体の停止までに到達する位置として推定するようにしても良い。尚、このような到達位置は、例えば、制御装置が直ちに移動体の停止処理を行った場合に現在位置にある移動体が停止すると想定される位置に一定値を付加したり、制御装置が直ちに移動体の停止処理を行った場合に現在位置にある移動体が停止すると想定される位置と現在位置との差に1より大きい一定値を乗じて得られた値を現在位置に付加することで設定することができる。
この後、第4処理部によって、第3処理部により推定された移動体の位置と、第1処理部により認識された移動体の現在位置及び構造体の位置と、輪郭形状データ記憶手段に格納された、第1平面における移動体及び構造体の輪郭形状データとを基に、移動体の輪郭形状を現在位置から推定位置に移動させて第1平面内において移動体及び構造体が干渉するか否かが確認される。
移動体と構造体とが干渉するか否かは、例えば、移動体が現在位置にあるときと推定位置にあるときの輪郭形状を結んで形成される領域と構造体の輪郭形状との間で接触又は重なり合う部分が存在するか否かを基に判断したり、移動体の輪郭形状を現在位置から推定位置まで段階的に移動させ、その各段階において、移動体の輪郭形状と構造体の輪郭形状との間で接触又は重なり合う部分が存在するか否かを基に判断する。接触又は重なり合う部分があった場合には移動体と構造体が干渉すると判断される。
このように、移動体の移動速度などを基に設定した推定位置と移動体及び構造体の輪郭形状データとを用いて干渉確認を行えば、干渉領域が移動体の移動速度に関係なく一律に設定され、移動体が高速で移動しているときでも干渉を防止すべく干渉領域を広くする必要のあった従来に比べ、移動体を構造体の近傍領域で移動させても干渉の恐れがあると判定され難くなり、作業性を向上させることができる。
また、前記干渉確認処理部の第3処理部は、前記到達位置を推定するに当たり、前記制御装置が前記駆動機構部を制御して前記移動体を前記現在位置及び移動速度から前記移動方向に最大加速度で加速させつつ移動させたときに前記各撮像部の撮像間隔だけ時間が経過した後の移動速度及び移動位置を算出した後、前記制御装置が前記駆動機構部を制御して前記移動体を前記算出した移動速度及び移動位置から前記移動方向に最大加速度で減速させつつ移動させたときに前記移動体が停止する位置を算出し、前記第1平面,第2平面及び第3平面内における前記到達位置をそれぞれ推定するように構成されていても良い。
このようにすれば、移動体の現在移動速度及び加速時の最大加速度を考慮して移動体が停止する際の到達位置を推定しており、移動体が最大加速度で加速中であったとしても確実に構造体との干渉を防止することができる。
また、前記干渉確認装置は、前記移動体及び構造体の輪郭形状データを設定して前記輪郭形状データ記憶手段に格納する輪郭形状データ設定手段を更に備え、前記画像生成手段は、前記各撮像部により前記移動体及び構造体を撮像して2次元画像データを生成する第1画像生成部と、前記各撮像部により前記移動体の移動領域内を一定時間間隔で撮像して2次元画像データを生成する第2画像生成部とを更に備え、前記輪郭形状データ設定手段は、前記画像生成手段の第1画像生成部によって生成された2次元画像データから前記移動体及び構造体の輪郭形状をそれぞれ抽出して前記移動体及び構造体の輪郭形状データを設定するように構成されていても良い。
このようにすれば、画像生成手段の第1画像生成部によって、各撮像部により移動体及び構造体が撮像されて2次元画像データが生成された後、輪郭形状データ設定手段により、生成された2次元画像データから移動体及び構造体の輪郭形状がそれぞれ抽出されて、第1平面,第2平面及び第3平面における移動体及び構造体の輪郭形状データが設定され、輪郭形状データ記憶手段に格納される。尚、移動体や構造体の輪郭形状を抽出する手法は、特に限定されるものではなく、例えば、生成された2次元画像データを所定のしきい値で2値化して移動体や構造体に相当する画像をそれぞれ抽出し、抽出した2値化画像を基に移動体や構造体の輪郭形状(輪郭線)を抽出する手法や、生成された2次元画像データから移動体や構造体のエッジを検出し、検出した各エッジを基に移動体や構造体の輪郭形状(輪郭線)を抽出する手法が挙げられる。
一方、各撮像部により移動体の移動領域内が一定時間間隔で撮像されて生成された2元画像データは、画像生成手段の第2画像生成部によって前記画像データ記憶手段に格納される。このようにして輪郭形状データを設定するようにすれば、これを簡単に設定することができる。
また、前記画像生成手段は、前記第2軸及び第3軸方向に並設された複数の前記第1撮像部と、前記第1軸及び第3軸方向に並設された複数の前記第2撮像部と、前記第1軸及び第2軸方向に並設された複数の前記第3撮像部とを有し、前記干渉確認装置は、前記画像生成手段によって生成された2次元画像データを前記一定時間間隔で合成して前記第1平面,第2平面及び第3平面についてそれぞれ1つの2次元画像データとし、前記画像データ記憶手段に格納する画像合成手段を更に備えていても良い。
このようにすれば、移動体が移動領域内のどの位置にあっても移動体をほぼ同じ形状で写すことができるので、移動体の輪郭形状を高精度に得ることができ、干渉確認をより高精度に行うことができる。尚、各2次元画像を1つの2次元画像に合成する手法は、特に限定されるものではなく、その一例としては、例えば、各2次元画像の特徴点を抽出し、抽出した特徴点を基に合成する手法が挙げられる。
尚、前記移動体及び構造体としては、例えば、工作機械が旋盤である場合には、ベッド、ベッド上に配設された主軸台、主軸台によって回転自在に支持された主軸、主軸に取り付けられ、ワークを把持するチャック、ワーク、ベッド上に移動可能に配設されたサドル、サドル上に配設され、工具を保持する刃物台、工具、ベッド上に移動可能に配設された心押台、心押台に保持された心押軸などが該当し、工作機械がマシニングセンタである場合には、ベッド、ベッド上に配設されたコラム、コラムに移動可能に支持された主軸頭、主軸頭によって回転自在に支持され、工具を保持する主軸、工具、ベッド上に移動可能に配設され、ワークを保持するテーブル、ワークなどが該当する。また、更に、工作機械には、一般的に、切りくずや切削液などの侵入を防止すべく、カバー体が適宜設けられるため、このようなカバー体を含めるようにしても良い。
また、前記第1撮像部,第2撮像部及び第3撮像部は、前記第1軸方向,第2軸方向及び第3軸方向から移動体の移動領域を撮像するが、この軸方向には、当該軸に沿ったある一つの方向のみの場合と、当該軸に沿ったある一つの方向とこれとは逆方向の2方向の場合との2つを含むものである。したがって、撮像部の撮像方向としては、合計3方向〜6方向が考えられる。
以上のように、本発明に係る干渉確認装置によれば、移動体の移動領域内を撮像して得られる2次元画像データを用い、簡単な処理で正確に移動体と構造体との間の干渉を防止することができるとともに、制御装置から独立して構成することができる。
以下、本発明の具体的な実施形態について、添付図面に基づき説明する。尚、図1は、本発明の一実施形態に係る干渉確認装置などの概略構成を示したブロック図であり、図2は、本実施形態に係る干渉確認装置が設けられるNC旋盤を示した正面図であり、図3は、図2における矢示A−A方向の断面図である。
図1に示すように、本例の干渉確認装置1は、第1画像生成装置11,第2画像生成装置12,第3画像生成装置13,第1画像データ記憶部14,第2画像データ記憶部15,輪郭形状データ設定処理部16,輪郭形状データ記憶部17,画像合成処理部18,合成画像データ記憶部19,干渉判定部20,表示制御部23などから構成され、例えば、図2及び図3に示したNC旋盤30に設けられる。
まず、前記NC旋盤30について説明する。このNC旋盤30は、図1乃至図3に示すように、ベッド31と、ベッド31上に配設された主軸台(図示せず)と、水平な軸線中心に(Z軸回りに)回転自在に主軸台(図示せず)によって支持された主軸32と、主軸32に取り付けられたチャック33と、Z軸方向に移動可能にベッド31上に配設された第1サドル34と、Z軸と水平面内で直交するX軸方向に移動可能に第1サドル34上に配設された第2サドル35と、X軸及びZ軸の双方と直交するY軸方向に移動可能に第2サドル35に配設された刃物台36と、第1サドル34をZ軸方向に移動させる第1送り機構部37と、第2サドル35をX軸方向に移動させる第2送り機構部38と、刃物台36をY軸方向に移動させる第3送り機構部39と、主軸32を軸線中心に回転させる主軸モータ40と、各送り機構部37,38,39及び主軸モータ40の作動を制御する制御装置41と、制御装置41に接続した操作盤45などを備える。尚、NC旋盤30には、カバー体48に囲まれた、加工の行われる加工領域Kが形成されており、主軸32の先端部,チャック33,第1サドル34,第2サドル35及び刃物台36がこの加工領域K内に配置されている。
前記チャック33は、チャック本体33aと、ワークWを把持する複数の把持爪33bとからなる。前記刃物台36は、第2サドル35に設けられる刃物台本体36aと、刃物台本体36aに支持され、外周面に工具Tを保持する多角柱状のタレット36bとを備えており、工具Tは、バイトなどの旋削工具であって、工具本体Taと、ワークWを加工するための刃部(チップ)Tbとから構成される。前記操作盤45は、制御装置41に対して各種信号を入力するための入力装置46と、制御装置41による制御状態などを画面表示するための画面表示装置47などからなる。
前記制御装置41は、プログラム記憶部42,プログラム解析部43,駆動制御部44などからなる。前記プログラム記憶部42には、予め作成された加工プログラムが格納される。前記プログラム解析部43は、プログラム記憶部42に格納された加工プログラムを解析して、刃物台36の移動位置や送り速度、主軸モータ40の回転速度などに関する動作指令を抽出する。
前記駆動制御部44は、プログラム解析部43によって抽出された動作指令や、オペレータによって入力装置46から入力された操作信号を基に、刃物台36の移動や主軸32の回転などを制御する。また、駆動制御部44は、干渉判定部20から送信されたアラーム信号を受信すると、各送り機構部37,38,39及び主軸モータ40の作動を停止させる。
次に、前記干渉確認装置1について説明する。上述したように、この干渉確認装置1は、第1画像生成装置11,第2画像生成装置12,第3画像生成装置13,第1画像データ記憶部14,第2画像データ記憶部15,輪郭形状データ設定処理部16,輪郭形状データ記憶部17,画像合成処理部18,合成画像データ記憶部19,干渉判定部20及び表示制御部23を備える。尚、本例では、主軸32の先端部,チャック33及びワークWからなる構造体(以下、「静止構造体」という)と、刃物台36及び工具Tからなる構造体(以下、「移動構造体」という)とが相互に干渉するか否かを確認するものとして説明する。
前記第1画像生成装置11は、主軸32側とは反対側のカバー体48に静止構造体と対向するように配設された複数のCCDカメラ(第1CCDカメラ11a,第2CCDカメラ11b…第6CCDカメラ11f)を備え、これらのCCDカメラ11a…11fによって、静止構造体及び移動構造体を撮像して2次元画像データを生成し、生成した2次元画像データを第1画像データ記憶部14に格納する第1画像生成処理と、加工領域K内を一定時間間隔(例えば、1ミリ秒)で撮像して2次元画像データを生成し、生成した2次元画像データを第2画像データ記憶部15に格納する第2画像生成処理とを行う。
前記各CCDカメラ11a…11fは、これらの光軸がZ軸と平行となるように横向きに設けられて前記加工領域K内(移動構造体の移動領域内)をそれぞれ異なる視点から撮像する。また、各CCDカメラ11a…11fは、X軸方向及びY軸方向に並設されて格子状に配置されており、加工領域Kを各CCDカメラ11a…11fと同じ数(本例では6個)の領域に分割して得られる1つの領域を1つのカメラがそれぞれ撮像するように構成されている(図7参照)。
前記第1画像生成処理では、例えば、第1CCDカメラ11a及び第2CCDカメラ11bにより静止構造体を撮像してその2次元画像データを生成する。また、例えば、第3CCDカメラ11c,第4CCDカメラ11d,第5CCDカメラ11e及び第6CCDカメラ11fにより移動構造体を撮像してその2次元画像データを生成する。尚、第1CCDカメラ11a及び第2CCDカメラ11bでは、主軸32の先端部の一部,チャック33の一部及びワークWの一部が撮像される(図7参照)。また、第3CCDカメラ11c及び第4CCDカメラ11dでは、刃物台36の一部及び工具Tの一部が撮像され、第5CCDカメラ11e及び第6CCDカメラ11fでは、刃物台36の一部が撮像される(図7参照)。
一方、前記第2画像生成処理では、すべてのCCDカメラ11a…11fにより加工領域K内を撮像してその2次元画像データを生成する(図7参照)。
前記第2画像生成装置12は、加工領域Kの上方のカバー体48に配設された複数のCCDカメラ(第1CCDカメラ12a,第2CCDカメラ12b…第12CCDカメラ12l)を備え、これらのCCDカメラ12a…12lによって、静止構造体及び移動構造体を撮像して2次元画像データを生成し、生成した2次元画像データを第1画像データ記憶部14に格納する第1画像生成処理と、加工領域K内を一定時間間隔(例えば、1ミリ秒)で撮像して2次元画像データを生成し、生成した2次元画像データを第2画像データ記憶部15に格納する第2画像生成処理とを行う。
前記各CCDカメラ12a…12lは、これらの光軸がY軸と平行となるように下向きに設けられて前記加工領域K内(移動構造体の移動領域内)をそれぞれ異なる視点から撮像する。また、各CCDカメラ12a…12lは、X軸方向及びZ軸方向に並設されて格子状に配置されており、加工領域Kを各CCDカメラ12a…12lと同じ数(本例では12個)の領域に分割して得られる1つの領域を1つのカメラがそれぞれ撮像するように構成されている(図9参照)。
前記第1画像生成処理では、例えば、第3CCDカメラ12c及び第6CCDカメラ12fにより静止構造体を撮像してその2次元画像データを生成する。また、例えば、第10CCDカメラ12j及び第11CCDカメラ12kにより移動構造体を撮像してその2次元画像データを生成する。尚、第3CCDカメラ12cでは、主軸32の先端部,チャック33及びワークWの一部が撮像され、第6CCDカメラ12fでは、ワークWの一部が撮像される(図9参照)。また、第10CCDカメラ12jでは、刃物台36の一部が撮像され、第11CCDカメラ12kでは、刃物台35の一部及び工具Tが撮像される(図9参照)。
一方、前記第2画像生成処理では、すべてのCCDカメラ12a…12lにより加工領域K内を撮像してその2次元画像データを生成する(図9参照)。
前記第3画像生成装置13は、加工領域Kの奥側のカバー体48に配設された複数のCCDカメラ(第1CCDカメラ13a,第2CCDカメラ13b…第8CCDカメラ13h)を備え、これらのCCDカメラ13a…13hによって、静止構造体及び移動構造体を撮像して2次元画像データを生成し、生成した2次元画像データを第1画像データ記憶部14に格納する第1画像生成処理と、加工領域K内を一定時間間隔(例えば、1ミリ秒)で撮像して2次元画像データを生成し、生成した2次元画像データを第2画像データ記憶部15に格納する第2画像生成処理とを行う。
前記各CCDカメラ13a…13hは、これらの光軸がX軸と平行となるように横向きに設けられて前記加工領域K内(移動構造体の移動領域内)をそれぞれ異なる視点から撮像する。また、各CCDカメラ13a…13hは、Y軸方向及びZ軸方向に並設されて格子状に配置されており、加工領域Kを各CCDカメラ13a…13hと同じ数(本例では8個)の領域に分割して得られる1つの領域を1つのカメラがそれぞれ撮像するように構成されている(図11参照)。
前記第1画像生成処理では、例えば、第5CCDカメラ13e,第6CCDカメラ13f,第7CCDカメラ13g及び第8CCDカメラ13hにより静止構造体を撮像してその2次元画像データを生成する。また、例えば、第1CCDカメラ13a及び第2CCDカメラ13bにより移動構造体を撮像してその2次元画像データを生成する。尚、第5CCDカメラ13e及び第6CCDカメラ13fでは、ワークWの一部が撮像され、第7CCDカメラ13g及び第8CCDカメラ13hでは、主軸32の先端部の一部,チャック33の一部及びワークWの一部が撮像される(図11参照)。また、第1CCDカメラ13a及び第2CCDカメラ13bでは、刃物台36の一部が撮像される(図11参照)。
一方、前記第2画像生成処理では、すべてのCCDカメラ13a…13hにより加工領域K内を撮像してその2次元画像データを生成する(図11参照)。
尚、前記各CCDカメラ11a…11f,12a…12l,13a…13hは、多行多列の2次元に配置された複数の光電変換素子を備え、受光強度に応じて各光電変換素子から出力される電圧信号をデジタル化した後、これを濃淡レベル値に変換して、前記光電変換素子の配列と同配列の2次元濃淡画像データとして出力する。そして、前記第1画像データ記憶部14又は第2画像データ記憶部15には、このようにして出力された2次元濃淡画像データ(2次元画像データ)がそれぞれ格納される。また、前記第1画像生成処理は、特許請求の範囲に言う第1画像生成部に対応した処理であり、加工開始前に行われ、前記第2画像生成処理は、特許請求の範囲に言う第2画像生成部に対応した処理であり、加工中に行われる。
前記輪郭形状データ設定処理部16は、各画像生成装置11,12,13の第1画像生成処理により第1画像データ記憶部14に格納された2次元画像データを基に、X軸−Y軸平面、X軸−Z軸平面、及びY軸−Z軸平面における静止構造体及び移動構造体の輪郭形状データをそれぞれ設定し、設定した輪郭形状データを前記輪郭形状データ記憶部17に格納する。
X軸−Y軸平面における静止構造体及び移動構造体の輪郭形状データについては、第1画像生成装置11により生成され第1画像データ記憶部14に格納された静止構造体の2次元画像データを合成して1つの2次元画像データとした後、この合成された2次元画像データから静止構造体の輪郭形状を抽出し、抽出した静止構造体の輪郭形状を基に、当該静止構造体の輪郭形状と、当該静止構造体の輪郭形状の基準点Pに関する基準点データとを含む輪郭形状データを設定し(図4(a)の実線部分参照)、また、第1画像生成装置11により生成され第1画像データ記憶部14に格納された移動構造体の2次元画像データを合成して1つの2次元画像データとした後、この合成された2次元画像データから移動構造体の輪郭形状を抽出し、抽出した移動構造体の輪郭形状を基に、当該移動構造体の輪郭形状と、当該移動構造体の輪郭形状の基準点Qに関する基準点データとを含む輪郭形状データを設定する(図4(b)の実線部分参照)。
一方、X軸−Z軸平面における静止構造体及び移動構造体の輪郭形状データについては、第2画像生成装置12により生成され第1画像データ記憶部14に格納された静止構造体の2次元画像データを合成して1つの2次元画像データとした後、この合成された2次元画像データから静止構造体の輪郭形状を抽出し、抽出した静止構造体の輪郭形状を基に、当該静止構造体の輪郭形状と、当該静止構造体の輪郭形状の基準点Rに関する基準点データとを含む輪郭形状データを設定し(図5(a)の実線部分参照)、また、第2画像生成装置12により生成され第1画像データ記憶部14に格納された移動構造体の2次元画像データを合成して1つの2次元画像データとした後、この合成された2次元画像データから移動構造体の輪郭形状を抽出し、抽出した移動構造体の輪郭形状を基に、当該移動構造体の輪郭形状と、当該移動構造体の輪郭形状の基準点Sに関する基準点データとを含む輪郭形状データを設定する(図5(b)の実線部分参照)。
また、Y軸−Z軸平面における静止構造体及び移動構造体の輪郭形状データについては、第3画像生成装置13により生成され第1画像データ記憶部14に格納された静止構造体の2次元画像データを合成して1つの2次元画像データとした後、この合成された2次元画像データから静止構造体の輪郭形状を抽出し、抽出した静止構造体の輪郭形状を基に、当該静止構造体の輪郭形状と、当該静止構造体の輪郭形状の基準点Uに関する基準点データとを含む輪郭形状データを設定し(図6(a)の実線部分参照)、また、第3画像生成装置13により生成され第1画像データ記憶部14に格納された移動構造体の2次元画像データを合成して1つの2次元画像データとした後、この合成された2次元画像データから移動構造体の輪郭形状を抽出し、抽出した移動構造体の輪郭形状を基に、当該移動構造体の輪郭形状と、当該移動構造体の輪郭形状の基準点Vに関する基準点データとを含む輪郭形状データを設定する(図6(b)の実線部分参照)。
そして、このようにして設定された静止構造体及び移動構造体の輪郭形状データが輪郭形状データ記憶部17に格納される。尚、静止構造体や移動構造体の輪郭形状を抽出する手法は、特に限定されるものではなく、例えば、合成された2次元画像データを所定のしきい値で2値化して静止構造体や移動構造体に相当する画像を抽出し、抽出した2値化画像を基に静止構造体や移動構造体の輪郭形状(輪郭線)を抽出する手法や、合成された2次元画像データから静止構造体や移動構造体のエッジを検出し、検出した各エッジを基に静止構造体や移動構造体の輪郭形状(輪郭線)を抽出する手法が挙げられる。
前記画像合成処理部18は、第1画像生成装置11の第2画像生成処理により第2画像データ記憶部15に格納された2次元画像データを前記一定時間毎に合成して1つの2次元合成画像データにし(図7及び図8参照)、第2画像生成装置12の第2画像生成処理により第2画像データ記憶部15に格納された2次元画像データを前記一定時間毎に合成して1つの2次元合成画像データにし(図9及び図10参照)、第3画像生成装置13の第2画像生成処理により第2画像データ記憶部15に格納された2次元画像データを前記一定時間毎に合成して1つの2次元合成画像データにし(図11及び図12参照)、これらを前記合成画像データ記憶部19にそれぞれ格納する。
尚、図7では、X軸−Y軸平面内において移動構造体が移動する前の2次元画像を、図8では、X軸−Y軸平面内において移動構造体が移動した後の2次元画像をそれぞれ図示し、図9では、X軸−Z軸平面内において移動構造体が移動する前の2次元画像を、図10では、X軸−Z軸平面内において移動構造体が移動した後の2次元画像をそれぞれ図示し、図11では、Y軸−Z軸平面内において移動構造体が移動する前の2次元画像を、図12では、Y軸−Z軸平面内において移動構造体が移動した後の2次元画像をそれぞれ図示している。また、各2次元画像を1つの2次元画像に合成する手法は、特に限定されるものではなく、その一例としては、例えば、各2次元画像の特徴点を抽出し、抽出した特徴点を基に合成する手法が挙げられる。また、上記輪郭形状データ設定処理部16が2次元画像を合成する手法についても、同様のものを採用することができる。
前記干渉判定部20は、X軸−Y軸平面、X軸−Z軸平面、及びY軸−Z軸平面のそれぞれにおいて移動構造体と静止構造体が干渉するか否かを確認する干渉確認処理部21と、干渉確認処理部21によってX軸−Y軸平面、X軸−Z軸平面、及びY軸−Z軸平面のすべてにおいて移動構造体と静止構造体が干渉すると判断された場合にアラーム処理を行う干渉判定処理部22とから構成されており、図13乃至図16に示すような一連の処理を行って静止構造体と移動構造体とが相互に干渉するか否かを判定する。
即ち、まず、合成画像データ記憶部19から、各画像生成装置11,12,13により生成され画像合成処理部18により合成された、即ち、X軸−Y軸平面、X軸−Z軸平面、及びY軸−Z軸平面に係る2次元合成画像データであって最新のもの(例えば、図8、図10、図12に示すような2次元合成画像)及びこの一定時間前のもの(例えば、図7、図9、図11に示すような2次元合成画像)を読み出し(ステップS1)、輪郭形状データ記憶部17から、X軸−Y軸平面、X軸−Z軸平面、及びY軸−Z軸平面における静止構造体及び移動構造体の輪郭形状データをそれぞれ読み出す(ステップS2)。
ついで、読み出したX軸−Y軸平面における静止構造体及び移動構造体の輪郭形状データを参照して、読み出した最新及びこの一定時間前のX軸−Y軸平面に係る2次元合成画像データにおける静止構造体及び移動構造体の輪郭形状をそれぞれ特定し、また、読み出したX軸−Z軸平面における静止構造体及び移動構造体の輪郭形状データを参照して、読み出した最新及びこの一定時間前のX軸−Z軸平面に係る2次元合成画像データにおける静止構造体及び移動構造体の輪郭形状をそれぞれ特定し、更に、読み出したY軸−Z軸平面における静止構造体及び移動構造体の輪郭形状データを参照して、読み出した最新及びこの一定時間前のY軸−Z軸平面に係る2次元合成画像データにおける静止構造体及び移動構造体の輪郭形状をそれぞれ特定する(ステップS3)。具体的には、例えば、マッチング処理により特定する。
そして、X軸−Y軸平面についてそれぞれ2つの2次元合成画像データを比較し、静止構造体のX軸−Y軸平面内における位置(基準点Pの座標値)と、移動構造体のX軸−Y軸平面内における現在及び一定時間前の位置(基準点Qの座標値)をそれぞれ認識し、また、X軸−Z軸平面についてそれぞれ2つの2次元合成画像データを比較し、静止構造体のX軸−Z軸平面内における位置(基準点Rの座標値)と、移動構造体のX軸−Z軸平面内における現在及び一定時間前の位置(基準点Sの座標値)をそれぞれ認識し、更に、Y軸−Z軸平面についてそれぞれ2つの2次元合成画像データを比較し、静止構造体のY軸−Z軸平面内における位置(基準点Uの座標値)と、移動構造体のY軸−Z軸平面内における現在及び一定時間前の位置(基準点Vの座標値)をそれぞれ認識する(ステップS4)。尚、基準点P,Q,R,S,U,Vの座標値は、例えば、ピクセル値により認識することができる。
次に、X軸−Y軸平面内における移動構造体の現在及び一定時間前の位置と、各CCDカメラ11a…11fの撮像間隔とを基に、X軸−Y軸平面内における移動構造体の移動方向及び移動速度をそれぞれ算出し、また、X軸−Z軸平面内における移動構造体の現在及び一定時間前の位置と、各CCDカメラ12a…12lの撮像間隔とを基に、X軸−Z軸平面内における移動構造体の移動方向及び移動速度をそれぞれ算出し、更に、Y軸−Z軸平面内における移動構造体の現在及び一定時間前の位置と、各CCDカメラ13a…13hの撮像間隔とを基に、Y軸−Z軸平面内における移動構造体の移動方向及び移動速度をそれぞれ算出する(ステップS5)。
この後、X軸−Y軸平面内における移動構造体の現在位置,移動方向及び移動速度、各CCDカメラ11a…11fの撮像間隔を基に、駆動制御部44が送り機構部38,39を制御して当該移動構造体をこの現在位置及び移動速度からこの移動方向に最大加速度で加速させつつ移動させたときに各CCDカメラ11a…11fの撮像間隔だけ時間が経過した後のX軸−Y軸平面内における移動速度及び移動位置を算出した後、駆動制御部44が送り機構部38,39を制御して当該移動構造体をこの算出した移動速度及び移動位置から前記移動方向に最大加速度で減速させつつ移動させたときに当該移動構造体が停止するX軸−Y軸平面内における位置を算出し、また、X軸−Z軸平面内における移動構造体の現在位置,移動方向及び移動速度、各CCDカメラ12a…12lの撮像間隔を基に、駆動制御部44が送り機構部37,39を制御して当該移動構造体をこの現在位置及び移動速度からこの移動方向に最大加速度で加速させつつ移動させたときに各CCDカメラ12a…12lの撮像間隔だけ時間が経過した後のX軸−Z軸平面内における移動速度及び移動位置を算出した後、駆動制御部44が送り機構部37,39を制御して当該移動構造体をこの算出した移動速度及び移動位置から前記移動方向に最大加速度で減速させつつ移動させたときに当該移動構造体が停止するX軸−Z軸平面内における位置を算出し、更に、Y軸−Z軸平面内における移動構造体の現在位置,移動方向及び移動速度、各CCDカメラ13a…13hの撮像間隔を基に、駆動制御部44が送り機構部38,39を制御して当該移動構造体をこの現在位置及び移動速度からこの移動方向に最大加速度で加速させつつ移動させたときに各CCDカメラ13a…13hの撮像間隔だけ時間が経過した後のY軸−Z軸平面内における移動速度及び移動位置を算出した後、駆動制御部44が送り機構部38,39を制御して当該移動構造体をこの算出した移動速度及び移動位置から前記移動方向に最大加速度で減速させつつ移動させたときに当該移動構造体が停止するY軸−Z軸平面内における位置を算出し、このようにして、X軸−Y軸平面、X軸−Z軸平面、及びY軸−Z軸平面内における当該移動構造体の停止位置を当該移動構造体が停止するまでに到達する位置としてそれぞれ推定する(ステップS6)。尚、加速時の最大加速度及び減速時の最大加速度は、NC旋盤30に設定されている設定値が図示しない記憶部内に予め格納されるようになっており、干渉判定処理部20は、この記憶部内の最大加速度を参照してステップS6の処理を行う。
ついで、干渉確認処理を行う(ステップS7)。この処理では、図15及び図16に示すように、まず、第1,第2及び第3干渉確認フラグをOFFにした後(ステップS21)、X軸−Y軸平面内における移動構造体の推定停止位置及び現在位置と、X軸−Y軸平面内における静止構造体の位置と、X軸−Y軸平面における静止構造体及び移動構造体の輪郭形状データとを基に、移動構造体の輪郭形状を現在位置から推定停止位置に移動させる(ステップS22)。
そして、この移動により移動構造体の輪郭形状と静止構造体の輪郭形状との間で接触又は重なり合う部分が存在するかどうかを判断する(ステップS23)。具体的には、例えば、移動構造体が現在位置にあるときと推定停止位置にあるときの輪郭形状を結んで形成される領域と静止構造体の輪郭形状との間で接触又は重なり合う部分が存在するか否かを基に判断したり(図17(a)及び図18(a)参照)、移動構造体の輪郭形状を現在位置から推定停止位置まで段階的に移動させ、その各段階において、移動構造体の輪郭形状と静止構造体の輪郭形状との間で接触又は重なり合う部分が存在するか否かを基に判断する(図17(b)及び図18(b)参照)。
ステップS23で接触又は重なり合う部分があると判断した場合(例えば、図18のような場合)には、X軸−Y軸平面内において移動構造体及び静止構造体が干渉するとみなして第1干渉確認フラグをONにし(ステップS24)、ステップS23で接触又は重なり合う部分がないと判断した場合(例えば、図17のような場合)には、ステップS25に進む。
ステップS25では、X軸−Z軸平面内における移動構造体の推定停止位置及び現在位置と、X軸−Z軸平面内における静止構造体の位置と、X軸−Z軸平面における静止構造体及び移動構造体の輪郭形状データとを基に、移動構造体の輪郭形状を現在位置から推定停止位置に移動させ、上記と同様にして、この移動により移動構造体の輪郭形状と静止構造体の輪郭形状との間で接触又は重なり合う部分が存在するかどうかを判断する(ステップS26)。
ステップS26で接触又は重なり合う部分があると判断した場合(例えば、図20のような場合)には、X軸−Z軸平面内において移動構造体及び静止構造体が干渉するとみなして第2干渉確認フラグをONにし(ステップS27)、ステップS26で接触又は重なり合う部分がないと判断した場合(例えば、図19のような場合)には、ステップS28に進む。
ステップS28では、Y軸−Z軸平面内における移動構造体の推定停止位置及び現在位置と、Y軸−Z軸平面内における静止構造体の位置と、Y軸−Z軸平面における静止構造体及び移動構造体の輪郭形状データとを基に、移動構造体の輪郭形状を現在位置から推定停止位置に移動させ、上記と同様にして、この移動により移動構造体の輪郭形状と静止構造体の輪郭形状との間で接触又は重なり合う部分が存在するかどうかを判断する(ステップS29)。
ステップS29で接触又は重なり合う部分があると判断した場合(例えば、図22のような場合)には、Y軸−Z軸平面内において移動構造体及び静止構造体が干渉するとみなして第3干渉確認フラグをONにし(ステップS30)、当該干渉確認処理を終了する。一方、ステップS29で接触又は重なり合う部分がないと判断した場合(例えば、図21のような場合)にも、当該干渉確認処理を終了する。そして、干渉確認処理を終了すると、ステップS8以降の処理に戻る。
このステップS8では、X軸−Y軸平面、X軸−Z軸平面、及びY軸−Z軸平面のすべてにおいて移動構造体と静止構造体が干渉すると判断されたか否か、即ち、第1,第2及び第3干渉確認フラグのすべてがONになっているか否かを確認し、すべてONになっているときには、移動構造体と静止構造体とが実際に干渉すると判断してアラーム信号を駆動制御部44及び前記表示制御部23に送信して処理を終了する。
一方、ステップS8で、各干渉確認フラグの内、いずれか1つでもOFFになっているときには、移動構造体と静止構造体は干渉しないと判断して、ステップS10に進み、処理終了かどうかを確認して、終了でない場合には、一定時間(各CCDカメラ11a…11f,12a…12l,13a…13hの撮像間隔と同じ時間)が経過したことを確認した後、上記ステップS1以降の処理を再び実行する(ステップS11)。一方、ステップS10で処理終了であると判断した場合には、上記一連の処理を終了する。
尚、上記各処理の内、ステップS1〜ステップS4が特許請求の範囲に言う干渉確認処理部の第1処理部に対応した処理、ステップS5が特許請求の範囲に言う干渉確認処理部の第2処理部に対応した処理、ステップS6が特許請求の範囲に言う干渉確認処理部の第3処理部に対応した処理、ステップS7が特許請求の範囲に言う干渉確認処理部の第4処理部に対応した処理である。
前記表示制御部23は、干渉判定処理部22から送信されたアラーム信号を受信すると、画面表示装置47にアラーム表示を行う。
以上のように構成された本例の干渉確認装置1によれば、まず、各画像生成装置11,12,13の第1画像生成処理が行われ、静止構造体及び移動構造体が撮像されて2次元画像データがそれぞれ生成され、生成された各2次元画像データが第1画像データ記憶部14に格納される。
ついで、輪郭形状データ設定処理部16により、第1画像データ記憶部14に格納された2次元画像データを基に、X軸−Y軸平面、X軸−Z軸平面、及びY軸−Z軸平面における静止構造体及び移動構造体の輪郭形状データが設定され、輪郭形状データ記憶部17に格納される。
この後、制御装置41(駆動制御部44)により送り機構部37,38,39及び主軸モータ40が制御されてワークWの加工が開始されると、移動構造体がX軸方向やY軸方向、Z軸方向に移動するが、このとき、各画像生成装置11,12,13の第2画像生成処理が行われ、一定時間間隔で加工領域K内が撮像されて2次元画像データが生成され、第2画像データ記憶部15に格納される。
各画像生成装置11,12,13の第2画像生成処理で生成され第2画像データ記憶部15に格納された2次元画像データは、画像合成処理部18により一定時間毎に合成され、X軸−Y軸平面、X軸−Z軸平面、及びY軸−Z軸平面についてそれぞれ1つの2次元合成画像データとされた後、合成画像データ記憶部19に格納される。
この後、干渉確認処理部21により、合成画像データ記憶部19に格納された2次元合成画像データであって最新のもの及びこの一定時間前のものと、輪郭形状データ記憶部17に格納された静止構造体及び移動構造体の輪郭形状データと、各CCDカメラ11a…11f,12a…12l,13a…13hの撮像間隔などを基に、X軸−Y軸平面、X軸−Z軸平面、及びY軸−Z軸平面のそれぞれにおいて移動構造体と静止構造体が干渉するか否かが確認される。
そして、X軸−Y軸平面、X軸−Z軸平面、及びY軸−Z軸平面のすべてにおいて移動構造体と静止構造体が干渉すると判断された場合には、干渉判定処理部22によりアラーム信号が駆動制御部44及び表示制御部23に送信される。アラーム信号が駆動制御部44によって受信されると、各送り機構部37,38,39及び主軸モータ40の作動が停止せしめられ、また、アラーム信号が表示制御部23によって受信されると、アラーム表示が画面表示装置47に表示される。尚、この干渉確認処理部21及び干渉判定処理部22における処理は、各CCDカメラ11a…11f,12a…12l,13a…13hの撮像間隔と同じ周期で実行される。
斯くして、本例の干渉確認装置1によれば、X軸,Y軸及びZ軸の直交3軸方向から移動構造体の移動領域内を撮像して2次元画像データを生成するとともに、生成した2次元画像データと、X軸−Y軸平面、X軸−Z軸平面、及びY軸−Z軸平面における静止構造体及び移動構造体の輪郭形状データとを基に、X軸−Y軸平面、X軸−Z軸平面、及びY軸−Z軸平面のそれぞれにおいて移動構造体及び静止構造体が干渉するか否かを確認し、すべての平面内で干渉すると判断した場合に移動構造体及び静止構造体が実際に干渉すると判断してアラーム信号を駆動制御部44及び表示制御部23に送信するようにしたので、簡単な処理で正確に干渉判定部20における一連の処理を実行することができる。
また、制御装置41から干渉判定用の情報を一切得ることなく処理を行っているので、当該干渉確認装置1を制御装置41から分離,独立した構成とすることができ、制御装置41の演算能力に左右されることなく、高精度且つ高速に干渉判定部20における処理を実施することができる。また、制御装置41(駆動制御部44)を少なくともアラーム信号のみ入力可能に構成すれば良く、制御装置41と当該干渉確認装置1との間で各種データの送受信を行う必要がないので、制御装置41を安価にしてNC旋盤30のコストを抑えることができる。また、更に、制御装置41の製造メーカに合わせて当該干渉確認装置1の仕様を変更するのを不要にし、どの製造メーカが製造した制御装置41にも同じ干渉確認装置1を適用することができるので、当該干渉確認装置1の開発期間や開発コストなどの面で負担を低減することができる。
また、移動構造体の移動速度などを基に設定した推定停止位置と移動構造体及び静止構造体の輪郭形状データとを用いて干渉判定処理を行っているので、干渉領域が移動構造体の移動速度に関係なく一律に設定され、移動構造体が高速で移動しているときでも干渉を防止すべく干渉領域を広くする必要のあった従来に比べ、移動構造体を静止構造体の近傍領域で移動させても干渉の恐れがあると判定され難くなり、作業性を向上させることができる。
また、移動構造体の現在移動速度及び加速時の最大加速度を考慮して停止位置を推定しているので、移動構造体が最大加速度で加速中であったとしても確実に静止構造体との干渉を防止することができる。
また、各画像生成装置11,12,13により静止構造体及び移動構造体を撮像して2次元画像データを生成し、生成した2次元画像データを基に静止構造体及び移動構造体の輪郭形状データを設定するようにしたので、これを簡単に設定することができる。
また、各CCDカメラ11a…11fを、これらの光軸がZ軸と平行となるように配置するとともにX軸方向及びY軸方向に並設し、各CCDカメラ12a…12lを、これらの光軸がY軸と平行となるように配置するとともにX軸方向及びZ軸方向に並設し、各CCDカメラ13a…13hを、これらの光軸がX軸と平行となるように配置するとともにY軸方向及びZ軸方向に並設したので、移動構造体が移動領域内のどの位置にあっても移動構造体をほぼ同じ形状で写すことができる。これにより、干渉確認を高精度に行うことができる。
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明の採り得る具体的な態様は、何らこれに限定されるものではない。
上例では、静止構造体(主軸32の先端部,チャック33及びワークWからなる構造体)と、移動構造体(刃物台36及び工具Tからなる構造体)とが相互に干渉するか否かを確認するようにしたが、これに限定されるものではなく、例えば、移動構造体とカバー体48との間で干渉が生じるか否かを確認するようにしても良い。
また、移動構造体の推定位置は、必ずしも上述のようにして推定する必要はない。また、更に、この推定位置は、駆動制御部44が直ちに移動構造体の停止処理を行った場合に現在位置にある移動構造体が停止すると想定される位置よりも移動構造体の移動方向において現在位置から離れた位置であれば良く、このような位置であれば、移動構造体が静止構造体と干渉する前に確実に移動構造体を停止させることができる。尚、このような推定位置は、例えば、駆動制御部44が直ちに移動構造体の停止処理を行った場合に現在位置にある移動構造体が停止すると想定される位置に一定値を付加したり、駆動制御部44が直ちに移動構造体の停止処理を行った場合に現在位置にある移動構造体が停止すると想定される位置と現在位置との差に1より大きい一定値を乗じて得られた値を現在位置に付加することで設定することができる。
この他、移動構造体の停止位置に代えて、所定時間経過後における移動構造体の位置を推定しても良く、この場合、例えば、ステップS5で算出した移動方向に同じく算出した移動速度で移動構造体が移動した場合の位置を推定したり、ステップS5で算出した移動速度から加速又は減速しつつ同じく算出した移動方向に移動構造体が移動した場合の位置を推定する。
また、上例では、移動構造体の停止位置を推定し、推定した停止位置などを用いてX軸−Y軸平面、X軸−Z軸平面、及びY軸−Z軸平面のそれぞれにおいて移動構造体と静止構造体が干渉するか否かを確認するようにしたが、これに限られるものではなく、認識した移動構造体の現在位置と静止構造体の位置などを基に、X軸−Y軸平面、X軸−Z軸平面、及びY軸−Z軸平面のそれぞれにおいて移動構造体と静止構造体が干渉するか否かを確認するようにしても良い。この場合、例えば、移動構造体の輪郭形状と静止構造体の輪郭形状との間で接触又は重なり合う部分が存在する場合や、移動構造体の輪郭形状と静止構造体の輪郭形状との間の距離が所定の距離よりも接近している場合に干渉すると判断する。
また、前記各CCDカメラ11a…11f,12a…12l,13a…13hの配置位置は、加工領域K内の静止構造体及び移動構造体を撮像可能であれば特に限定されるものではない。
また、各画像生成装置11,12,13に複数のCCDカメラ11a…11f,12a…12l,13a…13hを設けたが、1つのCCDカメラで加工領域Kの全体を撮像可能な場合には、1つのCCDカメラのみを各画像生成装置11,12,13に設けるようにしても良い。この場合には、画像の合成処理を省くことができる。また、各画像生成装置11,12,13のCCDカメラ11a…11f,12a…12l,13a…13hの内の1つでは、静止構造体及び移動構造体の全体をそれぞれ撮像することができないため、CCDカメラ11a…11f,12a…12l,13a…13hのいくつかを作動させてこれらを撮像し、得られた2次元画像を合成して輪郭形状を抽出するようにしたが、CCDカメラ11a…11f,12a…12l,13a…13hの1つで、静止構造体及び移動構造体を撮像することができる場合には、例えば、これらに最も近い位置にあるCCDカメラ11a…11f,12a…12l,13a…13hによりこれらをそれぞれ撮像し、得られた2次元画像から輪郭形状を抽出するようにしても良い。
また、刃物台が、例えば、所定の回転角度位置に割出可能に構成された工具主軸を備えているようなときには、干渉判定を行うに当たり、工具主軸の割出角度を認識する必要があるが、この場合、前記刃物台36のように1つの基準点Q,S,Vを設定するのではなく、3つの基準点を工具主軸の各輪郭形状に設定し、この3つの基準点により工具主軸の割出角度を認識するようにすると良い。
また、上例では、X軸,Y軸及びZ軸と平行な直交3方向から撮像して2次元画像データを取得するようにしたが、加工領域K,静止構造体及び移動構造体を間に挟んでCCDカメラ11a…11f,12a…12l,13a…13hと対向するように3組のCCDカメラを新たに配置し、合計6方向からこれらを撮像したり、CCDカメラ11a…11f,12a…12l,13a…13hの内、いずれか1組と対向するように1組のCCDカメラを新たに配置し、合計4方向からこれらを撮像したり、CCDカメラ11a…11f,12a…12l,13a…13hの内、いずれか2組と対向するように2組のCCDカメラを新たに配置し、合計5方向からこれらを撮像するなど、X軸,Y軸及びZ軸に沿った方向の内、一方向だけでなく、両方向から撮像するようにしても良い。この場合、各撮像方向で得られた2次元画像データを基に干渉確認を行い、すべての撮像方向について干渉すると判断した場合に移動構造体と静止構造体とが実際に干渉すると判断する。
また、上例では、工作機械としてNC旋盤30を一例に挙げて説明したが、本例の干渉確認装置1は、マシニングセンタなど各種の工作機械に設けることが可能である。また、工具Tは、バイトなどの旋削工具に限られず、ドリルやエンドミルなどの回転工具であっても良い。