JP5022760B2 - モータの給電構造 - Google Patents

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本発明は、給電用の相手コネクタが嵌合されるコネクタ部を有したモータの給電構造に関する。
この種のモータには、ケース等のハウジングに給電用の相手コネクタが嵌合されるコネクタ等の給電部品を取り付けたものがある。この際、ハウジング側に爪や孔を設け、これらに給電部品の弾性爪を係止して、給電部品をハウジングに固定している。
特開平8−163812号公報
前記従来のモータでは、ハウジングと給電部品の結合構造が外部に露出していて、それを取り外し用の工具等で解除する場合は、その解除が容易であるが、ハウジングと給電部品の結合構造が内部に存在する場合は、ロック解除機構や解除のための工具を挿入する必要があり、装置全体が大型化するおそれがあった。
そこで、本発明は、前記した課題を解決すべくなされたものであり、ハウジングに給電部品を簡単に取り付けたり、取り外すことができると共に、全体の小型化を図ることができるモータの給電構造を提供することを目的とする。
請求項の発明は、マグネットが固着されたヨークと、このヨークの開口端に固定され、内部に給電部品を収納したハウジングと、このハウジング内に収納され、中央にコンミュテータが貫通する円形の貫通孔を形成したブラシホルダと、このブラシホルダの貫通孔を挾むように少なくとも一対形成されたブラシ収納部に出没自在に収納されたブラシとを備え、前記ハウジングの内部に係止部を設け、この係止部に前記給電部品に設けられた弾性爪を係止して前記ハウジングの内部に前記給電部品を取り付けるようにし、前記給電部品に前記弾性爪を形成した可撓性アームを設け、この可撓性アームの先端に取り外し治具用の治具装着孔を形成したモータの給電構造であって、前記ハウジングに給電用の相手コネクタが嵌合される有底筒状のコネクタ部を形成し、このコネクタ部の底壁に該コネクタ部内に所定長突出する複数のターミナルの基部を貫通させると共に、該複数のターミナルの中途部を前記給電部品としてのターミナルホルダで保持し、かつ、前記コネクタ部の底壁の背面側に前記ターミナルホルダが収納される凹状のターミナルホルダ収納部を形成し、このターミナルホルダ収納部の両側壁に該ターミナルホルダの両側に設けられた可撓性アームの弾性爪が着脱自在に係止される係止部をそれぞれ形成し、このターミナルホルダの両側の可撓性アームの先端の肉厚部に取り外し治具用の治具装着孔を形成したことを特徴とする。
請求項の発明は、請求項記載のモータの給電構造であって、前記コネクタ部には、前記給電部品の収納方向と直角方向に前記可撓性アームの治具装着孔が露出する開口部を形成したことを特徴とする。
以上説明したように、請求項の発明によれば、給電部品に弾性爪を形成した可撓性アームを設け、この可撓性アームの先端に取り外し治具用の治具装着孔を形成したことにより、ハウジングの内部に給電部品の弾性爪を係止する係止部を有する場合でも、ハウジングが大型化することはなく、ハウジングの内部の係止部に給電部品の弾性爪を係止したり、係止解除を簡単に行うことができる。特に、ハウジングに給電用の相手コネクタが嵌合される有底筒状のコネクタ部を形成し、このコネクタ部の底壁に該コネクタ部内に所定長突出する複数のターミナルの基部を貫通させると共に、該複数のターミナルの中途部を給電部品としてのターミナルホルダで保持し、かつ、コネクタ部の底壁の背面側にターミナルホルダが収納される凹状のターミナルホルダ収納部を形成し、このターミナルホルダ収納部の両側壁に該ターミナルホルダの両側に設けられた可撓性アームの弾性爪が着脱自在に係止される係止部をそれぞれ形成し、このターミナルホルダの両側の可撓性アームの先端の肉厚部に取り外し治具用の治具装着孔を形成したことにより、複数のターミナルの中途部をターミナルホルダにより確実に保持して、長尺の各ターミナルの変形やガタ付きを確実に防止することができると共に、ハウジングのコネクタ部内への相手コネクタの着脱時の応力をターミナルホルダで確実に受けることができる。また、可撓性アームの治具装着孔に取り外し治具を装着することにより、ハウジングの内部の係止部と給電部品の弾性爪との係止状態を簡単に解除してハウジングの内部から給電部品を簡単に取り外すことができる。
請求項の発明によれば、コネクタ部に可撓性アームの治具装着孔が露出する開口部を形成したことにより、この開口部から露出した可撓性アームの治具装着孔に取り外し治具を装着して、ハウジングの内部の係止部と給電部品の弾性爪との係止状態を簡単に解除してハウジングの内部から給電部品を簡単に取り外すことができる。これにより、ハウジングの小型化を図ることができる。
以下、本発明の一実施形態を図面に基づいて説明する。
図1は本発明の一実施形態のモータを示す斜視図、図2は同モータの分解斜視図、図3は同モータのカバーを取り付ける前の状態をカバー側から見た斜視図、図4は同モータのカバーを取り付ける前の状態をキャップ側から見た斜視図、図5は同モータの正面図、図6は同モータのターミナルホルダ収納部の縦断面図、図7は同モータのコネクタ部の横断面図、図8は同モータに用いられるターミナルホルダの斜視図である。
図1〜図4に示すように、モータ10は、両側が開口した金属製で円筒状のヨーク11と、このヨーク11の後側の開口端11aに加締め固定される合成樹脂製のキャップ12と、ヨーク11の前側の開口端11cに加締め固定される合成樹脂製で有底円筒状のカバー(ハウジング)20と、これらヨーク11の前側の開口端11cとカバー20との間に挾持固定される合成樹脂製のブラシホルダ30とを備えており、例えば、車両のシートをスライドさせるシートスライド機構の駆動源として用いられるものである。
図2に示すように、円筒状のヨーク11の内周面11eには、一対のマグネット13,13が接着剤等を介して固着されている。また、図4に示すように、キャップ12の中央には円形の貫通孔12aを形成してあり、その周りの円筒部12bの内側には図示しない軸受を配設してある。さらに、図2,図4に示すように、カバー20の中央には円形の貫通孔22aを形成してあり、その周りの円筒部22bの内側には軸受14を嵌合してある。そして、この各軸受14には、両側出力軸タイプのアーマチュア軸15の両端15a,15aを回転自在に支持してある。また、このアーマチュア軸15の両端15a,15aの各端面の中央には角穴15bをそれぞれ形成してある。この各角穴15bには図示しないシートスライド機構の棒状のケーブル等が連結されるようになっている。
また、図2に示すように、アーマチュア軸15の一対のマグネット13,13に対向する位置には、アーマチュアコアとアーマチュアコイルから成るアーマチュア16が取り付けられている。さらに、アーマチュア軸15のヨーク11の前側の開口端11cに対向する位置には、コンミュテータ17が固定されている。このコンミュテータ17は所定数のコンミュテータ片17aを備えている。尚、図2に示すように、アーマチュア軸15の一端15aのコンミュテータ17と軸受14との間にはワッシャ18と円環状の弾性体19等を介在してある。
図2〜図4に示すように、ヨーク11の前側の開口端11cに加締めにより固定されるカバー20内には合成樹脂製で略円板状のブラシホルダ30が収納されるようになっている。このカバー20は、図1〜図4に示すように、ブラシホルダ30を収納する円筒壁部21と、この円筒壁部21の上部の前方に一体突出形成され、給電用の相手コネクタ50が嵌合される底壁24を有した四角筒状のコネクタ部23と、このコネクタ部23の底壁24の背面側に一体形成され、後述するターミナルホルダ40を着脱自在に収納する上面側が開口した凹状のターミナルホルダ収納部25とを有している。そして、カバー20の円筒壁部21の底壁22の中央に円形の貫通孔22aを形成してある。また、カバー20の円筒壁部21の両外側には上下各一対の段差部21a,21bを形成してある。この上下各一対の段差部21a,21bには、ヨーク11の前側の開口端11cの両側に形成された上下各一対の加締め片部11f,11gが加締められて係止されるようになっている。これにより、カバー20はブラシホルダ30を収納・挾持してヨーク11の前側の開口端11cに固定されるようになっている。
また、図4に示すように、カバー20の円筒壁部21の内周面(内面)21cの相対向する位置にはブラシホルダ30のブラシホルダ本体31の両側部を当接させる一対の当接部21d,21dを一体突出形成してある。この一対の当接部21d,21dの貫通孔22aを挾んで上下斜めの対称位置には円柱状の係止突起(位置決め係止部)21e,21eをそれぞれ一体突出形成してある。
図2,図3に示すように、ブラシホルダ30は、一対のブラシ34,34を保持する略合成樹脂製で円板状のブラシホルダ本体31を有している。このブラシホルダ本体31の中央には円形の貫通孔31aを形成してある。このブラシホルダ本体31の貫通孔31aを挾む相対向する位置の左右両側には、箱状の一対のブラシ収納部32,32を形成してある。この各ブラシ収納部32内にはブラシ34を出没自在に収納していて、該ブラシ34は図示しない捩りコイルバネ(付勢手段)によりコンミュテータ17のコンミュテータ片17aに接触するように押圧付勢されている。また、ブラシホルダ本体31の前面の貫通孔31aを挾んだ対称位置である各ブラシ収納部32から離れた位置、即ち、カバー20の一対の係止突起21e,21eに相対向する位置には、円環状に突出したリブ33aから成る係合凹部(位置決め係合部)33を形成してある。この各係合凹部33にはカバー20の各円柱状の係止突起21eが嵌合されるようになっている。
また、図2に示すように、ブラシホルダ30のブラシホルダ本体31の上,下部の両側には各一対の突出片31b,31bをそれぞれ一体突出形成してある。この各一対の突出片31b,31bはヨーク11の前側の開口端11cとカバー20の円筒壁部21の端部21gに挾持されるようになっていると共に、該各一対の突出片31b,31bはカバー20の円筒壁部21の端部21gの各凹部21hに挾持されて位置決めされるようになっている。これにより、ブラシホルダ本体31はヨーク11の前側の開口端11cとカバー20の円筒壁部21の端部21gとの間に挾持されて固定されるようになっている。
さらに、図2,図3,図7に示すように、ブラシホルダ30のブラシホルダ本体31の上部には、一つのターミナル35の基部35aが嵌合される端子固定孔部(ターミナル取付部)31cを形成してあると共に、4つのターミナル36の基部36aの丸孔が貫通されて熱溶着されるボス状の溶着部(ターミナル取付部)31dをそれぞれ一体突出形成してある。図5〜図7に示すように、各ターミナル35,36は、カバー20のコネクタ部23の底壁24に形成された端子貫通孔24aに貫通されて該コネクタ部23内に所定長突出している。また、図7に示すように、各ターミナル35,36の中途部35b,36bに切欠き35d,36dを有する凸部35c,36cを形成してある。そして、各ターミナル35,36の凸部35c,36cの切欠き35d,36dは、カバー20の凹状のターミナルホルダ収納部25に着脱自在に取り付けられた後述するターミナルホルダ40にそれぞれ嵌合されるようになっている。この各ターミナル35,36の凸部35c,36cの切欠き35d,36dは、カバー20のコネクタ部23の底壁24に形成された端子貫通孔24aの挿入方向手前に位置されている。
図2,図6〜図8に示すように、ターミナルホルダ(給電部品)40は合成樹脂製のターミナルホルダ本体41を有している。このターミナルホルダ本体41は、カバー20のコネクタ部23の底壁24の背面側に形成された各ターミナル35,36に直交するように凹状のターミナルホルダ収納部25の上面開口より該凹状のターミナルホルダ収納部25内に嵌め込まれて複数のターミナル35,36にそれぞれ嵌合するようになっている。
図2,図6,図8に示すように、ターミナルホルダ本体41の両側には、可撓性アーム42,42をそれぞれ一体突出形成してある。この各可撓性アーム42の中途部42aには、ターミナルホルダ収納部25の両側壁25a,25aに形成された各鉤部(係止部)25bに着脱自在に係止される弾性爪(係止爪)43を一体突出形成してある。また、図8に示すように、各可撓性アーム42の先端の肉厚部42bには、取り外し治具用の治具装着孔44を形成してある。図5に示すように、この各可撓性アーム42の治具装着孔44は、カバー20のコネクタ部23の底壁24の両下側に形成された各開口部24b,24bから露出するようになっている。さらに、ターミナルホルダ本体41の底面41aには、各ターミナル35,36の凸部35c,36cの切欠き35d,36dに係止される棒状及びT字状の突起45,46,47をそれぞれ一体突出形成してある。
尚、図6に示すように、カバー20のコネクタ部23の底壁24の背面側に形成された凹状のターミナルホルダ収納部25の底壁25cには、各ターミナル35,36の凸部35c,36cに当たる当接部25dをそれぞれ一体突出形成してある。また、複数のターミナル35,36のうち両側の各ターミナル35,36はモータ駆動用(電源用)であり、内側の3本の各ターミナル36,36,36はセンサ用(回転位置検出用)である。さらに、図1,図4に示すように、ヨーク11の後側の開口端11aには所定間隔毎に加締め片部11hを突出形成してある。この各加締め片部11hをキャップ12の各凹部12cに加締めることにより、ヨーク11の後側の開口端11aにキャップ12が固定されるようになっている。
以上実施形態のモータ10によれば、図7に示すように、複数のターミナル35,36の中途部35b,36bに形成された凸部35c,36cの切欠き35d,36d内に、カバー20のコネクタ部23の凹状のターミナルホルダ収納部25内に収納された合成樹脂製のターミナルホルダ40の各突起45,46,47が嵌め込まれるため、複数のターミナル35,36の中途部35b,36bを合成樹脂製のターミナルホルダ40により確実に保持することができる。これにより、長尺の各ターミナル35,36の変形やガタ付きを確実に防止することができると共に、カバー20のコネクタ部23内への相手コネクタ50の着脱時の応力をターミナルホルダ40で確実に受けることができる。
また、図6に示すように、カバー20のコネクタ部23の凹状のターミナルホルダ収納部25内に収納された合成樹脂製のターミナルホルダ40は、そのターミナルホルダ本体41の両側に一体突出形成された一対の可撓性アーム42,42の各中途部42aの弾性爪43を、ターミナルホルダ収納部25の両側壁25a,25aに形成された各鉤部25bに係止させているが、図5に示すように、ターミナルホルダ40の一対の可撓性アーム42,42の各治具装着孔44は、カバー20のコネクタ部23の底壁24の両下側に形成された各開口部24b,24bからそれぞれ露出しているため、この各開口部24b,24bから露出した各可撓性アーム42の治具装着孔44に図示しない取り外し治具を装着して各各可撓性アーム42を近づく方向に弾性変形させれば、ターミナルホルダ収納部25の両側壁25a,25aの各鉤部25bとターミナルホルダ40の一対の可撓性アーム42,42の各中途部42aの弾性爪43との係止状態を簡単に解除することができ、ターミナルホルダ収納部25内からターミナルホルダ40を簡単に取り外すことができる。即ち、取り外し治具は、コネクタ部23内から挿入され、ターミナルホルダ収納部25内へは挿入されることがないため、ターミナルホルダ収納部25の内部空間の省スペース化を図ることができる。その結果、カバー20全体の小型化を図ることができる。
尚、前記実施形態によれば、給電部品としてターミナルホルダを用いた場合について説明したが、給電部品はターミナルホルダに限られるものではないことは勿論である。
本発明の一実施形態のモータを示す斜視図である。 上記モータの分解斜視図である。 上記モータのカバーを取り付ける前の状態をカバー側から見た斜視図である。 上記モータのカバーを取り付ける前の状態をキャップ側から見た斜視図である。 上記モータの正面図である。 上記モータのターミナルホルダ収納部の縦断面図である。 上記モータのコネクタ部の横断面図である。 上記モータに用いられるターミナルホルダの斜視図である。
符号の説明
10 モータ
11 ヨーク
11c 開口端
11e 内周面
13 マグネット
17 コンミュテータ
20 カバー(ハウジング)
23 コネクタ部
24 底壁
24b 開口部
25 ターミナルホルダ収納部
25b 鉤部(係止部)
30 ブラシホルダ
31a 貫通孔
32,32 一対のブラシ収納部
34 ブラシ
35,36 ターミナル
35a,36a 基部
35b,36b 中途部
40 ターミナルホルダ(給電部品)
42 可撓性アーム
42b 先端の肉厚部
43 弾性爪
44 治具装着孔
50 相手コネクタ

Claims (2)

  1. マグネットが固着されたヨークと、このヨークの開口端に固定され、内部に給電部品を収納したハウジングと、このハウジング内に収納され、中央にコンミュテータが貫通する円形の貫通孔を形成したブラシホルダと、このブラシホルダの貫通孔を挾むように少なくとも一対形成されたブラシ収納部に出没自在に収納されたブラシとを備え、前記ハウジングの内部に係止部を設け、この係止部に前記給電部品に設けられた弾性爪を係止して前記ハウジングの内部に前記給電部品を取り付けるようにし
    前記給電部品に前記弾性爪を形成した可撓性アームを設け、この可撓性アームの先端に取り外し治具用の治具装着孔を形成したモータの給電構造であって、
    前記ハウジングに給電用の相手コネクタが嵌合される有底筒状のコネクタ部を形成し、このコネクタ部の底壁に該コネクタ部内に所定長突出する複数のターミナルの基部を貫通させると共に、該複数のターミナルの中途部を前記給電部品としてのターミナルホルダで保持し、かつ、前記コネクタ部の底壁の背面側に前記ターミナルホルダが収納される凹状のターミナルホルダ収納部を形成し、このターミナルホルダ収納部の両側壁に該ターミナルホルダの両側に設けられた可撓性アームの弾性爪が着脱自在に係止される係止部をそれぞれ形成し、このターミナルホルダの両側の可撓性アームの先端の肉厚部に取り外し治具用の治具装着孔を形成したことを特徴とするモータの給電構造。
  2. 請求項1記載のモータの給電構造であって、
    前記コネクタ部には、前記給電部品の収納方向と直角方向に前記可撓性アームの治具装着孔が露出する開口部を形成したことを特徴とするモータの給電構造。
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