JP5022660B2 - 磁場計測装置 - Google Patents

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Description

本発明は、主に胎児の心臓から発生する磁場を検出することを目的とした生体磁場計測装置に関する。
心臓から発生する磁場(心磁)を計測する心磁計においては、センサを被験者の計測部位(成人であれば胸部、胎児であれば母体の下腹部)に安全かつ正確に近づけることが重要である。従来技術では、センサを保持する筒型のクライオスタットあるいは被験者が横たわるベッドを上下方向に移動させることによって、センサの計測位置を調整してきた。この方法では、水平面と平行なセンサ面と体表面が必ずしも平行ではないため、信号強度が減少してしまうという課題があった。特に、胎児の心臓磁場を検出する場合には、センサ面を母体の下腹部に近づける必要があるため、正確な位置合わせが困難であった。
これに対して、例えば、特許文献1〜6においては、クライオスタットを傾ける機構や上下させる機構をガントリに付加することで位置合わせを容易にする工夫がされている。
従来、心磁計測や脳磁計測に用いられる生体磁場計測装置は、対象となる生体の磁気信号を超伝導線から構成される検出コイルによって検出し、超伝導量子干渉素子(Superconducting Quantum Interference Device:以後SQUIDと略す)に伝達するという方法が採用されている。検出コイルは、環境磁場によるノイズを除去し、S/N(Signal/Noise)比を高める役割を担う。生体磁気計測及び検出コイルについては、非特許文献1に詳しい説明がある。
特開平7−265276号公報 特開2000−139864号公報 特開平5−212008号公報 特開平6−197879号公報 特開平6−197880号公報 特開平9−327444号公報 S. J. Williamson and L. Kaufman、 J. Magn. Magn. Mater. 22、 129 (1981).
従来技術では、センサを保持するクライオスタットあるいは被験者が横たわるベッドが上下することによって、センサの計測位置を調整してきたが、センサ面と体表面が必ずしも平行ではないため、その結果として信号強度が減少してしまうという課題があった。また、クライオスタットを傾ける機構や上下させる機構をガントリに付加していても、傾けたまま上下させなくてはならず、その場合には胎児心磁を測定する場合に、被験者に圧迫感を与え、また、位置合わせがしにくいという問題点があった。
また、従来の微分型磁気検出コイルは、非特許文献1(Fig. 5)に示すように、ある1方向に微分された磁場を検出する構成しかなかった。この方法では、磁気シールドレス環境など、環境磁場が大きい場合において環境磁場が十分に低減されないという課題があった。環境磁場を低減するためには、微分型磁気検出コイルの次数を高くするという方法があるが、この方法では、環境磁場は低減するものの、一方で検出対象である磁気信号も同時に低減してしまうという問題がある。
前記問題に対して、本発明では、正確な位置合わせと高感度な信号検出が可能な生体磁場計測装置を提供する。具体的には、センサ面と母体の腹壁とを安全かつ正確に近づけることによって、胎児の生体磁気信号を安全かつ高感度に検出可能な生体磁場計測装置を提供する。
本発明の生体磁場計測装置では、センサ面と体表面とを平行に保ったまま接近させるために、クライオスタットは首振り方向と伸縮方向の移動が可能な構造とした。ガントリは3つの支持体によって構成される。第1の支持体はガントリ全体を支持する門型支持体である。第2の支持体は第1の支持体によって支持され、第1の方向を軸として回転可能である。第3の支持体は第2の支持体によって支持され、クライオスタットの軸方向に移動可能である。クライオスタットは第3の支持体によって支持され、第3の支持体と一体となって動く。
クライオスタットを保持するガントリは、クライオスタットの振動を抑えることを目的として、門型である。
計測者がセンサ面と被検体との位置関係を目視によって正確に確認できるよう、ガントリの支持部に切欠き部を有する構造とした。
クライオスタットの先端部には、被験者側に傾いた面を有しており、そこにセンサを設けるようにした。
液体ヘリウム補給、クライオスタットの真空引き、及びセンサ交換等のメンテナンス作業を効率良く行うために、ガントリ正面のカバーはヒンジ構造により開閉可能である。
クライオスタットには、電磁波を遮蔽するために、表面に導電性塗料が塗布される。
クライオスタットにおいて、磁気センサの検出面に近いクライオスタット表面間の距離を感知する距離センサを有する。
クライオスタットにおいて、磁気センサの検出面に近いクライオスタット表面には、クライオスタット表面にかかる圧力を検知する圧力センサを有する。
本発明によれば、クライオスタットを首振り・伸縮と自由にその位置を動かすことにより、測定したい点にセンサを固定することが可能である。その結果、センサと信号源との距離を最小限に近づけることができるので、得られる信号強度が従来よりも大きくなるという効果がある。さらに、座位でも仰臥位でも測定が可能である。
以下、本発明の実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。以下の図面においては、同一機能をもつ構成要素には同じ参照番号を付している。
以下の実施形態における装置で使用される検出コイルを構成する超伝導材料として、低温(例えば、液体ヘリウム温度)において超伝導体として作用する低温の超伝導転移温度をもつ低温超伝導材料、または高温(例えば、液体窒素温度)で超伝導体として作用する高温の超伝導転移温度をもつ高温超伝導材料が使用できる。液体ヘリウム温度と液体窒素温度の間の超伝導転移温度とをもつ超伝導材料、液体窒素温度より高い超伝導転移温度をもつ超伝導材料を使用してもよい。また、検出コイルを構成する部材は、銅等の電気伝導率の高い金属も使用できるものとする。
図1は、本実施形態における磁場計測装置を示す斜視図である。図2は、本実施形態における磁場計測装置を示す六面図である。図2(a)〜(f)はそれぞれ、(a)正面、(b)背面、(c)左側面(正面から見て左側の面)、(d)右側面(正面から見て右側の面)、(e)上面、(f)下面を示す。図3は、本実施形態における磁場計測装置を示す断面図である。図3(a)は図2(a)のA−A断面における断面図であり、図3(b)は図2(a)のB−B断面における断面図である。ここで、クライオスタット103は、水平面に対して傾いた検出面604を持ち、この検出面604付近にSQUID磁束計を保持している。従来のクライオスタットでは、検出面と水平面とがほぼ平行であることが多い。これは、成人の心磁を計測する場合に適しているからである。一方で、母体が仰臥した状態では、腹部の体表面は水平面に対して傾斜しているため、検出面と計測部位を近づけることが困難で、胎児の心磁計測には適していなかった。さらに、クライオスタットを約30度以上傾けると、中に充填してある液体ヘリウム等の冷媒が急激に蒸発してしまうという問題もあった。本発明では、クライオスタット103の検出面604が水平面に対して傾いた構成であるため、母体腹部の計測部位と検出面604との位置合わせが容易になるだけでなく、クライオスタット103を大きく傾けなくても母体腹部の体表面と検出面604を平行に調節することが可能となる。
磁場計測装置101は、SQUID磁束計を低温に保持、固定するクライオスタット103と、クライオスタット103を支持かつ駆動するガントリによって構成される。第1の支持体102はガントリの構造体の一部であり、ガントリ全体を支持する。第1の支持体102は門型構造により、ガントリの振動を抑えることができる。ガントリの振動を抑えることによって、クライオスタット103の中に保持されているSQUID磁束計の振動が抑えられ、振動に起因する磁気雑音が低減されるという効果がある。
ガントリ前面カバー105は、ガントリの構造体の一部であり、ヒンジ構造によって開閉可能である。通常、ガントリ前面カバー105を閉じた状態で磁場計測装置101を使用するが、クライオスタット103のメンテナンス作業を行う際はガントリ前面カバー105を開いた状態にする。ヒンジ構造を採用しているので、ガントリ前面カバー105全体を取り外す必要がなく、メンテナンス作業を効率的に行うことができるという効果がある。また、コントローラ106はガントリの駆動を操作するのに用いられる。また、クライオスタット位置表示107がガントリ前面カバー105の中心位置に設置され、透明部材108を通してクライオスタット位置表示107により、クライオスタット103の位置を確認できる構成となっている。
ここで、磁場計測装置101を構成するガントリやクライオスタットは全て非磁性材料で形成されることが望ましい。本実施形態では、ガントリはアルミニウムや真鍮によって形成され、クライオスタットはFRP(繊維強化プラスチック)によって形成される。なお、図1の斜視図において、透明部材108の平行斜線は、外観として現れる線ではなく、便宜上、その部分が透明であることを表しているものである。
図4および図5は、本実施形態におけるガントリの詳細構造を示す図である。第1の支持体102は床面に固定され、ガントリ全体を支持する。第1の支持体102は、第2の支持体301を支持し、駆動手段401aおよび401bと、クランク402aおよび402bにより、第2の支持体301を第1の方向を回転軸として回転駆動する。ここで、駆動手段401aおよび401bは油圧シリンダによって構成され、これらが伸縮することにより、第2の支持体に固定されたクランク402aおよび402bが回転し、その結果、第2の支持体も第1の方向を回転軸として回転する。第1の方向(回転軸の方向)は、筒型形状のクライオスタット103の軸と平行な第2の方向(長手方向)と略垂直であり、第1の支持体の両足部を繋ぐ方向である。クライオスタット103の先端にある検出面604は第1の方向を回転軸として首振り駆動するものとする。首振りの角度はクライオスタット103の軸が鉛直方向の状態から+30度から−30度の範囲が測定上望ましい。
第2の支持体301は、第3の支持体302を支持し、駆動手段501によって第3の支持体302を第2の方向に駆動する。具体的には、駆動手段501は油圧シリンダによって構成され、第2の支持体301と第3の支持体302との間に固定されており、油圧シリンダが伸縮することによって、第3の支持体302が第2の支持体301からみてクライオスタットの軸方向である第2の方向に移動する。第3の支持体302の両端にはガイド機構403aおよび403bが固定されている。ガイド機構403aおよび403bは、第2の支持体301に固定されたレール404aおよび404bに沿って第2の方向に移動する。その結果、第3の支持体302は円滑に第2の方向に移動することができる。さらに、クライオスタット103は、中間フランジ603を介して第3の支持体302に固定され、第1の方向を回転軸として回転駆動され(首振り駆動と呼ぶ)、さらに第2の方向に駆動される(伸縮駆動と呼ぶ)。
図6は本実施形態におけるクライオスタットを示す斜視図であり、図7は本実施形態におけるクライオスタット103を示す六面図である。図7(a)〜(f)はそれぞれ、(a)正面、(b)背面、(c)左側面(正面から見て左側の面)、(d)右側面(正面から見て右側の面)、(e)上面、(f)下面を示す。
クライオスタット103は真空断熱容器であり、液体ヘリウムを内部に充填し、SQUID磁束計を低温に保持する目的で使用される。SQUID磁束計を駆動するFLL回路601はクライオスタット103の側面に固定される。SQUID磁束計とFLL回路とを接続するケーブルが長いと、信号が減衰してしまう上に雑音が乗りやすいため、ケーブルはなるべく短い方が望ましい。本実施例では、クライオスタット103の側面にFLL回路601を固定することによって、SQUID磁束計とFLL回路とを接続するケーブルを短くすることができる。真空引き口602はクライオスタット103がガントリに固定された状態で正面の位置にくるように配置される。その結果、クライオスタット103をガントリの上に固定した状態で真空引き作業を行うことができる。クライオスタット103は中間フランジ603を第3の支持体302(図4参照)に固定することによって、ガントリに固定され、かつ駆動される。
また、SQUID磁束計の検出コイルはクライオスタット103内部の検出面604付近に固定される。図6に示されるように、検出面604がクライオスタット103の側面に対して突起した形状にすることにより、検出面604を容易に妊婦の腹部の計測位置に合わせることが可能となる上に、被験者への圧迫感も軽減するという効果がある。さらに、検出面602をクライオスタット103の軸方向(第2の方向)に垂直な面から傾きを持たせることにより、検出面604を水平面に対して大きく傾かせることができる。本実施形態では、検出面604はクライオスタット103の軸方向(第2の方向)に垂直な面から15度の角度の傾きを持つ。母体が仰臥した状態では、腹部体表面の水平面に対する傾きは概ね45度より小さいので、後述のように、クライオスタットが30度まで傾斜する構成の場合には、検出面の傾きが15度から30度程度であれば、母体腹部の表面が水平面に対してほぼ水平な場合でも、45度傾いている場合でも検出面と計測部位の体表面とをほぼ平行に近づけることが可能となり、その結果、精度良く位置合わせを行うことができる。
通常、クライオスタット103には液体ヘリウムが充填されているため、過度に傾けることができない。本実施形態では、クライオスタット103の首振りの角度が第2の方向が鉛直方向の状態から+30度から−30度の範囲で可変である。ここで、検出面と水平面とのなす角度の絶対値に着目すると、検出面が第2の方向と垂直な面の場合は、該角度は0度から30度の範囲で変化するのに対し、本実施形態では該角度は0度から45度の範囲で変化する。つまり、本実施形態によれば、同じ首振りの角度でより大きく検出面604の角度を変化させることが可能となる。検出面604の角度範囲が大きくなることによって、被験者の体表面と検出面604との位置合わせをより正確に行うことが可能となる。さらに、被験者が座位の状態においても計測することが可能となる。
また、計測面604の面積を小さくすることにより、検出コイルと計測面604との間の真空層、デュワ外層、デュワ内層の厚みを薄くすることができる(図12)。その結果、信号源と検出コイルとの距離が小さくなり、信号強度が大きくなるという効果がある。
また、クライオスタット103の表面には銀などの電気伝導性の良い金属を含んだ導電性塗料が塗布されている。この導電性塗料は電磁波を遮蔽する効果がある。電磁波は環境雑音となるだけでなく、SQUIDの検出感度を劣化させてしまうという悪影響をもたらす。従来は、クライオスタットをパーマロイやアルミニウムで構成された磁気シールドルームの内部に置くことによって電磁波を遮蔽していた。一方で、本実施形態ではクライオスタットそれ自体に電磁波を遮蔽する機能を持たせることによって、磁気シールドルームを用いることなく電磁波を遮蔽することが可能となる。また、FLL回路601を真鍮やSUS等の非磁性の金属のネジを用いてクライオスタット103に固定することにより、クライオスタット103に塗布された導電性塗料をFLL回路601のグラウンドに接地することができる。その結果、導電性塗料は電磁波遮蔽体として安定に機能することが可能となる。
また、クライオスタット103において、検出面604の表面にかかる圧力を感知する圧力センサがあってもよい。この圧力センサにより、被験者とクライオスタット103の検出面604とが接触して過大な圧力がかからないようその圧力を計測することが可能となる。同様に、クライオスタット103の検出面604と被験者の体表面の距離を感知する距離センサをクライオスタット103またはガントリにあっても良い。この距離センサにより、被験者とクライオスタット103の検出面604との距離を測定することができるので、被験者とクライオスタット103の検出面604との接触を防止することができる上に、検出面604の位置合わせを自動制御にすることも可能となる。
図8は、本実施形態における検出コイルを示す斜視図である。
検出コイル1は、ボビン11aに超伝導線材を第1の方向に1ターン巻きつけて形成したコイル1aと、コイル1aから垂直方向に所定の距離だけ離れた箇所に第1の方向とは逆向きの第2の方向に1ターン巻きつけて形成したコイル1bと、コイル1aから水平方向に所定の距離だけ離れた箇所に存在するボビン11bに超伝導線材を第2の方向に1ターン巻きつけて形成したコイル1cと、コイル1cから垂直方向に所定の距離だけ離れた箇所に第1の方向に1ターン巻きつけて形成したコイル1dとを持つ。すなわち、検出コイル1は、1本の線材からなる。ここで、コイル1aとコイル1cはそれぞれ同一平面上に存在し、またコイル1bとコイル1dはそれぞれ同一平面上に存在する。つまり、1次微分型コイルが、所定の間隔で複数並列に配置されている。この構成により、検出コイル1が検出する下記(式1)の磁束ΦP1は、コイル1aを貫く磁束Φ1aとコイル1bを貫く磁束Φ1bとコイル1cを貫く磁束Φ1cとコイル1dを貫く磁束Φ1dとを用いて、次のように表すことができる。

ΦP1=(Φ1a−Φ1b)−(Φ1c−Φ1d) ・・・(式1)

つまり、本実施形態の検出コイル1は、ボビン11a(第1項)、11b(第2項)の軸方向(垂直方向)に1次微分すると同時に、水平方向に1次微分する検出コイルである。このように、検出コイル1は、垂直方向に1次微分され、さらに水平方向に1次微分された磁気信号を検出するため、1次微分型検出コイルを用いた場合よりも環境磁場を低減することができる。
図9は、本実施形態における検出コイルを示す斜視図である。
本実施形態の検出コイル2は、ボビン21aに超伝導線材を第1の方向に1ターン巻きつけて形成したコイル2aと、コイル2aから垂直方向に所定の距離だけ離れた箇所に第1の方向と反対の第2の方向に2ターン巻きつけて形成したコイル2bと、コイル2bから、さらに垂直方向に所定の距離だけ離れた箇所に第1の方向に1ターン巻きつけて形成したコイル2cと、コイル2aから水平方向に所定の距離だけ離れた箇所に存在するボビン21bに超伝導線材を第2の方向に1ターン巻きつけて形成したコイル2dと、コイル2dから垂直方向に所定の距離だけ離れた箇所に第1の方向に2ターン巻きつけて形成したコイル2eと、コイル2eから、さらに垂直方向に所定の距離だけ離れた箇所に第2の方向に1ターン巻きつけて形成したコイル2fとを持つ。すなわち、検出コイル2は、1本の線材からなる。ここで、コイル2aとコイル2dはそれぞれ同一平面上に存在し、またコイル2bとコイル2eはそれぞれ同一平面上に存在し、またコイル2cとコイル2fはそれぞれ同一平面上に存在する。つまり、2次微分型コイルが、所定の間隔で複数並列に配置されている。この構成により、検出コイル2が検出する下記(式2)の磁束ΦP2は、コイル2aを貫く磁束Φ2aとコイル2bを貫く磁束Φ2bとコイル2cを貫く磁束Φ2cとコイル2dを貫く磁束Φ2dとコイル2eを貫く磁束Φ2eとコイル2fを貫く磁束Φ2fとを用いて、次のように表すことができる。

ΦP2=(Φ2a−2Φ2b+Φ2c)−(Φ2d−2Φ2e+Φ2f) ・・・(式2)

つまり、本実施形態の検出コイル2は、ボビン21a(第1項)、21b(第2項)の軸方向(垂直方向)に2次微分すると同時に、水平方向に1次微分する検出コイルである。このように、検出コイル2は、垂直方向に2次微分され、さらに水平方向に1次微分された磁気信号を検出するため、2次微分型検出コイルを用いた場合よりも環境磁場を低減することができる。
なお、図8および図9に示す検出コイルは、コイルの形状が円形状であるとしているが、これに限らず、例えば多角形状のコイルを用いてもよい。
次に、図9を参照しつつ、図10および図11を参照して本実施形態における検出コイルの配置方法の一例を説明する。
図10は、本実施形態における検出コイルの配置を示す斜視図である。
検出コイル12a、12bは、図10に示される検出コイル2と同じ構成をもつ。すなわち、検出コイル12aも12bも、微分型コイルをそれぞれ1対備えた構成となっている。検出コイル12aは、2次微分型検出コイルの構成を有するコイル1201、およびコイル1201と逆向きの巻き方向を有するコイル1202からなり、同様に、検出コイル12bは、2次微分型検出コイルの構成を有するコイル1203、およびコイル1201と逆向きの巻き方向を有するコイル1204からなる。検出コイル12a、12bの組のことを検出コイル組12と記載することにする。ここで、検出コイル組12は、検出コイル12a、12bを互いに水平方向における1次微分の方向が直交するように配置されていることが特徴である。
図11(a)は、図11に示される検出コイル組を模式的に表した上面図である。図11(b)は、磁場源である電流ベクトルと、検出コイル12aによって検出されるx軸方向に1次微分されたz方向の磁束密度Bおよび検出コイル12bによって検出されるy軸方向に1次微分されたz方向の磁束密度Bとの関係を示す図である。
一般に、心筋電流等の電流が、x軸方向の向きに流れている場合、その電流の発生する磁場を検出するには、図11(a)のy軸方向に微分した検出コイルを用いることにより、磁気信号を検出することができる。一方で、x軸方向に微分した検出コイルを用いた場合は、ほとんど信号が検出されない。このように、水平方向で微分する検出コイルを用いる場合には、磁場源となる電流の向きと直交する方向に微分した検出コイルを用いることが望ましい。しかしながら、心筋電流のように、計測対象の電流の向きが予め分からない場合は、図10に示される検出コイル組12のように、本実施形態の検出コイル2つを直交させる形で配置することが望ましい。
さらに、検出コイル12aによって検出された磁束密度をB、検出コイル12bによって検出された磁束密度をBとすると、それらのベクトル和である次式を算出することが可能である。

=√(B +B ) ・・・(式3)

(式3)を算出することによって、計測対象である電流源の向きによらず、確実に電流源の発生する磁場を検出することが可能となる。
また、磁場源である電流ベクトルをI=(I、I)とすると、電流のx成分I、および電流のy成分Iはそれぞれ、x軸方向に1次微分されたz方向の磁束密度の変化
ΔB/Δx、およびy軸方向に1次微分されたz方向の磁束密度の変化ΔB/Δyを用いて近似的に以下の式で表される。(H. Hosaka and D. Cohen、 “Visual determination of generators of the magnetocardiogram”、 Journal of Electrocardiology (米国)、1976年、第9巻、p. 426-432 参照)。

(I、I)∝(−ΔB/Δy、ΔB/Δx) ・・・(式4)

したがって、検出コイル12aによって検出されるx軸方向に1次微分されたz方向の磁束密度Bおよび検出コイル12bによって検出されるy軸方向に1次微分されたz方向の磁束密度Bを用いて、磁場源である電流のx成分Iおよび電流のy成分
は近似的に以下の式で表される。

(I、I)∝(−B、B) ・・・(式5)

このことから、検出コイル組12は、磁場源である電流を近似的に電流ベクトルとして検出することができる。すなわち、図11(b)に示されるように、検出コイル12a、12bから検出される磁束密度BとBを用いて電流をベクトルとして表現することができる。
このように、検出コイル組12を複数配置することにより、磁場分布を検出することが可能となる。さらに、(式5)を用いることにより、磁場源である電流ベクトルの分布(電流ベクトル場)を検出することが可能となる。これにより、脳磁計測に関しては、神経電流が流れている方向を気にすることなく、神経電流が流れている箇所を推定することが可能となる。
図12は、図7(a)のC−C断面における断面図であり、本実施形態におけるクライオスタットを示す。クライオスタット103の内部には、液体ヘリウムが充填され、外界と真空層で断熱されている。検出コイル組701は、図10に示される検出コイル組12と同じ構成である。ここで、各検出コイルは、検出コイル面がクライオスタット103の検出面604と平行となるように配置される。また、クライオスタット103は、検出面604において他の部分に比べて内層、外層、真空層がそれぞれ薄く加工されている。その結果、検出コイル面と信号源との距離を小さくなり、信号強度が大きくなる効果がある。
また、検出面604には圧力センサ605を備えており、被験者の体表面と検出面604との圧力を計測することができる。この構成により、例えば検出面が体表面に接触したことを検出することが可能となる。また、予めしきい値を設定しておくことで、しきい値以上の圧力がかかった時に警報を鳴らしたり、装置を自動停止したりすることができる。
図13は、本実施形態におけるクライオスタット103の首振り駆動の様子を示す。(a)はクライオスタット103が最も前方に首振りした状態(首振り角+30度)を示す。この時検出面は水平面と45度の角度を持つ。(b)は第2の方向が鉛直方向な状態、すなわちクライオスタット103が直立した状態を示す。(c)はクライオスタット103が最も後方に首振りした状態(首振り角−30度)を示す。
第1の方向(回転軸の方向)は、筒型形状のクライオスタット103の軸と平行な第2の方向(長手方向)と略垂直であり、クライオスタット103の先端にある検出面604は第1の方向を回転軸として首振り駆動するものとする。首振りの角度はクライオスタット103の軸が鉛直方向の状態から+30度から−30度の範囲である。
図14は、本実施形態におけるクライオスタット103の伸縮駆動の様子を示す。(a)は最も縮んだ状態、(c)は最も伸びた状態、(b)はその中間の状態を示す。クライオスタット103は第3の支持体302に固定され、駆動手段501(図5参照)によって第2の方向に駆動される。本実施形態では、クライオスタット103は第2の方向に20cm可動するものとする。より具体的には、クライオスタット103が直立した状態(図13(b)の状態)において、この場合には、検出面604は床面から高さ約70cmから約90cmの範囲で伸縮駆動される。
図15は本実施形態における生体磁場計測装置を用いて胎児の心臓磁場計測を実施する時において、クライオスタット103と妊婦の被験者との位置関係を示す図である。(a)は妊婦の被験者が座位の状態で胎児の心臓磁場計測を実施する様子を示す。被験者1501が座位の状態では、被験者1501が椅子にもたれた状態でも腹部の体表面は水平面に対して30度以上の角度を持つ。本実施形態の生体磁気計測装置101では、検出面604が水平面に対して最大45度の角度を持つようにクライオスタット103を簡単な操作で傾けることが可能となる。(b)は妊婦の被験者が仰臥位の状態で胎児の心臓磁場計測を実施する様子を示す。検出面604をほぼ水平面と平行に調整する場合は、クライオスタット103を後方に15度だけ傾かせることによって調整可能である。
さらに、ガントリ前面カバー105に設置されたクライオスタット位置表示107がクライオスタット103の伸縮と連動してクライオスタット103の軸方向に移動し、その結果、クライオスタット103の位置を容易に確認することができる。また、クライオスタット103の伸縮方向の位置と傾き角度を記録することによって、測定時の位置を再現することが可能となる。
操作者(医師あるいは技師)の操作中の視界を良くするために、ガントリの第1の支持部102の2つの足部の被検者が配置される側に切欠き部を有する。この切欠き部により操作者はクライオスタット103の検出面604と被験者の体表面との位置関係を横から目視によって確認しながらコントローラ106によってクライオスタット103を駆動させることが可能となる。
また、検出面604を被験者1501または1502の体表面に位置合わせする際、ガントリまたはベッドが鉛直方向に上下する方法に比べて、クライオスタット103が第2の方向に伸縮駆動する本実施形態は、位置合わせがより容易に行えるだけでなく、被験者にとって圧迫感や恐怖感が少ない。
図16は本実施形態におけるクライオスタット103のメンテナンス時におけるガントリの動きを示す斜視図である。(a)はガントリ前面カバー105を開いた状態を示した図である。クライオスタット103のメンテナンスには、主に真空排気作業と液体ヘリウム充填作業がある。本実施形態では、ガントリ前面カバー105を取り外さなくても済むように、蝶番によってガントリ前面カバー105を第1の支持体102に固定し、ヒンジ式でガントリ前面カバー105を開く構造とした。このヒンジ式構造により、クライオスタット103のメンテナンスをより簡便に行うことができる。(b)は(a)の状態からガントリカバー104の一部を取り外した状態を示す図である。この状態では、中間フランジ603と第3の支持体302とを固定するネジを外し、クライオスタット103を手前に引くだけで簡単にクライオスタット103をガントリから取り外すことが可能となる。
図17は本実施形態における胎児心磁計測装置を示す斜視図である。
図8に示される検出コイル1、あるいは図9に示される検出コイル2、およびSQUIDはクライオスタット103内でSQUIDを形成する超伝導物質の超伝導転移温度以下に保持される。具体的には、クライオスタット103内には液体ヘリウムが充填され、外界と真空層で断熱されている。本実施形態では、図9に示される2個の検出コイル2を1組として、図10に示される検出コイル組12として配置される。ここで、各検出コイルは、検出コイル面がクライオスタット103の検出面604と平行となるように配置される。
クライオスタット103はガントリによって支持される。また、クライオスタット103はガントリによって首振り駆動および伸縮駆動される。クライオスタット103の駆動は油圧ポンプの制御により行う。具体的には、コントローラ106を用いて油圧制御装置1702内の電磁弁を制御することによって、ガントリに設置された油圧シリンダに圧力を伝達させ、図4および図5に示すガントリの駆動手段401a、401b、501を駆動させる。首振り駆動は駆動手段401a、401bの直線方向の運動をクランク402a、402bによって回転運動に変換することによって制御される。
被験者が仰臥位あるいは座位でも計測可能とするため、ベッド1701にはリクライニング機構が備わっており、背もたれの角度を任意に変えることができる。コントローラ106によって、クライオスタット103の計測面604を被験者の腹部に近づけるように調整する。
クライオスタット103に固定したFLL回路601によって、SQUID磁束計を制御し、検出コイルにて検出した磁気信号を電圧信号に変換して、信号処理装置1703に伝達する。信号処理装置1703では、DSPを用いて雑音信号を除去する処理を行い、被検者の生体磁気信号を検出して表示装置1704にリアルタイムで心磁波形を表示する。また、母体の心電波形を同時に計測し信号処理装置1703に入力し、信号処理を行うことによって、母体と胎児の双方に由来する心磁信号の中から胎児に由来する心磁信号のみを抽出する。そして、胎児の心磁波形のみをリアルタイムに表示すると共に、ピークを検出して胎児の心拍数もリアルタイムに表示する。
図18は本実施形態におけるガントリを操作するコントローラ106を示す斜視図である。測定時には、ONスイッチ106−2を押下することによって、油圧制御装置1702の電源をONにする。クライオスタット103は、操作ボタン106−4を押下することにより第2の方向の上方(ガントリカバー104から露出するクライオスタット103が短くなる方向)に駆動され、操作ボタン106−5を押下することにより、第2の方向の下方(ガントリカバー104から露出するクライオスタット103が長くなる方向)に駆動される。また、クライオスタット103は、操作ボタン106−6を押下することにより、前方(コントローラ106の位置からみて左の方向)に首振り駆動され、操作ボタン106−7を押下することにより、後方(コントローラ106の位置からみて右の方向)に首振り駆動される。また、測定を終了する場合には、OFFスイッチ106−3を押下することにより、油圧制御装置1702の電源をOFFにする。緊急停止ボタン106−1は緊急時に装置を停止させるための非常用ボタンである。
図19〜24は本実施形態における胎児心磁計測装置において得られた信号を表示する画面を示す図である。
図19は2個のセンサから得られる時間波形を表示したグラフである。各グラフの横軸は時間を示し、縦軸は各SQUID磁束計の出力信号(磁場)を示す。波形2101、2102はそれぞれ、クライオスタット103内に保持されている第1のSQUID磁束計の出力(Ch1)と、第2のSQUID磁束計の出力(Ch2)である。この表示により、最も単純に磁場変化を表すことができる。
図20は各クライオスタット内に保持される2個のSQUID磁束計の出力をベクトル和することによって得られる信号の時間波形を表示したグラフである。各グラフの横軸は時間を示し、縦軸は各クライオスタットに保持される2個のSQUID磁束計の出力信号(磁場)のベクトル和を示す。波形2201はクライオスタット103内に保持されている第1のSQUID磁束計の出力(Ch1)と、第2のSQUID磁束計の出力(Ch2)を(式3)の式を用いて合成したベクトル和である。この表示方法は、波形のピークを検出するのに適している。例えば、ピークの時刻を検出したり、波形の周期を求めたり、あるいは加算平均のトリガ信号として検出することが容易になる。
図21は各クライオスタット内に保持される2個のSQUID磁束計の出力から電流ベクトルとして表示したグラフと、電流ベクトルの大きさと位相の時間波形を表示したグラフである。電流ベクトル2303は(式5)とクライオスタット103内に保持されている2個のSQUID磁束計の出力(Ch1およびCh2)を用いて算出した電流の向きと大きさを表すベクトルである。波形2301は図20の波形2201と同じ波形であり、電流ベクトル2303の大きさに相当する。また、波形2302は電流ベクトル2303の位相を示す。波形2301および波形2302のグラフの横軸はいずれも時間を示す。電流ベクトル2303の表示により、直感的に生体内を流れる電流を確認することができる。また、波形2301と波形2302の表示により、より定量的に体内を流れる電流を評価することができる。
図22の上段のグラフの波形2401はクライオスタット内に保持される第1のSQUID磁束計の出力(Ch1)を示す。中段のグラフの波形2403(Comp)は図21の波形2301と同じ波形であり、ピーク検出のしきい値2402より大きい各時間領域における最大値をピークとしてソフトウェアによりピーク時刻が自動検出される。下段右には中段の波形2403からピークを検出し、1分間当たりのピークの数として求められた心拍数2404を示す。下段左には、下段右に表示される心拍数2404の履歴2405をグラフとして表示する。ここで、下段左のグラフ横軸は現在からの何分前かを示し、縦軸は心拍数を示す。心拍数の履歴2405により、被験者(母体または胎児)の心拍数の変化をモニタリングすることができる。また、上段と中段のグラフは他のチャンネルや心電図等の外部入力信号の表示に切り替えることもできる。
図23では、胎児の心磁波形を抽出し、表示する画面を示す。図20〜22では、母体または胎児どちらかに由来する信号が支配的である場合についての表示方法について説明した。ここでは、母体由来と胎児由来の信号が共存する場合の表示方法について説明する。上段のグラフはクライオスタット内に保持される第1のSQUID磁束計の出力2501(Ch1)を示す。第1のSQUID磁束計の出力2501には、母体由来の心磁波形2502と胎児由来の心磁波形2503を含む。中段のグラフの波形2505は外部入力信号波形(Ref1)を示し、ピーク検出のしきい値2504より大きい各時間領域における最大値をピークとしてソフトウェアによりピーク時刻を自動検出する。ここでは、外部入力信号として、母体の心電波形を入力している。下段には、以下に示す方法を用いて母体由来の心磁波形を除去し、胎児由来の心磁波形を抽出したグラフ2506(f−Ch1)を示す。
まず、母体の心磁波形と胎児の心磁波形に相関がないことを利用して、母体の心電波形をトリガとして生波形を加算平均し、さらに加算平均された波形の両端が0となるように基線補正し、母体のテンプレート心磁波形を作成する。加算平均により胎児の心磁波形は除去されているので、このテンプレート心磁波形には胎児由来の信号をほとんど含んでいない。そして、母体の心電波形をトリガとして、生波形から作成した母体のテンプレート心磁波形を差し引くことにより、胎児の心磁波形を抽出することができる。
図24では、胎児の心拍数を表示する画面を示す。上段のグラフはクライオスタット内に保持される第1のSQUID磁束計の出力2601(Ch1)を示す。第1のSQUID磁束計の出力2601には、母体由来の心磁波形2602と胎児由来の心磁波形2603を含む。中段のグラフの波形2605は図23で得られた胎児心磁波形2506にカットオフ周波数3Hzのハイパスフィルタ処理を行った波形(f−Ch1(HPF))を示し、ピーク検出のしきい値2604より大きい各時間領域における最大値をピークとしてソフトウェアによりピーク時刻が自動検出される。下段右には中段の波形2605からピークを検出し、1分間当たりのピークの数として求められた胎児の心拍数2606を示す。下段左には、下段右に表示される胎児の心拍数2606の履歴2607をグラフとして表示する。ここで、下段左のグラフ横軸は現在からの何分前かを示し、縦軸は心拍数を示す。心拍数の履歴2607、胎児の心拍数の変化をモニタリングすることができる。
以上で説明した本実施形態の検出コイルの実施形態では、垂直方向に1次微分又は2次微分する検出コイルを例として説明したが、例えば垂直方向に3次以上微分する検出コイルでもよい。
また、以上で説明した実施形態では、検出コイルの検出した磁束を電圧値に変換する磁束計としてSQUID磁束計を例にとったが、その他にも磁束計として、磁気抵抗素子、巨大磁気抵抗素子、フラックスゲート磁束計、光ポンピング磁束計等の他の磁束計を用いてもよい。また、SQUIDとして、液体ヘリウムを用いて冷却する例を説明したが、冷凍機や、高温超電導部材から構成されるSQUIDであれば液体窒素を用いて冷却してもよい。
本実施形態によれば、胎児心磁計測において、安全かつ正確にセンサ面の位置合わせを行うことが可能となる。具体的には、クライオスタットを首振り駆動かつ伸縮駆動することにより、母体の腹部の任意の位置に座位または仰臥位の状態で、簡易に胎児の心拍数をモニタリングすることが可能な生体磁場計測装置を実現できる。
本実施形態における磁場計測装置を示す斜視図。 本実施形態における磁場計測装置を示す六面図。 本実施形態における磁場計測装置を示す断面図。 本実施形態におけるガントリの詳細構造を示す図。 本実施形態におけるガントリの詳細構造を示す図。 本実施形態におけるクライオスタットを示す斜視図。 本実施形態におけるクライオスタットを示す六面図。 本実施形態における検出コイルを示す斜視図(その1)。 本実施形態における検出コイルを示す斜視図(その2)。 本実施形態における検出コイルの配置を示す斜視図。 (a)は、図10に示される検出コイル組を模式的に表した上面図である。 (b)は、磁気源である電流ベクトルと、検出コイルによって検出されるx軸方向に1次微分されたz方向の磁束密度およびy軸方向に1次微分されたz方向の磁束密度との関係を示す図である。 本実施形態におけるクライオスタットを示す断面図。 本実施形態における生体磁場計測装置において、ガントリとクライオスタットが首振り方向に移動する様子を示す斜視図。 本実施形態における生体磁場計測装置において、クライオスタットの軸方向にクライオスタットが移動する様子を示す斜視図。 本実施形態における生体磁場計測装置を用いて胎児の心臓磁場計測を実施する時において、クライオスタットと妊婦の被験者との位置関係を示す図。(a)は妊婦の被験者が座位の状態で胎児の心臓磁場計測を実施する様子を示す。(b)は妊婦の被験者が仰臥位の状態で胎児の心臓磁場計測を実施する様子を示す。 本実施形態におけるクライオスタットのメンテナンス時におけるガントリの動きを示す斜視図。(a)はガントリ前面カバー105を開いた状態を示した図である。(b)は(a)の状態からガントリカバー104の一部を取り外し、クライオスタットを手前に引いて取り出せる状態を示した図である。 本実施形態における胎児心磁計測装置を示す斜視図。 本実施形態におけるガントリを操作するコントローラを示す斜視図。 クライオスタット内に保持される2個のセンサから得られる時間波形を表示したグラフ。 クライオスタット内に保持される2個のセンサの出力から得られる電流ベクトルの大きさを表示したグラフ。 (上段):クライオスタット内に保持される2個のセンサの出力から得られる電流ベクトルの大きさを表示したグラフ。(中段):クライオスタット内に保持される2個のセンサの出力から得られる電流ベクトルの位相を表示したグラフ。(下段):クライオスタット内に保持される2個のセンサの出力から得られる電流ベクトルの図。 (上段):クライオスタット内に保持される2個のセンサの出力、あるいは外部入力信号から選択された波形を表示したグラフ。(中段):クライオスタット内に保持される2個のセンサの出力、あるいは外部入力信号から選択された波形を表示したグラフ、およびピーク検出のしきい値を表示したグラフ。(下段右):中段の波形からピークを検出し、1分間当たりのピークの数として求められた心拍数。(下段左):下段右に表示される心拍数の履歴をグラフ表示した図。 (上段):クライオスタット内に保持される2個のセンサの出力から得られた信号。母体と胎児の心磁信号を含む。(中段):母体の心電波形。(下段):母体由来の心磁波形を除去し、胎児由来の心磁波形を抽出したグラフ。 (上段):クライオスタット内に保持される2個のセンサの出力から得られた信号。母体と胎児の心磁信号を含む。(中段):母体由来の心磁波形を除去し、胎児由来の心磁波形を抽出した後にハイパスフィルタ処理を行った波形。(下段右):中段の波形からピークを検出し、1分間当たりのピークの数として求められた胎児の心拍数。(下段左):下段右に表示される胎児の心拍数の履歴をグラフ表示した図。
符号の説明
1、2、12a、12b、1701 検出コイル
12、701 検出コイル組
101 磁場計測装置
102 第1の支持体(門型支持体)
103 クライオスタット
104 ガントリカバー
105 ガントリ前面カバー
106 コントローラ
107 クライオスタット位置表示
108 透明部材
301 第2の支持体
302 第3の支持体
401a、401b、501 駆動手段
402a、402b クランク
403a、403b ガイド機構
404a、404b レール
601 FLL回路
602 真空引き口
603 中間フランジ
604 検出面
605 圧力センサ
1501、1502 被験者
1701 ベッド
1702 油圧制御装置
1703 信号処理装置
1704 表示装置
106−1 緊急停止ボタン
106−2 OFFスイッチ
106−3、106−4、106−5、106−6、106−7 操作ボタン
2101、2401、2501、2601 第1のSQUID磁束計の出力
2102 第2のSQUID磁束計の出力
2201、2301 電流ベクトルの大きさ
2302 電流ベクトルの位相
2303 電流ベクトル
2402、2504、2604 ピーク検出のしきい値
2403、2505 外部入力信号(心電波形)
2404、2606 心拍数
2405、2607 心拍数の履歴
2502、2602 胎児心磁波形のピーク
2503、2603 母体心磁波形のピーク
2506 胎児心磁波形
2605 ハイパスフィルタ処理後の胎児心磁波形。

Claims (3)

  1. 2つの足部と、前記2つの足部の上部を繋ぐ繋ぎ部とを有する門型の第1の支持体と、
    前記2つの足部の間であって前記繋ぎ部の下に設けられた筒型のクライオスタットと、
    前記クライオスタットの内部から先端に向けて設けられた、生体磁場を検出する検出センサと、
    前記第1の支持体に、前記2つの足部を繋ぐ方向の水平の軸を回転軸として回転可能に支持される第2の支持体と、
    前記第2の支持体に固定されたレールに沿って移動可能なガイド機構が固定され、且つ前記クライオスタットを支持する第3の支持体と、
    前記第1の支持体上で前記第2の支持体を駆動することで前記クライオスタットの筒型の軸の首振り角度を制御する第1の駆動手段と、
    前記第2の支持体上での前記第3の支持体を駆動することで前記クライオスタットの筒型の軸に沿った前記クライオスタットの伸縮駆動の量を制御する第2の駆動手段とを有することを特徴とする生体磁場計測装置。
  2. 請求項1に記載の生体磁場計測装置において、前記クライオスタットの先端部第1の面と第2の面を有し、該第2の面は前方向に傾いており、前記検出センサは、前記第2の面に設けられていることを特徴とする生体磁場計測装置。
  3. 請求項1に記載の生体磁場計測装置において、前記検出センサが設けられた前記クライオスタットの突出部の表面に、圧力を計測するセンサを有することを特徴とする生体磁場計測装置。
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