JP5020860B2 - 振動低減部材 - Google Patents

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Description

本発明は、振動機器からの振動を低減する振動低減部材に関する。
DVD(Digital Versatile Disc)やプリンタなどのAV、OA機器、及び空気圧縮機などの圧力脈動を発生させる装置には、モータや歯車、HDD(Hard Disk Drive)などの高速回転する部品が用いられている。近年、これらモータや歯車の回転をより高速にすることで、AV、OA機器の高速化・高機能化が実現されているが、これら部品の回転をより高速にすることに伴う振動の増大は、DVDの読取精度の悪化、機器から発生する騒音の増大などをまねいている。このため、高速に回転するモータなどの部品により生じる振動及び振動による騒音を低減することが望まれている。特許文献1には、このような振動を低減させる動吸振器が開示されている。特許文献1の動吸振器は、おもりと粘弾性体とを一体成形してなるものであって、この動吸振器をモータの回転軸に取り付けることで、動吸振器自体が振動して、モータの振動を低減するようになっている。
特開2002−266940号公報
ここで、振動の原因が、モータ、歯車などの振動機器が固定されるブラケット、フレーム、外装パネルなどの各部位における、振動機器の振動に起因して発生する共振である場合には、特許文献1のような粘弾性体を用いた動吸振器(減衰のある動吸振器)を各部位における固有振動数に調整して装着することにより、その部位の振動を低減することができる。しかしながら、振動の原因が、振動機器による強制振動(振動機器そのものの振動)である場合には、動吸振器の固有振動数を振動機器の加振振動数(加振周波数)に調整しても、粘弾性体に生じる変位と力の位相が一致せず、動吸振器の振動抑制力と振動機器の強制加振力とが完全に逆位相とならない。そのため、動吸振器取付け点の変位が零とならず、十分な振動低減効果が得られない。
そこで、振動機器を固定する例えばフレームに、このフレームと一体形成された動吸振器(減衰のない動吸振器)を設けることにより、別部品の場合に生じる結合点の摩擦がなく、また、粘弾性を用いていないので、動吸振器の振動抑制力と振動機器の強制加振力とがほぼ逆位相となり、振動機器による強制振動の低減が可能になると考えられる。この構成による場合、動吸振器において振動する部分(振動部)の長さ、厚みなどを変化させることによって、動吸振器の固有振動数(反共振周波数)を、モータ(加振源)など振動機器の加振周波数と同じ周波数に設定してやれば、振動機器の振動による強制加振力と逆位相の振動抑止力が動吸振器に発生し、十分な振動低減効果が得られる。
しかしながら、このような動吸振器における振動低減効果が得られる周波数域は狭く、動吸振器(振動部)の設定周波数が、振動機器の加振周波数に対してずれると、動吸振器の振動低減効果は悪化してしまう。以下、設定周波数のずれによる振動低減効果の悪化について説明する。図10は、フレーム100と一体形成された動吸振器60(減衰のない動吸振器60)を示す図である。図10(a)は、動吸振器60が一体形成されたフレーム100の斜視図であり、図10(b)は、図10(a)のA−A断面図である。図10(a)に示すように、フレーム100には、振動機器の取付用脚部50を固定するための孔100cが設けられ、孔100cを中心として孔100cの両側に、振動部100a、振動部100bが、半島形状の切り込み部として対称に形成されている。振動機器の取付用脚部50は、孔100cに貫装させたボルト51によりフレーム100に固定される。振動部100aと振動部100bとで一対の振動部からなる動吸振器60を形成している。
そして、図10(b)に示すように、動吸振器60の振動部100aおよび振動部100bは、動吸振器60の中心に作用する振動機器の加振力F[N]により振動し、振動部100aおよび振動部100bが振動することでフレーム100自体の振動が抑えられることになる。図10(b)に示したVは、振動機器の取付用脚部50が固定された部分のフレーム100の加振力F[N]による振動速度振幅V[m/s]である。
また図11は、図10に示す動吸振器60によるフレーム100の振動低減効果について説明するための図である。図11の横軸は、周波数[Hz]であり、縦軸は、20log(V/F)[dB]で表したフレーム100の振動レベルである。図11の実線は、動吸振器60が形成されていない場合のフレーム100の振動レベルを示し、点線および一点鎖線は、動吸振器60が一体形成された場合のフレーム100(図10参照)の振動レベルを示す。そして、図11の点線は、動吸振器60の設定周波数f(固有振動数f)と、振動機器の加振周波数fとが一致する場合のフレーム100の振動レベルを示し、一点鎖線は、動吸振器60の設定周波数fが、振動機器の加振周波数fに対してずれてf’になった場合のフレーム100の振動レベルを示している。図11に点線で示すように、動吸振器60の設定周波数fと、振動機器の加振周波数fとが一致する場合には、振動機器による加振周波数fの振動が大きく低減され、その加振周波数fのときの振動レベルはL1となり、フレーム100に動吸振器60が形成されていない場合(振動レベルL0)に比して、大きな振動低減量xが得られている。これに対し、図11に一点鎖線で示すように、設定周波数fが、振動機器の加振周波数fに対してずれてf’になった場合には、加振周波数fのときの振動レベルはL2となっており、加振周波数fでの振動低減効果がほとんどない。
そのため、動吸振器60の設定周波数fが、振動機器の加振周波数fからできる限りずれないようにしてやる必要がある。ここで、設定周波数fのずれに関しては、複数の原因が考えられる。図12〜図16は、設定周波数fのずれの原因を説明するための図である。
まず、図12は、振動機器をフレーム100に固定するボルト51の締め付け力に起因する設定周波数fのずれを説明するための図である。図12(a)は、ボルト51の締め付け力が適正な場合を示し、図12(b)は、ボルト51の締め付け力が緩い場合を示している。ここで、振動機器の取付用脚部50は、ボルト51およびナット52によりフレーム100に固定されている。図12(a)に示すように、フレーム100の振動部100a、100bが振動するとき、ボルト51の締め付け力が適正な場合は、振動部100a(または100b)と、ボルト51および取付用脚部50との接触位置Cは、ボルト51頭部および取付用脚部50の端部となるが、ボルト51の締め付け力が緩い場合には、図12(b)に示すように、この接触位置Cが変化してしまう。すなわち、ボルト51の締め付け力の大小により接触位置Cが変化してしまうので、接触位置Cは非常に不明確なものである。一方、動吸振器60の設定周波数fは、振動部100a(または100b)の長さ等により定まるものであるので、接触位置Cの影響を受ける。したがって、ボルト51の締め付け力の大小によって、動吸振器60の設定周波数fがずれてしまうことになる。
次に、図13は、振動機器をフレーム100に固定した状態のボルト51の向きに起因する設定周波数fのずれを説明するための図である。本図は、振動機器を固定したフレーム100を下方から見た図である。ここで、図13(a)と図13(b)とでは、フレーム100に対するボルト51の向きが異なる、図13(a)では、ボルト51頭部の六角形の頂点が、振動部100a(または100b)の長手方向に向かい、図13(b)では、ボルト51頭部の六角形の辺が、振動部100a(または100b)の長手方向に向かっている。ボルト51の向きの違いにより、振動部100a(または100b)の先端から、ボルト51までの長さが、L、L’というように異なることになる。この長さL、L’の相違により、動吸振器60の設定周波数fがずれてしまうことになる。尚、振動部100aと振動部100bとの間の長さaの長短も設定周波数fに影響する。
次に、図14は、加振方向のずれに起因する設定周波数fのずれを説明するための図である。図14(a)のようにボルト51と取付用脚部50の中心位置がずれた場合、無理に締めると図14(b)のようにフレーム100が変形する。そのため、振動機器による加振方向がB1方向からB2方向にずれ、フレーム100の振動機器固定部に、並進方向に作用する力だけでなくモーメントM2も作用するようになる。これにより、フレーム100の振動機器固定部が斜め方向(B2方向)にも振動してしまい、動吸振器60の設定周波数fがずれてしまうことになる。
次に、図15は、振動機器をフレーム100に固定するボルト51の位置ずれに起因する設定周波数fのずれを説明するための図である。図15(a)は、ボルト51がフレーム100の孔100cの中心に位置する場合を示し、図15(b)は、ボルト51がフレーム100の孔100cの左側にずれて位置する場合を示している。フレーム100の振動部100a、100bの振動は、このようなボルト51の位置ずれの影響も受け、その結果、動吸振器60の設定周波数fがずれてしまうことになる。
さらに、図16は、フレーム100に形成した動吸振器60の形成位置に起因する設定周波数fのずれを説明するための図である。尚、図16に示すフレーム100は、その長手方向端部が他の部材と固定されている。図16に示すフレーム100では、その中央側が端部に比して剛性が低く、端部に近づくほど剛性が高くなるため、動吸振器の形成位置により振動部根元(孔100cの周辺部)の硬さが異なり、設定周波数fが安定しなくなる。尚、動吸振器の固定位置が同じでも、フレーム100の幅Wや高さhを変えると、動吸振器の振動部根元の剛性が異なるので設定周波数fが変化する。
一方、設定周波数fを持つ一端が完全固定の片持ちハリ(振動部)の長さLは、片持ちハリの板厚をh、ヤング率をE、密度をρとすると、下記の(数1)により計算できるため、上記に例示するような設定周波数fのずれを抑えることができれば、動吸振器の振動部の長さを(数1)を用いて簡単に設計することができる。また、プレス加工の方法によっては、完全固定の片持ちハリとならない場合もあるが、動吸振器の周辺の条件が安定し、動吸振器が受ける境界条件の影響が一定となるため、設定周波数fのずれを抑えることができる。
Figure 0005020860
本発明は、上記実情に鑑みてなされたものであって、その目的は、動吸振器(振動部)の設定周波数(固有振動数)と、振動機器の加振周波数とのずれを抑制することが可能な振動低減部材を提供することにある。
課題を解決するための手段及び効果
本発明者らは、上記目的を達成すべく鋭意検討した結果、フレームにおける振動部根元や振動部周囲に段差を設けることで、振動部根元や振動部周囲の剛性が高まり、図12〜図16に基づいて説明したような問題があったとしても、振動部の設定周波数と、振動機器の加振周波数とのずれを抑制することが可能となることを見出し、この知見に基づき本発明が完成するに至ったのである。
本発明に係る振動低減部材は、振動機器からの振動を低減するための板状体からなる振動低減部材に関する。そして、本発明に係る振動低減部材は、上記目的を達成するために以下のようないくつかの特徴を有している。すなわち、本発明の振動低減部材は、以下の特徴を単独で、若しくは、適宜組み合わせて備えている。
上記目的を達成するための本発明に係る振動低減部材における第1の特徴は、前記板状体に形成された半島形状の振動部と、前記板状体に形成され前記振動部と当該板状体とを連結する連結部とを備え、前記板状体に形成された前記連結部、および前記振動部の周囲、のうちの少なくともいずれか一方に段差が形成されていることである。
この構成によると、段差が形成された部分である上記連結部や振動部周囲の剛性が高まる。振動部と板状体との連結部や振動部周囲の剛性が高まることで振動部の設定周波数が安定し、その結果、図12〜図16に基づいて説明したような問題があったとしても、振動部の設定周波数と、振動機器の加振周波数とのずれを抑制することが可能となる。
また、本発明に係る振動低減部材における第2の特徴は、前記段差は、前記連結部および前記振動部の周囲、のうちのいずれにも形成されていることである。この構成によると、振動部と板状体との連結部および振動部周囲の剛性をいずれも高めることができ、振動部の設定周波数をより安定させることができる。その結果、振動部の設定周波数と、振動機器の加振周波数とのずれをより抑制することが可能となる。
また、本発明に係る振動低減部材における第3の特徴は、前記段差は、前記板状体のプレス加工により形成されていることである。この構成によると、上記段差をプレス加工により板状体に一体形成した振動低減部材を得ることができ、振動低減部材の製作が容易となるとともに、溶接などにより部材を連結して形成する場合に比して成形精度が得られやすく振動部の設定周波数の安定化にも繋がる。
以下、本発明を実施するための最良の形態について図面を参照しつつ説明する。尚、本発明に係る振動低減部材は、例えば、AV機器やOA機器などに用いられているモータ、歯車など一定の回転数で高速回転する振動機器を固定配置するためのものである。さらに詳しくは、本発明に係る振動低減部材は、AV機器やOA機器などに用いられているモータ、歯車など一定の回転数で高速回転する振動機器を支持するフレームやブラケットなどの支持部材として用いられるものである。尚、固定配置する振動機器としては、一定周波数の電気信号により励振されるような電磁コイルを有するスピーカや、空気圧縮機などの圧力脈動を発生させる装置なども挙げられ、一定周波数の振動を発生する様々な振動源が振動機器に該当する。
本発明に関する2つの参考例について説明した後、本発明の実施形態を説明することとする。
(第1参考例
図1は、本発明の第1参考例に係る振動低減部材1を示す図である。図1(a)は、振動低減部材1の斜視図であり、図1(b)は、図1(a)のD−D断面図である。
図1に示すように、本参考例に係る振動低減部材1は、板状体2からなる。板状体2は、その長手方向に直交する断面がコの字形となるように1枚の薄鋼板が折り曲げられて形成されたフレーム体である。そして、板状体2には半島形状の切り込み部として振動部2aおよび振動部2bが一体形成されている。また、板状体2には、振動機器の取付用脚部50を固定するための孔2cが設けられ、振動部2aおよび振動部2bは、孔2cを中心として孔2cの両側に対称に位置するように形成されている。振動機器の取付用脚部50は、孔2cに貫装させたボルト51およびナット52により板状体2に固定される。
また、振動部2aおよび振動部2bと、板状体2とを連結するとともに、孔2cが設けられている連結部2dは、段差を有する形状とされている。連結部2dの断面を図1(b)に示すように、この段差の形状は、略コの字形の凸形状であり、例えば油圧プレスなどの機械により深絞り成形されることで板状体2に形成される。尚、段差の傾斜角度は、45°、60°などのように、適宜決定されるものであるが、この段差の高さはできるだけ高いほうが好ましい。したがって、板状体2の材料としては、絞り特性に優れた材料を用いることが望ましい。板状体2の材料としては、鋼板、ステンレス板、アルミ板、銅板などの金属板やエンジニアリングプラスチックなどの樹脂板が挙げられる。また、一直線上に配置された振動部2a、2bの長手方向に直交する方向の連結部2dの長さも、適宜決定されるものである。
また、振動部2aと振動部2bとで一対の振動部からなる動吸振器3を形成し、動吸振器3は、段差を有する連結部2dを備えている。孔2cが設けられた連結部2dに段差を形成することで、振動機器が固定される固定部周辺の剛性が局所的に高められる。その結果、振動部2aおよび振動部2bの根元が硬くなり、例えば図12〜図15に基づいて説明したような問題があったとしても、動吸振器3(または振動部2a、2b)の設定周波数と、振動機器の加振周波数とのずれを抑制することが可能となる。また、振動部2aと振動部2bとは、孔2cを中心としてその両側に、互いに対向するように対称に形成されているため、連結部2dにおいてねじりモーメントがより生じにくくなり、振動部2a、2bの設定周波数をより安定させることができる。
また、段差を有する連結部2dは、プレス加工により板状体2に一体形成されているため、振動低減部材1の製作が容易となるとともに、溶接などにより異なる部材を連結して形成する場合に比して成形精度が得られやすく振動部2a、2bの設定周波数の安定化にも繋がる(後述する第2参考例および後述する本発明の実施形態においても同様)。尚、必ずしもプレス加工により段差を形成する必要はなく、板状体2に平板などを溶接などにより接合して段差を形成し、剛性を高めてもよい。
(第2参考例
図2は、本発明の第2参考例に係る振動低減部材201を示す斜視図である。図2(a)は、振動低減部材201の動吸振器203周辺の拡大斜視図であり、図2(b)は、図2(a)のE−E断面図である。尚、振動低減部材201における振動部2a、2b、および孔2cは、それぞれ、第1参考例の振動部2a、2b、および孔2cと同様の構成であるので、以下の説明においては、その説明を適宜省略することとする(後述する本発明の実施形態においても同様)。また、振動低減部材201を構成する板状体202の全体形状は、第1参考例の板状体2と同様のフレーム体である。
図2に示すように、本参考例に係る振動低減部材201を構成する板状体202には、一対の振動部2a、2bの周囲に、その全周にわたって連続して山形状の段差部202eが形成されている。この段差部202eも第1参考例の連結部2dと同様、プレス加工により形成される。そして、振動部2aと振動部2bとで一対の振動部からなる動吸振器203を形成し、動吸振器203は、山形状の段差部202eを備えている。尚、段差部202eは、図2(b)に示されるような山形状に限られることはなく、例えばコの字形の凸形状であってもよい。
一対の振動部2a、2bの周囲に、その全周にわたって山形状の段差部202eを形成することで、振動部2aおよび振動部2b周辺の剛性が高められる。これにより、図16に基づいて説明したような、従来、振動部2a、2bの設置位置によって異なっていた周辺条件をほぼ一定にすることができ、振動部2a、2bの周辺部が、当該振動部2a、2bにおよぼす影響(振動部2a、2bの設定周波数への影響)を安定させることができる。その結果、動吸振器203の設定周波数と、振動機器の加振周波数とのずれを抑制することが可能となる。
(第実施形態)
図3は、本発明の第実施形態に係る振動低減部材301を示す斜視図である。図3に示すように、本実施形態に係る振動低減部材301は、第1参考例の振動低減部材1および第2参考例の振動低減部材201の特徴を合わせもつものであり、振動機器が固定配置される連結部302d、および一対の振動部2a、2bの周囲のいずれにも段差を有している。連結部302dの形状は、第1参考例の振動低減部材1における連結部2dの形状と同様であり、振動部2a、2bの周囲に形成された段差部302eの形状は、振動部2a、2b周りの板状体302の面302gから、さらに外側の板状体302の面302fに向かって略45°の角度で傾斜する傾斜面を有する段差となっている。尚、傾斜角度は、45°に限られるものではない。振動部2aと振動部2bとで一対の振動部からなる動吸振器303を形成し、動吸振器303は、段差を有する連結部302dおよび段差部302eを備えている。
また、振動低減部材301は、板状体302の面302gおよび振動部2a、2bの部分を、板状体302の面302fに対して凹ませるようにプレス加工して形成されている。つまり、板状体302の面302fと、連結部302dにおける孔2cが形成された当該連結部302dの上面とは、同一平面(同一高さ)に形成され、同様に、板状体302の面302gと、振動部2a、2bも、同一平面(同一高さ)に形成されている。
本実施形態によると、連結部302dおよび振動部2a、2bの周囲のいずれにも段差が形成されているので、連結部302dおよび振動部2a、2bの周囲の剛性をいずれも高めることができ、一対の振動部2a、2bの設定周波数をより安定させることができる。その結果、動吸振器303の設定周波数と、振動機器の加振周波数とのずれをより抑制することが可能となる。
(第実施形態)
図4は、本発明の第実施形態に係る振動低減部材401を示す斜視図である。本実施形態に係る振動低減部材401は、第実施形態の振動低減部材301における連結部302dの長手方向両端を、振動部2a、2bの周囲に形成された段差部302eに接続させた形態を有している。
図4に示すように、振動低減部材401における連結部402dは、第実施形態の振動低減部材301における連結部302dよりも長く、その長手方向両端部を、一対の振動部2a、2bの周囲に、その全周にわたって連続して形成された段差部402eにつなげている。尚、連結部402dの形状は、第実施形態の振動低減部材301における連結部302dの形状と同様であり、段差部402eの形状も、振動低減部材301における段差部302eの形状と同様である。振動部2aと振動部2bとで一対の振動部からなる動吸振器403を形成し、動吸振器403は、段差を有する連結部402d、および当該連結部402dに接続する段差部402eを備えている。
また、第実施形態の振動低減部材301と同様、板状体402の面402fと、連結部402dにおける孔2cが形成された当該連結部402dの上面とは、同一平面(同一高さ)に形成され、同様に、板状体402の面402gと、振動部2a、2bも、同一平面(同一高さ)に形成されている。本実施形態の振動低減部材401は、第実施形態の振動低減部材301のように、連結部302dと段差部302eとの間に間隙がないので、よりプレス加工し易くなる(製作し易くなる)。
(第実施形態)
図5は、本発明の第実施形態に係る振動低減部材501を示す斜視図である。図5(a)に示すように、本実施形態に係る振動低減部材501は、板状体502の形状が、第1、2参考例、および第1、2実施形態とは異なっている。尚、一対の振動部からなる動吸振器403は、第実施形態のものと同じである。ここに、板状体502は、細長い矩形の薄鋼板の端部が、90°の角度で2回折り曲げられて形成された形状を有している。そして、動吸振器403は、その折り曲げ部付近に形成されている。また、図5(b)のような平板形状の部材700にこの動吸振器403を用いても効果はあり、成形品が折り曲げ加工されている必要はない。本実施形態は、振動機器を支持する様々な形状の支持部材に、本発明に係る振動低減部材を適用できることを示している。さらに、図5(c)のように、段差を1段にする必要はなく1つ目の段差に加えてその段差の長手方向と直交する方向に段差(2つ目の段差)を設けることで、1つ目の段差でその長手方向に対して剛性が上がらなくても2つ目に設けた段差で、この2つ目の段差周辺の剛性を上げることができる。なお、図5(c)における703は板状体であり、701が1つ目の段差であり、702が2つ目の段差である。
(振動低減効果)
図6は、振動機器が固定配置される連結部に段差が形成されている形態および段差が何ら形成されていない形態のそれぞれの振動低減部材におけるFEM解析の解析モデルを示す図である。図7は、図6に示した解析モデルの解析結果を示す図である。
まず、図6に基づき本解析モデルについて説明する。ここで、図6(a)は、板状体601に何ら段差が形成されていない振動低減部材の解析モデルを示す図であり、本図に示した形状を、形状1とする。一方、図6(b)は、振動機器が固定配置される連結部2d’に段差が形成されている振動低減部材の解析モデルを示す図であり、本図に示した形状を、形状2とする。尚、段差が形成されている状態は、連結部2d’の厚さを他の部位よりも増すことで剛性を上げモデル化している。
図6(a)および図6(b)に示す板状体601は、縦横ともに100mmの厚さ0.8mmの薄鋼板としている。振動部2a、2bは、いずれも板状体601の切り込み部として、幅8mm×長さ36.6mmの半島形状を有する。また、振動部2aと振動部2bとの間には8mmの間隔がある。そして、板状体601は、その全周が単純支持され、並進方向のみ固定されるものとしている。さらに、図6(b)に示す連結部2d’は、幅6mm×長さ8mm×厚さ8mmとしている。また、図6(a)および図6(b)に示す点P1は、加振点である。
また、上記寸法より、前記(数1)を用いて、振動部2a、2bの固有振動数(設定周波数)を計算すると、502Hzとなる。したがって、本解析モデルの振動低減部材は、振動機器から発生する502Hzの加振周波数の振動を低減させることを目的とするものとなる。
次に、図7にその解析結果を示すように、板状体601に何ら段差が形成されていない形状1の振動低減部材によると、振動低減効果のある周波数は491Hzとなり、振動を低減させたい502Hzの周波数からずれてしまっている。一方、振動機器が固定配置される連結部2d’に段差が形成されている形状2の振動低減部材によると、振動低減効果のある周波数は503Hzとなり、振動を低減させたい502Hzの周波数とほぼ同じ周波数となっている。これにより、周波数が502Hzのときの振動低減量は、形状2の振動低減部材の場合大きいが、形状1の振動低減部材の場合小さい。すなわち、振動機器が固定配置される連結部2d’に段差を設けることで、目的とする502Hzの振動を大きく低減させることができていることがわかる。
次に、図8は、振動機器が固定配置される連結部および振動部の周囲のいずれにも段差が形成されている形態、連結部のみに段差が形成されている形態、および段差が何ら形成されていない形態のそれぞれの振動低減部材におけるFEM解析の解析モデルを示す図である。図9は、図8に示した解析モデルの解析結果を示す図である。
まず、図8に基づき本解析モデルについて説明する。ここで、図8(a)は、解析モデルである板状体602の全体形状を示す図であり、図8(b)、(c)、(d)は、図8(a)のG部平面図である。そして、図8(b)は、板状体602に何ら段差が形成されていない振動低減部材の解析モデルを示す図であり、図8(c)は、振動機器が固定配置される連結部2d’にのみ段差が形成されている振動低減部材の解析モデルを示す図であり、図8(d)は、連結部2d’および振動部2a、2bの周囲のいずれにも段差が形成されている振動低減部材の解析モデルを示す図である。図8(b)、図8(c)、および図8(d)に示した形状を、それぞれ、形状1、形状2、および形状3とする。尚、連結部2d’および振動部2a、2b周囲の段差部202eに段差が形成されている状態は、それぞれの部位の厚さを他の部位よりも増すことで剛性を上げモデル化している。
図8に示す板状体602は、その長手方向に直交する断面がコの字形となるように1枚の薄鋼板(板厚0.8mm)が折り曲げられて形成されたフレーム体であり、その寸法は図8に示したとおりである。振動部2a、2bは、いずれも板状体602の切り込み部として、幅8mm×長さ36.6mmの半島形状を有する。また、振動部2aと振動部2bとの間には9.2mmの間隔がある。板状体602は、その長手方向両端部が固定されている。さらに、図8(c)および図8(d)に示す連結部2d’は、幅9.2mm×長さ9.2mm×厚さ8mmとしている。図8(d)に示す段差部202eは、幅2.5mmの部分を厚さ8mmにしてモデル化している。また、図8(a)〜図8(d)に示す点P1は、加振点である。
また、上記寸法より、前記(数1)を用いて、振動部2a、2bの固有振動数(設定周波数)を計算すると、502Hzとなる。したがって、本解析モデルの振動低減部材は、振動機器から発生する502Hzの加振周波数の振動を低減させることを目的とするものとなる。
次に、図9にその解析結果を示すように、板状体602に何ら段差が形成されていない形状1の振動低減部材によると、振動低減効果のある周波数は435Hzとなり、振動を低減させたい502Hzの周波数から大きくずれてしまっている。また、振動機器が固定配置される連結部2d’にのみ段差が形成されている形状2の振動低減部材においても、振動低減効果のある周波数は442Hzとなり、振動を低減させたい502Hzの周波数からずれてしまっている。しかしながら、この形状2の場合は、何ら段差が形成されていない形状1の場合と比較すると、設定周波数のずれは抑えられている。
一方、連結部2d’および振動部2a、2bの周囲のいずれにも段差が形成されている形状3の振動低減部材によると、振動低減効果のある周波数は507Hzとなり、振動を低減させたい502Hzの周波数とほぼ同じ周波数となっている。これにより、周波数が502Hzのときの振動低減量は、形状3の振動低減部材において最も大きい。すなわち、振動機器が固定配置される連結部2d’、および振動部2a、2bの周囲のいずれにも段差を設けることで、目的とする502Hzの振動を大きく低減させることができていることがわかる。尚、連結部2d’にのみ段差が形成されている形状2の場合は、形状3の場合に比して、振動低減量が小さいが、前記したように、何ら段差が形成されていない形状1の場合と比較すると、設定周波数のずれは抑えられている。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上述の実施の形態に限られるものではなく、特許請求の範囲に記載した限りにおいて様々に変更して実施することが可能なものである。
本発明の第1参考例に係る振動低減部材を示す図である。 本発明の第2参考例に係る振動低減部材を示す斜視図である。 本発明の第実施形態に係る振動低減部材を示す斜視図である。 本発明の第実施形態に係る振動低減部材を示す斜視図である。 本発明の第実施形態に係る振動低減部材を示す斜視図である。 FEM解析の解析モデルを示す図である。 図6に示した解析モデルの解析結果を示す図である。 FEM解析の解析モデルを示す図である。 図8に示した解析モデルの解析結果を示す図である。 フレームと一体形成された動吸振器(減衰のない動吸振器)を示す図である。 図10に示す動吸振器60によるフレーム100の振動低減効果について説明するための図である。 振動機器をフレームに固定するボルトの締め付け力に起因する設定周波数のずれを説明するための図である。 振動機器をフレームに固定した状態のボルトの向きに起因する設定周波数のずれを説明するための図である。 加振方向のずれに起因する設定周波数のずれを説明するための図である。 振動機器をフレームに固定するボルトの位置ずれに起因する設定周波数のずれを説明するための図である。 フレームに形成した動吸振器の形成位置に起因する設定周波数のずれを説明するための図である。
符号の説明
1:振動低減部材
2:板状体
2a、2b:振動部
2d:連結部

Claims (4)

  1. 板状体からなる振動低減部材であって、
    前記板状体に形成された半島形状の振動部と、
    前記板状体に形成され前記振動部と当該板状体とを連結するとともに、振動機器が固定される連結部とを備え、
    記連結部、および前記振動部の周囲、のうちのいずれにも段差が形成されており、
    前記振動部の周囲に形成された段差部は、前記振動部周りの板状体の面から、さらに外側上方の板状体の面に向かって傾斜する傾斜面を有するものとなっており、
    段差が形成された前記連結部の上面と、前記振動部の周囲に形成された段差部の上面とが同一平面に形成されていることを特徴とする、振動低減部材。
  2. 段差が形成された前記連結部の長手方向両端が、前記振動部の周囲にその全周にわたって連続して形成された前記段差部につながっていることを特徴とする、請求項1に記載の振動低減部材。
  3. 前記連結部、および前記振動部の周囲、のうちのいずれにも、1つ目の段差に加えてその段差の長手方向と直交する方向に当該1つ目の段差よりも低い高さの2つ目の段差が設けられていることを特徴とする、請求項1または2に記載の振動低減部材。
  4. 前記段差は、前記板状体のプレス加工により形成されていることを特徴とする、請求項1〜3のいずれかに記載の振動低減部材。
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