JP6153408B2 - 加振装置 - Google Patents

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Description

本発明は、取り付けられた対象物に振動を伝播させる加振装置に関する。
携帯電話等の携帯機器において、使用者へ振動により信号等を報知する試みがなされている。このような報知をするため、圧電素子を用いて振動を伝達させる技術が知られている。
特許文献1には、振動板の表面に貼り付けられた圧電素子に錘を取り付けた圧電振動装置が提案されている。
特開平07−213997号公報
携帯機器は落下等の衝撃力を受ける場合も多く、携帯機器内部の加振装置がこのような衝撃力を受けることで、圧電素子が損傷を受けた場合には、振動を発生する能力が低下する可能性がある。
図4は、従来の加振装置を説明する断面図である。特許文献1に記載されているような従来の加振装置11は、円形平板状の導体板12の両主面に貼り付けられた圧電素子14、圧電素子14に取り付けられた錘16、導体板12の長手方向の両端面を支持する支持部13を備えており、ケース(図示せず)に収容されている。
従来の圧電素子に錘を取り付けた構成では、近年のスマートフォン等の内部に加振装置を実装する場合に、必要となる面積が大きくなるため、圧電素子を貼り付けた導体板の形状を円形状ではなく矩形状にするのが望ましい。しかしながら導体板の形状を矩形状とした場合、錘と圧電素子の変位がほぼ同一であることから、外部からの衝撃力を受けた際、圧電素子に過度な応力が発生し、圧電素子が損傷する可能性があるという課題がある。
また、従来の圧電素子に錘を重ねて取り付けた構成では、加振装置の低背化が困難であるという課題もある。
本発明は、上述した課題を解決するためになされたもので、その目的は、低背化が可能で、圧電素子への過度な応力を抑制した加振装置を提供することである。
本発明によれば、矩形状の第一の導体板と、前記第一の導体板の長手方向の両端部を支持する支持部と、前記第一の導体板の少なくとも一方の主面に固定された平板状の圧電素子と、前記第一の導体板の、長手方向に平行な側面の少なくとも一部に形成された連結部と、前記連結部と接続する錘とを備えることを特徴とする加振装置が得られる。
また、前記第一の導体板は、前記圧電素子の撓み振動により屈曲し、前記連結部は、前記第一の導体板の振幅が最大となる位置に形成されていることが望ましい。
また、矩形状の第二の導体板をさらに備え、前記第一の導体板は、前記連結部を介して前記第二の導体板と連結し、前記錘は、前記第二の導体板の少なくとも一方の主面に固定されていてもよい。
また、前記支持部が弾性体であることが望ましい。
本発明によれば、低背化が可能で、圧電素子への過度な応力を抑制した加振装置を提供することが可能となる。
本発明の加振装置に係る実施の形態の一例を示す上面図。 本発明の加振装置に係る実施の形態の一例を示す断面図であり、図1のAーA線の断面図。 本発明の加振装置の動作を説明する断面図。 従来の加振装置を説明する断面図。
図1は、本発明の加振装置に係る実施の形態の一例を示す上面図である。図2は、本発明の加振装置に係る実施の形態の一例を示す断面図であり、図1のA―A線の断面図である。
図1および図2に示すように、本実施の形態の加振装置1は、矩形状の第一の導体板2、第一の導体板2の長手方向の両端部を支持する支持部3、第一の導体板2の主面に固定された平板状の圧電素子4、第一の導体板2の長手方向に平行な側面の中央部に設けられた連結部5、連結部5に接続した錘6を備えている。この加振装置1は、支持部3により、ケース(図示せず)に収容され、駆動電極(図示せず)とともに回路基板(図示せず)に接続され、固定されている。
加振装置1を駆動すると、圧電素子4が伸縮し第一の導体板2には撓み振動が発生する。この撓み振動に伴って錘6が振動し、支持部3を通じて回路基板に慣性力が伝播し、回路基板および付属する筐体が振動する。
回路基板を含む携帯機器を構成すれば、加振装置1により携帯機器が振動し、使用者に振動を知覚させることができる。
加振装置1による振動を快適に使用者へ与える上では、振動の周波数は、振動による騒音を不快に感じない300Hz以下が望ましく、騒音がほとんど聞き取れない100Hz以下、あるいは可聴域を下回る20Hz以下(0を含まず)であればなお望ましい。
本実施の形態では、第一の導体板2の一方の主面の中央に、平板状の圧電素子4を貼り付け、圧電ユニモルフを構成している。第一の導体板2の両方の主面に圧電素子4を形成し、圧電バイモルフの構成としてもよい。
支持部3は、シリコーン樹脂等の弾性体とすることが望ましい。なお、支持部3を弾性体とすることで、圧電素子4の駆動時における振動のQ値が下がるため、加振装置1内の圧電素子4が共振することを防ぎ、圧電素子4への駆動信号を停止した後に圧電素子4が停止するまでの応答時間を短縮することができる。
第一の導体板2の長手方向に平行な側面には、連結部5が設けられており、連結部5には錘6が接続されている。第一の導体板2に固定された圧電素子4と錘6は、連結部5を介して同じ平面上に並べて配置され、上部から見てH字状の構成となっている。この構成にすることにより、従来の圧電素子と錘を重ねて配置する構成と比較して、低背化することが可能となる。
図3は、本発明の加振装置の動作を説明する断面図である。図3に示すように、圧電素子4に駆動電圧が印加されると、圧電素子4が伸縮して撓み、第一の導体板2とともに屈曲振動する。この屈曲振動が連結部5を通じて錘6に伝わり、錘6が振動する。このような構成とすることで、圧電素子4を取り付けた第一の導体板2の振動は小さいが、錘6の振動は大きくなるため、従来と同等以上の振幅を得ることが可能となり、支持部における慣性力が大きくなる。
また、外部から衝撃力が加わった場合、錘6の振動は大きいが圧電素子4は大きく撓むことが無いため、圧電素子4へ過度な応力を抑制することが可能となり、圧電素子4の損傷を防止できる。具体的には、従来の圧電素子と錘が重なって配置されている場合、大きな振幅の撓み振動が圧電素子に加わるため、圧電素子は損傷する可能性があるが、本実施の形態の場合には、圧電素子を貼り付けた第一の導体板の両端が固定されているため、圧電素子が損傷しにくい、ねじりの振動モードとすることができる。
本実施の形態では、第一の導体板2の長手方向に平行な側面の一方に、連結部5を設けているが、第一の導体板2の側面の両方に連結部を設けて、錘を2つにすることも可能である。ただし、2つの錘の振動による振幅が互いに打ち消し合わないように、圧電素子4の配置や数量による振動モードの設計を最適に行う必要がある。
連結部5の形成位置は、第一の導体板2の振幅が最も大きくなる箇所が望ましく、本実施の形態においては第一の導体板2の長手方向に平行な側面の中央部としている。第一の導体板2へ取り付ける圧電素子4の配置や数量による振動モードを考慮して、第一の導体板2の振幅が最大となり、効率よく錘6に振動が伝播する位置に連結部5を設けるように設計することが望ましい。また、連結部5は複数形成してもよい。
さらに、連結部5は、第一の導体板2と同一材質で一体成形されているのが望ましい。また、矩形状の第二の導体板7を設け、連結部5と接続し、この第二の導体板7の主面に錘6を固定することも可能である。このとき、第一の導体板2、連結部5、第二の導体板7を同一材質で一体成形することも可能である。
第一の導体板2、連結部5、第二の導体板7の材質は、本実施の形態では、SUS304を使用しているが、これに限定されるものではなく、強度、圧電素子との熱膨張係数の差、ヤング率等を考慮して選定することが望ましい。
本実施の形態では、第一の導体板2の長さを30mm、圧電素子4の長さを20mmとし、厚さはいずれも0.2mmとした。これらの寸法も、強度や、振幅の大きさ等を考慮して、適宜設計することが可能であり、これに限定されない。
錘6の材質は、本実施の形態では、比重とコストを考慮してタングステンを使用しているが、これに限定されるものではなく、振幅が大きくなるように設計し選定することが望ましい。
以上説明したとおり、本発明の構成により、低背化および圧電素子への過度な応力を抑制した加振装置を提供することができる。
1、11 加振装置
2 第一の導体板
3、13 支持部
4、14 圧電素子
5 連結部
6、16 錘
7 第二の導体板
12 導体板

Claims (4)

  1. 矩形状の第一の導体板と、
    前記第一の導体板の長手方向の両端部を支持する支持部と、
    前記第一の導体板の少なくとも一方の主面に固定された平板状の圧電素子と、
    前記第一の導体板の、長手方向に平行な側面の少なくとも一部に形成された連結部と、
    前記連結部と接続する錘とを備えることを特徴とする加振装置。
  2. 前記第一の導体板は、前記圧電素子の撓み振動により屈曲し、
    前記連結部は、前記第一の導体板の振幅が最大となる位置に形成されていることを特徴とすることを特徴とする請求項1に記載の加振装置。
  3. 矩形状の第二の導体板をさらに備え、
    前記第一の導体板は、前記連結部を介して前記第二の導体板と連結し、
    前記錘は、前記第二の導体板の少なくとも一方の主面に固定されていることを特徴とする請求項1に記載の加振装置。
  4. 前記支持部が弾性体であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の加振装置。
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