JP2002242898A - 圧電ファン - Google Patents

圧電ファン

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JP2002242898A
JP2002242898A JP2001036448A JP2001036448A JP2002242898A JP 2002242898 A JP2002242898 A JP 2002242898A JP 2001036448 A JP2001036448 A JP 2001036448A JP 2001036448 A JP2001036448 A JP 2001036448A JP 2002242898 A JP2002242898 A JP 2002242898A
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piezoelectric fan
fan
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Hiroto Kawaguchi
裕人 川口
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 音叉型振動子が支持されるファンケースへ伝
達される振動を減少させて、圧電ファンを用いた製品の
信頼性の向上を図る。 【解決手段】 圧電素子を含む発風振動子からなる第1
の振動子11と、第1の振動子11の固有振動数と等し
い固有振動数を有する第2の振動子12と、第1の振動
子11と第2の振動子12との間に設けたスペーサ13
とが音叉型に形成された圧電ファン1であって、圧電フ
ァン1は第1の振動子11の固有振動数よりも低い固有
振動数を有する弾性体28を介して固定されているもの
である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、圧電ファンに関
し、詳しくは音叉型振動子を用いた圧電ファンに関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来の圧電ファンは、例えば図18に示
すように、弾性板からなる振動板111を挟むように2
枚の圧電板112、113が接着されている。また振動
板111の先端部には発風板114が接着されている。
上記振動板111、圧電板112、113、発風板11
4からなる振動体110は固定板115によってファン
ケース116の固着部117に固着され、さらにファン
ケース116はファンカバー118によって上部が覆わ
れている。上記圧電ファン101は、上記振動板111
の後端側より流体(例えば空気)を吸入し、発風板11
4方向に吸入した流体を排出する。
【0003】上記圧電ファン101の発風原理を以下に
説明する。図19に示すように、2枚の圧電板(圧電素
子)112、113は信号源121に接続されている。
そして、交流電圧が印加されたとき、例えば、一方の圧
電板113が縮み、他方の圧電板112が伸びるように
分極処理がなされている。このような伸縮歪みにより振
動板111に屈曲歪みが発生し、振動板111の先端部
にZ方向の振動が発生する。振動板111の先端部に取
りつけられた発風板114の固有振動数と圧電板11
2、113へ加わる信号周波数が一致すると、発風板1
14は共振振動を起こし、発風板114の先端が大きく
振動し、団扇と同様の効果によって発風することにな
る。
【0004】また、音叉型振動子を用いた圧電ファン
が、実公平6−4079号公報に開示されている。実公
平6−4079号公報の図1およびその関連記載によれ
ば、一対の板状圧電素子と、この板状圧電素子の間に両
端を同一方向にコの字状に曲げた金属薄板を挟持してな
る圧電バイモルフ振動子を具備し、金属薄板の両端の曲
げ部に弾性薄板を貼付け、さらに圧電バイモルフ振動子
の両端部に支持部に固定支持してなる圧電ファンが開示
されている。また、同公報の図2およびその関連記載に
よれば、金属薄板の曲げ方向両端部に爪部を上記金属薄
板と一体に形成されている圧電ファンが開示されてい
る。
【0005】一般に、圧電ファンによって発生する風量
は、基本的には、発風部の振動と振動周波数そして排除
体積が影響する。振幅と周波数は、発風部の移動速度を
決定するパラメータであり、発風部の移動速度が大きい
ほど周囲流体速度も大きくなり、ベルヌイの定理より明
らかなように速度が大きくなると圧力が小さくなり、周
囲流体を引き込みやすくなる。一方、振幅と発風部面積
は、流体を動かす体積を決定するパラメータであり、体
積が大きいほど流体輸送量を増加することが可能にな
る。つまり、発生風量を増加するには、発風板の振動変
位を大きくし、かつ振動周波数を高くすることが有効と
なる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、圧電フ
ァンは、片持ち支持体の振動により発風部の共振振動を
引き起こす構造であるので、支持体に圧電体の振動が伝
わり、支持体を介してファンケース自体の振動を引き起
こす。つまり、圧電ファン自体が振動することになり、
冷却対象物自体の振動までも誘発する。このような圧電
ファンの振動は、騒音の原因にもなり、また振動が他の
部品の信頼性を劣化させる原因にもなる。
【0007】このように、圧電ファンの欠点である振動
を抑制する必要があるが、振動を抑制すると発風量も減
少することになり、相反することになる。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記課題を解
決するためになされた圧電ファンである。
【0009】本発明の第1の圧電ファンは、圧電素子を
含む発風振動子からなる第1の振動子と、前記第1の振
動子の固有振動数と等しい固有振動数を有する第2の振
動子と、前記第1の振動子と前記第2の振動子との間に
設けたスペーサとが音叉型に形成された圧電ファンであ
って、前記圧電ファンは前記第1の振動子の固有振動数
よりも低い固有振動数を有する弾性体を介して固定され
ているものである。
【0010】上記第1の圧電ファンでは、圧電ファンは
前記第1の振動子の固有振動数よりも低い固有振動数を
有する弾性体に固定されていることから、第1、第2の
振動子の振動を弾性体が吸収することにより、ファンの
発生風速がほぼ等しい条件下でのファンケースに発生す
る振動量は、従来の片持ち支持構造の圧電ファンよりも
1/100程度まで減少されることが確認されている。
【0011】本発明の第2の圧電ファンは、圧電素子を
含む発風振動子からなる第1の振動子と、前記第1の振
動子の固有振動数と等しい固有振動数を有する第2の振
動子と、前記第1の振動子と前記第2の振動子との間に
設けたスペーサとが音叉型に形成された圧電ファンであ
って、前記第1の振動子と前記第2の振動子とはそれぞ
れの最大振幅点をずらして配置されているものである。
【0012】上記第2の圧電ファンでは、第1の振動子
と第2の振動子の各最大振幅点をずらして、第1の振動
子と第2の振動子とが配置していることから、第1の振
動子と第2の振動子との間隔を一つの発風板の最大振幅
のおよそ1/2程度狭めることが可能になり、圧電ファ
ンの小型化が可能となる。また、上記第1の圧電ファン
と同様に、第1、第2の振動子の振動を弾性体が吸収す
ることにより、ファンの発生風速がほぼ等しい条件下で
のファンケースに発生する振動量は、従来の片持ち支持
構造の圧電ファンよりも大幅に減少される。
【0013】
【発明の実施の形態】本発明の圧電ファンに係る第1の
実施の形態を、図1の概略構成斜視図によって説明す
る。
【0014】図1に示すように、圧電ファン1には、圧
電素子を含む発風振動子からなる第1の振動子11が備
えられている。この第1の振動子11は、弾性板21
と、この弾性板21の一端側両面に設けた圧電板(圧電
素子)22、23と、弾性板21の他端に設けた発風板
24とからなる。
【0015】上記圧電板22、23に用いる材料は、チ
タン酸ジルコン酸鉛系のPZTなどが用いられている
が、できうるだけ、低電圧で駆動させるためには圧電率
31の大きい材料を選択し、圧電板の厚みをでき得るだ
け薄くする等の考慮が必要となる。
【0016】また第1の振動子11の一端側(圧電板2
2、23を設けた側)には第2の振動子12がスペーサ
13を介して音叉型に形成されている。すなわち、第
1、第2の振動子11、12とスペーサ13とによっ
て、音叉型振動子10が構成されている。
【0017】上記第2の振動子12は、弾性板26と、
弾性板26のスペーサ13が固定されている側とは反対
方向に設けた発風部27とからなり、上記第1の振動子
11の固有振動数と等しい固有振動数を有するように形
成されている。上記弾性板26は、例えば上記弾性板2
1と同様の材料で形成することができる。上記発風板2
7は、上記発風板24と同様の材料で形成することがで
きる。さらに上記スペーサ13は、例えば金属、セラミ
ックス、プラスチックス等の材料を用いることができ、
その厚みは、一例として、第1、第2の振動子11、1
2の振幅量に所定のマージン(振動量のばらつきや組立
精度など)を加えた値としている。
【0018】なお、図1に示しているように、上記第2
の振動子12は、上記第1の振動子11と同等の固有振
動数を有するようにするため、第1の振動子11の弾性
板21と同様のもので弾性板26を形成し、その弾性板
26のスペーサ13の取り付け側に圧電板のダミー2
9、30を設けてもよい。
【0019】上記弾性板21、26の材質は、一般的な
ばね性を有する金属板などが適しており、例えばリン青
銅、ベリリウム銅、ステンレス鋼(SUS)等があり、
材料の違いによって振動特性が大きく異なり、縦弾性係
数、比重、減衰比等の材料特性を考慮して決定すること
が望ましい。
【0020】上記発風板24、27の材質は、でき得る
だけ振動周波数を高くしたい場合には、特に比重の軽い
材料でかつ縦弾性係数の大きい材料が適する。つまり、
比剛性の高い材料が適し、カーボン繊維配合材料やチタ
ン等が適する。場合によっては、形状効果で断面2次モ
ーメントを大きくすることにより軽金属のアルミニウム
等も利用可能である。実際には振動子を構成する全ての
材料、形状の組み合わせによって振動特性が決定され
る。
【0021】さらにファンケース(図示せず)に固定す
るための弾性体28が上記弾性板26の一端側(スペー
サ13側)の両側部に形成されている。この弾性体28
は、例えば、弾性板26と一体の弾性板からなるT字型
の板ばねで形成されていて、例えば、音叉型振動子10
の重心が弾性体28、28の支持点を結ぶ線上に一致す
るように配置される。すなわち、音叉型振動子10は、
図10によって後述するように傾くことなく例えば水平
に配置される。なお、弾性体28は、上記説明したよう
に、弾性板26と一体に形成されていてもよく、もしく
は、弾性板26とは別体に構成された上記弾性板21と
同様な弾性材料で形成されていてもよい。また、弾性体
28は板ばねに限定されることはなく、ばね性を有する
ものであればよく、種々の形態のばねを用いることが可
能である。
【0022】図2に示すように、上記図1によって説明
した圧電ファン1は、ファンケース51に組み込まれ、
発風板24、27が自由に振動するようなスペースを確
保した状態で圧電ファン1の弾性体28がファンケース
51の固着部52に固着されている。
【0023】ここで、本発明の特徴である発風板24、
27の振動変位を大きくしかつ支持部への振動伝達を減
らす原理について以下に説明する。
【0024】図3は音叉型振動子の概略図を示す。図3
に示すように、音叉型振動子(以下音叉という)71を
矢印の方向に叩くと、音叉71の両腕72、73が同一
周波数で振動することは周知の事実である。このよう
に、固有振動数の等しい腕は、腕の一方に振動が発生す
ると、もう一方の腕にも振動が発生する性質がある。こ
の音叉71の場合、音叉71の根元部分を支える必要が
あり、音叉71の根元部分にも振動は伝達している。
【0025】そこで図4に示すように、音叉71の根元
部分に共鳴体75を接続した構成とすると、音叉71の
振動周波数で共鳴体75が発音することも良く知られた
現象である。
【0026】本発明の第1の圧電ファン1は、音叉のよ
うに、片側の振動子(第1の振動子11)の振動のみで
他方の振動子(第2の振動子12)を振動させることが
できることを利用している。
【0027】図5に示すように、音叉型振動子10は、
第1の振動子11と第2の振動子12とがスペーサ13
を介して音叉のような形状に組み合わされている。第1
の振動子11には圧電板22、23が取りつけられてい
て、もう一方の第2の振動子12は、第1の振動子11
と固有振動数が等しくなるように材料および形状が選択
されている。このように第1、第2の振動子11、12
を音叉型に構成すると圧電板22、23に所定の周波数
の電圧を印加することにより、もう一方の振動子(第2
の振動子12)に逆相の振動が発生する。スペーサ13
の厚みは、振動素子の振幅量に所定のマージン(振動量
のばらつきや組立精度など)を加えた値としている。
【0028】次に、上記音叉型振動子10の支持方法を
図6によって説明する。図6は、音叉型振動子10とフ
ァンケース51を理論ばね41で結合した概念図であ
る。図6に示すように、理論ばね41の共有周波数≪音
叉型振動子の振動周波数とすることで、音叉型振動子1
0の振動伝達量を減らすことができる。このような支持
方法は、音叉型振動子10に対して有効である。
【0029】つまり、図7に示すように、振動子81を
弾性体(例えば、ばね)42で支持すると、振動子81
の先端部(発風板82側)に大きな振動を得ることがで
きなくなる。
【0030】音叉型振動子10の場合は、図8に示すよ
うに、音叉型振動子10の支持側を弾性体28による、
いわゆるばね支持としても、両者の振動子のエネルギー
交換が効率良く行われるため、第1、第2の振動子1
1、12の各先端部の振動を阻害しない。
【0031】したがって、上記実施の形態で説明したよ
うに、音叉型振動子10と弾性体(例えば、ばね)28
による支持を組み合わせた構成をなすことにより、発風
板24、27の振動量を大きくし、かつファンケース5
1への振動伝達を抑制することが可能となる。
【0032】次に、上記圧電ファン1の組立方法の一例
を、図9の分解斜視図によって説明する。
【0033】図9に示すように、本実施の形態では、弾
性板21が振動板の機能を有し、弾性板26が振動板と
しての機能を有して弾性体28と一体に構成されてい
る。この弾性板21の一端側両面に圧電板(圧電素子)
22、23を既知の固着手段により固着する。また弾性
板21の他端には発風板24を既知の固着手段により固
着する。同様に、弾性板26の他端に発風板27を既知
の固着手段により固着する。なお、弾性板26には、弾
性板21の固有振動数に合わせるため、図示はしない
が、圧電板22、23が固着された弾性板21と同様な
位置に圧電板のダミーを設ける。そして、スペーサ13
を介して弾性板21、26一端側どうしを既知の固着手
段により固着する。上記固着手段としては、固着される
材料に応じて、例えば、接着剤による接着、半田や銀ろ
うによるろう付け、ねじやビスによる締め付け、溶接等
の手段を用いる。
【0034】また、本実施の形態では、弾性板21と発
風板24、弾性板26と発風板25とが別々な部品にな
っているが、それぞれ、発風板と弾性板とを同一材料で
一体に形成することも可能である。この場合、第1、第
2の振動子11、12の振動特性を考慮した材料の選定
が必要となる。
【0035】さらに、図1、図2によって説明した実施
の形態では、二つの第1、第2の振動子11、12の形
状がほぼ同一のようにみえるが、これも両者の各々の固
有振動数を一致させていることが前提となっている。上
記説明したようにダミーを設ける、もしくは、両者の形
状や寸法を異ならせることによって、両者の固有振動数
を合わせる。
【0036】音叉型振動子10の弾性体(例えば、ば
ね)28は、前述の通り、固有振動数の低いばねで支持
する必要がある。これは言い換えると「弱いばね」で支
えるということである。したがって、弾性体28の部分
については、ばね厚を薄く、振動子12からファンケー
ス51の固着部52までの長さを長く、弾性体28の幅
を狭くすることで、ばねを弱くすることができる。一
方、ばねを弱くすることにより、第1、第2の振動子1
1、12の姿勢を維持することが困難になる。すなわ
ち、図10に示すように、発風板24、27を含む第
1、第2の振動子11、12とスペーサ13との重さに
対して弾性体28にねじり変形が生じて、第1、第2の
振動子11、12が例えばθだけ傾く。
【0037】上記傾きθを防ぐ構成を、第2の実施の形
態として、図11の概略構成図によって説明する。
【0038】図11に示すように、発風部24、27の
逆側にバランスウェイト31を設け、弾性体(例えば、
ばね)28に発風板24、27を含む第1、第2の振動
子11、12およびスペーサ13からなる音叉型振動子
10の重心Gが乗るようにする。上記構成の圧電ファン
2は、音叉型振動子10の総重量が弾性体28に対して
垂直方向に加わり、モーメントが0になることから、前
記図10に示すような傾きθとなることが防げる。もち
ろんスペーサ13の一部にバランススペーサウェイトを
持たせるような形状に形成することもできる。
【0039】次に、本発明の圧電ファンに係わる第3の
本実施の形態を、図12の組立て図によって以下に説明
する。
【0040】図12に示すように、圧電ファン3は、前
記図1によって説明した圧電ファン1において、第2の
弾性板26にダミー29、30の代わりに圧電板(圧電
素子)32、33を設けたものである。その他の構成部
品は、前記図1によって説明した音叉型振動子10を構
成する発風板24を備えた第1の振動子11(弾性板2
1、圧電板22、23)、発風板27を備えた第2の振
動子12(弾性板26)、スペーサ13、弾性体28等
と同様である。このように構成された圧電ファン3は、
音叉型振動子を構成する第1、第2の振動子11、12
のそれぞれに圧電板22、23、32、33を設けたこ
とによって、振動量を増やすことができる。
【0041】このような構造においては、図13に示す
ように、圧電板22、23、32、33への電源35の
接続は、第1、第2の振動子11、12が逆位相で振動
するようにする。この場合には、基本的に第1、第2の
振動子11、12を構成する材料、構造が等しくなり、
形状も同形状とすることが望ましい。図13には示さな
いが、弾性体(例えば、ばね)28によるファンケース
51に対する圧電ファン3の支持の構造は前記図1等に
よって説明した構造と同様な考え方でよい。
【0042】次に、本発明の圧電ファン1と従来の片持
ち支持構造の圧電ファンについて、ファンを駆動したと
きのファンケースの振動状態を比較した。測定は、図1
4に示すように、本発明の圧電ファン1を収納し、蓋5
3をしたファンケース51と、図15に示すように、従
来の技術で説明した圧電ファン101を収納し、蓋15
3をしたファンケース151との同一位置関係となるA
点〜D点の振動量をレーザドップラー計により測定する
方法を採用した。
【0043】いずれの圧電ファンも、振動子には、弾性
板には28mm(長さ)×10mm(幅)で100μm
の厚さのリン青銅板を用い、その一端にそろえて12m
m(長さ)×10mm(幅)×190μm(厚)の圧電
板を備え、弾性板の他端側に圧電板と1mmの間隔を置
いて15mm(長さ)×30mm(幅)×120μm
(厚)のカーボン繊維配合材からなる発風板を設けたも
のを用いた。また、従来型の圧電ファンは、圧電板を備
えた側の端部を幅2mmの固定座に同幅の固定具で固定
した。本発明の圧電ファンは、圧電板を備えた側の端部
に幅2mmのスペーサを介して上記同形状の振動子を音
叉型に固定した。また音叉型振動子の固定は弾性板に設
けた弾性体によった。
【0044】また、ファンケースは流入側開口が面積で
約800mm2 であり、流出側開口が35mm×8mm
(=280mm2)であるものを用いた。そして流出側
より10mmの位置で風速を測定した。従来型の圧電フ
ァンに対しては印加電圧を20Vrms(周波数350
Hz)として1.2m/sなる風速が得られるように
し、本発明の圧電ファンに対しては印加電圧を8Vrm
sとして1.5m/sなる風速が得られるようにした。
【0045】その結果を図16に示す。図16では、左
縦軸に対数表示で振動量(μm)を示し、右縦軸に従来
の圧電ファンの振動量と本発明の圧電ファンの振動量の
比(%)を示し、横軸に測定点A〜Dを示す。
【0046】図16に示すように、圧電ファンの発生風
速がほぼ等しい条件下でのファンケースに発生する振動
量は、従来の片持ち支持構造の圧電ファン101に対し
て本発明の圧電ファン1を用いることによって1/10
0程度まで減少できることがわかった。
【0047】また、上記圧電ファン1〜3は、前記従来
の技術に記載した実公平6−4079号公報に開示され
た技術と比較して、音叉型振動子10を薄型に構成する
ことができる特徴を有している。さらに、薄型の圧電フ
ァンとする場合には、ファンケース51内部の空間の厚
みに制約が生じるため、振動子をさらに薄型に形成する
必要がある。
【0048】そこで、前述の弾性体(ばね)の位置に振
動子の重心を合わせるという考え方を進めた構成を第4
の実施の形態として図17によって説明する。
【0049】図17に示すように、圧電ファン4は、第
1の振動子11を第2の振動子12の長手方向(例えば
図中矢印ア方向)にずらした構成となっている。この構
成であっても、音叉振動子10全体の重心は弾性体(ば
ね)28上に配置されている。
【0050】上記構成の圧電ファン4では、スペーサ1
3の厚みを薄くすることができる。すなわち、先の図1
に示した構成の場合には、第1、第2の振動子11、1
2の振幅最大点(発風板24、27先端部)が一致して
いるために、発風板24、27の衝突を防ぐためにスペ
ーサ13は最大振幅量+αなる厚みが必要になる。一
方、図17に示す構成の圧電ファン4では、第1、第2
の振動子11、12の振幅最大点(発風板先端部)の位
置がずれているために、スペーサ13に必要な厚みは最
大振幅量以下でよいことになる。このように重心位置を
弾性体28上に合わせるように第1、第2の振動子1
1、12の一方をずらすことにより、スペーサ13の厚
みを薄くすることができる。すなわち、圧電ファン4の
厚みを薄くすることができる。
【0051】
【発明の効果】以上、説明したように本発明の圧電ファ
ンによれば、圧電素子を含む振動子を音叉型に組み合わ
せ、かつ、この振動子が、振動子の振動周波数よりも低
い固有周波数を有する弾性体で支持されているので、発
風板の振動量を阻害することなく、振動子の支持体とな
る例えばファンケースに発生する有害な振動を抑制する
ことができる。それによって、本発明の圧電ファンを用
いた製品の信頼性向上を図る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の圧電ファンに係る第1の実施の形態を
示す概略構成斜視図である。
【図2】ファンケースに収納された圧電ファンの概略構
成斜視図である。
【図3】音叉を説明する概略図である。
【図4】音叉と共鳴体とを説明する概略構成図である。
【図5】音叉型振動子を説明する概略構成図である。
【図6】音叉型振動子を理論ばねで支持する構成を示す
概略構成図である。
【図7】一つの振動子をばね支持する構成を示す概略構
成図である。
【図8】音叉型振動子を弾性体(ばね)で支持する構成
を示す概略構成図である。
【図9】第1の実施の形態で説明した圧電ファンの組立
て図である。
【図10】弾性体支持された音叉型振動子のバランスの
説明図である。
【図11】本発明の圧電ファンに係る第2の実施の形態
を示す概略構成図である。
【図12】本発明の圧電ファンに係る第3の実施の形態
を示す概略構成図である。
【図13】音叉型振動子の分極方向を説明する概略構成
図である。
【図14】本発明の圧電ファンの振動状態を測定する位
置を説明する部分破断概略構成斜視図である。
【図15】従来の圧電ファンの振動状態を測定する位置
を説明する部分破断概略構成斜視図である。
【図16】本発明の圧電ファンと従来の圧電ファンの振
動量と振動量比とを示す図である。
【図17】本発明の圧電ファンに係る第4の実施の形態
を示す概略構成図である。
【図18】従来の圧電ファンを示す概略構成図である。
【図19】従来の圧電ファンの発風原理を説明する概略
構成図である。
【符号の説明】
1…圧電ファン、10…音叉型振動子、11…第1の振
動子、12…第2の振動子、13…スペーサ、28…弾
性体

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 圧電素子を含む発風振動子からなる第1
    の振動子と、 前記第1の振動子の固有振動数と等しい固有振動数を有
    する第2の振動子と、 前記第1の振動子と前記第2の振動子との間に設けたス
    ペーサとが音叉型に形成された圧電ファンであって、 前記圧電ファンは前記第1の振動子の固有振動数よりも
    低い固有振動数を有する弾性体を介して固定されている
    ことを特徴とする圧電ファン。
  2. 【請求項2】 前記第2の振動子は圧電素子を含むこと
    を特徴とする請求項1記載の圧電ファン。
  3. 【請求項3】 圧電素子を含む発風振動子からなる第1
    の振動子と、 前記第1の振動子の固有振動数と等しい固有振動数を有
    する第2の振動子と、 前記第1の振動子と前記第2の振動子との間に設けたス
    ペーサとが音叉型に形成された圧電ファンであって、 前記第1の振動子と前記第2の振動子とはそれぞれの最
    大振幅点の位置をずらして形成されていることを特徴と
    する圧電ファン。
  4. 【請求項4】 前記第2の振動子は圧電素子を含むこと
    を特徴とする請求項3記載の圧電ファン。
  5. 【請求項5】 前記圧電ファンは前記第1の振動子の固
    有振動数よりも低い固有振動数を有する弾性体で固定さ
    れていることを特徴とする請求項3記載の圧電ファン。
  6. 【請求項6】 前記圧電ファンは前記第1の振動子の固
    有振動数よりも低い固有振動数を有する弾性体で固定さ
    れていることを特徴とする請求項4記載の圧電ファン。
  7. 【請求項7】 前記弾性体は前記圧電ファンの重心に配
    置されることを特徴とする請求項1記載の圧電ファン。
  8. 【請求項8】 前記弾性体は前記圧電ファンの重心に配
    置されることを特徴とする請求項2記載の圧電ファン。
  9. 【請求項9】 前記弾性体は前記圧電ファンの重心に配
    置されることを特徴とする請求項5記載の圧電ファン。
  10. 【請求項10】 前記弾性体はばね材からなることを特
    徴とする請求項1記載の圧電ファン。
  11. 【請求項11】 前記弾性体はばね材からなることを特
    徴とする請求項2記載の圧電ファン。
  12. 【請求項12】 前記弾性体はばね材からなることを特
    徴とする請求項5記載の圧電ファン。
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