JP5020840B2 - 画像検出装置および画像検出器の駆動方法 - Google Patents

画像検出装置および画像検出器の駆動方法 Download PDF

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Description

本発明は、TFT型のスイッチ素子を有する多数の画素が2次元状に配列された画像検出器を備えた画像検出装置および画像検出器の駆動方法に関するものである。
近年、TFTアクティブマトリクスアレイ上にX線感応層を配置し、X線情報を直接デジタルデータに変換できるFPD(flat panel detector)が実用化されている。従来のイメージングプレートに比べて、即時に画像を確認でき、動画も確認できるといったメリットがあり、急速に普及が進んでいる。
まず、図15を用いて従来の放射線画像検出器の構成について説明する。図15は3×3画素の模式的等価回路である。図15において、211は画像センサ部、212はTFTスイッチ、213は電荷蓄積容量、214は走査配線、215はデータ配線、216は信号検出器である。
そして、X線等の放射線が画像センサ部211に入射して正孔・電子対が発生し、その電荷が各画素の蓄積容量213に蓄積される。その後、走査配線214によりTFTスイッチ212を順次オンさせ、この電荷蓄積容量213に蓄積された蓄積電荷をTFTスイッチ212のソース・ドレイン電極の一方と接続されたデータ配線215に転送し、信号検出器216によって読み取る。
このようなFPDと呼ばれる放射線画像検出器においては、直接画像信号を検出することができるため、精度よい放射線画像が検出されることが特徴であるが、各種原因で、本来検出すべき画像信号に各種ノイズが付与されるケースがある。
たとえば、ノイズの一つにTFTスイッチのリーク電流がある。検出画素を選択するためのTFTスイッチはオフ動作時には全くリーク電流を流さないことが好ましい。しかしながら、デバイス特性上ある量のリーク電流が流れて、この分が画像信号に加算されてしまう。この問題を解決するため、たとえば、特許文献1においては、TFTスイッチオフ時のリーク電流を読み出しておき、そのリーク電流値を用いて画像信号を補正する方法が提案されている。
特開2003−319264号公報
しかしながら、特許文献1に記載の方法では、必ずしも画像の品質は向上しない。なぜならば、特許文献1に記載の方法においては、リーク電流量の補正に、画像信号からリーク電流成分を減算する処理を用いるためである。リーク電流成分はランダムなノイズであるため、画像信号からリーク電流成分を減算しても、その結果は画像信号とリーク電流成分の加算値になりノイズ量は増加する。そして、結果的に画像品位の低下を招く可能性があるという問題があった。
また、上記リーク補正に要する処理時間も重要な問題である。医療診断においは、患者に応じて撮影条件を最適化する必要があるため、画像の取り直し頻度も高く、撮影直後のできる限り早い段階での画像確認が必要である。また動画用X線検出器では、当然ながらフレームレート以上の時間はかけられない。また、補正処理のために必要なメモリ等の周辺回路コストも大きく、処理時間高速化を狙う場合には、さらに高価な回路システムが必要となる。
本発明は、上記の事情に鑑み、上記のような画像品位の低下、補正処理時間の長期化、回路コストの増加を伴うことなく上記リーク電流の影響を抑制することができる画像検出装置および画像検出器の駆動方法を提供することを目的とする。
本発明の第1の画像検出装置は、記録用の電磁波の照射を受けて電荷を発生する電荷発生部と、2つの電極が対向配置されて前記電荷発生部において発生した電荷を蓄積し、蓄積した電荷量に応じて一方の電極の電位を基準として他方の電極の電位が変化する蓄積容量と、該蓄積容量に蓄積された電荷を読み出すためのTFT型のスイッチ素子とを有する検出部を備えた画像検出器と、前記一方の電極に電圧を印加する電源部と、前記画像検出器から前記蓄積容量に蓄積された電荷を読み出す前に、所定時間だけ、前記スイッチ素子からリーク電流が流れ易くなるよう前記電源部から前記一方の電極に印加される電圧を制御する制御部と、を備えたことを特徴とする。
また、上記本発明の第1の画像検出装置においては、前記制御部が、前記画像検出器に前記記録用の電磁波を照射した後から前記画像検出器から前記電荷を読み出す前までの間に、前記所定時間だけ前記一方の電極に印加される電圧を制御してもよい。
また、上記本発明の第1の画像検出装置においては、前記制御部が、前記画像検出器に前記記録用の電磁波が照射されている期間を含む前記所定時間だけ前記一方の電極に印加される電圧を制御してもよい。
また、前記画像検出器が有するTFTスイッチ素子を、前記蓄積容量に電荷が蓄積されて前記他方の電極の電位が一定値以上となると電流が流れることにより回路を保護する耐電圧保護機能を備えるものとすることができる。
また、電源部を、画像検出器とは別個に設けられた周辺回路基板に設けるようにすることができる。
また、前記画像検出器の検出部から読み出された電荷信号の電位を検出することにより蓄積された電荷量を検出する信号検出器を有するものとし、前記電荷信号の電位を検出する際、前記信号検出器において検出の基準となる基準電極配線の電位と前記蓄積容量を構成する前記一方の電極の電位とを同じレベルにしてもよい。
また、上記所定時間を、100μs〜1sとすることが望ましい。
本発明の第2の画像検出装置は、記録用の電磁波の照射を受けて電荷を発生する電荷発生部と、2つの電極が対向配置されて前記電荷発生部において発生した電荷を蓄積し、蓄積した電荷量に応じて一方の電極の電位を基準として他方の電極の電位が変化する蓄積容量と、該蓄積容量に蓄積された電荷を読み出すためのTFT型のスイッチ素子とを有する検出部を備えた画像検出器と、前記一方の電極に印加される電圧を制御することにより前記スイッチ素子からのリーク電流を変動させる機構と、を備えたことを特徴とする。
本発明の画像検出器の駆動方法は、記録用の電磁波の照射を受けて電荷を発生する電荷発生部と、2つの電極が対向配置されて前記電荷発生部において発生した電荷を蓄積し、蓄積した電荷量に応じて一方の電極の電位を基準として他方の電極の電位が変化する蓄積容量と、該蓄積容量に蓄積された電荷を読み出すためのTFT型のスイッチ素子とを有する検出部を備えた画像検出器の駆動方法であって、前記スイッチ素子を介して前記蓄積容量から前記電荷を読み出す時点よりも前のタイミングにおいて、前記スイッチ素子からリーク電流が流れ易くなるよう前記一方の電極に印加される電圧を変動させることを特徴とする。
本発明の第1の画像検出装置は、画像検出器から前記蓄積容量に蓄積された電荷を読み出す前に、所定時間だけ、スイッチ素子からリーク電流が流れ易くなるよう一方の電極に印加される電圧を制御しているので、画像検出器から電荷信号を読み出す前に十分にリーク電流を流すことによって電荷信号を読み出す時には十分にリーク電流を減少させることができるので、リーク電流に起因するノイズを減少させることができる。
また、上記本発明の第1の画像検出装置において、画像検出器に記録用の電磁波を照射した後から画像検出器から電荷を読み出す前までの間に、所定時間だけ、スイッチ素子からリーク電流が流れ易くなるよう一方の電極に印加される電圧を制御することにより、画像の読出し時におけるリーク電流の影響を小さくすることができる。
また、上記本発明の第1の画像検出装置において、画像検出器に記録用の電磁波が照射されている期間を含む所定時間だけ一方の電極に印加される電圧を制御することにより、画像の読出し時におけるリーク電流の影響を小さくするができると共に、画像の読出しタイミングを早めることができる。
また、TFTスイッチ素子が、耐電圧保護機能を備えることにより、リーク電流の特性が、後述する図6に示すような特性となるので、本発明の効果の実現が容易になる。
また、電源部を、画像検出器とは別個に設けられた周辺回路基板に設けることにより、容量の大きな電源、大きなパスコンなどを搭載することができ、電源部の電圧の切替時の電源ノイズを低くすることができる。
また、画像検出器の検出部から読み出された電荷信号の電位を検出することにより蓄積された電荷量を検出する信号検出器を有するもとし、電荷信号の電位を検出する際、信号検出器において検出の基準となる基準電極配線の電位と蓄積容量を構成する一方の電極の電位とを同じレベルにすることにより、画像検出器から電荷信号を読み出す際のリーク電流を減らすことができ、検出ノイズを低減することができる。すなわち、たとえば、信号検出器の基準電極配線の電位と一方の電極の電位とがずれている場合、たとえば、一方の電極の電位が高い場合には、一方の電極側から信号検出器側に常に一定の電流が流れることになる。つまり、本来蓄積容量に蓄積された電荷量が流れ終わると検出部から信号検出器への電流はなくなるが、上記現象により、検出時のリーク電流(信号検出器の基準電極配線の電位と一方の電極の電位との差による定電流)が付加され、これに起因してホワイトノイズ(一定レベルのノイズ)が発生する。したがって、上記のように信号検出器の基準電極配線の電位と一方の電極の電位とを同じレベルにするようにすれば、上記ホワイトノイズを減らすことができる。
また、上記所定時間を100μs〜1sにした場合には、作業効率を低下させることなく、スイッチ素子からのリーク電流を十分に流すことができる。
本発明の第2の画像検出装置によれば、画像検出器のスイッチ素子からのリーク電流を変動させる機構とを備えているので、後述するようにスイッチ素子からのリーク電流を制御することができ、画像検出器から電荷信号を読み出す前に十分にリーク電流を流すことによって電荷信号を読み出す時には十分にリーク電流を減少させることができるので、リーク電流に起因するノイズを減少させることができる。
本発明の画像検出器の駆動方法によれば、画像検出器のスイッチ素子を介して蓄積容量から電荷を読み出す時点よりも前のタイミングにおいて、スイッチ素子からリーク電流が流れ易くなるよう一方の電極に印加される電圧を変動させるようにしたので、後述するようにスイッチ素子からのリーク電流を制御することができ、画像検出器から電荷信号を読み出す前に十分にリーク電流を流すことによって電荷信号を読み出す時には十分にリーク電流を減少させることができるので、リーク電流に起因するノイズを減少させることができる。
以下、図面を参照して本発明を放射線画像検出システムに適用した場合について説明する。
図1は、第1の実施の形態に係る放射線画像検出システムの概略構成図を示している。
本放射線画像検出システムは、図1に示すように、放射線画像検出器から放射線画像信号を読み出す放射線画像検出装置100と、放射線画像検出装置100により読み出された放射線画像信号に基づいて放射線画像を表示するディスプレイ200とを備えている。
放射線画像検出装置100は、放射線画像検出器101と、放射線画像検出器101から出力された放射線画像信号を検出する信号検出器102と、放射線画像検出器101の走査配線にスキャン信号を出力するスキャン信号制御装置103と、信号検出器102によって検出された検出信号を取得してディスプレイ200にビデオ信号として出力するとともに、スキャン信号制御装置103、信号検出器102および後述する電源部106に制御信号を出力する信号処理装置104とを備えている。
放射線画像検出器101は、後述するバイアス電極と半導体膜と電荷収集電極とから構成される画像センサ部105と、画像センサ部105で検出された電荷信号を蓄積する電荷蓄積容量5と、電荷蓄積容量5に蓄積された電荷を読み出すためのTFTスイッチ4とから構成される画素が2次元状に多数配列されたものである。そして、上記TFTスイッチ4をON/OFFするための多数の走査配線2と上記電荷蓄積容量5に蓄積された電荷が読み出される多数のデータ配線3とが設けられている。
また、信号処理装置104とスキャン信号制御装置103とは、スキャン制御信号ライン109で接続されており、このスキャン制御信号ライン109を介して信号処理装置104からスキャン信号制御装置103へ制御信号が出力される。
また、信号処理装置104と信号検出器102とは、制御ライン110と信号ライン111とで接続されておいり、制御ライン110を介して信号処理装置104から信号検出器102に制御信号が出力されるとともに、信号ライン111を介して信号検出器102から信号処理装置104へ信号検出器102で検出された信号が出力される。
また、放射線画像検出装置100は放射線画像検出器101の各画素の電荷蓄積容量5を構成する、後述する電荷蓄積容量電極14の電位を所定時間だけ変更する可変Cs電源106を備えている。なお、可変Cs電源106は、放射線画像検出器101とは異なる別個の周辺基板上に設けられている。
本実施形態においては、可変Cs電源106は、図1に示すように、直流電圧源106aとスイッチ106bとから構成されている。そして、スイッチ106bを切り替えることによって、電荷蓄積容量5とGND(グランド)または直流電源106aとが接続され、電荷蓄積容量5を構成する電荷蓄積容量電極14の電位を所定時間だけ変更するように構成されている。
そして、可変Cs電源106と信号処理装置104とは、Cs電源制御ライン112により接続されており、信号処理装置104からCs電源制御ライン112に可変Cs電源106のスイッチ106bを切り替える制御信号が出力される。
また、本放射線画像検出システムは、放射線画像検出器101への放射線画像の記録時に、画像センサ部105の後述するバイアス電極に高電圧を印加する高圧電源108が設けられている。なお、本放射線画像検出システムにおいては、高圧電源108を放射線画像検出装置100とは別個に設けるようにしたが、放射線画像検出装置100に含めるようにしてもよい。また、ここでいう高電圧とは、約500V以上の電圧のことをいう。
ここで、放射線画像検出器101についてより詳細に説明する。図2は、放射線画像検出器101の1画素単位の構造を示す平面図、図3は図2の3−3線断面図である。
図3に示すように、放射線画像検出器101は、アクティブマトリックス基板10上に、電磁波導電性を有する半導体膜6、及び、高圧電源108に接続されたバイアス電極7が順次形成されている。半導体膜6は、X線などの電磁波が照射されることにより、内部に電荷(電子−正孔)を発生するものである。つまり、半導体膜6は電磁波導電性を有し、X線による画像情報を電荷情報に変換するためのものである。また、半導体膜6は、例えば、セレンを主成分とする非晶質のa−Se(アモルファスセレン)からなる。ここで、主成分とは、50%以上の含有率を有するということである。
以下に、アクティブマトリックス基板10について詳しく説明する。
アクティブマトリックス基板10は、ガラス基板1、走査配線2、電荷蓄積容量電極(以下、C電極と称する)14、ゲート絶縁膜15、接続電極13、チャネル層8、コンタクト層9、データ配線3、絶縁保護膜17、層間絶縁膜12、電荷収集電極11とを有している。
また、走査配線2やゲート絶縁膜15、データ配線3、接続電極13、チャネル層8、コンタクト層9等で以て薄膜トランジスタ(TFT:Thin Film Transistor)4が構成されており、C電極14やゲート絶縁膜15、接続電極13等で以て電荷蓄積容量(C)5が構成されている。
ガラス基板1は支持基板であり、ガラス基板1としては、例えば、無アルカリガラス基板(例えば、コーニング社製#1737等)を用いることができる。図1に示すように、走査配線2及びデータ配線3は、格子状に配列された電極配線であり、その交点には薄膜トランジスタ(以下、TFTスイッチと称する)4が形成されている。TFTスイッチ4はスイッチング素子であり、そのソース・ドレインは、各々データ配線3と接続電極13とに接続されている。データ配線3はそのソース電極、接続電極13はそのドレイン電極である。つまり、データ配線3は、信号線としての直線部分と、TFTスイッチ4を構成するための延長部分とを備えており、接続電極13は、TFTスイッチ4と電荷蓄積容量5とをつなぐように設けられている。
ゲート絶縁膜15は、SiNや、SiO等からなっている。ゲート絶縁膜15は、走査配線2及びC電極14を覆うように設けられており、走査配線2上に位置する
部位がTFTスイッチ4におけるゲート絶縁膜として作用し、C電極14上に位置す
る部位は電荷蓄積容量5における誘電体層として作用する。つまり、電荷蓄積容量5は、走査配線2と同一層に形成されたC電極14と接続電極13との重畳領域によって形
成されている。なお、ゲート絶縁膜15としては、SiNやSiOに限らず、走査配線2及びC電極14を陽極酸化した陽極酸化膜を併用することもできる。
また、チャネル層(i層)8はTFTスイッチ4のチャネル部であり、データ配線3と接続電極13とを結ぶ電流の通路である。コンタクト層(n層)9はデータ配線3と
接続電極13とのコンタクトを図る。
絶縁保護膜17は、データ配線3及び接続電極13上、つまり、ガラス基板1上に、ほぼ全面(ほぼ全領域)にわたって形成されている。これにより、接続電極13とデータ配線3とを保護すると共に、電気的な絶縁分離を図っている。また、絶縁保護膜17は、その所定位置、つまり、接続電極13において電荷蓄積容量5を介してC電極14と対
向している部分上に位置する部位に、コンタクトホール16を有している。
電荷収集電極11は、非晶質透明導電酸化膜からなっている。電荷収集電極11は、コンタクトホール16を埋めるようにして形成されており、データ配線3上及び接続電極13上に積層されている。電荷収集電極11と半導体膜6とは電気的に導通しており、半導体膜6で発生した電荷を電荷収集電極11で収集できるようになっている。
層間絶縁膜12は、感光性を有するアクリル樹脂からなり、TFTスイッチ4の電気的な絶縁分離を図っている。層間絶縁膜12には、コンタクトホール16が貫通しており、電荷収集電極11は接続電極13に接続されている。
ガラス基板1上には、走査配線2及びC電極14が設けられている。走査配線2の
上方には、ゲート絶縁膜15を介して、チャネル層(i層)8、及び、コンタクト層(n層)9がこの順に形成されている。コンタクト層9上には、データ配線3と接続電極
13とが形成されている。接続電極13は、電荷蓄積容量5を構成する層の上方に積層されている。
絶縁保護膜17の上方には、TFTスイッチ4の層間絶縁膜12が設けられている。層間絶縁膜12の上層、すなわちアクティブマトリックス基板10の最上層には電荷収集電極11が設けられている。電荷収集電極11とTFTスイッチ4とは接続電極13を介して接続されている。
また、C電極14の上方にはゲート絶縁膜15が配されており、その上方には接続
電極13が配されている。
バイアス電極7には、高圧電源108(図1参照)が接続されている。この高圧電源108により、バイアス電極7に電圧が印加される。これにより、電荷蓄積容量5を介してバイアス電極7と電荷収集電極11との間に電界を発生させることができる。このとき、半導体膜6と電荷蓄積容量5とは、電気的に直列に接続された構造になっているので、バイアス電極7にバイアス電圧を印加した状態でバイアス電極7側から被写体を透過した放射線が照射されると、半導体膜6内で電荷(電子−正孔対)が発生し、半導体膜6で発生した電子は+電極側に、正孔は−電極側に移動し、その結果、電荷蓄積容量5に電荷が蓄積される。
放射線画像検出器全体としては、電荷収集電極11は2次元に複数配列されると共に、電荷収集電極11に個別に接続された電荷蓄積容量5と、電荷蓄積容量5に個別に接続されたTFTスイッチ4とを複数備えている。これにより、2次元の電磁波情報を一旦電荷蓄積容量5に蓄積し、TFTスイッチ4を順次走査していくことで、2次元の電荷情報を簡単に読み出すことができる。
次に、図4に示す放射線画像検出器の一画素の等価回路を用いてTFT保護回路について説明する。
上述するように、本実施形態においては、電荷収集電極11が絶縁保護膜17と層間絶縁膜12とを介してTFTスイッチ4のチャネル部(チャネル層8とコンタクト層9とから形成される)上にオーバーラップするように配置されている。このように構成した場合、電荷収集電極11はTFTスイッチ4に対し第2のゲート電極として機能し、電荷収集電極11の電位によりTFTチャネル4に流れる電流量を制御することができる。
ここで、電荷収集電極11はコンタクトホール16を介してTFTスイッチ4のドレイン電極(接続電極13)と接続しているため、ダイオードとして機能する。したがって、等価回路としては、図4に示すように、TFTスイッチ4にダイオードDが並列に配置された構成となる。
そして、半導体層6に放射線が照射されて電荷が発生し、この電荷が電荷収集電極11に集まって電荷収集電極11の電位Vpが一定値以上になると、ダイオードDがON状態になり、電荷蓄積容量5に蓄積された電荷をデータ配線3に流す。これにより、放射線の照射によって多量の電荷が発生した場合にも、TFTスイッチ4や電荷蓄積容量5が静電破壊する前にダイオードDを通じて電荷をデータ配線3に流し、電荷収集電極11の電位Vpを降下させることができる。
次に、TFTスイッチ4に上記のようなTFT保護回路を設けていない場合のTFTスイッチ4のリーク電流特性と、TFT保護回路を設けた場合のTFTスイッチ4のリーク電流特性とについて説明する。TFTスイッチ4がTFT保護回路を有さない場合には、図5に示すように、TFTスイッチ4のリーク電流Ioffは、電荷収集電極の電位Vpの累乗近似で単調に増加する。一方、TFTスイッチ4がTFT保護回路を有する場合には、図6に示すように、電荷収集電極の電位Vpが一定電圧(ここでは30V前後)を超えるとTFT保護回路であるダイオードが機能してリーク電流が指数関数的に増加する。これにより、TFT保護回路がない場合に比べ、多くのリーク電流を流すことができ、その結果、TFTスイッチや電荷蓄積容量の静電破壊を防ぎやすくなる。
また、本実施形態においては、図1に示すように可変Cs電源106を設けるようにしたが、図7に示すように、信号処理装置104に可変Cs電源106の直流電源106aのみを設け、可変Cs電源106のスイッチ106bについては、多数の信号検出器(アンプ)102を備えたアンプIC107に内蔵するようにしてもよい。アンプIC107にスイッチ106bを内蔵することにより、スイッチ106bと放射線画像検出器101との距離を短くすることができ、引き回し配線により発生するノイズを減らすことができる。また、アンプIC107にスイッチ106bを内蔵することで、周辺回路基板上のスイッチが不要となり、周辺回路の面積を小さくすることができ、小型化が可能となる。なお、信号処理装置104とアンプIC107とはCs電源制御ライン112により接続されており、信号処理装置104からCs電源制御ライン112に可変Cs電源106のスイッチ106bを切り替える制御信号が出力される。
次に、図8を用いて本発明の特徴であるTFTリーク電流を低減するための放射線画像検出器の駆動方法について説明する。図8は、放射線画像検出器101への放射線照射のタイミング信号と、スキャン信号制御装置103から出力されるTFTスイッチ4のオン・オフを制御するスキャン信号と、可変Cs電源106によって電荷蓄積容量5に印加されるバイアス電圧と、信号検出器102によって検出される検出電流とを示したものである。
まず、書き込み期間において放射線画像検出器101に放射線が照射される。この書き込み期間においては、電荷蓄積容量を構成するCs電極14はGNDと同電位に保たれている。そして、この書き込み期間中は、照射される放射線量に依存して電荷収集電極11の電位Vpが高くなる。例えば、Vpが25Vになったとすると、図6より、TFTスイッチ14を介して10pA前後のリーク電流がデータ配線3に流れ出る。
そして、図8に示すように、書き込み期間終了後も、リーク電流は流れるが、リークにともない電荷収集電極の電位Vpが低下するため時間に応じ徐々に減少する。そして、本実施形態では、だらだらと流れるリーク電流を低減するため、書き込み期間終了後から読取り期間までの間に、信号検出装置104から可変Cs電源106にCs電源切替信号を出力し、この信号に応じて可変Cs電源のスイッチ106bを切り替え、可変Cs電源106により電荷蓄積容量5のCs電極14の電位Vcsを昇圧し、これにより電荷収集電極の電位Vpを一定期間高く保持する。なお、ここで昇圧とは、Cs電極14に印加される電圧を所定値以上の高電位にすることをいう。また、上記所定値は、図6に示すリーク電流特性における変曲点(TFT保護回路であるダイオードが機能してリーク電流が指数関数的に増加し始める点)以上の電圧値に設定することが望ましい。
たとえば、VcsによりVpが10V高くなり35Vになった場合、100pAのリーク電流がデータ配線3に流れる。上記電圧保持期間は、TFTスイッチ4から電荷が十分に流れ出し、Vpが30〜25V前後になるまで確保することが好ましい。時間でいうと100μs〜1sの間に設定することが望ましく、より好ましくは100ms前後である。電圧保持期間は、短すぎるとリーク電流を十分に流すことができず、長すぎるとその分読取を開始する時点が遅くなってしまい作業効率が低下するからである。
そして、上記のように電荷蓄積容量5に電圧印加した後、電荷蓄積容量5のCs電極14をGNDに接続してVcsをもとに戻すと、Vpが10V低下するため、15〜20V前後になる。このときリーク電流は、数pA前後に低下している。このように、電荷蓄積容量5のCs電極14に印加される電圧Vcsを変動することにより、リーク電流を低減することが可能である。
そして、次に、スキャン信号制御装置103からスキャン信号が走査配線G1、G2、G3に順次出力され、走査配線G1、G2、G3に接続されたTFTスイッチ4が順次オンされ、電荷蓄積容量5に蓄積された電荷がデータ配線3に流れ出し、このデータ配線3に流れ出した電荷を信号検出器102によって検出して読み取りが行なわれる。
なお、図10に、図8に示すようなタイミングで動作制御を行なうための機能ブロック図を示す。C電極14の昇圧と画像検出(画像読取り)と放射線照射とが、図8に示すようなタイミングで行なわれるようにタイミング制御される。
具体的には、信号処理装置104に含まれるタイミング制御部f1が図8に示すような動作制御を行っており、画像検出を行なう場合、最初に、タイミング制御部f1から制御信号S1が不図示の放射線源に出力され、この制御信号S1により放射線源120から放射線画像検出器101への放射線照射f2のタイミングが制御される。
次に、タイミング制御部f1から制御信号S2がCs電源制御ライン112を介して可変Cs電源106に出力され、可変Cs電源106のスイッチ106aが直流電源106a側に切り替えられて可変Cs電源昇圧f3のタイミングが制御される。
そして、可変Cs電源昇圧f2の後、タイミング制御部f1からスキャン信号制御装置103および信号検出器102などに制御信号S3が出力され、この制御信号S3に応じて放射線画像検出器101に記録された画像の検出f4のタイミングが制御される。
なお、このようなタイミング制御部f1は、例えば、信号処理装置104に含まれるCPUやDSP等の演算装置によって実行されるプログラムにより実現される。
このように、本実施形態の駆動方法によれば、上記のように画像データの読取り期間前にリーク電流を十分流し、画像データの読取り期間までにリーク電流を十分減少させた後、画像データの読取りを行なうので、読取り期間中のおけるリーク電流の影響を抑制することができる。なお、上記読取り期間中は、信号検出器102の基準電極配線102a(図4参照)の電位と電荷蓄積容量5を構成するCs電極14の電位とは同じレベルにする。放射線画像検出器の画素が、図4に示すような構成である場合には、信号検出器102の基準電極配線102aの電位と電荷蓄積容量5を構成するCs電極14の電位はGNDとなる。上記のように基準電極配線102aとCs電極14とを接続することによりGNDを安定させることができる。
比較のため、図9に従来の放射線画像検出器の駆動方法を示す。
まず、書き込み期間において放射線画像検出器に放射線が照射される。この書き込み期間においては、電荷蓄積容量を構成するCs電極14はGNDと同電位に保たれている。そして、この書き込み期間中は、照射される放射線量に依存して電荷収集電極11の電位Vpが高くなる。電荷収集電極11の電位が上がることによって過剰になった電荷はTFTスイッチ4を介してリークし、これにより電荷収集電極11の電位Vpは低下するので徐々にリーク電流も減少するが、図9に示すように、本発明の放射線画像検出器の駆動方法にくらべ長期間を必要とする。
そして、次に、スキャン信号制御装置103からスキャン信号が走査配線G1、G2、G3に順次出力され、走査配線G1、G2、G3に接続されたTFTスイッチ4が順次オンされ、電荷蓄積容量5に蓄積された電荷がデータ配線3に流れ出し、このデータ配線3に流れ出した電荷を信号検出器102によって検出して読み取りが行なわれるが、従来の駆動方法では、上記のようにリーク電流が減少するのに長期間要するため、画像データの読取り期間に、リーク電流分の電荷が付加され、書き込んだデータではない偽画像(アーティファクト)が発生しやすい。
なお、上記実施形態の放射線画像検出器においては、上記のようにTFTスイッチ4にTFT保護回路を設けるようにしたが、必ずしもTFT保護回路を設ける必要はなく、上記のように電荷蓄積容量に電圧を所定時間だけ印加するだけでもリーク電流を減少させる効果を得ることができる。
また、上記実施形態の放射線画像検出装置においては、電荷蓄積容量に正の電圧を印加するようにしたが、放射線画像検出器が負バイアスのものである場合には、負の電圧を印加するようにすればよい。すなわち、TFTスイッチ4からのリーク電流が増加する方向に電圧を印加するようにすればよい。
次に、第2の実施形態に係る放射線画像検出システムについて説明する。
第2の実施形態に係る放射線画像検出システムの概略構成は、図1に示す第1の実施形態の放射線画像検出システムと同様であるが、放射線画像検出装置における可変Cs電源の構成が第1の実施形態とは異なる。
第2の実施形態の放射線画像検出装置における可変Cs電源113は、図11に示すように、矩形波状の電圧を出力するものである。そして、信号処理装置104から可変Cs電源113に制御信号が出力され、この制御信号に応じて可変Cs電源113から、図8に示すようなタイミングで矩形波状の電圧が出力される。なお、本実施形態においては、可変Cs電源113から矩形波状の電圧を出力するようにしたが、波形はこれに限らず、所定値以上に昇圧できる波形であれば如何なる波形でもよく、たとえば、山形の電圧シフトでもよい。
図12に、第2の実施形態の放射線画像検出器の1画素の等価回路図を示す。
なお、可変Cs電源113は、放射線画像検出器101とは別個に設けられた周辺回路基板上に設けるようにしてもよいし、放射線画像検出器101に設けるようにしてもよい。
第1の実施形態の放射線画像検出システムにおいては、可変Cs電源106を直流電圧源およびスイッチから構成するようにしたのでスイッチを切り替えた際、スイッチングノイズが発生してしまうが、本実施形態のように可変Cs電源113を電圧源のみから構成することにより上記のようなスイッチングノイズを無くすことができる。
その他の構成および作用については、第1の実施形態の放射線画像検出システムと同様である。
次に、第3の実施形態に係る放射線画像検出システムについて説明する。
第3の実施形態に係る放射線画像検出システムの構成は、第1の実施形態の放射線画像検出システムと同様であるため、詳細な構成の説明を省略する。
次に、図16を用いて本実施形態に係る放射線画像検出器の駆動方法について説明する。図16は、放射線画像検出器101への放射線照射のタイミング信号と、スキャン信号制御装置103から出力されるTFTスイッチ4のオン・オフを制御するスキャン信号と、可変Cs電源106によって電荷蓄積容量5に印加されるバイアス電圧と、信号検出器102によって検出される検出電流とを示したものである。
まず、本発明の画像検出装置では、画像検出を行なう場合、書き込み期間の前に、信号検出装置104から可変Cs電源106に対してCs電源切替信号の出力を開始する。この信号によりCs電極14に対して直流電圧源106aから電圧が印加されるようにスイッチ106bが切り替えられて、電荷蓄積容量5のCs電極14が電位Vcsに昇圧する。
そして、書き込み期間において放射線画像検出器101に放射線が照射される。この書き込み期間においては、電荷蓄積容量を構成するCs電極14は電位Vcsに保たれている。
この書き込み期間中は、Cs電極14の電位Vcsを基準として、照射される放射線量に依存して電荷収集電極11の電位Vpが上昇する。例えば、Cs電極14の電位Vcsが10Vであり、電位VpがCs電極14の電位Vcsの電位を基準として25Vになったとすると、実際、Cs電極14の電位Vcsは35Vとなる。
このCs電極14の電位Vcsの電位に応じて、図6に示されるように、TFTスイッチ14を介して100pAのリーク電流がデータ配線3に流れる。
そして、書き込み期間終了後、所定期間経過した後に、信号検出装置104から可変Cs電源106に対してCs電源切替信号の出力を停止する。これにより可変Cs電源のスイッチ106bが切り替えられて電荷蓄積容量5のCs電極14がGNDに接続され、電荷収集電極11の電位VpがGNDを基準とした電位に戻る。これにより、Vpが10V低下するため、15〜20V前後になる。このときリーク電流は、数pA前後に低下している。このように、電荷蓄積容量5のCs電極14に印加される電圧Vcsを変動することにより、リーク電流を低減することが可能である。
そして、次に、スキャン信号制御装置103からスキャン信号が走査配線G1、G2、G3に順次出力され、走査配線G1、G2、G3に接続されたTFTスイッチ4が順次オンされ、電荷蓄積容量5に蓄積された電荷がデータ配線3に流れ出し、このデータ配線3に流れ出した電荷を信号検出器102によって検出して読み取りが行なわれる。
このように、本実施形態の駆動方法によれば、上記のように画像データの読取り期間前にリーク電流を十分流し、画像データの読取り期間までにリーク電流を十分減少させた後、画像データの読取りを行なうので、読取り期間中のおけるリーク電流の影響を抑制することができる。
このように、本実施形態の駆動方法によれば、書き込み期間後から、読取りを開始するまでの時間を短くすることができる。
すなわち、放射線画像検出器101の各画素から蓄積された電荷を安定して読み出すためには、書き込み期間からCs電極14の電位を昇圧させるまでに一定期間(例えば、10ms前後)を必要とする。これは、X線照射中にCs電極14の電位が昇圧させた場合、電荷収集電極11の電位Vpが急激に高くなり、TFTスイッチ4を破壊してしまう恐れがあるためである。このため、書き込み期間からCs電極14の電位を昇圧させるまでに十分なタイミングマージンを必要とする。
また、上述したように、リーク電流を十分に流すには電圧保持期間を100ms程度の時間が好ましい。
このため、図8に示したように、書き込み期間とリーク電流の放電期間を別にした場合は、読取りが可能となるまでの時間が長くなる。
そこで、図16に示すように、記録用の電磁波を照射されている期間(書き込み期間)を含む所定時間だけCs電極14の電位を昇圧させることにより、上述のタイミングマージン等を削減することができ、書き込み期間から読取り開始期間までを短縮することができる。
なお、第1の実施の形態と同様に、上記読取り期間中は、信号検出器102の基準電極配線102a(図4参照)の電位と電荷蓄積容量5を構成するCs電極14の電位とは同じレベルにすることが好ましい。
次に、上述したようなリーク電流低減の原理的説明を以下に示す。
本来、TFT保護回路の保護ダイオードはTFTスイッチの耐圧保護のために存在するが、実は、この保護ダイオードを設けることによりリーク電流起因のノイズの低減にも効果があり、保護ダイオードの閾値電圧を最適化することができれば、リーク電流起因ノイズを低減することができる。
図13(A),(B)を用いて、保護ダイオードによるリーク電流起因ノイズ低減のメカニズムについて詳しく説明する。図13(A)は、保護ダイオードがない場合のリーク電流を説明するための図、図13(B)は、保護ダイオードがある場合のリーク電流を説明するための図である。図13(A),(B)では、1つのデータ配線20に4つの検出素子(画素)が接続されている例を示している。
X線撮影の際、放射線画像検出器に対しX線源から一定のX線が照射される。X線源と放射線画像検出器との間には、人体等のX線を吸収体する被写体が配置される。放射線画像検出器は、X線吸収体を通って減衰したX線を検出する。まず、図13(A)に示す保護ダイオードがない構成の場合を考えると、例えば、図13(A)の検出素子P1では、X線吸収体の透過率は0.1%であるため、100mRのX線が0.1mRのみが検出素子に照射され、これに応じて半導体層で電荷が発生、電荷収集電極に電荷量Qpが蓄積される。ここで半導体層の電荷変換効率は1mRあたり6pCとすると、Qpは0.6pCとなる。また、検出素子の電荷蓄積容量Cpを1pFとすると、電荷収集電極の電位Vp=0.6Vとなる。このときのリーク電流Ioffは図5より1fA以下(測定限界以下)である。
一方、被写体が存在しない透過部の検出素子(図13(A)の検出素子P2)では、Qp=60pC、Vp=60Vとなり、リーク電流は230μAに到達する。リーク電流はTFTスイッチのオフ動作時に流れる電流であるため、データ配線20に接続する全ての検出素子のリーク電流が、所定の検出素子の画像データを取得する場合にリーク電流ノイズとして付与される。このため、同じデータ配線に接続される検出素子の中で大きな蓄積電荷を保持する検出素子が存在した場合、その影響は非常に大きくなる。
一方、図13(B)に示す保護ダイオードを有する構成について考える。被写体が存在しない透過部の検出素子(図13(B)の検出素子P2)で、一時的にQp=60pC、Vp=60Vとなるが、同時に保護ダイオードが起動し、過剰電荷がデータ配線20にリークされる。最大で10nAを超えるリーク電流が保護ダイオードを通して流れ、蓄積電荷量が減少する。その結果、保護ダイオードの駆動閾値電圧25V付近まで電荷収集電極の電位が低下し、その結果リーク電流量も10μAまで低減する。画像データの読み出しは保護ダイオードを通じたリークが十分になされた後に行うため、保護ダイオードのリーク電流がリーク電流ノイズに寄与しない。これにより、TFT保護回路がない場合に対し、リーク電流起因ノイズは1/20以下となる。
ところで、上記で説明した保護ダイオードの電流量は、リーク電流ノイズ低減という目的に対すると不十分な場合が多い。また、X線情報として必要な線量は目的のシステムにより異なるが、10mR以下の場合が多く、TFT保護回路の閾値電圧を低くすることができれば、リーク電流ノイズをさらに低減し、画質を向上することが可能となる。
本発明の放射線画像検出装置、放射線画像検出器の駆動方法を採用すれば、これらの課題を解決することができる。
上述のとおり、電荷蓄積容量の電位Vcsを昇圧し、これにより電荷収集電極の電位Vpを一定期間10V高く保持した場合、図14のようになる。すなわち、透過部の検出素子(図14の検出素子P2)で、100mRのX線の照射により、一時的にQp=60pC、Vp=60Vとなるが、保護ダイオードおよびVcsによる昇圧で過剰電荷がデータ配線20にリークされる。その結果、保護ダイオードの閾値電圧25V付近まで電荷収集電極の電位が低下する。その後、画像データの読出しまでにVcsによりVpはもとの状態にもどされるため、電荷収集電極の電位は15V前後まで低下し、その結果、リーク電流量は1.6μAまで低下する。上記と同様に、画像データの読み出しは保護ダイオードを通じたリークが十分になされた後に行うため、保護ダイオードのリーク電流がリーク電流ノイズに寄与しない。
なお、上記第1および第3の実施形態では、放射線を半導体膜6にて直接電荷に変換して蓄積する直接変換方式の放射線画像検出器101を用いた場合について説明したが、これに限らず、放射線を一度CsI:Tl、GOS(Gd2O2S:Tb)などのシンチレータで光に変換し、変換した光を半導体層6で電荷に変換して蓄積する間接変換方式の放射線画像検出器に適用してもよい。特に、直接変換方式では、放射線を直接電荷に変換するために半導体膜6を厚くする必要があり、間接変換方式の場合よりもバイアス電極7に高圧電源108から高い電圧が印加されるため、リーク電流による問題が顕在化しやすい。このため、上記第1および第3の実施形態の駆動方法を採用することによりリーク電流の影響を抑制することができる。なお、間接変換方式の場合は、放射線をシンチレータで光に変換し、変換した光を半導体層6で電荷に変換する構成であるため、直接変換方式の場合と比べて半導体膜6を薄くでき、電荷蓄積容量5が設けずに電荷収集電極11で電荷を蓄積させておくこともできるが、蓄積可能な電荷量を増やすため意図的に容量を設けることがある。間接変換方式では、このように意図的に設けられた補助容量や寄生容量、浮遊容量が本発明の蓄積容量に相当する。
また、上記第1および第3の実施形態では、1枚分の画像データを読取る場合について説明したが、図17に示すように、放射線画像検出器101への放射線の照射と放射線画像検出器101からの画像データの読取りを繰り返し連続的に行うことにより、動画像を得ることもできる。上記第1および第3の実施形態の駆動方法は、上述したように、リーク電流が減少する時間を短縮することができるため、動画像の撮像に適している。
さらに、照射するX線の線量(エネルギー)を変えて2回以上の放射線画像を連続的に撮影し、撮影によって得られた各画像に、適当な重みを付けて差分を取るなどの画像処理を行うことによって線質による吸収係数の変化の違いを画像化して、例えば、胸部を撮影した画像から骨像を除くなど、1回の撮影では視認しにくかった画像を得る撮影方法がある。
このような撮影方法では、被写体が動かないことが前提となっているため、極力、短い撮影間隔で画像を取得することが必要とされる。
例えば、図18は、1回目に高エネルギーの撮影を、2回目に低エネルギーの撮影を行なう2ショットエネルギーサブトラクション撮影の例である。
図18に示すように、1回目の撮影時の書き込み期間中、Cs電極14に対して直流電圧源106aから電圧を印加してCs電極14を電位Vcsに保つことによりリーク電流が減少する時間を短縮することができるため、2回目の撮影までの時間を短縮することができる。なお、予め発生するリーク電流量が少ないことが分かっている場合は、直流電圧源106aからのCs電極14への電圧印加をなくすようにしてもよい。図18では、2回目が低エネルギーの撮影であり、発生するリーク電流量が少ないため、Cs電極14に対して直流電圧源106aから電圧を印加しない。これにより、2回目の撮像によって得られた画像データの読取り期間を早めることができる。
本発明の画像検出装置の第1の実施形態を適用した放射線画像検出システムの概略構成図 放射線画像検出器の1画素単位の構造を示す平面図 放射線画像検出器の1画素単位の構造を示す断面図 放射線画像検出器の1画素の等価回路図 TFT保護回路がない場合におけるTFTスイッチのリーク電流特性を示す図 TFT保護回路がある場合におけるTFTスイッチのリーク電流特性を示す図 可変Cs電源のその他の構成例を示す図 本発明の第1の実施の形態に係る画像検出器の駆動方法の一実施形態を説明するためタイミングチャート 従来の放射線画像検出器の駆動方法を説明するための図 図1に示す放射線画像検出システムの機能ブロック図 本発明の画像検出装置の第2の実施形態を適用した放射線画像検出システムの概略構成図 図11に示す放射線画像検出器の1画素の等価回路図 保護ダイオードがない場合におけるTFTスイッチのリーク電流を説明するための図 保護ダイオードがある場合におけるTFTスイッチのリーク電流を説明するための図 本発明の画像検出器の駆動方法の一実施形態を実施した場合におけるTFTスイッチのリーク電流を説明するための図 従来の放射線画像検出器の概略構成図 本発明の第3の実施の形態に係る画像検出器の駆動方法の一実施形態を説明するためタイミングチャート 動画像撮像時の画像検出器の駆動方法の一実施形態を説明するためタイミングチャート 2ショットエネルギーサブトラクション撮影時の画像検出器の駆動方法の一実施形態を説明するためタイミングチャート
符号の説明
1 ガラス基板
2,214 走査配線
3,20,215 データ配線
4,212 TFTスイッチ
5,213 電荷蓄積容量
6 半導体膜
7 バイアス電極
8 チャネル層
9 コンタクト層
10 アクティブマトリックス基板
11 電荷収集電極
12 層間絶縁膜
13 接続電極(他方の電極)
14 Cs電極(一方の電極)
15 ゲート絶縁膜
16 コンタクトホール
17 絶縁保護膜
100 放射線画像検出装置
101 放射線画像検出器
102,216 信号検出器
102a 基準電極配線
103 スキャン信号制御装置
104 信号処理装置
105,211 画像センサ部
106,113 可変Cs電源
106a 直流電圧源
106b スイッチ
107 アンプIC
108 高圧電源
109 スキャン制御信号ライン
110 制御ライン
111 信号ライン
112 Cs電源制御ライン
200 ディスプレイ

Claims (9)

  1. 記録用の電磁波の照射を受けて電荷を発生する電荷発生部と、2つの電極が対向配置されて前記電荷発生部において発生した電荷を蓄積し、蓄積した電荷量に応じて一方の電極の電位を基準として他方の電極の電位が変化する蓄積容量と、該蓄積容量に蓄積された電荷を読み出すためのTFT型のスイッチ素子とを有する検出部を備えた画像検出器と、
    前記一方の電極に電圧を印加する電源部と、
    前記画像検出器から前記蓄積容量に蓄積された電荷を読み出す前に、所定時間だけ、前記スイッチ素子からリーク電流が流れ易くなるよう前記電源部から前記一方の電極に印加される電圧を制御する制御部と、
    を備えたことを特徴とする画像検出装置。
  2. 前記制御部は、前記画像検出器に前記記録用の電磁波を照射した後から前記画像検出器から前記電荷を読み出す前までの間に、前記所定時間だけ前記一方の電極に印加される電圧を制御することを特徴とする請求項1記載の画像検出装置。
  3. 前記制御部は、前記画像検出器に前記記録用の電磁波が照射されている期間を含む前記所定時間だけ前記一方の電極に印加される電圧を制御することを特徴とする請求項1記載の画像検出装置。
  4. 前記画像検出器が有する前記TFTスイッチ素子は、前記蓄積容量に電荷が蓄積されて前記他方の電極の電位が一定値以上となると電流が流れることにより回路を保護する耐電圧保護機能を備えていることを特徴とする請求項1から3いずれか1項記載の画像検出装置。
  5. 前記電源部が、前記画像検出器とは別個に設けられた周辺回路基板に設けられていることを特徴とする請求項1から4いずれか1項記載の画像検出装置。
  6. 前記画像検出器の検出部から読み出された電荷信号の電位を検出することにより蓄積された電荷量を検出する信号検出器を有し、
    前記電荷信号の電位を検出する際、前記信号検出器において検出の基準となる基準電極配線の電位と前記蓄積容量を構成する前記一方の電極の電位とを同じレベルにすることを特徴とする請求項1から5いずれか1項記載の画像検出装置。
  7. 前記所定時間が、100μs〜1sであることを特徴とする請求項1から6いずれか1項記載の画像検出装置。
  8. 記録用の電磁波の照射を受けて電荷を発生する電荷発生部と、2つの電極が対向配置されて前記電荷発生部において発生した電荷を蓄積し、蓄積した電荷量に応じて一方の電極の電位を基準として他方の電極の電位が変化する蓄積容量と、該蓄積容量に蓄積された電荷を読み出すためのTFT型のスイッチ素子とを有する検出部を備えた画像検出器と、
    前記一方の電極に印加される電圧を制御することにより前記スイッチ素子からのリーク電流を変動させる機構と、
    を備えたことを特徴とする画像検出装置。
  9. 記録用の電磁波の照射を受けて電荷を発生する電荷発生部と、2つの電極が対向配置されて前記電荷発生部において発生した電荷を蓄積し、蓄積した電荷量に応じて一方の電極の電位を基準として他方の電極の電位が変化する蓄積容量と、該蓄積容量に蓄積された電荷を読み出すためのTFT型のスイッチ素子とを有する検出部を備えた画像検出器の駆動方法であって、
    前記スイッチ素子を介して前記蓄積容量から前記電荷を読み出す時点よりも前のタイミングにおいて、前記スイッチ素子からリーク電流が流れ易くなるよう前記一方の電極に印加される電圧を変動させることを特徴とする画像検出器の駆動方法。
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