JP5020189B2 - 防草シート及び防草構造体 - Google Patents

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Description

本発明は、道路や線路の路肩の法面、空き地、その他の防草が必要な地面に施工される防草シート及び防草構造体に関する。
道路の路肩の法面等に雑草が生えるのを防止するために、ポリプロピレン製の不織布を防草シートとして敷設したのでは、不織布の繊維の隙間から雨水が浸入するために防草効果が不十分である。しかも、ポリプロピレン製の不織布は柔軟性のあるシート材であるため、敷設した防草シートの端が風に煽られてめくれやすく、このめくれた部分から雑草が生えるおそれがある。また、敷設した法面等に不陸があると、防草シートがこの不陸に倣って凸凹になるために外観が悪くなる。
そこで、合成樹脂製のシートのシート両面に凸部を交互に多数エンボス状に形成した防草シートが従来から提案されている(例えば、特許文献1参照。)。この防草シートは、繊維の隙間等が存在しない合成樹脂製のシートであることから遮水性は十分であり、着色料等を含有させることにより容易に遮光性を高めることができるので、高い防草効果を得ることができる。しかも、合成樹脂製のシートに凸部を多数エンボス状に形成したものであるため、凸部形成前の平面状のときよりもシート全体の剛性が高くなるので、防草シートの端がめくれるようなことがなくなり、また、法面等に不陸があっても、この不陸に沿って凸凹になることなく、全体的になだらかに追従して体裁良く敷設することができる。
ところが、上記従来のエンボス状の防草シートは、シート両面に形成した凸部の頂部がほぼ平坦な面となるので、メンテナンス等のために作業員がこれらの凸部の頂部を踏んでシート上に乗った場合に滑りやすくなるという問題があった。また、この防草シートは、合成樹脂が硬質でなかったりシート厚が薄すぎた場合や、凸部の形成が適切でない場合に、法面等で発芽した雑草等がこの防草シートを突き破って貫通するおそれがあるだけでなく、作業員が踏むことにより凸部が潰れるおそれもあるという問題も生じていた。しかも、防草シートのシート厚を厚くしすぎた場合には、シート質量が重くなって取り扱いが容易でなくなるだけでなく、不陸に対する追従性も悪くなり、材料価格が高価になるという問題も生じる。
特開2006−177122号公報
本発明は、硬質の合成樹脂製のシートのシート両面に交互に多数エンボス状に形成した凸部の頂部に線状の溝部を設けることにより、作業員が乗っても滑り難く、また、雑草等が突き破って貫通したり作業員に踏まれて凸部が潰れるようなことのない防草シート及び防草構造体を提供しようとするものである。
請求項1の防草シートは、シート厚が0.5mm以上、1.5mm以下である硬質の合成樹脂製のシートに、このシートの一方の表面側に突出する凸部と他方の表面側に突出する凸部とを交互に多数エンボス状に形成して、このシートの凸部形成前の平面状のときの表面積に対して120%以上、300%未満の表面積に成形すると共に、上記シートにおける少なくとも一方の表面側に突出する凸部の頂部の外表面に、このシートのシート厚の5%以上、20%以下の深さを有する線状の溝部を設けたことを特徴とする。
請求項2の防草シートは、前記シートの凸部形成後におけるASTM D 4833−88に準拠して測定した貫入抵抗値が200N以上、800N以下であることを特徴とする。
請求項3の防草シートは、前記シートの凸部形成後におけるJIS K 7113に準拠して測定した引張降伏強さが20MPa以上、80MPa以下であることを特徴とする。
請求項4の防草シートは、前記線状の溝部が複数本ずつ設けられたものであり、かつ、これら複数本の溝部が平行移動しても他のいずれの溝部とも重なり合うことのない溝部を1本以上有するものであることを特徴とする。
請求項5の防草構造体は、前記防草シートを除草すべき地面に敷設し固定したことを特徴とする。
請求項1の発明によれば、地面に敷設したときに上方等の表側に突出する凸部の頂部の外表面に線状の溝部が設けられるので、メンテナンス等のために作業員が防草シートの上に乗ったときに靴等が滑るのを防止することができる。しかも、この溝部は、シート厚の5%以上の深さがあるため、十分な滑り止めの効果を得ることができ、線状の溝部であるため、確実な滑り止め効果を発揮することができる。
また、この防草シートは、シート厚が0.5mm以上の硬質の合成樹脂製のシートからなるものであるため、雑草等が突き破って貫通するのを十分に防止できると共に、雨水等の浸入を阻止して高い遮水性を発揮し雑草等の発芽や生育を確実に防止することができる。しかも、上記溝部は、シート厚の20%以下の深さであるため、この溝部によってシートの厚さが薄くなっても十分な厚さを確保することができ、この溝部を雑草等が突き破って貫通するのも防止できる。
また、この防草シートは、凸部形成前の平面状のシートのときの表面積に対して120%以上の表面積のエンボス状に凸部が形成されるので、シート全体の剛性を十分に高めることができ、シートの端がめくれるのを防止すると共に、不陸に対しても全体的になだらかに追従して体裁良く敷設することができる。さらに、この防草シートは、シート厚が1.5mm以下の硬質の合成樹脂製のシートからなるものであるため、エンボス状に凸部を形成することによって初めて確実な剛性を得ることができるので、不必要に防草シートの質量が重くなり剛性も高くなりすぎて、製造や敷設作業時に取り扱い難くなったり、不陸に対するなだらかな追従性が損なわれるということもなくなる。しかも、この防草シートは、凸部形成前の平面状のシートのときの表面積に対して300%未満の表面積のエンボス状に凸部が形成されるので、これらの凸部でのシートの厚さが成形によって薄くなりすぎてこの部分を雑草等が突き破って貫通するようなこともなくなり、作業員等が踏むことにより凸部が潰れるおそれもなくなる。
請求項2の発明によれば、防草シートの貫入抵抗値が200N以上であるため、雑草等が突き破って貫通するのを十分に防止できる。また、この貫入抵抗値が800N以下であるため、防草シートの剛性が高くなりすぎることにより、製造や敷設作業時に取り扱い難くなったり、不陸に対するなだらかな追従性が損なわれるのを防止することができる。
請求項3の発明によれば、、防草シートの引張降伏強さが20MPa以上であるため、雑草等が突き破って貫通するのを十分に防止できる。また、この引張降伏強さが80MPa以下であるため、防草シートの剛性が高くなりすぎることにより、製造や敷設作業時に取り扱い難くなったり、不陸に対するなだらかな追従性が損なわれるのを防止することができる。
請求項4の発明によれば、線状の溝部が平行移動しても重なり合うことのないものを含めて複数本ずつ設けられるので、より広い方向に対する確実な滑り止め効果を発揮することができる。つまり、例えば直線状の溝部が平行に複数本設けられた場合には、これらの溝部の直線に直交する1方向の滑り止め効果が最も確実なものとなり、この滑り止め効果の指向性が狭く(強く)なるが、1本以上の溝部が他の溝部と平行ではない場合には、この滑り止め効果の最も確実な方向が2方向以上となって指向性も広がる。また、曲線状の溝部は、1本だけでもこの曲線の法線方向である広い方向の滑り止め効果が最も確実なものとなって指向性もある程度広がるが、1本以上の溝部が平行移動しても他の溝部と重なり合うことのないものである場合には、この滑り止め効果の最も確実な方向もより広い方向となり指向性もさらに広がる。従って、このように平行移動しても重なり合うことのない(直線状の場合には平行でない)溝部が多く存在するほど、滑り止め効果の最も確実な方向をより広い方向に広げて指向性の広い滑り止め効果を得ることができる。
請求項5の発明によれば、地面に敷設し固定した防草シートにメンテナンス等のために作業員が乗ったときに靴等が滑るのを防止することができるので、作業性を高めることができる。
以下、本発明の最良の実施形態について図1〜図3を参照して説明する。
〔防草構体〕
図2に示する防草構体は、複数枚の防草シート1を道路2の路肩面3から法面4にわたって敷設し固定した例を示する。防草シート1の固定は、この防草シート1の上から路肩面3や法面4に固定ピン5を打ち込むことによって行われる。ただし、防草シート1の敷設方法や固定方法は任意であり、固定ピン5も図示のような形状に限定されるものではない。
この防草構体は、防草シート1の遮光性によって太陽光等が路肩面3や法面4に照射されるのを防ぐと共に、この防草シート1の遮水性によって雨水等が路肩面3や法面4に浸入するのを防ぐので、これによって雑草等の発芽や生育を防止することができる。しかも、もし路肩面3や法面4で雑草等が成長したとしても、高い貫入抵抗値や引張降伏強さを備えたこの防草シート1が覆うので、雑草等が突き破って貫通するようなおそれがなくなる。
また、メンテナンス等のために作業員がこの防草構体の防草シート1の上に乗って歩いて移動することもあり、特に法面4に傾斜して敷設された防草シート1の上に乗った場合には滑りやすくなるので、この作業員が滑らないような防草シート1を用いている。
〔防草シート〕
上記防草シート1は、成形性が良く、粘りがあって、強度や耐候性の良好な高密度ポリエチレン等の硬質の合成樹脂製のシートを成形したものである。この合成樹脂製のシートは、シート厚を0.5mm以上とすることにより適度な剛性と高い遮水性を得ると共に、このシート厚を1.5mm以下とすることにより、剛性が高くなりすぎたり質量が重すぎることがないようにしている。また、この防草シート1は、素材となる合成樹脂に黒色系、茶色系又は緑色系等の着色料を含有させることにより、高い遮光性を備えている。防草効果の観点からは、この遮光性は高いほど良く、太陽光を100%遮断するものが好ましい。
〔凸部の構成〕
上記防草シート1の合成樹脂製のシートは、図1に示すように、このシートの一方の表面側に突出する凸部1aと他方の表面側に突出する凸部1bとが交互に多数エンボス状に形成されるように成形している。凸部1aと凸部1bは、突出方向が反対向きであることを除けば、同じ截頭状のほぼ円錐形のものである。また、この防草シート1の成形工程では、凸部1aと凸部1bの形成前の平面状のときの表面積に対して120%以上、300%未満の表面積となるような延伸率で成形する。防草シート1は、このような凸部1aと凸部1bを形成することにより、軽量で遮水性が高いという特徴を維持したままでシート全体の剛性をさらに高めている。
ここで、防草シート1の成形による延伸率と貫入抵抗値との関係を表1に示す。比較例1〜2や実施例1〜3の貫入抵抗値は、ASTM D 4833−88に準拠して測定した。比較例1と比較例2は、いずれも実施例1〜3との比較のために凸部1aや凸部1bを形成しない合成樹脂製のシート素材そのままの貫入抵抗値を測定したものであり、成形加工を行っていないので延伸率も100%となる。ただし、比較例2の合成樹脂製のシートのシート厚は、実施例1〜3と同じ1.0mmであるのに対して、比較例1のシート厚は0.3mmと非常に薄くなっている。実施例1は、凸部1aの頂部1cと凸部1bの頂部1cとの間の高さ(図1の頂部間の高さ)を10mmとすることにより延伸率を127%としたものであり、実施例2は、凸部1aの頂部1cと凸部1bの頂部1cとの間の高さを倍の20mmとすることにより延伸率を187%としたものである。また、実施例3は、実施例1と同じく延伸率を127%としたものであるが、合成樹脂の材質のみが、比較例1〜2や実施例1〜2がポリエチレン(PE)であるのに対して、ポリエチレンテレフタレートとポリエチレンをブレンドした材料(PET/PE)を用いている。
Figure 0005020189
この表1によれば、シート厚の薄い比較例1の貫入抵抗値は191Nであるのに対して、シート厚が実施例1〜3と同じ比較例2の貫入抵抗値は440Nであった。これらの比較例1と比較例2は、シート素材そのものであり、これまでの経験から、比較例1のシートを地面に敷設した場合には雑草等がシートを突き破って貫通することがあり、これよりシート厚が十分に厚いシート(比較例2を含む)であれば、雑草等がシートを突き破るおそれがないことが分かっている。従って、雑草等が突き破って貫通するのを防止するためには、防草シート1の貫入抵抗値が200N以上あれば良いと考えられる。
また、比較例2と実施例1と実施例2について検討してみると、延伸率が大きくなるほど貫入抵抗値が小さくなることが分かる。これは、成形によって延伸率が大きくなるほど凸部1aや凸部1bでのシートの厚さが薄くなるためである。そして、比較例2から実施例1を経て実施例2に至る延伸率の向上の割合と貫入抵抗値の低下の割合から推測すると、延伸率が300%を超えるようになったときに、貫入抵抗値も200Nより小さくなり、雑草等がシートを突き破るおそれが生じるものと考えられる。
さらに、実施例3では、延伸率が127%であること等、実施例1と全く同じ条件でありながら、合成樹脂の材質のみがポリエチレンテレフタレートとポリエチレンをブレンドした材料に変わるだけで、貫入抵抗値が573Nに向上する。従って、延伸率が下限の120%であっても、合成樹脂の材料によっては貫入抵抗値が800Nに近い値となり得る。
この結果、防草シート1の凸部1aと凸部1bを形成した後におけるASTM D 4833−88に準拠して測定した貫入抵抗値は、200N以上、800N以下となるようにすることが求められる。また、この貫入抵抗値に対応するJIS K 7113に準拠して測定した引張降伏強さは、20MPa以上、80MPa以下となる。
〔溝部の構成〕
上記防草シート1は、敷設した図2に示す路肩面3や法面4に向く側とは反対側(表側)である上向きや斜め上向きの表面側に突出する各凸部1aの截頭状の頂部1cの外表面に、図1の平面図に示すように、角度の異なる直線状の溝部1dが複数本設けられる。これらの溝部1dは、合成樹脂製のシートに上記凸部1aと凸部1bを形成する成形工程の後に、各凸部1aの頂部1cの外表面を先端の尖ったもので傷付けることにより設けられたものである。特に本実施形態では、高密度ポリエチレン等の熱可塑性の合成樹脂を用いているので、凸部1aと凸部1bの成形後に、防草シート1の温度が当該合成樹脂に固有の荷重たわみ温度よりも低くなってから傷付けることにより、この傷の窪みが鈍ることなく鋭利な窪みを備えた溝部1dを設けるようにしている。
上記溝部1dは、メンテナンス等のために作業員等が防草シート1の上に乗った場合の滑り止めの効果を得るために設けられる。そして、これらの溝部1dは、合成樹脂製のシートのシート厚の5%以上、20%以下の深さに形成される。溝部1dの深さがシート厚の5%未満では、滑り止めの効果が不十分であり、溝部1dの深さがシート厚の20%を超えても、最早この滑り止めの効果の向上が期待できないだけでなく、溝部1dでのシートの厚さが薄くなりすぎて、この溝部1dを雑草等が突き破って貫通するおそれが生じるからである。
本実施形態では、凸部1aの頂部1cの外表面を布ヤスリでこすることにより上記溝部1dを設けている。布ヤスリでこすると、シート表面に適度な深さで、しかも、この深さにバラツキの少ない多数の直線状の溝部1dを一度に設けることができるという利点がある。また、布ヤスリの方向を変えて複数回こすると、角度の異なる多数の直線状の溝部1dを容易に設けることができる。ただし、全ての溝部1dの深さがシート厚の5%以上、20%以下の範囲内である必要はなく、溝部1dの最大の深さがシート厚の5%以上、20%以下の範囲内であればよい。布ヤスリでこすった場合、ほとんどの溝部1dの深さをシート厚の5%以上、20%以下の範囲内とすることができるが、一部は凸部1aの頂部1cの外表面を僅かにこするだけで極めて浅いすり傷のような溝部1dも設けられるからであり、このような浅い凸部1aが設けられても、滑り止めの効果はあまり期待できないが、この溝部1dを雑草等が突き破って貫通するおそれもないので、溝部1dの効果を阻害することにはならないからである。
ここで、#30と#40と#80の粒度の布ヤスリを用いて防草シート1の凸部1aの頂部1cの外表面に溝部1dを設けたときの、この溝部1dの深さを3回ずつ測定した結果とその平均値の計算結果を表2に示す。
Figure 0005020189
この表2によれば、粒度の粗い#30の布ヤスリを用いた場合の溝部1dの深さの平均値は0.129mmであり、これより粒度の細かい#40の布ヤスリを用いた場合の溝部1dの深さの平均値は0.094mmであり、さらに粒度の細かい#80の布ヤスリを用いた場合の溝部1dの深さの平均値は0.064mmであった。そして、シート厚は0.5mm以上、1.5mm以下であるため、#30の布ヤスリを用いた場合のこのシート厚に対する溝部1dの深さの割合は25.8%〜8.6%となり、シート厚が薄い場合に20%を超えて溝部1dが深くなりすぎる。これに対して、#40の布ヤスリを用いた場合のシート厚に対する溝部1dの深さの割合は18.8%〜6.3%となり、0.5mm以上、1.5mm以下のいずれのシート厚の場合にも溝部1dの深さを5%以上、20%以下の範囲内とすることができる。また、#80の布ヤスリを用いた場合のシート厚に対する溝部1dの深さの割合は12.8%〜4.3%となり、シート厚が厚い場合に5%を下回り溝部1dが浅くなりすぎる。
また、上記各粒度の布ヤスリを用いて溝部1dを設けた防草シート1と溝部1dを設けていない防草シート1の上に、それぞれ図3に示すようなウェイト固定具6を乗せて引っ張ったときの摩擦抵抗力をそれぞれ3回ずつ測定した結果と、その平均値の計算結果を表3に示す。ウェイト固定具6は、底面積が約0.029m(=約100mm×290mm)であり、底面材質がゴムである摩擦摺動部6aの上に25kgのウェイト6bを載置して固定したものであり、このウェイト固定具6を防草シート1上に乗せて100mm/minの速度で引っ張った。
Figure 0005020189
この表3によれば、#30の布ヤスリを用いた場合の摩擦抵抗力の平均値は130.0Nであり、#40の布ヤスリを用いた場合の摩擦抵抗力の平均値は130.4Nであり、#80の布ヤスリを用いた場合の摩擦抵抗力の平均値は113.4Nであった。また、溝部1dを設けていない防草シート1の場合の摩擦抵抗力の平均値は95.8Nであった。従って、溝部1dを設けていない防草シート1に比べて、溝部1dを設けた防草シート1の摩擦抵抗力が格段に高くなっていることが分かる。また、布ヤスリの粒度が#80から#40に変わった場合には、粒度が粗くなり溝部1dが深くなるほど摩擦抵抗力が高くなることが分かる。ただし、布ヤスリの粒度が#40から#30に変わった場合には、粒度が粗くなり溝部1dが深くなっているにもかかわらず摩擦抵抗力に有意の変化は認められなかったので、この溝部1dの深さは、ある程度以上深くしても滑り止めの効果がそれ以上は向上しないことが分かる。
さらに、上記各粒度の布ヤスリを用いて溝部1dを設けた防草シート1と溝部1dを設けていない防草シート1とをそれぞれ角度を変えて傾斜させ、その上を安全靴と運動靴を履いた人がそれぞれ歩いたときの歩行感を調べた結果を表4(安全靴の場合)と表5(運動靴の場合)に示す。
Figure 0005020189
Figure 0005020189
これらの表4と表5によれば、溝部1dを設けていない場合には、安全靴のときに25°の傾斜で滑りそうになり、いずれの靴でも30°以上の傾斜で滑るようになった。これに対して、#80の布ヤスリを用いた場合には、安全靴のときに30°の傾斜で滑りそうになり、いずれの靴でも35°以上の傾斜で滑るようになると共に、#40と#30の布ヤスリを用いた場合には、いずれの靴でも35°以上の傾斜で滑るようになったので、溝部1dを設けたことが滑り止めに効果があることが確認できた。しかも、この滑り止め効果は、#80の布ヤスリを用いた場合に、安全靴のときに僅かに効果が劣るが、#40と#30の布ヤスリを用いた場合の効果には差がないことが分かった。
上記のように、表2乃至表5を総合的に検討してみると、#80の布ヤスリを用いた場合には、溝部1dの深さがシート厚の5%を下回ることもあり(最小4.3%)、溝部1dを設けない場合に比べれば滑り止めの効果はあるものの、安全靴の場合のようにこの効果が必ずしも十分であるとはいえないこともある。これに対して、#40の布ヤスリを用いた場合には、溝部1dの深さがシート厚の5%以上、20%以下の範囲内となり、最大の滑り止め効果が得られることが分かった。また、#30の布ヤスリを用いた場合にも#40の布ヤスリを用いた場合と同様の滑り止め効果が得られるが、溝部1dの深さがシート厚の20%を超えることもあり(最大25.8%)、溝部1dが深くなりすぎるので(0.129mm)、この溝部1dを雑草等が突き破って貫通するおそれが生じる。
〔実施形態の効果〕
凸部1aの頂部1cの外表面に直線状の溝部1dが設けられるので、メンテナンス等のために作業員が防草シート1の上に乗ったときに靴等が滑るのを防止することができる。しかも、この溝部1dは、シート厚の5%以上の深さがあるため、十分な滑り止めの効果を得ることができ、直線状の溝部1dであるため、確実な滑り止め効果を発揮することができる。さらに、直線状の溝部1dは、角度の異なるものが複数本設けられるので、より広い方向に対して確実に滑り止め効果を発揮することができる。
また、この防草シート1は、シート厚が0.5mm以上の硬質の合成樹脂製のシートからなるものであるため、雑草等が突き破って貫通するのを十分に防止できると共に、雨水等の浸入を阻止して高い遮水性を発揮し雑草等の発芽や生育を確実に防止することができる。しかも、溝部1dは、シート厚の20%以下の深さであるため、この溝部1dによってシートの厚さが薄くなっても十分な厚さを確保することができ、この溝部1dを雑草等が突き破って貫通するのも防止できる。
また、この防草シート1は、延伸率が120%以上の凸部1aと凸部1bがエンボス状に形成されるので、シート全体の剛性を十分に高めることができ、シートの端がめくれるのを防止すると共に、不陸に対しても全体的になだらかに追従して体裁良く敷設することができる。さらに、この防草シートは、シート厚が1.5mm以下の硬質の合成樹脂製のシートからなるものであるため、エンボス状に凸部1aと凸部1bを形成することによって初めて確実な剛性を得ることができるので、不必要に防草シート1の質量が重くなり剛性も高くなりすぎて、製造や敷設作業時に取り扱い難くなったり、不陸に対するなだらかな追従性が損なわれるということもなくなる。しかも、この防草シート1は、延伸率が300%未満となるので、凸部1aや凸部1bでのシートの厚さが成形によって薄くなりすぎてこの部分を雑草等が突き破って貫通するようなこともなくなり、作業員等が踏むことにより凸部1aや凸部1bが潰れるおそれもなくなる。
また、上記防草シート1を用いた防草構造体は、メンテナンス等のために作業員が乗ったときに靴等が滑るのを防止することができるので、作業性を高めることができる。
〔他の実施形態〕
なお、上記実施形態では、角度の異なる直線状の溝部1dが複数本設けられる場合を示したが、角度が同じ平行な直線状の溝部1dが複数本設けられていてもよく、1本の溝部1dが設けられているだけでもよい。直線状の溝部1dは、これに直交する1方向の滑り止め効果が最も確実なものとなるので、直線状の溝部1dが平行に設けられたり1本だけ設けられた場合には、滑り止め効果が指向性の狭い(強い)ものとなるが、滑り方向が制限されるだけでも安定性は高まるので、十分な滑り止めの効果を得ることができる。
また、上記実施形態では、直線状の溝部1dが設けられる場合を示したが、線状であればよいので、曲線状や折れ線状等であってもよい。曲線状等の溝部1dの場合、平行移動して重なり合うものが複数本設けられたり1本だけ設けられた場合であっても、ある程度広い方向に対して滑り止め効果を確実にすることができる。さらに、曲線状等の溝部1dが平行移動しても重なり合うことのないものを含めて複数本ずつ設けられれば、様々な広い方向に対して滑り止め効果を確実にすることができる。
また、上記実施形態では、溝部1dが一方の表面側に突出する凸部1aにのみ設けられる場合を示したが、凸部1aと凸部1bの双方に設けてもよい。この場合、上記実施形態では凸部1bに設けた溝部1dの滑り止め効果は無駄になるが、防草シート1を設置する際に、いずれの表面側を表側にして設置してもよいという利点がある。
また、上記実施形態では、凸部1aと凸部1bが截頭状のほぼ円錐形である場合を示したが、これら凸部1aと凸部1bの形状は任意であり、截頭状の多角錐形であってもよく、成形加工の容易さを考慮すれば突出端部側ほど細くなるテーパ状の形状が好ましいが、加工が可能であれば円筒形であってもよい。さらに、截頭状の頂部1cも平坦面に限らず、ある程度湾曲した面や半球状の面であってもよく、截頭状である必要もないので、凸部1aや凸部1bの形状自体が半球形や半卵形状であってもよい。
また、上記実施形態では、防草シート1が高密度ポリエチレン等の硬質の合成樹脂製である場合を示したが、他の熱可塑性樹脂や、その他の合成樹脂製であってもよい。
本発明の一実施形態を示すものであって、防草シートの部分拡大縦断面正面図である。 本発明の一実施形態を示すものであって、防草シートを道路の路肩に敷設した防草構造体を示す縦断面正面図である。 本発明の一実施形態を示すものであって、防草シートの摩擦抵抗力を測定するためのウェイト固定具を示す斜視図である。
符号の説明
1 防草シート
1a 凸部
1b 凸部
1c 頂部
1d 溝部
2 道路
3 路肩面
4 法面
5 固定ピン
6 ウェイト固定具
6a 摩擦摺動部
6b ウェイト

Claims (5)

  1. シート厚が0.5mm以上、1.5mm以下である硬質の合成樹脂製のシートに、このシートの一方の表面側に突出する凸部と他方の表面側に突出する凸部とを交互に多数エンボス状に形成して、このシートの凸部形成前の平面状のときの表面積に対して120%以上、300%未満の表面積に成形すると共に、
    上記シートにおける少なくとも一方の表面側に突出する凸部の頂部の外表面に、このシートのシート厚の5%以上、20%以下の深さを有する線状の溝部を設けたことを特徴とする防草シート。
  2. 前記シートの凸部形成後におけるASTM D 4833−88に準拠して測定した貫入抵抗値が200N以上、800N以下であることを特徴とする請求項1に記載の防草シート。
  3. 前記シートの凸部形成後におけるJIS K 7113に準拠して測定した引張降伏強さが20MPa以上、80MPa以下であることを特徴とする請求項1に記載の防草シート。
  4. 前記線状の溝部が複数本ずつ設けられたものであり、かつ、これら複数本の溝部が平行移動しても他のいずれの溝部とも重なり合うことのない溝部を1本以上有するものであることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の防草シート。
  5. 請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の防草シートを除草すべき地面に敷設し固定したことを特徴とする防草構造体。
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