JP5019773B2 - オイルフリースクリュ圧縮機の冷却方法及び冷却機構 - Google Patents

オイルフリースクリュ圧縮機の冷却方法及び冷却機構 Download PDF

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Description

本発明は,被圧縮気体の圧縮に際し,油や水の吸入を行うことなく乾式で被圧縮気体の圧縮を行うオイルフリースクリュ圧縮機の冷却方法及び冷却機構に関する。
油分を含む圧縮空気の供給を嫌う空気作業機や,油分を含む圧縮空気を使用できない例えば食品製造等の分野において使用する圧縮気体を得るために,油や水を吸入することなく,乾式にて被圧縮気体の圧縮を行う,所謂「オイルフリースクリュ圧縮機」が提案されている。
このオイルフリースクリュ圧縮機では,吸入した被圧縮気体を圧縮する過程で圧縮作用空間内に油や水を導入しないことから、圧縮作用空間内に被圧縮気体の圧縮過程で発生した圧縮熱により高温となった圧縮気体を冷却する媒体が存在せず、圧縮作用空間内に油や水などの冷却媒体を導入して圧縮気体を直接冷却する油冷式スクリュ圧縮機や水噴射式スクリュ圧縮機と比較して圧縮気体が高温となってしまう。さらに、オイルフリースクリュ圧縮機は油や水による圧縮作用空間内の密封が行われていないために、圧縮作用空間内の圧縮気体が吸入側に隣接する圧縮作用空間へ逆流して再圧縮されてさらに圧縮気体が高温となる。
そのため,このようなオイルフリースクリュ圧縮機にあっては,圧縮機のケーシングに放熱フィンを設け,この放熱フィンを介して周囲の空気との熱交換を行うことで冷却したり,ケーシングの肉厚内に冷却媒体の流路を形成し,この流路内に水,その他の冷却媒体を導入,循環させることにより圧縮気体を間接的に冷却することが行われている。
なお,圧縮機から吐出される空気の温度上昇を抑制するために,圧縮機より吐出される空気の温度を検出し,圧縮機より吐出される空気の温度が予め設定した値を超えた際,圧縮機に吸引される空気に水を噴射する方法が提案されている(特許文献1参照)。
また,圧縮機自体の冷却に関するものではないが,既存の圧縮機の容量を増大させるために,ガス流を受け取り,圧縮し,排出するための過給器と,該過給器を前記圧縮機に接続するためのパイプと,前記ガス流を冷却するために前記パイプ内に液体を噴霧し,蒸発させるためのノズルを設け,ノズルより噴射した液体の蒸発熱によって圧縮機に吸入される被圧縮気体を冷却する方法が提案されている(特許文献2参照)。
この発明の先行技術文献情報としては次のものがある。
特開平10−77980号公報 特開平5−187359号公報
前述したオイルフリースクリュ圧縮機において,圧縮機のスクリュロータは,圧縮熱による膨張を考慮してオス,メス両スクリュロータ間に僅かな隙間が生じるように設計され,熱膨張が生じた場合であっても両スクリュロータが干渉しないように調整されている。
このようなスクリュロータにあっては,スクリュロータの外径は軸線方向のいずれの位置においても同径に形成されているが,ロータ室内の温度は高圧になる程高くなり,吸入側に対して吐出側は高温となっている。そして,圧縮比(絶対圧力における吐出圧/吸気の圧力)が高い圧縮機ほど,ロータ室内の吸入側と吐出側で温度差が大きくなる。
そのため,被圧縮気体の圧縮を一台の圧縮機によって高圧に高めようとすると,この温度差によって吐出側におけるスクリュロータ間の隙間が最適であったとしても,吸気側におけるロータ間の隙間が過大となり,圧縮作用空間内の圧縮気体が吸入側に隣接する圧縮作用空間へ逆流して再圧縮されて圧縮効率が低下する。
このような問題を回避するために,前述のオイルフリースクリュ圧縮機では,吸気側と吐出側における温度差と圧力差を少なくすべく,複数段の圧縮機を並べて配置し,低圧段の圧縮機によって圧縮された圧縮気体を更に高圧段の圧縮機に導入して圧縮することにより,各段の圧縮機における圧縮比を低く抑えて,吸入側と吐出側とで生じる温度差が少なくなるように構成すると共に、隣接する圧縮作用空間間の圧力差を少なくして逆流する圧縮気体の量を抑えるように構成している。
このように,オイルフリースクリュ圧縮機にあっては,油冷式のスクリュ圧縮機や,水噴射式のスクリュ圧縮機のように一段の圧縮機における圧縮比を高めることができないことから,高圧の圧縮気体を得るためには前述のように複数段の圧縮機を並べて配置する構成を採用する必要があり、低圧段圧縮機と高圧段圧縮機との間に圧縮気体を冷却する中間冷却器を設ける等,装置構成が複雑になると共に極めて高価なものとなっており,オイルフリースクリュ圧縮機の有効な冷却手段が要望されている。
このようなオイルフリースクリュ圧縮機が持つ課題に対し,前述した従来技術のうち,圧縮機のケーシングに放熱用のフィンを設け,又は,圧縮機のケーシングの肉厚内に,冷却媒体の流路を形成して冷却する前述の構成にあっては,圧縮作用空間内に冷却媒体を導入して圧縮気体を直接冷却する油冷式スクリュ圧縮機や水噴射式スクリュ圧縮機と比較して冷却効率が悪い。
前述の特許文献1として紹介した従来技術のように,圧縮機の吸入側より水を吸入する方法によれば,吸入された水が圧縮熱により蒸発する際,蒸発熱によって周囲から熱を奪うことにより,圧縮作用空間内の圧縮気体を直接冷却することができる。
しかし,圧縮機の吸入側より吸引された水は,圧縮機内に取り込まれ,被圧縮気体が圧縮されて圧縮熱が発生し圧縮作用空間内の温度が水の飽和温度を超えるまでの間,蒸発しきれずに圧縮作用空間内に液滴として存在することとなり,吸引された水の一部が飽和温度を超えていない吸入空間や圧縮作用空間のケーシング内壁やスクリュロータ表面に付着しつづけ、蒸発しないことからケーシングやスクリュロータの発錆原因となる。
また,オイルフリースクリュ圧縮機は,ロータ軸の軸封には専ら非接触式のシールを用いている。そのため,前述のように吸引された水が蒸発せずに残ると,この水が吐出側軸受に流入して軸受部分の錆を発生させる原因となる他,潤滑油に水が混入して潤滑油の寿命を短縮する。
さらに,前述したように,多段式に構成された圧縮機の二段目以降の圧縮機では,その吸入側の圧力が大気圧よりも高いため,吸引された水が吸入側軸受にも流入し,潤滑油内に混入する等,同様の弊害が生じる。
また,前述の特許文献2の方法では,過給機と圧縮機間の吸入管で水を噴霧することで,圧縮機に吸入される前の被圧縮気体の冷却を行うことはできるものの,ここで噴射された水は,圧縮機本体の圧縮作用空間内の冷却に貢献するものではなく,特に,圧縮機内の吸気側と吐出側間の温度差を減少させるために貢献し得ない。
そこで本発明は,上記従来技術が有する欠点を解消するために成されたものであり,圧縮機の圧縮作用空間内に冷却水を導入して直接冷却することにより,効率良く冷却を行うことができ,圧縮機の吸入側と吐出側との間の温度差を可及的に低減することができると共に,圧縮機内に導入された冷却水が,圧縮機内に液滴として残ることを防止し,圧縮機のスクリュロータやケーシング,軸受けにおける錆の発生,潤滑油に対する混入等を好適に防止することのできるオイルフリースクリュ圧縮機の冷却方法及び冷却機構を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために,本発明のオイルフリースクリュ圧縮機の冷却方法及び装置は,潤滑,冷却,密封のために圧縮作用空間内に油又は水の吸入を行うことなく,乾式で被圧縮気体の圧縮を行うオイルフリースクリュ圧縮機10において,
内部温度が,内部圧力に相当する水の飽和温度を超えた状態にある吸気閉じ込み後のロータ室の圧縮作用空間内に,該圧縮作用空間の内部温度を前記飽和温度以下に低下させない量の冷却水を導入する,給水手段20を設けたことを特徴とする(請求項1,7)。
前述の方法において,前記冷却水を,単位吸入空気量当たり次式,
Figure 0005019773
W;冷却水の導入量(kg/m3)
A;吸入空気の比重量(kg/m3)
x;吸入空気の絶対湿度(kg/kg)
ta:冷却前の圧縮作用空間内の温度(K)
ts;圧縮作用空間内の圧力に相当する水の飽和温度(K)
tw;導入する冷却水の温度(K)
Cpa;乾き空気の平均定圧比熱(kJ/kg・K)
Cpm;過熱蒸気の平均定圧比熱(kJ/kg・K)
Cw;水の比熱
r;水の蒸発熱
α;補正値
で示す条件を満たす量で導入することができる(請求項2,8)。
この場合,前記条件で示した冷却水の導入量の最大値を,前記圧縮作用空間内に導入することが好ましい(請求項3,9)。
前記冷却水としては,純水器22によって得た純水,圧縮機の吐出回路13で生じたドレンを回収するドレン回路14,14’を介して得たドレン等の純水を使用することができる(請求項4,10,11)。
冷却水の導入は,好ましくは噴射ノズル等によって冷却水を粒子径5μm以下の霧状にして行うことが好ましい(請求項5,12)。
さらに,前記圧縮機10のスクリュロータの軸線方向に前記冷却水の導入位置を複数箇所設けると共に,圧縮作用空間内の圧力と温度に従って,前記いずれかの導入位置を1箇所又は複数箇所選択して冷却水の導入を行う制御手段を設けるものとしても良い(請求項6,請求項13)。
なお,前述の給水手段20に,エゼクタ23又はベンチュリ管を設け,
前記エゼクタ23又はベンチュリ管の噴射口23cを前記圧縮作用空間に連通し,駆動流導入口23aを圧縮機の吐出側配管13に連通すると共に,二次流導入口13bを給水源30に連通して,冷却水を圧縮作用空間内に導入するものとしても良い(請求項14)。
さらに,前記給水手段20には,予め規定された動作に従って前記圧縮作用空間に対する冷却水の導入開始及び導入停止,及び/又は導入量を制御する,例えば電子制御装置等の制御手段25と,この制御手段25からの制御信号に従って冷却水の流量制御等を行う例えば電磁弁等の調整手段24から成る,給水制御手段を備えることもできる(請求項15)。
このように給水制御手段を設ける場合,前記圧縮機が,運転状態から停止に至る動作工程に無負荷運転への移行を伴うオイルフリースクリュ圧縮機である場合には,圧縮機10の停止動作時,前記給水制御手段が無負荷運転への移行と共に圧縮作用空間内への冷却水の導入を停止するように動作させても良い(請求項16)。
以上説明した本発明の構成より,本発明のオイルフリースクリュ圧縮機の冷却方法及び冷却機構によれば,冷却水の導入後においても圧縮作用空間内は,内部圧力に相当する水の飽和温度を超えた温度となっているために,導入された冷却水は液体の状態として存在し得ず,全てが蒸発して過熱蒸気となる。
従って,冷却水が蒸発する際の蒸発熱により,圧縮作用空間内は直接冷却されて高効率で冷却を行うことができると共に,導入された冷却水が液滴として圧縮作用空間内に残ることによるケーシングやスクリュロータ,軸受等の錆の発生を防止することができ,また,潤滑油に冷却水が混入することにより,潤滑油の寿命が早まる等の弊害の発生を防止することができた。
しかも,前述した数式によって示した条件を満たす量の冷却水を導入することで,圧縮作用空間内において冷却水を確実に蒸発させることが可能であり,特に,ここで求められた冷却水導入量Wの最大値を圧縮作用空間内に導入する場合には,冷却水が液滴として残存することを防止しながら,最大限の冷却効率を得ることができた。
導入する冷却水を,例えば純水器によって処理された水(純水)や,圧縮機で得た圧縮気体を冷却等した際に生じたドレン(蒸留水;純水),その他の純水とすることで,水道水等の不純物を含む水を導入した場合に生じる不純物(カルキ分等)の蓄積を防止することができ,このような不純物の蓄積による圧縮機の作動不良の発生を好適に防止することができた。
さらに,圧縮作用空間内に対する冷却水の導入を,粒子径5μm以下の霧状にして行うことにより,圧縮作用空間内に導入された冷却水を瞬時に蒸発させることができ,これにより導入された冷却水は,一時的にも圧縮作用空間内に液滴として残存することを防止できた。
なお,圧縮機のスクリュロータの軸線方向に,導入位置を複数箇所設けると共に,圧縮作用空間内の圧力と温度に基づいていずれか1箇所又は複数箇所の導入位置を介して冷却水を導入するかを選択可能としたことにより,圧縮作用空間内の冷却を最も効率良く行うことのできる位置において冷却水を導入することができ,冷却効率の更なる向上を得ることができた。
さらに,冷却水の導入を,エゼクタやベンチュリ管によって圧縮機の吐出圧を駆動流として行うことにより,駆動流を得るための別途の圧縮気体の供給源等を設ける必要がなく,装置構成を簡略化することができた。
なお,冷却水の導入タイミング,導入量調整を,電子制御装置等である制御手段と,この制御手段によって制御される電磁弁等によって構成される給水制御手段によって,予め設定されたプログラムに従って規定された所定の動作に従って制御することで,圧縮機の運転状態に対応して適切な導入タイミング,導入量で冷却水を導入することが可能となった。
また,圧縮機の停止動作時に,圧縮機が無負荷運転に移行した際に液体の噴射を停止するように構成したことにより,圧縮機の圧縮作用空間に対して不要な液体の噴射を防止することができると共に,圧縮作用空間内から,蒸発した冷却水を含む圧縮気体が吐出された後に圧縮機を停止することができ,停止後の圧縮機の温度低下により,圧縮機内で冷却水が凝集することを防止できた。
次に,本発明の実施形態を添付図面を参照しながら以下説明する。
〔基本構成〕
本発明のオイルフリースクリュ圧縮機の冷却方法及び冷却機構は,圧縮機の圧縮作用空間内に冷却媒体として冷却水を導入して,この冷却水の蒸発熱によって圧縮作用空間内の温度を奪い,冷却を行うものである。
そして,この冷却水が圧縮作用空間内で液滴として残らないようにするために,導入された冷却水の全量が圧縮作用空間内で蒸発して,過熱蒸気となるよう,圧縮作用空間に対する冷却水の導入を,内部温度が,内部圧力に相当する水の飽和温度を超えた状態にある吸気閉じ込み後の圧縮作用空間内に対して行い,冷却水の導入量を,圧縮作用空間の内部温度が,内部圧力に相当する水の飽和温度以下に低下させない量とすることで,導入された冷却水が液滴として残ることを防止している。
このように,導入された冷却水を圧縮作用空間内に液滴として残すことなく,全量蒸発させることができる冷却水の導入量は,以下の計算式によって求めることができる。
(1)冷却水が蒸発により吸収した熱量Q1
圧縮作用空間内に導入した,温度tw(K),質量W’(kg)の冷却水が,温度tm(K)の過熱蒸気となるために必要な熱量Q1(kJ)は,
Q1=Q1tw-ts+Q1tv+Q1ts-tm (式1)
によって表すことができる。
ここで,
Q1tw-ts;温度tw(K),質量W’(kg)の冷却水が,圧縮作用空間内の圧力p2(Pa abs)における飽和温度ts(K)となるための熱量(kJ)
Q1tv;W’(kg)の冷却水の蒸発熱(kJ)
Q1ts-tm;W’(kg)の蒸気を飽和温度ts(K)から温度tm(K)に過熱するための熱量(kJ)
ここで,Q1tw-ts,Q1tv,Q1ts-tmはそれぞれ,
Q1tw-ts ={Cw(ts−tw)}W’ (式2)
Cw:水の比熱(kJ/kg・K)
Q1tv = rW’ (式3)
r;水の蒸発熱(kJ/kg)
Q1ts-tm ={Cpm(tm−ts)}W’ (式4)
Cpm;過熱蒸気の平均定圧比熱(kJ/kg・K)
である。
従って,
Q1(kJ)={Cw(ts−tw)+r+Cpm(tm−ts)}W’ (式5)
となる。
(2)圧縮作用空間内の圧縮空気が放出した熱量Q2
冷却水の導入前において温度ta(K)であった圧縮作用空間内の温度が,冷却水の導入により温度tm(K)に低下した際に放出した熱量Q2(kJ)は,
Q2=Q2air+Q2wat (式6)
Q2air;圧縮作用空間内を占める圧縮空気中の乾き空気が放出した熱量(kJ)
Q2wat;圧縮作用空間内を占める圧縮空気中の過熱蒸気が放出した熱量(kJ)
によって表すことができる。
ここで,Q2air,Q2watはそれぞれ,
Q2air={1/(1+x)}Cpa(ta−tm)A’ (式7)
x ;吸入空気の絶対湿度(kg/kg)
Cpa;乾き空気の平均定圧比熱(kJ/kg・K)
A’;吸入空気の質量(kg)
Q2wat={x/(1+x)}Cpm(ta−tm)A’ (式8)
である。
従って,
Q2(kJ)={1/(1+x)}Cpa(ta-tm)A’+{x/(1+x)}Cpm(ta-tm)A’ (式9)
となる。
(3)冷却水の導入量W
以上より,圧縮作用空間内の圧縮空気が放出した熱量Q2(kJ)が,全て導入された冷却水によって吸収され、冷却水は圧縮空気が放出した熱量以外吸収しないとすると,
Q1=Q2
となる。
従って,(式5)及び(式9)より,
{Cw(ts-tw)+r+Cpm(tm-ts)}W’={1/(1+x)}Cpa(ta-tm)A’ +{x/(1+x)}Cpm(ta-tm)A’ (式10)
となる。
ここで,単位吸入空気量当たりに導入する冷却水の導入量W(kg/m)を求めると、
上記の(式10)より,
Figure 0005019773
A ;吸入空気の比重量(kg/m)
となる。
導入された冷却水が,液滴として残ることなく,全量過熱蒸気となるためには,冷却後の圧縮作用空間内の温度tmが,圧縮作用空間内の内部圧力に相当する水の飽和温度tsを超える(tm>ts)という条件を満たす必要があり,仮に,tm≦tsであると,圧縮作用空間内に蒸発していない水(液滴)が残ることとなる。
ここで,tm=tsと仮定して冷却水の導入量W(kg/m)を求めると,
上記の(式11)より,
Figure 0005019773

となり、
tm>tsという条件を満たすためには、冷却水の導入量Wを上記の(式12)で求められたW値よりも少なくする。
従って,tm>tsという条件下では,
Figure 0005019773
となり、この量の冷却水を圧縮作用空間内に噴射することにより,圧縮作用空間内に噴射された水を全量,過熱蒸気とすることができ,圧縮作用空間内に液滴として残ることが防止できる。
圧縮作用空間内の圧縮空気が放出した熱量Q2(kJ)が,全て導入された冷却水によって吸収され、冷却水は圧縮空気が放出した熱量以外吸収しないとすると,上記の(式13)は,圧縮作用空間内の圧縮空気が放出した熱量が全て冷却水によって吸収され、冷却水は圧縮空気が放出した熱量以外吸収しない場合を想定した,理論上の冷却水導入量を求めたものである。
実際には圧縮作用空間内の圧縮空気が放出した熱は全て冷却水に吸収される訳ではなく,ケーシング等を介して機外に放出されること,また、ケーシングやスクリュロータから機内(圧縮作用空間内)へ放出されること、その他の要因を考慮して,実験データ等に基づいて求めた補正値αを加減した次式(式14)を,実際の冷却水の導入量Wの算出に使用する。
Figure 0005019773
〔計算例〕
上記によって求めた数式に従い,圧縮機(実機)の圧縮作用空間内に導入する冷却水導入量を算出した結果を,以下に示す。
(1)算出条件
算出条件は,下記の表1に示す通りである。
また,使用した圧縮機の圧縮作用空間内における圧力−温度特性を図1に示す。
なお,温度に対する水の飽和圧力,及び圧力に対する水の飽和温度は,いずれも「水の飽和表」(1990 日本機械学会機械工学便覧)に基づく。
Figure 0005019773
(2)算出方法
吸入空気の温度t1(20℃;293.15K)に対する蒸気の飽和圧力Ps(Pa abs)は,前述の「水の飽和表」より,
Ps=0.002337(MPa abs) = 2336.6(Pa abs)
である。
吸入空気(湿り空気)の全圧P(Pa abs)は,吸入空気圧力p1(大気圧)と一致することから,
P=p1=0.101325(MPa abs) = 101,325(Pa abs)
である。
絶対湿度x(kg/kg)を求める一般式は,
x=(Mv/Mg){Pv/(P-Pv)}
Mv;蒸気の分子量
Mg;ガスの分子量
P;全圧
Pv;蒸気の分圧
である。
上の式において,水蒸気−空気系におけるMv/Mgは,
Mv/Mg=0.622
また,相対湿度φ=蒸気分圧Pv/飽和蒸気圧Ps より,
蒸気分圧Pv=φ×Ps
従って,相対湿度φが0.65(65%)の上記吸入空気の絶対湿度x(kg/kg)は,
x=0.622×φ×Ps/(P−φPs)
= 0.622×0.65×2336.6/(101,325−0.65×2336.6)
= 0.00947(kg/kg)
である。
以上により求めた数値を,前掲の(式13)に代入すると,
Figure 0005019773
Figure 0005019773
となる。
ここで,吸入空気の比体積v1(m/kg)は,
v1=R・t1/p1
= 0.287×293.15/101.325 =0.8303(m/kg)
R;空気のガス定数(kJ/kg・K)
従って,吸入空気の比重量A(kg/m)は,
A =1/v1 = 1/0.8303
従って,
Figure 0005019773
となる。
上記の式から,水の噴射を行う圧縮作用空間内の圧力p2が与えられると,温度ta,ts及び蒸発熱rが決まり,これに基づいて下記のように吸入空気1m当たりに対する冷却水の導入量W(kg/m)の理論値が求められる。従って,このようにして求められた理論値に対し,前述した補正値αを加減することで(式14参照),実際の導入量を容易に求めることができる。
求めた導入量Wの最大値(理論値)を下記の表2に示すと共に,図1中に一点鎖線で示す。
なお,計算に使用した温度ta,tm,ts及び蒸発熱rは,以下の方法により求めた。
(1) 冷却前の圧縮作用空間内の温度ta(K)
Figure 0005019773
t1;吸入空気温度(K)
p2;圧縮空間内圧力(Pa)
p1;吸入空気圧力(Pa)
n;ポリトロープ指数
(2) 水の飽和温度ts(冷却後の圧縮作用空間内の温度tm)
前出の「水の飽和表」に記載されている,圧縮作用空間内の圧力p2に対応する水の飽和温度。なお,冷却後の圧縮作用空間内の温度tm(K)を,前記水の飽和温度ts(K)と同一値として計算。
(3) 水の蒸発熱r
前出の「水の飽和表」に記載されている,圧縮作用空間内の圧力p2に対応する水の蒸発熱(kJ/kg)。
Figure 0005019773
以上説明した実施形態で冷却の対象としたオイルフリースクリュ圧縮機にあっては,上記算出された理論値に従えば,冷却水の導入を,内部圧力が0.26(MPa)よりも高い状態となっている圧縮作用空間に対して行う。
そして,冷却水の導入を,前掲の数式で示した条件を満たす量(上記表で求めた最大導入水量よりも僅かに少ない量)とすることにより,圧縮作用空間内に導入された水の全てを蒸発させて,過熱蒸気とすることができる。
従って,導入された冷却水が液滴として圧縮作用空間内に残ることがなく,その結果,冷却水が液体として残ることによるロータ室内やスクリューロータ,軸受の錆び付き,水が混入することにより生じる潤滑油の寿命の短縮等を好適に防止することができる。
〔装置構成〕
本発明のオイルフリースクリュ圧縮機の冷却機構にあっては,前述したように,圧縮作用空間内に導入した冷却水を全量蒸発させて,過熱蒸気とし,圧縮作用空間内に液滴として残ることがないようするために,前述した吸気閉じ込み後の圧縮作用空間内の所定の位置に,給水源30より供給された水を所定量導入する給水手段20を備えている。
この給水手段20の構成としては,全量を過熱蒸気と成し得る冷却水の導入量Wを,使用上想定される吸入空気の温度,圧力,湿度に基づいて予め求めておき,この導入量Wの冷却水が導入できるように,給水源より供給された冷却水の流量を,例えば絞り21等を設けて調整する流体回路等として構成することができ,図2(A)に示す実施形態にあっては,このような給水手段の構成として,所定の導入位置において圧縮機の圧縮作用空間内に連通した噴射ノズルを設けると共に,この噴射ノズルのノズル径を必要量の冷却水を導入可能な径に形成して前述の絞り21と成し,予め設定した量の冷却水を圧縮作用空間内に導入可能とした。
この給水手段20に供給する冷却水は特に限定せず,例えば上水道を前記給水源として水道水等を冷却水として使用することもできるが,例えば水道水等のように不純物を含む水を圧縮機10の圧縮作用空間内に噴射すると,蒸発後にカルキ分等の不純物が圧縮作用空間内に残り,徐々に蓄積されて圧縮機10の円滑な動作に悪影響を与えるおそれがあることから,純水を供給することが好ましい。
なお,本発明において「純水」とは,イオン交換樹脂等によって不純物が除去された水の他,水蒸気を冷却した際の凝集によって生じた蒸留水(例えば圧縮機より吐出された圧縮空気を冷却した際に生じたドレン等)を含む。
このような純水を給水20手段に供給する場合には,図示せざる外部給水源からの水を,純水器22を通過させた後に給水手段20に導入し〔図2(B)参照〕,又は,純水器22を通過させた水を貯溜した水タンクを前述の給水源30として設けても良く(図3参照),更には,圧縮機10の吐出口11に連通した吐出回路13より分岐したドレン回路14,14’を前記給水手段20に直接〔図2(C)参照〕,又は前記水タンク30等を介して(図3参照)連通し,これらの純水を冷却水として使用しても良い。
給水手段20に対する冷却水の導入は,導入位置において連通する圧縮作用空間内の内部圧力以上の圧力で行い,圧縮作用空間内に確実に水を導入することができるようにする。
このような冷却水の導入は,前述した給水手段20を構成する流体回路中に水ポンプ等の加圧手段を設け行っても良いが(図示せず),圧縮機10が吐出した圧縮空気の圧力を利用して冷却水を圧送するものとすれば,部品点数が減少できる点で好ましい。
このような構成としては,前述したように給水源30として純水等を貯溜した水タンクが設けられている場合(図3参照)には,この水タンク30を圧力容器として構成し,吐出回路13から分岐した分岐回路(ドレン回路を含む)14,14’を水タンク30に連通して,圧縮機の吐出圧で水タンク30内を加圧するように構成しても良く,また,前述のドレン回路14,14’を給水手段20に連通し,吐出回路13内の圧縮空気と共にドレンを給水手段20に供給するように構成しても良く〔図2(C)参照〕,さらには,給水手段20を構成する回路中に,エゼクタ23やベンチュリ管を設け,圧縮機10の吐出口12に連通された吐出回路13から分岐した分岐回路14’を,このエゼクタ23やベンチュリ管の駆動流導入口23aに連通し,二次流導入口23bを前述の水タンク30等の給水源に連通すると共に,噴射口23cを圧縮機10の圧縮作用空間に連通して,吐出回路13より導入された圧縮空気によって給水源30からの水をエゼクタ23やベンチュリ管内に引き込むと共に,圧縮作用空間内に導入し得るように構成しても良い〔図2(E)参照〕。
図3に示す実施形態にあっては,上水道等の図示せざる外部給水源からの水を処理する純水器22を設け,この純水器22で処理された水を水タンク30内に導入すると共に,アフタクーラドレン40,レシーバタンク41で捕集されたドレンを圧縮空気と共に水タンク30内に導入して,水タンク30内を加圧すると共に,レシーバタンク41からの分岐回路14をエゼクタ23の駆動流導入口23aに連通して,二次流導入口23bを介して導入された冷却水と共に圧縮機10の圧縮作用空間内に導入し得るように構成している。
前述の給水手段20は,圧縮作用空間内に冷却水を導入し得るものであれば如何なる状態で冷却水を導入するものであっても良いが,好ましくは圧縮作用空間内に導入された水が容易に蒸発するよう,前述した噴射ノズル21等を介して冷却水を比較的細かな粒子状にして導入するものであることが好ましい。
より好ましくは,冷却水を粒子径5μm以下の霧状にして導入する。冷却水を粒子径5μm以下の霧状と成す方法は如何なる方法を使用しても良く,特に限定されないが,一例として複数の噴射ノズルの噴射方向を交叉させて噴射し,冷却水の粒子同士を衝突させることで,噴射された冷却水の粒子をより微細化することができ,これにより粒子径5μm以下の霧状とすることができる。
なお,この給水手段20の構成として,圧縮機10のスクリュロータの軸線方向に冷却水の導入位置を複数設け,各導入位置に冷却水を導入する給水回路をそれぞれ設け〔図2(D)参照〕,圧縮機10の運転状態に従って,最も効率的な冷却を行うことができる導入位置に連通された給水回路を1箇所又は複数箇所選択して,該選択された給水回路と連通する圧縮作用空間内に冷却水を導入するように構成しても良い。
なお,圧縮機10の始動直後や,無負荷運転時等,圧縮機10の圧縮作用空間内の温度が十分に上昇していない状態では,冷却水の導入により冷却を行う必要がないだけでなく,このような運転状態にある圧縮機10の圧縮作用空間内に冷却水を導入する場合には,導入した冷却水を蒸発させることができず,圧縮作用空間内に液滴として残るおそれがあることから,給水手段20を構成する流体回路内,又は水タンク30等の給水源と給水手段間の回路中に,この回路を開閉し,及び/又は回路内を流れる冷却水量を調整する電磁弁等の調整手段24を設けると共に,あらかじめ設定されたプログラムに従い前記調整手段24に対して制御信号を出力する電子制御装置等の制御手段25を設け,この調整手段24と電磁弁と制御手段25とによって圧縮機10の作動状態等に従って冷却水の導入タイミング及び/又は導入量を制御する給水制御手段を構成しても良い。
例えば,圧縮機10の運転状態が全負荷,無負荷のいずれの運転状態にあるかを監視する検知手段を設け,この検知手段からの検知信号に基づいて前記制御手段25が調整手段24に対して前記流路を開く,又は閉じる制御信号を出力するように構成しても良く,また,前記検知手段が圧縮機の全負荷運転への移行を検知した検知信号を受信したとき,この検知信号の受信から所定時間経過後に前記調整手段に対して給水の開始を指令する信号を出力するように,前記制御手段25にタイマ等を設ける構成としても良い。
また,圧縮機10の停止動作時,圧縮機を所定時間無負荷運転させた後に停止するように構成されたオイルフリースクリュ圧縮機に本発明の冷却機構を適用する場合には,圧縮機の停止動作時に,前述した無負荷運転に移行すると,この無負荷運転への移行と同時に前記給水制御手段が圧縮作用空間に対する冷却水の導入を停止して,圧縮機の圧縮作用空間内の過熱蒸気が圧縮作用空間から排出された後に停止するように構成することで,停止後,圧縮機10の温度が低下した場合であっても,圧縮作用空間内で冷却水が凝集等することを防止できる。
前述した給水制御手段24,25を設けた構成にあっては,さらに圧縮機10の使用条件,使用環境等に従って,冷却水の導入量が最適となるよう制御することも可能である。
この場合,例えば図3に示すように,圧縮機10の吸気側に,吸入空気の圧力,温度,湿度を測定する圧力測定手段,温度測定手段,及び湿度測定手段を設け(図示せず),これらの測定手段によって吸入空気の温度t1,圧力p1,湿度(相対湿度φ又は絶対湿度x)を測定させると共に,測定結果を電気信号として前述の制御手段25に入力させる。
前述の制御手段25である例えば電子制御装置には,前述した数式に基づいて,吸入空気の温度,圧力,湿度の変化と,この変化に対応した導入量Wを実現するために電磁弁等の調整手段24に対して出力すべき信号との対応関係を規定した所定のプログラムを予め記憶させておき,前記測定手段より受信する電気信号の変化に基づいて調整手段24を制御して,圧縮作用空間内に導入される冷却水量を調整可能とすることもできる。
なお,前出の数式(式12又は式13)では,冷却水の導入量Wを算出するためには,圧縮作用空間内の圧力p2が特定されることが必要であるが,本実施形態にあっては冷却水の導入位置において連通する圧縮作用空間における圧縮比に基づいて,測定された吸入空気の圧力p1と圧縮作用空間内の圧力p2との対応関係を予め制御手段25に記憶させておき,吸入空気の圧力p1に基づいて圧縮作用空間内の圧力p2を特定可能とした。
もっとも,圧縮作用空間内の圧力p2を直接測定する測定手段を設け,この測定手段によって測定された圧縮作用空間内の圧力に従って,制御手段25が調整手段24に出力する制御信号を変化するように構成しても良く,導入箇所における圧縮作用空間内の圧力を測定しながら最適水量を算出することも可能であり,実験により予め冷却水の導入箇所における圧縮作用空間内の圧力を測定しておき、この測定結果から最適注入量を算出してもよく、更には圧縮比から導入箇所における圧縮作用空間内の圧力を求めてもよい。
実施形態で使用した圧縮機の圧縮作用空間内温度−圧力特性を示すグラフ。 オイルフリースクリュ圧縮機の冷却機構の構成例を示す概略図であり,(A)〜(F)は,それぞれ変更例を示す。 冷却機構を備えたオイルフリースクリュ圧縮機の全体構成概略図。
符号の説明
10 圧縮機
11 吐出口
12 吸気口
13 吐出回路
14,14’ 分岐回路(ドレン回路)
20 給水手段
21 絞り(噴射ノズル)
22 純水器
23 エゼクタ
23a 駆動流導入口
23b 二次流導入口
23c 噴射口
24 調整手段(電磁弁)
25 制御手段
30 給水源(水タンク)
40 アフタクーラ
41 レシーバタンク

Claims (16)

  1. 潤滑,冷却,密封のために圧縮作用空間内に油又は水の吸入を行うことなく,乾式で被圧縮気体の圧縮を行うオイルフリースクリュ圧縮機において,
    内部温度が,内部圧力に相当する水の飽和温度を超えた状態にある吸気閉じ込み後のロータ室の圧縮作用空間内に,該圧縮作用空間の内部温度を前記飽和温度以下に低下させない量の冷却水を導入することを特徴とするオイルフリースクリュ圧縮機の冷却方法。
  2. 前記冷却水を,単位吸入空気量当たり次式で示す条件を満たす量で導入することを特徴とする請求項1記載のオイルフリースクリュ圧縮機の冷却方法。
    Figure 0005019773

    W;冷却水の導入量
    A;吸入空気の比重量
    x;吸入空気の絶対湿度
    ta;冷却前の圧縮作用空間内の温度
    ts;圧縮作用空間内の圧力に相当する水の飽和温度
    tw;導入する冷却水の温度
    Cpa;乾き空気の平均定圧比熱
    Cpm;過熱蒸気の平均定圧比熱
    Cw;水の比熱
    r;水の蒸発熱
    α;補正値
  3. 前記条件で示した冷却水の導入量の最大値を,前記圧縮作用空間内に導入することを特徴とする請求項2記載のオイルフリースクリュ圧縮機の冷却方法。
  4. 前記冷却水として純水を導入することを特徴とする請求項1〜3いずれか1項記載のオイルフリースクリュ圧縮機の冷却方法。
  5. 前記冷却水を粒子径5μm以下の霧状にして前記圧縮作用空間内に導入することを特徴とする請求項1〜4いずれか1項記載のオイルフリースクリュ圧縮機の冷却方法。
  6. 前記圧縮機のスクリュロータの軸線方向に前記冷却水の導入位置を複数箇所設けると共に,圧縮作用空間内の圧力と温度に従って,前記いずれかの導入位置を1箇所又は複数箇所選択して冷却水の導入を行うことを特徴とする請求項1〜5いずれか1項記載のオイルフリースクリュ圧縮機の冷却方法。
  7. 潤滑,冷却,密封のために圧縮作用空間内に油又は水の吸入を行うことなく,乾式で被圧縮気体の圧縮を行うオイルフリースクリュ圧縮機において,
    内部温度が,内部圧力に相当する水の飽和温度を超えた状態にある吸気閉じ込み後のロータ室の圧縮作用空間内に連通し,前記圧縮作用空間の内部温度を前記飽和温度以下に低下させない量の冷却水を前記圧縮作用空間内に導入する給水手段を備えることを特徴とするオイルフリースクリュ圧縮機の冷却機構。
  8. 前記給水手段が,単位吸入空気量当たりに対し,次式で示す条件を満たす量の冷却水を前記圧縮作用空間内に導入することを特徴とする請求項7記載のオイルフリースクリュ圧縮機の冷却機構。
    Figure 0005019773
    W;冷却水の導入量
    A;吸入空気の比重量
    x;吸入空気の絶対湿度
    ta;冷却前の圧縮作用空間内の温度
    ts;圧縮作用空間内の圧力に相当する水の飽和温度
    tw;導入する冷却水の温度
    Cpa;乾き空気の平均定圧比熱
    Cpm;過熱蒸気の平均定圧比熱
    Cw;水の比熱
    r;水の蒸発熱
    α;補正値
  9. 前記給水手段が,前記条件で示した冷却水の導入量の最大値を,前記圧縮作用空間内に導入することを特徴とする請求項8記載のオイルフリースクリュ圧縮機の冷却機構。
  10. 前記給水手段に純水を供給する純水器を設けたことを特徴とする請求項7〜9いずれか1項記載のオイルフリースクリュ圧縮機の冷却機構。
  11. 圧縮機の吐出側配管において発生したドレンを捕集するドレン回路を設けると共に,該ドレン回路を前記給水手段に連通して前記給水手段に対する給水源としたことを特徴とする請求項7〜10いずれか1項記載のオイルフリースクリュ圧縮機の冷却機構。
  12. 前記給水手段が,冷却水を粒子径5μm以下の霧状として前記圧縮作用空間内に噴射する噴射ノズルを備えることを特徴とする請求項7〜11いずか1項記載のオイルフリースクリュ圧縮機の冷却機構。
  13. 前記給水手段が,圧縮機のスクリュロータの軸線方向に沿って複数箇所設けられた冷却水の導入位置と,各導入位置において圧縮作用空間と連通する給水回路をそれぞれ有すると共に,
    各給水回路が連通する各圧縮作用空間内の圧力及び温度に従って,前記給水回路のいずれか1箇所又は複数箇所を選択して,選択された給水回路に対応する圧縮作用空間内に前記冷却水を導入する制御手段を有することを特徴とする請求項7〜12いずれか1項記載のオイルフリースクリュ圧縮機の冷却機構。
  14. 前記給水手段がエゼクタ又はベンチュリ管を備え,
    前記エゼクタ又はベンチュリ管の噴射口を前記圧縮作用空間に連通し,駆動流導入口を圧縮機の吐出側配管に連通すると共に,二次流導入口を給水源に連通したことを特徴とする請求項7〜13いずれか1項記載のオイルフリースクリュ圧縮機の冷却機構。
  15. 前記給水手段が,予め規定された動作に従って前記圧縮作用空間に対する冷却水の導入開始及び導入停止,及び/又は導入量を制御する給水制御手段を備えることを特徴とする請求項7〜14いずか1項記載のオイルフリースクリュ圧縮機の冷却機構。
  16. 前記圧縮機が,運転状態から停止に至る動作工程に無負荷運転への移行を伴うオイルフリースクリュ圧縮機において,
    圧縮機の停止動作時,前記給水制御手段が無負荷運転への移行と共に圧縮作用空間内への冷却水の導入を停止することを特徴とする請求項7〜15いずれか1項記載のオイルフリースクリュ圧縮機の冷却機構。
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