JP5018477B2 - インバータ - Google Patents

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Description

本発明は、アプリケーション部が容易にかつ高品質にカスタマイズ可能なインバータに関する。
図11にインバータの一般的構成を示す。
インバータ(1100)は商用の交流電源(1109)を入力して電動機(1110)を駆動するための電力を供給するパワー部(1106)、そのパワー部(1106)を制御する制御部(1101)、および外部との通信インタフェース(1111)から構成される。
そして、パワー部(1106)は商用の交流電源(1109)を入力してパワー変換部(1108)に直流電力を供給する電源部(1107)と電源部(1107)から供給された直流電力を制御して電動機(1110)を運転仕様通りに駆動するための電力を供給するパワー変換部(1108)とから構成されている。
制御部(1101)は、CPU(1102)とその上で実行される実行コードを記憶している実行コード部(1103)から構成され、さらに、実行コード部(1103)はアプリケーションに応じてカスタマイズされるアプリケーション部(1104)とアプリケーションから独立したモータ制御部(1105)から構成される。
また、アプリケーション(1104)を開発するためのプログラミング装置(1120)とは、必要な時に通信インタフェース部(1111)を介して接続される。
アプリケーション部(1104)は、パソコン等の上で実現されているプログラミング装置(1120)で開発され、実行可能なコードに変換されてインバータ(1100)へダウンロードされる。
アプリケーション部(1104)は、インバータ(1100)のアプリケーションを実現するためのものであるが、その開発は、以下のような方法で行われていた。
従来、標準的使い方とは異なるアプリケーションを実現するためには、安定した品質を保つため、開発規定に従って、各ステップごとに開発を進め、ソース・コードを変更し、デバッグし、設計審査の後に認定して製品化するという手法をとる必要があった。この、ソース・コードを変更し、コンパイルし、実行コードをインバータ(1100)へダウンロードしてデバッグするという工程をバグがなくなるまで繰り返す必要があり、時間がかかりすぎフレキシブルな対応が出来ないという問題があった。
これを改善するために以下のように幾つかの手法がある。
一つには、プログラミング装置(1120)上でさまざまな機能としてモジュール化されたソース・コードを多数持ち、また、それらのさまざまなモジュール化されたソース・コードに対応したファンクション・ブロックをプログラミング装置(1120)に多数持ち、それらを画面上に表示し、その接続によってアプリケーションに対応したソース・コードを作成する。そしてプログラミング装置(1120)上でコンパイルして実行コードを生成し、インバータ(1100)上にダウンロードするという方法である(非特許文献1)。
もう一つには、図12、図13に示すような機種ごと、用途、機能ごとのモジュール化されたソース・コードを、あらかじめインバータ(1100)内部に、接続情報で接続可能な形態で組み込んでおき、一方、プログラミング装置(1120)上には、インバータ(1100)内部に組み込んだモジュール化されたソース・コードに対応したファンクション・ブロックを用意する。そして、その接続によってアプリケーションのソース・コードを作成し、その接続情報を接続定数の組み合わせに変換してインバータ(1100)に設定する手法もある(非特許文献2)。
なお、「接続定数」とはファンクション・ブロックの接続を表す定数であり、単に「定数」という各ファンクション・ブロックがその計算のために使用する定数とは別のものである。
Control Techniques Drives,Ltd.User Guide UD70 Large Option Module and software for Unidrive,Part Number:0447−0017,Issue Number:2 SSD Drives,Inc.Instruction Manual RG352747 Issue 6.1
しかし、前者の方法ではプログラミング装置(1120)上でファンクション・ブロックのソース・コードを管理しているため、誤って改版したり、改版したあとのテストが不十分で計算結果のオーバーフローが生じたり、ダウンロードしたときにメモリーのオーバーラップが発生する等の恐れがあり、信頼性に欠けるという問題がある。
また、アプリケーションに対応した実行コード全体を生成しているため、コンパイル及びダウンロードに時間がかかり開発が効率的でないという問題もある。
その点、後者の方法は、各ファンクション・ブロックの実行コードはあらかじめインバータ(1100)に組み込んであり、先に述べた信頼性の問題は大幅に低減されている。また、ダウンロードするのは、ファンクション・ブロックの接続情報等のみで、ファンクション・ブロック自体の実行コードそのものはコンパイルやダウンロードの対象となっていない。従って、コンパイルやダウンロードに時間がかかるという問題も回避されているが、まだ、以下のような問題を抱えている。
インバータ(1100)に組み込まれているすべてのファンクション・ブロックがいつも動く状況にあり、アプリケーションに関係のない処理にもCPU時間が浪費されて有効に使える処理時間が少なくなるので、アプリケーション部(1104)を用途別の専用ソフトとして分けて運用する必要がある。また、機種、用途ごとのファンクション・ブロックは大きくて処理も重たく、汎用性がないという問題がある。
つまり、用意された機種ごとのアプリケーション図面で端子の接続と、定数の設定変更が可能であるが、他機種で使用されたファンクション・ブロック図を使用したり、組み合わせて新しいファンクション・ブロックを作ることができない。またファンクション・ブロックのそれぞれは多くの固定した処理を含み汎用性が低いという問題がある。
たとえば、図12に示すアプリケーション図面1ではワインダー用途のためのアプリケーションのファンクション・ブロック図を示しているが、これは機種A用として用意された図面であり、図3に示す機種Bに使用することもしくは応用することは出来ない。また図3に示すアプリケーション図面2も同じように機種Aに使用することはできない。このように、大幅な変更及び、一度作成した特定アプリケーションの他機種への展開や、実行コードの再利用が不可能である。また用意されたファンクション・ブロックは接続線で接続されているか否かにかかわらず、常時動いており、多機能であるほど処理時間の無駄が大きくなっている。
以上に述べたように、従来技術にはカスタマイズ可能な範囲が狭い、機種展開できないという自由度の低さ、また、多機能であるほどCPU(1102)での実行コードの処理が重くなるなどの問題がある。
本発明では、インバータ(1100)の多種多様な用途に対応するために、制御部(1101)の実行コード部(1103)のうちアプリケーション部(1104)を標準より変更し、簡単かつ安定した品質で専用対応することが可能なインバータ(1100)およびそのプログラミング装置(1120)を提供する。
請求項1に記載の発明は、電源部とパワー変換部を有するパワー部と、該パワー部を制御する制御部と、通信機能を有した通信インタフェース部とを備え、前記制御部は、CPUと該CPUで実行される実行コードを記憶している実行コード部を有し、前記実行コード部は、あらかじめ固有の端子番号に対応した実行コード・モジュールを実行コード・モジュール・テーブルとして組み込み、前記CPUは、実行順序を表す一連の定数に前記固有の端子番号が指定された接続情報テーブル及び前記実行コード・モジュール・テーブルに基づき、対応付けされた実行コード・モジュールを実行し、前記接続情報テーブルは、前記通信インタフェース部を介してダウンロードされることを特徴とするものである。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載のインバータにおいて、前記実行コード部は、アプリケーションに応じてカスタマイズされるアプリケーション部を有し、前記アプリケーション部は、前記接続情報テーブルをJUMPテーブルとして設定していることを特徴とするものである。
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載のインバータにおいて、前記端子番号に対応する実行コード・モジュールは、前記アプリケーション部にあらかじめ組み込まれていることを特徴とするものである。
請求項4に記載の発明は、請求項2または3に記載のインバータにおいて、前記アプリケーション部は、前記JUMPテーブルに設定された端子番号に対応した実行コード・モジュールを実行コード・モジュール・テーブルから検索して選択し、前記選択された実行コード・モジュールは選択されたときのみ実行されることを特徴とするものである。
請求項5に記載の発明は、請求項2乃至4のいずれか1項に記載のインバータにおいて、前記JUMPテーブルの処理におけるデータの引渡しは、ワークラムを介して行われることを特徴とするものである。
請求項6に記載の発明は、請求項乃至5のいずれか1項に記載のインバータにおいて、前記端子番号に対応したあらかじめ組み込まれている実行コード・モジュールは、十分テストされたものであり、前記端子番号によってその種類が決められ、該種類によって組合せの実行に制約があることを特徴とするものである。
請求項7に記載の発明は、請求項1乃至6のいずれか1項に記載のインバータにおいて、記接続情報テーブルは、外部のプログラミング装置によりファンクション・ブロック、インストラクション・リスト、ストラクチャード・テキスト、ラダー・ダイアグラム、シーケンシャル・ファンクションチャートのいずれかを用いて作成されたソースコードを変換して生成されることを特徴とするものである。
請求項8に記載の発明は、請求項7に記載のインバータにおいて、前記ソースコードは、前記作成されたソースコードの組み合せにより新たに作成されたソースコードを含むことを特徴とするものである。
本願の開示するインバータの一つの態様によれば、自由度の高いカスタム対応を簡単にかつ、安定した品質で実現することができるという効果を奏する。
本発明の第一実施例のファンクション・ブロック図及び処理の流れ 本発明の第二実施例のタイムチャート 本発明の第二実施例のファンクション・ブロック図 ファンクション・ブロックのタブ画面構成 本発明の第二実施例におけるプログラミング装置の画面例 第二実施例における、コンパイル・エラー画面表示 IL(インストラクション・リスト) ST(ストラクチャード・テキスト) LD(ラダー・ダイアグラム) SFC(シーケンシャル・ファンクション・チャート) インバータの一般的構成 アプリケーション図面例1 アプリケーション図面例2
符号の説明
101 アナログ入力1ファンクション・ブロック
102 アナログ入力2ファンクション・ブロック
103 アナログ入力1出力端子番号
104 アナログ入力2出力端子番号
105 接続線1
106 接続線2
107 加算器入力1端子番号
108 加算器入力2端子番号
109 加算器ファンクション・ブロック
110 加算器出力端子番号
111 接続線3
112 周波数指令入力端子番号
113 周波数指令ファンクション・ブロック
114 接続情報テーブル
115 JUMPテーブル
116 端子番号01処理フローチャート
117 端子番号03処理フローチャート
118 端子番号02処理フローチャート
119 端子番号04処理フローチャート
120 端子番号05処理フローチャート
121 端子番号06処理フローチャート
122 コンパイル
123 通信
124 実行コード・モジュール・テーブル
300 ディジタル入力端子1ファンクション・ブロック
301 ロジック・インターバル・タイマー・ファンクション・ブロック
302 ロジックNOT演算ファンクション・ブロック
303、304 ロジックAND演算ファンクション・ブロック
305 正転運転指令ファンクション・ブロック
306 逆転運転指令ファンクション・ブロック
307 定数入力ファンクション・ブロック1
308 定数入力ファンクション・ブロック2
309 2入力数値選択ファンクション・ブロック
310 周波数指令ファンクション・ブロック
311 ロジック出力状態モニター
312 数値出力モニター
313 ロジック出力端子
314 ロジック入力端子
315 数値出力端子
316 数値入力端子
400 ファンクション・ブロック・タブ・ウィンドウ
401 ロジックAND演算ファンクション・ブロック
402 ロジックOR演算ファンクション・ブロック
403 ロジックNOT演算ファンクション・ブロック
404 ロジックフリップフロップ回路ファンクション・ブロック
405 ロジックディレイタイマー回路ファンクション・ブロック
406 ロジックインターバルタイマー回路ファンクション・ブロック
407 定数出力ファンクション・ブロック・タブ
408 ロジック演算ファンクション・ブロック・タブ
409 数値演算ファンクション・ブロック・タブ
410 複合機能ファンクション・ブロック・タブ
411 固定値ファンクション・ブロック・タブ
412 サブルーチン・ファンクション・ブロック・タブ
500 プログラミング装置の編集画面
501 メニューバー
502 ファンクション・ブロック図編集ページ
503 プロジェクト・ウィンドウ
504 プロパティ・ウィンドウ
505 ファンクション・ブロック・タブ・ウィンドウ
506 ページ・アイコン
507 サブルーチン・フォルダ
508 サブルーチン・アイコン
509 メモリ使用率表示
510 接続/未接続状態表示
511 処理時間占有率モニタ
512 ファンクション・ブロック選択カーソル
513 ファンクション・ブロック・ラベル
514 ファンクション・ブロックID番号
601 ディジタル入力端子2ファンクション・ブロック
602 コンパイル結果出力ウィンドウ
1100 インバータ
1101 制御部
1102 CPU
1103 実行コード部
1104 アプリケーション部
1105 モータ制御部
1106 パワー部
1107 電源部
1108 パワー変換部
1109 交流電源
1110 電動機
1111 通信インタフェース部(I/F部)
1200 編集画面
1201 アナログ入力1ファンクション・ブロック
1202 アナログ入力2ファンクション・ブロック
1203 ディジタル入力1ファンクション・ブロック
1204 ディジタル入力2ファンクション・ブロック
1205 径演算ファンクション・ブロック
1206 シーケンス/ロジック指令ファンクション・ブロック
1207 アナログ出力ファンクション・ブロック
1208 周波数指令ファンクション・ブロック
1209 インバータ本体
1300 編集画面
1301 アナログ入力1ファンクション・ブロック
1302 アナログ入力2ファンクション・ブロック
1303 アナログ入力3ファンクション・ブロック
1304 ディジタル入力1ファンクション・ブロック
1305 ディジタル入力2ファンクション・ブロック
1306 ディジタル入力3ファンクション・ブロック
1307 加算器
1308 シーケンス/ロジック指令ファンクション・ブロック
1309 PIDファンクション・ブロック
1310 周波数指令ファンクション・ブロック
1311 インバータ本体
以下、本発明の実施の形態について図を参照して説明する。
本発明の第1の実施例を図1に示すが、分かり易くするため、アナログ入力1(101)とアナログ入力2(102)を加算器(109)で加算して周波数指令(113)を作成するというアプリケーションを例にとって説明する。
まず、図1の上側に示すように、アプリケーションのソース・コードをプログラミング装置(1120)を使って作成する。すなわち、アナログ入力1(101)、アナログ入力2(102)、加算器(109)、周波数指令(113)の各ファンクション・ブロックをプログラミング装置(1120)の画面上に配置し、それらを接続線で接続することによってソースコードが作成される。
このソースコードはコンパイル(122)されて、実行されるべき実行コード・モジュールとその実行順序に関する情報が、接続情報テーブル(114)として生成される。
つまり、この接続情報テーブル(114)の接続定数No.の欄の定数番号は実行順序を表しており、その定数の設定値としての端子番号の欄には、各ファンクション・ブロックが持っている固有の端子番号が設定される。
インバータ内において、この端子番号とそれに対応するファンクション・ブロックの実行コード・モジュールは、実行コード・モジュール・テーブル(124)で対応付けられているので、端子番号から実行コード・モジュールが決定されることになる。
なお、各ファンクション・ブロックの実行コードはあらかじめインバータ内部に組み込まれているので、あらためてダウンロードされる必要はない。
本実施例の接続情報テーブル(114)について具体的に説明する。
接続線1(105)の入力情報の接続定数1にはアナログ入力1(101)の出力端子番号01(103)が設定され、同じく接続線1(105)の出力情報の接続定数2には加算器(109)の入力1端子番号03(107)が設定される。次に接続線2(106)の入力情報の接続定数3にはアナログ入力A2(102)の出力端子番号02(104)が設定され、同じく接続線2(106)の出力情報の接続定数4には加算器(109)の入力端子2端子番号04(108)が設定される。最後に接続線3(111)の入力情報の接続定数5には加算器(109)の出力端子番号05(110)が設定され、同じく接続線3(111)の出力情報の接続定数6に周波数指令(113)の入力端子番号06(112)が設定される。
これら接続情報はRS232C等の通信(123)を経由してインバータ(1100)に、ダウンロードされ、アプリケーション部(1104)に存在するJUMPテーブル(115)に設定される。なお、アナログ入力1(101)、アナログ入力2(102)、加算器(109)、周波数指令(113)の実際の処理を行うための実行コードは、それらの端子番号に対応した形で、インバータ(1100)のアプリケーション部(1104)にあらかじめ組み込まれているので、新たにダウンロードする必要はない。
また、接続情報テーブル(114)とJUMPテーブル(115)はそれぞれプログラミング装置(1120)、インバータ(1100)における呼称であり、お互いに異なっているが内容は同じである。
次に、インバータ(1100)でのアプリケーション部(1104)の実行について説明する。
インバータ(1100)のアプリケーション部(1104)の実行は、このJUMPテーブル(115)に基いて行われるが、図1の下側に示すように、JUMPテーブル(115)の接続定数No.の順番で実行される。
すなわち、JUMPテーブル(115)の接続定数No.に設定された端子番号に対応した実行コード・モジュールが、実行コード・モジュール・テーブル(124)を検索して選択され、実行に移される。
JUMPテーブル(115)の端子番号に対応した処理を、上から順に説明する。
A1(116):本処理では、引渡し用のワーク・ラムにアナログ入力1ファンクション・ブロック(101)のデータを格納する。
+入力1(117):先に格納されたワーク・ラムの内容を接続先の加算器ファンクション・ブロック(109)の入力1のワーク・ラムに格納する。
A2(118):本処理では、引渡し用のワーク・ラムにアナログ入力2ファンクション・ブロック(102)のデータを格納する。
+入力2(119):先に格納されたワーク・ラムの内容を接続先の加算器ファンクション・ブロック(109)の入力2のワーク・ラムに格納する。
Add(120):本処理では、引渡し用のワーク・ラムに加算器ファンクション・ブロック(109)の入力1と入力2のワーク・ラムの内容を加算した値を格納する。
周波数指令(121):先に格納されたワークラムの内容を周波数指令ファンクション・ブロック(113)に格納する。この周波数指令(113)の出力は図1のモータ制御部(1105)に入力される。
このようにして、本発明によれば、自由度の高いカスタム対応を簡単にかつ、安定した品質で実現することが可能になる。
次に、第2の実施例について説明するが、図2のような、簡単なパターン運転アプリケーションの作成を例にとって説明する。
図2のタイムチャートにおいて実線で示す運転周波数通りのパターン運転を行わせるためには、同図において破線で示す周波数指令をモータ制御部(1105)に与える必要がある。そのような周波数指令を生成するには、まずは、アプリケーションのソース・コードとして図3に示すようなファンクション・ブロック図を、プログラミング装置(1120)を使用して作成する。
S1(300)はインバータ(1100)のディジタル入力端子1ファンクション・ブロック、INTVL TMR(301)はロジック・インターバル・タイマー・ファンクション・ブロック、NOT(302)はロジックNOT演算ファンクション・ブロック、AND(303,304)はロジックAND演算ファンクション・ブロック、FwdCMD(305)はモータ制御部(1105)に対する正転運転指令を出力する正転運転指令ファンクション・ブロック、RevCMD(306)はモータ制御部(1105)に対する逆転運転指令を出力する逆転運転指令ファンクション・ブロック、Q1−01(307)は定数による設定値を入力する定数入力ファンクション・ブロック1、Q1−02(308)は定数による設定値を入力する定数入力ファンクション・ブロック2、NUMS(309)は2つの数値入力を選択する2入力数値選択ファンクション・ブロック、FreqCMD(310)はモータ制御部(1105)に対する周波数指令を出力する周波数指令ファンクション・ブロックとなっている。
これらのファンクション・ブロックは図4に示すようにTab(407〜411)内部に、いろんな機種・用途に使用できる、標準的なかつ視覚的に機能を理解できるファンクション・ブロックとして用意されている。かつ、各ファンクション・ブロックに対応した実行コードは、十分にテストされた上で、あらかじめインバータ(1100)内のアプリケーション部(1104)に組み込まれている。
ソース・コード作成時は、ファンクション・ブロックはプログラミング装置(1120)において、前述のTAB上よりドラッグして、画面のプログラムページの任意位置にドロップし配置できる。
ファンクション・ブロックを画面上に配置した後、端子部分をクリックし他のファンクション・ブロックに接続することが出来る。端子は記号でロジックか、実数値かその種類を判別できるようになっており、異なる種類の端子同士を接続しようとしても接続できない。
また、機能的に不可能な接続もあるがそれも、コンパイル時にエラーとして表示される。例えば、図6のように、既存のページに端子入力S2(601)なるディジタル入力端子2ファンクション・ブロックを追加し、他のファンクション・ブロックのいずれとも接続せずにコンパイルを行うと、コンパイル結果出力ウィンドウ(602)に、エラーの内容とエラーの数を示し、コンパイルを終了する。なお、コンパイル結果出力ウィンドウ(602)はコンパイル開始時に画面上に現れる。
それぞれのファンクション・ブロックの情報(定数、名称、等)はクリックして選択された状態で図5のプロパティ(504)内に表示され、編集が可能となる。図5の例では、正転周波数指令ファンクション・ブロック(512)のプロパティ(504)内に表示されており、ID番号が「8」、ラベルが「正転周波数指令」、ユーザー定数2が「50.0」に設定されている。
また、このページのアプリケーションのソース・コードはプロジェクトとして、図5のようにプロジェクト・ウィンドウ(503)に表示されるフォルダーに格納できる。
同じように図5プロジェクト・ウィンドウ(503)のサブルーチン・フォルダ(507)において新規ページを作成して、新たなサブルーチンを作成することができる。ここで作成したファンクション・ブロック図は一つのサブルーチン・ファンクション・ブロックとして、図4のファンクション・ブロック・タブ・ウィンドウのサブルーチン・タブ(412)から選択し、使用することが出来る。
プログラムの容量制限としては、接続情報の個数すなわち接続情報テーブル(114)の行数の上限があるが、その使用状況を知らせるために、この上限を100%として現在の接続情報の使用率を%で、図5の画面下部のメモリ使用率表示(509)に表示する。この表示は、使用している接続情報の数を直接表示しても構わないし、さらに使用することができる接続情報の数を%表示又はその数を直接表示しても構わない。
プログラミング装置(1120)とインバータ(1100)が通信可能かどうかを示すべく、図5の画面右下に、例えば、青/赤でプログラミング装置(1120)とインバータ(1100)本体との接続/未接続状態(510)を表示する。
アプリケーション部(1104)の処理時間が、CPU(1102)が利用可能な処理時間全体のどれくらいを占めるのかについては、図5の画面中央下に処理時間占有率モニタ(511)を表示する。インバータ(1100)本体と未接続(オフライン)の場合、選択されたファンクション・ブロックの処理時間予想の総和をCPU(1102)が利用可能な処理時間全体で除したものを表示し、接続されている(オンライン)場合、インバータ(1100)の持つ実績値を読み込んで表示する。
図3のS1ファンクション・ブロック(300)の出力端子はロジック出力端子(313)でありのように表示される。これはインターバルタイマ(301)の入力として、ロジック入力端子(314)であると接続可能であるが数値入力端子には接続不可能となる。
同じようにQ1−02(308)の出力は数値出力端子(315)であり、数値入力端子である2数値入力選択器(309)の入力端子(316)に接続可能であり、ロジック入力端子には接続不可能となる。
次に、図3の実施例の動作を説明する。
S1(300)はインバータ(1100)の入力端子1であり、これをパターン運転の開始指令とする。入力端子指令を閉とするとS1(300)の出力はTrue“1”となり、図2に示すように運転指令が立ち上がる。
この出力信号はAND(303,304)、INTVL TMR(301)に入力され、INTVL TMR(301)は入力されるとタイマーが作動し、に従ってON/OFFを繰り返す。この出力信号がS1(300)の出力信号と一緒にAND回路(303,304)に入り、それぞれが正転指令(305)、逆転指令(306)に入力される。なお、ON時間定数ならびにOFF時間定数は図5の画面右のプロパティ(504)にて設定又は参照可能である。
また、INTVL TMR(301)からの出力と、定数(307,308)のそれぞれを正転指令/逆転指令としてNUMS(309)に入力し、INTVL TMR(301)の出力のON/OFFによりNUMS(309)の出力が正転時周波数指令(307)/逆転時周波数指令(308)として切り替わり、周波数指令(310)に最終的な周波数指令として入力される。
これらの正転指令(305)、逆転指令(306)、周波数指令(310)の出力は、図1のモータ制御部(1105)に入力され、図2の運転周波数に示すような運転が実現される。
上記のように、アプリケーションのソース・コードはプログラミング装置(1120)上で接続情報に変換され、インバータ(1100)に通信インタフェース(1111)を介してダウンロードされる。インバータ(1100)では実施例1で述べたしくみにより、接続情報により選択されたファンクション・ブロックに対応する実行コードのみが実行され、プログラミング装置(1120)の画面上にファンクション・ブロック図で表現されているアプリケーションが実行される。このように、アプリケーション部の実行コードは選択された時のみ実行されるので、CPU(1102)での処理時間の無駄が低減される。
また、アプリケーションのソース・コードの作成については、上記のようなファンクション・ブロック図(FBD:ファンクション・ブロック・ダイアグラム)だけでなく、図7のようなIL:インストラクション・リスト、図8のようなST:ストラクチャード・テキスト、図9のようなLD:ラダー・ダイアグラム、図10のようなSFC:シーケンシャル・ファンクション・チャート等も使用することができる。
図7の場合、ILをテキストエディタで作成し、ILを接続情報に変換するコンパイラで処理して、図1に示すような接続情報テーブル(114)を生成する。
図8の場合、STをテキストエディタで作成し、STを接続情報に変換するコンパイラで処理して、図1に示すような接続情報テーブル(114)を生成する。
図9の場合、LDをラダーエディタで作成し、LDを接続情報に変換するコンパイラで処理して、図1に示すような接続情報テーブル(114)を生成する。
図10の場合、SFCをSFCエディタで作成し、SFCを接続情報に変換するコンパイラで処理して、図1に示すような接続情報テーブル(114)を生成する。
接続情報テーブル(114)が生成されたあと、それがインバータへダウンロードされて実行されるしくみは、FBDの場合と同様である。
このように、従来は不可能であった、高品質のアプリケーションを手軽に開発することが、本発明により実現できるのである。
本発明は、インバータの産業上の多種多様なアプリケーションに、容易かつ高品質に対応可能なインバータおよびそのプログラミング装置を提供するものである。

Claims (8)

  1. 電源部とパワー変換部を有するパワー部と、該パワー部を制御する制御部と、通信機能を有した通信インタフェース部とを備え
    前記制御部は、CPUと該CPUで実行される実行コードを記憶している実行コード部を有し、
    前記実行コード部は、あらかじめ固有の端子番号に対応した実行コード・モジュールを実行コード・モジュール・テーブルとして組み込み、
    前記CPUは、実行順序を表す一連の定数に前記固有の端子番号が指定された接続情報テーブル及び前記実行コード・モジュール・テーブルに基づき、対応付けされた実行コード・モジュールを実行し、
    前記接続情報テーブルは、前記通信インタフェース部を介してダウンロードされることを特徴とするインバータ。
  2. 前記実行コード部は、アプリケーションに応じてカスタマイズされるアプリケーション部を有し、
    前記アプリケーション部は、前記接続情報テーブルをJUMPテーブルとして設定していることを特徴とする請求項1に記載のインバータ。
  3. 前記端子番号に対応する実行コード・モジュールは、前記アプリケーション部にあらかじめ組み込まれていることを特徴とする請求項2に記載のインバータ。
  4. 前記アプリケーション部は、前記JUMPテーブルに設定された端子番号に対応した実行コード・モジュールを実行コード・モジュール・テーブルから検索して選択し、前記選択された実行コード・モジュールは選択されたときのみ実行されることを特徴とする請求項2または3に記載のインバータ。
  5. 前記JUMPテーブルの処理におけるデータの引渡しは、ワークラムを介して行われることを特徴とする請求項2乃至4のいずれか1項に記載のインバータ。
  6. 前記端子番号に対応したあらかじめ組み込まれている実行コード・モジュールは、十分テストされたものであり、前記端子番号によってその種類が決められ、該種類によって組合せの実行に制約があることを特徴とする請求項3乃至5のいずれか1項に記載のインバータ。
  7. 前記接続情報テーブルは、外部のプログラミング装置によりファンクション・ブロック、インストラクション・リスト、ストラクチャード・テキスト、ラダー・ダイアグラム、シーケンシャル・ファンクションチャートのいずれかを用いて作成されたソースコードを変換して生成されることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載のインバータ。
  8. 前記ソースコードは、前記作成されたソースコードの組み合せにより新たに作成されたソースコードを含むことを特徴とする請求項7に記載のインバータ。
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