JP5016173B2 - オートクレーブ処理可能なpvc不含多層フィルム、特に液体医薬品のパッキング用多層フィルム、その製法及びその使用 - Google Patents

オートクレーブ処理可能なpvc不含多層フィルム、特に液体医薬品のパッキング用多層フィルム、その製法及びその使用 Download PDF

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Description

【0001】
本発明は、オートクレーブ処理可能なPVC不含多層フィルム、特に液体医薬品のパッキング用のものに関しており、その際、フィルムは、少なくとも3層、即ち外層(A)、内層(I)及びその間に配置された中間層(M)を有し、各層の全重量に対して、各層それぞれが、ポリプロピレン材料60〜100重量%及び好ましくはスチレンブロックコポリマーの群からの熱可塑性エラストマー40〜0重量%からなる。本発明は、更に、本発明による多層フィルム(Mehrschichtfolien)の製法並びに多層フィルムの使用に関する。
【0002】
材料、特に医薬液体又は溶液、例えば食塩水、アミノ酸溶液、親油性エマルジョン、透析液、血液代用液、血液等々のパッキング用の多くの多層フィルム又は多重フィルム(Mehrlagenfolien)がある。
【0003】
原則的には、多層フィルムは、それから得られるパッケージ、例えば袋又は類似容器、と同様に複雑な要求特性を満たすべきである。充填された袋が、重力の影響下でのみ、完全に空にすることができるために、これらは、高い柔軟性を有すべきである。これらは、非常に良好な透明度を有すべきであり、場合により、低い水蒸気透過性も有し、生理学的に懸念がなく、また機械的に安定であるべきである。これらは、オートクレーブ処理可能であり、殺菌可能であり、場合により121℃以上でも殺菌可能であるべきで、最終的には、長時間加熱された工具を用いてシール可能でもあり、パルス溶接可能であり及び/又は超音波によりシール可能であるべきである。
【0004】
フィルムは、必ずしも酸素不透過性である必要はない。効力の大きい酸素バリヤが重要である使用のために、第二パッキング手段を場合により使用することができ、これは、有効な酸素バリヤを提供し、内側フィルムパッキングを包み込む。内側フィルムパッキングと第二パッキングとの間に酸素スキャベンジャーが存在するならば、内部パッキングのフィルムを通って酸素輸送が可能であるのが好ましい。従って、高い感度でパッキングされた物品から、貯蔵の間、残留酸素を有効に除くことができる。
【0005】
溶接の強度を、簡単な手段(シール温度、シール時間及びシール圧)で調整できることは、幾つかの用途で、有利なこともある。従って、他の助剤無しで、特に剥離可能及び/又は永久溶接結合が、前記フィルム材料を用いて実現することができる。更に、フィルムの外層が、容易かつ堅牢に、慣用の染料で印刷可能であり、使用者にとり非常に重要な情報を提供できることも有利である。
【0006】
この場合、特に染料のパッキング内部への移動も回避すべきである。これらの特性を備えた外層用の好適な材料は、ポリエステル群、特に脂環式ポリエステル及びそのコポリマーに、特に見出される。このタイプの多層フィルムの例は、EP0228819(American National Can Company and Kendall McGaw Laboratories)又はEP0199871(W.R.Grace)に見られる。
【0007】
EP0216639(Wihuri Oy)から、医薬溶液のパッキング用の少なくとも2層を有する多層フィルムが公知である。1つの層は、ポリエステル、ポリプロピレン又はポリプロピレンとエラストマーとの混合物からなる。第二の層は、ポリプロピレンとエラストマーとの混合物からなる。存在するかもしれない第三の層は、ポリプロピレン又はポリエチレンからなる。開示されたフィルムは、90重量%より多いエラストマー又はポリエステル又はその両者を含有する。
【0008】
ポリエステル材料の使用により機械的に有用なフィルムが生じるが、完全な再利用性のような特性及び環境に優しい材料の使用がますます重要になってきている。
【0009】
可塑剤の問題があるPVC、又は乏しい品質純度のため再利用が困難であるポリエステル材料のような原料の回避は、程度の差こそあれ、役に立つポリオレフィンフィルムの開発へと至った。ポリオレフィンは、化学的に不活性で、値ごろで、環境に優しく、移動し得る危険な添加物を含まない材料として、一番近いものと格づけることができる。しかしながら、所謂ポリオレフィンフィルムの多くは、前述の必要特性を保持するために、一連の高価な又は再加工の難しい添加物を必要とする。これらの添加物は、一部分、ポリオレフィンフィルムとは最早語れないような量で添加せねばならない。他のポリオレフィンフィルムは、いずれかの点で、最少必要条件のみを満たすので、フィルムの機械的特性、例えば光学特性及び/又は袋の製造特性(シール特性、製造速度等々)も改良が必要である。ポリエチレン材料及びこれを基礎とする及び/又はこれを含有するフィルムは、しばしばあまりに柔らかいか、又は温度に対し十分に安定ではない。ポリプロピレン材料は、しばしば脆く、柔軟性に乏しい。
【0010】
DE3305198A1(W.R.Grace & Co.)は、多層ポリオレフィンフィルムに関する。特に、主に低密度の線状ポリエチレンからなるコア層、及び主にエチレン−プロピレン−コポリマー80重量%及びプロピレン−ホモポリマー20重量%の混合物からなる外層2つを有する3層実施形が開示されている。コア層に使用されたLLDPEは、LMDPEと交換することができる。どちらの材料も、寸法安定性に乏しい。この結果、前記多層フィルムは収縮性パッキングとして好適となる。しかしながら、医薬製品のパッキングに使用するには、温度121℃以上での熱蒸気殺菌に耐え得ねばならないので、この材料は、温度安定性が乏しいため禁止される。
【0011】
US4643926(W.R.Grace & Co.,Cryovac Div.)は、医薬溶液及び腸管外適用液のパッキング用の柔軟な3層のフィルムを開示し、但しエチレン−プロピレン−コポリマー又は軟質コポリエステルからなるシール層、エラストマーポリマーを包含する1つ以上の内層及びエチレン−プロピレン−コポリマー又は軟質コポリエステルからなる外層を備える。US4643926によるフィルム及びこれから製造されたパッケージ、例えば袋等々は、優れた機械的固有値を示す。もっとも、今日の公知レベルでは、開示された、層の材料の結合のためには、少なくとも1つの接着剤層の存在が必要である。これには、例えばエチレン−メタクリレート−コポリマー(EMA)又はエチレン−酢酸ビニル−コポリマー(EVA)が該当するが、照射架橋なしではフィルムを熱殺菌できないという欠点を再びもたらす。結局、材料の選択は、フィルムを難なく廃棄処理できないという結論を生ぜしめる。
【0012】
DE2918507(Baxter Travenol Labs)は、オートクレーブで処理できる多層の軟質プラスチックフィルム並びにこれから製造された袋に関する。フィルムは、オレフィン−とポリスチレンブロックとのゴム様コポリマー30〜90重量%及びビカー温度120℃以上であるポリオレフィン10〜70重量%のブレンドからなる第一層少なくとも1つ及び水蒸気透過性が低いために半結晶であるポリオレフィンからなる第二層を有する。
【0013】
US4778697(American National Can Company u.Baxter Travenol Labs)(DE3674367並びにEP−A0229475に対応)及びUS5071686(Baxter Travenol Labs)から、例えば3層の多重フィルムが公知である。フィルムの数個の層では、エラストマー又はエチレンを基礎とするコポリマーがポリプロピレンとブレンドされており、他の層ではポリエチレンとブレンドされている。例により多数のフィルム構造が開示されているが、その全ては最も広い意味でHDPEの形又はエチレンを基礎とするコポリマーの形でポリエチレンを有する。明細書に記載の機械的パラメーターから、少数の組成のみが十分な機械的特性を生ぜしめることが明白であり、例えばフィルムは、殺菌され、充填された袋の状態で、落下試験に損傷することなく合格する。しかしながら、まさに、この問題になっている組成は、HDPEが中間層に高い割合(70又は80重量%)であることにより優れている。中間層の高いHDPE含有率のため、ポリプロピレンに典型的な特性、即ち、殺菌された状態のフィルムの際立った降伏強さは、欠点であると予期することができる。第一層は、第二層(20%)及び第三層(20%)より厚い(60%)。
【0014】
WO98/36905(Baxter International Inc.)は、殺菌可能な液体容器用の同時押出しされた多重フィルムに関する。WO98/36905は、釣り合いの取れた特性スペクトルを有するフィルムを得るために、少なくとも5層構造が必要であることを示す。外層は、場合により僅かのエチレン−又はα−オレフィンを含有するポリプロピレンである。内層は、場合により僅かのα−オレフィンを含有するポリエチレンである。中間層は、複合構造の、多数層、即ち少なくとも3層からなり、但し、複合の中間層は、ひっくるめてポリオレフィンからなり、エチレン単位の割合は、外層から内層に向かって増加している一方で、層の材料の軟化温度は、前記方向で減少している。WO98/36905からの例では、LLDPEからなる内層は、外層より厚く、また複合中間層の合計より厚いことが実証されている。そのため、LLDPEは、フィルムの決定的材料である。しかしながら、LLDPEは、融解特性に関しては、かって、「結晶性」とみなされた材料である。言い換えると、LLDPEは、むしろ明瞭な融点を有するが、他方ポリプロピレン材料は軟化点範囲を有する。シール層にLLDPEを使用する際に、異なる強度のシールを製造できないのは欠点である。しかしながら、ポリプロピレン材料では、軟化点範囲がはっきりしていないことに基づき、シールの際に、時間又は温度を変化させるだけでこのことが可能である。そのため、LLDPE内層は、不利である。更に、少なくとも5層構造の製造も、特に有利であるとはみなされない。3層のみで、全ての要件に応じることができる構造が好ましい。最終的に、WO98/36905の例中で示されたように、複合材料は、層剥離しやすい。WO98/36905の例中の層剥離の力は、比較例よりも確かに大きいが、全く層剥離しないフィルムを得るのが望ましいであろう。
【0015】
EP−A0345774(Material engineering technology labs)は、ポリオレフィンから製造された容器に関する。これは、明らかにシール可能な2層フィルムであり、層のそれぞれは、PP及びLLDPEのブレンドか、又はPP、LDPE及びPEのブレンドである。更に、同時押出しされたフィルムも記載されており、これは、LDPE及びPPからなる内層並びにLLDPEの外層を有する。HDPEを使用することもできる。材料の各層へHDPE、LDPE及びLLDPEを使用するので、もちろん、フィルムは場合によっては不透明のこともある。更に、PE−材料の優勢使用は、オートクレーブ処理が可能かについての問題を引起し得る。最後に、例中に記載のシール時間は、10秒迄の範囲、又は比較的長い時間範囲とも思われ、工業生産のためには、全く禁止的である。
【0016】
US5478617(Otsuka Pharmaceutical Factory,Inc.)により、医学的に使用する殺菌可能コンテナーの多層フィルムは、線状エチレン−α−オレフィンコポリマーを含有する外層、線状エチレン−α−オレフィンコポリマーを含有する中間層及びポリプロピレンと線状エチレン−α−オレフィンとのコポリマーからなる内層を有する。全ての層が、所定量のHDPEを含有する。実施例では、HDPEの他にLLDPEs及びアイソタクチックPPsが使用されている。フィルムは、透明で、柔軟かつオートクレーブ処理可能であり、更に、剥離可能な溶接継ぎ目の製造を可能にするが、これは、とりわけ材料選択の結果である欠点を有する。例えば、LLDPEs及びアイソタクチックPPsは、ポリプロピレンについて公知であるような、典型的な機械的脆弱性を示す。特に、落下試験には、全く合格しない。更に、HPDEの使用は、フィルム又はそれから形成された袋の少なくともオートクレーブ処理後に、より高い透明性フィルムより「不透明」フィルムをもたらす。
【0017】
US4892604(Baxter International Inc.)は、薄い多重フィルムからなる、医学目的の殺菌可能プラスチック容器を記載する。フィルム第一層は、医薬品と接触する内側の層である。これは、ポリエチレンビニルアセテート(EVA)からなり、可塑剤不含である。第二層は、第一層より高い融点を有し、例えばHDPEからなる。内側にあるEVA−層は、コンテナー使用のために放射線架橋されるべきである。
【0018】
PVC不含多層フィルム構造は、EP−A0739713(Fresenius AG)からも明らかである。これらは、外層、保護層並びに中間に配置された中間層少なくとも1つを有し、その際、外層及び保護層は、ビカーによる軟化温度が約121℃以上であるポリマーを有し、中間層は、軟化温度が約70℃以下であるポリマーを有する。前記ビカー温度が、個々の層の部分であるポリマーのみではなく、各層の材料全体に関係するのは好ましい。前記フィルムは、通常、更にシール層により補充されているので、合計4層、6層等々の層構成が生じる。全層がPE−型を有しうることが先ず目につく。個々の層に多すぎるPEが含まれるととたんに、際立った降伏点を備えた不都合な引張伸び特性がますます確実となってくる。ゴム様中間層(70℃より小さいビカー)が、柔軟性に寄与する。このことは、SEBS及び中間層中に類似材料を使用することにより達成される。しかしながら、フィルムは、殺菌状態で常に際立った降伏点を示し、そのため、これに付随する機械的欠点を有する。
【0019】
使用すべき材料に関し、公知技術水準を考察して、ポリプロピレン材料を使用する傾向が明確に増加している。これについてのありうる原因は、既に記載のように、ポリエチレンの軟化範囲及び融点が、熱蒸気殺菌には、しばしば不十分であることに見ることができる。更に、多数のポリプロピレンは、水蒸気に関して、ポリエチレンと比較して、一般に好都合なバリヤ特性を有する。最後に、ポリプロピレンの好都合な光学特性も考慮すべきである。実際には、プロピレンと他のモノマーとを共重合させるか、又はポリプロピレンと他のポリマーとのブレンドを使用して、ポリプロピレンの欠点を減じる試みをすることができる。しかしながら、この手順では、所望の結果、即ち最高の機械的加工性並びに極めて動的及び静的な強度を備えた柔らかく柔軟な材料は、いまだ得られていない。
【0020】
DE19640038A1並びに対応するWO97/34951(Sengewald Verpackungen GmbH)から、多重フィルム、その製法及びその使用は公知であり、この多重フィルムは、ポリマー外層、ポリマー中間層及び熱シール可能ポリマー内層を有し、更に、ポリプロピレン化合物から及び/又はポリプロピレン−ホモポリマー及び/又は少なくとも1つの熱可塑性エラストマーを有するポリプロピレン−コポリマー及び/又はポリイソブチレンのブレンドからなる結合層少なくとも1つを有し、かつポリプロピレン−ホモポリマー及び/又は熱可塑性エラストマー少なくとも1つを有するポリプロピレン−コポリマーからなるポリプロピレン−化合物の内層を有する。構造の1例は、PP−ホモポリマーからなる外層(15μm)、PP−化合物、即ちTPE−SとしてのSEBSと可塑剤とを有するPP−ホモポリマー、からなる結合層(95μm)並びにPP−ホモポリマー及びTPE−SとしてのSEBSからなる内層(40μm)を包含する。WO97/34951は中間層並びに内層中のSEBSの量に関して教示を与えないが、化合物として使用された結合層及び内層の材料、CAWITON MEDPR3663もしくはCAWITON MEDPR3530が、比較的高いSEBS−含分を有するので、その割合は、比較的高いにちがいないと思える。SEBSの使用は、確かに、柔軟性及び機械的パラメーター(落下試験及びカフステスト(Manschettentest))について有利であるが、SEBS化合物は比較的高価である。更に、使用されたプラスチックに関しては、できるだけ高い品質純度が、材料の改良された再利用性にとり、有利であろう。その上、可塑剤の使用が明らかに必須である。
【0021】
EP−A−0564206(Terumo K.K.)は、多層構造の医薬用容器を開示している。3重構造が紹介されており、その外層及び内層は結晶性ポリオレフィン少なくとも1種から製造され、中間層は、結晶性ポリオレフィン少なくとも1種及び無定形ポリオレフィンから構成されている。記載されたコンテナーは、内層及び外層に結晶性ポリオレフィンを使用するために、今日基準とみなされる透明性(92〜96%より大きい透明性:例として挙げられたフィルムの数種は、むしろ不透明とみなされており、透明性は、水素化石油樹脂の添加によってのみ、十分な程度に改良される)を有さないということは別として、示された構造は、他の理由からも不利である。結晶性ポリオレフィンとして、アイソタクチックプロピレンホモ−及び−コポリマー並びにアイソタクチックブチレンホモポリマーのみが例中で使用される。しかしながら、結晶性ポリプロピレン及びポリブチレンは、機械的特性に関する限り、典型的ポリプロピレン特性を示す傾向が強いことが公知である。特に、前記材料は通常、比較的に高い弾性率並びに引張伸びの実験で降伏点を有する。従って、液体を充填した袋は、2m高さからの落下試験に、恐らく損傷を生じるであろう。更に、EP−A0564206による、食塩水を充填した袋の外観は、熱蒸気殺菌処置の後で、「実質上悪変されていない」と明細書中に記載されるにすぎない。従って、熱蒸気殺菌後に、既にマイナスの変化も出現し得る。
【0022】
特に、公知技術水準に記載のフィルムの大多数が証明するように、水性又は油性医薬溶液、特に水性ベースの溶液用パッケージの製造に理想的なフィルムは、従来、まだ発見されていないように思われる。全ての公知になったフィルム、特に実際に市場でよく扱われるものも、前記されたように、いずれか不十分である。PVCを、その軟化剤問題に基づき、ポリエステル並びにポリアミドを、不十分な再利用性に基づき、回避したい場合は、公知技術水準において、ポリオレフィン材料を基礎とするフィルムにたどりつく。ポリエチレン材料を主に使用すると、熱蒸気殺菌の際に、問題が生じ得る。この工程の場合、温度が、時々、明らかに前記の121℃を超えることがあり、例えば125℃又はそれ以上になることがある。しかしながら、そのような「逸脱」の際に、ポリエチレンを基礎とする材料の融点が場合により低すぎるという問題が生じる。フィルムの透明性、密封度及び機械的特性は変化して、材料を役に立たないものにすることもある。
【0023】
ポリプロピレンを基礎とする材料は、一般に、PEより明らかに高い融点を有する。しかしながら、機械的特性に関しては、PP−基礎材料は問題を生じる。フィルム及びそれから製造されたパッケージ、例えば袋等々、例えば所謂静脈内投与用バッグ(i.v.Bag)への幾つかの薬学的及び光学的要件のほかに、フィルムは、特定の全く異なる機械的要求に耐えて、バッグの(機械的)製品要件を満たさねばならない。
【0024】
製品、「静脈内投与用バッグ」についての2つの要件は、プラスチックフィルムの見地から、特に注文が多い。1つには、充填された袋は、DIN ISO58363−15:1996による落下試験に、無傷で耐え得るべきである。この場合、これは、バッグのフィルムについての極めて動的な要求である。次に、充填された袋は、所謂「圧力カフステスト(Druckmanschettentest)」にも、無傷で抵抗し得るべきである。この場合、これは、カフスが備わった充填された袋の圧力負荷である。この極度の負荷は、動的落下試験とは反対に静的テストと称される。先ず第一に、両方の基準は、それ自体、単一のプラスチック材料の特性に矛盾し、また同基準は、ポリオレフィン基礎、有利にポリプロピレン基礎材料のみからなる複合フィルムによっても、従来、申し分なく満たされることはなかった。その際、「静的圧力カフステスト」は、全体に、DIN ISO58363−15による圧縮強さのDIN−試験法として分類される要求の多い実地基準であり、同圧縮強さは、圧力カフステストに合格の際に、難なく満たされる。
【0025】
従って、本明細書に記載かつ議論された公知技術水準に対して、本発明の課題は、液体医薬品のパッキング用多層フィルムを示すことであり、このフィルムは、実質的に、ポリオレフィン材料を基礎とし、動的負荷並びに静的継続負荷に対しできる限りの抵抗力がある、パッケージの製造を可能にする。
【0026】
できれば、本発明によるフィルムは、ポリプロピレン材料を基礎とする公知のフィルム又はフィルム複合物よりも、静的及び動的に一層安定なパッキングを可能にすべきである。
【0027】
できれば、新規フィルムは、公知のポリオレフィン材料を基礎としないフィルム、例えばポリエステル、ポリアミド又はポリ塩化ビニルを有するフィルム又はフィルム複合物と、少なくとも同じ位に静的及び動的に負荷可能であるべきである。
【0028】
新種のフィルムは、室温よりも低温で、例えば0℃でも、依然として、優れた乃至は良好な機械的特性を提供すべきである。特に、低温での高い柔軟性、僅かの低温脆性及び前記低温での高い耐衝撃性がこれに属する。
【0029】
新種の多層フィルムが、できるだけ少ない層を有し、そのため、できるだけ簡単かつ費用をかけずに製造可能であるのは、有利である。
【0030】
その上、本発明の多重フィルムは、できるだけ品質が純粋であり、有利には、他のモノマー単位ができるだけ微量であるポリプロピレン材料に基づくべきである。
【0031】
更に、各層の材料は、できるだけ少数の個々の物質からなっているべきである。層にポリマーのブレンド又は化合物を使用する場合には、ブレンドはできるだけ少数のポリマー又はコポリマーを有すべきである。
【0032】
新規フィルムは、高い透明性を有するようにされている。これは、オートクレーブ処理可能であり、121℃以上の温度でも熱蒸気殺菌に無傷で、即ち透明性及び柔軟性の不利な変化なしで耐え得るようになっている。例えば、フィルムの結晶化又は他の表面影響、例えば変色、白色化、又は不透明さの出現は、熱処理により最少にできるか又は有利には排除することができる。
【0033】
最終的に、フィルムは、薬学的かつ医学的面で、完全に懸念のないものであるべきである。医学的に問題が生じ得る添加物を有すべきでないこともこれに属する。特に、新規フィルムは、長い貯蔵期間の際に、また、製品が親油性液体である場合に、その中に保管される製品中にフィルムから添加物が移動する傾向を有すべきでない。
【0034】
更に、本発明の課題は、顔料又は色素が、保管された商品に接触し得ることなく、慣用の方法及び顔料で容易に、簡単かつ堅牢に印刷できる、印刷可能フィルムを提供することである。
【0035】
更に、本発明のフィルムは、できるだけ剥離可能又は剥離不能に選択できる、溶接結合を可能としている。
【0036】
本発明によるフィルムは、簡単な手段で(シール温度及びシール時間)溶接の強度を調整できるようされている。これに関して、本発明のフィルムから、永久的なシール継目並びに異なる力で剥がすことのできる継目を同時に有する容器の製造もできる。
【0037】
特に、フィルムは、継続加熱された工具でシールでき、またパルス溶接もできるようになっている。
【0038】
新種のフィルムは、テフロン(登録商標)、シリコン等々からなる保護カバーを使用しなくとも、溶接可能となっている。そのような保護カバーは、過去において、しばしば新しくせねばならなかった。更に、新規フィルムは、十分に大きな「加工寛容度」を有すべきである。溶接の際の、小さい温度定数の場合ですら、それにもかかわらず、十分な溶接強度が達成できることがこれに属する。加工寛容度の大きさは、特に、剥離可能継目の製造の際に、高い重要性を有する。
【0039】
そのほかに、新規フィルムは、完全に折りたためる袋又はバッグの製造が可能になっている。
【0040】
最終的に、本発明によるフィルムのパッケージは、できればダウンサイクリング(downcycling)無しで、全体として再利用可能であるべきで、即ち、できれば、環境に悪い材料は少しだけの使用とすべきである。
【0041】
更に、本発明のフィルムは、僅かの水蒸気透過性も有すべきである。これは、澄明性及び高い透明度を有すると同時に、触れた際に気持ちの良い手触りを与えるべきであり、また、それとは別に高い審美的値も有すべきであり、即ち変色又はしみを有すべきでない。
【0042】
最後に、本発明によるフィルム製の容器中に、水性のみならず油性又は親油性液体を貯蔵できるべきである。
【0043】
本発明の他の課題は、本発明の多層フィルムの、できるだけ簡単かつ安い経費で、実施できる製法を示すことである。
【0044】
この場合、新規フィルムは、有利に同時押出し技術で製造でき、その場合、材料の適合性により、接着剤又は貼り合せ接着剤又はこれらの機能を備えた添加層は使用する必要がない。
【0045】
本発明の課題は、更に、本発明によるフィルムの使用を記載することである。
【0046】
文字通り詳しく記載していないが、公知技術水準の導入議論から、難なく解明されるか、又は自明のごとく誘導され得るこの課題並びに他の課題は、請求項1の特徴部の特徴を備えた、冒頭で言及された種類の多層フィルムにより、解決される。
【0047】
本発明による多層フィルムの有利な態様は、独立生成物請求項に従属する請求項の対象である。
【0048】
方法に関しては、独立方法請求項の特徴が、本発明の根拠となっている方法面に対する問題の解答を示している。有利な変法は、独立方法請求項に従属する方法請求項で、保護されている。
【0049】
使用に関しては、請求項のセットからの相応するカテゴリーの請求項が、根拠となっている問題の解決を提供し、その場合、有利な態様は、この生成物請求項に従属する請求項の対象であってよい。
【0050】
少なくとも3層、即ち外層(A)、内層(I)及びその間に配置された中間層(M)を有し、各層の全重量に対する重量値で、各層それぞれが、ポリプロピレン材料60〜100重量%及び熱可塑性エラストマー40〜0重量%からなる、多層フィルム、特に、液体、医薬品のパッキング用多層フィルムであって、同多層フィルムが、121℃以上の温度での熱蒸気殺菌後に、DIN EN ISO527−1〜3により測定可能な降伏強さを有さない(無降伏)ことにより、これは優れており、このことにより、医学的なパッケージを製造できる少なくとも3層のフィルムを提供することが意想外にも成功し、また、これは、パッケージの物理的特性に関し、規格委員会及び工業的加工者により設けられた要件すべてを傑出して満たし、同時に、ポリプロピレン材料から完全に構成することもできる。更に、他の付加的な利点を多数得ることに成功している。特にこれに属するのは、以下の点である:
● 本発明によるフィルムは、動的及び静的に極めて頑丈である。本発明によるフィルム製パッケージは、DIN ISO58363−15:1996による落下試験に、無傷でもちこたえ、また静的継続負荷(圧力カフステスト)に損害を受けずに抵抗する。
● ポリプロピレン材料のみからなるフィルムを初めて提供でき、同フィルムは、ポリエステル含有又はポリエチレン含有多層フィルムのものと等しい機械的特性のレベルを有する。
● 本発明によるフィルムの光学的特性、例えば澄明度、透明性又は欠陥(Fehlstellen)は優れており、特に熱蒸気殺菌後も優れている。その際、透明性を改良するための添加物は必要ではない。
● 本発明によるフィルムのオートクレーブ処理可能性は優れている。120℃又は121℃より高い温度での熱蒸気殺菌処置に、機械的特性レベルを実質的に悪化させずに無傷で持ちこたえる。
● フィルムの高い品質純度は、フィルムの完全な再利用性を促進する。これは、例えば、ポリエステル、ポリアミド又はPVCを回避することにより行う。
● 本発明のフィルムは、極めて柔軟で、従って、問題なく、所謂「折りたたみ可能コンテナー」の製造を可能にする。
● 本発明によるフィルムは、継続加熱された工具で問題なくシールでき、また、パルス溶接可能でもある。
● 内層材料は、幾つかの公知の構造に比べて、短いシール時間を可能にするので、作成すべきパッキング手段(空袋等々)あたりのサイクル時間が減少し、そのため溶接線の生産性が対応して上昇する。
● 本発明によるフィルムのシール層は、シール温度及びシール時間の調整により、溶接結合の強度へ影響でき、かつ調整することができる。
● 本発明のフィルムは、場合により、油状又は親油性液体の保管のための袋の製造にも好適である。
● 本発明によるフィルムは、比較的僅かの水蒸気透過性を有し、そのため、特定の使用目的のために、他のバリヤ層は不必要である。しかしながら、所望の使用目的に応じて、バリヤ目的(水蒸気バリヤ、酸素バリヤ又は他のバリヤ)のための他の層を、本発明によるフィルム構造と組み合わせることができる。
● 本発明によるフィルム処方の全ての層又は大部分の層中への、スチレンブロックコポリマーの群からの熱可塑性エラストマー分の使用を最少にするか又は完全に放棄して、単位面積あたりのフィルムの値を著しく下げる。
● 本発明のフィルムは、フラットフィルムとして製造できる。そのため、全く一様な厚さ特性を有し、このことは、フィルムの機械サイクル工程に非常にプラスに働く。
● 本発明のフィルムは、その傑出した光学特性(光沢、澄明、透明)と結びつき、傑出した印刷可能性及び非常に優れた構造的完成度を有する。
【0051】
本発明による多層フィルムは、121℃以上の温度での熱蒸気殺菌により、DIN EN ISO527−1〜3により測定可能な降伏強さを有さない(降伏点が無い)ことにより特に優れている。「降伏強さ(Streckgrenze)」という概念は、本発明の枠内では、認定規格で使用された概念「降伏点(Streckpunkt)」(yield point)と同じに使用されている。「降伏強さ」又は「降伏点」は、本発明に関連して、EN ISO527−1:1996からのプンクト(Punkt)4.3.1(定義)による特定の降伏応力と考えられる。特に、認定降伏応力とは、定義により、応力の増加無しで伸びの増加が起こる、引張伸びダイアグラムの最初の値である。本発明によるフィルムでは、この値が得られないので、降伏強さが欠けている(no yield:無降伏)。更に応力が増加せずに、最初に、試料の伸長が起こる応力は、本発明のフィルムでは、熱蒸気殺菌処理後に検出できない。そこで、本発明によるフィルムは、引張応力−/伸び−関係に関し、特にDIN EN ISO527の第3部、「フィルム及び板用試験条件(Pruefbedingungen fuer Folien und Tafeln)」、1995年10月のドイツ草案(Deutsche Fassung)、による検査に関し、DIN EN ISO527の第1部、「引張特性の測定(Bestimmung der Zugeigenschaften)」、1996年4月のドイツ草案、からのカーブdに対応する特性を示す。そこに表された応力−/伸びカーブでは、カーブdは、脆性材料(カーブa)及び降伏点を有する強靭な材料(カーブbとc)とは対照的に、降伏点をもたない強靭な材料を表す。そのため、本発明により、初めて、医学的使用目的用ポリプロピレンフィルムが、提供され、これは、パッキングフィルムとして、熱蒸気殺菌後でも準ゴム弾性特性を示す。従って、本発明のフィルムは、それ自体が対向する2つの原則を一緒にし、このことは、従来可能であるとは思われていなかった。
【0052】
本発明によるフィルムは、特に、横断方向(TD)でも、機械方向(MD)でも降伏強さを有さない点で優れている。方向値TD又はMDは、フィルムの製造に関係する。
【0053】
本発明によるフィルムは、記載のように、熱蒸気で損害無く殺菌することができる。DIN EN ISO527−1〜3による降伏強さの存在に関する試験のために、121℃で熱蒸気を用いる殺菌処置を、本発明によるフィルムに施した。列挙された研究中に使用される殺菌法は、当業者に、特に「熱水散布法(Heisswasserberieselungsverfahren)」という概念で、公知である。本発明のフィルムが、他の温度で、他の又は改変された方法でもオートクレーブ処理可能かつ殺菌可能であるのは、自明のことである。例えば、光の可視スペクトルのある一定の割合の光を全く一般的に使用して、又は他の放射を用いて機能する殺菌法もこれに属する。
【0054】
本発明の多層フィルムの全体が、降伏強さを有さないために、本発明は、比較的厚い中間層及び比較して薄い内層及び外層を使用するのが好ましい。本発明によるフィルムの特別な特徴は、フィルムの全厚さに対する中間層の厚さの特定の割合にもある。従って、層(A)、(M)及び(I)の厚さの合計である、フィルムの全厚さに対する中間層(M)の厚さの割合は、40〜80%の範囲にある。全厚さへの中間層(M)の割合が、40%より小さいならば、袋の柔軟性は不満足なものであるという結果が生じ得る。多層フィルムの全厚さへの中間層(M)の割合が、80%より大であるならば、静的負荷容量は十分ではなく、そのようなフィルム製の充填された袋は、圧力カフステストに、十中八、九もはやパスしない。
【0055】
本発明の有利な多層フィルムは、フィルムの全厚さに対する中間層(M)の厚さの割合が、45〜75%、有利に50〜70%、特に有利に50〜65%であることを特徴とする。有利には、中間層は、厚さに関する限り、優勢でもある。比較的厚い中間層を用いると、有利な範囲及び特に有利な範囲で、動的及び静的な機械的パラメーター並びに柔軟性に関し、均衡した特性スペクトルを備えた多層フィルムが得られる。
【0056】
フィルムの全厚さに対する中間層(M)の厚さの割合が、60〜80%、有利に60〜75%、特に有利に65〜75%である場合に、前記厚さ範囲から逸脱して、有利であることもある。特に良好な動的特性が所望の場合は、これらの変化が、特に有利である。
【0057】
内層(I)及び外層(A)についても、中央層又は中間層(M)に応じた好ましい厚さが判明している。
【0058】
本発明の多層フィルムの有利な態様では、フィルムの全厚さに対する外層(A)の厚さの割合は、30〜7.5%の範囲にある。
【0059】
本発明にとり特に重要なのは、フィルムの全厚さに対する内層(I)の厚さの割合が、30〜12.5%の範囲にあることを特徴とする多層フィルムでもある。
【0060】
層(M)の有利な厚さがフィルム全体の厚さの40〜70%であることを前提とすると、その結果、層(A)並びに層(I)については、全厚さに対する割合が有利に30〜15%である。50〜65%である中間層の特に有利な厚さ範囲に関しては、外層(A)及び内層(I)の厚さがそれぞれ25〜17.5%の範囲であることが判明している。
【0061】
層(M)の有利な厚さがフィルム全体の厚さの60〜80%であることを前提とすると、その結果、実施形での層(A)について、フィルム全体の厚さに対する割合が15〜7.5%であり、他方、層(I)については、フィルム全体の厚さに対する割合が特に25〜12.5%であるのは有利である。
【0062】
本発明の多層フィルムは、絶対厚さの広い範囲に渡り、製造することができる。所望の使用に依存して、全厚さが300μmより大の肥厚多層フィルムが好ましいこともあるが、全厚さが120μm未満の薄いフィルムも製造することができる。本発明による有利な実施形は、フィルムの全厚さが、120〜300μm、有利に150〜250μm、特に有利に170〜230μmの範囲にあることを特徴とする。
【0063】
中間層は、有利には、全多層構造に十分な程度の柔軟性を媒介することができる。その場合、中間層は、中間層(M)の材料の弾性率が、それぞれDIN EN ISO527−1〜3により測定された、250MPa以下、適切には150MPa以下、有利に135MPa以下、特に有利に100MPa以下であることにより優れている。これに関連して、フィルム及び層材料からのみ製造された対応する検体について、ISO527−1〜3により弾性率が測定される。層(M)が、1種以上のポリマー材料(ブレンド又は化合物)からなるならば、ブレンド又は化合物にも記載の値が当てはまる。中間層の弾性率が150MPaより大であるならば、全多層フィルムは柔軟性に関して、不満足なものであり得る。中間層(M)の弾性率が30〜80MPa、有利に30〜60MPa、更により有利に35〜55MPa、好ましくは35〜50MPa、特に有利に40〜45MPaの範囲にある、本発明による多層フィルムが特に重要であり、それぞれの値は、DIN EN ISO527−1〜3により測定された。
【0064】
中間層(M)に関しては、最大の靭性の弾性特性を有する、ポリプロピレン材料又は熱可塑性エラストマー材料、有利にはスチレンブロックコポリマー、を有するポリプロピレン材料の化合物がこれに有利に該当する。1変法では、検体タイプ2、分離速度(Apziehgeschwindigkeit)200mm/分で測定された降伏強さが8MPa以下である材料を使用するのが好都合であり得る。しかしながら、更に靭性の材料を使用することが有利なこともある。従って、熱水散布法による121℃以上の温度での熱蒸気殺菌後に、有利には、相応する熱蒸気殺菌の前にも、検体タイプ2、分離速度200mm/分を用いて、DIN EN ISO527−1〜3により測定できる降伏強さを有さない(無降伏)材料を、中間層(M)について選択することは、場合により、特に有利である。材料の弾性特性に関する限り、材料を適切に選択することにより、層相互の前記厚さ比を保持しながら、比較的脆性である、即ち低靭性の材料を外層(A)に使用できる多層フィルムを得ることができる。
【0065】
本発明による特別な多層フィルムは、特に、外層(A)の材料の弾性率が、中間層(M)の材料の弾性率より大きい場合に存在する。外層(A)の材料の弾性率が、250MPaより大、有利には300MPaより大、特に有利には400MPaより大であるのが有利であり、それぞれの値はDIN EN ISO527−1〜3により測定された。
【0066】
外層(A)の弾性率の特別範囲は、外層(A)の材料の弾性率が、300〜600MPa、有利に400〜600MPa、更に有利に450〜550MPa、好ましくは450〜500MPa、特に有利には400〜450MPaの範囲にあることを特徴とし、それぞれの値はDIN EN ISO527−1〜3により測定された。
【0067】
引張伸びダイアグラムで小さいか又は極僅かであるが、検出可能な降伏強さを有する材料からなる中間層(M)を使用する場合は、この中間層(M)と更に大きい弾性率を有する外層(A)とを結合させることは適切であり得る。その時、その弾性率は、1000MPaより大、特に有利に1150MPaより大の適切な値を想定することができる。その場合、弾性率については、有利な範囲は、900〜1300MPa、更に好都合に見える値は、1000〜1150MPaの範囲にある。
【0068】
当然のことであるが、検体について、DIN EN ISO527−1〜3により測定できる値が、各層(A)、(M)及び(I)の弾性率とされる。その場合、記載の値は、殺菌処置を施さなかった検体に関してである。明細書の枠内で、フィルムの降伏点又は弾性率が重要である場合は、それは、一般に、殺菌処置が施されたフィルムについて測定された値である。殺菌されていないフィルムについての値が意図されるならば、これは、個々の場合に、必要とあれば、特別に記載される。
【0069】
熱特性(オートクレーブ処置の間の熱のもとでの構造安定性)並びに内層(I)のシール可能性に関して、本発明は、要求される特性の全スペクトルにわたり、傑出した調整をすることができる。外層(A)の融点は、内層(I)の融点より高いのが有利である。
【0070】
各層の融点が勾配をなし得るように、層(A)、(M)及び(I)を選択するのが有利なこともある。層(M)の融点が、層(A)の融点より小で、層(I)の融点より大であることは、多層フィルムに関連して、特に重要であり、但し、融点は、DIN3146−C1bにより、各層(A)、(M)及び(I)の材料からの1層フィルムついてそれぞれ測定される。典型的な意味で結晶性材料について公知であるように、「鋭角的な融点」を有さない材料が部分的に使用される場合も、本発明と関連して融点について述べるのは、当然のことである。本発明に関しては、融点は、規格DIN3146−C1bの意味の融点、即ちDSC(差動走査熱量法)での移行、と考えられる。
【0071】
本発明による特に有利な多層フィルムは、層(M)の融点が、130〜160℃、有利に135〜157.5℃、特に有利に140〜156℃の範囲であることにより優れており、融点は、DIN3146−C1bにより、層(M)の材料からなる1層フィルムについて測定される。その際、融点から、材料の軟化について、直接に逆推論することはできない。
【0072】
軟化特性の記載のために、ビカー軟化温度を引用することができる。軟化点又は軟化温度は、ガラス及び無定形もしくは部分結晶性ポリマーが、ガラス又は低弾性状態からゴム弾性状態へと移行する温度のことと解釈される。本発明による多層フィルムの特別な実施形は、ビカー軟化温度を有する層(A)、(M)及び(I)を有し、ビカー軟化温度は、層(M)については、一般に、35〜75℃、有利に35〜70℃、好ましくは40〜65℃、特に有利に45〜60℃の範囲にあり、他方、層(A)及び(I)は、121℃以下の範囲のビカー軟化温度を有し、これらは、それぞれDIN53460により測定された。これに関して、本発明による多層フィルムが、全ての層が121℃より小さいビカー軟化温度を有しうるにもかかわらず、121℃での熱蒸気殺菌に、問題なく抵抗するという現象が特に重要である。特に、熱蒸気殺菌の間に通常支配する圧力パラメーターは、処置の間、フィルム又はそこから製造された容器の構造的完全性に、決定的に寄与し得る。
【0073】
本発明による多層フィルムでは、最も一般的な意味で、各層それぞれが、ポリプロピレン材料60〜100重量%及び熱可塑性エラストマー40〜0重量%からなり、同エラストマーは、有利には、スチレンブロックコポリマーの群から選択される。
【0074】
使用できるポリプロピレン又はポリプロピレン材料には、特に、プロピレンのホモポリマー及び25%(w/w)までのエチレンとプロピレンとのコポリマー又はポリプロピレンと25%(w/w)までのポリエチレンとの混合物(合金、ブレンド)が属する。コポリマーとは、原則的に、ランダムコポリマー又はブロックコポリマーのことであってよい。
【0075】
プロピレンのホモポリマー又はエチレンとプロピレンとのコポリマーをポリプロピレン材料として使用する場合、特定の実施形にとり、エチレン単位含分を、コポリマーの総重量に対して1〜5重量%、特に有利に1.5〜3重量%、更にもっと有利に1.6〜2.5重量%の範囲とすることが好ましいこともある。特に外層(A)に関しては、相応する構造は、光沢、透明性、澄明性及び印刷可能性について有利であるとみなすことができる。外層の材料のうち、エチレン単位分が、1〜5重量%の範囲にあり、その他は、プロピレンから誘導された単位からなっているように、外層が構成されているのは特に有利である。
【0076】
本発明による多層フィルムの各層中に、任意に、熱可塑性エラストマーの副次的量を含有させ得、その際、既に何度も記載のように、熱可塑性エラストマーは、有利にスチレンブロックコポリマーの群から選択される。本発明の意味において使用可能な他の熱可塑性エラストマーに属するのは、特に、ポリエーテルエステル(TPE−E)、ポリウレタン(TPE−U)、ポリエーテルアミド(TPE−A)、又はEPDM/PP−ブレンド並びにブチルゴム/PP−ブレンド又はオレフィンを基礎とする熱可塑性エラストマー(TPE−O)である。EPDMは、エチレン、プロピレン及び非共役ジエン及び/又はエチレン−α−オレフィン−コポリマーからなるターポリマーを表す。ブチルゴムは、イソブチレンとイソプレンとのコポリマーと解釈することができる。前記エラストマー化合物の群の代表物のみを使用することができる。唯一の群からの2つ以上の化合物の混合物を使用できるか、又は1つより多い化合物群からの2つ以上の化合物の混合物も使用することができる。
【0077】
本発明の実施形では、スチレンのブロックコポリマーの使用が有利である。使用できるスチレンブロックコポリマーには、スチレン−エチレン/ブチレン−スチレントリブロックコポリマー(SEBS)の他に、スチレン−ブチレン−スチレンジブロックコポリマー(SBS)、スチレン−エチレン/プロピレン−スチレントリブロックコポリマー(SEPS)、スチレン−イソプレン−スチレントリブロックコポリマー(SIS)及び前記成分2つ以上の混合物がこれに属する。これらの熱可塑性エラストマーを医薬領域で使用する際のその特別な適性に基づき、前記スチレンブロックコポリマーのうちで、SEBSの使用が有利である。
【0078】
熱可塑性エラストマーの割合は、層ごとに変化してよい。中間層(M)は、熱可塑性エラストマーのできるだけ僅かの割合を有するのが有利である。有利な範囲は、20〜0重量%、特に好ましくは10〜0重量%、全く特に好ましくは、5重量%未満であり、最も有利には、層(M)は、熱可塑性エラストマーを全く含まない。このことは、本発明の意味において、ポリプロピレン材料には当てはまらない。それに応じて、ポリプロピレン材料の割合は、層(M)の全重量に対して、有利に80〜100重量%、更に有利に90〜100重量%、好適にも95重量%より大であり、最も有利には100重量%である。
【0079】
外層(A)の構成も、比較の対象となりえ、このことが当てはまる。外層(A)は、有利には、できるだけ僅かの熱可塑性エラストマー分を有する。有利な範囲は、20〜0重量%、特に好ましくは10〜0重量%、全く特に好ましくは、5重量%未満であり、最も有利には、層(A)は、熱可塑性エラストマーを含まない。それに応じて、ポリプロピレン材料の割合は、層(A)の全重量に対して、有利に80〜100重量%、更に有利に90〜100重量%、好適にも95重量%より大であり、最も有利には100重量%である。
【0080】
内層(I)の組成に関しては、できる限り僅かの熱可塑性エラストマー含分が望ましいという原則も先ず有効である。例えば、内層(I)の実施形では、熱可塑性エラストマー含分の有利な範囲は20〜0重量%、特に好ましくは10〜0重量%、全く特に好ましくは、5重量%未満であり、最も有利には、層(I)は、熱可塑性エラストマーを含まないということが再び有効である。それに応じて、層(I)のポリプロピレン材料の割合は、層(I)の全重量に対して、有利に80〜100重量%、更に有利に90〜100重量%、好適にも95重量%より大であり、最も有利には100重量%である。
【0081】
しかしながら、シール特性の所望の変更及び溶接継目調整のために、熱可塑性エラストマーを内層(I)に、約10〜30重量%、有利に15〜25重量%、特に好適には約20重量%備えることはある点で有利であることもある。相応して、内層(I)中のポリプロピレン材料の有利な含分は、層(I)の全重量に対して、90〜70、85〜75、特に有利に約80重量%である。
【0082】
前の記載に基づき、層(A)、(M)の100重量%及び層(I)の90〜70重量%がポリプロピレン材料からなっている場合に、最も重要な実施形が生じ、それぞれの重量%は、各層の全重量に対してである。その際、層(I)の残りの10〜30重量%がSEBS1種以上からなる場合が、特に有利である。
【0083】
従って、特に有利な多層フィルムの特徴は、層(A)、(M)の100重量%及び層(I)の60〜100重量%、有利に70〜90重量%が、ポリプロピレンのホモポリマー(Homo−PP’s)、ポリプロピレンのランダムコポリマー(Random−Co−PP’s)、ポリプロピレンのブロックコポリマー、ポリプロピレンの軟質ホモポリマー(FPO’s)、ポリプロピレンの軟質コポリマー(Co−FPO’s)、からなる群からのポリマー1種以上からなり、他方、層(I)は、更に、その40〜0重量%、有利に30〜10重量%がスチレン−エチレン/ブチレン−スチレン-ブロックコポリマー(SEBS)からなることである。
【0084】
本発明の実現にとり、特に重要であるのは、高い柔軟性を有するそのようなホモポリマー、特にプロピレンとエチレンとのコポリマーである。決定的に好適な材料には、例えば、エチレン10〜30重量%とプロピレン70〜90重量%からなる、実質的に無定形の2成分ランダムコポリマーがこれに属し、その場合、コポリマーは、3.0〜4.0の範囲の立体規則度(m/r)及び13CNMR−測定を用いて決定された約0.15以下の、所謂「プロピレン逆転値」を有する。前記詳述を充たす、プロピレンとエチレンとのランダムコポリマーは、例えば、重合のために、特定の触媒系を使用することにより得られ、この触媒系は、特に、ハロゲン化マグネシウム−担体ベース及びハロゲン化アルミニウム並びにハロゲン化チタンからなる固体触媒成分、及びトリアルキルアルミニウム及びハロゲン化アルキルアルミニウムからなる共触媒成分を有する。相応するポリマーは、例えば、US4858757(1989年8月22日)の対象である。例えば、US4736002(1988年4月5日)並びにUS4847340(1989年7月11日)は、製法を開示している。前記特許は、Rexene Products Companyに譲渡された。
【0085】
保護商標Rexflex(登録商標)fpo.で市販されている、Firma Huntsmannのプロピレンの軟質ホモポリマー(FPO’s)並びにプロピレンとエチレンとのコポリマー(Co−FPO’s)が、本発明にとり特に有利なプロピレン材料に属する。
【0086】
本発明フィルムの全多層構造に関連して、層相互の厚さ比に基づいて、ポリプロピレン材料を高い含有量で有するフィルムも勿論重要である。有利な1実施形では、本発明によるフィルムは、多層フィルムの全重量に対して、少なくとも90重量%のポリプロピレン材料からなる。合計で92重量%より大、94重量%以上、96重量%以上又は少なくとも97.5重量%がポリプロピレン材料からなるフィルムが更に有利である。
【0087】
本発明による特別なフィルムは、以下の例による構成を有する:
(A)エチレン単位2〜3重量%を有するポリプロピレンコポリマーからなる第一層又は外層
(M)限定された立体規則性を備えたポリプロピレンホモポリマーからなる第二層又は中間層
(I)ポリプロピレン及びエラストマー材料のブレンドからなる第三層又はシール層。
【0088】
それに応じたフィルムの構造は、腸管外栄養物用親油性液体の保管のために考えられた容器、袋等々の製造に特に好都合であると判明した。
【0089】
この意味において、特に有利であるのは、以下の構造を有するフィルムである:
(A)エチレン単位2〜3重量%を有するポリプロピレンコポリマーからなる、厚さ10〜30μmの第一層又は外層
(M)限定された立体規則性を備えた、ポリプロピレンホモポリマーからなる、厚さ100〜200μmの第二層又は中間層
(I)ポリプロピレン及び、層(I)の全重量に対して、0〜40重量%、有利に10〜30重量%、特に有利に約20重量%の熱可塑性エラストマー、有利にスチレンブロックコポリマーを基礎とする熱可塑性エラストマー、特に有利にSEBSを基礎とする熱可塑性エラストマー、を有するエラストマー材料のブレンドからなる、20〜80μmの範囲の厚さである第三層又はシール層。
【0090】
この意味において、全く特に有利なのは、以下の構造を有するフィルムである:
(A)Rexene PP 23M10CS264(Huntsman Corp.)からなる、厚さ約20μmの第一層又は外層
(M)限定された立体規則性を備えた、Rexflex FPO WL110(Huntsman Corp.)からなる、厚さ約140μmの第二層又は中間層
(I)ポリプロピレン80重量%及びSEBS20重量%のブレンドからなる、厚さ約40μmの第三層又はシール層。
【0091】
水をベースとする腸管外液体の貯蔵用容器の製造に、特に以下のフィルムが極めて重要である:
(A)ポリプロピレンホモポリマーからなる、有利に軟質ポリプロピレンホモポリマーの系からなる第一層又は外層
(M)微量のエチレン単位を含有する、軟質ポリプロピレンコポリマーの系からの、ポリプロピレンコポリマーからの第二層又は中間層
(I)ポリプロピレン及びエラストマー材料のブレンドからなる第三層又はシール層。
【0092】
この意味において、特に有利であるのは、以下の構造を有するフィルムである:
(A)ポリプロピレンホモポリマーからなる、厚さ20〜60μmの第一層又は外層
(M)エチレン単位を1〜3重量%の範囲で含有するポリプロピレンコポリマーからなる、厚さ60〜180μmの第二層又は中間層
(I)ポリプロピレン及び、層(I)の全重量に対して、0〜40重量%、有利に10〜30重量%、特に有利に約20重量%の熱可塑性エラストマー、有利にスチレンブロックコポリマーを基礎とする熱可塑性エラストマー、特に有利にSEBSを基礎とする熱可塑性エラストマー、を有するエラストマー材料からのブレンドからなる、20〜80μmの範囲の厚さである第三層又はシール層。
【0093】
この意味において、全く特に有利なのは、以下の構造を有するフィルムである:
(A)Firma HuntsmanのWL113からなる、厚さ約30μmの第一層又は外層
(M)エチレン含有量約1.6重量%のFirma HuntsmanのWL210からなる、厚さ約130μmの第二層又は中間層
(I)ポリプロピレン80重量%及びSEBS20重量%のブレンドからなる、厚さ約30μmの第三層又はシール層。
【0094】
この意味において、全く特に有利なのは、以下の構造を有するフィルムである:
(A)Firma HuntsmanのWL113からなる、厚さ約50μmの第一層又は外層
(M)エチレン含有量約1.6重量%のFirma HuntsmanのWL210からなる、厚さ約90μmの第二層又は中間層
(I)ポリプロピレン80重量%及びSEBS20重量%のブレンドからなる、厚さ約50μmの第三層又はシール層。
【0095】
この意味において、全く特に有利なのは、更に、以下の構造を有するフィルムでもある:
(A)Firma HuntsmanのWL113からなる、厚さ約50μmの第一層又は外層
(M)エチレン含有量約1.6重量%のFirma HuntsmanのWL210からなる、厚さ約90μmの第二層又は中間層
(I)Firma Finaのポリプロピレン−ランダムコポリマーZ9450からなる、厚さ約50μmの第三層又はシール層。
【0096】
本発明を用いて、既に記載のように、ポリプロピレン材料から完全に、即ち100重量%でなるフィルムを成功裏に実現させることは、特に可能であり、また特別な態様でも可能である。ポリプロピレン材料が少なくとも90重量%であると任意に限定することにより、層相互の優れた認容性又は適合性を達成するので、接着剤又は接着剤層は全く必要ではない。従って、層剥離の危険性が減じる。
【0097】
フィルムの全ての特性が直接に各層の特性から誘導できるわけではないが、特定の尺度で、各層の特性は、多層フィルム全体の、極めて有利な特性スペクトルに貢献する。
【0098】
本発明の有利な1変法では、溶接の間、外層(A)がフィルムの安定性に寄与し、かつこれは、材料に、所望の剛性及び降伏応力並びに耐衝撃性を与えることができる。中間層(M)は、フィルムに好適な柔軟性を与えることができ、他方、内層(I)は、種々に限定された強度の剥離性継目を可能にし、これは、溶接条件、例えば温度、圧力及び時間に依存して、所望に影響され得る。
【0099】
本発明による多層フィルムは、有利には3層を有する。この構造は、容易かつ簡単に製造でき、また、全ての使用目的を充たす。それにもかかわらず、本発明によるフィルムは、5層、7層又はそれ以上の層にも構成することができる。本発明による特別の多層フィルムは、特に、これが、(A1−M1−A2−M2−I)の順番の5層又は(A1−M1−A2−M2−A3−M3−I)の順番の7層からなり、(M)と(A)の厚さは、それぞれ(Mi)もしくは(Ai)の合計であることを特徴とする。合計の厚さは、既に前記された範囲である。
【0100】
同じく、次のパターン:(A1−M1−M2−A2−I)に従う、層順番を備えたフィルムが好都合である。この構造は、層Miが、プロピレンの軟質ホモポリマーからなる場合に、特に有利であると判明している。
【0101】
本発明のフィルムは、公知標準方法により製造することができる。本発明による多層フィルムの製法は、層(A)から層(I)までを一緒に同時押出しするか又はラミネートすることを含む。
【0102】
本発明によるフィルムをフラットフィルム又はチューブラフィルムとして同時押出しするか又はフラットフィルムとしてラミネートする方法が特に有利である。
【0103】
従って、本発明によるフィルムの製造は、自体公知の方法で実施するのが有利であり、その際、好適な寸法のウエブが製造できる。次いで、同ウエブは、医学的目的のための容器の製造に使用することができる。医薬液体用の、製造すべきコンテナーは、1つ以上のコンパートメントを有することもある。袋又は容器の製造及び充填は、多数の自体公知の方法により行うことができる。
【0104】
本発明によるフィルムは、広い用途範囲を有する。考え得る使用可能性には、特に、栄養のための液体物質、医薬溶液又は液体の保管のための袋が属する。有利な使用は、水をベースにする腸管外液体の充填のためのパッケージとしてである。他の使用可能性は、充填すべき液体親油性エマルジョン、例えば、親油性医薬溶液用パッケージに関する。
【0105】
具体的な使用可能性は、医薬液体及び溶液、例えば食塩水、血液、血液代用液、透析液、アミノ酸溶液、脂肪溶液、エマルジョン、ペースト状又は粘稠、即ちなお流動可能である物質の充填及び貯蔵を包含する。
【0106】
以下に、本発明を実施例及び比較例に基づいて、詳細に説明する。
【0107】
1.使用材料の物理的パラメーターの測定法
以下に記載の材料の物理的パラメーターは、測定するか又は製造者が表にした値を採用した。値は表1に記載の材料について、それぞれ関連の規格に記載されたやり方で測定した。
【0108】
規格が、種々異なる決定法を認容する場合は、それぞれ、相当する分野で慣用である変法を決定に使用した。以下の規定を、特性値の決定に使用した。
【0109】
a)MFR[g/10分]は、DIN ISO1133により決定した:
MFRは、MFI(メルトインデックス)と同じである;メルトインデックスは、負荷21.6N、230℃で測定された(以前はDIN53735:1983−01);
b)ビカー軟化温度[℃]は、DIN ISO306/Aにより決定した:
ビカー軟化温度は、円形断面1mm2及び長さ少なくとも3mmの鋼ピンに1kpの力を施して、検体中に垂直に深さ1mm侵入させる際の温度に相当する(以前はDIN53460:1976−12);
c)融点[℃]は、DIN3146−C1bにより決定した:
DSC−測定、融点曲線の最大値、加熱速度20K/分;
d)密度[g/cm3]は、DIN ISO1183により決定した;
e)弾性率[MPa]は、個々の材料に関してDIN ISO527−1〜3により決定した;これは、特に引張試験からの決定された弾性率であり、但し、評価は、EN ISO527−1:1996のポイント4.6からの注1により計算機を使用して実施した。フィルム、特に多層フィルムに関しては、調査は、DIN ISO527−1〜3に基づいて実施し、その際、プラスチック技術において慣用の割線法で、弾性率を決定した;
f)降伏点(降伏強さ)[MPa]は、DIN ISO527−1〜3により決定した;使用された試験速度は、常に200mm/分であった(Abziehgeschwindigkeit der Traverse:横断分離速度);検体は、タイプ2に相当した:
g)フィルム厚さ[μm]は、DIN ISO4593により決定し、0.01より薄い厚さのフィルムは、DIN ISO4591により決定した。
【0110】
次表1は、本発明によるフィルムで使用された材料について、比較例によるフィルムからの材料数種並びに実施例又は比較例で使用されなかった材料数種について物理的パラメーターの分析結果をまとめている。
【0111】
【表1】
Figure 0005016173
【0112】
* 製造者からの申告により測定せず。
PPC1:Firma FinaのZ9450は、ポリプロピレン−ランダム−コポリマーである。
PPC2:Firma HuntsmanのPP23M10cs264は、ポリプロピレン−ランダム−コポリマーである。
PPC3:Firma HuntsmanのWL210は、エチレン単位の割合が1.6%であるREXflex FPOポリマー系からのポリプロピレン−ランダム−コポリマーである。
PPC4:Firma HuntsmannのWL203は、REXflex FPOポリマー系からのポリプロピレン−ランダム−コポリマーである。
PPC5:Firma HuntsmannのWL223は、REXflex FPOポリマー系からのポリプロピレン−ランダム−コポリマーである。
PPC6:Firma BorealisのKFC2008は、ポリプロピレン−ランダム−コポリマーである。
PPC7:Firma BorealisのKFC2004は、ポリプロピレン−ランダム−コポリマーである。
PPH2:Firma BorealisのHD601Fは、ポリプロピレンポリマーを99.8%より多く有するポリプロピレン−ホモポリマーである。
PPH3:Firma HuntsmannのWL113は、REXflex FPOポリマー系からのポリプロピレン−ホモポリマーである。
PPH4:Firma HuntsmannのWL107は、REXflex FPOポリマー系からのポリプロピレン−ホモポリマーである。
PPT1:Firma BorealisのTD120Hは、ポリプロピレンコポリマーを99.7%より多く有するC2/C4ターポリマーである。
PPT2:Firma BorealisのRD418H−03は、ポリプロピレンコポリマーを99.5%より多く有するC3/C4ランダム−コポリマーである。
PPT3:Firma BorealisのK2033は、ヘテロ相ポリプロピレンコポリマー(RAHECO)である。
PPC1/TPE1:Firma Ferro CorporationのNPP00NP01NAは、PPC1 80%(w/w)及びTPE1 20%(w/w)からなる化合物である。
TPE1:Firma Shell Nederland Chemie B.V.のKraton G1652は、線状スチレン−(エチレン−ブチレン)−スチレン−ブロック−コポリマー(SEBS)である。
PPH5:Firma HuntsmannのWL101は、REXflex FPOポリマー系からのポリプロピレン−ホモポリマーである。
PPH6:Firma HuntsmannのWL102は、REXflex FPOポリマー系からのポリプロピレン−ホモポリマーである。
PPH7:Firma HuntsmannのWL110は、REXflex FPOポリマー系からのポリプロピレン−ホモポリマーである。
PPH8:Firma HuntsmannのWL111は、REXflex FPOポリマー系からのポリプロピレン−ホモポリマーである。
PPH9:Firma HuntsmannのWL114は、REXflex FPOポリマー系からのポリプロピレン−ホモポリマーである。
PPH10:Firma HuntsmannのWL116は、REXflex FPOポリマー系からのポリプロピレン−ホモポリマーである。
PPH11:Firma HuntsmannのWL117は、REXflex FPOポリマー系からのポリプロピレン−ホモポリマーである。
PPH13:Firma PCDのKFC201は、ポリプロピレンホモポリマーである。
【0113】
2.フィルムの製造
前記材料並びに場合により表1に記載されていない他の材料から、自体公知の方法で、フィルムを製造した。原則として、フラットフィルム又はチューブラフィルムの製造の際に、以下のごとく行った。
【0114】
フラット(キャスト)−フィルム
PP−顆粒を個々の層用の然るべき押出機に配量系を介して供給した。熱及び摩擦により、材料を可塑化し、マニホールドブロックで、前記層構成にし、水冷された回転ローラーにスロットダイを介して流入させる。層の厚さ及び全体の厚さは、冷却ロールの押出量及び引取り速度により決定される。冷却されたフィルムは巻取り機で、マザーロールに巻き取る。
【0115】
水冷されたインフレート(チューブラ)―フィルム:
PP−顆粒を個々の層用の然るべき押出機に配量系を介して供給する。熱及び摩擦により材料を可塑化し、ブローヘッドで前記層構成にし、環状金型により袋状に成形し、水冷されたカリブレーター(Kalibriervorrichtung)中で冷却する。層厚及び全体の厚さは、押出し機の押出し量及び引取り装置の引取り速度により決定される。冷却されたフィルムは巻取り機で、マザーロールに巻き取る。
【0116】
表2に記載の構成及び特性を有する本発明によるフィルムが得られたか、又は比較例である相応する市販のフィルムが分析された。
【0117】
【表2】
Figure 0005016173
【0118】
【表2(つづき)】
Figure 0005016173
【0119】
【表2(つづき)】
Figure 0005016173
【0120】
Vgl.:比較例を意味する;
特にVgl.1は、製造者Cryovacから市販の、略号M312のフィルムであり、その構成は、US4643926又はEP0199871により開示されている。Vgl.14は、EP0228819による、Fa.B.Braun McGawから市販の、商標名Excelのフィルムである。Vgl.15は、Firma Sengewaldから市販のフィルムであり、その構成は、DE19640038A1により開示されている。
Bsp.:本発明による実施例を表す。
PPH1:Firma Huntsmanの41E4cs278は、ポリプロピレン−ホモポリマーである。
TPE2:Firma Shell Nederland Chemie B.V.のKraton G1657は、線状スチレン−(エチレン−ブチレン)−スチレン−ブロック−コポリマー(SEBS)である。
TPE3:Firma Asahi Chemical Industry CoのTuftec H1085Lは、水素化スチレンブタジエンブロックコポリマーである。
PEC1:Firma Exxon ChemicalのSLP9069は、エチレン−α−オレフィンである。
PET1:Firma Eastman Chemical Company のEcdel9965は、コポリエステル−エーテルである。
PET2:コポリエステル−材料
PPH12:ポリプロピレン−ホモポリマー
PZ1:医薬用ホワイトオイル
PPT4:Firma Montell(バーゼル)のROBY P0004967は、ヘテロ相ポリプロピレンコポリマーである。
PPC8:Firma DowのEngage 8200は、ポリオレフィンコポリマーである。
PPCol:Firma FerroのXS115は、ランダムコポリマー/EVA/ヘテロ相ポリプロピレンからの化合物である。
【0121】
3.フィルムの特性の決定
市販のフィルムを、本発明の実施例フィルム又は比較目的のためにのみ製造された他のフィルムと同様に、引張−伸び特性に関し、DIN−ISO 527−1〜3により検査した。この実験の結果は、表3に示す。
【0122】
【表3】
Figure 0005016173
MDは、機械方向で測定することを意味する。TDは、機械方向に垂直な測定を表す。
【0123】
本発明によるフィルムは、機械方向にも、その垂直方向にも降伏点を有さないことが判明した。唯一の比較例(Vgl.1)を除き、他の比較例全てが、例えばVgl.5又はVgl.14のように両方の方向で(MDもTDも)降伏点を有するか、又は例えばVgl.2又はVgl.15のように機械方向(MD)のみで降伏点を有する。しかしながら、殺菌状態で全く降伏点を有さないVgl.1は、不利な材料混合物(ポリエステル−外層)を提供する。そのため、本発明は、任意に極僅かの割合のゴム材料を有するポリオレフィン材料からのみなり、際だった剛性及び降伏応力と優れた耐衝撃性がかけあわされた、医薬溶液用フィルムを初めて提供する。そのため、PVC及びPETは、その機械的特性を断念することなく、完全に回避することができる。
【0124】
4.フィルムから袋の製造
本発明によるフィルム並びに比較材料を選択して、液体医薬製品用パッキング袋を製造する。これらの所謂静脈用バッグは、以下のようにして製造された。
【0125】
前記記載のようにして得られたフィルムから、試料を、相応する長さに切断して、形を整え、全部の側を熱接触溶接により剥離不能に溶接し、2個の柔軟なホース継手を備えた袋を形成する。両方のホース継手は、差込可能コネクターを用いて気密に閉鎖する。
【0126】
フィルムは、溶接装置中で、加熱された溶接横棒(Schweissbalken)により、溶接される。溶接時の温度、時間及び単位面積当たりの圧力についてのパラメーターは、少数の予備試験で決定することができる。
【0127】
溶接により製造された袋試料に、それぞれ水1lを充填した。完成され、充填された袋を殺菌した。殺菌は、オートクレーブ中、湿った蒸気下に121℃で15〜30分間行った(熱蒸気散布法)。
【0128】
5.袋の物理特性の検査法
a)落下試験
袋は、DIN 58363−15(注入容器及び付属物)により、滑らかな表面を備えた堅く非弾性のプレート上への落下を無傷で切り抜けねばならない。充填量に応じて、以下の表4に記載の必要条件が適用される。
【0129】
【表4】
Figure 0005016173
視覚検査で袋が壊れず、液体が流出しない場合、検査は合格である。
【0130】
b)圧力カフステスト
圧力カフステストは、圧注入及び患者モニターの際に、以下のように使用される、使用関連検査である:
圧力注入のために、注入袋は、市販の圧力カフスで約400mmHgの過圧に約1時間耐えねばならない。
【0131】
患者をモニターするために、袋は、39996.71Pa(300mmHg)の過圧に、温度20〜28℃で、7日間、耐えねばならない。53328.95Pa(400mmHg)までの高められた過圧が、短期間、約1時間、生じ得る。
【0132】
4.により得られた袋に、5a)による落下試験並びに5b)による圧力カフステストを施した。本発明によるフィルムから製造された袋は、検査5a)及び5b)に文句無く合格するが、本発明によらないフィルムからの袋では、1部うまくいかないこともあった。
【0133】
6.例12及び比較例14の特性の比較
両方のフィルムは、内層(I)又はシール層に同一材料を有するが、中間層(M)及び外層(A)の材料に関しては異なる。
【0134】
最初に、両方のフィルムの加工性及び引張り/伸び特性を比較した。溶接温度を変えて、異なる強度の溶接結合を両方のフィルムで製造することができる。低い溶接温度、即ち116〜118℃では、剥離可能継目が得られ、一方、高い溶接温度、即ち126〜130℃では、永久シール継目が得られる。異なる溶接条件(圧力、温度、時間)で袋を製造し、これを水で充填、殺菌、次いで落下試験を施すことにより、輪郭継目(Konturnaehte)に関する加工寛容度の範囲を決定できる。溶接継目が開く場合には、溶接温度が間違っていたことがわかる。フィルムが引裂かれると、材料の耐衝撃性が少なすぎることが判明する。これらの検査の結果が表5に記載されている。
【0135】
【表5】
Figure 0005016173
【0136】
表5の結果は、この加工寛容度が、産業的生産に十分であり、かつ殺菌処置後にもフィルムはその特性を保持することを、明白に証明する。更に、その特性は、公知のポリエステルを使用したフィルム(比較例14)の特性と同じか又はより良好である。特に、例12及び比較例14によるフィルムは、充填された状態で同じ柔軟性を有する。更に、例12によるフィルムは、欧州薬局法(Ph Eur.3.2.7等)に従う。例フィルムの水蒸気透過性は、フィルム製容器中の製品の貯蔵期間が少なくとも1年であるのに十分な大きさである。本発明によるフィルムは、殺菌処置の前及び後に優れて透明である。しかしながら、それにもかかわらず、例12のフィルムの製造原料(ポリマー材料)の値段は、比較例14のフィルムの製造原料の値段のほぼ半分である。このことは、実質的に、SEBSが合計で低量であること並びに押出し前の配合段階を削減したことによるものである。

Claims (19)

  1. 少なくとも3層、即ち外層(A)、内層(I)及びその間に配置された中間層(M)を有し、各層の全重量に対する重量値で、各層それぞれが、ポリプロピレン材料60〜100重量%及び熱可塑性エラストマー40〜0重量%からなる、液体医薬品のパッキング用のオートクレーブ処理可能でPVC不含の多層フィルムにおいて、
    多層フィルムが、熱水散布法で121℃以上の温度の熱蒸気殺菌後に、DIN EN ISO527−1〜3により測定可能な降伏強さを有さず(無降伏)、
    層(A)、(M)は、その100重量%及び層(I)は、その60〜100重量%が、ポリプロピレンのホモポリマー(Homo−PP’s)、ポリプロピレンのランダムコポリマー(Random−Co−PP’s)、ポリプロピレンのブロックコポリマー、ポリプロピレンの軟質ホモポリマー(FPO’s)、ポリプロピレンの軟質コポリマー(Co−FPO’s)からなる群からのポリマー1種以上からなり、他方、層(I)は、更に、その40〜0重量%がスチレン−エチレン/ブチレン−スチレン-ブロックコポリマー(SEBS)からなることを特徴とする、オートクレーブ処理可能なPVC不含多層フィルム。
  2. フィルムの全厚さに対する中間層(M)の厚さの割合は、40〜80%の範囲にあることを特徴とする、請求項1記載の多層フィルム。
  3. フィルムの全厚さに対する中間層(M)の厚さの割合は、45〜75%の範囲又は60〜80%の範囲にあることを特徴とする、請求項1記載の多層フィルム。
  4. フィルムの全厚さに対する外層(A)の厚さの割合は、30〜7.5%の範囲にあることを特徴とする、請求項1乃至3のいずれか1項記載の多層フィルム。
  5. フィルムの全厚さに対する内層(I)の厚さの割合は、30〜12.5%の範囲にあることを特徴とする、請求項1乃至4のいずれか1項記載の多層フィルム。
  6. フィルムの全厚さは、120〜300μmの範囲にあることを特徴とする、請求項1乃至5のいずれか1項記載の多層フィルム。
  7. 中間層(M)の材料の弾性率は、DIN EN ISO527−1〜3により測定され、250MPa以下であることを特徴とする、請求項1乃至6のいずれか1項記載の多層フィルム。
  8. 中間層(M)の材料が、熱水散布法による121℃以上の温度での熱蒸気殺菌後に、相応する熱蒸気殺菌の前にも、検体タイプ2、分離速度200mm/分で、DIN EN ISO527−1〜3により測定可能な降伏強さを有さない(無降伏)ことを特徴とする、請求項1乃至7のいずれか1項記載の多層フィルム。
  9. 中間層(M)の材料が、検体タイプ2、分離速度200mm/分で、DIN EN ISO527−1〜3により測定可能な降伏強さ8MPa以下を有することを特徴とする、請求項1乃至7のいずれか1項記載の多層フィルム。
  10. DIN EN ISO527−1〜3により測定される、外層(A)の材料の弾性率が250MPaより大であることを特徴とする、請求項1乃至9のいずれか1項記載の多層フィルム。
  11. 層(A)の融点が、層(I)の融点より大であり、但し、融点は、DIN3146−C1bにより、各層(A)及び(I)の材料からなる1層フィルム又は検体についてそれぞれ測定されることを特徴とする、請求項1乃至10のいずれか1項記載の多層フィルム。
  12. 層(M)の融点が、層(A)の融点より小で、層(I)の融点より大であり、但し、融点は、DIN3146−C1bにより、各層(A)、(M)及び(I)の材料からなる1層フィルム又は検体についてそれぞれ測定されることを特徴とする、請求項11記載の多層フィルム。
  13. 層(M)の融点は、130〜160℃の範囲にあり、但し、融点は、DIN3146−C1bにより、層(M)の材料からなる1層フィルム又は検体について測定されることを特徴とする、請求項1乃至12のいずれか1項記載の多層フィルム。
  14. 層(A)、(M)及び(I)は、ビカー軟化温度を有し、層(M)については、35〜75℃の範囲にあり、他方、層(A)及び(I)は、121℃以下の範囲のビカー軟化温度を有することを特徴とする、請求項1乃至13のいずれか1項記載の多層フィルム。
  15. (A1−M1−A2−M2−I)又は(A1−M1−M2−A2−I)の順番の5層又は(A1−M1−A2−M2−A3−M3−I)の順番の7層からなり、但し(M)及び(A)の厚さは、(Mi)もしくは(Ai)の合計であることを特徴とする、請求項1乃至14のいずれか1項記載の多層フィルム。
  16. 層(A)から(I)までを一緒に同時押出しするか又は貼合せる、請求項1乃至15のいずれか1項記載の多層フィルムの製造方法。
  17. フィルムをフラットフィルム又はチューブラフィルムとして同時押出しするか又はフラットフィルムとして貼合せることを特徴とする、請求項16記載の方法。
  18. 水をベースにする腸管外液の充填又は貯蔵のためのパッキング材としての、請求項1乃至17のいずれか1項記載のフィルムの使用。
  19. 液体親油性エマルジョンの充填又は貯蔵のためのパッキング材としての、請求項1乃至17のいずれか1項記載のフィルムの使用。
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