以下、本発明の無線タグ読取システムを、スーパーマーケット等のような大規模小売店向けの会計システムに適用した一実施形態について、図面を参照しながら説明する。
(第1の実施形態)
図1は、本実施形態における会計システムの概略図である。このシステムは、複数(図では3基)の会計用ゲート1A,1B,1C,…にそれぞれ設けられた複数のゲート制御ボックス2A,2B,2C,…と、各ゲート制御ボックス2A,2B,2C,…をLAN(Local Area Network)等の通信ネットワーク3を介して接続するストアコンピュータ4とを備えている。
本実施形態では、店で販売される商品の1つ1つに無線タグを取り付け、各無線タグにそれぞれ設定されている固有のタグIDを、その無線タグが付された商品の商品IDとして設定している。そして、各商品の商品ID、すなわちタグIDに関連付けて、該IDで識別される無線タグが付された商品の商品名、価格等の商品情報を記憶した商品マスタファイル(図示せず)を、ストアコンピュータ4で記憶管理している。
また、ストアコンピュータ4は、本発明に係わるタグ情報整合プログラムを実装しており、このプログラムを実行することにより、タグ情報整合装置として機能する。
各会計用ゲート1A,1B,1C,…は、それぞれ買物客がショッピングカート5を押して通過できる間隔を開けて一対のゲート板を対峙させ、これらゲート板の上端を天板で連結した構造となっており、一対のゲート板に、それぞれ無線タグ読取用のアンテナ6AR,6AL,6BR,6BL,6CR,6CL,…を、互いに向き合うように取り付けている。また、一方のゲート板に、タッチパネル付ディスプレイ7A,7B,7C,…と、自動決済装置8A,8B,8C,…とを取り付けている。以下では、説明の便宜上、図1において、向かって右側のゲート板に設けられているアンテナ6AR,6BR,6CR,…を第1アンテナと称し、左側のゲート板に設けられているアンテナ6AL,6BL,6CL,…を第2アンテナと称する。
第1アンテナ6AR,6BR,6CR,…及び第2アンテナ6AL,6BL,6CL,…は、いずれもゲート板間を通過するショッピングカート5に収容された商品、あるいは該カート5を押す買物客が所持する商品に取り付けられている無線タグと無線通信を行い、その無線タグからタグID、すなわち商品IDを受信する。
タッチパネル付ディスプレイ7A,7B,7C,…は、後述する精算案内画面、登録商品画面、決済画面、決済中止画面等を表示する。また、各画面に表示されるボタンの入力装置として機能する。
自動決済装置8A,8B,8C,…は、現金またはクレジットカードによる商品代金の決済を処理する。現金決済の場合は、現金投入口から投入された金額と商品代金とから釣銭額を算出し、釣銭を釣銭払出口から払い出すとともに、レシートを印字発行する。クレジットカード決済の場合は、カードリーダで読み取ったクレジットカードによる決済の認証をホストに問い合わせ、承認されるとクレジット伝票を印字発行する。
各会計用ゲート1A,1B,1C,…に設けられた第1アンテナ6AR,6BR,6CR,…、タッチパネル付ディスプレイ7A,7B,7C,…、及び、自動決済装置8A,8B,8C,…は、それぞれ同じ会計用ゲート1A,1B,1C,…に設けられたゲート制御ボックス2A,2B,2C,…と、信号ケーブル9AR,9BR,9CR,…を介して電気的に接続されている。また、各会計用ゲート1A,1B,1C,…に設けられた第2アンテナ6AL,6BL,6CL,…は、同じ会計用ゲート1A,1B,1C,…に設けられたゲート制御ボックス2A,2B,2C,…と、信号ケーブル9AL,9BL,9CL,…を介して電気的に接続されている。
図2は、ゲート制御ボックス2A,2B,2C,…の要部構成を示すブロック図である。各ゲート制御ボックス2A,2B,2C,…は同一構成なので、ここでは、ゲート制御ボックス2Aを代表して説明する。
ゲート制御ボックス2Aは、制御部本体としてCPU(Central Processing Unit)11を備えている。そして、このCPU11に、アドレスバス,データバス等のバスライン12を介して、ROM(Read Only Memory)13及びRAM(Random Access Memory)14の記憶部と、現在日時を計時する時計部15と、リーダインターフェース16、ネットワークインターフェース17、タッチパネルインターフェース18及び外部装置インターフェース19の各インターフェース部とを接続している。
リーダインターフェース16は、後述する無線タグリーダ20との間で行うデータ信号の送受信を制御する。ネットワークインターフェース17は、前記通信ネットワーク3を介してストアコンピュータ4との間で行うデータ信号の送受信を制御する。タッチパネルインターフェース18は、前記タッチパネル付ディスプレイ7Aとの間で行うデータ信号の送受信を制御する。外部装置インターフェース19は、前記自動決済装置8Aとの間で行うデータ信号の送受信を制御する。
かかる構成のゲート制御ボックス2Aは、自己が設けられている会計用ゲート1Aを識別するためのゲート番号“1”と、その会計用ゲート1Aに取り付けられている第1アンテナ6AR及び第2アンテナ6ALをそれぞれ識別するためのアンテナ番号“1R”,“1L”とを、ROM13又はRAM14の記憶部で記憶している。
因みに、本実施形態では、店内に各会計用ゲート1A,1B,1C,…が一方向に沿って一列に隣接して設けられている。そして各会計用ゲート1A,1B,1C,…に対し、一方の側から他方の側に向かって順番に“1,2,3,…”の連続番号がゲート番号としてそれぞれ設定されている。また、各会計用ゲート1A,1B,1C,…にそれぞれ設けられる第1アンテナ6AR,6BR,6CR,…及び第2アンテナ6AL,6BL,6CL,…のアンテナ番号も同様に、一方の側から他方の側に向かって順番に“1R,2R,3R,…”及び“1L,2L,3L,…”の連続番号が設定されている。
第1アンテナ6AR及び第2アンテナ6ALは、アンテナ切換器30を介して無線タグリーダ20に選択的に接続される。無線タグリーダ20は、アンテナ切換器30により選択された第1アンテナ6ARまたは第2アンテナ6ALで受信した無線タグのID情報を読み取る。
図3は、無線タグリーダ20の要部構成を示すブロック図である。無線タグリーダ20は、通信部21、無線処理部22、変調部23、送信側増幅部24、受信側増幅部25、復調部26及びサーキュレータ等の方向性結合器27を備えている。
通信部21は、対応するゲート制御ボックス2AのCPU11と無線処理部22との間のデータ通信を司る。変調部23は、無線処理部22から与えられる送信データで搬送波を変調する。送信側増幅部24は、変調部23からの信号を増幅する。受信側増幅部25は、第1アンテナ6AR及び第2アンテナ6ALからの信号を増幅する。復調部26は、受信側増幅部25で増幅された信号を復調する。復調された信号は、無線処理部22に与えられる。
無線処理部22は、CPU11からの指令に従い、送信データを変調部23に出力する機能と、復調部26にて復調された信号から無線タグのデータを読み取り、通信部21を介してCPU11に与える機能と、アンテナ切換器30の切換動作を制御する機能とを有する。
ここに、ゲート制御ボックス2AのCPU11、ROM13、RAM14、リーダインターフェース16、ネットワークインターフェース17、無線タグリーダ20及びアンテナ切換器30と、このアンテナ切換器30に接続される複数のアンテナ(第1アンテナ,第2アンテナ)とにより、会計用ゲート1Aに対応して設けられる無線タグ読取装置40Aが構成される。すなわち、本実施形態における無線タグ読取システムは、隣接する各会計用ゲート1A,1B,1C,…にそれぞれ対応して、複数の無線タグ読取装置40A,40B,40C,…を設けている。
図4は、タグ情報整合装置として機能するストアコンピュータ4の要部構成を示すブロック図である。ストアコンピュータ4は、制御部本体としてCPU51を備えている。そして、このCPU51に、アドレスバス,データバス等のバスライン52を介して、ROM53及びRAM54の主記憶部と、補助記憶部としてのHDD(Hard Disk Drive)装置55と、ネットワークインターフェース56、キーボードインターフェース57及び表示インターフェース58の各インターフェース部とを接続している。
ネットワークインターフェース56は、前記通信ネットワーク3を介して各ゲート制御ボックス2A,2B,2C,…との間で行うデータ信号の送受信を制御する。キーボードインターフェース57は、キーボード59との間で行うデータ信号の送受信を制御する。表示インターフェース58は、ディスプレイ60との間で行うデータ信号の送受信を制御する。
かかる構成のストアコンピュータ4は、図5に示すように、各会計用ゲート1A,1B,1C,…をそれぞれ識別するゲート番号に関連付けて、その会計用ゲートでの動作状態を示すステータスデータ(0:待機中、1:読取中、2:決済待ち)を保存するゲート管理メモリ71と、同時期に読取中の状態となった隣接する会計用ゲートのゲート番号を組み合わせたゲート番号組合せデータ(i,j)を逐次記憶する重複メモリ72とを、RAM74に形成している。
また、ストアコンピュータ4は、図6に示すように、ゲート番号i、ゲート番号j、選択アンテナ番号x及び選択アンテナ番号yの各設定領域に区分された番号テーブル80を、HDD装置55に保存している。上記番号テーブル80において、ゲート番号iとゲート番号jの設定領域には、各会計用ゲート1A,1B,1C,…のうち互いに隣接するゲートのゲート番号がそれぞれ設定される。選択アンテナ番号xの設定領域には、ゲート番号iで識別される会計用ゲート1i(i=A,B,C,…)に設けられた第1アンテナ6iR及び第2アンテナ6iLのうち、電波の放射方向がゲート番号jで識別される会計用ゲート1j(j=A,B,C,…)が設置されている側とは反対側に向けられたアンテナのアンテナ番号が設定される。選択アンテナ番号yの設定領域には、ゲート番号jで識別される会計用ゲート1j(i=A,B,C,…)に設けられた第1アンテナ6jR及び第2アンテナ6jLのうち、電波の放射方向がゲート番号iで識別される会計用ゲート1i(j=A,B,C,…)が設置されている側とは反対側に向けられたアンテナのアンテナ番号が設定される。
すなわち本実施形態の場合は、図1において、向かって左側の会計用ゲート1Aとその右側に隣接する会計用ゲート1Bとの各ゲート番号i,j=“1”,“2”に対応して、選択アンテナ番号xとしては会計用ゲート1Aの右側に設けられた第1アンテナ6ARのアンテナ番号”1R”が設定され、選択アンテナ番号yとしては会計用ゲート1Bの左側に設けられた第2アンテナ6BLのアンテナ番号“2L”が設定される。
また、中央の会計用ゲート1Bとその左側に隣接する会計用ゲート1Aとの各ゲート番号i,j=“2”,“1”に対応して、選択アンテナ番号xとしては会計用ゲート1Bの左側に設けられた第2アンテナ6BLのアンテナ番号“2L”が設定され、選択アンテナ番号yとしては会計用ゲート1Aの右側に設けられた第1アンテナ6ARのアンテナ番号“1R”が設定される。
また、会計用ゲート1Bとその右側に隣接する会計用ゲート1Aとの各ゲート番号i,j=“2”,“3”に対応して、選択アンテナ番号xとしては会計用ゲート1Bの右側に設けられた第1アンテナ6BRのアンテナ番号“2R”が設定され、選択アンテナ番号yとしては会計用ゲート1Cの左側に設けられた第2アンテナ6CLのアンテナ番号“3L”が設定される。
また、向かって右側の会計用ゲート1Cとその左側に隣接する会計用ゲート1Bとの各ゲート番号i,j=“3”,“2”に対応して、選択アンテナ番号xとしては会計用ゲート1Cの左側に設けられた第2アンテナ6ALのアンテナ番号“3L”が設定され、選択アンテナ番号yとしては会計用ゲート1Bの右側に設けられた第1アンテナ6BRのアンテナ番号“2R”が設定される。
図7は、各ゲート制御ボックス2A,2B,2C,…にそれぞれ実装されたCPU11が実行するメイン処理の手順を示す流れ図である。この処理は、例えばROM13に記憶された制御プログラムをCPU11が読み込み実行することによって実現される。なお、各ゲート制御ボックス2A,2B,2C,…は同一構成なので、ここではゲート制御ボックス2Aを代表して説明する。
CPU11は、先ず、ST(ステップ)1として会計案内画面をタッチパネル付ディスプレイ7Aに表示させる。この画面は、ショッピングカート5を押して会計用ゲート1Aに近付いた買物客に買上商品の決済方法を知らせる画面である。画面には、商品読取開始ボタンが表示されている。
CPU11は、ST2として上記商品読取開始ボタンがタッチ操作されるのを待機する。タッチパネルインターフェース18を介して入力されたタッチパネル信号により商品読取開始ボタンがタッチ操作されたことを検知すると(ST2のYES)、CPU11は、ST3として記憶部で記憶しているゲート番号“1”を読み出し、このゲート番号“1”を予め用意された無線タグ読取装置40Aの読取開始情報に付してネットワークインターフェース17からストアコンピュータ4に送信する。
また、CPU11は、ST4として無線タグリーダ20に起動を指令する。この起動指令を受けた無線タグリーダ20の無線処理部22は、所定の送信データを変調部23に与える。また、アンテナ切換器30を一定の周期で切り換える。これにより、第1アンテナ6ARと第2アンテナ6ALとから交互に変調電波が放射される。
第1アンテナ6ARから放射された変調電波を受信した無線タグは、自己のメモリで記憶しているID情報、つまりは商品IDを変調電波に重ねて応答する。このときの無線タグからの変調電波は、第1アンテナ6ARで受信され、復調部26で復調されて無線処理部22に入力される。無線処理部22は、復調されたデータから無線タグの商品IDを読取る。そして、この商品IDを、第1アンテナ6ARで読み取ったことを示す情報とともに、通信部21を介してリーダインターフェース16に出力する。
同様に、第2アンテナ6ALから放射された変調電波を受信した無線タグも、商品IDを変調電波に重ねて応答する。このときの無線タグからの変調電波は、第2アンテナ6ALで受信され、復調部26で復調されて無線処理部22に入力される。無線処理部22は、復調されたデータから無線タグの商品IDを読取る。そして、この商品IDを、第2アンテナ6ALで読み取ったことを示す情報とともに、通信部21を介してリーダインターフェース16に出力する。
CPU11は、無線タグリーダ20に起動を指令した後、ST5としてその無線タグリーダ20で商品IDが読み取られるのを待機する。そして、無線タグリーダ20で読み取られた商品IDを、リーダインターフェース16を介して受信すると(ST5のYES)、CPU11は、ST6としてその商品IDに付されている情報から読取アンテナが第1アンテナ6ARなのか第2アンテナ6ALなのかを判定する。すなわち、商品IDに付されている情報が第1アンテナ6ARで読み取ったことを示す情報であったときには、読取アンテナが第1アンテナ6ARであると判定する。商品IDに付されている情報が第2アンテナ6ALで読み取ったことを示す情報であったときには、読取アンテナが第2アンテナ6ALであると判定する。
読取アンテナが第1アンテナ6ARであると判定されると、CPU11は、ST7として第1アンテナ読取結果情報を作成して、RAM14に記憶する。この第1アンテナ読取結果情報には、無線タグリーダ20で読み取った商品IDと、当該ゲート制御ボックス2Aに設定されているゲート番号“1”と、第1アンテナ6ALのアンテナ番号“1R”とが含まれる。
これに対し、読取アンテナが第2アンテナ6ARであると判定された場合には、CPU11は、ST8として第2アンテナ読取結果情報を作成して、RAM14に記憶する。この第2アンテナ読取結果情報には、無線タグリーダ20で読み取った商品IDと、当該ゲート制御ボックス2Aに設定されているゲート番号“1”と、第2アンテナ6ALのアンテナ番号“1L”とが含まれる。
CPU11は、無線タグリーダ20で読み取られた商品IDを受信する毎に、第1アンテナ読取結果情報または第2アンテナ読取結果情報の作成と記憶を行う(ST5〜ST8)。
また、CPU11は、ST9として商品IDの読み取り期間が終了したか否かを判断する。例えば、商品IDを受信しない時間が所定時間継続したならば、CPU11は読み取り期間が終了したと判定する(ST9のYES)。読み取り期間が終了すると、CPU11は、ST10としてRAM14に記憶した第1アンテナ読取結果情報と第2アンテナ読取結果情報とから、ゲート制御ボックス2Aにおける無線タグ読取装置40Aの読取結果情報を編集する。
この編集処理を、図8を用いて具体的に説明する。図8において、データ例91は、第1アンテナ読取結果情報と第2アンテナ読取結果情報とを示す。レコードNo.“1”〜“5”の各レコードが第1アンテナ読取結果情報であり、レコードNo.“6”〜“11”の各レコードが第2アンテナ読取結果情報である。このデータ例91の場合、商品ID[123001]は、第1アンテナ6ARだけで読み取られ、商品ID[123006]と[123007]とは、第2アンテナ6ALだけで読み取られている。一方、商品ID[123002]、[123003]、[123004]及び[123005]は、第1アンテナ6ARと第2アンテナ6ALの両方で読み取られている。
このような場合、CPU11は、ゲート制御ボックス2Aにおける無線タグ読取装置40Aの読取結果情報を、データ例92に示すように編集する。すなわち、商品IDとゲート番号とが一致するレコードが他に存在しないレコードについてはそのまま残し、存在するレコードについては1つだけを残して他を削除し、残したレコードに他の削除したレコードのアンテナ番号を追加する。
ここに、CPU11が実行するST4〜ST10の処理は、所定の読み取り期間内に複数のアンテナでそれぞれ受信したID情報をそのID情報を受信したアンテナを識別するアンテナ識別情報と関連付けて記憶する読取結果情報編集手段を構成する。
こうして、無線タグ読取装置40Aの読取結果情報を編集し終えたならば、CPU11は、ST11としてネットワークインターフェース17を介してストアコンピュータ4に、その編集した読取結果情報を予め設定されたゲート番号とともに送信する。
ストアコンピュータ4に読取結果情報を送信すると、ストアコンピュータ4では、後述する読取結果情報受信処理が実行される。そして、この処理によりストアコンピュータ4から読み直し指令または登録商品情報が返信されてくるので、CPU11は、ST12及びST13として読み直し指令が返信されるか登録商品情報が返信されるのを待機する。
ネットワークインターフェース17を介して読み直し指令を受信した場合には(ST12のYES)、CPU11は、後述する読み直し指令受信処理を実行する。
一方、登録商品情報を受信した場合には(ST13のYES)、CPU11は、ST14としてこの登録商品情報を基に、登録商品画面を編集し、この画面をタッチパネル付ディスプレイ7Aに表示させる。この画面には、ゲート制御ボックス2Aの無線タグ読取装置40Aで読取られた商品IDに対応する商品名や価格等が、支払いの実行を宣言する支払いボタン及び支払いの中止を宣言する中止ボタンとともに表示されている。したがって、買物客は、登録商品画面の内容を確認し、その内容で会計する場合は支払いボタンを、会計しない場合は中止ボタンをタッチ操作する。
CPU11は、ST15として支払いボタン及び中止ボタンのいずれか一方がタッチ操作されるのを待機する。タッチパネルインターフェース18を介して入力されたタッチパネル信号により中止ボタンがタッチ操作されたことを検知すると(ST15の「中止」)、CPU11は、ST16として決済中止処理を実行する。この決済中止処理は、登録商品情報を破棄する処理や、決済中止画面をタッチパネル付ディスプレイ7Aに表示させる処理を含む。
これに対し、支払いボタンがタッチ操作されたことを検知した場合には(ST15の「支払い」)、CPU11は、ST17として自動決済装置8Aによる自動決済処理を実行する。この自動決済処理は、前述したように、現金またはクレジットカードによる商品代金の決済を処理する。また、決済完了画面をタッチパネル付ディスプレイ7Aに表示させる処理を含む。
決済中止処理または自動決済処理が終了すると、CPU11は、初期状態に戻り、次の買物客の会計を可能にする。
図9は、ストアコンピュータ4のCPU51が実行する読取開始情報受信処理の手順を示す流れ図である。この処理は、例えばHDD装置55に記憶されたタグ情報整合プログラムをCPU51が読み込み実行することによって実現される。
通信ネットワーク3を介して接続されたいずれかのゲート制御ボックス2N(N=A,B,C,…)から無線タグ読取装置40N(N=A,B,C,…)の読取開始情報を受信すると、CPU51は、この処理を開始する。先ず、ST21として受信した読取開始情報から、当該情報に付加されているゲート番号n(n=1,2,3,…)を取得する。そして、ST22としてゲート管理メモリ71の当該ゲート番号nに関連付けられたステータスデータSnを、動作状態「待機中」を示す値“0”から動作状態「読取中」を示す値“1”に更新する。
次に、CPU41は、ST23として当該ゲート番号nの1つ前のゲート番号(n−1)に関連付けられたステータスデータS(n-1)がゲート管理メモリ71に設定されているか否かを判定する。このステータスデータS(n-1)は、読取開始情報送信元のゲート制御ボックス2Nが設けられている会計用ゲート1Nに対し、一方の方向に隣接する会計用ゲート1(N-1)に設けられたゲート制御ボックス2(N-1)の状態を示す。したがって、読取開始情報送信元のゲート制御ボックス2Nが、一方の端に位置するゲート制御ボックス2Aの場合のみ判定結果が“NO”となり、その他のゲート制御ボックス2B,3C,…の場合は判定結果が“YES”となる。ST23にて判定結果が“NO”の場合には、ST27の処理に進む。
ST23にて判定結果が“YES” の場合には、CPU51は、ST24としてそのゲート番号(n−1)に関連付けられたステータスデータS(n-1)を判別する。このステータスデータS(n-1)が動作状態「読取中」を示す値“1”であるとき、読取開始情報送信元の第1のゲート制御ボックス2Nにおける無線タグ読取装置40Nと、一方の側に隣接する第2のゲート制御ボックス2(N-1)における無線タグ読取装置40(N-1)とは、無線タグ読み取り期間の少なくとも一部が重複する。この場合(ST25のYES)、CPU51は、ST26としてゲート番号nとゲート番号(n−1)とを組み合わせたゲート番号組合せデータ(n,n−1)を重複メモリ72に格納する。ステータスデータS(n-1)が動作状態「読取中」以外を示す値であるときには、ST26の処理は実行しない。しかる後、CPU51は、ST27の処理に進む。
ST27では、CPU51は、当該ゲート番号nの1つ後のゲート番号(n+1)に関連付けられたステータスデータS(n+1)がゲート管理メモリ71に設定されているか否かを判定する。このステータスデータS(n+1)は、読取開始情報送信元のゲート制御ボックス2Nが設けられている会計用ゲート1Nに対し、他方の方向の隣接する会計用ゲート1(N+1)に設けられたゲート制御ボックス2(N+1)の状態を示す。したがって、読取開始情報送信元のゲート制御ボックス2Nが、一方の端のゲート制御ボックス2Aとは逆側の他方の端に位置するゲート制御ボックスの場合のみ判定結果が“NO”となり、その他のゲート制御ボックスの場合は判定結果が“YES”となる。ST27にて判定結果が“NO”の場合には、今回の読取開始情報受信処理を終了する。
ST27にて判定結果が“YES” の場合には、CPU51は、ST28としてそのゲート番号(n+1)に関連付けられたステータスデータS(n+1)を判別する。このステータスデータS(n+1)が動作状態「読取中」を示す値“1”であるとき、読取開始情報送信元の第1のゲート制御ボックス2Nにおける無線タグ読取装置40Nと、他方の側に隣接する第2のゲート制御ボックス2(N+1)における無線タグ読取装置40(N+1)とは、無線タグ読み取り期間の少なくとも一部が重複する。この場合(ST29のYES)、CPU51は、ST30としてゲート番号nとゲート番号(n+1)とを組み合わせたゲート番号組合せデータ(n,n+1)を重複メモリ72に格納する。ステータスデータS(n+1)が動作状態「読取中」以外を示す値であるときには、ST30の処理は実行しない。以上で、今回の読取開始情報受信処理を終了する。
図10は、ストアコンピュータ4のCPU51が実行する読取結果情報受信処理の手順を示す流れ図である。この処理も、前記タグ情報整合プログラムをCPU51が読み込み実行することによって実現される。
通信ネットワーク3を介して接続されたいずれかのゲート制御ボックス2N(N=A,B,C,…)から無線タグ読取装置40N(N=A,B,C,…)の読取結果情報を受信すると、CPU51は、この処理を開始する。先ず、ST31として受信した読取結果情報から、当該情報に付加されているゲート番号n(n=1,2,3,…)を取得する。次に、CPU51は、ST32としてこの取得したゲート番号nで重複メモリ72を検索する。そして、ST33としてこのゲート番号nと、その1つ前のゲート番号(n−1)との組合せデータ(n,n−1)が重複メモリ72に格納されているか否かを判断する。
ゲート番号組合せデータ(n,n−1)が格納されている場合(ST33のYES)、CPU51は、ST34としてゲート管理メモリ71のゲート番号(n−1)に関連付けられたステータスデータSn-1が動作状態「決済待」を示す値“2”であるか否かを判断する。
ステータスデータSn-1が動作状態「決済待」を示す値“2”でない場合(ST34のNO)、読取結果情報送信元のゲート制御ボックス2Nが設けられた会計用ゲート1Nに対して一方の側に隣接する会計用ゲート1(N-1)のゲート制御ボックス2(N-1)では、無線タグ読取装置40(N-1)による無線タグ読取中の状態が継続している。この場合、CPU51は、ST35としてゲート制御ボックス2Nから受信したゲート番号nの読取結果情報、つまりは無線タグ読取装置40Nの読取結果情報をHDD装置65で一時保存する。また、ST36としてゲート管理メモリ71のゲート番号nに関連付けられたステータスデータSnを動作状態「読取中」を示す値“1”から動作状態「決済待」を示す値“2”に更新する。以上で、今回の読取結果情報受信処理を終了する。
これに対し、ステータスデータSn-1が動作状態「決済待」を示す値“2”であった場合には(ST34のYES)、読取結果情報送信元のゲート制御ボックス2Nが設けられた会計用ゲート1Nに対して一方の側に隣接する会計用ゲート1(N-1)のゲート制御ボックス2(N-1)では、無線タグ読取装置40(N-1)による無線タグ読取中の状態が終了している。この場合、CPU51は、ST37としてゲート番号組合せデータ(n,n−1)に対して後述する重複判定処理を実行する。
この重複判定処理を終了すると、CPU51は、ST38として重複メモリ72を検索して、ゲート番号(n−1)を含む他のゲート番号組合せデータ(n−1、n−2)が存在するか否かを判断する。存在する場合(ST38のNO)、ゲート制御ボックス2(N-1)と、このゲート制御ボックス2(N-1)が設けられた会計用ゲート1(N-1)に対してさらに一方の側に隣接する会計用ゲート1(N-2)のゲート制御ボックス2(N-2)との間で読み取り期間の少なくとも一部が重複しており、この両者間において重複判定処理がまだ実行されていない。この場合、CPU51は、後述するST39〜ST42の処理を実行することなく、ST32の処理に戻る。
重複メモリ72にゲート番号組合せデータ(n−1、n−2)が存在しない場合には(ST38のYES)、ゲート制御ボックス2(N-1)に対する重複判定処理は全て終了したので、CPU51は、ST39として、ゲート制御ボックス2(N-1)から受信したゲート番号(n−1)の読取結果情報、つまりは無線タグ読取装置40(N-1)の読取結果情報をHDD装置65から呼出す。そして、この読取結果情報の各商品IDで商品マスタファイルを検索して、各商品IDにそれぞれ対応して記憶されている商品名、価格等の商品情報を登録商品情報として取得する。こうして、登録商品情報を取得したならば、CPU51は、ST40としてゲート番号(n−1)のゲート制御ボックス2(N-1)にその登録商品情報を送信する。また、ST41としてゲート管理メモリ71のゲート番号(n−1)に関連付けられたステータスデータSn-1を動作状態「決済待」を示す値“2”から「待機中」を示す値“0”に更新する。さらに、ST42として重複メモリ72からゲート番号組合せデータ(n,n−1)を削除する。しかる後、CPU51は、ST32の処理に戻る。
ST32にて重複メモリ72を検索した結果、ゲート番号組合せデータ(n,n−1)が格納されていない場合(ST33のNO)、CPU51は、ST43としてゲート番号nと、その1つ先のゲート番号(n+1)との組合せデータ(n,n+1)が格納されているか否かを判断する。格納されていない場合には(ST43のNO)、CPU51は、後述するST44〜ST50の処理を実行することなく、ST51の処理に進む。
ST51では、CPU51は、ゲート制御ボックス2Nから受信したゲート番号nの読取結果情報、つまりは無線タグ読取装置40Nの読取結果情報の各商品IDで商品マスタファイルを検索して、各商品IDにそれぞれ対応して記憶されている商品名、価格等の商品情報を登録商品情報として取得する。そしてCPU51は、ST52としてゲート番号nのゲート制御ボックス2Nにその登録商品情報を送信する。また、ST53としてゲート管理メモリ71のゲート番号nに関連付けられたステータスデータSnを「待機中」を示す値“0”に更新する。以上で、今回の読取結果情報受信処理を終了する。
重複メモリ72にゲート番号組合せデータ(n、n+1)が格納されていた場合には(ST43のYES)、CPU51は、ST44としてゲート管理メモリ71のゲート番号(n+1)に関連付けられたステータスデータSn+1が動作状態「決済待」を示す値“2”であるか否かを判断する。
ステータスデータSn+1が動作状態「決済待」を示す値“2”でない場合(ST44のNO)、読取結果情報送信元のゲート制御ボックス2Nが設けられた会計用ゲート1Nに対して他方の側に隣接する会計用ゲート1(N+1)のゲート制御ボックス2(N+1)では、無線タグ読取装置40(N+1)による無線タグ読取中の状態が継続している。この場合、CPU51は、前記ST35の処理に進む。すなわち、ゲート制御ボックス2Nから受信したゲート番号nの読取結果情報、つまりは無線タグ読取装置40Nの読取結果情報をHDD装置65で一時保存する。また、ゲート管理メモリ71のゲート番号nに関連付けられたステータスデータSnを動作状態「読取中」を示す値“1”から動作状態「決済待」を示す値“2”に更新する。以上で、今回の読取結果情報受信処理を終了する。
これに対し、ステータスデータSn+1が動作状態「決済待」を示す値“2”であった場合には(ST44のYES)、読取結果情報送信元のゲート制御ボックス2Nが設けられた会計用ゲート1Nに対して他方の側に隣接する会計用ゲート1(N+1)のゲート制御ボックス2(N+1)では、無線タグ読取装置40(N+1)による無線タグ読取中の状態が終了している。この場合、CPU51は、ST45としてゲート番号組合せデータ(n,n+1)に対して後述する重複判定処理を実行する。
この重複判定処理を終了すると、CPU51は、ST46として重複メモリ72を検索して、ゲート番号(n+1)を含む他のゲート番号組合せデータ(n+1、n+2)が存在するか否かを判断する。存在する場合(ST46のNO)、前記ゲート制御ボックス2(N+1)と、このゲート制御ボックス2(N+1)が設けられた会計用ゲート1(N+1)に対してさらに他方の側に隣接する会計用ゲート1(N+2)のゲート制御ボックス2(N+2)との間で読み取り期間の少なくとも一部が重複しており、この両者間において重複判定処理がまだ実行されていない。この場合、CPU51は、後述するST47〜ST50の処理を実行することなく、前記ST51の処理に進む。そして、ST51〜ST53の処理を実行して、今回の読取結果情報受信処理を終了する。
重複メモリ72にゲート番号組合せデータ(n+1、n+2)が存在しない場合には(ST46のYES)、ゲート制御ボックス2(N+1)に対する重複判定処理は全て終了したので、CPU51は、ST47として、ゲート制御ボックス2(N+1)から受信したゲート番号(n+1)の読取結果情報、つまりは無線タグ読取装置40(N+1)の読取結果情報をHDD装置65から呼出す。そして、この読取結果情報の各商品IDで商品マスタファイルを検索して、各商品IDにそれぞれ対応して記憶されている商品名、価格等の商品情報を登録商品情報として取得する。こうして、登録商品情報を取得したならば、CPU51は、ST48としてゲート番号(n+1)のゲート制御ボックス2(N+1)にその登録商品情報を送信する。また、ST49としてゲート管理メモリ71のゲート番号(n+1)に関連付けられたステータスデータSn+1を動作状態「決済待」を示す値“2”から「待機中」を示す値“0”に更新する。さらに、ST50として重複メモリ72からゲート番号組合せデータ(n,n+1)を削除する。しかる後、CPU51は、ST51の処理に進む。そして、ST51〜ST53の処理を実行して、今回の読取結果情報受信処理を終了する。
図11及び図12は、前記ST37またはST45の重複判定処理の手順を示す流れ図である。ゲート制御ボックス2Nから無線タグ読取装置40Nの読取結果情報を受信した際に、このゲート制御ボックス2Nが設けられた会計用ゲート1Nに対して隣接する会計用ゲート1(N-1)または1(N+1)に設けられ、読み取り期間の少なくとも一部がゲート制御ボックス2Nと重複していたゲート制御ボックス2(N-1)または2(N+1)が既に決済待ちの状態にあるとき、CPU51は、この重複判定処理を開始する。
先ず、CPU51は、ST61としてHDD装置65で記憶しているゲート番号i(N)の読取結果情報、つまりは第1の無線タグ読取装置40Nの読取結果情報の商品IDと、ゲート番号j(N−1またはN+1)の読取結果情報、つまりは第2の無線タグ読取装置40(N-1)または40(N+1)の読取結果情報の商品IDとを照合して、重複する商品IDを全て抽出する(照合手段)。そして、抽出した重複商品IDのリストを作成する。ここで、重複する商品IDが存在しない場合には(ST62のNO)、CPU51は、この重複判定処理を終了する。
重複する商品IDが存在しており、重複商品IDリストが作成された場合には(ST62のYES)、CPU51は、ST63としてこの重複商品IDリストに記録された商品IDの数をしきい値Kとして記憶する。また、ST64としてこのしきい値Kと比較するカウンタnを“0”にリセットする。次に、CPU51は、ST65として上記カウンタnを“1”だけカウントアップする。そして、ST66として上記カウンタnがしきい値Kを越えたか否かを判断する。
カウンタnがしきい値Kを越えていない場合(ST66のNO)、CPU51は、ST67として第1の無線タグ読取装置40Nの読取結果情報から、重複商品IDリストのn番目に記録された重複商品IDを読み取ったアンテナの数Aiを取得する。また、ST68として第2の無線タグ読取装置40(N-1)または40(N+1)の読取結果情報から、同重複商品IDを読み取ったアンテナの数Ajを取得する。そして、ST69として上記アンテナの数AiとAjとを比較する。その結果、上記アンテナの数AiとAjとが等しい場合には、ST65の処理に戻る。
これに対し、Ai>Aj、すなわちn番目の重複商品IDを読み取ったアンテナの数が、第2の無線タグ読取装置40(N-1)または40(N+1)より第1の無線タグ読取装置40Nの方が多い場合には、CPU51は、ST70として第2の無線タグ読取装置40(N-1)または40(N+1)の読取結果情報から、n番目の重複商品IDのデータを削除する。また、ST71として重複商品IDリストから、n番目の重複商品IDを削除する。しかる後、ST65の処理に戻る。
また、Ai<Aj、すなわちn番目の重複商品IDを読み取ったアンテナの数が、第1の無線タグ読取装置40Nより第2の無線タグ読取装置40(N-1)または40(N+1)の方が多い場合には、CPU51は、ST72として第1の無線タグ読取装置40Nの読取結果情報から、n番目の重複商品IDのデータを削除する。また、ST73として重複商品IDリストから、n番目の重複商品IDを削除する。しかる後、ST65の処理に戻る。
こうして、カウンタnを“1”ずつカウントアップする毎に、第1の無線タグ読取装置40Nの読取結果情報と第2の無線タグ読取装置40(N-1)または40(N+1)の読取結果情報とから、それぞれ重複商品IDリストのn番目に記録された重複商品IDを読み取ったアンテナの数Ai,Ajを取得し、このアンテナの数Ai,Ajを比較する(比較手段)。
そして、第1の無線タグ読取装置40Nの方が第2の無線タグ読取装置40(N-1)または40(N+1)よりもn番目の重複商品IDを読み取ったアンテナの数が多いときには(Ai>Aj)、第2の無線タグ読取装置40(N-1)または40(N+1)の読取結果情報から同重複商品IDのデータを削除する。第1の無線タグ読取装置40Nの読取結果情報に含まれる同重複商品IDのデータは削除せずに残す。逆に、第2の無線タグ読取装置40(N-1)または40(N+1)の方が第1の無線タグ読取装置40Nよりもn番目の重複商品IDを読み取ったアンテナの数が多いときには(Ai<Aj)、第1の無線タグ読取装置40Nの読取結果情報から同重複商品IDのデータを削除する。第2の無線タグ読取装置40(N-1)または40(N+1)の読取結果情報に含まれる同重複商品IDのデータは削除せずに残す(整合手段)。
ST66にて、カウンタnがしきい値Kを越えた場合には、CPU51は、ST81として重複商品IDリストに未だ重複商品IDが残っているか否かを判断する。残っていない場合には、次の処理(ST38またはST46)に進む。
読み取ったアンテナの数AiとAjとが等しい重複商品IDが存在した場合には、ST81の時点で重複商品IDリストにその重複商品IDが残っている。この場合(ST81のYES)、CPU51は、ST82として番号テーブル80を検索して、ゲート番号i,jの組み合わせに対応して設定されている選択アンテナ番号x,yを選択する。
選択アンテナ番号xは、ゲート番号iのゲート制御ボックス2Nに対して読み直しアンテナとして指定されるアンテナの番号である。選択アンテナ番号yは、ゲート番号jのゲート制御ボックス2(N-1)または2(N+1)に対して読み直しアンテナとして指定されるアンテナの番号である。
CPU51は、ST83としてゲート番号iのゲート制御ボックス2Nとゲート番号jのゲート制御ボックス2(N-1)または2(N+1)とに、重複商品IDリストのデータをそれぞれ送信する(リスト配信手段)。しかる後、CPU51は、ST84としてゲート番号iのゲート制御ボックス2Nに対して重複商品IDの読み直しを指令する。このとき、読み直しアンテナとしてアンテナ番号xを指定する。また、同様に、ゲート番号jのゲート制御ボックス2(N-1)または2(N+1) に対して重複商品IDの読み直しを指令する。このとき、読み直しアンテナとしてアンテナ番号yを指定する(読み直し制御手段)。
上記重複商品IDの読み直し指令を受信したゲート制御ボックス2N、2(N-1)または2(N+1)のCPU11は、図13に具体的に示す読み直し指令受信処理を実行する。
すなわち、ストアコンピュータ4に読取結果情報を送信した後(ST11)、ストアコンピュータ4から読み直し指令を受信すると(ST12のYES)、CPU11は、この読み直し指令受信処理を開始する。先ず、CPU11は、ST91としてこの指令の前に受信した重複商品IDリストのデータをRAM14で記憶する。次いで、ST92として読み直しアンテナとして指定されたアンテナ番号xのアンテナを選択させるためのコマンドを無線タグリーダ20に通知する。そして、ST93として無線タグリーダ20に起動を指令する。
この起動指令を受けた無線タグリーダ20の無線処理部22は、所定の送信データを変調部23に与える。また、アンテナ切換器30をアンテナ番号xのアンテナ(アンテナ6xと称する)側に固定する。これにより、読み直しアンテナとして指定された一方のアンテナ6xからのみ変調電波が放射される。
アンテナ6xから放射された変調電波を受信した無線タグは、自己のメモリで記憶しているID情報、つまりは商品IDを変調電波に重ねて応答する。このときの無線タグからの変調電波は、アンテナ6xで受信され、復調部26で復調されて無線処理部22に入力される。無線処理部22は、復調されたデータから無線タグの商品IDを読取る。そして、この商品IDを、アンテナ6xで読み取ったことを示す情報とともに、通信部21を介してリーダインターフェース16に出力する。
CPU11は、無線タグリーダ20に起動を指令した後、ST94としてその無線タグリーダ20で商品IDが読み取られるのを待機する。そして、無線タグリーダ20で読み取られた商品IDを、リーダインターフェース16を介して受信すると(ST94のYES)、CPU11は、ST95としてその商品IDがRAM14に記憶した重複商品IDリストに記録されているか否かを判断する。記録されていない場合には(ST95のNO)、次の商品IDが読み取られるのを待機する。
読み取った商品IDが重複商品IDリストに記録されている場合には(ST95のYES)、CPU11は、ST96として読み直し結果情報を作成して、RAM14に記憶する(抽出手段)。この読み直し結果情報には、無線タグリーダ20で読み取った商品IDと、当該ゲート制御ボックス2Aに設定されているゲート番号“1”と、アンテナ番号xとが含まれる。しかる後、CPU11は、次の商品IDが読み取られるのを待機する。
CPU11は、無線タグリーダ20で読み取られた商品IDを受信する毎に、上記ST95,ST96の処理を繰り返す。また、CPU11は、ST97として商品IDの読み取り期間が終了したか否かを判断する。例えば、商品IDを受信しない時間が所定時間継続したならば、CPU11は読み取り期間が終了したと判定する。読み取り期間が終了すると(ST97のYES)、CPU11は、ST98としてRAM14に記憶した読み直し結果情報を、予め設定されたゲート番号とともにネットワークインターフェース17を介してストアコンピュータ4に送信する(通知手段)。
しかる後、CPU11は、ST99としてストアコンピュータ4から登録商品情報が返信されるのを待機する。登録商品情報が返信されたならば(ST99のYES)、CPU11は、ST100〜ST103として前記ST14〜ST17と同様な処理を実行する。
図12に説明を戻す。
ST84にてゲート番号iのゲート制御ボックス2N及びゲート番号jのゲート制御ボックス2(N-1)または2(N+1) に対して重複商品IDの読み直しを指令したストアコンピュータ4のCPU51は、ST85として上記ゲート制御ボックス2N、2(N-1)または2(N+1)から読み直し結果情報を受信するのを待機する。ネットワークインターフェース51を介して読み直し結果情報を受信したならば(ST85のYES)、CPU51は、ST86としてこの受信した読み直し結果情報に含まれるゲート番号から読み直し結果情報の送信元を判別する。
ここで、送信元がゲート番号iのゲート制御ボックス2Nであった場合、CPU51は、ST87としてRAM54に記憶しているゲート番号jの読取結果情報、つまりは、第2の無線タグ読取装置40(N-1)または40(N+1)の読取結果情報からゲート番号iの読み直し結果情報に含まれる商品IDのデータを削除する。ゲート番号iの読取結果情報、つまりは、第1の無線タグ読取装置40Nの読取結果情報はそのままとする。これに対し、送信元がゲート番号jのゲート制御ボックス2(N-1)または2(N+1)であった場合には、CPU51は、ST88としてRAM54に記憶しているゲート番号iの読取結果情報、つまりは、第1の無線タグ読取装置40Nの読取結果情報からゲート番号jの読み直し結果情報に含まれる商品IDのデータを削除する。ゲート番号jの読取結果情報、つまりは、第2の無線タグ読取装置40(N-1)または40(N+1)の読取結果情報はそのままとする(第2の整合手段)。
ST87又はST88の処理が終了すると、CPU51は、ST89としてゲート番号iのゲート制御ボックス2Nとゲート番号jのゲート制御ボックス2(N-1)または2(N+1)とからそれぞれ読み直し結果情報を受信したか否かを判断する。まだ、一方しか受信していない場合には、ST85に戻る。そして、他方のゲート制御ボックスからの読み直し結果情報を待機する。両ゲート制御ボックスからそれぞれ読み直し結果情報を受信した場合には、CPU51は、次の処理(ST38またはST46)に進む。
このような構成の会計システムが構築された小売店においては、買物客は、買上商品をショッピングカート5に収容する。そして、会計の際には空いている会計用ゲートに入り、タッチパネル付ディスプレイに表示された会計案内画面の商品読取開始ボタンをタッチ操作する。
今、買物客が第1の会計用ゲート1Aに入り、タッチパネル付ディスプレイ7Aに表示された会計案内画面の商品読取開始ボタンをタッチ操作したとする。そうすると、この会計用ゲート1Aに設けられたゲート制御ボックス2Aからストアコンピュータ4に読取開始情報が送信される(ST1〜ST3)。これに応じて、ストアコンピュータ4では、ゲート管理メモリ71の会計用ゲート1Aに対するゲート番号“1”に対応したステータスデータS1が、動作状態「読取中」を示す“1”に更新される(ST21,ST22)。
また、会計用ゲート1Aでは、無線タグリーダ20が起動して、アンテナ6AR,6ALから電波が放射される(ST4)。ショッピングカート5内に収容された商品に取り付けられた無線タグは、この電波を受信する。電波を受信した無線タグは、自己のメモリで記憶しているID情報、つまりは商品IDを無線送信する。
無線タグリーダ20は、ID問合せ電波に応答した無線タグから商品IDを読取る毎に、読み取ったアンテナのアンテナ番号を含む第1アンテナ読取結果情報または第2アンテナ読取結果情報を作成する(ST6〜ST8)。
ここで、別の買物客が隣接する第2の会計用ゲート1Bに入り、タッチパネル付ディスプレイ7Bに表示された会計案内画面の商品読取開始ボタンをタッチ操作したとする。そうすると、この会計用ゲート1Bに設けられたゲート制御ボックス2Bからストアコンピュータ4に読取開始情報が送信される(ST1〜ST3)。これに応じて、ストアコンピュータ4では、ゲート管理メモリ71の会計用ゲート1Bに対するゲート番号“2”に対応したステータスデータS2が、動作状態「読取中」を示す“1”に更新される(ST21,ST22)。また、このとき、会計用ゲート1Bに隣接する会計用ゲート1Aのゲート番号“1”に対応したステータスデータS1が“1”であるので、ゲート番号組合せデータ(1,2)が重複メモリ72に格納される(ST23〜ST26)。
その後、先に、会計用ゲート1Aにおいて、無線タグの読取処理が終了すると、ゲート制御ボックス2Aでは、第1アンテナ読取結果情報と第2アンテナ読取結果情報とから無線タグ読取装置40Aの読取結果情報が編集される。そして、この読取結果情報がゲート番号“1”とともにストアコンピュータ4に送信される(ST9〜ST11)。
このとき、重複メモリ72には、会計用ゲート1Aに対するゲート番号“1”を含むゲート番号組合せデータ(1,2)が存在する。そして、相手方のゲート番号“2”に対応したステータスデータS2は、動作状態「読取中」を示す“1”のままである。したがって、ゲート制御ボックス2Aから送信された無線タグ読取装置40Aの読取結果情報は、HDD装置65で一時的に保存される(ST31〜ST35)。また、ステータスデータS1が動作状態「決済待」に更新される(ST36)。
続いて、会計用ゲート1Bにおいて、無線タグの読取処理が終了すると、ゲート制御ボックス2Bでは、第1アンテナ読取結果情報と第2アンテナ読取結果情報とから無線タグ読取装置40Bの読取結果情報が編集される。そして、この読取結果情報がゲート番号“2”とともにストアコンピュータ4に送信される(ST9〜ST11)。
このとき、重複メモリ72には、会計用ゲート1Bに対するゲート番号“2”を含むゲート番号組合せデータ(1,2)が存在する。そして、相手方のゲート番号“1”に対応したステータスデータS1は、動作状態「決済待」を示す“2”に更新されている。したがって、ストアコンピュータ4では、ゲート番号組合せデータ(1,2)の重複判定処理が実行される(ST37)。
ここで、ゲート制御ボックス2Aから送信された無線タグ読取装置40Aの読取結果情報を図14の符号101で示し、ゲート制御ボックス2Bから送信された無線タグ読取装置40Bの読取結果情報を符号102で示す。すなわち、ゲート制御ボックス2Aの無線タグ読取装置40Aでは、アンテナ番号“1R”の一方のアンテナ6ARを介して5つの商品ID[123001],[123002],[123003],[123004],[123005]が読み取られ、アンテナ番号“1L”の他方のアンテナ6ALを介して6つの商品ID[123002],[123003],[123004],[123005],[123006],[123007]が読み取られている。ゲート制御ボックス2Bの無線タグ読取装置40Bでは、アンテナ番号“2R”の一方のアンテナ6BRを介して5つの商品ID[123005],[123006],[123007],[123008],[123009]が読み取られ、アンテナ番号“2L”の他方のアンテナ6BLを介して3つの商品ID[123007],[123008],[123009]が読み取られている。
したがって、商品ID[123005]は、ゲート制御ボックス2Aの一方のアンテナ6ARと他方のアンテナ6ALで読み取られるとともに、ゲート制御ボックス2Bの一方のアンテナ6BRでも読み取られている。商品ID[123006]は、ゲート制御ボックス2Aの他方のアンテナ6ALで読み取られるとともに、ゲート制御ボックス2Bの一方のアンテナ6BRでも読み取られている。商品ID[123007]は、ゲート制御ボックス2Aの他方のアンテナ6ALで読み取られるとともに、ゲート制御ボックス2Bの一方のアンテナ6BRと他方のアンテナ6BLでも読み取られている。
この場合、ストアコンピュータ4では先ず、読取結果情報101と読取結果情報102との照合により、商品ID[123005]、商品ID[123006]及び商品ID[123007]が重複商品IDとして抽出される。そして、図15の重複商品IDリスト103が作成される(ST61)。
次いで、無線タグ読取装置40Aの読取結果情報101から1番目の重複商品ID[123005]を読み取ったアンテナの数Aiが取得される(ST67)。また、無線タグ読取装置40Bの読取結果情報102から同重複商品ID[123005]を読み取ったアンテナの数Ajが取得される(ST68)。このとき、アンテナの数Aiは“2”であり、アンテナの数Ajは“1”であるから、[Ai>Aj]が成立する。したがって、図16に示すように、重複商品ID[123005]のデータは、無線タグ読取装置40Bの読取結果情報102から削除され、無線タグ読取装置40Aの読取結果情報101には残る。また、図17に示すように、重複商品IDリスト103から重複商品ID[123005]が削除される(ST69,ST70,ST71)。
次いで、無線タグ読取装置40Aの読取結果情報101から2番目の重複商品ID[123006]を読み取ったアンテナの数Aiが取得される(ST67)。また、無線タグ読取装置40Bの読取結果情報102から同重複商品ID[123006]を読み取ったアンテナの数Ajが取得される(ST68)。このとき、アンテナの数Aiは“1”であり、アンテナの数Ajも“1”であるから、[Ai=Aj]が成立する。したがって、重複商品ID[123006]のデータは、無線タグ読取装置40A及び無線タグ読取装置40Bの各読取結果情報101,102に残る。また、重複商品ID[123006]も重複商品IDリスト103に残る(ST69)。
次いで、無線タグ読取装置40Aの読取結果情報101から3番目の重複商品ID[123007]を読み取ったアンテナの数Aiが取得される(ST67)。また、無線タグ読取装置40Bの読取結果情報102から同重複商品ID[123007]を読み取ったアンテナの数Ajが取得される(ST68)。このとき、アンテナの数Aiは“1”であり、アンテナの数Ajは“2”であるから、[Ai<Aj]が成立する。したがって、図18に示すように、重複商品ID[123007]のデータは、無線タグ読取装置40Aの読取結果情報101から削除され、無線タグ読取装置40Bの読取結果情報102には残る。また、図19に示すように、重複商品IDリスト103から重複商品ID[123007]が削除される(ST69,ST72,ST73)。
しかる後、図19に示すように、重複商品IDリスト103には重複商品ID[123006]がまだ残っているので(ST81)、番号テーブル80が検索される。この場合、ゲート番号iは“1”であり、ゲート番号jは“2”であるから、図6によると、選択アンテナ番号xとして“1R”が選択され、選択アンテナ番号yとして“2L”が選択される(ST82)。そして、ストアコンピュータ4から第1及び第2の会計用ゲート1A,1Bの各ゲート制御ボックス2A,2Bに対して、重複商品ID[123006]のみが記憶された図19の重複商品IDリスト103が送信される(ST83)。また、ストアコンピュータ4からゲート制御ボックス2Aに対しては、読み直しアンテナとしてアンテナ番号 “1R”が指定されて、重複商品IDの読み直しが指令され、ゲート制御ボックス2Bに対しては、読み直しアンテナとしてアンテナ番号“2L”が指定されて、重複商品IDの読み直しが指令される(ST84)。
この指令を受けて、第1の会計用ゲート1Aでは、アンテナ番号“1R”のアンテナ6ARから電波が放射される。一方、第2の会計用ゲート1Bでは、アンテナ番号“2L”のアンテナ6BLから電波が放射される。アンテナ6ARからの電波は、第2の会計用ゲート1Bから離れる方向に放射される。一方、アンテナ6BLからの電波は、第1の会計用ゲート1Aから離れる方向に放射される。このように、重複商品IDを同数のアンテナで読み取った隣接する会計用ゲート1A,1Bにおいては、電波の放射方向が相反するように背中合わせに配置されたアンテナ6AR,6BLがそれぞれ指定されて、無線タグのID情報の読み直しが行われる。
アンテナ6ARから放射された電波は、第2の会計用ゲート1B内に存在する無線タグには届かない。同様に、アンテナ6BRから放射された電波は、第1の会計用ゲート1A内に存在する無線タグには届かない。したがって、仮に重複商品ID[123006]の無線タグが第1の会計用ゲート1A内に存在する場合には、アンテナ6ARを選択的に起動した無線タグ読取装置40Aが重複商品ID[123006]を読み取ることができる。アンテナ6BLを起動した無線タグ読取装置40Bは、重複商品ID[123006]を読み取ることはできない。
重複商品ID[123006]が無線タグ読取装置40Aで読み取られたとすると、第1の会計用ゲート1Aのゲート制御ボックス2Aでは、図20に示す内容の読み直し結果情報104が作成され、ストアコンピュータ4に送信される。一方、第2の会計用ゲート1Bのゲート制御ボックス2Bでは、空の読み直し結果情報が作成され、ストアコンピュータ4に送信される。
ストアコンピュータ4では、読み直し結果情報104により、図21に示すように、無線タグ読取装置40Bの読取結果情報102から重複商品ID[123006]のデータが削除される。無線タグ読取装置40Aの読取結果情報101には、重複商品ID[123006]のデータが残る(ST85,ST86,ST87)。
このように、本実施形態では、読み取り期間の少なくとも一部が重複する第1の無線タグ読取装置40Nと第2の無線タグ読取装置40(N-1)または40(N+1)との間でそれぞれ読み取られた読取結果情報を照合して、重複するID情報を検索する。重複するID情報が検出されると、各重複ID情報にそれぞれ関連付けられたアンテナ番号を基に、重複ID情報毎にその重複ID情報を受信したアンテナの数を第1の無線タグ読取装置40Nと第2の無線タグ読取装置40(N-1)または40(N+1)との間で比較する。そして、受信したアンテナの数が少ないと判定された側の重複ID情報を削除し、多いと判定された側の重複ID情報を残す。つまり、受信したアンテナの数が多い方のID情報を有効とし、少ない方のID情報を無効としている。
隣接する第1の無線タグ読取装置40Nと第2の無線タグ読取装置40(N-1)または40(N+1)とにおいて、少なくとも電波の放射方向が相反するように背中合わせに配置されたアンテナは、いずれも他方の無線タグ読取装置が設けられている会計用ゲート内の無線タグを読み取ることはできない。したがって、受信したアンテナの数が多い方を有効とすることで、隣り合うゲートの間隔が狭く、一方のゲートに設けられたアンテナで受信されるべき無線タグの情報を他方のゲートに設けられたアンテナで受信してしまった場合でも、自動的に修正することができる。
また、本実施形態では、重複ID情報を受信したアンテナの数を比較した結果、同数であったとき、第1の無線タグ読取装置40Nに対応する会計用ゲートに取り付けられた複数のアンテナと第2の無線タグ読取装置40(N-1)または40(N+1)に対応する会計用ゲートに取り付けられた複数のアンテナとのなかで、電波の放射方向が相反するように背中合わせに配置されたアンテナをそれぞれ指定して、第1の無線タグ読取装置40N及び第2の無線タグ読取装置40(N-1)または40(N+1)に重複ID情報の読み直しを行わせる。そして、読み直しによって受信できなかった側の重複ID情報を削除し、受信できた側の重複ID情報を残す。
前述したように、隣接する第1の無線タグ読取装置40Nと第2の無線タグ読取装置40(N-1)または40(N+1)とにおいて、少なくとも電波の放射方向が相反するように背中合わせに配置されたアンテナは、他方の無線タグ読取装置が設けられている会計用ゲート内の無線タグを読み取ることはできない。したがって、少なくとも電波の放射方向が相反するように背中合わせに配置されたアンテナを使用して読み直しをさせ、受信できた側の重複ID情報を有効とすることによって、正しく修正することができる。
(第2の実施形態)
次に、本発明に係る第2の実施形態について説明する。
第1の実施形態では、ストアコンピュータ4のCPU51が実行する重複判定処理において、読み取ったアンテナの数AiとAjとが等しい重複商品IDが存在しているとき(ST81のYES)、ゲート番号iのゲート制御ボックス2Nとゲート番号jのゲート制御ボックス2(N-1)または2(N+1)とに、重複商品IDリストのデータをそれぞれ送信し(ST83)、ゲート制御ボックス2N、2(N-1)または2(N+1)側で、重複商品IDリストに記録されているID情報を読み直し結果情報として処理する(ST91〜ST98)。
第2の実施形態では、ストアコンピュータ4からゲート制御ボックス2N、2(N-1)または2(N+1)に重複商品IDリストのデータを送信しない。重複商品IDリストは、ストアコンピュータ4が保持する(リスト保持手段)。ストアコンピュータ4は、ゲート制御ボックス2N側の無線タグ読取装置40Nにより読み直しされたID情報の中から、重複商品IDリストに記録されているID情報を抽出すると、このID情報をゲート制御ボックス2(N-1)または2(N+1)側の無線タグ読取装置40(N-1)または40(N+1)による読取結果情報から削除する。逆に、ゲート制御ボックス2(N-1)または2(N+1)側の無線タグ読取装置40(N-1)または40(N+1)により読み直しされたID情報の中から、重複商品IDリストに記録されているID情報を抽出すると、このID情報をゲート制御ボックス2N側の無線タグ読取装置40Nによる読取結果情報から削除する。
このような構成の第2の実施形態は、図22及び図23の流れ図によって説明される。図22は、ストアコンピュータ4のCPU51が実行する重複判定処理の後半部(ST83以降)を示す流れ図である。図23は、ゲート制御ボックス2N、2(N-1)または2(N+1)のCPU11が実行する読み直し指令受信処理を示す流れ図である。なお、図22及び図23において、第1の実施形態で対応する図12及び図13と共通する部分には同一のステップ番号を付す。
図22において、読み取ったアンテナの数AiとAjとが等しい重複商品IDが存在しており、重複商品IDリストにその重複商品IDが残っている場合(ST81のYES)、CPU51は、番号テーブル80を検索して、ゲート番号i,jの組み合わせに対応して設定されている選択アンテナ番号x,yを選択する(ST82)。そして、ゲート番号iのゲート制御ボックス2N、及びゲート番号jのゲート制御ボックス2(N-1)または2(N+1) に対して、それぞれ重複商品IDの読み直しを指令する(ST84)。すなわち、第2の実施形態では、ST83の重複商品IDリスト送信処理が省略される。
ストアコンピュータ4から読み直し指令を受信したゲート制御ボックス2N、2(N-1)または2(N+1)のCPU11は、読み直しアンテナとして指定されたアンテナ番号xのアンテナを選択させるためのコマンドを無線タグリーダ20に通知する(ST92)。そして、無線タグリーダ20に起動を指令する(ST93)。その後、無線タグリーダ20で読み取られた商品IDを、リーダインターフェース16を介して受信する毎に(ST94のYES)、CPU11は、その商品IDと、ゲート番号と、アンテナ番号とが含まれる読み直し結果情報を作成する(ST96)。そして、読み取りが終了すると(ST97のYES)、CPU11は、読み直し結果情報をゲート番号とともにストアコンピュータ4に送信する(ST98:通知手段)。以後の処理(ST99〜ST103)は、第1の実施形態と共通である。このように、第2の実施形態では、ST91及びST95の処理が省略される。
ストアコンピュータ4のCPU51は、ゲート制御ボックス2N、2(N-1)または2(N+1)から読み直し結果情報を受信すると(ST85のYES)、この読み直し結果情報の送信元を判別する(ST86)。ここで、送信元がゲート番号iのゲート制御ボックス2Nであった場合、CPU51は、ST111としてゲート番号iの読み直し結果情報、つまりは、第1の無線タグ読取装置40Nの読み直し結果情報から、重複商品IDリストに含まれる商品IDのデータを抽出する(第1の抽出手段)。そして、ST112としてゲート番号jの読取結果情報、つまりは、第2の無線タグ読取装置40(N-1)または40(N+1)の読取結果情報から、ST111の処理で抽出した商品IDのデータを削除する(第2の整合手段)。
これに対し、読み直し結果情報の送信元がゲート番号jのゲート制御ボックス2(N-1)または2(N+1)であった場合には、CPU51は、ST113としてゲート番号jの読み直し結果情報、つまりは、第2の無線タグ読取装置40(N-1)または40(N+1)の読み直し結果情報から、重複商品IDリストに含まれる商品IDのデータを抽出する(第2の抽出手段)。そして、ST114としてゲート番号iの読取結果情報、つまりは、第1の無線タグ読取装置40Nの読取結果情報から、ST113の処理で抽出した商品IDのデータを削除する(第2の整合手段)。
CPU51は、ゲート番号iのゲート制御ボックス2Nとゲート番号jのゲート制御ボックス2(N-1)または2(N+1)とからそれぞれ読み直し結果情報を受信すると(ST89のYES)、次の処理(ST38またはST46)に進む。
このように構成された第2の実施形態においても、第1の実施形態と同様な作用効果を奏する。
なお、この発明は前記第1,第2の実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。
例えば前記実施形態では、無線タグ読取装置の読取結果情報を、商品IDとゲート番号とが一致するレコードが他に存在しないレコードについてはそのまま残し、存在するレコードについては1つだけを残して他を削除し、残したレコードに他の削除したレコードのアンテナ番号を追加して作成したが(図8を参照)、図24に示すように、アンテナ番号の代わりに、対応する商品IDを読み取ったアンテナの数としてもよい。
また、前記実施形態では、装置内部に発明を実施する機能が予め記録されている場合で説明をしたが、これに限らず同様の機能をネットワークから装置にダウンロードしても良いし、同様の機能を記録媒体に記憶させたものを装置にインストールしてもよい。記録媒体としては、CD−ROM等プログラムを記憶でき、かつ装置が読み取り可能な記録媒体であれば、その形態は何れの形態であっても良い。またこのように予めインストールやダウンロードにより得る機能は装置内部のOS(オペレーティング・システム)等と協働してその機能を実現させるものであってもよい。
この他、前記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組合せにより種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。さらに、異なる実施形態に亘る構成要素を組合わせてもよい。