JP5015079B2 - バーンイン装置及びその制御方法 - Google Patents

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Description

本発明は、バーンイン装置及びその制御方法に関する。
電子部品等のデバイスの初期不良を顕在化し、初期故障品の除去を行うためのスクリーニング試験の一種であるバーンイン(burn-In)試験を行う装置として、バーンイン装置が知られている。このバーンイン装置では、被試験デバイス(Device Under Test)である半導体装置を複数装着したバーンインボードをバーンイン装置の内部に収容し、所定の電圧を印加して電気的ストレスを与えるとともに、被試験デバイスを加熱したり冷却したりして熱的ストレスを与えることにより、初期不良を顕在化させる。
このようなバーンイン装置では、数時間から数十時間に亘る長時間のバーンイン試験が行われることから、試験効率を向上させるために、複数の被試験デバイスを1枚のバーンインボードに装着するとともに、このバーンインボードを複数毎、バーンイン装置に挿入して、バーンイン試験を行うのが一般的である(例えば、特許文献1:特開2006−308517号公報参照)。
このようなバーンイン装置においては、個々の被試験デバイスの温度をより高い精度で制御するために、加熱機構と冷却機構を有する温度制御ブロックを、被試験デバイスに接触させ、被試験デバイスを直接、加熱したり冷却したりすることが提案されている(例えば、特許文献2:特開2005−265665号公報)。温度制御ブロックに冷却機構を設けるためには、冷却装置から送出された冷媒が温度制御ブロック内を通過するようにするとともに、この温度制御ブロック内部を流れる冷媒の流量を、個々の温度制御ブロック毎に制御して、被試験デバイスの温度を個別に制御できるようにする必要がある。
このように個々の温度制御ブロック毎に、冷媒の流量を制御するためには、各温度制御ブロックに、冷媒が内部に流れ込む流量を調節するためのバルブ等の調節機構が必要となる。しかし、このような調節機構を個々の温度制御ブロックに設けると、1つのバーンイン装置内に設けられている温度制御ブロックの数が膨大であることから、バーンイン装置の製造コストが著しく増大することとなる。
特開2006−308517号公報 特開2005−265665号公報
そこで本発明は、前記課題に鑑みてなされたものであり、個々の温度制御ブロックに冷媒の流量を制御する機構を設けずとも、被試験デバイスを所望の温度に制御することができるようにしたバーンイン装置及びその制御方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決するため、本発明に係るバーンイン装置は、
バーンイン試験の際に、複数の被試験デバイスの温度制御を行うための、複数の温度制御ブロックであって、それぞれが、個別の被試験デバイスと接触して、被試験デバイスの温度制御を行う、複数の温度制御ブロックと、
前記複数の温度制御ブロックのそれぞれに冷媒を供給する、冷却装置であって、前記冷媒の温度が冷媒設定温度となるように制御しながら、前記冷媒を供給する、冷却装置と、
前記複数の温度制御ブロックのそれぞれに設けられた、ヒータと、
前記被試験デバイスが目標温度となるように、前記ヒータの出力を個別に制御する、ヒータ制御ユニットと、
前記ヒータの出力であるヒータ出力値のうち最も低いヒータ出力値が第1閾値以下である場合に、前記冷媒設定温度を下げ、前記ヒータ出力値のうち最も低いヒータ出力値が第2閾値以上である場合に、前記冷媒設定温度を上げる、冷却装置制御部と、
を備えることを特徴とする。
この場合、前記複数の温度制御ブロックには、各温度制御ブロック内部を流れる冷媒の流量を制御する機構は設けられていないようにしてもよい。
また、前記冷却装置から前記複数の温度制御ブロックに供給された冷媒は、再び、前記冷却装置の戻る循環が構成されているようにしてもよい。
また、前記冷却装置制御部は、異なるタイミングで前記最も低いヒータ出力値を複数回取得して、その平均値を算出するとともに、前記平均値が前記第1閾値以下である場合に、前記冷媒設定温度を下げ、前記平均値が前記第2閾値以上である場合に、前記冷媒設定温度を上げるようにしてもよい。
また、前記冷却装置制御部が、最初に前記冷媒設定温度を設定する際には、その時点の冷媒の温度を前記冷媒設定温度とするようにしてもよい。
或いは、前記冷却装置制御部が、最初に前記冷媒設定温度を設定する際には、
その時点のヒータ出力値が前記第1閾値以下である場合には、その時点の冷媒の温度より下げた温度を前記冷媒設定温度として設定し、
その時点のヒータ出力値が前記第2閾値以上である場合には、その時点の冷媒の温度より上げた温度を前記冷媒設定温度として設定し、
その時点のヒータ出力値が前記第1閾値より大きく且つ前記第2閾値未満である場合には、その時点の冷媒の温度を前記冷媒設定温度として設定するようにしてもよい。
また、前記被試験デバイスの前記目標温度を変更するための目標温度変更シーケンスを実行する、試験制御部をさらに備え、
前記試験制御部における前記目標温度変更シーケンスにより、前記被試験デバイスの温度と前記変更後の目標温度との差が、所定範囲に到達した場合に、前記冷却装置制御部による制御が開始されるようにしてもよい。
また、前記ヒータ制御ユニットは、前記複数の温度制御ブロックのそれぞれに設けられた温度センサから、前記被試験デバイスの温度を取得し、前記被試験デバイスのそれぞれが前記目標温度になるように、前記ヒータの出力の制御を自律的に行うようにしてもよい。
また、前記冷媒装置制御部が、前記冷媒設定温度を下げる場合には、第1温度幅だけ前記冷媒設定温度を下げ、前記冷媒設定温度を上げる場合には、第2温度幅だけ前記冷媒設定温度を上げるようにしてもよい。
本発明に係るバーンイン試験の制御方法は、
バーンイン試験の際に、複数の被試験デバイスの温度制御を行うための、複数の温度制御ブロックであって、それぞれが、個別の被試験デバイスと接触して、被試験デバイスの温度制御を行う、複数の温度制御ブロックと、
前記複数の温度制御ブロックのそれぞれに冷媒を供給する、冷却装置であって、前記冷媒の温度が冷媒設定温度となるように制御しながら、前記冷媒を供給する、冷却装置と、
前記複数の温度制御ブロックのそれぞれに設けられた、ヒータと、
を備えるバーンイン試験の制御方法であって、
前記被試験デバイスが目標温度となるように、前記ヒータの出力を個別に制御するとともに、
前記ヒータの出力であるヒータ出力値のうち最も低いヒータ出力値が第1閾値以下である場合に、前記冷媒設定温度を下げ、前記ヒータ出力値のうち最も低いヒータ出力値が第2閾値以上である場合に、前記冷媒設定温度を上げる制御を行う、
ことを特徴とする。
発明を実施するための形態
以下、図面を参照して、本発明の一実施形態を説明する。なお、以下に説明する実施形態は、本発明の技術的範囲を限定するものではない。
図1は、本発明の一実施形態に係るバーンインシステムの全体的な正面図であり、図2は、図1に示したバーンインシステムを右側から見た場合の側面図である。
これら図1及び図2に示すように、本実施形態に係るバーンインシステムにおけるバーンイン装置10は、内部にチャンバ20を備えている。このチャンバ20は、断熱壁等により区画されており、複数のバーンインボードBIBが収納される。本実施形態の例では、バーンインボードBIBを支持するためのスロット30が、16段2列で配置されており、合計32枚のバーンインボードBIBを、このチャンバ20内に収納することが可能である。但し、このチャンバ20内に収納することの可能なバーンインボードBIBの枚数や、チャンバ20内におけるバーンインボードBIBの配置は、任意に変更可能である。なお、これらのバーンインボードBIBとバーンイン装置10とにより、本実施形態に係るバーンインシステムが構成されている。
また、このバーンイン装置10には、ドア40が設けられており、ドア40を開状態にすることにより、バーンインボードBIBをチャンバ20から出し入れできるようになり、一方、ドア40を閉状態にすることにより、チャンバ20が閉空間を構成するようになる。本実施形態に係るバーンイン装置10では、このチャンバ20内の温度を、所定のシーケンスに従って上げたり下げたりすることが可能である。
この図1のバーンイン装置10のスロット30には、バーンインボードBIBが挿入されて、バーンインボードBIBを支持するガイド支持機構が形成されているが、チャンバ20内にキャリアラックごと収納するタイプのバーンイン装置の場合には、スロット30にはバーンインボードBIBを支持するガイド支持機構は形成されていない。
各スロット30には、温度調整ボード100が設けられている。温度調整ボード100は、スロット30にバーンインボードBIBを挿入したり抜去したりする際には、上昇した位置にあり、バーンインボードBIBの挿抜を妨げないようにする。一方、スロット30にバーンインボードBIBが挿入された状態でバーンイン試験が開始されると、温度調整ボード100は下降して、バーンインボードBIBに挿入された被試験デバイスと接触し、被試験デバイスの温度制御を行う。
また、本実施形態に係るバーンイン装置10は、冷却装置60を備えている。この冷却装置60は、冷媒をバーンイン装置10内に循環させるための装置であり、冷却装置60から送出された冷媒は、バーンイン装置10内の温度調整ボード100を循環して、再び、冷却装置60に戻ってくるように構成されている。どのような種類の冷媒を用いるのかは任意であるが、例えば、水、フロンガス、フロリナートなどを冷媒として用いることが可能である。
また、本実施形態に係るバーンイン装置10は、制御装置70を備えている。この制御装置70は、バーンイン装置10の全体的な制御を行うための装置である。すなわち、バーンイン試験を行う上で必要な全体的な制御は、この制御装置70により実行される。また、このバーンイン装置10のユーザは、この制御装置70から、バーンイン試験の開始の指示入力をしたり、バーンイン試験に関する各種の設定を入力したりすることができる。
図3は、本実施形態に係る1枚のバーンインボードBIBを上から見た平面図を示している。この図3に示すように、バーンインボードBIBには、マトリックス状態に配置された複数のソケットSKTが設けられている。このソケットSKTのそれぞれには、被試験デバイスである半導体装置が装着される。1枚のバーンインボードBIBに設けるソケットSKTの数は任意である。すなわち、1枚のバーンインボードBIBに装着可能な被試験デバイスの数は任意である。
バーンインボードBIBの挿入方向先端側には、挿入エッジEGが形成されている。バーンインボードBIBに対応して、バーンイン装置10の各スロット30には、エクステンションボードEXBが設けられている(図2参照)。このエクステンションボードEXBの挿入エッジEGに対応する位置には、エッジコネクタが設けられており、このエッジコネクタに、バーンインボードBIBの挿入エッジEGを挿入することにより、バーンインボードBIBが、エクステンションボードEXBと電気的に接続される。
エキステンションボードEXBにおけるエッジコネクタECの反対側には、バーンイン装置10内に設けられているドライバボード(図示省略)が接続されている。このため、エクステンションボードEXBを介して、バーンインボードBIBはバーンイン装置10のドライバボードに接続されることとなる。
ドライバボードは、バーンイン試験を行う際に必要となるテスト信号を生成し、バーンインボードBIBに供給するとともに、被試験デバイスが動作するのに必要な電源もバーンインボードBIBに供給する。したがって、テスト信号や電源は、エクステンションボードEXBを介して、バーンインボードBIBのソケットSKTに挿入された被試験デバイスに供給される。また、バーンイン試験により被試験デバイスが生成したテスト結果信号は、エクステンションボードEXBを介して、ドライバボードに出力される。
図4は、本実施形態に係るバーンイン装置10が備える温度調整ボード100の平面図である。この図4では、本実施形態に係る1枚の温度調整ボード100を上から見た状態を示している。図5は、本実施形態に係る温度調整ボード100に設けられている温度制御ブロック110の構造を説明するためのブロック図である。この図5は、1個の温度制御ブロック110と1個の被試験デバイスDUTとを断面図として示している。図6は、温度調整ボード100を制御するための本実施形態に係る制御機構を全体的に示す図である。
これら図4及び図5に示すように、温度調整ボード100には、複数の温度制御ブロック110が設けられている。この温度制御ブロック110は、バーンインボードBIB上に挿入された被試験デバイスDUTの配置と合致するように、設けられている。すなわち、バーンインボードBIB上のソケットSKTの配置と、温度調整ボード100上の温度制御ブロック110の配置とは、合致している。このため、温度調整ボード100が下降すると、温度制御ブロック110は被試験デバイスDUTと接触し、温度制御ブロック110が、被試験デバイスDUTを加熱したり冷却したりすることができるようになる。
より詳細には、上述した冷却装置60から送出された冷媒は、メインの配管120を通って、各温度調整ボード100まで供給される。配管120は、温度調整ボード100において、支管である複数の配管130に分岐される。本実施形態においては、1枚の温度調整ボード100において、メインの配管120は、4本の支管である配管130に分岐する。
支管である配管130は、それぞれ順番に複数の温度制御ブロック110内を通過して、再びメインの配管120に合流する。各温度制御ブロック110内を通過する際に、冷媒は、温度制御ブロック110から温度を奪い、温度制御ブロック110の温度を下げる働きをする。配管120に集まった冷媒は、再び冷却装置60に戻り、この冷却装置60で温度が下げられ、再び配管120から送出されることとなる。
図5からも分かるように、本実施形態に係る温度制御ブロック110には、冷媒の流量を制御する調節弁などの機構は、設けられていない。このため、支管である配管130を流れる冷媒は、それぞれの温度制御ブロック110内を同じ流量、流れることとなる。すなわち、各温度制御ブロック110の内部を流れる冷媒の流量は、個別に制御されるものではない。このため、本実施形態においては、支管である配管130には、冷媒の流量を制御する流量制御バルブや、内部に取り込まなかった冷媒をバイパスする分岐路は、設けられていない。
さらに、図5及び図6に示すように、温度制御ブロック110には、ヒータ140と温度センサ150も設けられている。温度センサ150は、被試験デバイスDUTの温度を検出するためのセンサである。この温度センサ150で検出された温度は、ヒータ制御ユニット200の温度測定部210に出力される。本実施形態においては、例えば、温度センサ150で検出された温度は、電気信号として温度測定部210に出力され、この電気信号を取得した温度測定部210は、この電気信号に基づいて、被試験デバイスDUTの温度を算出する。
温度測定部210で得られた被試験デバイスDUTの温度は、ヒータ制御部220に出力される。ヒータ制御部220は、取得した被試験デバイスDUTの温度に基づいて、ヒータ140の温度制御を行う。本実施形態においては、例えば、ヒータ140は、ヒータ制御部220から電源の供給を受けており、ヒータ制御部220が出力する電源の電流量を増やすことによりヒータ140の温度を上げることができ、ヒータ制御部220が出力する電源の電流量を減らすことによりヒータ140の温度を下げることができる。
但し、ヒータ制御部220は、ヒータ140に供給する電源の電圧を変えることにより、ヒータ140の温度制御をするようにしてもよい。すなわち、ヒータ制御部220が出力する電源の電圧を上げることによりヒータ140の温度を上げ、ヒータ制御部220が出力する電源の電圧を下げることによりヒータ140の温度を下げるようにしてもよい。
このヒータ制御ユニット200による温度制御は、各温度制御ブロック110毎に行われる。すなわち、ヒータ140の出力制御は、個々の温度制御ブロック110毎に行う。
バーンインボードBIB上の被試験デバイスDUTには、デバイス電源制御ユニット250から電源が供給される。すなわち、デバイス電源制御ユニット250のデバイス電源部260から、バーンイン試験を行うのに必要な電源が、被試験デバイスDUTに供給される。
実際に被試験デバイスDUTを流れた電流の値とその電圧の値は、電気信号として、デバイス電源制御ユニット250の電流電圧測定部270に出力される。電流電圧測定部270は、取得した電流の値と電圧の値を示す電気信号に基づいて、電流の値と電圧の値を算出する。
このデバイス電源制御ユニット250も、各被試験デバイスDUTに対応するように設けられている。すなわち、被試験デバイスDUTに対する電源制御は、各被試験デバイスDUT毎に行われる。換言すれば、バーンインボードBIB上のソケットSKTに対応付けられて、デバイス電源制御ユニット250は設けられていることとなる。
本実施形態においては、これらヒータ制御ユニット200とデバイス電源制御ユニット250は、例えば、上述した各ドライバボードに設けられている。さらに、これらヒータ制御ユニット200とデバイス電源制御ユニット250とを全体的に制御するための試験制御部300を、本実施形態に係るバーンイン装置10は備えている。この試験制御部300は、例えば、制御装置70内に設けられている。
試験制御部300は、それぞれのヒータ制御ユニット200から、被試験デバイスDUTの測定温度であるデバイス測定温度と、ヒータ出力値とを取得するとともに、必要に応じて、被試験デバイスDUTの目標温度であるシーケンス設定温度をそれぞれのヒータ制御ユニット200に出力する。このシーケンス設定温度を目標温度として、ヒータ制御ユニット200は、ヒータ140の制御を自律的に行うこととなる。
本実施形態においては、このヒータ出力値は、ヒータ140の最も高い出力の状態を100%とし、ヒータ140の最も低い出力の状態(つまり、オフの状態)を0%と定義している。例えば、ヒータ出力値が100%の場合に、ヒータ140を流れる電流量が100Aであると想定すると、ヒータ出力値が50%の場合、ヒータ140を流れる電流量は50Aとなる。換言すれば、ヒータ出力値が50%とは、ヒータ制御部220からヒータ140に50Aの電流を供給している状態にあることを意味している。
また、試験制御部300は、それぞれのデバイス電源制御ユニット250から、被試験デバイスDUTにおける電流と電圧の測定値である電流電圧値を取得し、これに基づいて、デバイス電源制御ユニット250に必要な電源制御の指示を出力する。
また、詳しくは後述するが、バーンイン試験におけるシーケンス温度を変更する場合には、試験制御部300は、ヒータ制御ユニット200にシーケンス設定温度を出力するとともに、冷却装置制御部350に冷媒設定温度を出力する。冷却装置制御部350は、取得した冷媒設定温度をそのまま、冷却装置60に出力する。
一方、被試験デバイスDUTの温度が定常状態にある場合には、試験制御部300は、それぞれのヒータ制御ユニット200から取得したヒータ出力値の中から、最も低いヒータ出力値を、冷却装置制御部350に出力する。冷却装置制御部350は、この最も低いヒータ出力値に基づいて、冷媒設定温度を決定し、冷却装置60に出力する。
冷却装置60は、このようにして取得した冷媒設定温度を目標温度として、送出する冷媒の温度を制御する。すなわち、冷却装置60は、供給する冷媒の温度が冷媒設定温度となるように、冷媒の温度制御を行う。また、冷却装置60は、実際に供給している冷媒の温度を測定し、冷媒測定温度として、冷却装置制御部350に出力する。
本実施形態においては、この冷却装置制御部350も、制御装置70に設けられている。但し、この冷却装置制御部350は、例えば、冷却装置60の内部に設けることも可能である。
次に、図7及び図8に基づいて、本実施形態に係る試験制御部300で実行される設定温度変更シーケンス処理について説明する。この設定温度変更シーケンス処理は、バーンイン試験において、バーンイン装置10が被試験デバイスの設定温度を変更する場合に実行される処理である。被試験デバイスDUTの設定温度は、例えば、バーンイン試験のシーケンスにおいて、予めユーザによってプログラムされている。また、ユーザが制御装置70に変更を指示入力することによっても、被試験デバイスDUTの設定温度は変更され得る。
本実施形態においては、この図7及び図8に示す設定温度変更シーケンス処理は、試験制御部300に設けられたCPUにより、ソフトウェア的に実現される。すなわち、試験制御部300に設けられたCPUが、設定温度変更シーケンス処理プログラムを、同じく試験制御部300に設けられたROMから読み出して実行することにより、実現される。
図7に示すように、バーンイン装置10は、まず、シーケンス設定温度を変更する(ステップS10)。このシーケンス設定温度が、被試験デバイスDUTの目標設定温度である。本実施形態に係るバーンイン装置10では、試験制御部300でシーケンス設定温度が設定されると、試験制御部300からヒータ制御ユニット200にシーケンス設定温度が出力される。このシーケンス設定温度を受けて、ヒータ制御ユニット200では、自律的に、このシーケンス設定温度に被試験デバイスDUTがなるように、ヒータ140の制御を行う。すなわち、試験制御部300が関与せずとも、ヒータ制御部220は、被試験デバイスDUTがシーケンス設定温度になるように、温度測定部210で取得した被試験デバイスDUTの温度に基づいて、ヒータ140のフィードバック制御を行っていく。
図9は、このシーケンス設定温度を上げる場合の各所の温度変化の一例を示すグラフであり、図10は、シーケンス設定温度を下げる場合の各所の温度変化の一例を示すグラフである。このステップS10は、これら図9及び図10における時刻(1)に相当している。すなわち、図9の時刻(1)では、シーケンス設定温度が上げられており、図10の時刻(1)では、シーケンス設定温度が下げられている。
次に、バーンイン装置10は、各種の初期設定を行う(ステップS12)。例えば、本実施形態では、ヒータ出力値のリミット(本実施形態では例えば50%)を設定したり、冷却装置制御部350で実行されている後述の冷媒設定温度補正処理を停止する処理を行ったりする。ヒータ出力値のリミットを50%に設定するのは、冷媒の急激な温度変化を防止するためである。
次に、バーンイン装置10は、被試験デバイスDUTの温度が安定したかどうかを判断する(ステップS14)。本実施形態においては、例えば、試験制御部300がヒータ制御ユニット200から取得した各被試験デバイスDUTのデバイス測定温度が、5秒間に最大でも0.5度以内の変化であり、これが所定回数(例えば、6回)継続した場合に、被試験デバイスDUTの温度が安定したと判断する。被試験デバイスDUTの温度が安定していないと判断した場合(ステップS14:NO)には、このステップS14を繰り返す。
一方、被試験デバイスDUTの温度が安定したと判断した場合(ステップS14:YES)には、バーンイン装置10は、被試験デバイスDUTの温度が、設定温度範囲に到達しているかどうかを判断する(ステップS16)。本実施形態においては、例えば、すべての被試験デバイスDUTのデバイス測定温度の中で最も高いデバイス測定温度が、シーケンス設定温度の±3度の範囲内に収まっている場合には、設定温度範囲に到達したと判断する。このステップS16は、図9の時刻(2)に相当しており、図10の時刻(2)に相当している。なお、このステップS16において、被試験デバイスDUTの温度が設定温度範囲に到達している場合とは、この設定温度変更シーケンス処理が起動された時点で、被試験デバイスDUTの温度がシーケンス設定温度近傍になっている特殊な場合である。
ステップS16において、被試験デバイスDUTの温度が、設定温度範囲に到達していないと判断した場合(ステップS16:NO)には、バーンイン装置10は、新たな冷媒設定温度を設定する(ステップS18)。このステップS18も、例えば、図9の時刻(2)に相当しており、図10の時刻(2)に相当している。
冷媒設定温度をどのように変更していくかは、様々な手法が考えられる。図9の例を用いて説明すると、本実施形態では、被試験デバイスDUTの現時点におけるデバイス測定温度の最も高い温度と、シーケンス設定温度との差ΔTt_a2をnで割って算出される温度ΔTf2だけ、冷媒設定温度を上昇させる。すなわち、ΔTt_a2/n=ΔTf2だけ、冷媒測定温度を上げる。ここでnは定数であり、本実施形態では例えば3である。この冷媒設定温度は、試験制御部300から冷却装置制御部350に出力され、さらに、冷却装置制御部350から冷却装置60に出力される。
次に、バーンイン装置10は、被試験デバイスDUTの状態が、設定温度温調可能範囲に入ったかどうかを判断する(ステップS20)。本実施形態においては、(a)被試験デバイスDUTの現時点におけるデバイス測定温度の最も高い温度が、上述した設定温度範囲に到達した場合、又は、(b)最も低いヒータ出力値が、所定値以下(本実施形態では例えば10%以下)に到達した場合に、この設定温度温調可能範囲に入ったと判断する。
被試験デバイスDUTの状態が、設定温度温調可能範囲にないと判断した場合(ステップS20:NO)には、バーンイン装置10は、冷媒設定温度が予め定めた上限温度(本実施形態では例えば80度以上)に到達したかどうかを判断する(ステップS22)。すなわち、ステップS18で設定した冷媒設定温度が、予め定めた上限温度以上になったかどうかを判断する。
冷媒設定温度が予め定めた上限温度に到達していない場合(ステップS22:NO)には、バーンイン装置10は、冷媒の温度が冷媒設定温度に到達したかどうかを判断する(ステップS24)。具体的には、試験制御部300は、冷却装置制御部350を介して冷媒測定温度を取得し、この取得した冷媒測定温度がステップS18で設定した冷媒設定温度に到達したかどうかを判断する。冷媒の温度が、冷媒設定温度に到達していない場合(ステップS24:NO)には、上述したステップS20からを繰り返す。
一方、冷媒の温度が、冷媒設定温度に到達した場合(ステップS24:YES)には、バーンイン装置10は、所定時間の経過を待って(ステップS26)、冷媒の温度を安定させる。そして、上述したステップS18に戻り、次の冷媒設定温度を設定する。
このステップS24がYESであり、ステップS26、ステップS18と順次、実行した場合が、図9の時刻(3)、時刻(4)に対応しており、図10の時刻(3)、時刻(4)に対応している。
これに対して、上述したステップS16で被試験デバイスDUTが設定温度範囲に到達していると判断した場合(ステップS16:YES)、上述したステップS20で被試験デバイスDUTの状態が設定温度温調可能範囲にあると判断した場合(ステップS20:YES)、又は、上述したステップS22で冷媒設定温度が上限温度に到達したと判断した場合(ステップS22:YES)には、バーンイン装置10は、図8に示すように、ヒータ出力の初期設定を行う(ステップS30)。本実施形態においては、この初期設定において、冷媒やヒータ140の急激な温度変化を回避するため、ヒータ140のヒータ出力値を50%に設定する。また、ヒータ出力値のリミットも解除する。
次に、バーンイン装置10は、冷媒設定温度補正処理を起動する(ステップS32)。すなわち、バーンイン装置10の試験制御部300が、冷却装置制御部350に、冷媒設定温度補正処理の起動を指示する。この冷媒設定温度補正処理の具体的な内容は、後述する。これらステップS30とステップS32が、図9の時刻(5)に対応しており、図10の時刻(5)に対応している。これら図9及び図10からも分かるように、本実施形態においては、この設定温度変更シーケンス処理が終了する際に、冷却装置制御部350の冷媒設定温度補正処理が起動されることとなる。また、これら図9及び図10では、被試験デバイスDUTの温度が設定温度範囲になり(ステップS20:YES)、冷媒設定温度補正処理が起動された例を示しており、実際のバーンイン試験においては、最も通常の態様であると考えられる。
次に、バーンイン装置10は、被試験デバイスDUTの温度が収束したかどうかを判断する(ステップS34)。被試験デバイスDUTの温度が収束していない場合(ステップS34:NO)には、このステップS34を繰り返して待機する。一方、被試験デバイスDUTの温度が収束した場合(ステップS34:YES)には、この設定温度変更シーケンス処理を終了する。このステップS34が、図9の時刻(5)から時刻(6)に対応しており、図10の時刻(5)から時刻(6)に対応している。
次に、図11に基づいて、本実施形態に係る冷媒設定温度補正処理について説明する。この冷媒設定温度補正処理は、上述した設定温度変更シーケンス処理のステップS32で起動される処理である。また、上述した設定温度変更シーケンス処理のステップS12で停止される処理である。
本実施形態においては、この図11に示す冷媒設定温度補正処理は、冷却装置制御部350に設けられたCPUにより、ソフトウェア的に実現される。すなわち、冷却装置制御部350に設けられたCPUが、冷媒設定温度補正処理プログラムを、同じく冷却装置制御部350に設けられたROMから読み出して実行することにより、実現される。
図11に示すように、バーンイン装置10の冷却装置制御部350は、冷媒設定温度の最初の設定を行う(ステップS40)。本実施形態における、冷媒設定温度補正処理が起動されて最初に行われる冷媒設定温度の設定では、現時点の冷媒の温度を、冷媒設定温度とする。すなわち、現在の冷媒測定温度が、冷媒設定温度となる。このステップS40が、図9の時刻(5)に対応しており、図10の時刻(5)に対応している。
但し、本実施形態においては、このステップS40で冷媒設定温度を設定する際に、後述するステップS48、S50、S52で行われる補正も加えた上で、設定を行っている。すなわち、冷却装置制御部350は、複数の異なるタイミングで取得したヒータ出力値から平均値を算出することなく、この時点で取得した1つのヒータ出力値に基づいて、冷媒設定温度を補正する。具体的には、この時点で試験制御部300から1つだけ取得したヒータ出力値が5%以下であれば、冷媒測定温度から0.1度下げた温度を冷媒設定温度とし、この時点で試験制御部300から1つだけ取得したヒータ出力値が10%以上であれば、冷媒測定温度から0.1度上げた温度を冷媒設定温度とする。一方、この時点で試験制御部300から1つだけ取得したヒータ出力値が5%より大きく且つ10%未満である場合には、冷媒測定温度をそのまま冷媒設定温度にする。
但し、このステップS40における補正は、必ずしも必要ではない。補正を行わない場合は、冷媒測定温度をそのまま冷媒設定温度とすればよい。
次に、バーンイン装置10の冷却装置制御部350は、所定の周期でヒータ出力値をモニタする(ステップS42)。そして、バーンイン装置10の冷却装置制御部350は、ヒータ出力値が安定しているかどうかを判断する(ステップS44)。
本実施形態においては、試験制御部300から冷却装置制御部350には、最も低いヒータ出力値が出力される。すなわち、試験制御部300は、バーンイン試験を行っている被試験デバイスDUTのすべてのヒータ出力値を取得するが、これら取得したヒータ出力値の中で、最も低いヒータ出力値を冷却装置制御部350に出力する。冷却装置制御部350では、この最も低いヒータ出力値を連続的にモニタして、ヒータ出力が安定しているかどうかを判断する。
例えば、本実施形態においては、冷却装置制御部350は、5秒毎にヒータ出力値を取得し、6回分のヒータ出力値の変化の幅が、20%以内であれば、ヒータ出力値が安定していると判断する。例えば、冷却装置制御部350が取得した6回のヒータ出力値が、20%、30%、35%、35%、40%、35%であれば、ヒータ出力値は安定していると判断する。これは、冷却装置制御部350が取得したヒータ出力値の中で最も小さな値と最も大きな値との差が、20%以内に収まっているからである。
ヒータ出力値が安定していないと判断した場合(ステップS44:NO)には、バーンイン装置10の冷却装置制御部350は、上述したステップS42に戻り、ヒータ出力値のモニタを継続する。
一方、ヒータ出力値が安定したと判断した場合(ステップS44:YES)には、冷却装置制御部350は、取得したヒータ出力値の所定回数分の平均値を算出する(ステップS46)。本実施形態においては、例えば、6回分のヒータ出力値に基づいて、その平均値を算出する。
次に、冷却装置制御部350は、ステップS46で算出した平均値が、5%以下であるか、それとも、10%以上であるか、或いは、5%より大きく10%未満であるかどうかを判断する(ステップS48)。
ステップS46で算出した平均値が5%以下である場合には、冷却装置制御部350は、冷媒設定温度を現在の温度より0.1度下げる(ステップS50)。すなわち、冷媒設定温度を0.1度下げる補正をする。そして、上述したステップS42に戻り、ヒータ出力値のモニタを継続する。
一方、ステップS46で算出した平均値が10%以上である場合には、冷却装置制御部350は、冷媒設定温度を現在の温度より0.1度上げる(ステップS52)。すなわち、冷媒設定温度を0.1度上げる補正をする。そして、上述したステップS42に戻り、ヒータ出力値のモニタを継続する。
一方、ステップS46で算出した平均値が5%より大きく且つ10%未満である場合には、冷却装置制御部350は、現在の冷媒設定温度を変更することなく、上述したステップS42に戻り、ヒータ出力値のモニタを継続する。
図12は、3つの被試験デバイスA、B、Cの温度の変化と、冷媒設定温度と、冷媒測定温度との変化を例示するグラフを示している。図13は、被試験デバイスA、B、Cに対するヒータ出力値と、冷媒設定温度の補正の値の一例を表にして示す図である。これら図12及び図13では、説明を簡潔にするため、3つの被試験デバイスA、B、Cだけを例示しているが、一般的には、バーンイン装置10には、これより多くの被試験デバイスDUTが収容されていてる。
これら図12及び図13の例では、冷却装置制御部350がステップS46において、時刻(1)で、40%という平均値を算出したとする。この場合、冷却装置制御部350は、ステップS52を実行し、冷媒設定温度を0.1度上げる設定変更を行う。これにより、冷媒の温度は上がり、被試験デバイスBのヒータ出力値は下がっていくことが期待される。すなわち、ヒータ出力値を下げることにより、消費電力の抑制を図ることができる。
また、冷却装置制御部350がステップS46において、時刻(2)で、20%という平均値を算出したとする。この場合、冷却装置制御部350は、ステップS52を実行し、冷媒設定温度を0.1度上げる設定変更を行う。これにより、冷媒の温度は上がり、被試験デバイスBのヒータ出力値はさらに下がっていくことが期待される。すなわち、ヒータ出力値を下げることにより、消費電力の抑制を図ることができる。
また、冷却装置制御部350がステップS46において、時刻(3)で、20%という平均値を算出したとする。この場合、冷却装置制御部350は、ステップS52を実行し、冷媒設定温度を0.1度上げる設定変更を行う。これにより、冷媒の温度は上がり、被試験デバイスCのヒータ出力値は下がっていくことが期待される。すなわち、被試験デバイスCのヒータ出力値を下げることにより、消費電力の抑制を図ることができる。
また、冷却装置制御部350がステップS46において、時刻(4)で、9%という平均値を算出したとする。この場合、冷却装置制御部350は、冷媒設定温度の変更は行わない。すなわち、冷媒の温度は適切であり、ヒータ140の僅かな加熱により、各被試験デバイスDUTはそれぞれシーケンス設定温度に保たれていることとなる。
また、冷却装置制御部350がステップS46において、時刻(5)で、5%という平均値を算出したとする。この場合、冷却装置制御部350は、ステップS50を実行し、冷媒設定温度を0.1度下げる設定変更を行う。これにより、冷媒の温度は下がり、被試験デバイスAのヒータ出力値は上がっていくことが期待される。
このようにヒータ出力値を上げる必要があるのは、本実施形態では、各温度制御ブロック110には、冷媒の流量を個別に制御する制御機構が設けられていないためである。このため、本実施形態においては、冷媒の流量を変えることにより、被試験デバイスDUTの温度制御ができない。そこで、ヒータ140の出力を変えることにより、被試験デバイスを目標温度であるシーケンス設定温度になるように制御している。
すなわち、時刻(5)において、被試験デバイスAのヒータ140の出力をこれ以上小さくしてしまうと、被試験デバイスAの温度を素早く下げるという制御が実現不可能な状態になってしまう。すなわち、被試験デバイスAの温度がこれ以上、上がってしまい、下げる必要が生じたとしても、冷媒の温度は急激に下げることができず、また、被試験デバイスAだけ温度を下げる手段もない。このため、最も小さいヒータ出力値のヒータ140であっても、そのヒータ出力値が絶えず5%以上となるように制御することにより、ヒータ出力値を下げるという余地を残すようにし、被試験デバイスDUTの温度を個別に下げるという制御が実現できるようにしている。
この図11に示した冷媒設定温度補正処理が、図9の時刻(5)以降に定常的に行われており、図10の時刻(5)以降に定常的に行われている。
以上のように、本実施形態に係るバーンイン装置10によれば、各温度制御ブロック110に冷媒の流量を制御する機構を個別に設けずとも、各被試験デバイスDUTの温度制御を個別に行うことができる。このため、温度制御ブロック110の構造を単純化することができ、温度制御ブロック110の製造コストの低減を図ることができ、ひいては、バーンイン装置10の製造コストの低減を図ることができる。
また、最も低いヒータ出力値でも10%以上ある場合には、冷媒設定温度を下げるようにしたので、ヒータ140における無駄なヒータ出力を抑制して、ヒータ140で消費される電力を可能な限り低く抑えることができる。
なお、本発明は上記実施形態に限定されず種々に変形可能である。例えば、上述した実施形態では、ステップS52やステップS50で冷媒設定温度を上げたり下げたりする温度幅が0.1度である場合を例に本発明を説明したが、この温度幅は、任意に変更可能である。また、ステップS52で冷媒設定温度を上げる温度幅と、ステップS50で冷媒設定温度を下げる温度幅は、必ずしも同じである必要はない。すなわち、ステップS52で冷媒設定温度を上げる温度幅と、ステップS50で冷媒設定温度を下げる温度幅とが、異なる温度幅であってもよい。
また、上述した実施形態では、温度制御ブロック110に、この温度制御ブロック110内部に流れ込む冷媒の流量を制御する機能を設けていない場合を例にして、本発明を説明したが、温度制御ブロック110のそれぞれに、内部へ流れ込む冷媒の流量を制御する機構を設けた場合であっても、本発明を適用することができる。
また、バーンイン装置10内部における各制御部及び各制御ユニットの配置は、任意に変更可能である。すなわち、図6に示したヒータ制御ユニット200、デバイス電源制御ユニット250、試験制御部300、及び、冷却装置制御部350は、バーンイン装置10の任意の位置に配置することができる。
また、上述した実施形態では、設定温度変更シーケンス処理と冷媒設定温度補正処理をソフトウェアにより実現する場合を例に説明したが、これらの各処理をASIC(Application Specific IC)などのハードウェアにより実現するようにしてもよい。さらには、これらの各処理を、ソフトウェアとハードウェアとが協働して実現するようにしてもよい。
本実施形態に係るバーンインシステムにおけるバーンイン装置の正面図である。 図1のバーンインシステムにおけるバーンイン装置の右側面図である。 本実施形態に係るバーンインシステムにおけるバーンインボードを上から見た平面レイアウト図である。 本実施形態に係るバーンイン装置における温度調整ボードを上から見た平面レイアウト図である。 本実施形態に係る温度調整ボードに設けられている温度制御ブロックの構造を説明するための断面図である。 本実施形態に係るバーンイン装置の制御機構を説明するための機能ブロック図である。 本実施形態に係るバーンイン装置の試験制御部で実行される設定温度変更シーケンス処理の内容を説明するフローチャートの一例を示す図である(その1)。 本実施形態に係るバーンイン装置の試験制御部で実行される設定温度変更シーケンス処理の内容を説明するフローチャートの一例を示す図である(その2)。 設定温度変更シーケンス処理においてシーケンス設定温度を上げた場合における、バーンイン装置の各所の温度変化の一例を示す図である。 設定温度変更シーケンス処理においてシーケンス設定温度を下げた場合における、バーンイン装置の各所の温度変化の一例を示す図である。 本実施形態に係るバーンイン装置の冷却装置制御部で実行される冷媒設定温度補正処理の内容を説明するフローチャートの一例を示す図である。 3つの被試験デバイスの温度変化の一例をグラフにして示す図である。 図12のように被試験デバイスの温度が変化した場合における、ヒータ出力値の平均値の一例と、これに対応する冷媒設定温度補正の内容の一例を表にまとめて示す図である。
符号の説明
10 バーンイン装置
20 チャンバ
30 スロット
40 ドア
60 冷却装置
70 制御装置
100 温度調整ボード
110 温度制御ブロック
120 メインの配管
130 支管である配管
140 ヒータ
150 温度センサ
200 ヒータ制御ユニット
250 デバイス電源制御ユニット
300 試験制御部
350 冷却装置制御部
BIB バーンインボード
SKT ソケット
EG 挿入エッジ

Claims (10)

  1. バーンイン試験の際に、複数の被試験デバイスの温度制御を行うための、複数の温度制御ブロックであって、それぞれが、個別の被試験デバイスと接触して、被試験デバイスの温度制御を行う、複数の温度制御ブロックと、
    前記複数の温度制御ブロックのそれぞれに冷媒を供給する、冷却装置であって、前記冷媒の温度が冷媒設定温度となるように制御しながら、前記冷媒を供給する、冷却装置と、
    前記複数の温度制御ブロックのそれぞれに設けられた、ヒータと、
    前記被試験デバイスが目標温度となるように、前記ヒータの出力を個別に制御する、ヒータ制御ユニットと、
    前記ヒータの出力であるヒータ出力値のうち最も低いヒータ出力値が第1閾値以下である場合に、前記冷媒設定温度を下げ、前記ヒータ出力値のうち最も低いヒータ出力値が第2閾値以上である場合に、前記冷媒設定温度を上げる、冷却装置制御部と、
    を備えることを特徴とするバーンイン装置。
  2. 前記複数の温度制御ブロックには、各温度制御ブロック内部を流れる冷媒の流量を制御する機構は設けられていない、ことを特徴とする請求項1に記載のバーンイン装置。
  3. 前記冷却装置から前記複数の温度制御ブロックに供給された冷媒は、再び、前記冷却装置の戻る循環が構成されている、ことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のバーンイン装置。
  4. 前記冷却装置制御部は、異なるタイミングで前記最も低いヒータ出力値を複数回取得して、その平均値を算出するとともに、前記平均値が前記第1閾値以下である場合に、前記冷媒設定温度を下げ、前記平均値が前記第2閾値以上である場合に、前記冷媒設定温度を上げる、ことを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載のバーンイン装置。
  5. 前記冷却装置制御部が、最初に前記冷媒設定温度を設定する際には、その時点の冷媒の温度を前記冷媒設定温度とする、ことを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれかに記載のバーンイン装置。
  6. 前記冷却装置制御部が、最初に前記冷媒設定温度を設定する際には、
    その時点のヒータ出力値が前記第1閾値以下である場合には、その時点の冷媒の温度より下げた温度を前記冷媒設定温度として設定し、
    その時点のヒータ出力値が前記第2閾値以上である場合には、その時点の冷媒の温度より上げた温度を前記冷媒設定温度として設定し、
    その時点のヒータ出力値が前記第1閾値より大きく且つ前記第2閾値未満である場合には、その時点の冷媒の温度を前記冷媒設定温度として設定する、
    ことを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれかに記載のバーンイン装置。
  7. 前記被試験デバイスの前記目標温度を変更するための目標温度変更シーケンスを実行する、試験制御部をさらに備え、
    前記試験制御部における前記目標温度変更シーケンスにより、前記被試験デバイスの温度と前記変更後の目標温度との差が、所定範囲に到達した場合に、前記冷却装置制御部による制御が開始される、
    ことを特徴とする請求項1乃至請求項6のいずれかに記載のバーンイン装置。
  8. 前記ヒータ制御ユニットは、前記複数の温度制御ブロックのそれぞれに設けられた温度センサから、前記被試験デバイスの温度を取得し、前記被試験デバイスのそれぞれが前記目標温度になるように、前記ヒータの出力の制御を自律的に行う、ことを特徴とする請求項1乃至請求項7のいずれかに記載のバーンイン装置。
  9. 前記冷媒装置制御部が、前記冷媒設定温度を下げる場合には、第1温度幅だけ前記冷媒設定温度を下げ、前記冷媒設定温度を上げる場合には、第2温度幅だけ前記冷媒設定温度を上げる、ことを特徴とする請求項1乃至請求項8のいずれかに記載のバーンイン装置。
  10. バーンイン試験の際に、複数の被試験デバイスの温度制御を行うための、複数の温度制御ブロックであって、それぞれが、個別の被試験デバイスと接触して、被試験デバイスの温度制御を行う、複数の温度制御ブロックと、
    前記複数の温度制御ブロックのそれぞれに冷媒を供給する、冷却装置であって、前記冷媒の温度が冷媒設定温度となるように制御しながら、前記冷媒を供給する、冷却装置と、
    前記複数の温度制御ブロックのそれぞれに設けられた、ヒータと、
    を備えるバーンイン試験の制御方法であって、
    前記被試験デバイスが目標温度となるように、前記ヒータの出力を個別に制御するとともに、
    前記ヒータの出力であるヒータ出力値のうち最も低いヒータ出力値が第1閾値以下である場合に、前記冷媒設定温度を下げ、前記ヒータ出力値のうち最も低いヒータ出力値が第2閾値以上である場合に、前記冷媒設定温度を上げる制御を行う、
    ことを特徴とするバーンイン装置の制御方法。
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