JP5014974B2 - 空圧緩衝器 - Google Patents

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従来、空圧緩衝器としては、シリンダと、シリンダ内に摺動自在に挿入されたピストンと、シリンダにピストンを介して移動自在に挿通されるロッドとを備えて、作動流体を気体としたものが知られている。
この空圧緩衝器では、シリンダ内に充填した作動気体の外部への漏れを防止するため、シリンダの端部に固定されるシール部材でロッドの外周をシールしている。
このような空圧緩衝器では、ロッドがシリンダに出入りするとともに、作動流体が気体であるため、何ら手当てをしないとシール部材が劣化しやすいので、ロッドを軸支するロッドガイドにロッド外周とシール部材との摺動部に臨む貯油室を設け、当該貯油室内に少量の潤滑油を充填し、当該潤滑油でロッド外周に油膜を形成してシール部材の劣化を防止するようにしており、このようにすることにより、空圧緩衝器を、たとえば、車両の車体と車軸との間といった振動入力が頻繁に行われる箇所にも適用可能としている。
しかし、上記した貯油室内の潤滑油は、空圧緩衝器の長年の使用によって、徐々に貯油室からロッド側室を経由してピストン側室へ落下し、貯油室内およびピストンとシリンダとの間における潤滑油が枯渇してしまうため、従来の空圧緩衝器では、シリンダの外方に外筒を設けてシリンダと外筒との間の隙間を介してピストン側室と貯油室とを連通しておき、ピストン側室へ落下した潤滑油を空圧緩衝器の伸縮運動によってポンプの要領で貯油室へ循環させるようにしている(たとえば、特許文献1参照)。
つまり、従来の空圧緩衝器にあっては、潤滑油を貯油室へ送り込むポンプをなす構造を採用して、貯油室内およびピストンとシリンダとの間における潤滑油切れを阻止し、確実にロッド外周とシール部材との摺動部とピストンとシリンダの摺動部を潤滑し、円滑な伸縮と良好なシール性を保つとともに、シリンダ内からの作動気体漏れを防止するようにしているのである。
特開2006−349138号公報
さて、上述のような空圧緩衝器では、良好なシール性を確保できる点で、有用な技術であるが、以下の問題があると指摘される可能性がある。
上述のように、従来の空圧緩衝器では、円滑な伸縮と良好なシール性を確保するため、貯油室の形成のほかに、貯油室内およびピストンとシリンダとの間の潤滑油の枯渇を防ぐため、シリンダ内に落下した潤滑油をピストン側室から貯油室へ送り込む機構が必要であり、空圧緩衝器の構造が複雑となって、重量が嵩み、部品点数が多くなる。
また、空圧緩衝器の廃棄の際には、環境汚染を防ぐため潤滑油を回収せねばならないが、従来の空圧緩衝器の構造では分解しなくては潤滑油を回収することができず、回収作業が非常に面倒となる。
そこで、本発明は、上記した不具合を改善するために創案されたものであって、その目的とするところは、潤滑油の回収も簡単に行える空圧緩衝器を提供することであり、また他の目的は、潤滑油の枯渇を阻止できる空圧緩衝器を提供することであり、さらに別の目的は、構造が簡単となる空圧緩衝器を提供することである。
上記した目的を達成するため、本発明の課題解決手段における空圧緩衝器は、シリンダと、シリンダ内をロッド側室とピストン側室とに区画するピストンと、ピストンを介してシリンダ内に移動自在に挿入されたロッドと、ロッドを軸支する環状のロッドガイドと、ロッドガイドに積層されてロッドの外周をシールするシール部材とを備え、ロッドガイドは、ロッドとシール部材との摺動部に臨んで潤滑油を溜める貯油室と、当該貯油室と外部とを連通する貯油室孔と、同じく貯油室と外部とを連通する気体給排孔とを備えてなることを特徴とする。
また、本発明の第二の課題解決手段における空圧緩衝器は、シリンダと、シリンダ内をロッド側室とピストン側室とに区画するピストンと、ピストンを介してシリンダ内に移動自在に挿入されたロッドと、シリンダの一端を閉塞するとともにロッドを軸支する環状のロッドガイドとを備えた空圧緩衝器において、ロッド側室とピストン側室とがシリンダ内を迂回する通路のみによって連通されるとともに、ロッドガイドは、ロッド側室を外部へと連通する圧力室孔を備えていることを特徴とする。
そしてさらに、本発明の第三の課題解決手段における空圧緩衝器は、シリンダと、シリンダ内をロッド側室とピストン側室とに区画するピストンと、ピストンを介してシリンダ内に移動自在に挿入されたロッドと、シリンダの一端を閉塞するとともにロッドを軸支する環状のロッドガイドとを備えた空圧緩衝器において、ロッド側室とピストン側室とがシリンダ内を迂回する通路のみによって連通されるとともに、ロッドガイドは、ロッド側室を外部へと連通する気体給排孔を備え、シリンダの他端を閉塞するボトム部材は、ピストン側室を外部へと連通する圧力室孔を備えていることを特徴とする。
請求項1の発明によれば、貯油室を外部へ連通する貯油室孔を備えているので、貯油室孔を介して貯油室へ潤滑油を補充することができる。
さらに、空圧緩衝器を廃棄する場合、貯油室孔を介して貯油室から潤滑油を簡単に回収することできる。
このように、ロッドとシール部材との摺動部に臨む貯油室へ空圧緩衝器を分解することなく簡単に潤滑油を補充することができるので、補充作業が容易であり、また、空圧緩衝器に重量増加や構造の複雑化を招くポンプ機構を設けることも要せずに、貯油室内の潤滑油の枯渇を阻止することができる。
同じく、請求項1の発明によれば、貯油室を外部に連通する気体供給孔を備えているので、貯油室へ潤滑油の給油時に、当該気体供給孔を開放しておけば、貯油室へすばやく潤滑油を補充することができ、メンテナンス作業に要する時間を短縮することができるとともに、貯油室から潤滑油を回収する際には気体供給孔から気体を供給すれば、貯油室から速やかに潤滑油を排出することができ、回収作業の軽減と時間短縮に大いに貢献する。
請求項3の発明によれば、ロッドガイドを外部へ連通する気体給排孔を備えているので、倒立型の空圧緩衝器として使用するとき、シリンダ内の圧力のチューニングや、気体の注入を行うことができるようになっている。
すなわち、シリンダ内の圧力をチューニングするには、気体給排孔より気体を供給する。
他方、空圧緩衝器内の圧力を下降させるには、気体給排孔より気体を排出する。このように、チューニング作業者は、空圧緩衝器を分解し、事後組立をすることなく、気体給排孔を介して、空圧緩衝器内の圧力のチューニングを非常に簡単に行うことができる。
請求項2、3の発明によれば、ロッド側室又はピストン側室を外部に連通する圧力室孔を設けているので、ロッド側室又はピストン側室に取り残された潤滑油の回収を、当該圧力室孔を介して行うことができるし、ロッド側室又はピストン側室で潤滑油が枯渇する場合には当該圧力室孔を介して潤滑油を補充することも可能となり、ピストンとシリンダの摺動部における潤滑油の枯渇を防止することができる。
したがって、空圧緩衝器をより長期間に亘って使用することができるとともに、円滑な伸縮をより長期間に亘って実現でき空圧緩衝器の信頼性および実用性が向上する。
請求項3の発明によれば、ロッドガイドに外部へ連通する気体給排孔を備えているので、倒立型の空圧緩衝器として使用するとき、シリンダ内の圧力のチューニングや、気体の注入を行うことができるようになっている。
シリンダ内の圧力をチューニングするには、気体給排孔より気体を供給する。
他方、空圧緩衝器内の圧力を下降させるには、気体給排孔より気体を排出する。このように、チューニング作業者は、空圧緩衝器を分解し、事後組立をすることなく、気体給排孔を介して、空圧緩衝器内の圧力のチューニングを非常に簡単に行うことができる。
以下、図に示した実施の形態に基づき、本発明を説明する。図1は、空圧緩衝器の概略縦断面図である。図2は、ロッドガイドの斜視図である。
一実施の形態における空圧緩衝器Dは、図1に示すように、基本的には、シリンダ1と、シリンダ1内をロッド側室R1とピストン側室R2とに区画するピストン2と、ピストン2を介してシリンダ1内に移動自在に挿入されたロッド3と、ロッド3を軸支する環状のロッドガイド4と、ロッドガイド4に積層されてロッド3の外周をシールするシール部材5とを備えて構成されている。
以下、詳細に説明すると、シリンダ1は、筒状に形成され、その内部には、ピストン2が摺動自在に挿入されている。ピストン2は、シリンダ1内を図1中上方側のロッド側室R1と下方のピストン側室R2に区画しており、ピストン2の図1中上端には、ロッド3が連結されている。
そして、この空圧緩衝器Dは、シリンダ1を覆う外筒6を備えており、シリンダ1の上端および外筒6の上端には、環状のロッドガイド4が嵌合されており、ロッドガイド4は、シリンダ1および外筒6の上端が閉塞するとともに、内周に固定されるベアリング7を介してロッド3を摺動自在に軸支している。
このロッドガイド4は、図1および図2に示すように、内周に下方からベアリング7とシールリング8を保持する小径な保持部4aと、保持部4aより大きな内径を持つ中間部4bと、中間部4bより大きな内径を持つ大径部4cと、中間部4bの下方側からロッドガイド4の上端に通じる貯油室孔4dと、中間部4bの上方側からロッドガイド4の上端に通じる気体供給孔4eと、ロッドガイド4の上端から下端に通じる圧力室孔4fと、ロッド側室R1とシリンダ1と外筒6との間の隙間を連通する流路4gとを備えて構成されている。なお、図2では、図が煩雑となるため、ベアリング7およびシールリング8の記載を省略している。また、この実施の形態の場合、圧力室孔4fは流路4gを介してロッドガイド4の上端と下端を連通しているが、流路4gを介さず単独でロッドガイド4の上端と下端とを連通するようにしてもよい。
また、シリンダ1および外筒6の下端は、ボトム部材9によって閉塞されており、このボトム部材9は、ピストン側室R2をシリンダ1と外筒6との間の隙間に連通する通孔9aと、当該通孔9aの途中に設けた絞り弁などの減衰力発生要素9bと、シリンダ1内を外部へ連通可能な気体給排孔9cとを備え、気体給排孔9cには、シリンダ1内から外部へ向かう気体の流れのみを阻止する逆止弁17が設けられている。なお、減衰力発生要素9bとしては、気体の流れに抵抗を与えるものであればよいので、絞り弁のほか、リーフバルブやポペット弁等の他の形式のバルブを用いることが可能である。また、上述したところでは、ボトム部材9は、外筒6とは独立した部材とされているが、外筒6と一体とされてもよい。
逆止弁17は、気体給排孔9cの内周に設けた環状の弁座17aと、弁座17aよりシリンダ1側に配置されて弁座17aに離着座する弁体17bと、弁体17bよりシリンダ1側に配置されて弁体17bを弁座17a側へ向けて附勢するバネ17cとを備えて構成されている。この逆止弁17は、弁体17bが弁座17aに着座した状態では、気体給排孔9cを遮断してシリンダ1の外部への連通を断ち、弁体17bが弁座17aから後退すると、弁体17bの外周に設けた切欠17dを介してシリンダ1内を外部へと連通させる。また、弁体17bを気体給排孔9cの内方へと押し込む力が、空圧緩衝器D内の圧力とバネ17cによる弁体17bを外部側へ向けて押圧する力を上回らない限り、弁体17bは弁座17aに着座した状態に維持され、気体給排孔9cを遮断するようになっている。
そして、空圧緩衝器Dへ気体を供給する場合には、気体給排孔9cの開口端を図示しないコンプレッサ等に接続して、弁体17bを気体供給圧あるいは棒などで内方へと押し込んで弁座17aから離座させてシリンダ1内とコンプレッサ等とを連通状態にする事によって行うことができる。また、空圧緩衝器Dへの気体供給が終了してコンプレッサ等を気体給排孔9cの開口端から取外すと、弁体17bがシリンダ1内の圧力とバネ17cとによって押圧され弁座17aに着座してシリンダ1の外部への連通を断って空圧緩衝器D内を気密状態に維持するようになっている。
ちなみに、空圧緩衝器Dの使用時には当該気体給排孔9cの開口端にプラグ18を螺着して、逆止弁17を保護するとともに、気体給排孔9cからの気体漏洩を確実に阻止するようになっている。
なお、本実施の形態にあっては、気体給排孔9cに逆止弁17を設けて、気体の空圧緩衝器Dへの給排を容易に行えるようになっているが、逆止弁17を省略して、プラグ18のみで気体給排孔9cを密閉してもよく、さらに、逆止弁17の代わりに手動操作で気体給排孔9cの開閉を行える開閉弁を設けるようにしてもよい。
したがって、ロッド側室R1とピストン側室R2とは、ロッドガイド4に設けた流路4g、シリンダ1と外筒6との間の隙間およびボトム部材9に設けた通孔9aとで形成される通路10を介して連通されており、通路10はシリンダ1内を迂回して上記ロッド側室R1とピストン側室R2とを連通している。
また、この空圧緩衝器Dの場合、ロッドガイド4の図1中上方には、ロッド3の外周とロッドガイド4との間をシールするシール部材5が積層されており、当該シール部材5はロッドガイド4とともに外筒6の上端開口端を加締めることによって外筒6に固定される。このように構成することで、シリンダ1はロッドガイド4およびボトム部材9に挟持されて外筒6に径方向および軸方向に位置決められた状態で固定される。
なお、外筒6の開口端加締めによって、シール部材5とロッドガイド4とを固定可能なように、この実施の形態では、外筒6の開口端とシール部材5との間に環状のスペーサ19を介装して、シール部材5を図1中下方へと押圧するようにしている。また、外筒6の開口端を加締めることに代えて、外筒6の上端にロッド3の挿通を許容するキャップを螺合する等して外筒6の開口端を覆う構成を採用し、当該キャップでスペーサ19を押圧するようにしてもよい。
シール部材5は、環板状のインサートメタル5aと、該インサートメタル5aの内周に保持されてロッド3の外周に摺接するリップ5bと、インサートメタル5aの下面に保持されてロッドガイド4の中間部4bと大径部4cとの境に形成される段部に密着してシールするシール部5cとを備えており、ロッドガイド4とロッド3との間が気密状態に維持されている。
また、ロッドガイド4と外筒6との間には、シールリング12が介装さており、シール部材5と相俟って、シリンダ1および外筒6内が気密状態に維持される。
そして、上記したロッドガイド4はその中間部4bとロッド3との間の環状の隙間で貯油室Tを形成している。この貯油室Tは、上記したシール部材5におけるリップ5bとロッド3との摺動部Sに臨んでおり、当該貯油室T内には潤滑油J1が充填され、リップ5bの下端が油浸されて上記摺動部Sを潤滑することが可能なようになっている。
この空圧緩衝器Dの場合、貯油室Tをロッド側室R1へ連通する流路が無く、潤滑油J1が貯油室Tからロッド側室R1へ漏洩するのはロッド3とシールリング8の間の非常に狭い摺動隙間を介してのみであるから、このように潤滑油J1を貯油室Tへ充填しておけば、長期間に亘ってロッド3とシール部材5との摺動部Sを潤滑することができる。
さらに、貯油室Tは、貯油室孔4dに螺着されるプラグ14、および気体供給孔4eに螺着される図示しないプラグによって封止され、貯油室T内に充填された潤滑油J1が外部へ漏洩することを阻止している。
また、シリンダ1内は、ロッドガイド4に設けた圧力室孔4fによって外部へ連通可能とされているが、空圧緩衝器Dの使用状態では圧力室孔4fにプラグ15が螺着されて、圧力室孔4fが閉塞されてシリンダ1内は気密状態とされる。
なお、この実施の形態では、外筒6の加締め部分に透孔(符示せず)を設けて、ロッドガイド4に螺着される上記三つの各プラグ14,15を外部操作することができるようにしている。
そして、この実施の形態の場合、シリンダ1の内周とピストン2の外周との摺動部を潤滑することが可能なように、ロッド側室R1内には、潤滑油J2が充填されている。この空圧緩衝器Dの場合、通路10はシリンダ1内を迂回しており、ピストン2には、ロッド側室R1とピストン側室R2とを連通する流路が無く、潤滑油J2がピストン側室R2へ漏洩するのはシリンダ1とピストン2の間の狭い摺動隙間を介してのみであるから、このように潤滑油J2をロッド側室R1へ充填しておけば、長期間に亘ってシリンダ1とピストン2との摺動部を潤滑することができる。
このように構成された空圧緩衝器Dは、ピストン2が図1中上方へ移動して伸長する際には、圧縮されるロッド側室R1から通路10を介して膨張するピストン側室R2へ気体が移動する。そして、この気体の流れに、ボトム部材9に設けた減衰力発生要素9bで抵抗を与えて、この空圧緩衝器Dは伸側減衰力を発生する。
他方、ピストン2が図1中下方へ移動して収縮する際には、圧縮されるピストン側室R2から通路10を介して膨張するロッド側室R1へ気体が移動する。そして、この気体の流れに、ボトム部材9内に設けた減衰力発生要素9bで抵抗を与えて、この空圧緩衝器Dは圧側減衰力を発生する。
空圧緩衝器Dは、上述のように作動するが、長期間の使用の継続によって潤滑油J1は最終的には、シリンダ1内に落下して貯油室T内の潤滑油J1は枯渇していくことになる。
充分な量の潤滑油J1が貯油室T内に存在しないと、シール部材5を磨耗させてシール性が悪化する虞があるが、この実施の形態の空圧緩衝器Dにあっては、貯油室Tを外部へ連通する貯油室孔4dを備えているので、プラグ14を空圧緩衝器Dの外部から操作して取外し、貯油室孔4dを介して貯油室Tへ潤滑油J1を補充することができる。
このように本実施の形態の空圧緩衝器Dにあっては、ロッド3とシール部材5との摺動部Sに臨む貯油室へ空圧緩衝器Dを分解することなく簡単に潤滑油J1を補充することができるので、補充作業が容易であり、また、空圧緩衝器Dに重量増加や構造の複雑化を招くポンプ機構を設けることも要せずに、貯油室T内の潤滑油J1の枯渇を阻止することができる。
さらに、空圧緩衝器Dを廃棄する場合、貯油室孔4dを介して貯油室Tから潤滑油J1を簡単に回収することできる。
また、この実施の形態の場合、気体供給孔4eを備えているので、貯油室Tへ潤滑油J1の給油時に、当該気体供給孔4eから図示しないプラグを取外して気体供給孔4eを開放しておけば、貯油室Tへすばやく潤滑油J1を補充することができ、メンテナンス作業に要する時間を短縮することができるとともに、貯油室Tから潤滑油J1を回収する際には気体供給孔4eから気体を供給すれば、貯油室Tから速やかに潤滑油J1を排出することができ、回収作業の軽減と時間短縮に大いに貢献する。
そして、さらに、気体供給孔4eの貯油室Tへの接続部aは、図2に示すように、貯油室孔4dの貯油室Tへの接続部bより上方に配置されているので、貯油室Tへの潤滑油J1の供給の際に潤滑油J1の油面上昇を妨げることが無く、また、潤滑油J1の排出の際には気体供給孔4eから気体供給によって潤滑油J1を優先的且つ確実に貯油室Tから排出させることができ、非常に便利である。
また、この実施の形態の場合、ロッドガイド4に圧力室孔4fを設けているので、ロッド側室R1に取り残された潤滑油J2の回収を、当該圧力室孔4fを介して行うことができるし、ロッド側室R1で潤滑油J2が枯渇する場合には当該圧力室孔4fを介して潤滑油J2を補充することも可能となり、ピストン2とシリンダ1の摺動部における潤滑油J2の枯渇を防止することができる。なお、ロッド側室R1内の潤滑油J2を回収するには、空圧緩衝器Dを図1に示す姿勢から天地逆にして圧力室孔4fの周辺に潤滑油J2を集めておくことで、シリンダ1内の気体の圧力で優先的に潤滑油J2を排出させることができる。したがって、この場合には、シリンダ1とピストン2との摺動部の潤滑に必要な潤滑油J2の補充も可能となるので、空圧緩衝器Dをより長期間に亘って使用することができるとともに、円滑な伸縮をより長期間に亘って実現でき空圧緩衝器Dの信頼性および実用性が向上する。
また、この実施の形態の場合、圧力室孔4fは流路4gを介してシリンダ1と外筒6の間の隙間にも直接的に連通されているので、当該隙間内に侵入した潤滑油をも空圧緩衝器Dを分解することなく回収することができ、この圧力室孔4fにより潤滑油J2の再充填が可能となるので、この点において、空圧緩衝器Dに重量増加や構造の複雑化を招くポンプ機構を設けることも要しないので空圧緩衝器Dの構造を簡単なものとすることができる。
さらに、この実施の形態の空圧緩衝器Dの場合、シリンダ1内を外部へ連通可能な気体給排孔9cを備えており、シリンダ1内の圧力のチューニングや、気体の注入を行うことができるようになっている。
シリンダ1内の圧力をチューニングするには、以下のように行うことができる。まず、空圧緩衝器D内の圧力を上昇させるには、気体給排孔9cより気体を供給する。この場合には、上述したように、気体給排孔9cの開口端にコンプレッサ等に接続して、気体供給圧或いは棒等で弁体17bを内方へと押し込んで弁座17aから離座させシリンダ1とコンプレッサ等とを連通状態にし、空圧緩衝器D内の圧力が所望する圧力に達するまで気体を供給することになる。
他方、空圧緩衝器D内の圧力を下降させるには、気体給排孔9cより気体を排出する。この場合には、気体給排孔9cの開口端から棒状の工具等を挿入して弁体17bを内方へと押し込んで弁座17aから離座させてシリンダ1と外部とを連通して、空圧緩衝器D内の圧力が所望する圧力に達するまで気体を排出させることになる。なお、この気体排出の際に、空圧緩衝器Dを図1に示す姿勢として気体給排孔9cの周辺にピストン側室R2内に溜まった潤滑油を集めるようにしておけば、ピストン側室R2から潤滑油を簡単に排出することもできる。
このように、チューニング作業者は、空圧緩衝器Dを分解し、事後組立をすることなく、気体給排孔9cを介して、空圧緩衝器D内の圧力のチューニングを非常に簡単に行うことができる。
なお、上記した各実施の形態では、空圧緩衝器Dを正立型に設定しているが、倒立型に設定するようにしてもよい。このように空圧緩衝器Dが倒立型に設定される場合、気体供給孔の貯油室への接続部が貯油室孔の貯油室への接続部より上方配置するようにしておくとよい。また、倒立型の場合、上方配置されるピストン側室R2に潤滑油を充填してシリンダ1とピストン2との摺動部を潤滑するのがよいので、圧力室孔はボトム部材9へ設けるとよく、気体給排孔はロッドガイド4に設けるとよい。
この場合は、上記正立型空圧緩衝器と同じくロッドガイド3に外部へ連通する気体給排孔を備えているので、倒立型の空圧緩衝器として使用するとき、シリンダ1内の圧力のチューニングや、気体の注入を行うことができるようになっている。
シリンダ1内の圧力をチューニングするには、気体給排孔より気体を供給する。
他方、空圧緩衝器内の圧力を下降させるには、気体給排孔より気体を排出する。このように、倒立型の空圧緩衝器であっても、チューニング作業者は、空圧緩衝器を分解し、事後組立をすることなく、気体給排孔を介して、空圧緩衝器内の圧力のチューニングを非常に簡単に行うことができる。

以上で、本発明の実施の形態についての説明を終えるが、本発明の範囲は図示されまたは説明された詳細そのものには限定されないことは勿論である。
空圧緩衝器の概略縦断面図である。 空圧緩衝器のロッドガイドの斜視図である。
符号の説明
1 シリンダ
2 ピストン
3 ロッド
4 ロッドガイド
4a ロッドガイドにおける保持部
4b ロッドガイドにおける中間部
4c ロッドガイドにおける大径部
4d ロッドガイドにおける貯油室孔
4e ロッドガイドにおける気体供給孔
4f ロッドガイドにおける圧力室孔
4g ロッドガイドにおける流路
5 シール部材
5a シール部材におけるインサートメタル
5b シール部材におけるリップ
5c シール部材におけるシール部
6 外筒
7 ベアリング
8,12 シールリング
9 ボトム部材
9a 通孔
9b 減衰力発生要素
9c 気体給排孔
10 通路
14,15,18 プラグ
17 逆止弁
17a 弁座
17b 弁体
17c バネ
17d 切欠
a,b 接続部
D 空圧緩衝器
J1,J2 潤滑油
R1 ロッド側室
R2 ピストン側室
S 摺動部
T 貯油室

Claims (7)

  1. シリンダと、シリンダ内をロッド側室とピストン側室とに区画するピストンと、ピストンを介してシリンダ内に移動自在に挿入されたロッドと、シリンダの一端を閉塞するとともにロッドを軸支する環状のロッドガイドと、ロッドガイドに積層されてロッドの外周をシールするシール部材とを備えた空圧緩衝器において、ロッドガイドは、ロッドとシール部材との摺動部に臨んで潤滑油を溜める貯油室と、当該貯油室と外部とを連通する貯油室孔と、同じく貯油室と外部とを連通する気体供給孔とを備えてなることを特徴とする空圧緩衝器。
  2. シリンダと、シリンダ内をロッド側室とピストン側室とに区画するピストンと、ピストンを介してシリンダ内に移動自在に挿入されたロッドと、シリンダの一端を閉塞するとともにロッドを軸支する環状のロッドガイドとを備えた空圧緩衝器において、ロッド側室とピストン側室とがシリンダ内を迂回する通路のみによって連通されるとともに、ロッドガイドは、ロッド側室を外部へと連通する圧力室孔を備えていることを特徴とする空圧緩衝器。
  3. シリンダと、シリンダ内をロッド側室とピストン側室とに区画するピストンと、ピストンを介してシリンダ内に移動自在に挿入されたロッドと、シリンダの一端を閉塞するとともにロッドを軸支する環状のロッドガイドとを備えた空圧緩衝器において、ロッド側室とピストン側室とがシリンダ内を迂回する通路のみによって連通されるとともに、ロッドガイドは、ロッド側室を外部へと連通する気体給排孔を備え、シリンダの他端を閉塞するボトム部材は、ピストン側室を外部へと連通する圧力室孔を備えていることを特徴とする空圧緩衝器。
  4. ロッドガイドに積層されてロッドの外周をシールするシール部材とを備え、ロッドガイドは、ロッドとシール部材との摺動部に臨んで潤滑油を溜める貯油室と、当該貯油室と外部とを連通する貯油室孔とを備えてなることを特徴とする請求項2または3に記載の空圧緩衝器。
  5. ロッドガイドは、貯油室と外部とを連通する気体供給孔を備えてなることを特徴とする請求項4に記載の空圧緩衝器。
  6. 気体供給孔の貯油室への接続部は、貯油室孔の貯油室への接続部より上方に配置されることを特徴とする請求項5に記載の空圧緩衝器。
  7. シリンダ内を外部へ連通してシリンダへの気体の供給と排出を可能とする気体給排孔を備えたことを特徴とする請求項1から6のいずれかに記載の空圧緩衝器。
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