次に、本発明の一実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。図1は、本発明の遊技用装置としての封入式遊技機1を示す斜視図であり、図2は、封入式遊技機1を示す背面斜視図である。図1及び図2に示すように、遊技機1は、縦長の長方形に枠組み形成された外枠2と、この外枠2の一側(向かって左側)に上部が回動自在で且つ着脱自在に軸支され、遊技機1の主要構成部の略全てが集約して設けられる上部前面枠3Aと、この上部前面枠3Aの下側に位置して外枠2の一側に上下を回動自在で且つ着脱自在に軸支された下部前面枠3Bと、を備えている。これら上部前面枠3Aと下部前面枠3Bとで遊技機1の前面枠を構成している。なお、本発明においては実施形態のように上部前面枠3Aと下部前面枠3Bとが分離したものに限らず、これらが一体化された単一の前面枠でもよい。
これら上部前面枠3Aと下部前面枠3Bとは相互に分離しており、下部前面枠3Bの一側に上部前面枠3Aの下部が回動自在で且つ着脱自在に軸支されている。上部前面枠3Aには遊技盤4が着脱自在に取り付けられると共に、この遊技盤4の前側には開閉自在の透明板保持枠5がこれも上部前面枠3Aに着脱自在に取り付けられている。また、下部前面枠3Bには前面上側に持点表示部となる持点表示ユニット6が一側を着脱且つ開閉自在に軸支されると共に、その下側には引落・精算用の操作部となる表示ユニット7と打球発射操作部となるハンドルセット8が何れも着脱可能に取り付けられている。下部前面枠3Bにはカードユニット装置10が取り付けられており、前記表示ユニット7内に配置され、そのカード挿入口13は当該表示ユニット7の開口11から前方に臨んでいる。なお、上記上部前面枠3Aはカードユニット装置10を設けた下部前面枠3Bの上側で開閉且つ着脱自在に設けられている。また、下部前面枠には打球発射操作部となるハンドルセット8に対応した図示しない打球発射装置が取り付けられている。
遊技盤4は、略正方形状の合板により形成され、その前面には円形渦巻き状に誘導レール14が取り付けられ、この誘導レール14の内側が遊技領域15とされている。この遊技領域15には、実施形態ではドラム式可変表示装置16と、このドラム式可変表示装置16の可変表示を許容する始動入賞口17と、可変入賞球装置18などが設けられている。遊技内容は、ドラム式可変表示装置16に導出された表示結果が大当たり図柄になると、これに伴って特定遊技状態が発生して可変入賞球装置18を所定の態様で開放制御するものである。なお、本発明に係る特定遊技状態(特定の遊技価値)は、上記に限らず、下記に示すように(1)〜(4)の制御のうち何れか一つの制御、あるいはそれらを組み合わせた制御を実行する状態であればよい。
(1)打玉の入賞を容易にする第一の状態と、打玉が入賞できない、あるいは入賞し難い第二の状態とに変化可能な可変入賞球装置に対して所定時間連続的に、あるいは間欠的に第一の状態にする制御。
(2)特定の入賞あるいは通過領域での打玉の検出を介在させ、打玉の入賞を容易にする第一の状態と、打玉が入賞できない、あるいは入賞し難い第二の状態とに変化可能な可変入賞球装置に対して所定時間連続的に、あるいは間欠的に第一の状態にする制御。
(3)打玉の入賞に係わらず所定数の景品玉あるいは持点を直接付与する制御。
(4)有価価値を有する記録媒体(カードやレシートなど)に対して有価価値数を加算する制御。
前記透明板保持枠5には、遊技盤4の遊技領域15を透視し得る円形の透視窓19が開設され、この透視窓19にはその裏側から複層ガラスからなる透明板20が着脱自在に装着されている。透視窓19の外周には、その上部に装飾LED21が設けられ、左右両側方には、装飾ランプ22が設けられている。この装飾LED21や装飾ランプ22は遊技状態に応じて点灯又は点滅されるものであり、特定遊技状態の発生などを遊技者に報知すると共に、遊技の雰囲気を盛り上げるように構成されている。
透明板保持枠5の軸支側上部には入賞玉の発生に基づいて所定数の得点が付与されたことを報知する賞球LED24が設けられ、透明板保持枠5の上部左右には、遊技の進行に応じた効果音を発生する効果音スピーカ25が設けられている。さらに、透明板保持枠5には、遊技盤4の前面に貼付される証紙(図示せず)を視認させるための開口31が穿設されている。
下部前面枠3Bは上方に延在して外枠2と上部前面枠3A間に介在する上部枠体12を備えており、この上部枠体12の一側中央より下側には軸受金具41が設けられ、この軸受金具41には回転軸が立設されている。また、外枠2の一側上隅部にはヒンジ板33が取り付けられている。そして、上部前面枠3Aの一側上下に取り付けられた軸受金具がこれらヒンジ板33と軸受金具41の回転軸に回動自在で着脱自在に軸支される。
そして、上部前面枠3Aと下部前面枠3Bは外枠2に対して一体に開閉自在とされ、且つ、上部前面枠3Aのみが開閉自在な状態とすることができるように構成されている。従って、上部前面枠3Aのみ開閉とする状態と上部前面枠3Aと下部前面枠3Bを一体的に開閉する状態を選択できるので、それぞれに設けられた各機器のメンテナンスが極めて容易となる。また、下部前面枠3Bを残しておいて上部前面枠3Aのみ交換することもできるようになるので、リサイクル性が向上する。
下部前面枠3Bの前面には何れも硬質合成樹脂製の前記持点表示ユニット6、表示ユニット7、ハンドルセット8及びカバー部材44、45が着脱可能に取り付けられ、これらによって下部前面枠3Bの前面は被覆される。従って、前記持点表示ユニット6、表示ユニット7及びハンドルセット8もカバー部材として機能する。なお、表示ユニット7やカバー部材44、45は位置決めしてビス若しくはナット止めにて下部前面枠3Aに前面から着脱可能に取り付けられている。
このように、下部前面枠3Bの前面を覆う持点表示ユニット6、表示ユニット7、ハンドルセット8及びカバー部材44、45を着脱可能に取り付けているので、遊技機1のデザイン変更の際にはこれらのみを交換することが可能となり、模様替えに要するコスト削減を図ることができるようになる。
即ち、上記持点表示ユニット6は、下部前面枠3Bに回動且つ着脱自在に取り付けられたカバー部材48を備え、このカバー部材48に例えばドットマトリックス式のLED若しくはLCDなどの画像表示器から構成される持点表示部49が斜め上方に向けて露出して取り付けられ、その裏面にはこの持点表示部49の回路基板(図示せず)も取り付けられている。そして、この持点表示部49には遊技者が遊技の結果獲得した持点が表示される。なお、この持点表示部49には玉詰まり時などに店員を呼び出す際の表示を例えば「CALL」などの形式で表示し、あるいは、中座する際には「中断中」などの表示が行えるように構成されている。
また、下部前面枠3Bには施錠装置52及び53が設けられており、施錠装置52を鍵で例えば右に回すと透明板保持枠5の施錠が解除され、これによって透明板保持枠5が開放可能となる。また、この施錠装置52を左に回せば、今度は上部前面枠3Aの施錠が解除され、これによって上部前面枠3Aが開放可能となる。さらに、施錠装置53を鍵で回すと、下部前面枠3Bの施錠が解除され、これによって下部前面枠3Bと上部前面枠3Aが一体に開放可能となるものである。
表示ユニット7は、持点表示ユニット6の下側中央から前方に突出するカバー部材54を備えており、このカバー部材54の上面には、引落・精算操作用の各種スイッチや電気的表示部が集約して配設された操作部55が構成されており、その側方には灰皿56が形成されている。また、カバー部材54は下部前面枠3B側にナットにて着脱可能に取り付けられている。この表示ユニット7のカバー部材54内には上記操作部55の各スイッチや電気的表示部の回路基板(図示せず)が取り付けられており、これらは一体として下部前面枠3Bに着脱可能に取り付けられている。そして、前述したようにこの表示ユニット7内にはカードユニット装置10が配置され、カード挿入口13に対する開口11を設けたカバー部材54によって前記カード挿入口13を除く部位が隠蔽されている。
ハンドルセット8は、ハンドルリング57Aを備えた操作ハンドル57と、この操作ハンドル57を下部前面枠3Bに着脱可能に取り付けるためのカバー部材58とから構成されている。カバー部材58には、ハンドルセット8を下部前面枠3Bに穿設された取付孔に着脱可能に取り付けて固定するための取付ボルト(図示せず)が一体的に設けられている。なお、前記施錠装置53はこのハンドルセット8の右上部に位置している。
このような遊技機1は、外枠2を遊技機設置島に固定することにより、複数台並設される。なお、実施形態では外枠2に上部前面枠3Aや下部前面枠3Bを着脱且つ回動自在に枢支する方式としたが、これに限らず、各前面枠3A、3Bを直接遊技機設置島の図示しないフレームに着脱且つ回動自在に枢支する方式でもよい。即ち、その場合には遊技機設置島のフレームが外枠の役目をするので、外枠2は必要ないものとなる。
前記表示ユニット7の斜め上方に指向された上面に構成された操作部55には、例えば複数桁の7セグメントLED(あるいはLCD等)表示器(画像表示器や数値を表示できる表示器であれば特に限定しない)で構成された残高表示部、景品持玉表示部と、各種操作スイッチ(精算スイッチ、中断スイッチ、玉貸スイッチ、自動玉貸スイッチ、リプレースイッチ、カードデータスイッチ、呼出スイッチ)と、各種LED(カード残高LED、リプレー回数LED、景品持玉LED、貯玉LED、自動玉貸LED、中断LED)などが集約して設けられている。
これら残高表示部、景品持玉表示部、精算スイッチ、中断スイッチ、玉貸スイッチ、自動玉貸スイッチ、リプレースイッチ、カードデータスイッチ、呼出スイッチ、カード残高LED、リプレー回数LED、景品持玉LED、貯玉LED、自動玉貸LED、中断LEDは、表示ユニット7内に設けられた前記回路基板に電気的に接続されている。この回路基板と前記持点表示ユニット6の持点表示部49の回路基板は、遊技機1内の後述する遊技制御基板81やカードユニット装置10内のカードユニット制御基板と共に後述する台管理装置111に電気的に接続され、上記各種操作スイッチの押圧操作信号を遊技制御基板81やカードユニット制御基板に出力すると共に、これらの制御基板から各種信号の入力を受け、各表示部及びLED(LCD)の点灯制御を実行する。
このような遊技機1で遊技を行なうためには、まずICカードからなる持点カードをカードユニット装置10のカード挿入口13に挿入する。この持点カードは、例えば遊技場に設置されたカード販売機で購入することができる。カード販売機から発行された持点カードには、当該カードが発行された遊技場を特定可能な遊技場コード、複数の持点カードの中から当該持点カードを特定可能な識別情報、持点カード購入の際に遊技者が支払った金額に応じてその上限が定められるカード残高などが記録されている。
そして、上記持点カードがカードユニット装置10のカード挿入口13に挿入された場合には、その記録情報が内部のカードリーダライタにより読み取られて操作部55に設けられた前記残高表示部に持点カードのカード残高が表示される。また、この場合はカード残高LEDが点灯する。
なお、遊技者が貯玉(遊技場預り持点)で遊技する場合には、前記リプレースイッチを押す。このリプレースイッチが押されると、残高表示部には貯玉のリプレー回数(回)が表示されると共に、前記カード残高LEDが消灯し、リプレー回数LEDが点灯する。そして、もう一回リプレースイッチを押せば残高表示に復帰する。
次に、自動玉貸スイッチが押されていない場合には、遊技機1は持点カードからの有価価値の引落モード(貸出モードともいう)が玉貸モードとなり、自動玉貸LEDは消灯している。この貸出モードが玉貸モードに設定されている場合には、遊技者が前記玉貸スイッチを押す操作に基づいてカード残高が引き落とされ、遊技に使用可能な持点が貸し出される。
なお、有価価値の引落モードには玉貸モードの他、自動玉貸モード、再プレイモード、自動再プレイモードがある。リプレースイッチが押されていない状態で、自動玉貸スイッチが押されると自動玉貸モードとなり、自動玉貸LEDが点灯する。リプレースイッチが押されている状態で、自動玉貸スイッチが押されていない場合には再プレーモードとなり、自動玉貸LEDは消灯すると共に、その状態で自動玉貸スイッチが押されると自動再プレーモードとなり、自動玉貸LEDが点灯することになる。
上記玉貸モードにおいて、玉貸スイッチを押せば、持点カードのカード残高から所定数のカード残高が引き落とされて残高表示部でカード残高が減算更新表示される。一方、カード残高の引き落としと引き換えに所定数の持点が遊技者に付与され、付与された持点数が前記持点表示ユニット6の持点表示部49に加算更新表示される。この場合の持点は持点表示部49にて大きく表示されるので、遊技者の視認性は良好となり、持点のアピール度が向上する。
持点表示部49に持点が存在する状態で操作ハンドル57を操作すれば、遊技機1内に封入されている打玉(遊技媒体)が図示しない打球ハンマにより一発ずつ遊技領域15内に打ち込まれる。打ち込まれた打玉は図示しない発射玉検出器により一つずつ検出され、検出のある毎に持点表示部49の持点数が一つずつ減算更新表示される。
発射勢いが弱すぎて遊技領域15にまで到達しなかった打玉はファール玉入口より回収され、遊技盤4の裏面に設けられた図示しないファール玉検出器で検出される。ファール玉が検出されるごとに持点表示部49で持点数が一つずつ加算更新表示される。これにより、遊技者の打玉が遊技領域15にまで到達する機会を得ることなく減算更新された持点を有効に再度使用することができる。
打玉が始動入賞口17、あるいは、可変入賞球装置18に入賞すれば、その入賞に応じて所定数の持点が遊技者に付与される。遊技者に付与された持点は、持点表示部49に加算更新表示される。また、いずれの入賞口にも入賞しなかった打玉はアウト口より回収される。
遊技領域15に打ち込まれた打玉が始動入賞口17に入賞すればドラム式可変表示装置16で図柄の可変表示が開始される。そして、ドラム式可変表示装置16の可変表示結果が予め定められた特定の表示態様(たとえば777)となれば、所謂大当りが発生する。大当りが発生すれば、可変入賞球装置18が開成状態となり遊技者にとって有利な第一の状態となる。この第一の状態は打玉の可変入賞球装置18への所定個数(たとえば10個)の入賞、あるいは所定期間(たとえば30秒間)の経過のうち、いずれか早い方の条件が成立することにより終了して遊技者にとって不利な第二の状態、即ち、可変入賞球装置18が閉成した状態となる。
可変入賞球装置18が第一の状態となっている期間中に可変入賞球装置18内に進入した打玉は図示しない入賞個数検出器、あるいは、特定入賞玉検出器により検出される。打玉が特定入賞玉検出器により検出されれば、その回の可変入賞球装置18の第一の状態が終了するのを待って再度可変入賞球装置18を第一の状態に制御する繰り返し継続制御が行なわれる。この繰り返し継続制御の上限回数はたとえば16回と定められている。
繰り返し継続制御がすべて終了して、所謂大当り状態が終了すれば、その時点で持点表示部49に表示されている持点はすべて景品交換用の景品交換持点に変換され、遊技者が最終的に遊技を終えるまで記憶される。そして、遊技者が遊技終了操作を行ない、持点カードがカードユニット装置10から排出される際に持点カードにこの景品交換持点が累積記憶される。
なお、持点表示部49に表示されていた持点が景品交換持点に変換されると同時に持点表示部49の表示は0にクリアされる。従って、大当りの終了後、遊技を続行するためには、改めてカード残高の引落操作を行なわなければならない。また、一時的に累積記憶されている景品交換持点を引き落として遊技に使用することはできず、さらに持点カードに既に記録されている景品交換持点が存在するとしても、直接これを引き落として遊技に使用することはできない。
景品交換持点は、原則として景品交換専用の持点として定められているからである。なお、この景品交換持点と区別する意味で、特に持点表示部49に表示され遊技に直接使用可能な持点のことを遊技持玉と呼ぶ。持点表示部49には常時この遊技持玉が表示される。一方、前記景品持玉表示部には上記景品交換持点を表示する。これを景品持玉と呼び、この際には前記貯玉LEDは消灯して景品持玉LEDが点灯する。
なお、先の説明では、大当り状態が終了した時点で持点表示部49に表示されている遊技可能持点(遊技持玉)が景品交換持点(景品持玉)に変換される旨、説明したが、大当り成立時にドラム式可変表示装置16に停止表示されている図柄が予め定められたラッキーナンバーと一致する場合には、これに基づいた大当り状態終了後、前述した持点の変換処理を実行することなく遊技可能持点を継続して遊技に使用可能な「持点遊技」が許容される。そして、予め定められたアンラッキーランバーがドラム式可変表示装置16に停止表示され、大当りが発生したことを条件に持点遊技の許容状態が取り消されて大当りの終了後に前述した持点の変換処理が実行される。
ここで、遊技機1での遊技状況に応じて持点数(遊技持玉)が残り少なくなれば、再度玉貸スイッチを押圧操作することにより、カード残高が減算更新されると共に、持点(遊技持玉)を加算更新させることができる。しかしながら、カード残高のこのような引落操作が面倒である場合には、自動玉貸スイッチを押圧操作して前述の自動玉貸モードに変更すればよい。これにより、遊技可能持点が所定数以下になれば自動的にカード残高が引き落とされて持点表示部49に所定数の持点が加算更新表示されるようになる。モードが自動玉貸モードにある場合には、自動玉貸LEDが点灯してその旨が表示される。
次に、食事を採るなどの目的のために一旦遊技を中断したい場合には、前記中断スイッチを押すことにより、中断途中から遊技を再開させる権利を有した状態で遊技を中断することができる。この中断中には前記中断LEDが点灯すると共に、持点表示部49には「中断中」の文字表示が大きく成される。また、中断が行なわれた際にカードユニット装置10に挿入されていた持点カード以外のカードを使用した遊技が拒絶される。
遊技を終了する場合には、前記精算スイッチを押せばよい。これにより、残高表示部に表示されているカード残高、および持点表示部49に表示されている遊技可能持点(遊技持玉)が、それぞれ更新後の情報として持点カードに記録される。また、景品交換持点(景品持玉)が存在する場合には、これが持点カードに記録される。
なお、既に持点カードに以前遊技で獲得した景品交換持点が記録されている場合には、景品交換持点が加算更新されることとなる。以上において、持点カードには、カード残高の他、遊技可能持点(遊技持玉)および景品交換持点(景品持点)がそれぞれ記録されていることとなる。情報の書き換えが終了した持点カードは、カードユニット装置10のカード挿入口13から排出される。
持点カードに記録される景品交換持点(景品持玉)および遊技可能持点(遊技持玉)は、それぞれの持点を所有することとなった当日限りにおいて有効な持点である。従って、遊技可能持点を当日中に遊技に使用しない場合や景品交換持点および遊技可能持点を当日中に景品交換に使用しない場合には、翌日以降はそれらの持点は無効扱いとなる。遊技場内には、これらの持点を当日以降も景品交換に有効に使用可能な有価価値である「貯玉」に変換するための変換処理装置が設けられている。
例えば、この種の変換処理装置は遊技場内のスペースを有効活用するために景品交換操作を行なうための景品交換処理装置と兼用構成されている場合が多い。景品交換持点あるいは遊技可能持点を「貯玉」に変換したい場合には、それらの持点の記録された持点カードを前記変換処理装置に挿入し、貯玉に変換したい持点の種類(遊技可能持点、景品交換持点)および持点数を指定して実行操作すればよい。これにより、指定された持点が「貯玉」に変換され、持点カードに記録される。なお、持点カードには直接記録されず、会員管理コンピュータなどで記憶しておくようにしてもよい。
なお、操作以前に既に過去の変換操作に基づいて「貯玉」が存在する場合には、これに累積して加算更新されることになる。ここで「貯玉」を定義付けるならば、「貯玉」とは、持点を遊技場預かりとして累積的に保管された有価価値となる。持点を「貯玉」に変換することにより、遊技行為当日のみならず過去において獲得した持点を累積的に保管できることとなる。遊技者は、貯玉を繰り返し行なうことにより、一度の遊技では獲得することが困難な景品交換額の大きな景品を獲得することが可能となる。また、「貯玉」の量に応じて遊技場毎に様々なサービスも可能となる。
一方、持点カードに記録されているカード残高や遊技可能持点を使用することなく、貯玉を用いて遊技を行ないたいという遊技者のニーズがある。このような場合には、操作部55のリプレースイッチを押して、持点の引き落としを行なう際に、これをカード残高から行なうのか、貯玉から行なうのかを選択できるように構成されている。
即ち、操作部55に設けられたリプレースイッチを押すことにより、貸出モードは貯玉からリプレー回数(貯玉数÷1回の引き落し玉数=持点で計算されるリプレーの許容回数で、1回リプレーするごとにリプレー1回に対応する貯玉数が減算される。)を引き落とす前記再プレイモードあるいは自動再プレイモードとなる。なお、貸出モードが再プレイモードに設定されている場合には、玉貸スイッチの押圧操作に基づいて貯玉からリプレー回数が引き落とされ、貸出モードが自動再プレイモードに選択されている場合には、遊技者の持点数が所定数以下となれば自動的に貯玉から所定数のリプレー回数が引き落とされるように構成されている。
貸出モードが再プレイモードあるいは自動再プレイモードに設定されている場合には、残高表示部にはカード残高に代えて遊技に使用可能なリプレー回数が表示される。また、この場合は前記リプレー回数LEDが点灯する。ここで、「再プレイ(リプレー)」とは、特に貯玉を用いて遊技を行なうこと、あるいは、その状態をいう。なお、この貯玉数は前記カードデータスイッチを押すことにより、景品持玉表示部に切り換えて表示させることができる。
ここで、遊技領域15にて玉詰まりなどが生じた場合には、前記呼出スイッチを押圧操作する。この呼出スイッチが押圧されると、遊技機設置島に設けられた呼出表示器が点灯すると共に、持点表示部49には「CALL」の文字が大きく表示され、店員によるメンテナンスを促す。
次に、図2において、遊技機1の上部前面枠3Aの裏面側の中央部には前記ドラム式可変表示装置16が取り付けられている。このドラム式可変表示装置16の上側には遊技機1の遊技内容を制御するためのマイクロコンピュータからなる遊技制御基板81が着脱自在にネジ止めされている。そして、この遊技制御基板81には、信号の入出力を行なうための配線が接続されるコネクタ81Aが設けられている。
また、遊技制御基板81の後方から見て右側には情報端子板89が着脱自在にネジ止めされている。情報端子板89には、外部(たとえばホールコンピュータ)と遊技機1との間の信号線を接続するための端子や外部電源供給線が接続される電源ソケット、電源スイッチ、コネクタなどが設けられている。また、この情報端子板89の下側であって、ドラム式可変表示装置16の後方から見て右側には電飾制御基板91が着脱自在にネジ止めされている。この電飾制御基板91は遊技制御基板81に電気的に接続され、前記装飾LED21や装飾ランプ22などの電飾の点灯を制御する。なお、効果音スピーカ25やカードユニット用のスピーカを制御する音声制御基板も遊技制御基板81から分離して設け、電飾制御基板91同様に着脱自在に取り付けてもよい。
外枠2の下端左裏面には台管理装置111が取り付けられている。この台管理装置111は前記カードユニット装置10のカードユニット制御基板からの各種カード情報や遊技制御基板81からの遊技情報を受けると共に、表示ユニット7内の回路基板から各種スイッチの操作情報を受け、前述した玉貸などの制御や持点表示部49の表示制御などを実行する。また、前記情報端子板89を介してホールコンピュータなどとの間で情報の授受を行う。
この台管理装置111と遊技制御基板81や情報端子板89、カードユニット装置10、持点表示部49などとの間の配線は、遊技機1の裏面の向かって右側(枢支側)に沿って配設されている。これにより、上部前面枠3Aや下部前面枠3Bが回動する際にも支障がないように構成されている。なお、この台管理装置111を下部前面枠3B裏面に取り付けられる。
ここで、遊技機1の始動入賞口17や可変入賞球装置18内に進入した打玉(入賞玉)は、遊技盤4の裏面側に導かれる。遊技盤4の裏面下方における下部前面枠3Bの裏側には、遊技機1において打玉の循環経路の一部を構成する玉循環ユニット部97が設けられている。以下、本実施形態の要部をなす玉循環ユニット部97の構成について図3乃至図20を参照して詳述する。玉循環ユニット部97は、図3及び図4に示すように、玉循環ユニット部97の基板を構成する取付ベース83と、該取付ベース83上に設けられる研磨装置98と、該研磨装置98に打玉(遊技媒体)を揚送する玉揚送装置99と、から構成されている。
玉揚送装置99は、遊技盤4の裏面に導かれた入賞玉及びアウト口より回収されたアウト玉を受け止める受け樋部101と、該受け樋部101に受け止められた玉を揚送する歯車102と、受け樋部101に受け止められた玉量を検出する検出器104と、歯車102と研磨装置98に延在する後述の通路部材103との間に設けられて歯車102によって揚送された玉を通路部材103に形成される後述の移送通路124内に導く移送通路105と、を備えている。なお、遊技盤4の裏面に導かれた入賞玉は、前記入賞個数検出器や特定入賞個数検出器にて検出処理された後、受け樋部101に送られる。また、アウト口より回収されたアウト玉は、図示しないアウト玉検出器にて検出処理された後、同様に受け樋部101に送られる。なお、図示しないが打玉の循環経路として入賞玉誘導通路、アウト玉誘導通路、及び回収玉誘導通路が形成され、入賞玉誘導通路により入賞玉が誘導され、アウト玉誘導通路によりアウト玉が誘導され、入賞玉誘導通路からの入賞玉及びアウト玉誘導通路からのアウト玉が合流し、受け樋部101まで入賞玉とアウト玉とを回収玉として回収玉誘導通路で誘導するようになっている。
そして、上記した受け樋部101に受け止められた玉が検出器104の位置まで貯留されると、歯車102が回転駆動される。この歯車102の回転により打玉は、移送通路105を通って通路部材103の移送通路124に揚送され(玉が上下方向に連なり、下側の玉によって上側の玉が押し上げられて揚送される)、そこで、後に詳述するように研磨装置98に研磨された後、図示しない発射待機玉通路に移送され、前述した打球発射装置の打球発射位置に導かれる。詳しく説明すると、受け樋部101に所定量の玉が貯留されると、受け樋部101に設けられた図示しない作動板が下降し、これに伴って検出器104がON(検出信号を出力)して、その検出信号によってモータ(電気的駆動源)を駆動して歯車102(移送手段)を回転駆動(駆動)させる。一方、検出器104がOFF(検出信号の出力が停止)すると、その検出信号の出力停止によって(例えば、検出信号の出力停止から所定時間経過後)モータの駆動を停止して歯車102の回転駆動を停止する。また、このような歯車102の回転駆動により、連なった玉は移送通路124に揚送される。そして、移送通路124に揚送された玉は、自転しながら研磨装置98で研磨され、研磨後は、所定量の玉が発射待機玉として玉を貯留する発射待機玉通路に移送される。
なお、ファール玉は、ファール玉入口に回収されて図示しないファール玉検出器で検出処理された後、発射待機玉通路に戻り、打球発射位置に導かれる。また、打球発射位置へ導かれた玉は、前記打球ハンマにより誘導レール14に向けて発射された後、誘導レール14に誘導されて遊技領域15に打ち込まれることになる。以上のようにして、遊技機1の内部空間に封入されている玉が繰返し循環して遊技に使用されることになる。また、ファール玉も回収玉誘導通路に合流させるなどして受け樋部101で回収して循環させてもよい。また、歯車102の回転駆動及び停止の制御を行うには、受け樋部101への回収玉数や発射待機玉通路への補給玉数などの設定玉数に基づいて制御するようにしてもよく、このような制御を前述した制御と組合せるようにしてもよい。さらに、移送手段として歯車を用いたが、スクリューやベルトコンベアなどでもよい。
玉循環ユニット部97の基板を構成する取付ベース83には、図5乃至図7に示すように、取付ベース83の上縁に位置する上壁112と、通路部材103と所定の間隔を存して対向する位置に形成された側壁113と、この側壁113の下端から右方に延在して形成された下壁114と、からなる周囲壁115が設けられている。上壁112の右端下面には、矩形状のカバー部材118が取り付けられており、これら上壁112、側壁113、及び下壁114からなる周囲壁115とカバー部材118とで囲繞される空間内に、後方に向けて開口した矩形状をなして後述する研磨カセット151を装着するための装着部116が構成されている。即ち、周囲壁115は、装着部116の周囲に位置する。
上記した上壁112には、研磨カセット151に設けられる後述の把手部168との干渉を避けるための切欠部117が形成されている。側壁113の縁部には、抑え片121が取り付けられている。この抑え片121は、略断面L字状を呈しており、図4に円Aで拡大して示すように、側壁113の内面から前面にかけて連通して穿設された連通穴113Aの内部に遊嵌して取り付けられている。抑え片121は、断面L字の底辺121Aの先端部分121Cが連通穴113Aの内面側の開口113Bから装着部116側に突出し、断面L字の縦辺121Bの上端部分121Dが連通穴113Aの前面側の開口113Cから突出している。そして、連通穴113Aの内部に取り付けられた板バネ(付勢手段)122によって常時底辺121Aの先端部分121Cが装着部116側に突出するように付勢されると共に(円A内の右側に示す)、板バネ122の付勢力に抗して把手部となる上端部分121Dを図中左方向に移動操作することにより、底辺121Aの先端部分121Cが側壁113の内面と面一となるまで後退するように構成されている(円Aの左側に示す)。また、先端部分121Cは、研磨カセット151を装着部116に装着する際、研磨カセット151の一側底面に押されることで、板バネ122の付勢力に抗して自然と抑え片121を左方向に移動させるような傾斜面121E(テーパー形状)が形成されている。そして、研磨カセット151が装着部116内に完全に装着された状態で、板バネ122の付勢力によって先端部分121Cが右方向に移動されて開口113Bから突出することで、先端部分121Cの底面によって研磨カセット151を装着部116内に抑え込むようになっている。なお、実施形態中では、板バネ122と抑え片121を別体に構成したが、板バネを抑え片と一体的に形成したものや一体成形したものであってもよい。
取付ベース83上の向かって右側には、カバー部材118によって覆われる格納部123がビス125で取り付けられている。この格納部123は、上下端及び装着部116側が開放しており、該格納部123内に通路部材103が格納されている。この場合、通路部材103は、下端側の回転支軸103Aを中心として取付ベース83上で所定角度回動自在に枢支されている。
通路部材103は、合成樹脂にて成形されており、該通路部材103の左側部分(装着部116と対向する部分)には、上下方向に延在する移送通路124が形成されている。この移送通路124は、図18(B)に示すように、遊技媒体としての玉Pが一列で通過可能な断面寸法を備えており、装着部116側の開口幅L2は、玉の直径L1よりも小さく設定されている。なお、玉が移送通路124内より露出する面積を大きくするべく、直径L1と開口幅L2との差をごくわずかとした。これにより、移送通路124内を移送される玉は、装着部116側に脱落すること無く、その一部が移送通路124から装着部116側に臨む構成となっている。また、通路部材103は、上記した断面形状の移送通路124を形成し易いように左右に2分割成形された部材を貼り合わせて構成されている。なお、移送通路124内の玉は、自転しながら移送通路124内を上方に押し上げられることで移送される。また、移送通路124から装着部116側に臨んだ玉の露出部分が、後述する研磨布158を介して押圧部材167のスポンジ167A(弾性部材又は弾性変形部)に没入した状態で押圧され、これによって玉の露出部分が研磨布158と円弧状に接触する(玉と研磨布158との接触部分が多くなる)ようになっている。また、通路部材103の上側前面には、格納部123(カバー部材118)に穿設された切欠部123Aから前方に突出する把手部126Aと、装着部116側に突出する係止部126Bと、を有する抑え部126が一体に形成されている。また、通路部材103の上端には、格納部123(カバー部材118)に穿設された横長形状の規制穴123Bを挿通して前方に突出したピン127が一体に形成されている。
しかして、通路部材103は、研磨カセット151を装着部116に装着した場合、図5に示すように、把手部126Aを左方向に移動操作することで、回転支軸103Aを中心として反時計方向に回転させ、移送通路124内の玉を研磨カセット151の後述する研磨布158と当接させ、然もこの状態で、抑え部126の係止部126Bが装着部116側に突出して研磨カセット151を装着部116内に抑え込むようになっている。また、研磨カセット151を装着部116から取り出す際には、図6に示すように、把手部126Aを右方向に移動操作することにより、通路部材103を回転支軸103Aを中心として時計方向に回転させて、移送通路124内の玉と研磨布158との当接状態を解除する(離間する方向に移動させる)と共に、係止部126Bによる研磨カセット151の係止状態(抑え込み状態)を解除する。
一方、カバー部材118の前面には、移送通路124内の玉と研磨布158との当接解除状態を保持するための保持部材128が上下移動自在に取り付けられている。この保持部材128の下端には、前記通路部材103に設けられたピン127と係合する切欠部129が形成されている。また、保持部材128は、カバー部材118の内側に設けられた弾性部材としてのコイルバネ131によって常時下方に付勢されるようになっている(保持部材128は、弾性部材により付勢されている)。しかして、保持部材128は、把手部126Aの操作によって通路部材103を回転支軸103Aを中心として時計方向に回転させた状態で切欠部129がピン127と係合し、これによって通路部材103の時計方向への回転状態、言い換えれば、移送通路124内の玉と研磨布158との当接解除状態を保持するようになっている。また、この状態から移送通路124内の玉と研磨布158とを当接状態にする場合には、保持部材128の前面上側に突設された把手部130をコイルバネ131の付勢力に抗して上方に移動操作する。これにより、ピン127と切欠部129との係合が解除され、通路部材103を回転支軸103Aを中心として反時計方向に回転させて、移送通路124内の玉が研磨カセット151の研磨布158と当接する。その状態で、コイルバネ131の付勢力により、保持部材128が元の状態に戻り、通路部材103が時計方向への回転を阻止するべく、保持部材128の左側面がピン127と当接して、移送通路124内の玉と研磨布158とを当接状態に保持する。つまり、この保持部材128は、玉と研磨布158との当接状態及び当接解除状態の両方を保持する機能を有している。従って、当接状態及び当接解除状態の保持用として個別に保持部材を設ける必要がないため、コストダウンを招来することができると共に保持部材の組み付けが容易になる。
なお、カバー部材118の内側には、図8及び図9に示すように、通路部材103(移送通路124)の上側部分が配置されており、該移送通路124の上側部分は、取付ベース83側に折曲した形状に形成され、移送通路124内の玉と研磨布158との当接状態(通路部材103を回転支軸103Aを中心として反時計方向に回転させた状態)で、その上端開口124Aが前記玉出口83Aと連通するようになっている(図9参照)。即ち、移送通路124内を通過した玉、言い換えれば、研磨布158で研磨された玉は、上端開口124Aを介して取付ベース83側の玉出口83Aに送り込まれて玉出口83Aから排出されるようになっている。また、玉出口83Aから排出された玉は、図示しない移送通路(発射待機玉通路)を介して打球発射装置に誘導されるようになっている。一方、移送通路124内の玉と研磨布158との当接を解除した状態(通路部材103を回転支軸103Aを中心として時計方向に回転させた状態)では、上端開口124Aと玉出口83Aとの連通が解除され(図8参照)、移送通路124内の玉は、玉出口83Aに送り込まれないようになっている。
また、装着部116内には、研磨カセット151内の研磨布158を巻き取るための従動側の回転軸132と、駆動側の回転軸133(何れも研磨装置98の一部を構成する)と、が突設されている。駆動側の回転軸133は、図示しない巻き取りモータ(研磨装置98の一部を構成する)の出力軸133Aに接続され、その外周面には、後述するリール157の係合凹部157Dとの係合によってリール157(巻回部材)を回転させる係合突起133Bが複数個(3個)突設されている。また、回転軸133の裏面側には、出力軸133Aを巻回軸として常時回転軸133を前方に付勢するコイルバネ(弾性部材)が設けられている(図示しない)。但し、回転軸133は、出力軸133Aの前端部分でそれ以上前に移動しない(出力軸133Aから外れない)ように取り付けられている。これにより、回転軸133は、研磨カセット151を装着部116に装着する際、リール157と干渉して係合突起133Bが係合凹部157Dと係合しないような場合でも、回転軸133裏面のコイルバネの付勢力に抗して一旦後方に押し込まれることで、係合突起133Bが係合凹部157Dと係合しない状態でも研磨カセット151を装着部116に装着できるのである。そして、回転軸133が回転して(初期動作)、係合突起133Bが係合凹部157Dと係合する位置まで回転すると、コイルバネの付勢力によって回転軸133が最前部に押し出され、研磨布158の巻き取り状態となる。また、係合突起133Bの数より係合凹部157Dの数の方が多いのは、初期動作時に即座に位置が合うようにするためである。
上記した装着部116の下方に位置する取付ベース83の面上には、研磨布158の移動量を検出するための移動量検出部を構成する回転部材134が設けられている。回転部材134は、円盤状を呈した周囲に一定間隔で複数の透孔136を形成して構成されている。回転部材134は、図10(B)及び図11(A)に示すように、その中心部分に回転軸134Aの一端が一体的に取り付けられており、該回転軸134Aの他端には、ギヤ137が一体的に取り付けられている。そして、回転軸134Aが円筒状のカラー138内に回転自在に設けられることで、回転部材134とギヤ137とが一体的に回転するようになっている。また、回転軸134Aには、カラー138と同様に、L字状の保持アーム139の一端が取り付けられる。該保持アーム139の他端は、回転支軸139Bによって取付ベース83上に回転自在に枢支されている。また、保持アーム139の中途部(回転部材134寄りの部分)には、一端を取付ベース83上の取付凸部141Aに固定したコイルバネ141の他端が取り付けられた案内突起139Aが突設されている。案内突起139Aは、回転部材134と保持アーム139との間に介在して設けられた案内板142の円弧状の溝143内に移動自在に位置し、回転支軸139Bを中心とした保持アーム139及び回転部材134の回転動作を案内するようになっている。また、取付ベース83には、回転部材134の回転軸134Aの下端(ギヤ137が取り付けられた側)との干渉を避けるための溝144が回転軸134Aの移動軌跡に沿った円弧状に穿設されている。
しかして、上記した回転部材134及びギヤ137を取り付けた保持アーム139は、回転支軸139Bを中心とした回転によって、図12に示すような装着部116の下縁部に移動した状態と、図13に示すような装着部116から下方に移動して待避した状態と、の間で移行可能に設けられている。なお、装着部116に研磨カセット151を取り付けた場合、保持アーム139が装着部116の下縁部に移動した状態は、ギヤ137が研磨カセット151の後述するギヤ172と歯合した状態(ギヤ137、172の歯合状態)となる。一方、保持アーム139が装着部116から下方に移動して待避した状態は、ギヤ137がギヤ172との歯合を解除した状態(ギヤ137、172の歯合解除状態)となる。また、コイルバネ141は、その弾性力によってギヤ137、172の歯合及び歯合解除の各状態で保持アーム139を維持するようになっている。
溝143の装着部116側における取付ベース83上には、発光部と受光部から構成された光学式のセンサ147がビス147Aで取り付けられている。ギヤ137、172の歯合状態における回転部材134は、センサ147内に移動且つ回転自在に進入する。その状態で、回転部材134周囲の透孔136は、センサ147の発光部と受光部間に位置する。係る構成により、回転部材134が回転すると、センサ147の発光部と受光部間を透孔136が次々と通過することになるので、受光回数をカウントすることで、回転部材134の回転量(即ち、研磨布158の移動量)を検出することが可能になる。
また、取付ベース83上には、上記した構成以外に、装着部116に装着される研磨カセット151の下側を抑え込むための抑え部材191と、装着部116に対する研磨カセット151の位置決めを行うための位置決め突起148(図4参照)と、が設けられている。抑え部材191は、回転支軸191Aを中心として回転自在に取付ベース83上に枢支され、その前面には抑え部材191を回転操作するための把手部191Bが設けられている。
次に、研磨装置98を構成する研磨カセット151について図14乃至図20を参照して説明する。研磨カセット151は、図14及び図15に示すように、前記装着部116内に略キッチリと収納可能な寸法を呈した矩形状の収納ケース152と、該収納ケース152の上面開口を開閉自在に開閉するよう収納ケース152の一側に回動自在に枢支される蓋板153と、収納ケース152内に回動自在に収納される従動側のリール156及び駆動側のリール157と、これら各リール156、157間に渡って巻回される帯状の研磨布158と、を備えている。
収納ケース152の底壁152Aには、円形の凹陥部159、161が上下に二カ所に形成されており、各凹陥部159、161の中心部には、研磨カセット151を装着部116に装着した状態で、装着部116側の前記回転軸132、133が個々に挿通する円形の透孔162、163が穿設され、さらに各凹陥部159、161の内壁には、所定間隔で複数の突起164が突設されている。また、各透孔162、163の外周全域には、それぞれ収納ケース152内に向かって若干突出するリブ162A、163Aが形成されており、該リブ162A、163A内に各リール156、157の後述する円筒部156B、157B裏側の挿入リブ156C、157Cが挿入されることで、リール156、157を各凹陥部159、161に回転自在に且つ納出自在に取り付けるようになっている。また、従動側のリール156を収納する凹陥部159の外周には、駆動側のリール157に巻回された使用済みの研磨布158の汚れ(埃や釘などの磨耗粉)がリール156側の未使用の研磨布158に進入するのを防止するための汚れ防止壁160が立設されている。
リール156、157は、円盤状の底面156A、157Aと、その中心から起立する円筒部156B、157Bと、からなり、底面156A、157Aの裏面における円筒部156B、157Bの一端側の開口外周には、それぞれ前記挿入リブ156C、157C(挿入リブ157Cは、図18(A)に記載)が形成されている。そして、リール156、157は、前述したように凹陥部159、161側のリブ162A、163A内に挿入リブ156C、157Cが挿入された状態で、各凹陥部159、161に回転自在に且つ納出自在に取り付けられる。なお、この取り付け状態で、底面156A、157Aの周側面は、それぞれ凹陥部159、161内壁の前記突起164に接する。また、底面156A、157Aの裏面における外周には、それぞれリール156、157の取り付け状態で、凹陥部159、161の各上面と当接する当接リブ156E、157E(当接リブ157Eは、図18(A)に記載)が突設されている。この当接リブ156E、157Eは、それぞれリール156、157と凹陥部159、161との当接面積を少なくすること、言い換えれば、摩擦抵抗を少なくすることで、凹陥部159、161内でリール156、157をスムーズに回転させるようになっている。また、駆動側のリール157の円筒部157Bの内面には、前記係合凹部157Dが複数形成されており、該係合凹部157Dと前記係合突起133Bとの係合によって回転軸133の駆動がリール157に伝達される、言い換えれば、回転軸133の回転動作に合わせてリール157が一体的に回転するようになっている。
収納ケース152の底壁152Aの一側(蓋板153の枢支側とは反対側)には、取付フランジ片152Bが外側に突出して形成されており、該取付フランジ片152Bには、縦長形状の押圧部材167を挟持した状態で取付板166が取付穴166Bを介してビス166Aで取り付けられる。押圧部材167の一側面には、長方形状のスポンジ167Aが一体的に取り付けられ、該スポンジ167Aの外面が研磨布158の支承面となると共に前記移送通路124内の玉を研磨する研磨部分となる。スポンジ167Aは、玉と研磨部材である研磨布158との当接面積を多くして研磨カセット151(研磨布158)による玉の研磨能力を向上させ、より磨けるように作用するものである。即ち、移送通路124内の玉と研磨布158との当接状態において、移送通路124内の玉(厳密に言えば、移送通路124から若干はみ出た玉の露出部分)が研磨布158を介してスポンジ167Aに押し込まれることで、玉の研磨を確実に行わせるようになっている。
なお、収納ケース152の一側(取付フランジ片152B側)壁には、従動側のリール156に巻回して取り付けられる研磨布158の未使用部分を押圧部材167側(玉の研磨部分)に送り出すための切欠部165が設けられている。また、取付フランジ片152Bと取付板166との間には、押圧部材167以外に、研磨布158の巻き取りを誘導するためのローラ169A〜169Cが各回転軸170A〜170Cを介して回転自在に取り付けられる。回転軸170A〜170Cは、それぞれ取付板166側に形成された凹部166C〜166Eと、取付フランジ片152B側に形成された凹部154A〜154Cとの間で各先端部分が嵌合挟持されることで取り付けられる。ローラ169Aは、押圧部材167の上端側に取り付けられ、研磨布158の未使用部分をスポンジ167Aの外面(玉の研磨部分)上に送り込むようになっている。一方、ローラ169B、169Cは、押圧部材167の下端側に取り付けられ、スポンジ167Aの外面(玉の研磨部分)上から駆動側のリール157に研磨布158の使用済み部分を送り込むようになっている。
また、収納ケース152の上面には、装着部116に対する研磨カセット151の着脱を容易にするための把手部168が一体に突設されている。なお、収納ケースに設けられる把手部は、別体のものを一体的に取り付けることで構成してもよい。一方、収納ケース152の下面には、駆動側のリール157に巻き取られる使用済み部分の研磨布158を外部に露出する切欠部152Cが形成されている。該切欠部152C、言い換えれば、駆動側のリール157が取り付けられる凹陥部161の下側中央には、ローラ取付部174が形成され、該ローラ取付部174の右側(取付フランジ片152B側)には、円筒状の取付軸175が形成されている。ローラ取付部174の前端面及び後端面には、それぞれ軸穴174A、174Bが穿設されており、該軸穴174A、174Bには、研磨布158を掛け渡すためのローラ171を回転自在に軸支するための回転軸171Aが係止具171Bによって取り付けられる。なお、ローラ171の後端には、該ローラ171と一体に回転するギヤ172が固定されている。一方、取付軸175には、研磨布158を掛け渡すためのローラ173(回転部材)が回転自在に取り付けられる。また、取付軸175の円筒開口175Aは、収納ケース152の底壁152Aの裏面側に連通しており、装着部116に研磨カセット151を装着した状態で、円筒開口175A内に前記位置決め突起148が嵌入されることで、研磨カセット151を装着部116に対して位置決めするようになっている。
収納ケース152の各凹陥部159、161間(即ち、各リール156、157間)一側(蓋板153の枢支側)における底壁152Aには、図15乃至図17に示すように、リール156、157の振動などによる回転に起因して生じる研磨布158の緩み防止手段を構成する一対の圧接部材176、177が取り付けられている。各圧接部材176、177は、収納ケース152の底壁152Aの下面に配置されると共に、収納ケース152内に設けられる取付部材178、179とネジ181にて連結され、収納ケース152を挟むかたちで当該収納ケース152に対して各凹陥部159、161から離接する方向に移動自在に保持されている。圧接部材176、177には、それぞれネジ181止め用の取付ボス176B、177Bが一対に設けられ、取付部材178、179には、それぞれネジ181止め用の取付穴178A、179Aが一対に設けられている。圧接部材176、177の先端部176A、177Aは、円弧形状を呈し、凹陥部159、161の縁部に形成された切欠部186、187から凹陥部159、161内に臨んでいる。また、取付部材178、179より内方の凹陥部159、161間に位置する収納ケース152の底壁152A上には、固定ピン182が立設されており、該固定ピン182と各取付部材178、179との間には、駆動側及び従動側のコイルバネ183、184(弾性部材)が掛け渡されて固定されている。そして、各コイルバネ183、184は、その復元力によって各圧接部材176、177を凹陥部159、161に接近する方向(図15に示す矢印方向)に常時付勢している。つまり、各圧接部材176、177は、図16に示す矢印方向に移動可能であり、圧接部材176は、リール156がない状態で右上方向(図中の矢印方向)に移動しており、圧接部材177は、リール157がある状態で左下方向(図中の矢印方向)に移動している状態である。
しかして、上記した圧接部材176、177は、各コイルバネ183、184の付勢力によって凹陥部159、161内のリール156、157を個々に付勢し、底面156A、157Aの外周壁を突起164に圧接するようになっている(図18(A)参照)。即ち、圧接部材176は、従動側のリール156の回転に所定の抵抗を付与し、圧接部材177は、駆動側のリール157の回転に所定の抵抗を付与する。これにより、リール156、157は、各凹陥部159、161内においてガタツクことなくしっかりと回転自在に収納され、ひいては各リール156、157間に掛け渡される研磨布158の巻き取り時における緩みを防止するようになっている。これにより、確実且つ正確な研磨布158の巻き取りを行うようになる。なお、圧接部材176、177の先端部176A、177Aには、図18(A)に示すように(同図中には圧接部材177側のみを図示)、傾斜状(テーパー形状)の傾斜部176C、177Cが形成されている。このため、凹陥部159、161にリール156、157を挿入して取り付ける際には、テーパー形状の先端部176A、177Aにリール156、157が当接した時点で圧接部材176、177がコイルバネ183、184に抗して待避する方向(図17及び図18(A)に示す矢印方向)に移動するので、リール156、157の装着作業を容易とすることができる。
また、収納ケース152には、上記した構成以外に、該収納ケース152に対して蓋板153を開閉自在に取り付けるための各構成部が形成されている。具体的に、収納ケース152の上下両面の一端には、それぞれ蓋板153を枢支するための軸穴192、193が穿設されており、該軸穴192、193の周辺部分には、収納ケース152に蓋板153を取り付けた状態で、収納ケース152の上下両面と後述する蓋板153側の取付片201、202の上下両面とが面一となるようにするための取付凹部192A、193Aが形成されている。一方、蓋板153を枢支する側とは反対側の側壁の中央部分(切欠部165の下方部分)には、その前端に係止部194が設けられている。この係止部194は、後述する蓋板153側の係合孔188との係合及びその解除によって収納ケース152に対して蓋板153を閉鎖及び開放するようになっている。なお、係止部194は、係合孔188と係合するテーパー形状の爪部194Aと、該爪部194Aを左右方向に移動(撓み)可能にするために収納ケース152の側壁に切り込み形成された上下一対の切込部194Bと、爪部194Aを左右方向に移動操作するための把手部194Cと、から構成されている。
蓋板153は、収納ケース152を全体的に被覆する板形状をなしている。蓋板153一側の上下両端には、裏面側に突出した取付片201、202が形成されており、該取付片201、202の内面には、それぞれ収納ケース152側の前記軸穴192、193に挿入されて蓋板153の回転中心となる支軸201A、202Aが突設されている。一方、蓋板153の開放側には、収納ケース152側の前記係止部194と係合する係合孔188が穿設されている。また、蓋板153の裏面側には、円筒形状の各突起203〜205と、凹面部206と、が形成されている。突起203、204は、それぞれ収納ケース152の閉鎖状態において、前記リール156、157の円筒部156B、157B内に嵌入することで、リール156、157の位置決めを行うようになっている。突起205は、収納ケース152の閉鎖状態において、前記円筒状の取付軸175内に嵌入することで、前記ローラ171の軸受ボスとして作用するようになっている。凹面部206は、収納ケース152の閉鎖状態において、前記ロール取付部174の前端部分を嵌入することで、収納ケース152に対する蓋板153の位置決めを行うようになっている。
以上、研磨カセット151及び装着部116の構成について説明したが、次に、未使用の研磨布158を収納した研磨カセット151を装着部116に取り付ける方法、及び使用済みの研磨布158を収納した研磨カセット151を装着部116から取り外す方法について説明する。先ず、未使用の研磨布158を収納した研磨カセット151を装着部116に取り付ける方法について説明する。図19に示すように、最初に、従動側のリール156に未使用の研磨布158を巻回して取り付け、研磨布158の先端部分を駆動側のリール157に取り付ける。次に、従動側のリール156を凹陥部159内に収納し(図19中に記載の丸1)、リール156に巻回された研磨布158を切欠部165から外側に送り出して、ローラ169A、押圧部材167のスポンジ167Aの外面、各ローラ169B、169Cの順に掛け渡す(図19中に記載の丸2)。次いで、ローラ169Cと駆動側のリール157との間の研磨布158をローラ173の上側面、ローラ171の下側面の順で掛け渡して(図19中に記載の丸3)、リール157を凹陥部161内に収納する(図19中に記載の丸4)。そして、従動側のリール156に研磨布158を若干巻き取り操作することで、各リール156、157間の研磨布158は、スポンジ167Aの外面及びローラ171の下側面に適当な張力を持って掛け渡された状態となる。次に、蓋板153を閉じて(閉じた状態は、収納ケース152の係止部194と蓋板153の係合孔188との着脱自在の係合によって保持される)研磨カセット151の組み立てを完成する(図19中に記載の丸5)。
そして、係る研磨カセット151を取付ベース83側の装着部116内に着脱可能に取り付けるものであるが、その際、回転部材134は、図13に示すように、下方に回転移動させて装着部116から待避させておく。さらに、通路部材103は、図6に示すように、装着部116から離間する方向に回転移動させると共に、ピン127を切欠部129内に進入させる(ピン127を切欠部129と係合させる)ことで、保持部材128によってその状態を保持しておく。この状態で、研磨カセット151を、図4に矢印で示すように装着部116内に挿入する。このとき、回転部材134は、装着部116から待避しており、通路部材103も装着部116から離間する方向に回転移動されているので、研磨カセット151は、装着部116の開放方向(回転軸132、133が突出する方向)からそのまま挿入できる。
なお、研磨カセット151の装着時には、抑え片121を側壁113側に移動させるものであるが、このとき、抑え片121の傾斜面121Eがテーパー形状をなしているため、研磨カセット151の当接により自動的に抑え片121を側壁113側に移動させることができる。このようにして、研磨カセット151を装着部116内に装着した状態で、各回転軸132、133は、各リール156、157の円筒部156B、157B内に進入して挿脱自在に係合する。また、抑え片121の傾斜面121Eは、研磨カセット151の左側の前面縁部を抑える。さらに、研磨カセット151の把手部168は、上壁112の切欠部117内に位置する。この状態で、研磨カセット151は、装着部116内に仮保持される。
次に、保持部材128をコイルバネ131の付勢力に抗して持ち上げて、ピン127と切欠部129との係合を解除する。そして、通路部材103を回転支軸103Aを中心として反時計方向に回転させて、鉛直に起立した状態、言い換えれば、移送通路124内の玉がスポンジ167A外面上の研磨布158と圧接する状態まで研磨カセット151に近接させる。その後、保持部材128から手を離せば、保持部材128は、コイルバネ131の付勢力で降下するので、ピン127は、図5に示すように、保持部材128の左縁部に当接し、これによって、通路部材103は、鉛直に起立した状態(移送通路124内の玉が研磨布158と圧接した状態)が保持される。なお、このとき、通路部材103と一体成形された抑え部126が研磨カセット151の右側の前面縁部を抑えるように研磨カセット151側に突出する。また、下側の抑え部材191を回転操作して、上側に起立させれることで、研磨カセット151の下側の前面縁部を抑える。これにより、研磨カセット151は、装着部116内において左右両側及び下側が抑えられて安定的に保持され、研磨布158は、よじれることなく適正にセットされる。
次に、回転部材134を、図7に示すように、上方に回転移動させてセンサ147内に進入させる。この状態で、回転部材134の下端に一体的に取り付けられたギヤ137は、図11(A)及び図12に示すように、研磨カセット151のローラ171と一体的に取り付けられたギヤ172と歯合する。これによって、ローラ171の回転は、ギヤ172、137の歯合によって回転部材134に伝達されるようになる。また、このとき、ローラ171と回転部材134側のカラー138との間には研磨布158が挟持され(図10(B)参照)、その研磨布158の挟持状態が、コイルバネ141の付勢力によって保持されることになる。但し、ローラ171の回転は、カラー138との間で挟持した研磨布158を介すことなくギヤ172、137の歯合によってのみ回転部材134に伝達されるようになっている。
以上の操作で、研磨装置98を構成する研磨カセット151は、装着部116内に着脱可能に装着される。この状態で、前述のように歯車102によって玉が通路部材103の移送通路124内を下から上に揚送されると、押圧部材167によって研磨布158が移動中の玉に当接して押し付けられる。これにより、揚送される玉に付着した汚れは、研磨布158で削り取られて(ふき取られて)研磨される。
係る玉の研磨によって研磨布158の研磨部分(移送通路124に対向している部分)は汚れる。このため、図示しない制御装置は、前記巻き取りモータを駆動してリール156に巻回された研磨布158をリール157側に巻き取る。なお、制御装置による研磨布158の巻き取り制御は、実施形態中では、一定玉数の間欠式(例えば、500個回収で3.14mm更新)で研磨布158を移動させる構成となっている。但し、このような構成に限らず、玉揚送装置99による玉の揚送時に常にゆっくりと研磨布158の巻き取りを行う方式としてもよい。この方式とした場合、研磨布158は、その巻き取り操作によって玉の揚送方向とは逆の上から下に移動することになるので、巻き取り中、研磨作用はさらに向上すると共に、移動する玉との接触によって研磨布158は、張られる方向に作用力を受けるので、玉との接触による緩みの発生が極力抑えられる。また、研磨部材を巻き取る構成としては、研磨部材が露出する部分(玉と接触する部分)の単位で巻き取るようにしてもよい。また、巻き取り時期については、研磨部材の汚れ度合いを直接検出するセンサを設け、その汚れ検出に基づいて巻き取り時期を制御したり、1日1回巻き取るようにしたり(遊技店の開店前あるいは開店後)、あるいは所定時間経過で巻き取るようにしてもよい。
また、上記した研磨布158の移動に伴ってローラ171が回転するので、その回転は、図10(B)に示すように、各ギヤ172、137によって回転部材134に伝達され、回転部材134は回転する。そして、制御装置は、センサ147からの出力によって回転部材134の回転量を判断し、予め定められた研磨布158の一回の移動量に相当する回転量となった時点で巻き取りモータを停止する。この場合、前述のように回転部材134には、ギヤ172、137の歯合によってローラ171の回転が伝達されるので、ローラ171と研磨布158との間の滑りは殆ど無くなる。従って、ローラ171の回転、即ち、研磨布158の移動が確実に回転部材134に伝達されるようになるので、研磨布158の移動量の制御を正確に実行できるようになる。特に、ローラ171には、駆動側のリール157に巻き取られる側の研磨布158が掛け渡されているので、ローラ171の回転は、正確に研磨布158の移動に連動するかたちとなる。また、カラー138は、ローラ171の反対側で研磨布158に当接しているので、ローラ171に対する研磨布158の浮き上がりが防止されると共に、回転部材134の倒れ込みによる回転異常も発生しなくなる。また、ローラ171に掛け渡される研磨布158は、図17に示すように、ローラ173(回転部材)との掛け渡しにおいてS字状になってローラ171に巻き付くので、より一層浮き上がりが防止できるようになっている。さらに、係る研磨布158の移動により、各リール156、157も回転するが、前述のように圧接部材176、177がそれぞれ従動側(上側)及び駆動側(下側)のリール156、157に圧接して所定の抵抗を付与しているので、巻き取りモータへの通電停止後、慣性によってリール156、157が回転することはなくなる。これにより、研磨布158が緩んでしまうことが無くなり、玉との接触で捩れてしまう不都合も解消できるようになる。
ここで、本実施形態の構成と比較した従来の構成について図10(A)を参照して説明する。なお、本実施形態と同様の構成部材については同一の符号を付記し、その詳細な説明を省略する。図10(A)において、従来では、回転軸210Aを中心として回転可能なローラ210を設け、該ローラ210の上端に一体的に回転部材134を取り付けていた。一方、研磨カセット側には、ローラ210との間で研磨布158を挟持するローラ211を回転軸211Aを中心として回転可能に設けていた。そして、研磨布158の移動に伴って各ローラ210、211が回転するので、その回転によって回転部材134が回転し、制御装置は、センサ147からの出力によって回転部材134の回転量を判断するようになっていた。ところが、このような構成では、本実施形態のように、研磨布158を介さずに各ギヤ172、137の歯合によって回転を伝達する構成と違い、研磨布158を介してローラ210に回転を伝達していたため、研磨布158と各ローラ210、211との間で滑りが生じる可能性があり、必ずしも研磨布158の移動量が回転部材134の回転量と同じになるとは限らず、ひいては研磨布158の正確な巻き取り制御を行うことができなかった。
なお、研磨布158の移動量を回転部材134の回転量に変換する構成は、上記したような各ギヤ172、137の歯合構成に限定するものではなく、研磨布158の移動量を正確に回転部材134の回転量に変換し得る構成であればいずれの構成であってもよい。例えば、図11(B)に示すように、回転部材134と一体的に取り付けられたローラ220の下側外周面に摩擦係数の大きい当接ゴム部220Aを設ける。一方、研磨カセット側には、ローラ220との間で研磨布158を挟持するローラ221を設け、該ローラ221の下側外周面には、当接ゴム部220Aと同様に摩擦係数が大きく該当接ゴム部220Aと当接する当接ゴム部221Aを設ける。そして、ローラ221の回転を各当接ゴム部220A、221A間の当接によってローラ220に伝達させる。これにより、研磨布158と各ローラ220、221との間での滑りを防止して、研磨布158の移動量を正確に回転部材134の回転量に変換するようにしてもよい。
また、図11(C)に示すように、回転部材134と一体的に取り付けられたローラ230の下端にギヤ230Aを一体的に取り付ける一方、研磨カセット側には、ローラ230との間で研磨布158を挟持するローラ231を設け、該ローラ231の下端にギヤ231Aを一体的に取り付ける。そして、各ギヤ230A、231A間には、これら各ギヤ230A、231Aと個々に歯合するギヤ部232Aが形成された連結ベルト232を巻回し、ローラ231の回転を連結ベルト232を介してローラ230に伝達させる。これにより、研磨布158と各ローラ230、231との間での滑りを防止して、研磨布158の移動量を正確に回転部材134の回転量に変換するようにしてもよい。
また、図11(D)に示すように、回転部材134と一体的に取り付けられたローラ240の中程外周面にギヤ部240Aを設ける。一方、研磨カセット側には、ローラ240との間で研磨布158’を挟持するローラ241を設け、該ローラ241の中程外周面には、ギヤ部240Aと歯合するギヤ部241Aを設ける。また、研磨布158’には、ギヤ部241Aの突起部分が挿通(係合)される挿通孔158A’を長手方向に沿って全体的に並設する。そして、研磨布158’の移動を挿通孔158A’とギヤ部241Aとの係合によってローラ241に伝達させ、また、ローラ241の回転を各ギヤ部240A、241A間の歯合によってローラ240に伝達させる。これにより、研磨布158’と各ローラ240、241との間での滑りを防止して、研磨布158’の移動量を正確に回転部材134の回転量に変換するようにしてもよい。また、ローラに対して研磨部材が滑らないようにローラの表面に滑り防止処理を施してもよい。例えば、ローレットなど凹凸をつけるなどするとよい。また、伝達手段としての研磨部材を介しない伝達部だけで回転量を伝達してもよいが、本実施形態のように、研磨部材を介しても回転量を伝達し得る構成としてもよい。
次に、上記したような研磨動作によって全ての研磨布158がリール157側に巻き取られた場合には、研磨カセット151を交換する必要がある。そこで、使用済みの研磨布158を収納した研磨カセット151を装着部116から取り外す方法について説明する。前述とは逆の手順で、先ず、図6に示すように、回転部材134を降下させて待避させ、抑え部材191も下側に回動させる。また、保持部材128を持ち上げた状態で、通路部材103を装着部116から離間する方向(移送通路124内の玉と研磨布158との当接を解除する方向)に回転移動させ、ピン127を切欠部129と係合させて通路部材103が装着部116から離間した状態を保持しておく。さらには、抑え片121を板バネ122の付勢力に抗して側壁113側に移動させる。この状態で、研磨カセット151の前方への脱出を阻止する障害物は無くなるので、把手部168を持って前側に引っ張ることにより、研磨カセット151は、装着部116内から容易に取り外すことができる。
次に、装着部116から取り外した研磨カセット151を開放する。具体的には、図20に示すように、収納ケース152の係止部194と蓋板153の係合孔188との係合を解除することで、収納ケース152から蓋板153を開放する(図20中に記載の丸1)。次いで、駆動側のリール157に巻回された研磨布158を若干巻き出し操作することで、スポンジ167A外面上の研磨布158を弛ませ、この状態から凹陥部159内に収納された従動側のリール156を抜き出す(図20中に記載の丸2)。また、これと同時に、ローラ169A、スポンジ167Aの外面、各ローラ169B、169C、ローラ173、ローラ171の順で研磨布158を抜き出し(図20中に記載の丸3)、最後に凹陥部161内に収納された駆動側のリール157を抜き出す(図20中に記載の丸4)。そして、各リール156、157から使用済みの研磨布158を取り外し、未使用の研磨布158を各リール156、157に取り付ける。その後は、前述した取り付け方法と同様にして未使用の研磨布158を収納した研磨カセット151を装着部116に取り付ける。
なお、前記移送通路124が形成された通路部材103など、玉の移送において直接的に玉と接触する構成部材は、玉との摩擦係数が小さく耐磨耗性に優れた(スリップ性があり汚れが付き難い)ポリアセタール(POM)や玉流下時の耐衝撃性に優れたポリカーボネート(PC)によって形成されている。通路部材103は、ポリアセタール(POM)で成形されている。但し、このような構成部材の材質は、必ずしもPOMやPCに限定せず、ナイロンなどの合成樹脂あるいは合成樹脂以外の材質であってもよい。例えば、金属でもよい。
また、研磨布158は、ポリエステルレギュラー糸を縦糸とする一方、ポリエステル超極細繊維を横糸とし、この縦糸と横糸とを綾織した生地の裏面に不織布を貼り合わせることで形成されている。玉の研磨面に用いられるポリエステルは、ワイピング性能(拭き取り性能)に優れて研磨布に適しており、汚れや油分などがよく拭き取れるようになっている。また、生地をそのまま使用すると、研磨布自体に張りがなくなるため、研磨布の巻き取り時によじれてしまい、うまく巻き取りができなくなってしまう。このため、不織布を裏面に貼り合わせることで、研磨布に張りを持たせるようになっている。但し、研磨布の材質は、これに限定するものではなく、汚れの研磨性能を有するものであればいずれの構成であってもよい。例えば、不織布の代わりにポリエステルフィルムを生地の裏面に貼り合わせた構成としてもよい。なお、実施形態中では、研磨部材を研磨布としているが、材質は布に限らず、例えば、紙でもよいし、天然素材を用いた布や不織布のみのものでもよい。
以上のように、本実施形態の構成によれば、帯状の研磨部材としての研磨布158と、該帯状の研磨布158が引き出し可能にセットされる研磨カセット151と、内部に移送通路124が構成された通路部材103とを有し、前記移送通路124内を移送される玉に前記研磨布158を当接させることにより、前記玉の研磨を行う研磨装置98を備えた遊技機1において、前記研磨カセット151が着脱自在に取り付けられる装着部116を備えると共に、前記研磨布158が玉と当接する部分を支承する押圧部材167を前記研磨カセット151に設け、前記通路部材103あるいは前記押圧部材167のうち少なくともいずれか一方を移動可能にして、前記研磨カセット151を前記装着部116に対して着脱する際に、前記通路部材103と前記押圧部材167とを近接した状態と離間した状態とに変化させることを特徴とする。このように構成することにより、研磨カセット151を装着部116に装着し、あるいは、装着部116から取り外す際には通路部材103と押圧部材167とを離間させておくことができる。これにより、研磨カセット151の着脱の際に通路部材103あるいは押圧部材167が邪魔となることが無くなり、研磨カセット151を正面方向からの着脱が容易にできる、あるいは着脱しやすくできるようになり、研磨カセット151の着脱操作性を著しく改善することが可能となる。
また、前記通路部材103と前記押圧部材167とが離間した状態を保持する保持部材128を備えたことを特徴とする。このように構成することにより、通路部材103内の移送通路124を移送される玉が落下しない状態を安定的に保持し、通路部材103内の玉を気にすることなく研磨カセット151の着脱を容易にできる。ひいては、研磨カセット151の着脱操作性を改善できる。
また、前記装着部116には、前記研磨カセット151が前記装着部116に取り付けられた状態で、前記研磨カセット151の周囲を囲むように周囲壁115を設けたことを特徴とする。このように構成することにより、装着部116に研磨カセット151を装着する際に、容易に研磨カセット151の位置決めを行うことができ、取り付け作業を簡略化することができるようになる。
また、前記研磨カセット151には、手前方向に取り外すための把手部168を設けたことを特徴とする。このように構成することにより、研磨カセット151を装着部116から取り外す際には把手部168を持って手前方向へ引き出すことが容易になり、着脱操作性の更なる改善を図ることが可能となる。
また、前記装着部116には、前記研磨カセット151の縁部を抑える進退自在の研磨カセット151抑え部を設け、該研磨カセット151抑え部は、出没自在に設けられた抑え片121と、該抑え片121を突出するよう付勢する板バネ122とから構成されることを特徴とする。このように構成することにより、装着部116に装着された研磨カセット151が落脱しないように抑え部により容易に保持することが可能となる。
また、前記抑え片121には先端側に向かって低く傾斜した傾斜面121Eを形成したことを特徴とする。このように構成することにより、研磨カセット151を装着部116に挿入していく過程で、研磨カセット151が抑え片121に当接した時点から傾斜面121Eにより抑え片121は退避するようになる。これにより、研磨カセット151の装着作業性が著しく改善される。
また、前記研磨装置98は、内部に封入された玉を用いて遊技を行う封入式遊技機1に取り付けられることを特徴とする。このように構成することにより、封入式遊技機1内を循環する玉を円滑に研磨することができるようになる。
次に、本発明における他の実施形態(第二乃至第四の実施形態)について図21乃至図24を参照して説明する。なお、以下に示す第二乃至第四の実施形態では、前記実施形態(第一実施形態)と同様の構成部材については同一の符号を付記し、その詳細な説明を省略する。先ず、図21(A)(B)に示す第二実施形態では、格納部123内における通路部材103の右側方に収納凹部300を設け、該収納凹部300内には、通路部材103を回転支軸103Aを中心として反時計方向に付勢するコイルバネ301を設ける。そして、研磨カセット151を装着部116内に取り付ける際には、図21(A)に示すように、コイルバネ301の付勢力に抗して通路部材103を装着部116から離間する方向に回転移動させると共に、ピン127を切欠部129内に進入させることで、保持部材128によってその状態を保持しておき、この状態で、研磨カセット151を装着部116内に挿入して取り付ける。なお、このとき、抑え片121の先端部分121C(図21中には、図示しない)は、第一実施形態と同様に、研磨カセット151の左側の前面縁部を抑える。次に、保持部材128をコイルバネ131の付勢力に抗して持ち上げて、ピン127と切欠部129との係合を解除する。これにより、通路部材103は、図21(B)に示すように、コイルバネ301の付勢力によって回転支軸103Aを中心として反時計方向に回転し、鉛直に起立した状態、言い換えれば、移送通路124内の玉がスポンジ167A外面上の研磨布158と圧接する状態まで研磨カセット151に近接する。その後、保持部材128から手を離せば、保持部材128は、コイルバネ131の付勢力で降下するので、ピン127は、保持部材128の左縁部に当接し、これによって、通路部材103は、鉛直に起立した状態(移送通路124内の玉が研磨布158と圧接した状態)が保持される。また、このとき、第一実施形態と同様に、通路部材103の抑え部126は、研磨カセット151側に突出され、抑え部材191を上側に回転操作することで、研磨カセット151は、装着部116内において左右両側及び下側が抑えられて安定的に保持される。
以上のように、第二実施形態の構成によれば、研磨カセット151を装着部116に装着する際、コイルバネ301の付勢力によって自動的に移送通路124内の玉を研磨布158に当接させることができる。また、このとき、コイルバネ301は、移送通路124内の玉を研磨布158側に圧接するようにも作用するので、研磨布158による玉の研磨をより一層確実に行わせることができる。
次に、図22に示す第三実施形態では、移送通路124内の玉に対して適当な圧力を加えることで、研磨布158による玉の研磨をより確実に行わせる圧力調節機能400を設ける。具体的に、この圧力調節機能400は、通路部材103内に設けられて底面部分で移送通路124内の玉と当接する縦長板形状の当接板401と、格納部123内における通路部材103の右側方に設けられた螺着穴402と、該螺着穴402に螺着された押圧ネジ403と、を備える。なお、通路部材103において移送通路124内とは反対側の当接板401の側方には、螺着穴402と連通して押圧ネジ403の先端側を螺着する螺着穴401Aが穿設されている。また、押圧ネジ403の基部には、該押圧ネジ403を回転操作するための操作部403Aが設けられている。そして、移送通路124内の玉と研磨布158との当接状態において、押圧ネジ403を回転操作して、押圧ネジ403の先端部分を左方向に進出させる。これにより、当接板401は、押圧ネジ403の先端部分に押圧されて研磨布158に近づく方向に移動し、移送通路124内の玉を研磨布158に圧接させる。
以上のように、第三実施形態の構成によれば、移送通路124内の玉に対して適当な圧力を加える圧力調節機能400を設けたので、研磨布158による玉の研磨をより確実に行わせることができる。
次に、図23及び図24に示す第四実施形態では、研磨カセット151’側の押圧部材167’を傾動可能に設けることで装着部116に対する研磨カセット151’の着脱を容易にする。具体的に、移送通路124’が形成された通路部材103’は、固定した状態で取り付ける。一方、研磨布158の支承面となるスポンジ167A’を取り付けた押圧部材167’は、研磨カセット151’内で回転支軸500を中心として回転可能に取り付ける。また、押圧部材167’に前面側に突出した係合突起167B’を一体的に設けると共に、この係合突起167B’と係合する係止片501を回転支軸501Aを中心として回転可能に設ける。なお、係止片501には、押圧部材167’が起立した状態(図23に示す状態)で係合突起167B’と係合することにより、押圧部材167’の起立状態を保持する係止溝501Bと、押圧部材167’が傾斜した状態(図24に示す状態)で係合突起167B’と係合することにより、押圧部材167’の傾斜状態を保持する係止溝501Cと、が形成される。また、各係止溝501B、501Cは、それぞれ係合突起167B’が係合(挿入)され易く然もその係合状態が確実に保持されるように、テーパー形状で且つその先端部分が係合突起167B’と嵌合する丸形状に形成されている。しかして、研磨布158による玉の研磨時には、図23に示すように、押圧部材167’を回転支軸500を中心として時計方向に回転させて起立させることにより、移送通路124’内の玉と研磨布158とを当接させる。また、このとき、押圧部材167’の係合突起167B’は、係止片501の係止溝501Bと係合して押圧部材167’の起立状態(移送通路124’内の玉と研磨布158との当接状態)を保持する。そして、装着部116から研磨カセット151’を取り外す際には、図24に示すように、押圧部材167’を回転支軸500を中心として反時計方向に回転させて傾斜させることにより、移送通路124’内の玉と研磨布158との当接を解除させる。また、このとき、押圧部材167’の係合突起167B’は、係止片501の係止溝501Cと係合して押圧部材167’の傾斜状態(移送通路124’内の玉と研磨布158との当接を解除した状態)を保持する。
以上のように、第四実施形態の構成によれば、通路部材103’を固定した構成において、研磨カセット151’の着脱操作性を著しく改善することが可能となる。
なお、実施形態中では、圧接部材176、177とコイルバネ183、184によって研磨布158の緩み防止手段を構成したが、これに限らず、各リール156、157に圧接する板バネなどによって構成してもよい。また、実施形態では、帯状の研磨布158をリール156、157に巻回したものを使用しているが、これに限らず、例えば帯状の研磨布158を収納ケース内に折り畳んで収納し、駆動側のリールにて巻き取るものを使用してもよい。また、研磨部材を移動させるための電気的駆動源は、モータに限らずソレノイドなどでもよい。回転部材の回転量を検出するための回転量検出手段は、フォトセンサに限らずマイクロスイッチなどでもよい。ローラ回転部材が設けられる位置も限定しないものとする。例えば、ローラとリールが一体でもよいし、ローラが従働側にあるものでもよい。また、実施形態中では、内部に封入された打玉(遊技媒体)を用いて遊技を行う封入式遊技機に本発明を適用したが、これに限らず、遊技機が複数台設置された遊技機設置島において各遊技機の打玉を一括して研磨する遊技用装置に本発明を適用してもよい。また、遊技媒体は、打玉に限らずコインなどでもよい。
また、実施形態中では、可変表示装置としてドラム式可変表示装置を用いたが、LCDやCRTなどの画像表示器であってもよい。また、可変表示装置を用いない遊技機やアレンジボール遊技機などでもよい。また、弾球遊技機でなくスロットマシンなどでもよい。つまり、遊技媒体の研磨を行う研磨手段を備えた遊技用装置として、上記した遊技機であってもよいのである。また、研磨手段(研磨装置)の取付位置なども遊技機自体に取り付けられるものに限らず、遊技機設置島などに取り付けられるものでもよい。また、把手部168は、手前方向に取り外し易くできればよく、形状、取付位置は限定しないものとする。
また、実施形態中では、帯状の研磨布158をリール156、157に巻回したものを使用しているが、それに限らず、例えば帯状の研磨布158を収納ケース内に折り畳んで収納し、駆動側のリールにて巻き取るものを使用してもよい。また、実施形態では、リール156、157に巻回された帯状の研磨布158は、収納ケース内に完全に収納されているが、それに限らず、例えば、板状の基台(基体)に着脱自在にリール156、157に巻回された帯状の研磨布158を取り付けるものや、収納ケースから帯状の研磨布158を巻回したリール156、157が露出されるものであってもよいものとする。
また、実施形態では、圧接部材176、177とコイルバネ183、184によって研磨布158の緩み防止手段を構成したが、それに限らず、各リール156、157に圧接する板バネなどによって構成してもよい。
更にまた、本実施形態では、通路部材103を押圧部材167(支承部材)から離間する方向(図5中時計方向)に回動自在に取り付けているが、これに限らず、通路部材103を摺動自在に設けることで、通路部材103を押圧部材167から離間する方向に移動可能にしてもよい。また、これとは逆に、押圧部材167を摺動自在に設けることで、押圧部材167を通路部材103から離間する方向に移動可能にしてもよい。
また、以上の実施形態から請求することができる発明としては、さらに以下のものが考えられる。
(1)帯状の研磨部材を有し、移送通路内を移送される遊技媒体に前記研磨部材を当接させることにより、前記遊技媒体の研磨を行う研磨手段を備えた遊技用装置において、前記研磨手段は、前記研磨部材を適宜移動させる電気的駆動源と、前記研磨部材の移動量を検出するための移動量検出部とを備え、該移動量検出部は、前記研磨部材が掛け渡されるローラと、該ローラの回転が伝達される回転部材と、前記回転部材の回転量を検出するための回転量検出手段と、前記ローラの回転を前記研磨部材を介さずに前記回転部材に伝達する伝達手段と、を備え、前記伝達手段は、前記回転部材に形成された回転部材側ゴムと、前記ローラに形成され、前記回転部材側ゴムと当接するローラ側ゴムとから構成されることを特徴とする。このように構成することにより、滑り無くローラの回転を回転部材に伝達することができるようになる。
(2)帯状の研磨部材を有し、移送通路内を移送される遊技媒体に前記研磨部材を当接させることにより、前記遊技媒体の研磨を行う研磨手段を備えた遊技用装置において、前記研磨手段は、前記研磨部材を適宜移動させる電気的駆動源と、前記研磨部材の移動量を検出するための移動量検出部とを備え、該移動量検出部は、前記研磨部材が掛け渡されるローラと、該ローラの回転が伝達される回転部材と、前記回転部材の回転量を検出するための回転量検出手段と、前記ローラの回転を前記研磨部材を介さずに前記回転部材に伝達する伝達手段と、を備え、前記伝達手段は、前記回転部材に形成された回転部材側ギヤと、前記ローラに形成されたローラ側ギヤと、前記回転部材側ギヤと前記ローラ側ギヤとの間に巻回されて回転部材側ギヤ及びローラ側ギヤと個々に歯合するギヤ部が形成された連結ベルトとから構成されることを特徴とする。このように構成することにより、滑り無くローラの回転を回転部材に伝達することができるようになる。
(3)帯状の研磨部材を有し、移送通路内を移送される遊技媒体に前記研磨部材を当接させることにより、前記遊技媒体の研磨を行う研磨手段を備えた遊技用装置において、前記研磨手段は、前記研磨部材を適宜移動させる電気的駆動源と、前記研磨部材の移動量を検出するための移動量検出部とを備え、該移動量検出部は、前記研磨部材が掛け渡されるローラと、該ローラの回転が伝達される回転部材と、前記回転部材の回転量を検出するための回転量検出手段と、前記ローラの回転を前記研磨部材を介さずに前記回転部材に伝達する伝達手段と、を備え、前記伝達手段は、前記回転部材に形成された回転部材側ギヤと、前記ローラに形成され、前記回転部材側ギヤと噛み合うローラ側ギヤと、前記研磨部材に形成され、前記ローラ側ギヤの突起部分が挿通される挿通孔とから構成されることを特徴とする。このように構成することにより、滑り無くローラの回転を回転部材に伝達することができるようになる。
(4)帯状の研磨部材と、該帯状の研磨部材が引き出し可能にセットされる基体と、内部に移送通路が構成された通路部材とを有し、前記移送通路内を移送される遊技媒体に前記研磨部材を当接させることにより、前記遊技媒体の研磨を行う研磨手段を備えた遊技用装置において、前記基体が着脱自在に取り付けられる装着部を備え、前記通路部材は、前記装着部に取り付けられた前記基体に対して離接自在に設けられると共に、当該通路部材が前記基体に近接した状態で、前記研磨部材は前記移送通路内の遊技媒体に当接する構成として、前記通路部材が前記基体に対して離間した状態を保持する保持手段と、前記通路部材が前記基体に近接する方向に付勢する付勢手段と、を備えたことを特徴とする。このように構成することにより、基体を装着部に装着する際、付勢手段の付勢力によって自動的に玉を研磨部材に当接させることができる。また、このとき、付勢手段は、玉を研磨部材に圧接するようにも作用するので、研磨部材による玉の研磨をより一層確実に行わせることができる。
(5)帯状の研磨部材と、該帯状の研磨部材が引き出し可能にセットされる基体と、内部に移送通路が構成された通路部材とを有し、前記移送通路内を移送される遊技媒体に前記研磨部材を当接させることにより、前記遊技媒体の研磨を行う研磨手段を備えた遊技用装置において、前記基体が着脱自在に取り付けられる装着部を備え、前記通路部材は、前記装着部に取り付けられた前記基体に対して離接自在に設けられると共に、当該通路部材が前記基体に近接した状態で、前記研磨部材は前記移送通路内の遊技媒体に当接する構成として、圧力の調節を可能にして前記基体側に前記通路部材を押圧する圧力調節機能を備えたことを特徴とする。このように構成することにより、移送通路内の玉に対して適当な圧力を加える圧力調節機能を設けたので、研磨部材による玉の研磨をより確実に行わせることができる。
(6)帯状の研磨部材と、該帯状の研磨部材が引き出し可能にセットされる基体と、内部に移送通路が構成された通路部材とを有し、前記移送通路内を移送される遊技媒体に前記研磨部材を当接させることにより、前記遊技媒体の研磨を行う研磨手段を備えた遊技用装置において、前記基体が着脱自在に取り付けられる装着部を備えると共に、前記研磨部材が遊技媒体と当接する部分を支承する支承部材を前記基体に設け、前記通路部材を移動可能にして、前記基体を前記装着部に対して着脱する際に、前記通路部材と前記支承部材とを近接した状態と離間した状態とに変化させることを特徴とする。このように構成することにより、支承部材を固定した構成において、基体の着脱操作性を著しく改善することが可能となる。
(7)帯状の研磨部材と、該帯状の研磨部材が引き出し可能にセットされる基体と、内部に移送通路が構成された通路部材とを有し、前記移送通路内を移送される遊技媒体に前記研磨部材を当接させることにより、前記遊技媒体の研磨を行う研磨手段を備えた遊技用装置において、前記基体が着脱自在に取り付けられる装着部を備えると共に、前記研磨部材が遊技媒体と当接する部分を支承する支承部材を前記基体に設け、前記支承部材を移動可能にして、前記基体を前記装着部に対して着脱する際に、前記通路部材と前記支承部材とを近接した状態と離間した状態とに変化させることを特徴とする。このように構成することにより、通路部材を固定した構成において、基体の着脱操作性を著しく改善することが可能となる。
(8)帯状の研磨部材と、該帯状の研磨部材が引き出し可能にセットされる基体と、内部に移送通路が構成された通路部材とを有し、前記移送通路内を移送される遊技媒体に前記研磨部材を当接させることにより、前記遊技媒体の研磨を行う研磨手段を備えた遊技用装置において、前記基体が着脱自在に取り付けられる装着部を備え、前記通路部材は、前記装着部に取り付けられた前記基体に対して離接自在に設けられると共に、当該通路部材が前記基体に近接した状態で、前記研磨部材は前記移送通路内の遊技媒体に当接することを特徴とする。このように構成することにより、基体を装着部に装着し、あるいは、装着部から取り外す際には通路部材を装着部から離間させておくことができる。これにより、基体の着脱の際に通路部材が邪魔となることが無くなり、基体を正面方向からの着脱ができる、あるいは着脱しやすくできるようになり、基体の着脱操作性を著しく改善することが可能となる。
(9)帯状の研磨部材と、該帯状の研磨部材が引き出し可能にセットされる基体と、内部に移送通路が構成された通路部材とを有し、前記移送通路内を移送される遊技媒体に前記研磨部材を当接させることにより、前記遊技媒体の研磨を行う研磨手段を備えた遊技用装置において、前記基体が着脱自在に取り付けられる装着部を備えると共に、前記研磨部材が遊技媒体と当接する部分を支承する支承部材を前記基体に設け、前記通路部材あるいは前記支承部材のうち少なくともいずれか一方を移動可能にして、前記基体を前記装着部に対して着脱する際に、前記通路部材と前記支承部材とを近接した状態と離間した状態とに変化させ、前記通路部材は、下端が回転軸支されると共に、当該通路部材内の遊技媒体がこぼれ落ちない範囲で回動自在に設けられることを特徴とする遊技用装置。このように構成することにより、下端側が軸支されているので、通路部材を回動して傾かせても下端から遊技媒体がこぼれ落ちないようにでき、該通路部材の上端側から遊技媒体が落下することも回避することができる。
(10)帯状の研磨部材と、該帯状の研磨部材が引き出し可能にセットされる基体と、内部に移送通路が構成された通路部材とを有し、前記移送通路内を移送される遊技媒体に前記研磨部材を当接させることにより、前記遊技媒体の研磨を行う研磨手段を備えた遊技用装置において、前記基体が着脱自在に取り付けられる装着部を備えると共に、前記研磨部材が遊技媒体と当接する部分を支承する支承部材を前記基体に設け、前記通路部材あるいは前記支承部材のうち少なくともいずれか一方を移動可能にして、前記基体を前記装着部に対して着脱する際に、前記通路部材と前記支承部材とを近接した状態と離間した状態とに変化させ、前記通路部材が前記支承部材に近接した状態と離間した状態との状態を保持する保持機能を兼用する保持部材を備えたことを特徴とする遊技用装置。このように構成することにより、保持部材の部品点数の削減を行うことができると共に、部材の簡略化を図ることができる。