本発明の実施形態に係るメッセージ送信システム1について、図面を参照して説明する。なお、説明において、同一要素又は同一機能を有する要素には同一符号を用いることとし、重複する説明は省略する。
[機能構成について]
図1は、本発明にかかるメッセージ送信システム1の機能構成の例を示す図である。図1で示すように、本発明にかかるメッセージ送信システム1は、メッセージを送信する端末である送信元端末10a、メッセージを受信する送信先端末10b、並びに、送信元端末10a及び送信先端末10bと通信可能な状態で接続されているメッセージ管理装置30を含んで構成されている。
説明の便宜のため、図1には送信元端末10a及び送信先端末10bはそれぞれ1個ずつ記載されているが、通常はそれぞれ複数存在する。
本実施形態においては送信元端末10a及び送信先端末10bの例として携帯電話を用いて説明している。但し、送信元端末10a及び送信先端末10bは携帯電話に限らず、簡易型携帯電話機(PHS:Personal Handy-phone System)、通信機能を有する携帯型情報端末(PDA:Personal Digital Assistant)、或いは、携帯可能なパーソナルコンピュータ(PC:Personal Computer)等であっても良い。なお、本明細書において、送信元端末10a及び送信先端末10bの両方をさして端末10とも表記する。送信元端末10aの機能構成と送信先端末10bの機能構成は同じであるため、以下送信元端末10aと送信先端末10bをまとめて説明する。両者は物理的には同一機器であり、メッセージを送信する場合には送信元端末10aとなり、メッセージを受信する場合には送信先端末10bとなる。
端末10は具体的には、端末ID送信部11、端末データ通信部12、端末位置算出部(端末位置算出手段)13、メッセージ管理部14、センサ情報取得部15、端末加速度算出部(端末加速度算出手段)16、端末方位算出部(端末方位算出手段)17、端末グループリスト保持部(端末グループリスト保持手段)18、画面表示部19、を含んで構成される。さらに端末10は、各種センサとして、加速度センサとして機能する6軸のセンサ(および地磁気センサも同機能として必要な場合がある)、方位センサとして機能する地磁気センサ、GPS受信機などを備えている。
端末ID送信部11は、送信元端末10aを一意に識別可能な識別子としての端末IDを保持し、該保持している端末IDを端末データ通信部12を介してメッセージ管理装置30に送信する機能を有する。端末ID送信部11が保持している端末IDを送信する時期については、センサ情報取得部15が送信元端末10aのユーザはメッセージ作成ボタンを押下げたことを検知した時期であることが好ましい。なお、端末ID送信部11が保持する端末IDを送信する時期については、これに限らず、例えばメッセージ送信時(すなわち端末アクションが実行された時期)であってもよい。
端末データ通信部12は、端末10とメッセージ管理装置30との間の通信機能を提供する。
端末位置算出部13は、端末10の位置を算出する機能を有する。具体的には既知の技術であるGPS(Global Positioning System)を用いて算出しても良い、店或いは催事場等の入り口等に備えられた無線センサが端末10との間で無線通信を行うことでより正確に端末10の位置を算出しても良い、或いは、基地局からの電波の強度等を利用した技術を利用して端末10の位置を算出しても良い。ただしこれらの技術に限定する意図はなく、端末10の現在位置を測定可能であるあらゆる技術を利用することが可能である。端末位置算出部13が算出し出力するデータは、端末10の位置を経度、緯度、及び高度で表示した情報を用いることができる。また、地表面をグリッドに分割し、送信元端末10aの位置をY座標、X座標、及び高度で表示した情報でも良い。端末位置算出部13が入力するデータは具体的には送信元端末10aが物理的に備えるセンサとしてのGPS受信機またはタグセンサ等からセンサ情報取得部15を介して入力される。
端末位置算出部13は、更に、センサ情報取得部15が送信元端末10aのユーザはメッセージ作成ボタンを押下げたことを検知した場合、或いは、メッセージが送信された(すなわち端末アクションが実行された)場合に、算出した送信元端末10aの位置を端末データ通信部12を介してメッセージ管理装置30へ送信する機能を有する。
メッセージ管理部14は、メーラ等のアプリケーションを介して送信元端末10aのユーザによって入力されたメッセージを受けとり、当該メッセージを管理する機能を有する。更にメッセージ管理部14は、センサ情報取得部15が端末アクションの実行を検知した場合に、該管理しているメッセージを端末データ通信部12を介してメッセージ管理装置30へ送信する機能を有する。
ここで、端末アクションとは、端末の加速度、及び端末の方位の変化のことを指し、中でも変化量が所定の値以上である場合に端末アクションと称する。
送信先端末10bにおけるメッセージ管理部14は、メッセージ及び端末IDを端末データ通信部12を介してメッセージ管理装置30から受信する機能を有する。メッセージ管理部14は受信した端末IDをキーとして端末グループリスト保持部18に保持されている「メッセージ受信許諾」(データ許諾情報)の値を参照する。なお、端末グループリスト保持部18のデータ構造については、図2にその例が示されているが、詳細は端末グループリスト保持部18の説明の場所で行う。端末IDに関連付けられた「メッセージ受信許諾」に受信可能であることを示す値(例えば“1”)が保持されている場合には、メッセージ管理部14は、該当するメッセージを蓄積する。蓄積されたメッセージは画面表示部19に表示され、ユーザが確認をすることが可能となる。一方、端末IDに関連付けられた「メッセージ受信許諾」に受信不可能であることを示す値(例えば“0”)が保持されている場合、及び、端末グループリスト保持部18が端末IDを保持していない場合には、メッセージ管理部14は、該当するメッセージを破棄する。なお、グループリストに登録されていないユーザからのメッセージを受信するか否かに関する設定を可能とし、グループリストに登録されていないユーザからのメッセージを受信する設定をしている場合には(送信元端末10aが所属しているグループに関わらず)メッセージを受信するようにしても良い。この場合であってもデフォルトはグループリストに登録されていないユーザからのメッセージは受信しない設定にしておくことが好適である。
なお、メッセージの形式はテキスト形式に限られない。その他に、音声、画像、映像、そのほかキャラクタデータなどのオブジェクトをメッセージ(いわゆる送信データ)として送信することが可能である。
センサ情報取得部15は、端末10が物理的構成として備えているボタン、GPS受信機、6軸センサ、或いはタグセンサ等の各種センサから情報を取得する機能を有する。センサ情報取得部15は当該取得した情報を端末位置算出部13、端末加速度算出部16、及び端末方位算出部17に対して出力する。
端末加速度算出部16は、センサ情報取得部15から3軸方向の加速度、及び3軸の地磁気センサに関する情報を入力し、入力した情報から送信元端末10aの加速度を算出する機能を有する。送信元端末10aの加速度は、3次元のベクトルで表現することができる。
なお、送信元端末10aの加速度は、2次元あるいは1次元で表現しても良い。2次元で表現する場合は3次元の場合と同様に地磁気センサを用いることで表現が可能である。1次元で表現する場合は、端末加速度算出部16は、例えば送信元端末10aの長手方向の加速度の強さのみを算出し、方向に関しては投げる動作(端末アクション)の終了時において端末方位算出部17が算出した送信元端末10aの方位を用いることで投げる強さ(端末アクションの強さ)と投げる方向(端末アクションの方向)を取得してもよい。
端末加速度算出部16は、算出した送信元端末10aの加速度を端末データ通信部12を介してメッセージ管理装置30へ送信する。具体的には、端末加速度算出部16は、送信元端末10aが物理的に備えるセンサとしての6軸センサから前後/左右/上下の3方向の加速度情報と、3軸の地磁気センサに関する情報と、を入力しそれらの情報から送信元端末10aの加速度を算出する。送信元端末10aの加速度は3次元のベクトルで表現することができる。なお、端末加速度算出部16は、必ずしも必要ではなく、予め定めた数値情報を加速度情報として、端末データ通信部12は、メッセージ管理装置30に送信するようにしてもよい。
端末方位算出部17は、基準方向からの傾きである送信元端末10aの方位を算出する機能を有する。基準方向は適宜定義することができるが、例えば送信元端末10aの長手方向が水平方向に真北を向く方向を基準としても良い。その状態から東或いは西への傾き及び垂直方向の傾きのことを「送信元端末10aの方位」と表現する。端末方位算出部17は、算出した送信元端末10aの方位を端末データ通信部12を介してメッセージ管理装置30へ送信する機能を有する。なお、端末方位算出部17は、必ずしも必要ではなく、予め定めた数値情報を方位情報として、端末データ通信部12は、メッセージ管理装置30に送信するようにしてもよい。
端末グループリスト保持部18は、送信先端末10bが属するグループに関する情報を保持している。図2に本実施形態における端末グループリスト保持部18に保持されているデータのデータ構造の例を示す。図2に示すように端末グループリスト保持部18に保持されているデータは、「端末ID」、「ユーザ名」、及び「メッセージ受信許諾」の情報を含んで構成されている。
「端末ID」は、送信先端末10bが属しているユーザグループと同じユーザグループに属している端末を識別する識別子である端末IDが保持されている。「ユーザ名」は関連する端末IDで表示される端末の所有者に関する情報が保持されている。「メッセージ受信許諾」には、関連する端末IDで表示される端末からのメッセージを受信するか否かに関する情報が保持されている。
端末グループリスト保持部18が保持する情報は、予めユーザが登録することが好適である。なお、端末グループリスト保持部18が保持する情報は送信元端末10aのユーザによって自由に更新可能としてもよい。なお、送信元端末10aとしては、端末グループリスト保持部18は必ずしも必要は無い。端末グループリスト保持部18は、送信先端末10bが備えることにより、後述するとおり、受信許諾に利用するものである。
本実施形態における送信先端末10bが、端末グループリスト保持部18を備えることにより、メッセージの受信を行う端末の集合であるグループリストを予め作成することができることとなる。それにより、グループリストに予め登録されている送信元端末10aが送信したメッセージのみを受信することが可能となる。更に、本実施形態における端末グループリスト保持部18は、保持している端末ID毎にメッセージ受信許諾を設定できる。これによりメッセージを受信するか否かについて端末毎に設定することが可能となる。
画面表示部19は、メッセージ管理部14が受信したメッセージを表示する機能、メッセージを作成する機能、並びに、ボタンの表示及び押下げの入力の受け付け機能、を有する。
メッセージ管理装置30は、送信元端末10a、及び送信先端末10bと通信可能な状態で接続されており、メッセージの送信を管理する装置である。具体的には、メッセージ管理装置30は、データ通信部31(受信手段)、メッセージ送信先判別部(データ送信先判別手段)32、メッセージ保持部(記憶手段)33、端末アクション判別部(データ送信先地点算出手段)34、メッセージ送信部(送信手段)35、及びサーバグループリスト保持部(サーバグループリスト保持手段)36を含んで構成されている。
データ通信部31は、送信元端末10a及び送信先端末10bとの間の通信機能を提供する。
メッセージ送信先判別部32は、送信元端末10aの位置を送信元端末10aからデータ通信部31を介して受信し、受信した送信元端末10aの位置に基づきサーバグループリスト保持部36に保持された受信可能なユーザの中からメッセージ送信先候補を抽出し、抽出したメッセージ送信先候補をサーバグループリスト保持部36に出力する機能を備える。メッセージ送信先判別部32は更に、端末アクション判別部34からメッセージ送信先地点を入力し、該入力したメッセージ送信先地点に基づいて、上記サーバグループリスト保持部36に保持されているメッセージ送信先候補の中からメッセージ送信先対象をスクリーニング(screening:抽出)する機能を有する。メッセージ送信先判別部32はスクリーニングしたメッセージ送信先対象をメッセージ送信部35に出力する。
メッセージ保持部33は、メッセージ及び端末IDを送信元端末10aからデータ通信部31を介して受信し、当該メッセージを端末IDと関連付けて保持する機能を有する。
端末アクション判別部34は、送信元端末10aから送信元端末10aの加速度、送信元端末10aの位置、及び送信元端末10aの方位をデータ通信部31を介して受信し、当該受信した送信元端末10aの加速度、送信元端末10aの位置、及び送信元端末10aの方位からメッセージ送信先地点を判別する機能を有する。端末アクション判別部34は、更に、判別したメッセージ送信先地点をメッセージ送信先判別部32に出力する機能を備える。
本実施形態において端末アクション判別部34はメッセージ管理装置30が備えているが、送信元端末10aが備えていても良い。この場合、送信元端末10aにおいてメッセージ送信先地点を判別し、メッセージ送信先判別部32は、送信元端末10aからデータ通信部31を介してメッセージ送信先地点を受信する。
メッセージ送信部35は、メッセージ送信先判別部32がスクリーニングしたメッセージ送信先対象を入力すると、メッセージ保持部33を参照し、端末IDと関連付けられてメッセージ保持部33に保持されているメッセージを取得し、当該取得したメッセージと端末IDとをメッセージ送信先対象に対してデータ通信部31を介して送信する機能を有する。
メッセージ送信部35は、メッセージを送信する際に、送信元端末10aのユーザに対して送信の確認をして、送信元端末10aのユーザから送信の許可を得てからメッセージを送信しても良い。
サーバグループリスト保持部36は、メッセージ受信可能なユーザ抽出に利用される本システムを利用可能なユーザリストを保持する機能を有する。更に、サーバグループリスト保持部36は、メッセージ送信先判別部32が抽出したメッセージ送信先候補を入力し、保持する機能を備える。
図3にサーバグループリスト保持部36が保持する情報の構成例を示す。図3に示すように、サーバグループリスト保持部36が保持する情報は、「端末ID」、「緯度経度」、及び「更新時間」を含んで構成されている。「端末ID」には、メッセージ送信先候補を一意に識別可能である識別子が保持される。「緯度経度」には、関連する「端末ID」で表されるメッセージ送信先候補の位置情報が保持される。「更新時間」には、「緯度経度」に保持されている情報の最後の更新時間に関する情報が保持される。
[ハードウェア構成について]
次に、図4を用いて本実施形態における端末10のハードウェア構成について説明する。
図4は、端末10のハードウェア構成を示す図である。図4に示すように端末10は物理的には、CPU(Central AccessMemory)等の制御装置101、RAM(Random Access Memory)といった揮発性半導体等のメモリ102、通信を制御する通信装置103、フラッシュメモリーなどの補助記憶部104、ボタン等の入力装置105、LCD(Liquid Crystal Display)或いは有機ELディスプレイなどの出力装置106、6軸センサ107、及び、GPS受信機或いはタグセンサなどの位置算出装置108を含んで構成される。
上記ハードウェア構成と機能的構成との対応関係を以下に示す。端末10に関して、端末ID送信部11、端末データ通信部12、端末位置算出部13、メッセージ管理部14、センサ情報取得部15、端末加速度算出部16、端末方位算出部17、端末グループリスト保持部18、及び画面表示部19がそれぞれ有する機能は、制御装置101、メモリ102等のハードウェア上に所定のソフトウェアを読み込ませることにより、制御装置101の制御のもとで通信装置103、入力装置105、出力装置106、6軸センサ107、及び位置算出装置108、を動作させると共に、メモリ102や補助記憶部104におけるデータの読み出し及び書き込みを行うことで実現される。
位置算出装置108は、タグからの情報を受け取る場合、タグからの情報そのものは位置情報としては利用できないため、制御装置101、メモリ102等のハードウェア上に読み込まれたソフトウェアと協働して処理することで、タグからの情報を住所、あるいは経度緯度などに変換する。
[メッセージ送信先候補の抽出について]
次に、本実施形態におけるメッセージ送信先候補の抽出方法について説明する。
本実施形態においては、送信元端末10aは、メッセージ管理装置30に対して送信元端末10aの位置を送信している。送信元端末10aが送信元端末10aの位置を送信する時期は、メッセージ作成ボタンの押下げを検出した時期であることが好適である。メッセージ送信先判別部32は、送信元端末10aから送信元端末10aの位置を受信した場合にメッセージ送信先候補の抽出を行っている。このため、メッセージ管理装置30におけるメッセージ送信先判別部32は、送信元端末10aのユーザが送信するメッセージを作成するためにメッセージ作成ボタンを押下げたときにメッセージ送信先候補の抽出を行うこととなる。
これにより、メッセージ送信先判別部32は、送信元端末10aのユーザがメッセージを作成している間に平行して最適なタイミングでメッセージ送信先候補の抽出を行うことが可能となる。
メッセージ送信先判別部32は、送信元端末10aから送信元端末10aの位置を受信すると、当該位置から所定の距離にある位置登録エリアに在圏する端末10について位置登録を行う。なお、定期的に位置登録をしているシステムなどにおいては、別に位置登録をする必要は無い。次に当該位置登録の結果に基づいて、送信元端末10aの位置から所定の距離にある位置登録エリアに在圏する端末10についてより詳細な位置情報を得る。位置情報を得る方法は、メッセージ管理装置30が送信元端末10aの位置情報を得る方法と同様でも良い。送信元端末10aと、当該得た端末10の位置と、の間の距離が所定値以下の場合に該端末10をメッセージ送信先候補として抽出する。なお、所定値は例えば10メートルなど自由に設定可能である。所定値を大きくすることで送信元端末10aの移動によるメッセージ送信先候補の更新回数を減らすことが可能となる。また、所定値を小さくすることでサーバグループリスト保持部36が保持する情報を減らし、処理負担を低減することが可能となる。
メッセージ送信先判別部32は、上記方法によって抽出したメッセージ送信先候補について、端末ID、位置情報、及び位置情報を最後に得た時間をサーバグループリスト保持部36に出力する。サーバグループリスト保持部36は、それらの情報を入力し、保持する。
上記方法によりメッセージ送信先候補の抽出を行うことで、送信元端末10aのユーザがメッセージ作成ボタンを押下るタイミング(すなわち、一般的にはメッセージが送信される直前)という最適なタイミングで送信元端末10aの周囲にある端末10に関して位置登録が行われることとなり、必要最小限の位置登録の回数で済むため、各種通信装置の負荷増加を必要最小限にしつつメッセージ送信先候補の抽出を行うことが可能となる。また、送信元端末10aから所定の距離にあるメッセージ送信先候補について予め位置情報を取得することにより、送信元端末10aにおいて、その後、端末アクションの実行があった場合に俊敏にメッセージ送信先対象をスクリーニングすることが可能となる。
[メッセージ送信地点の判別について]
次に、本実施形態におけるメッセージ送信先地点の判別方法について説明する。
本実施形態においては、端末アクション判別部34は、送信元端末10aから受信した送信元端末10aの方位及び送信元端末10aの加速度に基づいてメッセージ送信先地点を判別している。判別の方法は種々考えられるが、例えば、任意の時刻における送信元端末10aの加速度のベクトルに所定の割合を乗じたベクトルを算出し、当該任意の時刻における送信元端末10aの位置から、当該算出したベクトルを足した位置をメッセージ送信先地点として判別しても良い。
上記「任意の時刻」とは、例えば、加速度が所定の値以上の割合で低下する直前の時刻であってもよい。
更に、例えば、任意の時刻における加速度の大きさに所定の割合を乗じた距離を算出し、該任意の時刻における送信元端末10aの位置から、送信元端末10aの方位の方向へ該算出した距離を移動した位置をメッセージ送信先地点として判別してもよい。
メッセージ送信先地点をそのように定めることにより、端末を投げる動作によって、端末が飛んでゆく地点をメッセージ送信先地点として判別することとなる。ものを投げる動作は一般的に多くのユーザが経験していると考えられ、投げられたものが飛んでゆく方向及び距離は感覚的に推定できると考える。従って、物を投げる動作によって、投げられた物が飛んでゆく方向及び距離に基づいてメッセージ送信地点を判別することによって、所望の相手にメッセージを伝えることができる可能性を高めることが可能となる。
なお、メッセージ送信先地点の判別方法を上記方法に限定する意図ではない。特定の端末アクションと関連付けられる特定の位置が定められる方法であればどのような方法でも応用可能である。
[メッセージ送信先対象のスクリーニングについて]
次に、メッセージ送信先判別部32がメッセージ送信先候補の中からメッセージ送信先対象をスクリーニングする方法について、図5〜図7を用いて説明する。
図5はメッセージ送信先判別部32がメッセージ送信先対象をスクリーニングする方法を模式的に示す図である。図5においてAで示した地点はメッセージ送信先地点を示す。図5においてBで示した距離は予め設定した所定の距離を示す。
図5に模式的に示すように、メッセージ送信先判別部32は、メッセージ送信先候補の中から、メッセージ送信先地点からの距離が所定の範囲内である端末10をメッセージ送信先対象としてスクリーニングする。メッセージ送信先地点から所定の距離に複数の端末10が位置する場合には、メッセージ送信先判別部32は、全ての端末10をメッセージ送信先対象としてスクリーニングしても良い、或いは、メッセージ送信先地点からの距離が最も短い端末10をメッセージ送信先対象としてスクリーニングしても良い。
メッセージ送信先判別部32が、このような方法によってメッセージ送信先候補の中からメッセージ送信先対象をスクリーニングすることにより、ちょうど物を投げる動作によって、その物が飛んでゆく位置であるメッセージ送信先地点から所定の距離にある端末10がメッセージ送信先対象としてスクリーニングされる事となる。これにより、送信元端末10aのユーザと、送信元端末10aのユーザがメッセージの送信を望む相手と、の間に他の端末10が位置する場合であっても、当該他の端末10を飛び越して送信元端末10aのユーザがメッセージの送信を望む相手に対してメッセージを送信することが可能となる。
図6にはメッセージ送信先判別部32がメッセージ送信先対象をスクリーニングする別の方法を模式的に示す。図6においてAで示した地点はメッセージ送信先地点を示す。図6においてBで示した距離は予め設定した所定の距離を示す。
図6に模式的に示すように、メッセージ送信先判別部32は、メッセージ送信先候補の中から、送信元端末10aの位置とメッセージ送信先地点とを結ぶ直線からの距離が所定の範囲内である端末10をメッセージ送信先対象としてスクリーニングする。送信元端末10aの位置とメッセージ送信先地点とを結ぶ直線から所定の範囲内に複数の端末10が位置する場合には、メッセージ送信先判別部32は、全ての端末10をメッセージ送信先対象としてスクリーニングしても良い。或いは、送信元端末10aからの距離が最も近い端末10をメッセージ送信先対象としてスクリーニングしても良い。または、送信元端末10aの位置とメッセージ送信先地点とを結ぶ直線からの距離が最も短い端末10をメッセージ送信先対象としてスクリーニングしても良い。
メッセージ送信先判別部32が、このような方法によってメッセージ送信先候補の中からメッセージ送信先対象をスクリーニングすることにより、送信元端末10aのユーザは、投げる強さ(すなわち送信元端末10aの加速度)の調整に関してあまり気にせず、一定以上の強さで相手の端末10が位置する方向に端末アクションを行うことで所望の相手にメッセージを送信することが可能となる。
なお、上記2つの方法は、択一的なものではなく、組み合わせることも可能である。例えば、メッセージ送信先判別部32は、始めにメッセージ送信先地点からの距離が所定の範囲内に位置する端末10をメッセージ送信先対象としてスクリーニングし、該当する端末10が存在しない場合には、次にメッセージ送信先判別部32は、送信元端末10aの位置とメッセージ送信先地点とを結ぶ直線からの距離が所定の範囲内に位置する端末10をメッセージ送信先対象としてスクリーニングしてもよい。又、順番を逆にしても良い。
メッセージ送信先判別部32が、複数の端末10を送信先対象としてスクリーニングした場合には、過去のメッセージの送信の数、受信の数、またはその両方の数が所定値以上である端末10をメッセージ送信先対象としてスクリーニングしても良い。この場合、メッセージ管理装置30は、メッセージ送受信履歴を記憶する図示しない記憶部を更に備え、メッセージ送信先判別部32は、当該記憶部を参照することで過去(例えば過去1ヶ月)に送信元端末10aと他の端末10との間のメッセージの送信の数、受信の数、またはその両方の数を算出する。算出の結果予め設定された所定の値以上である場合に、メッセージ送信先判別部32は、当該他の端末10をメッセージ送信先対象としてスクリーニングする。なお、メッセージ送受信履歴を記憶する図示しない記憶部は、メッセージ管理装置30が備えていなくても良い。すなわち、メッセージ管理装置30は、他のサーバに備えられているメッセージ送受信履歴を参照するとしても良い。
このようにすることで、これまでメッセージを送受信していない端末10は、メッセージ送信先対象としてスクリーニングされないこととなり、偶然に近くを通りかかった端末10等に対してはメッセージを送信しなくすることが可能となる。或いは、普段からメッセージの送受信を行っている端末10を優先的にスクリーニングすることが可能となる。
また、メッセージ送信先判別部32が、複数の端末10をメッセージ送信先対象としてスクリーニングした場合には、直近にメッセージの送信または受信を行っていた端末10(すなわち、メッセージの送受信を最後に行った端末10)をメッセージ送信先対象としてスクリーニングしても良い。この場合、メッセージ管理装置30は、メッセージ送受信履歴を記憶する図示しない記憶部を更に備え、メッセージ送信先判別部32は、当該記憶部を参照し、送信元端末10aとメッセージ送信先対象としてスクリーニングした複数の端末10のそれぞれとの間でメッセージの送受信を最後に行った時刻をそれぞれ算出する。メッセージ送信先判別部32は、当該算出したそれぞれのメッセージの送受信を最後に行った時刻のなかで、時刻が最後(すなわち最も現在に近い)である端末10をメッセージ送信先対象としてスクリーニングする。なお、メッセージ送受信履歴を記憶する図示しない記憶部は、メッセージ管理装置30が備えていなくても良い。すなわち、メッセージ管理装置30は、他のサーバに備えられているメッセージ送受信履歴を参照するとしても良い。
このようにすることで、メッセージを同一の端末10と複数回メッセージを往復させるような場合に、自動的に当該同一の端末10をメッセージ送信先対象としてスクリーニングすることが可能となる。
図7は、メッセージ送信先判別部32がメッセージ送信先対象を判別できない場合を模式的に説明する図である。図7に示すように、メッセージ送信先地点をしめすA地点からの距離が所定の範囲内、送信元端末10aの位置とメッセージ送信先地点とを結ぶ直線からの距離が所定の範囲内、或いは、メッセージ送信先地点をしめすA地点からの距離が所定の範囲内又は送信元端末10aの位置とメッセージ送信先地点とを結ぶ直線からの距離が所定の範囲内、に端末が存在しない場合(すなわち、メッセージ送信先判別部32がメッセージ送信先対象をスクリーニングできない場合)は、メッセージ送信先判別部32は、メッセージ送信部35に対してメッセージ送信先対象を出力しない。そのためメッセージ送信部35は、どの端末にもメッセージを送信しないこととなる。
[メッセージ送信先対象をスクリーニングできなかった場合の処理について]
メッセージ送信先判別部32がメッセージ送信先対象をスクリーニングできず、そのためメッセージ送信部35はどの端末にもメッセージを送信しないこととなった場合、メッセージ送信先判別部32は、メッセージ保持部33に対しその旨を通知し、メッセージ保持部33は所定の時間当該メッセージを保持する。所定の時間はユーザによって自由に設定可能であっても良い。
メッセージ保持部33が当該メッセージを保持している所定の時間中は、メッセージ送信先判別部32は、メッセージ送信先地点を記憶しておき、端末10から端末10の位置及び端末IDをデータ通信部31を介して常時受信する。メッセージ送信先判別部32は、記憶しているメッセージ送信先地点と、常時受信する端末10の位置と、の間の距離が所定の範囲内(例えば1メートル)であると判断する場合、メッセージ送信先対象として該端末10を示す端末IDをメッセージ送信部35へ出力する。メッセージ送信部35はメッセージ保持部33に保持されているメッセージと送信元の端末IDとをメッセージ送信先対象にデータ通信部31を介して送信する。なお、メッセージ保持部33がメッセージ送信先地点を、メッセージとともに対応付けて記憶してもよい。
このような構成とすることで、例えば加速度が弱く、送信を望む相手の端末10までメッセージ送信先地点が届かなかった場合などメッセージを投げた先に端末10が存在しない場合に当該メッセージは所定の時間メッセージ送信先地点と関連付けられて保持されることとなり、所定の時間内にメッセージ送信先地点から所定の距離を通過した端末10にメッセージが送信されることとなる。
メッセージ送信先地点と送信元端末10aの位置との間の距離が所定の値(例えば1メートル)以内であると、メッセージ送信先判別部32が判断する場合は、メッセージ送信先判別部32は、送信元端末10aの加速度に所定の割合を乗じた値を算出し、当該算出した値をメッセージ保持部33へ出力し、メッセージ保持部33は入力した値に応じた時間メッセージを保持してもよい。
この場合も、メッセージ保持部33が当該メッセージを保持している所定の時間中は、メッセージ送信先判別部32は、メッセージ送信先地点を記憶しておき、端末10から端末10の位置及び端末IDをデータ通信部31を介して常時受信する。メッセージ送信先判別部32は、記憶しているメッセージ送信先地点と、常時受信する端末10の位置と、の間の距離が所定の範囲内(例えば1メートル)である場合、メッセージ送信先対象として該端末10を示す端末IDをメッセージ送信部35へ出力する。メッセージ送信部35はメッセージ保持部33に保持されているメッセージと送信元の端末IDとをメッセージ送信先対象にデータ通信部31を介して送信する。
このような構成とすることで、送信元端末10aのユーザが自分の足元に向けて投げる動作をした場合に、メッセージがメッセージ送信先地点(すなわちユーザの足元)と関連付けられて送信元端末10aの加速度に応じた時間保持されることとなる。メッセージが保持されている時間にメッセージ送信先地点を通過した端末10にメッセージが送信されることとなる。これにより、例えば場所を特定して待ち合わせをしている場合など、その場所と関連付けてメッセージを保持したい場合に、送信元端末10aのユーザは送信先を送信元端末10aに入力することなく、当該場所において自分の足元に向けて投げる動作をすることにより、所定の時間場所と関連付けてメッセージを保持し、所望の送信相手が所定の時間内にその場所を通過した時点でメッセージを送信相手に送信することが可能となる。
なお、ここでは、メッセージ送信先対象を決定できなかった場合の処理を中心に説明したが、メッセージ送信先対象を決定できる状態であっても、上述したように、送信処理をすぐに行うことなく、メッセージとそのメッセージ送信先地点とを対応付けて記憶するようにしてもよい。すなわち、端末アクション判別部34がメッセージ送信先地点を算出できた場合には、メッセージ送信先判別部32は、メッセージ送信先端末を決定することなく、メッセージ保持部33は、メッセージと送信先地点とを対応付けて記憶しておくようにしてもよい。
[処理の流れについて]
次に図8を用いて本実施形態におけるメッセージ送信システム1における処理の流れについて説明する。
送信元端末10aのセンサ情報取得部15は、メッセージ作成ボタンが押下げられたことを検知する(ステップS101)。
送信元端末10aの端末ID送信部11は、自端末の端末IDを、端末データ通信部12を介してメッセージ管理装置30へ通知する。端末位置算出部13は、自端末の位置を算出する。自端末の位置の算出方法は、例えば既知の技術であるGPS(Global Positioning System)を用いた測位方法、或いは基地局からの電波の強度等を利用した技術などが応用可能である。但しこれらに限定することを意図しない。端末位置算出部13が算出するデータは、送信元端末10aの位置を経度、緯度、及び高度で表示した情報を用いることができる。また、地表面をグリッドに分割し、送信元端末10aの位置をY座標、X座標、及び高度で表示した情報でも良い。端末位置算出部13は、算出した自端末の位置を端末データ通信部12を介してメッセージ管理装置30へ送信する。メッセージ管理装置30におけるメッセージ送信先判別部32は、送信元端末10aが送信した端末の位置をデータ通信部31を介して受信する。メッセージ管理装置30におけるメッセージ送信部35は、送信元端末10aが送信した自端末の端末IDをデータ通信部31を介して受信する(ステップS102)。
メッセージ送信先判別部32は、受信した送信元端末10aの位置から所定の距離に存在する端末10をメッセージ送信先候補として抽出する。メッセージ送信先判別部32は、抽出したメッセージ送信先候補の情報をサーバグループリスト保持部36に保持する(ステップS103)。
送信元端末10aは、メッセージ作成用のアプリケーションを起動する。メッセージの種類としてはテキスト、音声、或いは映像などを用いることができる。メッセージ管理部14は、ユーザが入力したメッセージ内容をアプリケーションを介して入力する(ステップS104)。
送信元端末10aにおけるセンサ情報取得部15は、所定の条件を満たすと端末アクションの実行を検知する(ステップS105)。
端末加速度算出部16は、センサ情報取得部15が取得したセンサ情報から送信元端末10aの加速度を算出し、当該算出した送信元端末10aの加速度を、端末データ通信部12を介してメッセージ管理装置30へ送信する。端末方位算出部17は、センサ情報取得部15が取得したセンサ情報から送信元端末10aの方位を算出し、当該算出した送信元端末10aの方位を、端末データ通信部12を介してメッセージ管理装置30へ送信する。メッセージ管理部14は、アプリケーションを介して入力したメッセージを、端末データ通信部12を介してメッセージ管理装置30へ送信する。
メッセージ管理装置30における端末アクション判別部34は、送信元端末10aが送信した送信元端末10aの加速度と、送信元端末10aの方位と、送信元端末10aの位置と、をデータ通信部31を介して受信する。メッセージ保持部33は、送信元端末10aが送信したメッセージ及び端末IDを、データ通信部31を介して受信する。メッセージ保持部33は、当該メッセージを端末IDと関連付けて保持する(ステップS106)。
端末アクション判別部34は、送信元端末10aから受信した送信元端末10aの加速度と、送信元端末10aの方位と、送信元端末10aの位置と、に基づいてメッセージ送信先地点を判別する。端末アクション判別部34は、判別したメッセージ送信先地点をメッセージ送信先判別部32に出力する。メッセージ送信先判別部32は、入力したメッセージ送信先地点に基づいてサーバグループリスト保持部36が保持しているメッセージ送信先候補の中からメッセージ送信先対象をスクリーニングする。メッセージ送信先判別部32はスクリーニングしたメッセージ送信先対象をメッセージ送信部35へ出力する(ステップS107)。
メッセージ送信部35は、メッセージ送信先判別部32からメッセージ送信先対象を入力すると、メッセージ保持部33から対応するメッセージを得る。メッセージ送信部35は、メッセージ保持部33から得たメッセージ、及び送信元端末10aを示す端末IDを、メッセージ送信先判別部32がスクリーニングしたメッセージ送信先対象に対してデータ通信部31を介して送信する(ステップS108)。
送信先端末10bのメッセージ管理部14は、メッセージ及び送信元端末10aを示す端末IDをメッセージ管理装置30から端末データ通信部12を介して受信する(ステップS109)。
メッセージ管理部14は、受信した送信元端末10aを示す端末IDに基づいて端末グループリスト保持部18が保持するメッセージ受信許諾を参照して、送信元端末10aを示す端末IDについて受信許諾されているか否かを参照する(ステップS110)。
送信元端末10aを示す端末IDについて受信許諾されていない場合(ステップS110において“メッセージ受信許諾NG”)、送信先端末10bのメッセージ管理部14は、受信したメッセージを破棄する(ステップS111)。
送信元端末10aを示す端末IDについて受信許諾されている場合(ステップS110において“メッセージ受信許諾OK”)、送信先端末10bのメッセージ管理部14は、受信したメッセージを蓄積する。送信先端末10bの画面表示部19は蓄積されたメッセージを表示する(ステップS112)。
[本実施形態の作用及び効果について]
次に、本実施形態の作用及び効果について説明する。本発明におけるメッセージ送信システム1は、所定の基準方向からの傾きである端末の方位を算出する端末方位算出部17と、送信元端末10aの加速度を算出する端末加速度算出部16と、送信元端末10aの位置を算出する端末位置算出部13と、を備え、端末アクション判別部34は、端末方位算出部17が算出した送信元端末10aの方位、端末加速度算出部16が算出した送信元端末10aの加速度、及び端末位置算出部13が算出した送信元端末10aの位置に基づいて、送信先端末10bを判別するための地点情報としてのメッセージ送信先地点を判別し、メッセージ送信先判別部32は、端末アクション判別部34が判別したメッセージ送信先地点に基づいて、メッセージ送信先対象を判別し、メッセージ送信部35は、メッセージ送信先判別部32によって判別されたメッセージ送信先対象に対してメッセージを送信するため、送信元端末10aの方位、送信元端末10aの加速度、及び送信元端末10aの位置に基づいて送信先端末10bが判別されることとなり、ユーザはメッセージの宛先を入力することなく送信先端末10bを指定することが可能となる。
また、メッセージ送信先判別部32は、端末アクション判別部34が判別したメッセージ送信先地点と、他の端末10の位置と、の間の距離が所定の値以下である当該他の端末10をメッセージ送信先対象として判別しているため、メッセージの送信先である送信先端末10bが存在する位置への方向と距離から、送信先端末を特定することが可能となる。
また、メッセージ送信先判別部32は、送信元端末10aの位置と、端末アクション判別部34が判別したメッセージ送信先地点と、を結ぶ直線からの距離が所定の値以下である端末10をメッセージ送信先対象として判別しているため、メッセージの送信先である送信先端末10bへの方向によって送信先端末10bを特定することが可能となる。
また、メッセージ送信部35は、メッセージ送信先判別部32が複数のメッセージ送信先対象を判別した場合に、過去のメッセージの送信の数、受信の数、またはその両方の数に基づいて端末10に対してメッセージを送信しているため、複数のメッセージ送信先対象が判別された場合に、過去のメッセージの送信の数、受信の数、またはその両方の数に基づいて定められた端末10にメッセージを送信することとなる。これにより、普段からメッセージの送受信を行っている(すなわち送受信の数が所定値以上)の端末10にメッセージを送信することが可能となる。偶然通りすがりの端末10がメッセージ送信先対象として判別された場合であっても、このような普段からメッセージを送受信していない端末10を、ユーザが送信元端末10aを操作することなく自動的にメッセージの送信先から除外することが可能となる。
また、メッセージ送信部35は、メッセージ送信先判別部32が複数のメッセージ送信先対象を判別した場合に、最後にメッセージの送信または受信を行った端末10に対してメッセージを送信しているため、特定の端末10とメッセージの送受信を繰り返すような場合に、該送受信を繰り返している端末10以外の端末10がメッセージ送信先対象として判別された場合であっても、このような端末10は最後にメッセージ送信または受信して(すなわちメッセージの送受信履歴が最も最後、別の言い方をすれば現在に近い)おらず、を、ユーザが送信元端末10aを操作することなく自動的にメッセージ送信先から除外することが可能となる。
また、メッセージ管理装置30は、メッセージ送信先判別部32がメッセージ送信先対象を判別できなかった場合に、メッセージの内容をメッセージ送信先地点と関連付けて保持するメッセージ保持部33を更に備え、メッセージ送信部35は、他の端末10がメッセージ送信先地点から所定の範囲内に入った場合に該他の端末10に対してメッセージを送信しているため、メッセージ送信先対象が見つからなかったような場合、すなわちメッセージ送信先地点付近に端末10が存在しなかった場合などに、メッセージは何れの端末10にも送信されることなく、メッセージ送信先地点と関連付けられてメッセージ保持部33が保持することとなり、その後、当該メッセージを特定の場所に関連付けられたメッセージとして扱われることとなり、以後、当該場所を通過した端末10に対してメッセージが送信されることとなる。
また、メッセージ保持部33は、端末アクション判別部34がメッセージ送信先地点と、送信元端末10aの位置と、の間の距離が所定の範囲内であると判断した場合に、メッセージの内容をメッセージ送信先地点と関連付けて送信元端末10aの加速度に応じた時間保持し、メッセージ送信部35は、他の端末10がメッセージ送信先地点から所定の範囲内に入った場合に、該他の端末10に対して前記メッセージを送信しているため、ユーザが送信元端末10aを地面に向けて振りかざしたような場合に送信されたメッセージは送信元端末10aの加速度に応じた時間、当該メッセージを特定の場所に関連付けられたメッセージとして扱われることとなる。例えば特定の場所で待ち合わせをする場合など場所と関連付けてメッセージを保持したい場合に、その場所で、自分の足元へ投げる動作をすることで当該場所と関連付けられてメッセージが保持されることとなる。その後、当該場所を通過した端末にメッセージが送信されることとなる。
また、端末10が属するグループに関する情報であるグループリストが保持されている端末グループリスト保持部18を更に含み、メッセージ送信先判別部32は、送信元端末10aと、他の端末10と、が同一のグループに属していない場合には該他の端末10をメッセージ送信先対象とは判断しないため、グループに属していない(すなわち不特定の)送信元端末10aからのメッセージの受信を不許可とすることが可能となる。一方、メッセージを受信したい特定の送信元端末10aをグループリストに含めることでその送信元端末10aからのメッセージは受信することが可能となる。
また、端末グループリスト保持部18は、端末10を表示する端末識別子と関連付けられたメッセージ受信許諾情報を更に含み、メッセージ送信先判別部32は、メッセージ受信許諾情報として受信しない内容の情報が保持されている場合に対応する端末10をメッセージ送信先対象と判断しないため、たとえ同一のグループ内の端末10であっても、ユーザの事情によって一時的にメッセージの受信を不許可とすることが可能となる。
また、端末加速度算出部16は、端末10が属するグループ以外のグループからの受信を許諾するか否かの設定に関する情報であるグループ外メッセージ受信許諾情報を更に含み、メッセージ送信先判別部32は、グループ外メッセージ受信許諾情報として受信する旨の情報が保持されている場合にはどのグループに属しているかに関わらず他の端末10をメッセージ送信先対象として判断しているため、送信元端末10aがどのグループに属しているかに関わらずメッセージを受信することを許可することが可能となる。
[変形例]
ここで、第1実施例の変形例について説明する。上記説明では、端末ID送信部11、端末データ通信部12、端末位置算出部13、メッセージ管理部14、センサ情報取得部15、端末加速度算出部16、端末方位算出部17、端末グループリスト保持部18、及び、画面表示部19の各機能は端末10が備えていたが、端末10がこれらの機能を備えることに限定することを意図しない。これらの各機能毎の全て或いは一部の機能はメッセージ管理装置30が備えていてもよい。または、図示しない他の装置が備えていても良い。
例えばメッセージ管理装置30は、端末位置算出部13、端末加速度算出部16、及び端末方位算出部17の各機能のうちの一部或いは全てを備えていても良い。この場合、センサ情報取得部15は、送信元端末10aが物理的に備えるGPS受信機、6軸センサ、或いはタグセンサ等の各種センサの一部或いは全てから取得した情報を端末データ通信部12を介してメッセージ管理装置30へ送信する。
このような構成とすることで、送信元端末10aにおける各種算出処理をメッセージ管理装置30で行うこととなり、送信元端末10aの処理負担を軽減することが可能となる。
なお、データ通信部31、メッセージ送信先判別部32、メッセージ保持部33、端末アクション判別部34、メッセージ送信部35、及び、サーバグループリスト保持部36が有する各機能毎の全て或いは一部の機能は端末10が備えていても良い。または、図示しない他の装置が備えていても良い。
[第2実施形態]
上記第一実施形態においては、送信先端末10bは端末グループリスト保持部18に保持されている情報を参照することで、メッセージ受信許諾を制御していた。本発明の第2実施形態においては、メッセージ管理装置30がサーバグループリスト保持部36に保持されている情報を参照することで送信先端末10bにおけるメッセージ受信許諾を制御する実施形態について説明する。なお、前記第1実施形態と同様の部分についてはここでは説明せず、異なる部分を中心に説明する。
図1を用いて、本実施形態における機能構成について説明する。本実施形態におけるメッセージ送信システム1は、前記第一実施形態と同様に、メッセージを送信する端末である送信元端末10a、メッセージを受信する送信先端末10b、並びに、送信元端末10a及び送信先端末10bと通信可能な状態で接続されているメッセージ管理装置30を含んで構成されている。又、端末10は具体的には、端末ID送信部11、端末データ通信部12、端末位置算出部13、メッセージ管理部14、センサ情報取得部15、端末加速度算出部16、端末方位算出部17、端末グループリスト保持部18、画面表示部19、を含んで構成される点も上記第一実施形態と同様である。
端末グループリスト保持部18は、送信先端末10bが属するグループに関する情報を保持し、保持する情報に更新があった場合に随時更新分の情報を端末データ通信部12を介してメッセージ管理装置30へ送信する機能を有する。図2に本実施例における端末グループリスト保持部18に保持されているデータのデータ構造の例を示す。各属性の内容については上記第1実施形態と同様である。
なお、端末グループリスト保持部18が保持する情報は、送信元端末10aのユーザによって自由に更新可能とすることが好適である。そうすることによって、送信元端末10aのユーザはメッセージの送受信を行う端末の一覧としてのグループリストを自由に設定することが可能となる。また、端末毎にメッセージ受信許諾を設定できるため、例えば特定の端末10について一時的にメッセージ受信許諾しないこととする場合など、端末10毎に自由にメッセージ受信許諾を設定することが可能となる。
本実施形態におけるメッセージ管理装置30は、データ通信部31、メッセージ送信先判別部32、メッセージ保持部33、端末アクション判別部34、メッセージ送信部35、及びサーバグループリスト保持部36を含んで構成されている点で上記第1実施形態と同様である。
メッセージ送信先判別部32は、送信元端末10aの位置をデータ通信部31を介して受信し、受信した送信元端末10aの位置からメッセージ送信先候補を抽出し、抽出したメッセージ送信先候補をサーバグループリスト保持部36に出力する機能を備える。メッセージ送信先判別部32は更に、端末アクション判別部34からメッセージ送信先地点を入力し、該入力したメッセージ送信先地点、及びサーバグループリスト保持部36に保持されているメッセージ受信許諾情報に基づいて、上記サーバグループリスト保持部36に保持されているメッセージ送信先候補の中からメッセージ送信先対象をスクリーニングする機能を有する。メッセージ送信先判別部32はスクリーニングしたメッセージ送信先対象をメッセージ送信部35に出力する。
具体的には、サーバグループリスト保持部36は、まず、上記第1実施形態と同様の方法でメッセージ送信先地点に基づいてメッセージ送信先候補の中からメッセージ送信先対象たり得る端末10を選別する。次に、該選別された端末10について、サーバグループリスト保持部36に保持されているメッセージ受信許諾情報にメッセージを受信する旨の情報(例えば“1”)が保持されている端末10をメッセージ送信先対象としてスクリーニングする。
なお、スクリーニングの順序はこれに限らず、例えば、送信元端末10aの位置に基づいて送信先候補を抽出する処理を行い、次に、サーバグループリスト保持部36に保持されているメッセージ受信許諾情報に基づきメッセージ受信可能な端末10を絞り込む処理を行い、次に、メッセージ送信先地点に基づいてメッセージ送信先対象を決定する処理を行う順序を適用しても良い。
サーバグループリスト保持部36は、メッセージ送信先判別部32が抽出したメッセージ送信先候補を入力し保持する機能を備える。
図9にサーバグループリスト保持部36が保持する情報の構成例を示す。図9に示すように、サーバグループリスト保持部36が保持する情報は、「端末ID」、「メッセージ受信許諾」、「緯度経度」、及び「更新時間」を含んで構成されている。「端末ID」には、メッセージ送信先候補を一意に識別可能である識別子が保持される。「メッセージ受信許諾」には、送信元端末10aにおける端末グループリスト保持部18に保持されているメッセージ受信許諾がコピーされる。具体的には、送信元端末10aにおける端末グループリスト保持部18が保持する情報に更新があった場合に、随時更新後の情報が送信元端末10aからデータ通信部31を介してサーバグループリスト保持部36に送信される。サーバグループリスト保持部36は更新後の情報を受信すると保持する情報を受信した情報で更新する。「緯度経度」には、関連する「端末ID」で表される端末の位置情報が保持される。「更新時間」には、「緯度経度」に保持されている情報の最後の更新時間に関する情報が保持される。
サーバグループリスト保持部36が保持する情報は、予めユーザが登録することが好適である。なお、サーバグループリスト保持部36が保持する情報は送信元端末10aのユーザによって自由に更新可能としてもよい。この場合、送信元端末10aのユーザは、パーソナルコンピュータなどの端末から設定可能としても良い。そうすることで、送信元端末10aのユーザはメッセージの送受信を行う端末の一覧としてのグループリストを自由に設定することが可能となる。また、端末毎にメッセージ受信許諾を設定できるため、例えば特定の端末について一時的に受信許諾しないこととする場合など、端末毎に自由に受信許諾を自由に設定することが可能となる。
次に図10を用いて本実施形態におけるメッセージ送信システム1における処理の流れについて説明する。図10におけるステップS201〜ステップS206までは、図8におけるステップS101〜ステップS106と同様である。
端末グループリスト保持部18は、保持する情報に更新があると端末データ通信部12を介して更新後の情報をメッセージ管理装置30へ送信する(ステップS207)。図10においては、便宜のためステップS206と、ステップS208と、の間でステップS207の処理を行うとしているが、端末グループリスト保持部18は、保持する情報に更新があると随時、端末データ通信部12を介して更新後の情報をメッセージ管理装置30へ送信するとしてもよい。
メッセージ管理装置30におけるメッセージ送信先判別部32は、サーバグループリスト保持部36が保持しているメッセージ送信先候補の中から、端末アクション判別部34が判別したメッセージ送信先地点及び送信元端末10aから受信しサーバグループリスト保持部36に保持されているメッセージ受信許諾に基づいてメッセージ送信先対象をスクリーニングする。メッセージ送信先判別部32はスクリーニングしたメッセージ送信先対象をメッセージ送信部35へ出力する(ステップS208)。
なお、上記ステップS208の処理、及び上記ステップS206の処理の順番について限定することを意図しない。例えばメッセージ送信先地点に基づいてメッセージ送信先対象を絞り込む前に、予めメッセージ受信許諾情報に基づいてメッセージ送信先対象を絞り込んでも良い。
メッセージ送信部35は、メッセージ送信先判別部32からメッセージ送信先対象を入力すると、メッセージ保持部33から対応するメッセージを得る。メッセージ送信部35は、メッセージ保持部33から得たメッセージ、及び送信元端末10aを示す端末IDを、メッセージ送信先判別部32がスクリーニングしたメッセージ送信先対象に対してデータ通信部31を介して送信する(ステップS209)。
送信元端末10aにおけるメッセージ管理部14は、端末データ通信部12を介してメッセージ及び送信元端末10aを示す端末IDを受信する。メッセージ管理部14は受信したメッセージ及び送信元端末10aを示す端末IDを画面表示部19へ出力する。画面表示部19は入力したメッセージ、及び、送信元端末10aを示す端末IDまたは送信元端末10aのユーザ名を表示する(ステップS210)。
本実施形態においては、メッセージ受信許諾の可否をメッセージ管理装置30が行っているため、送信先端末10bの処理負担を軽減することが可能となる。
また、本実施形態においては、メッセージ受信許諾の可否をメッセージ管理装置30が行っているため、端末10及びメッセージ管理装置30間のネットワークのトラヒック量を削減することが可能となる。
[第3実施形態]
次に、送信先端末10bの選択方法をユーザが選択する場合について説明する。なお、前記第1実施形態或いは第2実施形態と同様の部分についてはここでは説明せず、異なる部分を中心に説明する。
図11及び図12は、送信先端末10bが複数である場合を模式的に示す図である。図11に示すように送信元端末10aが物理的に備える各種センサに誤差が生じる場合には送信元端末10aのユーザが送信を意図する送信相手が所有する端末10を正確にメッセージ送信先対象とできない場合も考えられ、メッセージ送信先対象を判別する位置には所定の広がりを持たせている。その為複数のメッセージ送信先が判別されることがあり、その中から適切な送信先端末10bを選択する方法が問題となる。また、図12に模式的に示すように送信元端末10aのユーザは複数の送信相手に同時に同一のメッセージを送信することを意図する場合もある。
ここで、図12を用いて送信元端末10aのユーザが複数の送信相手に同時に同一のメッセージを送信することを意図する場合について説明する。この場合、送信元端末10aのユーザは、図12中Xで示す方向(振り始めの方向)から図12中Yで示す方向(振り終わりの方向)まで水平方向に送信元端末10aを振る。
メッセージ管理装置30における端末アクション判別部34が、送信元端末10aから受信した送信元端末10aの方位、及び送信元端末10aの加速度から、送信元端末10aは水平方向に振られたと判断した場合に、送信元端末10aの位置から振り始めの方向(すなわち送信元端末10aの加速度が所定の閾値に達した時刻に送信元端末10aの長手方向が向いていた方向)へ伸ばした直線と、送信元端末10aの位置から振り終わりの方向(すなわち送信元端末10aの加速度が所定の閾値を下回った時刻に送信元端末10aの長手方向が向いていた方向)へ伸ばした直線と、その間の平均加速度に所定の割合を乗じて得た距離を半径とし送信元端末10aの位置を中心とする円弧と、によって囲まれた位置に存在する全ての端末10をメッセージ送信先対象としてスクリーニングする。
図1を用いて、本実施形態における機能構成について説明する。本実施形態におけるメッセージ送信システム1は、上記第1実施形態及び第2実施形態と同様に、メッセージを送信する送信元端末10a、メッセージを受信する送信先端末10b、並びに、送信元端末10a及び送信先端末10bと通信可能な状態で接続されているメッセージ管理装置30を含んで構成されている。又、端末10は具体的には、端末ID送信部11、端末データ通信部12、端末位置算出部13、メッセージ管理部14、センサ情報取得部15、端末加速度算出部16、端末方位算出部17、端末グループリスト保持部18、画面表示部19、を含んで構成される点も上記第1実施形態及び第2実施形態と同様である。
送信先端末10bにおけるメッセージ管理部14は、上記第1実施形態及び第2実施形態において説明した機能に加えて、メッセージ管理装置30からメッセージ送信先対象が複数存在する旨の情報を端末データ通信部12を介して受信する機能を有する。また、メッセージ管理部14は、メッセージ送信先対象が複数存在する旨の情報をメッセージ管理装置30から受信すると画面表示部19に対して送信元端末10aのユーザがメッセージ送信方法を選択する表示をするよう依頼を行う機能を有する。更に、メッセージ管理部14は送信元端末10aが物理的に備える入力装置105を介して送信元端末10aのユーザからの入力を受け取り、該受け取った入力を端末データ通信部12を介してメッセージ管理装置30へ送信する機能を有する。
ここで、メッセージの送信方法について説明する。メッセージ送信先判別部32が複数のメッセージ送信先対象をスクリーニングした場合に、送信元端末10aのユーザが選択できる方法として例えば以下のような方法が挙げられる。(1)メッセージを実際に受信する送信先端末10bを送信元端末10aのユーザが指定する(誰にメッセージ送信するかを送信元端末10aのユーザに通知し、ユーザが選択)、(2)全てのメッセージ送信先対象にメッセージを送信する、(3)メッセージ送信先対象が存在する場所にメッセージを放置する(メッセージ送信先候補はメッセージを受信しない)、(4)メッセージを実際に受信する送信先端末10bをランダムに指定する、(5)メッセージ送信をキャンセルする。
但し、これらの方法に限定する意図はなく、他の方法も用いることができることは言うまでもない。これらの方法は、送信元端末10aのユーザが適宜選択可能である。
メッセージの送信方法の他の方法として、例えば、以下の方法が考えられる。すなわち、送信元端末10aのユーザによる選択なしに、予め設定された送信方法で送信しても良い。その際、送信先端末10bの画面表示部19には、送信方法の選択画面は非表示でもよい。送信先端末10bの画面表示部19には、予め定められた送信方法に基づいて定まる送信先に関する情報を表示しても良い。
画面表示部19は、上記第1実施形態及び第2実施形態において説明した機能に加えて、メッセージ管理部14の依頼を受け、送信元端末10aのユーザがメッセージ送信方法を選択する表示を行う。具体的には、上記(1)〜(5)に例示列挙したようなメッセージ送信方法を表示する。メッセージ送信先対象の端末ID及びメッセージ送信先対象のユーザ名なども同時に表示することが好適である。これにより、送信元端末10aのユーザはメッセージ送信方法の選択をより適切に行うことが可能となる。
本実施形態におけるメッセージ管理装置30は、データ通信部31、メッセージ送信先判別部32、メッセージ保持部33、端末アクション判別部34、メッセージ送信部35、及びサーバグループリスト保持部36を含んで構成されている点で上記第1実施形態及び第2実施形態と同様である。
メッセージ送信先判別部32は、上記第2実施形態において説明した機能に加え、メッセージ送信先対象としてスクリーニングした端末10が唯一であるか、或いは複数であるかを判断する機能を有する。また、メッセージ送信先対象として複数の端末10をスクリーニングした場合、メッセージ送信先判別部32は、データ通信部31を介して送信元端末10aに対してメッセージ送信先対象が複数存在するか否かの情報を送信する機能を有する。
メッセージ送信部35は、上記第2実施形態において説明した機能に加え、データ通信部31を介して送信元端末10aからメッセージ送信方法を受信する機能、及び、受信したメッセージ送信方法に基づいてメッセージと、送信元端末10aの端末IDと、を送信先端末10bに送信する機能を有する。
具体的には、送信元端末10aのユーザが上記(1)のメッセージ送信方法を選択した場合には、メッセージ送信部35は、ユーザが指定した全ての送信先端末10bに対してメッセージ等を送信する。(2)が選択された場合には、全てのメッセージ送信先対象に対してメッセージ等を送信する。(3)が選択された場合には、メッセージ送信部35は、メッセージ等を送信せず、メッセージをメッセージ送信先対象が存在する位置と関連付けてメッセージ保持部33に出力し、メッセージ保持部33は、入力したメッセージをメッセージ送信先対象が存在する位置と関連付けて保持する。(4)が選択された場合には、メッセージ送信部35は、乱数等の既存の技術を用いてメッセージを実際に受信する送信先端末10bをランダムに指定し、該指定された送信先端末10bに対してメッセージ等を送信する。(5)が選択された場合には、メッセージ送信をキャンセルする。
本実施形態におけるその他の構成要素が有する機能は上記第2実施形態における機能と同様である。
次に本実施形態のメッセージ送信システム1における処理の流れを図13を用いて説明する。図13は、複数の端末10がスクリーニングされることを考慮した場合のメッセージ送信システム1における処理の流れを示す図である。図13におけるステップS301〜ステップS308は図10と同様であるためここでは説明を省略する。
メッセージ送信先判別部32は、メッセージ送信先対象としてスクリーニングした端末10が唯一であるか、或いは複数であるかを判断する(ステップS309)。
メッセージ送信先判別部32が唯一の端末10をメッセージ送信先対象としてスクリーニングした場合(ステップS309で“NO”)、図10におけるステップS209と同様の処理を行う(ステップS310)。
メッセージ送信先判別部32が複数の端末10をメッセージ送信先対象としてスクリーニングした場合(ステップS309で“YES”)、メッセージ送信先判別部32は、データ通信部31を介して送信元端末10aに対してメッセージ送信先対象が複数存在する旨の情報を送信する(ステップS311)。
送信元端末10aにおけるメッセージ管理部14は、メッセージ管理装置30からメッセージ送信先対象が複数存在する旨の情報を端末データ通信部12を介して受信する。メッセージ管理部14は、メッセージ送信先対象が複数存在する旨の情報をメッセージ管理装置30から受信すると画面表示部19に対して送信元端末10aのユーザがメッセージ送信方法を選択する表示をするよう依頼を行う。画面表示部19はメッセージ管理部14の依頼を受け、送信元端末10aのユーザがメッセージ送信方法を選択する表示を行う。メッセージ管理部14は送信元端末10aが物理的に備える入力装置を介して送信元端末10aのユーザからの入力を受け取る。メッセージ管理部14は受け取った入力を端末データ通信部12を介してメッセージ管理装置30へ送信する(ステップS312)。
メッセージ送信部35は、データ通信部31を介して送信元端末10aからメッセージ送信方法を受信する。メッセージ送信部35は、受信したメッセージ送信方法に基づいてメッセージと、送信元端末10aの端末IDと、を送信先端末10bに送信する(ステップS313)。
なお、メッセージの送信方法の他の方法として、送信元端末10aのユーザによる選択なしに、予め設定された送信方法で送信する場合には、上記ステップS311及びステップS312は省略しても良い。この場合更に、上記ステップS313において、メッセージ送信部35は、データ通信部31を介して送信元端末10aからメッセージ送信方法を受信しなくても良い。上記ステップS313において、メッセージ送信部35は、予め設定された送信方法に基づいてメッセージと、送信元端末10aの端末IDと、を送信先端末10bに送信しても良い。
図12におけるステップS314は、図10におけるステップS210と同様である。
本実施形態においては、上記第2実施形態に対して送信先端末10bの選択方法をユーザが選択する方法を適応する方法を説明したが、上記第1実施形態に対して送信先端末10bの選択方法をユーザが選択する方法を適法することも可能である。
次に本実施形態に係るメッセージ送信システム1の作用及び効果について説明する。
また、メッセージ送信先判別部32は、端末アクション判別部34が送信元端末10aは水平方向に振られたと判断した場合に、振り始めの方向、振り終りの方向、及び、端末加速度算出部16によって算出された送信元端末10aの加速度に応じて定められた半径によって形成された扇形の内部に位置する他の端末10をメッセージ送信先対象として判別しているため、一度の動作で、一定の広がりを持った範囲に存在する複数の端末10をメッセージ送信先対象とすることが可能となる。
また、メッセージ送信部35は、メッセージ送信先判別部32が複数のメッセージ送信先対象を判別した場合に全てのメッセージ送信先対象に対してメッセージを送信しているため、一度の動作で、複数の送信先端末10bに対してメッセージを送信することが可能となる。
また、メッセージ送信先判別部32は、メッセージ送信先対象を判別した場合に、送信元端末10aのユーザからの指示に従って実際にメッセージを送信するか否かを判断しているため、ユーザによる確認がなければ実際にはメッセージが送信されないこととなり、ユーザが意図しない端末10がメッセージ送信先対象として判別されて、メッセージが送信されてしまうことを防ぐことが可能となる。
[第4の実施形態]
上述の実施形態においては、メッセージを送信する送信先端末を決定することを必要としていた。しかしながら、不特定の多数の端末にメッセージを送信したい場合がある。例えば、ある地域にいるユーザにのみメッセージを送信したい場合などが考えられる。本実施形態のメッセージ送信システムにおいては、送信先端末を決定することなく、ある地域にいるユーザにメッセージを送信することができるように、メッセージとその位置情報であるメッセージ送信先地点とを対応付けて記憶しておくことに特徴がある。なお、上述と同様に、本実施形態のメッセージは、テキストデータのみならず、音声データ、画像データ、映像データなどを含んだものである。また、キャラクタデータなどのいわゆるオブジェクトや、そのキャラクタが動くアニメーションデータなども含んだものである。
図14は、本実施形態のメッセージ送信システム1aの機能を示すブロック図である。図14に示されるとおり、このメッセージ送信システム1aは、送信元端末10aおよびメッセージ管理装置30aを備えている。
送信元端末10aは、上述第1の実施形態のメッセージ送信システム1における送信元端末10aと同じ機能構成をとるものである。なお、端末グループリスト保持部18は必須ではない。また、端末加速度算出部16も、必ずしも必要ではなく、例えば、端末データ通信部12は、加速度情報に相当する数値情報を予め記憶しておき、その数値情報を加速度情報として送信することができる構成としてもよい。また、方位を考慮する必要が無い場合には、方位情報も必要としない。
メッセージ管理装置30aは、データ通信部31、メッセージ保持部33、端末アクション判別部34、およびメッセージ送信部35を含んで構成されている。各構成要素は、第1の実施形態と同じ動作を行うものであるが少なくとも以下の動作をするものであれば良い。なお、メッセージ保持部33は、データ通信部31により受信されたメッセージおよびそのメッセージ送信先地点を対応付けて記憶しておくものである。以下、各構成について説明する。
データ通信部31は、送信元端末10aから、メッセージおよび送信元端末10aの位置情報を少なくとも受信する部分である。なお、送信元端末10aの機能によっては、加速度情報や、方位情報も合わせて受信することができる。
端末アクション判別部34は、データ通信部31において加速度情報および方位情報を受信した場合には、これら加速度情報および方位情報を用いてメッセージ送信先地点を算出する部分である。なお、端末アクション判別部34は、データ通信部31において加速動情報等を受信しない場合には、特に機能しないものである。
メッセージ保持部33は、データ通信部31により受信されたメッセージと、端末アクション判別部34により算出されたメッセージ送信先地点とを対応付けて保持する。なお、さらに、保持時間を対応付けておいてもよい。この保持内容について図16を用いて説明する。図16に示されている通り、メッセージ保持部33は、メッセージ内容とメッセージ送信先地点とを対応付けて保持している。
メッセージ送信部35は、送信先端末10cからメッセージの送信要求を受けると、その送信先端末10cの現在位置に基づいて定められた範囲、または送信先端末10cにおいて指定された範囲にあるメッセージを抽出し、そのメッセージを送信要求した送信先端末10cに送信する。
このように構成されたメッセージ送信システム1aの処理について説明する。図15は、メッセージ送信システム1aの処理を示すフローチャートである。
図15において、S101からS106は、第1の実施形態と同様の処理を行う。なお、図8におけるS103に相当する処理は、本実施形態で不要である。また、送信元端末10aの位置情報は、S102において送信されてもよいし、S106において送信されてもよい。そして、メッセージ管理装置30aにおいて、送信元端末10aからメッセージ、端末ID、加速度情報、方位情報、端末の位置情報が受信されると、端末アクション判別部34により、受信したメッセージのメッセージ送信先地点を加速度情報、方位情報等を用いて算出される(S107a)。そして、メッセージ保持部33に、端末アクション判別部34により算出されたメッセージ送信先地点をメッセージと対応付けて記憶する(S108a)。
そして、メッセージ管理装置30aにおいて、他の送信先端末10cからメッセージの送信要求を受けると(S109a)、メッセージ送信部35は、その送信先端末10cの位置または送信先端末10cにおいて取得した地図データの範囲に基づいて定められた所定範囲のメッセージを複数抽出する(S110a)。そして、メッセージ送信部35は、抽出したメッセージを送信する(S111a)。
送信先端末10cにおいて、メッセージが受信され(S112a)、地図データが取得されていた場合には、地図データおよびメッセージのタイトル部分の合成処理が行われ(S113)、表示される(S114)。その後、その合成されたメッセージのタイトル部分に対して更なる指示があると、メッセージの内容の取得処理が行われる(S116、S117)。
この送信処理について、具体的に説明する。例えば他の送信先端末10cは、メッセージの要求に先立って、インターネット等を介して地図データを受信している。そして、送信先端末10cは、メッセージ管理装置30aに対してアクセスして、取得した地図データの範囲を示す情報を送信する。そして、メッセージ管理装置30aは、その範囲対応付けられているメッセージを抽出し、当該メッセージのタイトル部分を取得し、送信先端末10cに送信する。そして、送信先端末10cでは、地図データにメッセージのタイトル部分を、その位置にあわせて合成して表示することができる。なお、メッセージ全文を取得してもよいが、メッセージのタイトルのみや、メッセージを特定可能なIDなどのみ取得する方がネットワーク負荷を低減することができる。
このような処理を実現するために、送信先端末10cは、図17に示すような構成をとっている。図17は、送信先端末10cの機能を示すブロック図である。図17に示すとおり、送信先端末10bは、データ通信部201、合成処理部202、表示部203、および操作部204を含んで構成されている。
データ通信部201は、ユーザ操作に従って、メッセージ管理装置30a、および地図サーバ40からメッセージおよび地図データを取得する部分である。なお、データ通信部201は、地図サーバ40から取得した地図データの範囲にあるメッセージをメッセージ管理装置30aから取得することが、ネットワーク負荷の観点から好適である。また、ユーザの現在位置に基づいて定められた範囲にあるメッセージのみを取得するようにしてもよい。
また、データ通信部201は、地図データの範囲を示す範囲情報、または自端末の現在位置の情報をメッセージ管理装置30aに送信することで、メッセージの抽出範囲を知らせることができる。
合成処理部202は、地図サーバ40から取得した地図データに、メッセージ管理装置30aから取得したメッセージを合成する部分である。すなわち、メッセージ管理装置30aからメッセージおよびメッセージ送信先地点を取得し、地図サーバ40から取得した地図データに、メッセージ送信先地点に従ってメッセージを合成する。メッセージは、例えばアイコンのようにグラフィカルに表示してもよい。
表示部203は、メッセージが合成された地図データを表示する部分である。
操作部204は、表示部203に表示されたメッセージが合成された地図データに対する操作を行う部分であり、例えば、メッセージがタイトルや、アイコンのみ表示されていた場合には、そのタイトルまたはアイコンをクリック等指示することで、具体的内容のメッセージを、データ通信部201を用いて取得し、表示部203に表示させる。
このようにして、送信先端末10cは、地図サーバ40から地図データを取得し、それにメッセージを合成して取得することができる。なお、地図に限らず、カメラ付き端末であった場合には、カメラのレンズを介して取得されたデータ、すなわち撮影データにメッセージや、アイコンを合成するようにしてもよい。その場合、自端末の位置情報に基づいて所定範囲内にあるメッセージが取得される。また、単にメッセージリストのように、地図データまたは撮影データに合成処理することなく、リスト形式で複数のメッセージを表示してもよい。
この実施形態におけるメッセージ送信システムの作用効果について説明する。本実施形態におけるメッセージ送信システムは、メッセージを送信する送信元端末10aから送られるデータを記憶するデータ送信システムである。そして、送信元端末10aにおいては、所定の基準方向からの傾きである端末の方位を算出する端末方位算出部17および端末加速度算出部16を備え、端末データ通信部12は、メッセージを投げた方向およびその距離を算出することができるように、端末の位置情報、方位情報および加速度情報をメッセージとともにメッセージ管理装置30aに送信する。なお、上述したとおり、端末加速度算出部16および端末方位算出部17は、必ずしも必要ではなく、加速度情報に相当する数値情報、方位情報に相当する数値情報を予め記憶しておいてもよい。また、加速度情報、方位情報およびこれらに相当する数値情報自体必要とせず、端末の位置情報およびメッセージのみを送信するようにしてもよい。
メッセージ管理装置30aにおいては、データ通信部31により、これら位置情報、加速度情報、方位情報およびメッセージを受信すると、端末アクション判別部34がその端末の方位、及び端末の位置に基づいて、メッセージ送信先地点を算出する。そして、メッセージ保持部33は、メッセージ送信先地点とメッセージとを対応付けて記憶する。なお、送信元端末10aから加速度情報および方位情報が送信されない場合には、その端末の位置情報をメッセージ送信先地点としてもよい。
一方で、メッセージ管理部30aは、送信先端末からメッセージの送信要求を受けると、メッセージ送信部35は当該送信先端末に対してメッセージを送信する。
このようにして、ある地点にメッセージをおいておくことで、その地点近傍にいる他のユーザである送信先端末から要求に従って、メッセージを送信することができる。よって、宛先を特定する必要が無くなり、メッセージ送信の利用の可能性を広げることができる。例えば、あるユーザが、ある場所に、その場所特有のメッセージを残した場合、他のユーザがその場所に行ったり、またその場所を含んだ地図データを取得したりすることで、その特有のメッセージを取得し、閲覧することができる。
なお、上述のメッセージ管理装置30aにおいては、送信元端末10aから位置情報、加速度情報、および方位情報を受信し、それら情報に基づいてメッセージのメッセージ送信先地点を算出したが、これに限るものではない。すなわち、送信元端末10aにおいて、位置情報、加速度情報、および方位情報を用いてメッセージ送信先地点を算出し、送信元端末10aから送信されたメッセージ送信先地点をメッセージ管理装置30aが受信するようにしてもよい。
例えば、送信元端末10aは、センサ情報取得部15により取得された位置情報、加速度情報、および方位情報から、メッセージ送信先地点を算出するメッセージ送信先地点算出部(図示せず)を備える。そして、端末データ送信部12は、メッセージ送信先地点算出部により算出されたメッセージ送信先地点およびメッセージをメッセージ管理装置30aに送信する。メッセージ管理装置30aでは、送信先地点を算出することなく、受信したメッセージおよび送信先地点を対応付けて記憶する。これにより、メッセージ管理装置30a側の処理負荷を軽減することができる。
なお、送信元端末10aは、位置情報、加速度情報、および方位情報を算出することなく、ユーザが直接メッセージ送信先地点を手入力によりその数値情報を入力して指定してもよい。また、メッセージ送信先地点算出部は、位置情報、加速度情報、および方位情報の少なくとも一つを用いて、メッセージ送信先地点を算出するようにしてもよい。例えば、端末の位置情報は、センサ情報取得部15において取得された情報であり、加速度情報および方位情報は、ユーザが指定した、または予め定められた加速度情報および方位情報に相当する数値情報としてもよい。その場合、それら情報を取得するためのセンサは不要となる場合ある。例えば、方位情報を手入力により得る場合には、地磁気センサは不要となる。