図1は、本発明の第1の実施形態に係るタッチパネルXの概略構成を表す分解斜視図である。図2は、図1のII−II線に沿った断面図である。図3は、図1のIII−III線に沿った断面図である。図4は、図1のIV−IV線に沿った断面図である。
タッチパネルXは、第1基体10と、第2基体20と、導電性接着部材30とを備えている。なお、図1では、図面の見易さの観点から導電性接着部材30が省略されている。
第1基体10は、透明絶縁基体11および透明電極12を備えており、全体として可撓性を有している。本実施形態において第1基体10の平面視形状は略矩形状とされているが、これには限られない。本明細書において「略」とは、「実質的に」と同様である。
透明絶縁基体11は、透明電極12を支持する役割を担うものであり、その主面に対して交差する方向(例えば矢印AB方向)に光を適切に透過することが可能な構成とされるとともに、電気的な絶縁性を充分に有する構成とされている。透明絶縁基体11の構成材料としては、ガラスおよび透光性プラスチックなどの透光性を有するものが挙げられるが、中でも耐熱性の観点においてガラスが好ましい。本実施形態において透光性とは、可視光に対する透過性を有することを意味する。なお、透明絶縁基体11の構成材料としてガラスを採用する場合、充分な形状安定性および可撓性を確保すべく、その厚さを0.1mm以上0.3mm以下に設定するのが好ましい。
透明電極12は、後述する第2基体20の透明電極22との接触点における電位の検出に寄与するものであり、一方(本実施形態では下方)側から入射した光を他方(本実施形態では上方)側に透過するように構成されている。透明電極12の構成材料としては、透光性を有する導電部材が挙げられる。透光性を有する導電部材としては、例えばITO(Indium Tin Oxide)と、ATO(Antimony Tin Oxide)と、酸化錫と、酸化亜鉛とが挙げられる。本実施形態において透明電極12は、透明絶縁基体11の主面(下面)の略全面に拡がるように形成されている。本実施形態において透明電極12の抵抗値は、例えば200Ω/□以上1500Ω/□以下とされる。本実施形態において透明電極12は、高抵抗化の観点から、その厚さが2.0×10−2μm以下に設定されている。
図5は、タッチパネルXの第2基体20の概略構成を表す平面図である。図6は、図5の要部拡大図である。
第2基体20は、透明絶縁基体21と、透明電極22と、基体間接続配線電極23,24、配線電極25,26と、ドットスペーサ27とを備えており、第1基体10に対向配置されている。また、第2基体20は、その一部に図外のFPC(Flexible Printed Circuit)などと電気的に接続される領域である外部導通領域20aが設けられている。本実施形態において第2基体20の平面視形状は略矩形状とされているが、これには限られない。
透明絶縁基体21は、透明電極22と、基体間接続配線電極23,24と、配線電極25,26と、ドットスペーサ27とを支持する役割を担うものであり、その主面に対して交差する方向(例えば矢印AB方向)に光を適切に透過することが可能な構成とされるとともに、電気的な絶縁性を充分に有する構成とされている。透明絶縁基体21の構成材料としては、ガラスおよび透光性プラスチックなどの透光性を有するものが挙げられるが、中でも耐熱性の観点においてガラスが好ましい。なお、透明絶縁基体21の構成材料としてガラスを採用する場合、充分な形状安定性を確保すべく、その厚さを0.7mm以上に設定するのが好ましい。
透明電極22は、第1基体10の透明電極12との接触点における電位の検出に寄与するものであり、一方(本実施形態では下方)側から入射した光を他方(本実施形態では上方)側に透過するように構成されている。透明電極22の構成材料としては、透明電極12と同様のものが挙げられる。なお、本実施形態において透明電極22は、図1に示すように、透明絶縁基体21の主面(上面)に形成されており、その形成領域は平面視において透明電極12の形成領域内に位置している。
基体間接続配線電極23,24は、透明電極12に電圧を印加する役割を担うものである。基体間接続配線電極23は、その一端部が後述の導電性接着部材30による接着領域の矢印C方向側の端部領域に位置しており、その他端部が第2基体20の外部導通領域20aに位置している。また、基体間接続配線電極24は、その一端部が後述の導電性接着部材30による接着領域の矢印D方向側の端部領域に位置しており、その他端部が第2基体20の外部導通領域20aに位置している。本実施形態において基体間接続配線電極23,24は、例えば硬質で高い形状安定性を得るべく、金属薄膜(線幅:0.5mm以上2mm以下、厚さ:0.5μm以上2μm以下)で構成されている。この金属薄膜としては、例えばアルミニウム膜と、アルミニウム合金膜と、クロム膜とアルミニウム膜との積層膜と、クロム膜とアルミニウム合金膜との積層膜とが挙げられるが、ITOとの密着性の観点から、クロム膜とアルミニウム膜との積層膜(クロムをITOとアルミニウムとの間に配置)またはクロム膜とアルミニウム合金膜との積層膜(クロムをITOとアルミニウム合金との間に配置)が好ましい。また、基体間接続配線電極23,24の両端間における抵抗値は、タッチパネルXの検出精度の観点から、透明電極12の両端間における抵抗値の0.01倍以下に設定されるのが好ましい。なお、上述の薄膜形成法としては、例えばスパッタリング法と、蒸着法と、化学気相成長(CVD)法とが挙げられる。
配線電極25,26は、透明電極22に電圧を印加する役割を担うものである。配線電極25は、その一端部が透明電極22の矢印E方向側の端部に接続されており、その他端部が第2基体20の外部導通領域20aに位置している。また、配線電極26は、その一端部が透明電極22の矢印F方向側の端部に接続されており、その他端部が第2基体20の外部導通領域20aに位置している。配線電極26は、第1配線部261と、第2配線部262と、第3配線部263とを含んで構成されている。第1配線部261は、矢印CD方向に沿って延在している。第2配線部262は、矢印EF方向に沿って延在している。第3配線部263は、第1配線部261と第2配線部262とを連結しており、その形状が略円弧状とされている。第3配線部263の外周263aの曲率半径は、後述する第3接合部303の内周303bの曲率半径より小さくなるように設定され、例えば100μm以上2000μm未満に設定されている。本実施形態において配線電極25,26は、金属薄膜(線幅線幅:0.5mm以上2mm以下、厚さ:0.5μm以上2μm以下)で構成されている。この金属薄膜としては、基体間接続配線電極23,24を構成する金属薄膜と同様のものが挙げられる。なお、配線電極25,26の両端間における抵抗値は、タッチパネルXの検出精度の観点から、透明電極22の両端間における抵抗値の0.01倍以下に設定されるのが好ましい。ここで、透明電極22の両端間とは、透明電極22の配線電極25,26に対応する領域における一端から他端の間を意味する。
ドットスペーサ27は、透明電極12と透明電極22とを所定位置で接触させる(情報を入力する)場合に、該所定位置以外の領域において透明電極12と透明電極22との不要な接触が発生するのを低減する役割を担うものであり、複数のドット状のスペーサにより構成されている。ドットスペーサ27の構成材料としては、例えば熱硬化性樹脂および紫外線硬化性樹脂が挙げられ、耐環境性の観点からは熱硬化性樹脂が好ましく、製造効率の観点からは紫外線硬化性樹脂が好ましい。熱硬化性樹脂としては、例えばエポキシ樹脂系と、不飽和ポリエステル系と、ユリア樹脂系と、メラニン樹脂系と、フェノール樹脂系とが挙げられる。紫外線硬化性樹脂としては、例えばアクリル樹脂系およびエポキシ樹脂系が挙げられる。本実施形態においてドットスペーサ27を構成する各ドット状のスペーサは、透明電極22上でマトリクス状(行列状)に略一定間隔で配列されている。また、ドット状のスペーサの構造は、透明電極12と透明電極22との不要な接触低減機能を充分に果たしつつ視認困難なものとするのが好ましく、例えば直径40μm以下、高さ1.0μm以上3.5μm以下の略半球状とされ、各ドット状のスペーサの最短離間距離は2mm以上4mm以下とされる。このようなスペーサ27は、例えばアクリル樹脂およびエポキシ樹脂などの紫外線硬化性樹脂あるいは熱硬化性樹脂を用いたスクリーン印刷、オフセット印刷、あるいはフォトリソグラフィ法により形成することができる。
図7は、タッチパネルXの第2基体20上に導電性接着部材30を配置した状態を表す平面図である。図8は、図7の要部拡大図である。
導電性接着部材30は、第1粒子31と、第2粒子32と、接着材料33とを含んでなり、透明電極12と基体間接続配線電極23,24との電気的導通を図りつつ、第1基体10と第2基体20とを接合する役割を担うものである。また、導電性接着部材30は、第1基体10および第2基体20と協働して、内部空間S1および開口部Mを規定している。内部空間S1は、第1基体10と第2基体20との離間状態を維持すべく、空気などを封入することによって所定の内圧(例えば大気圧より大きい圧力)とされている。開口部Mは、内部空間S1と外部空間S2とを連通する部位であり、内部空間S1への空気の注入などに使用される。開口部Mの規定領域Maには、基体間接続配線電極23,24および配線電極25,26の外部空間S2側に位置する部位と内部空間S1側に位置する部位とを連結する連結部が位置している。本実施形態において連結部23a,24aは、開口部Mを介しての内部空間S1への空気などの注入効率を高める観点から、開口部Mの奥行き方向(矢印EF方向)に沿って延びるように構成されているが、これには限られない。また、本実施形態における開口部Mの規定領域Maは、基体間接続配線電極23,24の引き回し長さを低減する観点から、外部導通領域20aに隣り合うように形成されているが、これには限られない。なお、本実施形態において導電性接着部材30による接着領域30aは、透明電極12と透明電極22との間における封止性の観点から、開口部を除いて透明電極22を取り囲むように設けられているが、これには限られない。
導電性接着部材30は、平面視において、基体間接続配線電極23,24および配線電極25,26の一部を取り囲むように位置している。また、導電性接着部材30は、第1接合部301と、第2接合部302と、第3接合部303とを含んで構成されている。第1接合部301は、矢印CD方向に沿って延在している。第1接合部301と第1配線部261との最短離間距離D1は、例えば0.1mm以上2mm以下に設定されている。第2接合部302は、矢印EF方向に沿って延在している。第2接合部302と第2配線部262との最短離間距離D2は、例えば0.1mm以上2mm以下に設定されている。第3接合部303は、第1接合部301と第2接合部302とを連結しており、その形状が略円弧状とされている。第3接合部303と第3配線部263との最短離間距離D3は、最短離間距離D1,D2に比べて小さくなるように設定され、例えば0.01mm以上2.0mm未満に設定されている。第3接合部303の外周303aおよび内周303bの曲率半径は、例えば500μm以上2000μm以下に設定されている。
第1粒子31は、透明電極12と基体間接続配線電極23とを電気的に接続する役割を担うものであり、後述の第2粒子32に比べて粒子径が大きく、第1基体10および第2基体20を介して第2粒子より圧縮された状態となっている。つまり、第1粒子31は、導電性を有しており、第2粒子32より圧縮弾性係数が大きい。本実施形態において第1粒子31は、プラスチックボールと、該プラスチックボールの表面を被覆する導体材料(例えば金およびニッケルなど)とを含んで構成されている。本実施形態において第1粒子31としては、第1粒子31に接触する透明電極12および基体間接続配線電極23などに与えるダメージを低減する観点から略球形状のものが採用されているが、このような形状のものには限られず、例えば多面体形状のものでもよい。第1粒子31の粒子径は、透明電極12および基体間接続配線電極23に対する充分な接触面積を確保しつつ、第1粒子31自体を過剰に弾性変形させない範囲内のものであればよく、例えば5μm以上20μm以下の範囲とされる。
第2粒子32は、第1基体10と第2基体20との最短離間距離を規定する役割を担うものであり、第1粒子31に比べて粒子径が小さく、第1粒子31より圧縮弾性係数が大きい。本実施形態において第2粒子32としては、第1基体10と第2基体20との最短離間距離の規定容易性の観点から、シリカ球(主として二酸化珪素からなる球状粒子)が採用されるが、これには限られず、ガラスファイバを採用してもよい。本実施形態において第2粒子32としては、第2粒子32に接触する透明電極12および基体間接続配線電極23などに与えるダメージを低減する観点から略球形状のものが採用されているが、このような形状のものには限られず、例えば多面体形状のものでもよい。第2粒子32の粒子径は、第1粒子31より小さい範囲で、第1基体10と第2基体20との所望の最短離間距離に応じて適宜設定すればよく、例えば1μm以上20μm未満の範囲とされる。
接着材料33は、第1基体10と第2基体20とを接合する役割を担うものであり、第1粒子31および第2粒子32が混入されている。接着材料33としては、例えばエポキシ系樹脂などの熱硬化性樹脂と、アクリル系樹脂などの紫外線硬化性樹脂とが挙げられるが、中でも製造プロセスにおける作業効率の観点から熱硬化性樹脂が好ましい。
ここで、導電性接着部材30による第1基体10と第2基体20との接着方法の一例について説明する。なお、接着材料33としては、熱硬化性樹脂を採用して説明する。
まず、第2基体20の上面(基体間接続配線電極23,24の形成面)における所定領域に導電性接着部材30を印刷(塗布)する。本実施形態において所定領域は、図1によく表れているように、透明電極22を取り囲むように位置する領域である。
次に、図9(a)に示すように、導電性接着部材30が印刷された第2基体20に対して第1基体10を位置合わせしたうえで、導電性接着部材30を介して第1基体10と第2基体20とを貼り合わせ、貼り合わせ構造体を作製する。
次に、図9(b)に示すように、作製された構造体の第1基体10と第2基体20とを互いに近接する方向に加圧する。本実施形態における加圧は、第2粒子32が第1基体10および第2基体20の両方に当接するまで、第1基体10および第2基体20により第1粒子31をその弾性変形量あるいはアスペクト比が大きくなるように変形させつつ行われる。
次に、図9(b)に示すような加圧状態を維持しつつ、導電性接着部材30を接着材料33の硬化温度まで加熱して硬化させる。
以上のようにして、第1基体10と第2基体20との接着が行われる。
接合部材34は、開口部Mを封止する役割を担うものである。接合部材34の構成材料としては、紫外線硬化樹脂および熱硬化性樹脂などの絶縁性樹脂が挙げられる。
タッチパネルXでは、第1接合部301と第2接合部302とを連結する第3接合部303が略円弧状とされているため、第1接合部301と第2接合部302とを直角などの角部を有する連結部により連結する場合に比べて、角部を起点とする剥がれが発生し難くなる。また、タッチパネルXでは、第1配線部261と第2配線部262とを連結する第3配線部263が略円弧状とされているため、第1配線部261と第2配線部262とを直角などの角部を有する連結部により連結する場合に比べて、角部を起点とする剥がれが発生し難くなる。したがって、タッチパネルXは、信頼性を高めるうえで好適である。
また、タッチパネルXでは、平面視における第3配線部263と第3接合部303とが対向配置されている部位において、第3配線部263の外周における曲率半径が第3接合部303の内周における曲率半径より小さいため、第3配線部263と第3接合部303との間の対向領域におけるデッドスペースを小さくすることができる。したがって、タッチパネルXは、小型化を図るうえでも好適である。
タッチパネルXにおいて、第1配線部261の延在方向と第1接合部301の延在方向とは略同一方向(矢印CD方向)であり、且つ、第2配線部262の延在方向と第2接合部302の延在方向とは略同一方向(矢印EF方向)である。そのため、タッチパネルXでは、第1配線部261と第1接合部301との間の対向領域および第2配線部262と第2接合部302との間の対向領域におけるデッドスペースを小さくすることができる。したがって、タッチパネルXは、より小型化を図るうえで好適である。
タッチパネルXにおいて、第3配線部263と第3接合部303との最短離間距離D3は、第1配線部261と第1接合部301との最短離間距離D1に比べて小さく、且つ、第2配線部262と第2接合部302との最短離間距離D2に比べて小さい。そのため、タッチパネルXは、第3配線部263と第3接合部303との間の対向領域におけるデッドスペースを小さくすることができる。したがって、タッチパネルXは、より小型化を図るうえで好適である。
図10は、本発明に係るタッチパネルXを備えるタッチパネル型表示装置Yの概略構成を表す断面図である。タッチパネル型表示装置Yは、タッチパネルXおよび液晶表示装置Zを備えている。液晶表示装置Zは、液晶表示パネル40、バックライト50、および筐体60を備えている。
図11は、液晶表示装置Zの液晶表示パネル40の概略構成を表す斜視図である。図12は、図11に示す液晶表示パネル40の要部拡大断面図である。
液晶表示パネル40は、液晶層41と、第1基体42と、第2基体43と、接合部材44とを備えており、第1基体42と第2基体43との間に液晶層41を介在させ、該液晶層41を接合部材44により封止することにより、画像を表示するための複数の画素を含んでなる表示領域Pが構成されている。
液晶層41は、電気的、光学的、力学的、あるいは磁気的な異方性を示し、固体の規則性と液体の流動性を併せ持つ液晶を含んでなる層である。この液晶としては、例えばネマティック液晶と、コレステリック液晶と、スメクティック液晶とが挙げられる。なお、液晶層41には、該液晶層41の厚さを一定に保つべく、例えば多数の粒子状部材により構成されるスペーサ(図示せず)を介在させてもよい。
第1基体42は、透明基体421と、遮光膜422と、カラーフィルタ423と、平坦化膜424と、透明電極425と、配向膜426とを備えている。
透明基体421は、遮光膜422およびカラーフィルタ423を支持し且つ液晶層41を封止する役割を担うものであり、その主面に対して交差する方向(例えば矢印AB方向)に光を適切に透過することが可能な構成とされている。透明基体421の構成材料としては、例えばガラスおよび透光性プラスチックが挙げられる。
遮光膜422は、光を遮る(光の透過量を所定値以下にする)役割を担うものであり、透明基体421の上面に形成されている。また、遮光膜422は、光を通過させるために、膜厚方向(矢印AB方向)に貫通する貫通孔422aを有している。遮光膜422の構成材料としては、例えば遮光性の高い色(例えば黒色)の染料あるいは顔料と、カーボンが添加された樹脂(例えばアクリル系樹脂)と、Crとが挙げられる。
カラーフィルタ423は、該カラーフィルタ423に入射した光のうち所定の波長を選択的に吸収し、所定の波長のみを選択的に透過させる役割を担うもの、例えばアクリル系樹脂に染料あるいは顔料を添加させることにより構成される。カラーフィルタ423としては、例えば赤色可視光の波長を選択的に透過させるための赤色カラーフィルタ(R)、緑色可視光の波長を選択的に透過させるための緑色カラーフィルタ(G)、青色可視光の波長を選択的に透過させるための青色カラーフィルタ(B)が挙げられる。
平坦化膜424は、カラーフィルタ423などを配置することにより生じる凹凸を平坦化する役割を担うものである。平坦化膜424の構成材料としては、例えばアクリル系樹脂などの透明樹脂が挙げられる。
透明電極425は、後述の第2基体43の透明電極432との間に位置する液晶層41の液晶に所定の電圧を印加する役割を担うものであり、一方側から入射した光を他方側に透過するように構成されている。また、透明電極425は、所定の信号(画像信号)を伝搬する役割を担うものであり、主として矢印CD方向に延びるように複数配列されている。透明電極425を構成する材料としては、ITOおよび酸化錫などの透光性を有する導電部材が挙げられる。
配向膜426は、マクロ的にランダムな方向を向く(規則性が小さい)液晶層41の液晶分子を所定方向に配向させる役割を担うものであり、透明電極425上に形成されている。配向膜426の構成材料としては、ポリイミド樹脂などが挙げられる。
第2基体43は、透明基体431と、透明電極432と、配向膜433とを備えている。
透明基体431は、透明電極432および配向膜433を支持し且つ液晶層41を封止する役割を担うものであり、その主面に対して交差する方向(例えば矢印AB方向)に光を適切に透過することが可能な構成とされている。透明基体431の構成材料としては、透明基体421の構成材料と同様のものが挙げられる。
透明電極432は、第1基体42の透明電極425との間に位置する液晶層41の液晶に所定の電圧を印加する役割を担うものであり、一方側から入射した光を他方側に透過するように構成されている。また、透明電極432は、液晶層41への電圧印加状態(ON)もしくは電圧非印加状態(OFF)を制御するための信号(走査信号)を伝搬する役割を担うものであり、主として図9における紙面垂直方向に延びるように複数配列されている。透明電極432の構成材料としては、透明電極425の構成材料と同様のものが挙げられる。
配向膜433は、マクロ的にランダムな方向を向く(規則性が小さい)液晶層41の液晶分子を所定方向に配向させる役割を担うものであり、透明電極432上に形成されている。配向膜433の構成材料としては、配向膜426の構成材料と同様のものが挙げられる。
接合部材44は、第1基体42と第2基体43との間に液晶層41を封止するとともに、第1基体42と第2基体43とを所定間隔で離間した状態で接合する役割を担うものであり、例えば絶縁性樹脂およびシール樹脂などである。
バックライト50は、液晶表示パネルXの一方から他方に向けて光を照射する役割を担うものであり、光源51および導光板52を備えている。光源51は、導光板52に向けて光を出射する役割を担うものである。光源51としては、例えばCFLと、LED(Light Emitting Diode)と、ハロゲンランプと、キセノンランプと、EL(electro-luminescence)とが挙げられる。導光板52は、光源51からの光を液晶表示パネル40の下面全体にわたって略均一に光を導く役割を担うものである。導光板52は、通常、裏面に設けられ且つ光を反射する反射シート(図示せず)と、表面に設けられ且つより均一な面状発光とすべく光を拡散する拡散シート(図示せず)と、表面に設けられ且つ光を略一定方向に集光するプリズムシート(図示せず)とを含んで構成されている。導光板52の構成材料としては、例えばアクリル樹脂およびポリカーボネート樹脂などの透明樹脂などが挙げられる。なお、バックライト50としては、図10に示すような導光板52の側面に光源51を配したエッジライト方式には限られず、液晶表示パネル40の裏面側に光源51を配した直下方式などの他の方式のものを採用してもよい。
筐体60は、液晶表示パネル40およびバックライト50を収容する役割を担うものであり、上側筐体61および下側筐体62を含んで構成される。筐体60の構成材料としては、例えばポリカーボネート樹脂などの樹脂と、ステンレス(SUS)およびアルミニウムなどの金属とが挙げられる。
ここで、両面テープTによるタッチパネルXと液晶表示装置Zとの固定方法の一例について説明する。なお、タッチパネルXと液晶表示装置Zとの固定方法に使用される固定用部材は両面テープTには限られず、例えば熱硬化性樹脂および紫外線硬化性樹脂などの接着部材、あるいは、タッチパネルXと液晶表示装置Zとを物理的に固定する固定構造体でもよい。
まず、液晶表示装置Zの上側筐体61の上面における所定領域に両面テープTの片面を貼り付ける。本実施形態において所定領域は、図11によく表れているように、液晶表示装置Zの表示領域Pを取り囲むように位置する領域Rである。
次に、両面テープTが貼り付けられた液晶表示装置Zに対してタッチパネルXを位置合わせしたうえで、両面テープTを介してタッチパネルXの透明絶縁基体21と液晶表示装置Zの上側筐体61とを貼り合わせる。
以上のようにして、タッチパネルXと液晶表示装置Zとの固定が行われる。
本発明に係るタッチパネル型表示装置Yは、タッチパネルXを備えているため、上述のタッチパネルXの有する効果と同様の効果を享受することができる。すなわち、タッチパネル型表示装置Yでは、信頼性を高めるとともに、小型化を図ることができる。
以上、本発明の具体的な実施形態を示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、発明の思想から逸脱しない範囲内で種々の変更が可能である。
タッチパネルXにおいて第3接合部303の平面視幅は、第1接合部301および第2接合部の平面視幅と略同一に設定されているが、図13に示すように、第3接合部303の平面視幅W3を、第1接合部301の平面視幅W1および第2接合部302の平面視幅W2に比べて大きくなるように設定してもよい。このような構成によると、第1接合部301および第2接合部302に比べて応力の集中し易い第3接合部303における封止性を向上させることができ、ひいては信頼性をより高めることができる。なお、図13では、第3接合部303の平面視幅を第1接合部301および第2接合部の平面視幅と略同一に設定した場合の位置を一点鎖線で示す。
タッチパネルXでは、導電性接着部材30が第1粒子31と第2粒子32との2種類の粒子を含む構成となっているが、これには限られず、第1粒子31のみを含む構成としてもよい。このような構成によると、1種類の粒子を準備するだけで済むので、低コスト化を図るうえで好適である。
タッチパネルXのドットスペーサ27は、絶縁性粒子を含む構成としてもよい。このような構成によると、ドットスペーサ27の絶縁性を不必要に低減することなく、その形状安定性を高めることができ、より長期にわたって、ドットスペーサ27の機能を維持することが可能となる。
タッチパネルXでは、ドットスペーサ27が第2基体20に形成されているが、このような構成に限らず、第1基体10,10Aに形成するようにしてもよい。
タッチパネルXでは、第1粒子31が透明電極12に直接接触するように構成されているが、このような構成には限られず、例えば透明絶縁基体11上に基体間接続配線電極23と同様の配線を形成し、該配線を介して第1粒子31と透明電極12とを電気的に接続するようにしてもよい。
タッチパネルXでは、第1基体10および第2基体20の少なくとも一方に位相差フィルムを更に配置してもよい。位相差フィルムは、液晶の複屈折性(位相のズレ)などにより楕円偏光状態に変換される直線偏光を、楕円偏光状態から直線偏光に近い状態に変換する役割を担うものである。位相差フィルムの構成材料としては、例えばポリカーボネート(PC)と、ポリビニルアルコール(PVA)と、ポリアリレート(PA)と、ポリサルフォン(Psu)と、ポリオレフィン(PO)とが挙げられるが、液晶の波長分散との整合性の観点ではPCが好ましく、円偏光板への適応性の観点ではPCに比べ光弾性係数の小さいPOが好ましい。このような構成によると、表示画像のコントラスト比を高めるうえで好適である。
タッチパネルXでは、第1基体10および第2基体20の少なくとも一方に偏光フィルムを更に配置してもよい。偏光フィルムは、所定の振動方向の光を選択的に透過させる役割を担うものである。偏光フィルムの構成材料としてはヨウ素系材料などが挙げられる。このような構成によると、偏光フィルムを透過する光のシャッタ機能を発揮するうえで好適である。
タッチパネルXでは、第1基体10および第2基体20の少なくとも一方に、アンチグレア処理あるいは反射防止コート処理を施したフィルムを更に配置してもよい。このような構成によると、外光反射を低減することができる。
タッチパネルXの透明絶縁基体11,21は、位相差フィルム、偏光フィルム、アンチグレア処理あるいは反射防止コート処理を施したフィルムのいずれかに置き換えてもよい。
タッチパネルXでは、透明電極12と各配線電極23,24,25,26との不要な電気的接続の発生を低減すべく、開口部Mを形成して該開口部Mに封止部材34を存在させる構成としているが、これには限られず、例えば開口部Mに相当する位置にも導電性接着部材30を存在させるとともに、該導電性接着部材30と各配線電極23,24,25,26との間に絶縁性部材を介在させるような構成としてもよい。