以下、本発明を実施するための最良の形態について図面を参照して説明する。なお、本実施の形態においては、コピー機能、ファクシミリ(FAX)機能、プリント機能、スキャナ機能および入力画像(スキャナ機能による読み取り原稿画像やプリント機能あるいはファクシミリ機能により入力された画像)を配信する機能等を複合したいわゆるデジタルカラー複合機に本発明に係る情報処理装置を適用した例を示す。なお、本発明は、デジタルカラー複合機に限定されるものではない。その他の一般的なコンピュータ装置等に対しても適用可能である。
[第1の実施形態]
以下、本発明の第1の実施形態について図1〜6を参照して説明する。
(システム構成例)
図1は本実施の形態1におけるデジタルカラー複合機を含むネットワーク同期システムの構成例を示す図である。図1において、ネットワーク同期システム1は、LAN(Local Area Network)等のネットワークを介して接続された複数のデジタルカラー複合機2a、2b、2c、2d(以降、総称してデジタルカラー複合機2とする)などを有する。
デジタルカラー複合機2は、前述のようにコピー機能、ファクシミリ(FAX)機能、プリント機能、スキャナ機能および入力画像(スキャナ機能による読み取り原稿画像やプリント機能あるいはファクシミリ機能により入力された画像)を配信する機能等を複合した画像処理装置である。
以上のシステム構成により、本実施の形態1におけるネットワーク同期システム1では、複数のデジタルカラー複合機2の間での各々の装置の設定情報の同期を効果的に実現する。その具体的機能構成などについては後述する。
(機能の構成例)
図2は、本実施の形態1におけるデジタルカラー複合機の機能構成を示すブロック図である。図2において、デジタルカラー複合機2は、設定情報部210、同期用共有記憶部220、同期設定情報部230、同期制御部240などを有する。
設定情報部210は、デジタルカラー複合機2における設定情報を記憶する。設定情報とは、共通設定情報と固有設定情報とを含む。共通設定情報とは、当該デジタルカラー複合機2と異なる装置においても利用可能であるユーザ毎の個人設定情報などである。固有設定情報とは、当該デジタルカラー複合機2と異なる装置において利用不可能である装置固有情報などの設定情報である。共通設定情報及び固有設定情報の例について図3を用いて後述する。
同期用共有記憶部220は、複数のデジタルカラー複合機2の間で同期を行うために情報を記憶する。同期用共有記憶部220により記憶される情報は、例えば設定情報部210に記憶された共通設定情報などである。また、後述の同期設定情報部230により同期に係る設定として「同期用共有記憶部220を公開する」旨の設定がされていると、当該デジタルカラー複合機2と異なるデジタルカラー複合機から当該デジタルカラー複合機2の同期用共有記憶部220にアクセスすることが可能になる。
同期設定情報部230は、デジタルカラー複合機2の同期に係る設定情報を記憶する。同期設定情報の例については図4を用いて後述する。同期制御部240は、デジタルカラー複合機2の同期に係る各種制御を行う。その動作の例については図5、6を用いて後述する。
以上の機能構成により、本実施の形態1におけるネットワーク同期システム1では、複数のデジタルカラー複合機2の間での各々の装置の設定情報の同期を効果的に実現する。
(設定情報の例)
図3は、設定情報部により記憶される設定情報の一例を示す図である。前述したように設定情報部210により記憶される設定情報は、当該デジタルカラー複合機2と異なる装置においても利用可能である共通設定情報と当該デジタルカラー複合機2と異なる装置において利用不可能である固有設定情報を含む。
図3では、共通設定情報の例として図3(a)に認証基準情報(システム設定ファイル)を、図3(b)に個人設定情報(個人設定ファイル)を示している。認証基準情報とは、当該デジタルカラー複合機2を使用可能として登録されたユーザの認証のための基準情報である。個人設定情報とは、当該デジタルカラー複合機2を使用可能として登録されたユーザ毎の設定情報である。なお、図3(b)に示す個人設定情報は、登録されたユーザ数(1又は複数)だけ存在する。ここでは各々の情報の詳細についての説明は省略するが、図3(a)の認証基準情報もデジタルカラー複合機2を使用可能として登録されたユーザ毎の設定情報であるという意味では、個人設定情報に含まれるものする。
このような設定情報が設定情報部210により記憶されている。設定情報部210により記憶される設定情報は、図3で示す情報に限定されるものではない。例えば、当該デジタルカラー複合機2をゲスト設定で使用する場合のゲスト設定情報、グループ設定で使用する場合のグループ設定情報などであってもよい。
(同期設定情報の例)
図4は、同期設定情報部により記憶される同期設定情報の例を示す図である。図4では、同期設定情報部230により記憶される同期設定情報の例として「ネットワーク自動同期」「同期用共有フォルダを公開」「ネットワークパス」「ログインユーザ名」「ログインパスワード名」「自動同期間隔(10分〜9999分)」「手動同期」の項目を示している。各項目について説明する。
「ネットワーク自動同期」は、当該デジタルカラー複合機2が本実施の形態1によるネットワーク自動同期を行うか否かの設定情報を設定するための設定項目である。
「同期用共有フォルダ(同期用共有記憶部と同義)を公開」は、当該デジタルカラー複合機2の同期用共有フォルダである同期用共有記憶部220を外部に公開するか否かの設定情報を設定するための設定項目である。公開する旨が設定されたとき、当該デジタルカラー複合機2と異なるデジタルカラー複合機から当該デジタルカラー複合機2の同期用共有記憶部220にアクセスすることが可能になる。「ネットワークパス」は、他の装置の同期用共有フォルダの所在に係る設定項目である。同期制御部240は、このネットワークパスを用いて接続先である他の装置の同期用共有フォルダ(例えば同期用共有記憶部320)の所在を特定する。
「ログインユーザ名」「ログインパスワード名」は、当該デジタルカラー複合機2にログインするためのユーザ名、パスワード名の設定項目である。これにより、前述の「同期用共有フォルダを公開」が公開する旨の設定がされた場合に、当該デジタルカラー複合機2と異なるデジタルカラー複合機は当該デジタルカラー複合機2の同期用共有記憶部220にこれらのログイン情報を用いてアクセスするようにすることができる。
「自動同期間隔(10分〜9999分)」は、ここでは当該デジタルカラー複合機2が自機と異なるデジタルカラー複合機との間で同期をとる際の同期間隔の設定情報を設定するための設定項目である。ユーザは自動同期間隔を設定できる。なお、ネットワーク負荷の分散のため、機械固有番号と現在時間から乱数による確率を計算し、同期間隔X確率から次回同期時刻を決定するようにすることもできる。
「手動同期」は、当該デジタルカラー複合機2が自機と異なるデジタルカラー複合機との間での同期を手動で行うことが可能か否かの設定情報を設定するための設定項目である。設定情報として例えば「実行」の旨が設定されると手動で同期を行うことができる。
以上説明してきた図4の同期設定情報を用いることにより、各々のデジタルカラー複合機2では、同期用共有フォルダ(同期用共有記憶部)を公開するか否か、ネットワークパス、ログインユーザ名とログインパスワード、自動同期間隔及び手動同期に関する設定を行うことができる。
(同期動作の概要)
図5は、本実施の形態1におけるデジタルカラー複合機の同期動作の概要を示すフローチャート図である。ここでは、デジタルカラー複合機2aが自機と異なるデジタルカラー複合機2bとの間で設定情報の同期をとる動作の概要について図面を参照しながら説明を行う。
なお、デジタルカラー複合機2a、2bでは、予め各々の装置の設定情報部に記憶された設定情報の複製がそれぞれ同期用共有記憶部220、320(図2参照)に生成されているものとする。また、デジタルカラー複合機2bでは、予め「同期用共有フォルダを公開」の設定情報が「公開する」に設定されているものとする。これにより、デジタルカラー複合機2aは、デジタルカラー複合機2bの同期用共有記憶部320にアクセスすることが可能になる。
まず、デジタルカラー複合機2aは、同期開始時刻になったか否かを判定する(S1)。ここでは、例えば同期制御部240が同期設定情報部230に記憶された「自動同期間隔」の設定情報に基づいて判定を行う。同期開始時刻になった場合(S1、YES)、ステップS2へ移る。同期開始時刻になっていない場合(S1、NO)、ステップS1へ戻って処理を繰り返す。
ステップS2へ移った場合、デジタルカラー複合機2aは、同期先であるデジタルカラー複合機2bの同期用共有記憶部(同期用共有フォルダ)に接続する(S2)。ここでは、例えば同期制御部240はデジタルカラー複合機2bの同期用共有フォルダである同期用共有記憶部320に接続する。
ステップS3へ移った場合、デジタルカラー複合機2aは、同期先であるデジタルカラー複合機2bとの間で同期処理を行う(S3)。ステップS3に係る処理により、デジタルカラー複合機2aの同期用共有記憶部220に記憶される設定情報を、デジタルカラー複合機2bの同期用共有記憶部320に記憶される設定情報に基づき更新する。ステップS3に係る処理については図6を用いてより詳細に後述する。
ステップS3に係る同期処理が終了すると、ステップS4へ移って、デジタルカラー複合機2aは、同期処理が成功したか否かを判定する(S4)。同期処理が成功した場合(S4、YES)、ステップS5へ移る。同期処理が失敗した場合(S4、NO)、ステップS7へ移る。
ステップS5へ移った場合、デジタルカラー複合機2aは、ステップS2で接続を開始した同期先の同期用共有記憶部320との接続を解除する(S5)。ここでは、同期制御部240は同期用共有記憶部320との接続を解除する。
ステップS5からステップS6へ移って、デジタルカラー複合機2aは、自装置の同期用共有記憶部220に基づいて設定情報の更新を行う(S6)。ここでは、同期制御部240は、ステップS5の処理により更新した同期用共有記憶部220の設定情報に基づき設定情報部210に記憶された設定情報の更新を行う。なお、ステップS6に係る処理が終了すると、再びステップS1へ移る。
ステップS7へ移った場合、デジタルカラー複合機2aは、ステップS2で接続を開始した同期先の同期用共有記憶部320との接続を解除し(S7)、再びステップS1へ移る。
以上で示される処理により、デジタルカラー複合機2aは自機と異なるデジタルカラー複合機2bなどとの間で設定情報の同期をとる動作を行う。そのため、効果的に複数の情報処理装置の間での設定情報の同期を実現することができる。
(同期動作の一例)
図6は、本実施の形態1におけるデジタルカラー複合機の同期動作の一例を示すフローチャート図である。ここでは、図5のステップS5に係る処理、即ち、デジタルカラー複合機2bに接続したデジタルカラー複合機2aが、デジタルカラー複合機2bとの間で設定情報の同期を行う動作の詳細について図面を参照しながら説明を行う。
まず、デジタルカラー複合機2aは、排他制御を開始する(S11)。ここでは、同期制御部240は、排他制御として例えばディレクトリ作成を行う。即ち、同期を開始する前に、同期先の同期用共有記憶部320にディレクトリを作成する。なお、ディレクトリ作成に成功した装置だけがデジタルカラー複合機2bの同期用共有記憶部320の使用権を得る。
ステップS12へ移って、デジタルカラー複合機2aは、排他制御に成功したか否かを判定する(S12)。排他制御に成功した場合(S12、YES)、ステップS13へ移る。排他制御に失敗した場合(S12、NO)、同期は失敗したために同期失敗として当該処理を終了する。
ステップS13へ移った場合、デジタルカラー複合機2aは、自装置の同期用共有記憶部220の設定情報と同期先の同期用共有記憶部320の設定情報とを比較する(S13)。続いてステップS14へ移って、デジタルカラー複合機2aは、自装置の同期用共有記憶部220の情報を最新の情報に更新する(S14)。
ステップS14では、ステップS13における比較の後、同期用共有記憶部220に記憶された設定情報を最新の情報に更新・変換する。なお、各々の同期用共有記憶部220、320には、設定情報と共に登録されたユーザ、グループのID、最終更新日時、消去日時を管理するカタログファイルを有している。これを用いて最終更新日時、消去日時が新しいものを残すようにファイルを複製又は消去し、最後にカタログファイルを更新する。また、同期用共有記憶部220には、前述した認証基準情報(システム設定ファイル)、個人設定情報(個人設定ファイル)、グループ設定情報、カタログファイルなどが記憶されている。
なお、ステップS14において同期用共有記憶部220に記憶された設定情報を最新の情報に更新・変換する際、同一のユーザ(或いはグループ)の設定情報は、同一のIDに変更する。即ち、ユーザ(或いはグループ)には全ての機器でユニークとなるIDを採番しておき、ステップS13に係る各ユーザ(或いはグループ)の設定情報の比較時に、同一IDのユーザ(或いはグループ)、及び、異なるID且つ同一ユーザ名(或いはグループ名)のユーザ(或いはグループ)は、同一のユーザ(或いはグループ)とみなし、最終更新日時の新しい方を採用する。但し、すでに同一IDのユーザ(或いはグループ)が存在しているときに、そのIDのユーザ名(或いはグループ名)と同じ名前の別IDのユーザ(或いはグループ)が存在した場合は、後者の別IDのユーザ名(或いはグループ名)を異なる名前とするために最後に所定の文字列("_n"(n:数字))を追加するようにする。
ステップS14に係る処理が終了すると、ステップS15へ移って、デジタルカラー複合機2aは、ステップS11で開始した排他制御を終了する(S15)。ここでは、同期制御部240は、ステップS11で作成したディレクトリを消去する等により排他制御を終了する。なお、同期は成功したために同期成功として当該処理を終了する。
以上で示される処理により、デジタルカラー複合機2aは自機と異なるデジタルカラー複合機2bなどとの間で設定情報の同期を行う。
なお、同期用共有記憶部220は、設定情報を格納する全く同じフォーマットのHDD区画を2つ用意して構成することもできる。このとき、一方を現在動作中の設定情報を記憶する記憶部、他方を次回同期後の設定情報の記憶部とする。このような構成により、同期完了後、現在動作中のHDD区画を切り替えることにより、同期結果を瞬時に反映することができる。
また、当該ネットワーク同期システム1に新たに接続されるデジタルカラー複合機は、自機が保持する設定情報が全て古いものとして自機と異なるデジタルカラー複合機2との間で同期を実行するようにすることもできる。これにより、新しいデジタルカラー複合機2が当該ネットワーク同期システム1に参加した場合には、自機と異なるデジタルカラー複合機2のすべての設定情報を受け入れることができる。
以上、説明を行ってきた本実施の形態1におけるネットワーク同期システム1及びデジタルカラー複合機2によれば、ネットワークを介して接続された他のデジタルカラー複合機との間でサーバ装置などの装置を介さずに同期をとることができる。これは、各デジタルカラー複合機2がネットワーク上に公開する同期用共有フォルダに常に最新版の設定情報を残し続けることにより実現する。
また、各々のデジタルカラー複合機2が自機の同期用共有フォルダを公開できるので、外部コンピュータなしで、機械だけで同期できる。もちろん、外部コンピュータの同期用共有フォルダを使用して同期をとることもできる。
(ネットワーク同期の具体例)
以下、本実施の形態1におけるネットワーク同期の具体例について説明する。ここでは、当該ネットワーク同期システム1が、ユーザ1とユーザ2の設定情報を有する情報処理装置Aと、ユーザ2とユーザ3の設定情報を有する情報処理装置Bとにより構成されている場合に、情報処理装置Aと情報処理装置Bとの間で上記ネットワーク同期を行う具体例について説明を行う。なお、ユーザ2の設定情報は情報処理装置Bの方が新しいものであるものとする。また、同期用共有フォルダの負荷軽減のため、設定した同期間隔時間内でランダムに1回だけ同期用共有フォルダに接続するものとし、情報処理装置A→情報処理装置B→情報処理装置Aの順序で接続したとすると、以下のように同期が進行する。
1.まず、情報処理装置Aが自機の同期用共有フォルダに接続する。
最初は自機の同期用共有フォルダが空なので、情報処理装置Aは単純にユーザ1及びユーザ2の設定情報を自機の同期用共有フォルダにアップロードする。その結果、情報処理装置Aの同期用共有フォルダには、ユーザ1(A)、ユーザ2(A)の設定情報が記憶される。なお、カッコ内の英文字はそのユーザが登録された装置の名前を示す。
2.次に、情報処理装置Bが情報処理装置Aの同期用共有フォルダに接続する。
ここでは、情報処理装置Bは情報処理装置Aの同期用共有フォルダに記憶されたユーザ1及びユーザ2の設定情報と自機のユーザ2及びユーザ3の設定情報の最終更新日時を比較する。本具体例では、情報処理装置Bは、ユーザ1の設定情報を有しておらず、ユーザ2の設定情報については自機の方が新しいものを有しており、ユーザ3の設定情報については自機のみが有している。そのため、ユーザ1の設定情報を情報処理装置Aの同期用共有フォルダからダウンロードし、ユーザ2及びユーザ3の設定情報を自機の同期用共有フォルダにアップロードする。その結果、情報処理装置Bの同期用共有フォルダには、ユーザ1(A)、ユーザ2(B)、ユーザ3(B)の設定情報が記憶される。
3.続いて、情報処理装置Aが情報処理装置Bの同期用共有フォルダに接続する。
ここでは、情報処理装置Aは情報処理装置Bの同期用共有フォルダに記憶されたユーザ1乃至ユーザ3の設定情報と、自機のユーザ1及びユーザ2の設定情報の最終更新日時を比較する。本具体例では、情報処理装置Aは、ユーザ1の設定情報については情報処理装置Bと同一のものを有し、ユーザ2の設定情報については自機の方が古いものを有しており、ユーザ3の設定情報を有していない。そのため、ユーザ2及びユーザ3の設定情報を情報処理装置Bの同期用共有フォルダからダウンロードする。その結果、情報処理装置Aの同期用共有フォルダには、ユーザ1(A)、ユーザ2(B)、ユーザ3(B)の設定情報が記憶される。
以上で示される処理により、情報処理装置Aは情報処理装置Bとの間で設定情報の同期を行うことができる。
続いて、当該ネットワーク同期システム1に、ユーザ2及びユーザ4の設定情報を有する情報処理装置Cが新たに参加した場合の説明を行う。なお、ユーザ2の設定情報は情報処理装置Cの方が新しいものであるものとする。
この場合、当該ネットワーク同期システム1に新たに接続される情報処理装置Cは、自機が保持する設定情報が全て古いものとして自機と異なる情報処理装置(例えば情報処理装置A)との間で同期を実行するようにする。これにより、当該ネットワーク同期システム1を構成する各情報処理装置A、Bが新たに接続される情報処理装置Cと同じ設定情報を有するようになってしまう事故を防ぐことができる。以下のように同期が進行する。
4.情報処理装置Cが情報処理装置Aの同期用共有フォルダに接続する。
ここでは、情報処理装置Cは情報処理装置Aの同期用共有フォルダに記憶されたユーザ1乃至ユーザ3の設定情報と、自機のユーザ2及びユーザ4の設定情報の最終更新日時を比較する。本具体例では、情報処理装置Cは、ユーザ1及びユーザ3の設定情報を有しておらず、ユーザ2の設定情報については自機の方が古いものを有しており(最初の同期なので無条件に古くなる)、ユーザ4の設定情報については自機のみが有している。そのため、ユーザ1乃至3の設定情報を情報処理装置Aの同期用共有フォルダからダウンロードし、ユーザ4の設定情報を自機の同期用共有フォルダにアップロードする。その結果、情報処理装置Cの同期用共有フォルダには、ユーザ1(A)、ユーザ2(B)、ユーザ3(B)、ユーザ4(C)の設定情報が記憶される。
以上で示される処理により、情報処理装置Cは情報処理装置Aとの間で設定情報の同期を行うことができる。なお、最初の同期では、既存の同期用共有フォルダに記憶された設定情報が優先して採用されるため、情報処理装置Cのユーザ2の設定情報が消えてしまうことに注意をする必要がある。なお、ユーザ2の設定情報はすでに情報処理装置A及びBで同期運用されているので、このような動きになる。
以上のように、当該ネットワーク同期システム1を構成する各情報処理装置において同期用共有フォルダを公開する設定にすれば、各々の情報処理装置が上記のネットワーク同期を行うため、サーバーレスを実現できる。また、当該ネットワーク同期システム1を構成するすべての情報処理装置が最新の設定情報を有するようになるため、いずれかの情報処理装置の同期用共有フォルダが壊れたり、新しいHDDに入れ替えたりしても、また自動的に同期し直すことができる。なお、各情報処理装置において同期用共有フォルダを公開しない設定にして、信頼がおける外部のファイルサーバ装置などとの間で設定情報の通信を行うように指定することもできる。
(補足)
以上説明を行ってきたように、本実施の形態におけるネットワーク同期は、同期先の装置への接続開始、同期先の装置との間での同期処理、同期先の装置との接続終了、変換処理、自装置の設定情報の更新のステップで進める。
また、同期先の装置への接続開始から同期先の装置との接続終了までの期間においては、同期用共有フォルダを排他制御する。接続終了時に、現在設定の最終更新日時がさらに新しい場合は、接続終了時に同期用共有フォルダに記憶された設定情報を更新しないで同期を失敗させ、一定時間後に再び開始をかける。一定回数失敗したら同期間隔から計算できる次回同期時刻まで延期する。同期に成功すると、現在設定へ反映できる形に変換する。接続終了から自装置の設定情報の更新までの期間においては、現在設定を禁止する。自装置の設定情報の更新では、すべてのユーザがログアウトした時点でHDD区画を切り替える。ユーザがログアウトしないまま、電源オフしてしまった場合は、次回電源オン時に切り替える。この方式により、装置の使用中でも同期処理を平行動作させ、最低限の使用制限により設定登録情報の同期を実行することができる。
[第2の実施形態]
以下、本発明の第2の実施形態について図7〜図17を参照して説明する。
前述した実施の形態1におけるネットワーク同期システムでは、複数のデジタルカラー複合機の間での各々の装置の設定情報の同期を効果的に実現した。ここでは、さらに、各々の装置の設定情報に応じて適切に同期を実現するネットワーク同期システムの形態について詳細に説明する。
なお、本実施形態2においては、前述した実施形態1において図2の設定情報部210により記憶される設定情報は、後述する図10の個人設定情報(認証基準情報)部1220に記憶される個人設定情報であるように構成することができる。即ち、図2の設定情報部210は、図10の個人設定情報部1220と対応している。
これにより、例えば1つのデジタルカラー複合機でICカード認証が使えるようにすると、自動的に他のデジタルカラー複合機でもICカード認証が使えるようになるという新たな利点を得ることができる。
(システム構成例)
図7は本実施の形態2におけるデジタルカラー複合機を含むシステム構成図である。図7に示すように、本実施の形態におけるネットワーク同期システム1としては、デジタルカラー複合機1001に通信ネットワークであるLAN(ローカルエリアネットワーク)1002を介し、各種の情報処理を実行するサーバーコンピュータ1003や複数台のクライアントコンピュータ1004が接続されたシステムを想定する。サーバーコンピュータ1003は、例えばFTP,HTTPプロトコルをサポートしたり、WebサーバーやDNS(Domain Name Service)サーバーの機能を実現したりするものである。すなわち、このシステムにおいては、デジタルカラー複合機1001が備えている画像入力機能(スキャナ機能)、画像出力機能(プリント機能)および画像蓄積機能等の画像処理機能を、LAN1002上で共有し得る環境が構築されているものである。
このようなシステムは、通信制御ユニット1005を介してインターネット網1006に接続され、インターネット網1006を介して外部環境とデータ通信可能に構築されている。また、インターネット網1006には、デジタルカラー複合機1001と同一機能を備えたデジタルカラー複合機1100が設けられている。
通信制御ユニット1005としては、ルータ,交換機,モデム,DSLモデム等が一般的であるが、最低限TCP/IP通信が可能であればよい。また、LAN1002は有線通信に限るものではなく、無線通信(赤外線や電波等)であってもよい。あるいは、光ファイバーを用いたものであってもよい。
(デジタル複合機1001の例)
次に、デジタルカラー複合機1001について図8及び図9を用いて説明する。なお、デジタルカラー複合機1001について説明している記載は、当然のことながら、デジタルカラー複合機1100にも適用されるものである。図8はデジタルカラー複合機1001を概略的に示す外観斜視図、図9はデジタルカラー複合機1001の各部の電気的接続を示すブロック図である。
図8に示すように、デジタルカラー複合機1001は、転写紙などの媒体に画像を形成する印刷装置1007の上部に、原稿から画像を読み取る画像読取装置1008を配設した構成とされている。また、画像読取装置1008の装置外面には、オペレータに対する表示とオペレータからの機能設定等の各種の入力を許容する操作パネルPが設けられている。さらに、操作パネルPの下部には、光ディスク,フレキシブルディスクなどの記憶媒体M(図9参照)に記憶されているプログラムコードや画像データ等を読み取る、または、記憶媒体Mに対してプログラムコードや画像データ等を書き込む装置である外部メディア入出力装置1009が、記憶媒体Mの挿入を許容する挿入口を外部に露出させて設けられている。
また、図8に示すデジタルカラー複合機1001には、接触式ICカードリーダ1045a及び非接触式ICカードリーダ1045b(以降、総称してICカードリーダ1045とする)が配設されている。
接触式ICカードリーダ1045aに挿入されて使用される(又は非接触式ICカードリーダ1045bに挿入されて使用される)ICカードC(図9参照)は、例えばデジタルカラー複合機1001の操作者の各人ごとに配布され、各人を特定するための認証情報などが記録されたIDカードである。このようなICカードCに記録された認証情報などは、接触式ICカードリーダ1045a(又は非接触式ICカードリーダ1045b)で読み取られることにより、当該認証情報等に対応して付与された権限の範囲内でのデジタルカラー複合機1の使用が可能になる。
このようなデジタルカラー複合機1001の基本構成としては、図9に示すように、画像処理ユニット部Aと情報処理ユニット部Bとに大別されており、印刷装置1007および画像読取装置1008は画像処理ユニット部Aに属し、操作パネルP、外部メディア入出力装置1009及びICカードリーダ1045は、各種情報処理を行う情報処理ユニット部Bに属している。
まず、画像処理ユニット部Aについて説明する。図9に示す、印刷装置1007および画像読取装置1008を備える画像処理ユニット部Aは、画像処理ユニット部Aにおける画像処理全般の制御を行う画像処理制御ユニット1010を備えており、この画像処理制御ユニット1010には、印刷装置1007を制御する印刷制御ユニット1011と、画像読取装置1008を制御する画像読取制御ユニット1012とが接続されている。
印刷制御ユニット1011は、画像処理制御ユニット1010の制御に従って印刷装置1007に対して画像データを含む印刷指示を出力し、印刷装置1007に転写紙などの媒体に画像を形成して出力させる。印刷装置1007はフルカラー印刷可能とされており、その印刷方式は、電子写真方式のほか、インクジェット方式,昇華型熱転写方式,銀塩写真方式,直接感熱記録方式,溶融型熱転写方式など、さまざまな方式を用いることができる。
画像読取制御ユニット1012は、画像処理制御ユニット1010の制御により画像読取装置1008を駆動し、原稿の表面に対するランプ照射の反射光をミラーおよびレンズにより受光素子(例えば、CCD(Charge Coupled Device))に集光して読み取り、A/D変換してRGB各8ビットのデジタル画像データを生成する。
このような画像処理制御ユニット1010は、メインプロセッサであるCPU(Central Processing Unit;中央処理装置)1013と、画像読取装置1008から読み込んだ画像データを印刷装置1007による作像に供すべく一旦格納しておくSDRAM(Synchronous Dynamic Random Access Memory)1014と、制御プログラム等を記憶したROM(Read Only Memory)1015と、システムログ,システム設定,ログ情報等を記録しておく電源オフ時にもデータの保持が可能なNVRAM(Non Volatile RAM)1016と、をバス接続したマイクロコンピュータ構成とされている。
また、画像処理制御ユニット1010には、多量の画像データの蓄積やジョブ履歴等の記憶装置となるHDD(磁気ディスク装置)1017、装置内部に設けられた内部LANの集線装置であるHUB1019を介して画像処理ユニット部AをLAN1002に接続するためのLAN制御部1018、ファクシミリ制御を行うFAX制御ユニット1020が接続されている。このFAX制御ユニット1020は、公衆電話網1021に通じる構内交換器(PBX)1022に接続されており、デジタルカラー複合機1001は、公衆電話網1021を介して、遠隔のファクシミリ装置と交信することができる。
加えて、画像処理制御ユニット1010には、表示制御ユニット1023および操作入力制御ユニット1024が接続されている。表示制御ユニット1023は、画像処理制御ユニット1010のコントロールによって制御パネルI/F(インターフェース)1025に接続された通信ケーブル1026を介して情報処理ユニット部Bに対して画像表示制御信号を出力し、情報処理ユニット部Bの操作パネルPに対して画像表示の制御を行う。
また、操作入力制御ユニット1024は、情報処理ユニット部Bの操作パネルPからのオペレータによる機能設定や入力操作に応じた入力制御信号を、画像処理制御ユニット1010のコントロールによって制御パネルI/F1025に接続された通信ケーブル1026を介して入力する。すなわち、画像処理ユニット部Aは、情報処理ユニット部Bの操作パネルPを、通信ケーブル1026を介して直接モニタすることができる構成になっている。
したがって、画像処理ユニット部Aは、従来の画像処理装置が備える画像処理ユニットに対して通信ケーブル1026を接続し、情報処理ユニット部Bの操作パネルPを利用するようにしたものである。すなわち、画像処理ユニット部Aの表示制御ユニット1023および操作入力制御ユニット1024は、操作パネルPに接続されているものとして動作している。
このような構成により、画像処理ユニット部Aは、外部(図7に示すサーバーコンピュータ1003、クライアントコンピュータ1004、ファクシミリ装置等)からの画像情報である印刷データおよびプリント指示するコマンドを解析し、印刷データを出力画像データとして印刷できる状態にビットマップ展開し、印刷モードをコマンドから解析し動作を決定している。その印刷データおよびコマンドをLAN制御部1018あるいはFAX制御ユニット1020を通じて受信し動作する。
また、画像処理ユニット部Aは、SDRAM1014やHDD1017に記憶されている印刷データ、原稿読み取りデータ、これらを出力用に処理した出力画像データ、およびそれらを圧縮した圧縮データを外部装置(サーバーコンピュータ1003、クライアントコンピュータ1004、ファクシミリ装置等)に転送することができる。
さらに、画像処理ユニット部Aは、画像読取装置1008の読み取り画像データを画像処理制御ユニット1010に転送し、光学系およびデジタル信号への量子化に伴う信号劣化を補正し、この画像データをSDRAM1014に書き込む。このようにしてSDRAM1014に格納された画像データは、印刷制御ユニット1011で出力画像データに変換されて、印刷装置1007に出力される。
次に、操作パネルPを備える情報処理ユニット部Bについて説明する。図9に示すように、情報処理ユニット部Bは、一般にパーソナルコンピュータといわれるような情報処理装置に用いられる汎用のOS(Operating System)によって制御されるマイクロコンピュータ構成とされている。情報処理ユニット部Bは、メインプロセッサであるCPU1031を有しており、このCPU1031には、CPU1031の作業用領域となるRAMや起動プログラムなどを記憶した読出し専用メモリであるROMで構成されるメモリユニット1032と、OSやプログラムを記憶するHDD等の記憶装置1034に対するデータの入出力を制御する記憶装置制御ユニット1035とが、バス接続されている。
また、CPU1031には、情報処理ユニット部Bを、HUB1019を介してLAN1002に接続するための通信インターフェースであるLAN制御部1033が接続されている。このLAN制御部1033に割り当てられるネットワークアドレスであるIPアドレスは、前述した画像処理ユニット部AのLAN制御部1018に割り当てられるIPアドレスとは異なるものである。すなわち、本実施の形態2のデジタルカラー複合機1001には、2つのIPアドレスが割り当てられていることになる。つまり、画像処理ユニット部Aと情報処理ユニット部BとはそれぞれLAN1002に接続されていることになり、画像処理ユニット部Aと情報処理ユニット部Bとの間においてはデータ交換が可能な構成になっている。
なお、デジタルカラー複合機1001はHUB1019を介してLAN1002に接続されていることから、見かけ上は、1つのIPアドレスのみが割り当てられているように見える。したがって、美観を損ねることはなく、結線等の取り扱いを容易にすることが可能になっている。
さらに、CPU1031には、操作パネルPを制御する表示制御ユニット1036、操作入力制御ユニット1037及びICカード認証制御ユニット1044が接続されている。操作パネルPは、例えばLCD(液晶表示装置)である表示装置1040と、操作入力装置1041とで構成されている。操作入力装置1041は、表示装置1040の表面に積層された超音波弾性波方式等の非図示のタッチパネルと、複数のキーを有する非図示のキーボードとで構成されている。
キーボードには、画像読み取りなどの処理の開始を宣言するためのスタートキー、数値入力を行うためのテンキー、読み取った画像データの送信先を設定する読み取り条件設定キー、クリアキー等が設けられている。すなわち、表示制御ユニット1036は、画像表示制御信号を制御パネルI/F1038を介して表示装置1040に出力し、画像表示制御信号に応じた所定事項を表示装置1040に表示させる。
一方、操作入力制御ユニット1037は、操作入力装置1041におけるオペレータによる機能設定や入力操作に応じた入力制御信号を、制御パネルI/F1038を介して受信する。さらに、ICカード認証制御ユニット1044は、ICカードリーダ1045においてユーザによってかざされたICカードCに記録された認証情報等を読み取り、読み取った認証情報等に対応して付与された権限の範囲内でのデジタルカラー複合機1001の使用を可能にする。
加えて、CPU1031には、画像処理ユニット部Aの制御パネルI/F1025と通信ケーブル1026を介して接続されている制御パネル通信ユニット1039が接続されている。制御パネル通信ユニット1039は、画像処理ユニット部Aから出力された画像表示制御信号を受信し、また、操作パネルPからのオペレータによる機能設定や入力操作に応じた入力制御信号を画像処理ユニット部Aに転送する。なお、詳細は後述するが、制御パネル通信ユニット1039で受信した画像処理ユニット部Aからの画像表示制御信号は操作パネルPの表示装置1040用にデータ変換処理されてから表示制御ユニット1036に出力され、また、操作パネルPからのオペレータによる機能設定や入力操作に応じた入力制御信号は画像処理ユニット部Aでの仕様に応じた形式にデータ変換処理されてから制御パネル通信ユニット1039に入力される。
前述したように記憶装置1034には、CPU1031が実行するOSやプログラムが格納されている。この意味で、記憶装置1034は、プログラムを記憶する記憶媒体として機能する。このデジタルカラー複合機1001では、ユーザが電源を投入するとCPU1031がメモリユニット1032内の起動プログラムを起動させ、記憶装置1034よりOSをメモリユニット1032内のRAMに読み込み、このOSを起動させる。このようなOSは、ユーザの操作に応じてプログラムを起動したり、情報を読み込んだり、保存を行ったりする。OSのうち代表的なものとしては、Windows(登録商標)系等が知られている。また、これらのOS上で走る動作プログラムは、アプリケーションプログラムと呼ばれる。情報処理ユニット部BのOSは、情報処理装置(サーバーコンピュータ1003やクライアントコンピュータ1004等)と同種のOS、すなわち汎用のOS(例えば、Windows(登録商標)等)とされている。
なお、前述したように、本実施の形態2のデジタルカラー複合機1001には、OS、デバイスドライバや各種アプリケーションプログラム等の各種のプログラムコード(制御プログラム)や画像データ等を記憶した記憶媒体M、すなわち、フレキシブルディスク、ハードディスク、光ディスク(CD−ROM,CD−R,CD−RW,DVD−ROM,DVDRAM,DVD−R,DVD+R,DVD−RW,DVD+RWなど)、光磁気ディスク(MO)、半導体メディア(SDメモリカード(登録商標),コンパクトフラッシュ(登録商標),メモリスティック(登録商標),スマートメディア(登録商標))などの記憶媒体Mに記憶されているプログラムコードや画像データ等を読み取る、または記憶媒体Mに対してプログラムコードや画像データ等を書き込む装置であるフレキシブルディスクドライブ装置、光ディスクドライブ装置、MOドライブ装置、メディアドライブ装置等の外部メディア入出力装置1009が搭載されている。このような外部メディア入出力装置1009は、CPU1031にバス接続されている入出力デバイス制御ユニット1042により制御される。
したがって、記憶装置1034に記憶されているアプリケーションプログラムは、この記憶媒体Mに記録されたアプリケーションプログラムがインストールされたものであってもよい。このため、記憶媒体Mも、アプリケーションプログラムを記憶する記憶媒体となり得る。さらには、アプリケーションプログラムは、例えばインターネット網1006およびLAN1002を介して外部から取り込まれ、記憶装置1034にインストールされてもよい。
なお、入出力デバイス制御ユニット1042には、USB,IEEE1394,SCSI等の各種インターフェース1043も接続されており、各種インターフェース1043を介してさまざまな機器(デジタルカメラ等)が接続可能とされている。
以下に、デジタルカラー複合機1001において実行する特徴的な処理について説明する。デジタルカラー複合機1001では、互いに異なる処理を行う複数の装置、この例では画像処理ユニット部Aと情報処理ユニット部Bがそれぞれ独立して処理を行えるようになっているので、画像処理ユニット部Aで画像読み取りの処理が行われているときに、情報処理ユニット部Bでは電子メールの受信などを行うといった動作が可能である。そして、このような例では、お互いの処理の結果が相互に影響しないので、画像処理ユニット部Aと情報処理ユニット部Bとが独立に動作していても問題はない。
また、デジタルカラー複合機1001では、これとは別に、情報処理ユニット部Bで動作するプログラムにより画像処理ユニット部Aの各機能を利用し、その結果を処理の対象とすることができる。例えば、画像処理ユニット部Aの画像読取装置1008により読み取った文書イメージの画像データを所定のアプリケーションプログラムにより文字認識処理をしてテキスト文書を獲得するという処理も可能である。
ただし、前記した処理を実現するには、常に両者が互いに独立して動作するのであれば、情報処理ユニット部Bのアプリケーションプログラムにより画像処理ユニット部Aの各機能を利用し、その結果を処理の対象とするという目的は達成できない。そこで、処理モジュールの組み合わせによるアプリケーションプログラムを動作させることで、画像処理ユニット部Aの各機能を利用できるようにしている。
画像処理ユニット部Aにおいて、画像処理制御ユニット1010で実行される制御システムのモジュールは複合機本来の機能をデジタルカラー複合機1001で実行するための制御を行うアプリケーションプログラムから構成される。デジタルカラー複合機1001は、情報処理ユニット部BからのみHUB1019(LAN1002)を介してアクセス可能なLAN制御部1018にネット対応機能モジュールのインターフェースを設けている。
ネット対応機能モジュールは、例えばスキャナ機能、ファクシミリ機能などのように通常の複合機が標準で備えている画像処理制御ユニット1010で実行される機能をLAN1002を介して使用可能にするものであり、画像処理ユニット部Aからも利用することはできない。
ネット対応機能モジュールはLAN1002からのアクセスを常時監視しているTCP/IP(Transmission Control Protocol/Internet Protocol)が、対応するポート番号の接続要求を検知したときに対応する機能の処理モジュールが起動するようになっている。
例えば、ポート番号1002の接続要求があったときは、ファクシミリ受信機能のモジュールが起動する。起動されたモジュールは、接続要求元の処理要求に協働して動作し、必要な応答を返す。
次に、情報処理ユニット部Bのアプリケーションプログラムの特徴について説明をする。例として、キーワード作成アプリケーションを説明する。
キーワード作成アプリケーションは、読み込まれた画像データに対して文字認識処理を行い、文字認識結果からキーワードを作成するものである。情報処理ユニット部Bの全体は、OSの管理下で各アプリケーションプログラムが動作している。
また、各アプリケーションプログラムはOSが提供する機能を利用できる。つまりアプリケーションプログラムを実行する中で、ソフトウェアの部品であるモジュールとして呼び出して必要な処理を行わせる形式で利用する。例として、TCP/IP制御モジュールなどがある。これはTCP/IPで接続されている他の情報機器などと通信を行うためにOSが標準で有している機能を実行する。
また、他のアプリケーションプログラムに利用されるために組み込まれた独立したアプリケーションプログラムも利用可能である。例えば、OCRエンジンは、画像データから文字認識処理のみ行う。単独では動作しないで、他のアプリケーションプログラムの部品(モジュール)として利用される。
このように、情報処理ユニット部B全体ではOSの管理下で各アプリケーションプログラムが動作することができるので、これらの機能を単独または複数個組み合わせたアプリケーションプログラムを開発することができる。
ところが、既存の技術では画像処理ユニット部Aなどの機能をこのような手段で直接利用することはできない。
すなわち、前述したように、デジタルカラー複合機1001では、複合機本来の機能を実現するための画像処理ユニット部Aとアプリケーションプログラムを実行するための情報処理ユニット部Bを設け、デジタルカラー複合機1001の内部でネットワークプロトコル(この例では、TCP/IP)によりLAN1002を介して接続している。
しかしながら、これは物理的な接続が可能になっているだけであり、したがって、画像処理ユニット部Aと情報処理ユニット部Bとの間でデータを相互に通信することはできるが、既存の技術を利用しただけでは、情報処理ユニット部Bで動作するアプリケーションプログラム内部から画像処理ユニット部Aの機能を利用可能にすることができない。
そこで、情報処理ユニット部Bで動作するアプリケーションプログラム内部から画像処理ユニット部Aの機能を利用可能にする手段について説明する。
例えば、キーワード作成アプリケーションにおいて、文字認識の対象となる画像データは、画像処理ユニット部Aで管理されている画像読取装置1008から読み込まれた画像データである。
ここで、画像読取装置1008に対して画像読み取りの動作を指示するためには、ポート番号1001番を指定してTCP/IPコネクション要求を画像処理ユニット部Aに対して行う必要がある。また、このときに、処理の内容を示したデータもデータストリームとして同時に送る。ポート番号1001番で指定された機能は、画像読取装置1008が画像読み取りを行い、その読み取った画像データに任意のファイル名を付けて情報処理ユニット部B側へ転送するというものである。このような処理の内容は予め取り決めておき、それらの機能を個別に利用するためにポート番号を割り当てておく。
このようにしてキーワード作成アプリケーションから画像処理ユニット部Aの機能を利用することが可能になる。なお、通信プロトコルに関してはTCP/IPに限定するものではなく、他の方式であってもよい。
(デジタルカラー複合機1001の機能構成例)
図10は、本実施の形態2におけるデジタルカラー複合機1001の機能構成を示すブロック図である。なお、図10に示す各ブロック間を結ぶ矢印は代表的な信号の流れを表すものであって、各ブロックの機能を限定するものではない。また、前述した図2に示す機能構成も含まれるものとすることができる。
図10において、デジタルカラー複合機1001は、表示入力制御部1110、共通認証制御部1120、第1外部機器認証制御部1130、第2外部機器認証制御部1140、個人メニュー管理部1150、個人メニュー認証部1160、個人メニュー機能実行部1170、メディア文書実行部1180、ファイル送信実行部1190、認証設定情報部(認証設定情報記憶部)1210、個人設定情報(認証基準情報)部(個人設定情報記憶部)1220などを有する。なお、前述のように、図10の個人設定情報部1220は、図2の設定情報部210と対応している。
また、共通認証制御部1120は、認証情報取得部1122、制御部1124、ネットワーク認証判定部1126、ローカル認証判定部1128などを有する。
表示入力制御部1110は、各種表示及び入力に係る制御を行う。例えば操作パネルP(図9参照)に表示されるメイン画面から、個人認証キーを押して認証情報の入力画面から入力されたユーザ(ユーザ名とパスワード等)の認証情報を入力する認証情報入力手段としての機能を有する。
共通認証制御部1120は、各種認証に係る制御を行う。例えば表示入力制御部1110により入力された認証情報を用いて、後述する認証設定情報部1210により記憶された認証設定情報(図11参照)に従って認証情報取得部1122、制御部1124、ネットワーク認証判定部1124、ローカル認証判定部1128などにより各種認証に係る制御を行う。
認証情報取得部1122は、認証情報を取得する。例えば表示入力制御部1110により入力されたユーザ名とパスワード等の認証情報を取得する。また例えばICカードリーダ1045(図9参照)などの外部記憶媒体読み書き装置を用いて、外部記憶媒体(認証用ICカード等)に記録された認証情報を取得する。また当該デジタルカラー複合機1001に指紋認証、静脈認証などの生体認証を行う機能が備わっている場合には、指紋や手のひらや指の血管の形を読み取ることにより認証情報を取得することもできる。このように、認証情報取得部1122は、各々入力された、ユーザ名とパスワード等の第1の認証情報、及び、認証用ICカードに記録された第1の認証情報と異なる第2の認証情報を取得する。
制御部1124は、後述する認証設定情報部1210により記憶された認証設定情報に従って、認証情報取得部1122により取得された認証情報に基づく各種認証を制御する。具体的には、後述するネットワーク認証判定部1126、ローカル認証判定部1128などを用いてこれを行う。
ネットワーク認証判定部1126は、ネットワークを介して接続された外部機器(例えば図7のサーバコンピュータ1003)で行うネットワーク認証の成否を判定する。例えば、認証情報取得部1122により取得した認証情報を、後述の第1外部機器認証制御部1130を介して外部機器に送信し、外部機器から認証情報に基づく認証の成否に係る情報を受信することにより判定する。
ローカル認証判定部1128は、デジタルカラー複合機1001における認証の成否を判定する。例えば、認証情報取得部1122により取得した認証情報と、後述の個人設定情報部1220に記憶された認証基準情報とを比較することにより判定する。
第1外部機器認証制御部1130は、第1の外部機器1003(例えば図7のサーバーコンピュータ1003)における認証に係る制御を行う。例えば認証情報取得部1122により取得した認証情報を、第1の外部機器1003に送信し、第1の外部機器1003から認証情報に基づく認証の成否に係る情報を受信することにより認証に係る制御を行う。
第2外部機器認証制御部1140は、第2の外部機器1004(ここではデジタルカラー複合機1001)における認証に係る制御を行う。ここでは、デジタルカラー複合機1001の有する機能が2つの機能、即ちデジタルカラー複合機1001のユーザ毎に用意された個人メニュー機能とそれ以外の機能(例えばデジタルカラー複合機1001のスキャナ、コピー等の共通機能)に分けられている。本実施の形態においては、後者の機能を有する機器を第2の外部機器1004として識別している。第2の外部機器1004は、前述した第1の外部機器1003と同じようにネットワークを介して接続されたデジタルカラー複合機1001と異なる機器である構成をとってもよい。
個人メニュー管理部1150は、後述の個人設定情報部1220に記憶された個人設定情報を管理する。個人メニュー認証部1160は、デジタルカラー複合機1001のユーザ毎に用意された個人メニュー機能の使用に係る認証を行う。例えば認証情報取得部1122により取得した認証情報と、個人設定情報部1220に記憶された認証基準情報とを比較することにより認証を行う。
個人メニュー機能実行部1170は、個人メニュー認証部1160における認証に成功すると、個人メニュー管理部1150を介して個人設定情報部1220に記憶された個人設定情報を呼び出し、その個人設定で個人メニューを開始する。メディア文書実行部1182は、例えば外部メディア入出力装置1009(図8参照)に接続されたマルチメディアカード(登録商標)などのメディアにおける文書の読み書きなどの各種処理を実行する。個人メニューの機能の一つの例である。ファイル送信実行部1190は、例えばネットワークを介して接続された機器に対してファイル送信を実行する。個人メニューの機能の一つの例である。
認証設定情報部1210は、デジタルカラー複合機1001における認証に係る認証設定情報を記憶する。認証設定情報の例については図11を用いて後述する。個人設定情報部1220は、デジタルカラー複合機1001における個人設定情報(認証情報の認証のための認証基準情報を含む)を記憶する。個人設定情報の例については図12を用いて後述する。
以上の機能の構成により、デジタルカラー複合機1001では、当該デジタルカラー複合機1001、第1外部機器1003及び第2の外部機器1004などの認証を行う。認証に成功すると、各々の装置が備える機能は利用可能になる。
(認証設定情報の例)
図11は、認証設定情報部に記憶される認証設定情報の例を示す表である。ここでは、図10の認証設定情報部1210に記憶される認証設定情報の一例を説明する。
図11(a)は、デジタルカラー複合機1001における個人メニューに係る認証のための個人メニュー認証設定テーブルの一例である。図11(a)では、「第一認証」、「第二認証」、「外部機器接続失敗時に個人メニュー認証だけでログイン」の項目が設定される。
本実施の形態におけるデジタルカラー複合機1001では、第一認証、第二認証を順に行い、両方の認証が成功した場合に、ユーザに用意された個人メニューにログインすることができる。第一認証とは、ここでは個人メニューを確定する認証である。第二認証とは、ここではセキュリティ強化用の認証である。認証動作の詳細については図14などを用いて後述する。さらに、第一認証、第二認証の後にバックグラウンドでデジタルカラー複合機1001の認証(MFP認証とよばれる)を行うようにすることにより3つの複合認証を行うように構成することもできる。
図11(a)は「第一認証」にネットワーク認証、「第二認証」にICカード認証(ICカードに基づく認証)が設定された例を示す。このとき、ネットワーク認証、ICカード認証の順に認証を行い、両方の認証が成功したら個人メニューにログインする。逆に「第一認証」「第二認証」にそれぞれICカード認証、ネットワーク認証が設定された場合は、ICカード認証、ネットワーク認証の順に認証を行う。なお、「第一認証」、「第二認証」に指定できる認証の形態はネットワーク認証、ICカード認証に限らない。デジタルカラー複合機1001が有する認証の形態に応じて指定することができる。
また、図11(a)の「外部機器接続失敗時に個人メニュー認証だけでログイン」の項目は、例えばネットワークの不具合などによりデジタルカラー複合機1001がネットワークを介して接続された外部機器へ接続不可である場合に、個人メニュー認証部1160(図10参照)による個人メニュー認証だけでログインをするか否かを設定するための設定項目である。
これにより、ネットワーク認証で一度成功していた場合は、サーバーへの接続失敗時に個人メニュー認証だけでログインすることができる。なお、後述のネットワーク認証に係る設定情報が変更されたら、成功履歴は消去されるようにしてもよい。
図11(b)は、デジタルカラー複合機1001におけるネットワーク認証(ここでは第1の外部機器1003に対するネットワーク認証)に係る設定情報である第1外部機器認証設定テーブルの一例である。図11(b)では、「サーバタイプ」、「ドメイン名」、「識別名」、「第1外部機器アドレス」などの第1の外部機器1003に係る設定情報、及び、「個人メニュー認証連携」「ホームディレクトリを自動登録/更新」の項目が設定されている。
「個人メニュー認証連携」は、ネットワーク認証と個人メニュー認証の連携に係る設定情報である。各項目についての簡単な説明を以下に行う。
「個人メニュー自動登録(第一認証のみ)」では、ネットワーク認証に用いる認証情報で個人メニューを自動登録するか否かを設定する。「パスワード自動更新(第一認証のみ)」では、ネットワーク認証に用いるパスワードで個人メニュー認証に用いるパスワードを自動更新するか否かを設定する。「個人情報を自動更新(第二認証のみ)」では、ネットワーク認証に用いる認証情報で個人メニュー認証に用いる認証情報を自動更新するか否かを設定する。
「ホームディレクトリを自動登録/更新」は、第1の外部機器1003のホームディレクトリ設定に従って、「ホームディレクトリ」下のディレクトリにある共有メディアを自動的に登録/更新するか否かを設定するための情報である。
このようにネットワーク認証の場合、個人メニュー自動登録(第一認証のみ)、パスワード自動更新(第一認証のみ)、個人情報を自動更新(第二認証のみ)、ホームディレクトリの自動登録/更新(第一認証、第二認証)を行うことができる。
図11(c)は、デジタルカラー複合機1001におけるICカード認証のためのICカード認証設定テーブルの一例である。図11(c)では、「個人メニュー認証連携」、「ユーザ名/パスワード認証を併用」、「ICカード未登録ユーザに限定」の項目が設定されている。
「個人メニュー認証連携」は、ここではICカード認証と個人メニュー認証の連携に係る設定情報である。各項目についての簡単な説明を以下に行う。
「個人メニュー自動登録(第一認証のみ)」では、認証時にデジタルカラー複合機1001に未登録のICカードが読み込まれた場合に、ICカード認証に用いる認証情報で個人メニューを自動登録するか否かを設定する。「ICカード自動登録(第一認証のみ)」では、認証時にデジタルカラー複合機1に未登録のICカードが読み込まれた場合に、ユーザ名/パスワード情報の入力を促し、入力されたユーザ名/パスワード情報に基づく認証が成功したユーザにICカードを登録するか否かを設定する。
「ユーザ名/パスワード認証を併用」では、認証時に、ICカードとユーザ名/パスワードのどちらでも認証することができる。
「ICカード未登録ユーザに限定」は、認証時にデジタルカラー複合機1001に未登録のICカードを用いた認証に限定して認証を許可するか否かを設定する。
このようにICカード認証の場合、個人メニュー自動登録(第一認証のみ)、ICカード自動登録(第一認証のみ)ユーザ名/パスワード認証を併用(第一認証、第二認証)を行うことができる。また、ICカード未登録ユーザに限定することができる。
さらに、「第一認証」がICカード認証、「第二認証」がネットワーク認証の場合、ICカード番号のユーザ名で個人メニューを自動登録して、次に、ネットワーク認証で個人情報を更新すれば、ICカード番号のユーザ名をネットワーク認証のユーザ名に自動的に変更することができる。
(個人設定情報(認証基準情報)の例)
図12は、個人設定情報部に記憶される個人設定情報の例を示す表である。ここでは、図10の個人設定情報部1220に記憶される個人設定情報の一例を説明する。本実施形態における個人設定情報は、図10(b)に示す個人設定情報と該個人設定情報に対応付けて設定される図10(a)の認証基準情報により構成され、ユーザ毎に設定される複数の設定情報である。
図12(a)は、デジタルカラー複合機1001が取得した認証情報を認証するための認証基準情報の一例である。当該デジタルカラー複合機1001のユーザ毎に「ICカード」、「個人メニュー認証ユーザ名」、「個人メニュー認証パスワード」、「第1外部機器ユーザ名」、「第1外部機器パスワード」、「第2外部機器ユーザ名」、「第2外部機器パスワード」の項目が互いに対応付けて設定される。各項目についての簡単な説明を以下に行う。
図12(a)の「ICカード」は、ICカードに記録された認証情報を認証するための認証基準情報である。「第1外部機器ユーザ名」及び「第1外部機器パスワード」は、第1の外部機器1003(図10参照)により認証を行うための認証基準情報である。「第2外部機器ユーザ名」及び「第2外部機器パスワード」は、第2の外部機器1004(図10参照)により認証を行うための認証基準情報である。「個人メニュー認証ユーザ名」及び「個人メニュー認証パスワード」は、個人メニュー認証部1160(図10参照)により認証を行うための認証基準情報である。
これらの認証基準情報のうち、「ICカード」、「第1外部機器ユーザ名」及び「第1外部機器パスワード」は、複数のデジタルカラー複合機間で共通の設定情報であって当該ネットワーク同期システム1に接続された前記共通の設定情報を管理するサーバ装置等から取得される設定情報である。また、「第2外部機器ユーザ名」、「第2外部機器パスワード」、「個人メニュー認証ユーザ名」及び「個人メニュー認証パスワード」は、当該デジタルカラー複合機1001の装置に固有の設定情報である。
従って、本実施の形態2におけるネットワーク同期システム1によれば、複数のデジタルカラー複合機の間で各々の装置に固有の設定情報(「第2外部機器ユーザ名」等)の同期を行うように構成することができる。そのために、各々の装置は、図12(a)に示される認証基準情報のテーブルを有している。なお、各々の装置間で共通の設定情報(「ICカード」等)についてはサーバ装置等との通信を介して取得するように構成することができる。
図12(b)は、デジタルカラー複合機1001において管理される個人設定情報の一例である。当該デジタルカラー複合機1001のユーザ毎に(ここではユーザAを例に示す)「ふりがな」、「名前」、「所属」、「個人メニュー認証情報」、「第1外部機器認証情報」、「第2外部機器認証情報」、「個人メニュー自動消去」、「個人メニュー自動消去設定保存域」、「機能制限情報」、「登録宛先情報」、「共有メディア情報」、「最新使用状況保存域」の項目が個人設定情報として対応付けて設定される。なお、図3(b)に示す個人設定情報は、登録されたユーザ数(1又は複数)だけ存在する。各項目についての簡単な説明を以下に行う。
図12(b)の「ふりがな」及び「名前」は当該ユーザのユーザ名である。「所属」は当該ユーザの属するグループ名である。「個人メニュー認証情報」は、当該ユーザの個人メニュー認証情報であり図12(a)の「個人メニュー認証ユーザ名」及び「個人メニュー認証パスワード」に対応している。「第1外部機器認証情報」は、当該ユーザの第1外部機器認証情報であり図12(a)の「第1外部機器ユーザ名」及び「第1外部機器パスワード」に対応している。「第2外部機器認証情報」は、当該ユーザの第2外部機器認証情報であり図12(a)の「第2外部機器ユーザ名」及び「第2外部機器パスワード」に対応している。「個人メニュー自動消去」は、当該ユーザの個人メニューの自動消去に係る情報である。「個人メニュー自動消去設定保存域」は、当該ユーザの個人メニューの自動消去に係る設定情報である。ここでの設定情報とは、個人メニューの自動消去を行うか否かの設定情報及び個人メニューの保管期間、即ち当該ユーザが自身の個人メニューを最後に利用してから自動消去がされるまでの期間(例えば3日)、の設定情報である。
続いて図12(b)の「機能制限情報」は、当該ユーザが利用するデジタルカラー複合機1001の機能に係る制限情報である。具体的には、当該デジタルカラー複合機1001がコピー機能、ファクシミリ機能、プリント機能、スキャナ機能および入力画像(スキャナ機能による読み取り原稿画像やプリント機能あるいはファクシミリ機能により入力された画像)を配信する機能等の機能を備える場合には、各々の機能についてその利用を当該ユーザに許可するか否かの設定情報である。このような機能制限情報に基づいて、当該ユーザが利用可能なデジタルカラー複合機1001の機能が制限される。
続いて図12(b)の「登録宛先情報」は、当該ユーザが利用する宛先(前記入力画像の配信先等)に係る情報を登録したアドレス帳である。「共有メディア情報」は、当該ユーザに割り当てられたホームディレクトリ下の共有メディアを見るためのアドレス帳である。「最新使用状況保存域」は、当該ユーザが最後に使用した個人メニューの復元情報である。
以上、図12(b)に示す個人設定情報の各項目について説明を行ってきたが、特に図12(b)の(4)、(6)〜(12)に示す各項目に係る個人設定情報は、デジタルカラー複合機1001が自機と異なるデジタルカラー複合機との間で同期を行う対象の設定情報である。それは、これらの各項目に係る個人設定情報は、当該デジタルカラー複合機1001においてユーザ毎に固有に設定される設定情報であるからである。一方、図12(b)の(1)〜(3)及び(5)に示される各項目に係る個人設定情報は、同期を行う対象ではない設定情報である。それは、これらの各項目に係る個人設定情報は、第1の外部機器1003(例えばサーバーコンピュータ1003)等により管理される設定情報であり、デジタルカラー複合機1001は第1の外部機器1003との間での通信により同設定情報を取得できるためである。
つまり、本実施の形態2におけるネットワーク同期システム1によれば、複数のデジタルカラー複合機の間で各々の装置の保持する個人設定情報の内の各々の装置においてユーザ毎に固有の設定情報の同期を行うように構成することができる。一方で、各々の装置においてユーザ毎に固有ではない共通の設定情報については、デジタルカラー複合機と第1の外部機器1003との間での通信により取得される。その後、各々のデジタルカラー複合機において両情報(ユーザ毎に固有の設定情報とユーザ毎に固有ではない共通の設定情報)を図12(b)のように対応付けて設定する。
そのため、以下に掲げる利点を奏する。その利点とは、ユーザ情報を一括して管理する第1の外部機器1003としての汎用サーバがある場合に、当該汎用サーバに対して特別な設計変更をすることなく当該汎用サーバを当該ネットワーク同期システム1に組み込むことができることである。また、当該ネットワーク同期システム1によれば、各々の装置の設定情報に応じて適切に同期を実現することができる。
また、複数のデジタルカラー複合機の間で同期を行う個人設定情報が図12(b)の「機能制限情報」である場合には、当該ユーザは一のデジタルカラー複合機において自身が利用可能な機能を他のデジタルカラー複合機においても利用することができるようになる。例えばユーザAが自身の所属する本社に設置されたデジタルカラー複合機の「スキャンツーメール(スキャンした画像を自動的に自分のメールアドレスに送信する)」の機能を利用可能であるとする。このとき、ユーザAは支社に外出した際に支社に設置されたデジタルカラー複合機の「スキャンツーメール」の機能を利用したい場合を想定する。この場合であっても、本社に設置されたデジタルカラー複合機と支社に設置されたデジタルカラー複合機との間で当該ユーザAの機能制限情報が同期されることにより、ユーザAは支社に外出した際に特別な設定を自らすることなく支社に設置されたデジタルカラー複合機の「スキャンツーメール」の機能を利用することができる。
(同期設定情報の例)
図13は、同期設定情報部に記憶される同期設定情報の例を示す表である。図13で示される各項目は、図4で示すそれらと同様であるとしてここでは説明を省略する。
(ネットワーク同期の具体例)
以下、本実施の形態2におけるネットワーク同期の具体例について説明する。ここでは、当該ネットワーク同期システム1が、ユーザ1とユーザ2の個人設定情報(上記個人設定情報の内のユーザ毎に固有の設定情報)を有する情報処理装置Aと、ユーザ2とユーザ3の個人設定情報を有する情報処理装置Bとにより構成されている場合に、情報処理装置Aと情報処理装置Bとの間でネットワーク同期を行う場合について説明を行う。
この場合には、設定情報が個人設定情報に置き換わる点を除いて、前述の実施形態1に示したネットワーク同期の具体例と同様の動作になるため、ここでは詳細な動作については省略するが、以下に補足を行う。
ネットワーク同期を行うことにより、情報処理装置Aは情報処理装置Bとの間で個人設定情報の同期を行うことができるが、ユーザ1の個人設定情報は情報処理装置Aから情報処理装置Bに上書きされ、ユーザ2の個人設定情報は情報処理装置Bから情報処理装置Aに上書きされる。つまり、情報処理装置Aと情報処理装置Bとの間では個人設定情報がユーザ毎(或いは個人設定情報毎)に独立して双方向に更新される。
このように、複数のユーザの個人設定情報を同期する際には、ユーザ毎に同期に係る優先順位が異なるように構成される。
(デジタルカラー複合機1001の認証動作の第1の例)
図14は、本実施の形態2におけるデジタルカラー複合機1001の認証動作の第1の例を示すフローチャート図である。ここでは、図11(a)の個人メニュー認証設定テーブルの「第一認証」「第二認証」にそれぞれネットワーク認証、ICカード認証が設定された場合のデジタルカラー複合機1001の動作を図10の機能ブロック図を参照しながら説明する。
まず、認証情報を取得する(S1001)。ステップS1001では、認証情報取得部1122は、表示入力制御部1110により入力されたユーザ名とパスワード等の認証情報を取得する。続いてステップS1002へ移って、第一認証(ここでは第1外部機器1003による認証)を行う(S1002)。ここでは、制御部1124は、認証設定情報部1210により記憶された認証設定情報(ここでは「第一認証」はネットワーク認証)に従って、ネットワーク認証判定部1126により認証を行う。なお、第一認証の詳細については図16を参照するとしてここでは説明を省略する。
ステップS1003へ移って、認証結果は成功か否かを判定する(S1003)。ここでは、ネットワーク認証判定部1126は、ステップS1002において行った第一認証の成否を判定する。具体的には、ステップS1001で取得した認証情報を、第1外部機器認証制御部1130を介して第1の外部機器1003に送信し、第1の外部機器1003から認証情報に基づく認証の成否に係る情報を受信することにより判定する。
ステップS1003において、認証結果が成功したと判定すると(S1003、YES)、ステップS1004へ移る。認証結果が失敗したと判定すると(S1003、NO)、ここではステップS1009へ移ってエラー表示を行って処理を終了する。
ステップS1004へ移った場合、個人メニュー認証部1160に認証を依頼する(S1004)。ここでは、制御部1124(共通認証制御部1120)は、個人メニュー認証部1160に認証を依頼する。
ステップS1005へ移って、認証結果は成功か否かを判定する(S1005)。ここでは、ステップS1004で認証の依頼を受けた個人メニュー認証部1160は、ステップS1001で取得したユーザ名・パスワード情報を用いて、個人設定情報部1220に記憶された認証基準情報を用いて認証を行う。これにより、図12(a)の認証基準情報テーブル上の複数のユーザデータから、現にデジタルカラー複合機1001に認証情報を入力したユーザに係る情報を確定(抽出)している。
ステップS1005において、認証結果が成功したと判定すると(S1005、YES)、ステップS1006へ移る。認証結果が失敗したと判定すると(S1005、NO)、ここではステップS1009へ移ってエラー表示を行って処理を終了する。
ステップS1006へ移った場合、第二認証(ここではICカードによる認証)を行う(S1006)。ここでは、認証情報取得部1122は、ICカードリーダ1045(図9参照)を用いてICカードに記録された認証情報を取得する。さらに、制御部1124は、認証設定情報部1210により記憶された認証設定情報(ここでは「第二認証」はICカード認証)に従って、ローカル認証判定部1128により認証を行う。なお、第二認証の詳細については図17を参照するとしてここでは説明を省略する。
ステップS1007へ移って、認証結果は成功か否かを判定する(S1007)。ここでは、ローカル認証判定部1128は、ステップS1006で取得したICカードに記録された認証情報を用いて、図12(a)の認証基準情報テーブル上の、ステップS1005で現にデジタルカラー複合機1001に認証情報を入力したユーザとして確定(抽出)したユーザの列の「ICカード」の情報を用いて認証を行う。なお、「ICカード」の情報がない場合には、ステップS1006で取得したICカードに記録された認証情報の認証のための認証基準情報を、登録/更新したりすることもできる。
ステップS1007において、認証結果が成功したと判定すると(S1007、YES)、ステップS1008へ移る。認証結果が失敗したと判定すると(S1007、NO)、ここではステップS1009へ移ってエラー表示を行って処理を終了する。
ステップS1008へ移った場合、個人設定の個人メニューを開始する(S1008)。ここでは、個人メニュー機能実行部1170は、現にデジタルカラー複合機1001に認証情報を入力したユーザ用の個人設定の個人メニューを開始する。
以上で示される処理により、デジタルカラー複合機1001では、図11(a)の個人メニュー認証設定テーブルの「第一認証」「第二認証」にそれぞれネットワーク認証、ICカード認証が設定された場合の動作を行う。
(デジタルカラー複合機1001の認証動作の第2の例)
図15は、本実施の形態2におけるデジタルカラー複合機1001の認証動作の第2の例を示すフローチャート図である。
ここでは、図11(a)の個人メニュー認証設定テーブルの「第一認証」「第二認証」にそれぞれICカード認証、ネットワーク認証が設定された場合のデジタルカラー複合機1001の動作を図10の機能ブロック図を参照しながら説明する。
まず、認証情報を取得する(S1011)。ステップS1011では、認証情報取得部1122は、ICカードリーダ1045(図9参照)を用いてICカードに記録された認証情報を取得する。続いてステップS1012へ移って、第一認証(ここではICカード認証)を行う(S1012)。ここでは、制御部1124は、認証設定情報部1210により記憶された認証設定情報(ここでは「第一認証」はICカード認証)に従って、ローカル認証判定部1128により認証を行う。なお、第一認証の詳細については図16を参照するとしてここでは説明を省略する。
ステップS1013へ移って、認証結果は成功か否かを判定する(S1013)。ここでは、ローカル認証判定部1128は、ステップS1012において行った第一認証の成否を判定する。具体的には、ステップS1001で取得した認証情報と、個人設定情報部1220に記憶された認証基準情報とを比較することにより判定する。これにより、図12(a)の認証基準情報テーブル上の複数のユーザデータから、現にデジタルカラー複合機1001に認証情報を入力したユーザに係る情報を確定(抽出)している。
ステップS1013において、認証結果が成功したと判定すると(S1013、YES)、ステップS1014へ移る。認証結果が失敗したと判定すると(S1013、NO)、ここではステップS1017へ移ってエラー表示を行って処理を終了する。
ステップS1014へ移った場合、第二認証(ここでは第1外部機器1003による認証)を行う(S1014)。ここでは、制御部1124は、認証設定情報部1210により記憶された認証設定情報(ここでは「第二認証」はネットワーク認証)に従って、図12(a)の認証基準情報テーブル上の、ステップS1011で現にデジタルカラー複合機1001に認証情報を入力したユーザとして確定(抽出)したユーザの列の「第1外部機器ユーザ名」「第1外部機器パスワード」の情報を用いて認証を行う。具体的には、ネットワーク認証判定部1126が、「第1外部機器ユーザ名」「第1外部機器パスワード」を、第1外部機器認証制御部1130を介して第1の外部機器1003に送信する。第1の外部機器1003は、受信した認証情報に基づく認証を行い、認証の成否に係る情報をネットワーク認証判定部1126に対して送信する。なお、第二認証の詳細については図17を参照するとしてここでは説明を省略する。
ステップS1015へ移って、認証結果は成功か否かを判定する(S1015)。ここでは、ローカル認証判定部1128は、ステップS1015で取得した認証の成否に係る情報を用いて判定する。
ステップS1015において、認証結果が成功したと判定すると(S1015、YES)、ステップS1016へ移る。認証結果が失敗したと判定すると(S1015、NO)、ここではステップS1017へ移ってエラー表示を行って処理を終了する。
ステップS1016へ移った場合、個人設定の個人メニューを開始する(S1016)。ここでは、個人メニュー機能実行部1170は、現にデジタルカラー複合機1001に認証情報を入力したユーザ用の個人設定の個人メニューを開始する。
以上で示される処理により、デジタルカラー複合機1001では、図11(a)の個人メニュー認証設定テーブルの「第一認証」「第二認証」にそれぞれICカード認証、ネットワーク認証が設定された場合の動作を行う。
これにより、複数の人が使用する場合であっても、認証作業を簡単にすることができる。特に、デジタルカラー複合機1001を多数の人が使用する場合、使用者が交代する際には、外部記憶媒体から取得される認証用情報に基づき認証を行うことにより、使用者が交代する毎に、操作部による第1の認証用情報の入力を行う必要がない。また、これにより、ユーザ名・パスワードによる認証に比べて情報の漏洩が低減させることができる。
また、デジタルカラー複合機1001が第1外部機器認証制御部1130を備えているので、外部機器であるサーバーコンピュータ1003がこのような第1外部機器認証制御部1130を備える必要がない。すなわち、外部機器の機能変更を行うことなく、デジタルカラー複合機1001を簡単にネットワークに後付けすることができる。
以上、各実施形態に基づき本発明の説明を行ってきたが、上記各実施形態にあげたその他の要素との組み合わせなど、ここで示した要件に本発明が限定されるものではない。これらの点に関しては、本発明の主旨をそこなわない範囲で変更することが可能であり、その応用形態に応じて適切に定めることができる。