JP5014066B2 - 過酸化水素製造用電解セル - Google Patents

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Description

本発明は、電気化学的な反応を利用して過酸化水素を製造する電解セルに関する。特に、本発明は、家電、医療機器、プラント等において利用可能な過酸化水素製造用電解セルに関する。
過酸化水素は、その強力な酸化力により、各種の酸化剤、殺菌剤及び漂白剤として一般的に使用されている。かかる過酸化水素は、水と酸素とに最終的に分解するため、他の酸化剤と比較してクリーンで環境に優しいという特徴がある。
過酸化水素は、現在、アントラキノン類を自動酸化する電気分解を使わないプロセスで主に製造されているが、パルプ工場での漂白等のように、安定剤を含まない純度の高い過酸化水素をオンサイトで製造する場合には電解による製造の方が有利である。
電解による過酸化水素の製造としては、酸素の還元反応や、水の直接酸化反応を用いる方法があるが、酸素の還元反応を用いるのが一般的である。
酸素の還元反応において、電解質にアルカリを用いた場合、各電極では以下の反応が起こる。
陰極:O+HO+2e→OH+HO 標準電極電位−0.065V (1)
陽極:4OH→O+2HO+4e 標準電極電位0.411V (2)
一方、電解質に酸を用いた場合、各電極では以下の反応が起こる。
陰極:O+2H+2e→H 標準電極電位0.68V (3)
陽極:HO→O+4H+4e 標準電極電位1.23V (4)
上記のような電解による反応を利用する過酸化水素製造装置としては、イオン交換膜と、電解液を含む陽極室及び陰極室と、陰極に酸素を供給するためのガス室とから構成された電解装置がある(例えば、特許文献1)。この電解装置は、過酸化水素発生効率が高く、工業的な過酸化水素の製造に適しており、陰極室からアルカリ性の過酸化水素溶液を得ることができる。
また、イオン交換膜からなる電解質層を陽極及び陰極により狭持してなる電解セルがある(例えば、特許文献2)。
米国特許第4384931号明細書 特開昭58−213885号公報
しかしながら、特許文献1の電解装置では、電解液としてアルカリ溶液を供給する必要があり、アルカリ溶液を供給しない場合には陰極と陽極との間のイオン伝導度の増大に伴って槽電圧が著しく高くなる。そのため、アルカリ溶液を供給できない場所における過酸化水素の製造には適用が難しいという問題がある。
一方、特許文献2の電解セルでは、イオン交換膜からなる電解質層と各電極とが接触しているため、電解液を別途供給することなく、水と酸素含有ガス(例えば、空気)だけで過酸化水素を製造することができる。さらに、この電解セルでは、電解質層として多孔質のものを用いることにより、陽極で発生した酸素や外部からの酸素含有ガスを、電解質層の孔を経由して陰極に直接供給できるため、効率良く過酸化水素を製造することができる。しかしながら、かかる電解セルには、陽極で発生した酸素ガスを捕集する機構がないため、陽極で発生した酸素ガスを有効に利用できていない。その結果、酸素ガスが陽極表面に滞留し、陽極反応に必要な水の陽極への供給が阻害され、陽極過電圧が増大して槽電圧が増大する。さらに、酸素ガスの滞留が不安定な場合には、槽電圧がふらつくという問題もある。
本発明は、上記のような問題を解決するためになされたものであり、水及び酸素含有ガス(例えば、空気)のみを原料として過酸化水素を製造する電解セルであって、陽極で発生した酸素を陰極へ円滑に供給すると共に、陽極での酸素ガスの滞留を抑制して水を陽極へ円滑に供給することが可能な過酸化水素製造用電解セルを提供することを目的とする。
本発明は、イオン伝導性の電解質層を陽極及び陰極により狭持してなる過酸化水素製造用電解セルであって、前記電解質層が、前記陽極と前記陰極との間を連通する連通孔を有し、且つ前記陽極の前記電解質層に接する面とは反対側の面に親水性多孔質層を配置したことを特徴とする過酸化水素製造用電解セルである。
本発明によれば、水及び酸素含有ガス(例えば、空気)のみを原料として過酸化水素を製造する電解セルであって、陽極で発生した酸素を陰極へ円滑に供給すると共に、陽極での酸素ガスの滞留を抑制して水を陽極へ円滑に供給することが可能な過酸化水素製造用電解セルを提供することができる。
以下に、図面を参照して本発明の実施の形態を詳細に説明する。なお、この実施の形態は、本発明を説明するためのものであり、発明の範囲を限定するものではない。
実施の形態1.
図1は、実施の形態1における過酸化水素製造用電解セルの断面図である。図1において、過酸化水素製造用電解セルは、電解質層1と、電解質層1を狭持する陽極2及び陰極3と、陽極2の電解質層1に接する面とは反対側の面に配置された親水性多孔質層4とから構成されている。そして、電解質層1には、陽極2と陰極3との間を連通する連通孔5が形成されている。また、陽極2及び陰極3には、過酸化水素製造用電解セルに電子を供給するための直流電源6が接続されている。さらに、親水性多孔質層4の陽極2に接する面とは反対側の面には陽極室7が配置され、陰極3の電解質層1に接する面とは反対側の面には陰極室8が配置されている。
この過酸化水素製造用電解セルでは、陽極室7及び陰極室8に水を供給して、陽極2及び陰極3を水に浸漬させる。ここで、陽極2は、親水性多孔質層4を経由して水に浸漬される。次いで、陽極2側を正、陰極3側を負とする直流電圧を直流電源6により印加すると、陽極2から陰極3に電子が流れる。ここで、印加電圧は、使用する陽極2、陰極3及び電解質層1の種類等によって異なるが、一般に約2〜3Vである。そして、かかる電圧が印加されると、電解質層1にアルカリ(アニオン伝導体)を用いた場合には、各電極において上述の(1)及び(2)の反応が進行し、また、電解質層1に酸(カチオン伝導体)を用いた場合には、各電極において上述の(3)及び(4)の反応が進行する。
かかる反応において、陽極2では酸素が発生し、通常の電解セルであれば、かかる酸素が外部に散逸してしまう。しかし、本実施の形態における過酸化水素製造用電解セルでは、陽極2の電解質層1に接する面とは反対側の面に親水性多孔質層4が水封された状態で配置されているので、かかる酸素は外部に散逸することができず、電解質1に形成された連通孔5を経由して陰極3に直接供給される。そして、陰極3に供給された酸素は、陰極3で還元されて過酸化水素を生成し、かかる過酸化水素は陰極室8内の水に溶解して過酸化水素水となる。
従来の過酸化水素製造用電解セルでは、ポンプ等の外部動力を用いて空気等の酸素含有ガスを外部から陰極3に供給する必要があったのに対し、本実施の形態における過酸化水素製造用電解セルでは、外部動力を用いることなく、陽極2で発生した酸素を陰極3に直接供給することができる。よって、本実施の形態における過酸化水素製造用電解セルによれば、水と直流電源6さえあれば過酸化水素を簡易に製造できるため、これまで過酸化水素製造用電解セルが用いられてこなかった技術分野、例えば、家電、医療機器、プラント等の分野においても過酸化水素を利用した除菌、脱臭等が手軽に利用できるようになる。
ただし、本実施の形態における過酸化水素製造用電解セルでは、外部からの酸素の供給がないため、陰極3での還元反応に必要な酸素が不足することがある。そうすると、陰極3では副反応として以下の水素発生反応が生じる。
電解質層1に酸を用いた場合:2H+2e→H (5)
電解質層1にアルカリを用いた場合:2HO+2e→H+2OH (6)
かかる反応より生じた水素は、不要な場合には気液分離して外部に放出したり、触媒等を用いて空気中の酸素と反応させて水にすること等によって処理することができる。また、かかる反応より生じた水素を陽極2に供給し、以下の陽極反応によって処理すれば、分離した水素を有効に再利用することもできる。
電解質層1に酸を用いた場合:H→2H+2e (7)
電解質層1にアルカリを用いた場合:H+2OH→2HO+2e (8)
かかる陽極反応による処理を行った場合、水素の酸化電位が水の酸化電位よりも低いため、陽極電位が低減され、結果として槽電圧を下げることができる。
電解質層1に用いられる電解質としては、イオン伝導性であれば特に限定されることはなく、イオン伝導性の固体電解質や、イオン伝導性のない支持体とイオン伝導性の固体電解質との複合体等を用いることができる。イオン伝導性の固体電解質には、カチオン交換膜や、アニオン交換膜を用いることができる。カチオン交換膜としては、例えば、スルホン酸基、ホスホン酸基、カルボン酸基等のカチオン交換基を有する交換膜が挙げられる。また、アニオン交換膜としては、アンモニウム塩基類等のアニオン交換基を有する交換膜が挙げられる。これらの交換膜は、フッ素系樹脂や炭化水素系樹脂等を主骨格とするものを用いることができる。特に、電解反応時には陽極2が高電位になり、電解質層1には耐酸化性が要求されるため、フッ素系樹脂を主骨格とする交換膜を用いることが好ましい。
なお、電解質層1に用いられる電解質として、イオン伝導性のない支持体にイオン伝導性の液状電解質を含浸させて用いることも原理上可能であるが、水と接してもイオン伝導性の液状電解質が散逸せずに保持されていることが必要である。
イオン導電性のない支持体にイオン伝導性の液状電解質を含浸させる場合、かかる電解質としては、イオン交換の場合と同様に酸性電解質又はアルカリ性電解質が適用可能であると共に、硫酸ナトリウムや硝酸カリウム等の中性電解質の水溶液等も原理的には適用可能である。この場合、陰極3側では(1)式の反応、陽極2側では(4)式の反応がそれぞれ進行する。
さらに、液状電解質を適用した場合、陽極2と陰極3との間が液状電解質で満たされ、液絡が形成されていれば、電解質層1と陰極3とが、或いは電解質層1と陽極2とが必ずしも密着している必要はなく、電解質層1と各電極との間に隙間があっても良い。ただし、この隙間に陽極2で発生した酸素が滞留し、液状電解質による液絡を切断して両極間のイオン伝導性を損なう可能性があるため、電解質層1と両電極は密着している方が好ましい。
また、イオン伝導性の支持体及び固体電解質を複合化して使用することも可能である。例えば、前述のカチオン交換膜又はアニオン交換膜を溶剤に溶解して支持体に含浸させた後、乾燥したもの等が使用可能である。さらに、高分子電解質以外の無機の固体電解質も原理的には使用することができる。
電解質層1に形成する連通孔5の大きさ(平均孔径)としては、電解セルの性能に影響を与えない範囲であれば特に限定されることはないが、陽極2で発生した酸素を陰極3へ円滑に移動させる観点から、親水性多孔質層4の平均孔径よりも大きくすることが好ましい。これは、連通孔5の平均孔径が、親水性多孔質層4の平均孔径よりも小さいと、親水性多孔質層4の孔から外部に酸素が散逸し易くなるためである。
かかる連通孔5の形成方法としては、特に限定されることはなく、レーザ、ウォータジェット、ドリルによる機械加工、剣山状の金型によるプレス加工等を用いることにより形成することができる。
陽極2としては、水から酸素を発生させる触媒能及び耐食性を有する電極であれば特に限定されることはなく、例えば、チタンメッシュに白金を被覆した白金被覆電極、フェライト電極、鉛電極、鉛合金電極、高珪素鋳鉄電極、酸素発生用の寸法安定電極等を用いることができる。
陰極3としては、酸素の二電子還元(過酸化水素発生反応)活性の高い電極であれば特に限定されることはなく、例えば、カーボン電極を用いることができる。カーボン電極としては、黒鉛粉末やカーボン繊維等のカーボン材料をパーテトラフルオロエチレン(PTFE)等のバインダーで結着させたガス拡散電極を用いることができる。
親水性多孔質層4に用いられる親水性多孔体としては、水不溶性の金属及び金属酸化物の多孔体(例えば、焼結体、発泡体)、セルロース、ナイロン、親水性高分子からなるフィルター類、並びに疎水性多孔体に親水性物質を被覆して親水化した多孔体等が挙げられる。ここで、親水性とは、水に対する接触角が90度未満であることを意味し、この接触角は小さいほど親水性が高いといえる。この親水性多孔体は、親水性が高いほど内部の水が強固に保持され、高圧にも耐えることが可能となる。
本実施の形態の過酸化水素製造用電解セルの製造方法としては、特に限定されることはなく、上記材料を用い、公知の方法にて製造することができる。例えば、電解質層1、陽極2、陰極3及び親水性多孔質層4からなる電解セル主要部の構成は、各材料を所望の位置に配置した後、ホットプレス等することにより得ることができる。
実施の形態2.
図2は、実施の形態2における過酸化水素製造用電解セルの断面図である。かかる過酸化水素製造用電解セルに関し、図1の過酸化水素製造用電解セルと異なる部分についてのみ説明する。図2の過酸化水素製造用電解セルでは、親水性多孔質層4の陽極2に接する面とは反対側の面に陽極流路板12を配置することにより、親水性多孔質層4と陽極流路板12との間に陽極流路10が形成されている。また、陰極3の電解質層1に接する面とは反対側の面に陰極流路板13を配置することにより、陰極3と陰極流路板13との間に陰極流路11が形成されている。そして、陽極流路10には、ポンプ等の水供給手段15により水源16からの水を供給するための水供給ライン14が設けられている。また、陰極流路11には、電解反応により得られた過酸化水素水及びガス成分(すなわち、未反応の酸素ガスや副生した水素を含むガス)を排出する水ガス排出ライン17が設けられ、かかる水ガス排出ライン17には、ガス成分のみを排出する排ガスライン18を有する、過酸化水素水とガス成分とを分離する気液分離手段19が接続されている。
この過酸化水素製造用電解セルでは、ポンプ等の水供給手段15を用いて水源16から水供給ライン14を経由して陽極流路10に水を供給することにより、親水性多孔質層4を経由して陽極2に水が供給される。次いで、陽極2側を正、陰極3側を負とする直流電圧を直流電源6により印加して電解反応を行うと、陽極2で酸素が発生する。陽極2に供給された水は、この発生した酸素と共に連通孔5を経由して陰極3に供給される。そして、陰極3に供給された酸素は、陰極3で還元されて過酸化水素を生成し、水と混合されて過酸化水素水となる。この過酸化水素水と、未反応の酸素ガスや副生した水素等のガス成分は、陰極流路11、水ガス排出ライン17を経由し、気液分離手段19にてガス成分と過酸化水素とに分離され、ガス成分は排ガスライン18を経由して排出される。
この過酸化水素製造用電解セルでは、陽極2に供給された水の少なくとも一部が、連通孔5を経由して陰極3に供給されることにより、陽極2から陰極3に水が移動するため、陰極3で生成した過酸化水素が連通孔5を経由して陽極2に移動する確率が小さくなる。したがって、過酸化水素が陽極2に移動し、酸化されて酸素に分解する反応が抑制されるので、過酸化水素生成の電流効率の低下を防止することができる。
また、この過酸化水素製造用電解セルでは、陽極流路板12及び陰極流路板13のそれぞれに面圧を加えてもよい。面圧を加えた場合には、各流路間のリブ部分によって陽極2及び陰極3が押さえつけられるため、電解質層1と陽極2及び陰極3との密着性が向上し、電解セルの内部抵抗を長期間にわたって低減させることができる。
なお、各流路板には必ずしも流路を形成する必要はなく、周囲を封止して水及びガス成分が漏れない空間を形成してもよい。
また、図2では、陽極流路10はデッドエンドとなっており、供給される全ての水が陰極3側に移動する構成となっているが、電解セル内の圧力を調整する観点から、陽極流路10に出口を別途設置し、その下流に絞り弁等の圧力調整手段を配置することもできる。さらに、圧力調整手段から排出された水を水源16に戻して再循環させる構成にすれば、水を有効利用することもできる。
ただし、本実施の形態における過酸化水素製造用電解セルでも、外部からの酸素の供給がないため、陰極3に必要な酸素が不足することがある。そうすると、陰極3では副反応として上述したような(5)又は(6)の水素発生反応が生じる。
かかる反応より生じた水素は、上述したように、不要な場合には気液分離して外部に放出したり、触媒等を用いて空気中の酸素と反応させて水にすること等によって処理することができる。また、かかる反応より生じた水素を陽極2に供給し、上述した(7)又は(8)の陽極反応によって処理すれば、分離した水素を有効に再利用することもできる。この場合、水素の酸化電位が水の酸化電位よりも低いため、陽極電位が低減され、結果として槽電圧を下げることができる。
実施の形態3.
図3は、実施の形態3における過酸化水素製造用電解セルの断面図である。かかる過酸化水素製造用電解セルに関し、図2の過酸化水素製造用電解セルと異なる部分についてのみ説明する。図3の過酸化水素製造用電解セルでは、陽極流路10に水供給ライン14を設ける代わりに、水と共に空気(酸素含有ガス)を供給するための水ガス供給ライン20が設けられている。かかる水ガス供給ライン20には、ブロア等の空気供給手段21と、水源16からの水を供給するための水供給手段15とが接続されている。さらに、親水性多孔質層4には、それ自体が本来有する小さな孔とは別に、それよりも平均孔径が大きな貫通孔22が形成されている。
この過酸化水素製造用電解セルでは、空気供給手段21によって空気を、水供給手段15によって水源16の水を水ガス供給ライン20に供給することにより、陽極流路10及び親水性多孔質層4を経由して陽極2に水及び空気が供給される。かかる親水性多孔質層4では、形成された貫通孔22の存在により、それ自体が本来有する小さな孔に水が浸透し、それよりも平均孔径が大きな貫通孔22を空気が通過するため、水及び空気の両方が陽極2にスムーズに供給される。
ここで、かかる親水性多孔質層4における貫通孔22の形成方法としては、特に限定されることはなく、レーザ、ウォータジェット、ドリルによる機械加工、剣山状の金型によるプレス加工等を用いることにより形成することができる。
この過酸化水素製造用電解セルでは、空気(酸素含有ガス)を外部から陰極3に反応必要量よりも過剰に供給できるため、陰極3での酸素還元反応による過酸化水素の発生を促進させると共に、副反応である水素発生反応を抑制し、過酸化水素生成の電流効率を向上させることができる。また、親水性多孔質層4の存在により、供給空気の気泡に起因した陽極2での水供給阻害を防止し、陽極過電圧の増大を抑制することもできる。
なお、この過酸化水素製造用電解セルでは、水及び空気を混合した気液混合流体を、水ガス供給ライン20から陽極流路10及び親水性多孔質層4を経由して陽極2に供給しているが、それぞれの流体に対して独立した流路を設け、別々に陽極2に供給してもよい。
また、排ガスライン18から排出される、電解反応で生じた排ガス(すなわち、陰極3において未反応の酸素ガスや副生した水素を含むガス)を、空気供給手段21を経由して陽極2に供給し、再循環させれば、副生した水素により陽極電位が低減され、結果として槽電圧を下げることができる。ただし、水素は可燃性ガスであるため、安全性の観点から、水素と空気との混合比を爆発範囲外の比率となるように空気量を調整しなければならない。
実施の形態1における過酸化水素製造用電解セルの断面図である。 実施の形態2における過酸化水素製造用電解セルの断面図である。 実施の形態3における過酸化水素製造用電解セルの断面図である。
符号の説明
1 電解質層、2 陽極、3 陰極、4 親水性多孔質層、5 連通孔、6 直流電源、7 陽極室、8 陰極室、10 陽極流路、11 陰極流路、12 陽極流路板、13 陰極流路板、14 水供給ライン、15 水供給手段、16 水源、17 水ガス排出ライン、18 排ガスライン、19 気液分離手段、20 水ガス供給ライン、21 空気供給手段、22 貫通孔。

Claims (6)

  1. イオン伝導性の電解質層を陽極及び陰極により狭持してなる過酸化水素製造用電解セルであって、
    前記電解質層が、前記陽極と前記陰極との間を連通する連通孔を有し、且つ前記陽極の前記電解質層に接する面とは反対側の面に親水性多孔質層を配置したことを特徴とする過酸化水素製造用電解セル。
  2. 前記陽極に水が供給され、前記水の少なくとも一部が、前記連通孔を経由して前記陰極に供給されることを特徴とする請求項1に記載の過酸化水素製造用電解セル。
  3. 前記連通孔の平均孔径が、前記親水性多孔質層の平均孔径よりも大きいことを特徴とする請求項1又は2に記載の過酸化水素製造用電解セル。
  4. 前記陽極に酸素含有ガスがさらに供給され、前記酸素含有ガスの少なくとも一部が、前記連通孔を経由して前記陰極に供給されることを特徴とする請求項2又は3に記載の過酸化水素製造用電解セル。
  5. 前記親水性多孔質層が、その平均孔径よりも大きな平均孔径の貫通孔を有することを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の過酸化水素製造用電解セル。
  6. 電解反応で生じた排ガスを前記陽極に供給することを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載の過酸化水素製造用電解セル。
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