JP5013944B2 - 洋風水洗式便器 - Google Patents

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Description

本発明は洋風便器本体及び洋風水洗式便器に関する。
特許文献1の図8に従来の洋風便器本体が開示されている。この洋風便器本体は、床面に載置される外周壁と、外周壁内に形成された便鉢とを備えている。また、外周壁内で便鉢より後方には、便器洗浄装置を収納する収納空間が形成されている。外周壁は収納空間の後面を区画する後側壁を有している。この後側壁は床面から略垂直に立ち上がっており、後側壁には開口が略水平方向に貫設されている。洋風水洗式便器は、この洋風便器本体と便器洗浄装置とを備え、開口に挿通された導水管が便器洗浄装置の給水口に接続されている。
このような構成である従来の洋風便器本体は、開口が導水管より大きくされているため、洋風便器本体の寸法誤差等が生じてもその導水管の開口への挿通が可能になっている。
特開2002−81117号公報
しかし、上記従来の洋風便器本体は、開口が略垂直に立ち上がった後側壁に対して略水平方向に貫設されていることから、開口が見えやすく、開口を通じて収納空間内の便器洗浄装置を目視可能である。また、開口から導水管が略水平方向に突出しているため目立ちやすい。このため、洋風水洗式便器の見栄えを損なってしまう。
本発明は、上記従来の実情に鑑みてなされたものであって、洋風水洗式便器の見栄えを向上させることを解決すべき課題としている。
本発明の洋風水洗式便器は、洋風便器本体と、機能装置とを備えた洋風水洗式便器であって、
前記洋風便器本体は、床面に載置される外周壁と、該外周壁内に形成された便鉢と、該外周壁内で該便鉢より後方に形成され、前記機能装置を収納する収納空間とを備え、
前記外周壁は、前記収納空間を区画し、前記床面から略垂直に立ち上がる下部立壁と、該下部立壁の上端から外方へ略水平に延びる水平壁と、該水平壁の外端から略垂直に立ち上がる上部立壁とからなる後部壁を有し、
前記下部立壁の上端と前記水平壁と前記上部立壁の下端とに跨り、前記収納空間を外部に連通させる開口が貫設されており、
前記機能装置は、前記開口の上方に位置し、かつ該開口に挿通される導水管が下方から接続される給水筒を有していることを特徴とする。
このような構成である本発明の洋風便器本体では、開口が目立ち難い。また、たとえ大きな開口であっても、開口の略水平方向の投影面積が小さくなるため、この洋風便器本体を用いた洋風水洗式便器では、この開口から収納空間内の機能装置を目視し難い。
したがって、本発明の洋風水洗式便器は見栄えを向上させることができる。
本発明の洋風水洗式便器において、下部立壁は下方に向かって外方に傾斜していることが好ましい。この場合、洋風便器本体を安定して床面に載置可能である。また、収納空間の下部空間が広くなるため、便鉢に連通する排水流路を形成する各種接続部材をこの下部空間に良好に収納することができる。
また、本発明の洋風水洗式便器において、上部立壁は上方に向かって外方に傾斜していることが好ましい。この場合、収納空間の上部空間が広くなるため、機能装置をこの上部空間に良好に収納することができる。
また、本発明の洋風水洗式便器において、下部立壁は下方に向かって外方に傾斜し、かつ上部立壁は上方に向かって外方に傾斜していることが好ましい。この場合には、洋風便器本体を安定して床面に載置可能であるとともに、洋風便器本体の上方から各種接続部材等が目立ち難く、より優れた美観を呈する。
本発明の洋風水洗式便器は、この洋風便器本体と、機能装置とを備え、機能装置は、開口の上方に位置し、かつ開口に挿通される導水管が下方から接続される給水筒を有している。
この場合、導水管が下方から開口に挿通されるため、導水管が開口に挿通される部分は見え難く、洋風水洗式便器の見栄えが優れる。また、開口に対して洋風便器本体の外部下方から斜め上方に向けて導水管を洋風便器本体の内部へ挿通することができる。このため、導水管を大きく屈曲させずに給水筒に接続することができるため、機能装置に供給される洗浄水の水圧の損失は少なくて済み、便鉢へ洗浄水を勢い良く供給することができる。
また、洋風便器本体を床面に配置する際、従来の洋風便器本体に比べて、洋風便器本体の後部壁を洋風便器本体が据え付けられる部屋の内壁面に近づけて配置することができる。つまり、従来の洋風便器本体では、開口に挿通され、水平方向に延びる導水管を洋風便器本体の外部で垂直下方に延びるように屈曲させなければならない。導水管をフレキシブルホースにした場合、フレキシブルホースは直角に折り曲げられず、徐々に向きを変えるように折り曲げなければならない。このため、洋風便器本体の後部壁と洋風便器本体が据え付けられる部屋の内壁面との隙間は、フレキシブルホースを水平方向から垂直方向に徐々に折り曲げるためのスペースが必要となる。これに対し、本発明の洋風水洗式便器では、導水管は開口に斜め方向に挿通されるため、導水管を僅かに屈曲させるのみで良い。このため、導水管をフレキシブルホースにした場合でもフレキシブルホースを折り曲げるためのスペースを余分に必要とせず、後部壁の下部立壁と洋風便器本体が据え付けられる部屋の内壁面との隙間を狭くすることができる。また、後部壁の上部立壁は下部立壁よりも外方に立ち上がっているため、上部立壁と洋風便器本体が据え付けられる部屋の内壁面との隙間をより狭くすることができる。このように、洋風便器本体は、その後部壁を洋風便器本体が据え付けられる部屋の内壁面に近づけて床面に配置することができるため、洋風便器本体が据え付けられる部屋を有効に利用することができる。
また、従来の洋風便器本体において、導水管を屈曲させないようにするためには、開口を上下方向に大きくし、この開口に導水管を斜めに挿通させることが考えられるが、この洋風便器本体を用いた洋風水洗式便器の見栄えを損なってしまう。これに対し、本発明の洋風水洗式便器では、開口の略水平方向の投影面積が小さいので、見栄えを向上させることができる。
さらに、導水管を屈曲させないようにするためには、下部立壁と上部立壁との間に形成された水平壁のみに開口を貫設し、この開口に導水管を垂直方向に挿通させることが考えられる。この場合、導水管を挿通させるため、水平壁が洋風便器本体の前後方向に大きくなる。このため、上部立壁を洋風便器本体が据え付けられる部屋の内壁面に近づけて洋風便器本体を床面に配置しても、下部立壁と内壁面との間隔は広くなる。これに対し、本発明の洋風水洗式便器の下部立壁と洋風便器本体が据え付けられる部屋の内壁面との間隔は狭くすることができるため、洋風便器本体の下方空間を有効に利用することができる。
以下、本発明の洋風水洗式便器の実施例を図面を参照しつつ説明する。
図1に示すように、この洋風水洗式便器は、洋風便器本体1並びに機能装置である洗浄水供給装置30及び吸気装置40を備えている。なお、便座及び便蓋の図示は省略する。
洋風便器本体1は、床面Fに載置される外周壁1Wと、外周壁1W内に形成された便鉢2とを備えている。また、洋風便器本体1は、外周壁1W内で便鉢2より後方に形成された収納空間1Sを備えている。
外周壁1Wは、収納空間1Sを区画する後部壁10を有している。後部壁10は収納空間1Sの左右側壁11及び後側壁12から構成されている。後側壁12は、図3に示すように、床面Fから略垂直に立ち上がる下部立壁12dと、下部立壁12dの上端から外方へ略水平に延びる水平壁12hと、水平壁12hの外端から略垂直に立ち上がる上部立壁12uとから構成されている。下部立壁12dは下方に向かって外方に傾斜している。上部立壁12uは上方に向かって外方に傾斜している。
図1〜図3に示すように、下部立壁12dの上端と水平壁12hと上部立壁12uとに跨り、収納空間1Sを外部に連通させる開口20が貫設されている。図3に示すように、この開口20を洋風便器本体1の後方から目視した場合、下方から目視した場合の開口20の縦方向の最大寸法Lより、水平方向から目視した場合の開口20の縦方向の寸法Mの方が小さい。さらに、この寸法Mより、上方から目視した場合の開口20の縦方向の寸法Sの方がさらに小さい。このため、この洋風水洗式便器を使用する使用者は、開口20を上方から目視するため、開口20が小さく認識される。また、開口20から収納空間1Sの内部は見え難くなっている。
図1及び図2に示すように、床面Fから引き出された水道管には止水栓60が接続されている。止水栓60に接続された導水管であるフレキシブルホース50が後側壁12の外側の下方から開口20に挿通されている。この際、開口20が最も大きく開口する方向からフレキシブルホース50を挿入することになり、フレキシブルホース50を容易に開口20に挿通することができる。
洗浄水供給装置30は、給水筒32と、給水筒32の下流側に接続され、開閉弁等を有する機能部31と、機能部31の下流側に接続されるタンク33とを有している。給水筒32及び機能部31は開口20の上方に位置しているため、開口20を挿通したフレキシブルホース50は、大きく屈曲することなく、給水筒32に下方から接続されている。このため、洋風便器本体1を床面Fに配置する際、フレキシブルホース50を折り曲げるためのスペースを余分に必要としないため、後側壁12を洋風便器本体1が据え付けられる部屋の内壁面(図示しない)に近づけて配置することができる。このため、洋風便器本体1が据え付けられる部屋を有効に利用することができる。また、下部立壁12dと内壁面との間隔は狭くすることができるため、洋風便器本体1の下方空間を有効に利用することができる。
図3に示すように、洗浄水供給装置30は、リム3に連通され、便鉢2へ洗浄水を供給する。このため、洗浄水供給装置30に供給される洗浄水は水圧の損失が少ないため、便鉢2へ洗浄水を勢い良く供給することができる。機能部31は収納空間1Sの上方に配置され、タンク33は収納空間1S内に収納されている。
吸気装置40は、水封部4の下流側に連通され、便器排水路5を形成する接続管6に接続される吸引タンク41と、吸引タンク41に開閉弁43を介して接続され、機械式ポンプにより負圧を発生する負圧発生装置42とを有している。吸気装置40は、便器洗浄が実行されると、適切なタイミングで開閉弁43が開閉され便器排水路5から空気を吸引する。これにより、便器排水路5内を早期に洗浄水で満水にしてサイホン作用を発生させることができる。吸気装置40は収納空間1Sの上部空間内に収納されている。この収納空間1Sの上部空間は、上方に向かって外方に傾斜する上部立壁12uにより広く形成されているため、良好に吸気装置40を収納することができている。
接続管5の下流部は、床面Fから立ち上げられた床排水管9に連通された排水接続管の上部開口に挿入されている。排水接続管はとぐろを巻いた形状に形成され、途中に洗浄水が滞留して上流側と下流側とを封鎖する滞留部8を有している。排水接続管は収納部1Sの下部空間に収納されている。この収納部1Sの下部空間は、下方に向かって外方に傾斜する下部立壁12dにより広く形成されているため、良好に排水接続管を収納することができる。
以上の洋風便器本体1では、開口20の略水平方向の投影面積が小さくなる。このため、この洋風便器本体1を用いた洋風水洗式便器では、開口20から収納空間1S内の洗浄水供給装置30等を目視し難い。
したがって、実施例の洋風水洗式便器は見栄えを向上させることができる。
以上において、本発明を実施例に即して説明したが、本発明は上記実施例に制限されるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更して適用できることは言うまでもない。
例えば、左右側壁11を下部立壁、水平壁及び上部立壁により形成し、この下部立壁の上端と水平壁と上部立壁とに跨って開口を形成することが可能である。
また、機能装置として脱臭装置又は部屋暖房装置を採用し、左右側壁11又は後側壁12に形成された開口を脱臭装置の排気口又は部屋暖房装置の温風吹出し口に利用することも可能である。
さらに、開口を機能装置の電源コードの挿入口として利用することも可能である。
また、負圧発生装置40として、洗浄水を供給することにより負圧を発生させるエゼクタを採用することが可能である。
本発明は洋風水洗式便器に利用可能である。
実施例の洋風水洗式便器の斜視図である。 実施例の洋風水洗式便器の一部切欠き断面図である。 実施例の洋風水洗式便器の横断面図である。
符号の説明
1…洋風便器本体
1S…収納空間
1W…外周壁
2…便鉢
10…後部壁(11…左右側壁、12…後側壁)
12d…下部立壁
12h…水平壁
12u…上部立壁
20…開口
30、40…機能装置(30…洗浄水供給装置、40…吸気装置)
32…給水筒
50…フレキシブルホース(導水管)
F…床面

Claims (3)

  1. 洋風便器本体と、機能装置とを備えた洋風水洗式便器であって、
    前記洋風便器本体は、床面に載置される外周壁と、該外周壁内に形成された便鉢と、該外周壁内で該便鉢より後方に形成され、前記機能装置を収納する収納空間とを備え、
    前記外周壁は、前記収納空間を区画し、前記床面から略垂直に立ち上がる下部立壁と、該下部立壁の上端から外方へ略水平に延びる水平壁と、該水平壁の外端から略垂直に立ち上がる上部立壁とからなる後部壁を有し、
    前記下部立壁の上端と前記水平壁と前記上部立壁の下端とに跨り、前記収納空間を外部に連通させる開口が貫設されており、
    前記機能装置は、前記開口の上方に位置し、かつ該開口に挿通される導水管が下方から接続される給水筒を有していることを特徴とする洋風水洗式便器。
  2. 前記下部立壁は下方に向かって外方に傾斜している請求項1記載の洋風水洗式便器。
  3. 前記上部立壁は上方に向かって外方に傾斜している請求項1又は2記載の洋風水洗式便器。
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