JP5013897B2 - 液体混注具 - Google Patents

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本発明は、医療に用いられる複数の輸液チューブ等に連結されて、各輸液チューブ間に薬液等を流す液体混注具に関する。
従来から、複数の輸液チューブを用いて患者の体内に所定の薬液や生理食塩水等を供給することが行われており、このような場合に、医療用活栓等の液体混注具を用いて、各輸液チューブ間を連通したり遮断したりすることが行われている。このような、液体混注具の中に、複数の分岐管を備え、それらの分岐管のうちの所定の分岐管内に、注射針等を穿刺可能なゴム栓が取り付けられたものがある(例えば、特許文献1参照)。
特開2004―16437号公報
この液体混注具は、本体部分から水平方向に延びる2個の分岐管と、本体部分の上部に形成された注射器接続ポートとを備えている。そして、この注射器接続ポートに、上下に貫通する挿通部が形成されたシール弁体が設けられている。このため、シール弁体の挿通部にツイストロック式注射器を挿し込むことにより、ツイストロック式注射器と液体混注具の本体内とを連通させることができる。これによって、ツイストロック式注射器から液体混注具の本体内に薬液を注入したり、液体混注具の本体から薬液を抽出したりすることができる。また、シール弁体の挿通部にツイストロック式注射器を挿し込まないときには、シール弁体は閉塞され、本体部分と注射器接続ポートとの間は遮断される。この状態では、2個の分岐管の一方から他方に薬液を流すことができる。
しかしながら前述した従来の液体混注具では、シール弁体が略円板状に形成され、注射器接続ポートにおけるシール弁体が取り付けられる部分はシール弁体の形状に対応する形状の凹部で構成されている。このため、シール弁体に挿通部を閉塞させるための大きな圧縮力を持たせることは難しい。この結果、シール弁体を閉塞した状態で、2個の分岐管の一方から他方に薬液を流すとき等に、薬液の量を多くして液圧を大きくすると、シール弁体の挿通部を閉塞状態に維持することができなくなる場合も生じる。
本発明は、このような事情に鑑みなされたもので、その目的は、ゴム栓のスリットを閉塞した状態でチャンバー部内の液圧を大きくしてもスリットの閉塞状態を維持できるゴム栓を備えた液体混注具を提供することにある。
前述した目的を達成するため、本発明に係る液体混注具の構成上の特徴は、チャンバー部と、チャンバー部からそれぞれ異なる方向に延び少なくとも上方に延びる上部分岐管を含む複数の分岐管とからなる混注具本体と、上部分岐管の内周面に取り付けられ、内部を貫通するスリットを閉じることにより上部分岐管を閉塞するとともに、スリットに接続管を挿通させることによりチャンバー部内と接続管内とを連通させるゴム栓とを備えた液体混注具であって、上部分岐管の内周面に、チャンバー部側から上部分岐管の上部側に向って徐々に細くなったテーパ面を形成するとともに、ゴム栓におけるテーパ面に密接する部分を、チャンバー部側に位置する部分から上部分岐管の上部側に位置する部分に向って徐々に細くなるように形成し、さらに、チャンバー部内と上部分岐管内との間に形成された流路に堰部を設けて液体がチャンバー部の上方を通過するようにし、上部分岐管に取り付けられた状態のゴム栓に対してチャンバー部内と上部分岐管内との間に形成された流路を通る液体から圧力がかかったときに、ゴム栓がテーパ面により強く圧接してスリットの閉塞状態をより確実にするようにしたことにある。
前述したように構成した本発明の液体混注具では、上部分岐管の内周面に、チャンバー部側から上部分岐管の上部側に向って徐々に細くなったテーパ面を形成し、この上部分岐管の内周面に取り付けられるゴム栓におけるテーパ面に密接する部分を、チャンバー部側に位置する部分から上部分岐管の上部側に位置する部分に向って徐々に細くなるように形成している。このため、上部分岐管の内周面にゴム栓を取り付けることによりスリットを閉塞させて上部分岐管の上部側部分とチャンバー部内との間を遮断することができる。そして、チャンバー部内の液圧が上昇すると、ゴム栓は上部分岐管の上部側が先細りになったテーパ状の内周面に押さえ付けられて収縮するようになり、スリットの閉塞状態をさらに強固にする。
この場合、ゴム栓における上部分岐管のテーパ面に密接する部分の外周面も上部側が先細りになったテーパ面に形成されているため、ゴム栓の外周面は、上部分岐管の内周面に満遍なく密接するようになり、ゴム栓にはスリットを効果的に閉塞する圧縮力が生じる。また、この場合の上部分岐管やゴム栓の横断面形状は、円形、楕円形、三角形、四角形等の種々の形状にすることができる。要は、上部分岐管の内周面におけるテーパ面およびゴム栓におけるそのテーパ面に密接する部分が下方よりも上方が徐々に細くなって、ゴム栓がチャンバー部側から圧力を受けたときに、上部分岐管のテーパ面に押し付けられてスリットをより強く圧縮して閉塞できる構造になっていればよい。また、本発明では、ゴム栓の下面をドーム状に形成することが好ましい。
また、本発明に係る液体混注具の他の構成上の特徴は、上部分岐管に取り付けられていない状態でのゴム栓におけるテーパ面に密接する外周面と垂直軸との間の角度を、上部分岐管のテーパ面と垂直軸との間の角度よりも大きく設定したことにある。これによると、ゴム栓がチャンバー部側から圧力を受けたときに、ゴム栓は上部分岐管の内周面に食い込むように押し付けられてスリットをさらに強く圧縮するようになる。このため、ゴム栓のシール性がさらに向上する。
以下、本発明の一実施形態に係る液体混注具を図面を用いて詳しく説明する。図1ないし図3は、同実施形態に係る液体混注具Aを示しており、この液体混注具Aは、混注具本体10、混注具本体10の上部側に取り付けられたゴム栓25および混注具本体10内に取り付けられた弁体30(図5参照)で構成されている。そして、混注具本体10は、軸方向の長さが短い円筒状のチャンバー部11と、チャンバー部11の外周面に90度の角度を保って順に連結された下流分岐管12、連結用開口部13、上流分岐管14および連結用開口部13に取り付けられた蓋部材20からなる3個の分岐管とで構成されている。なお、連結用開口部13と蓋部材20とで本発明の上部分岐管が構成される。
チャンバー部11は、軸方向を前後方向(図3および図5では左右方向)に向けて配置され、後部が閉塞された略円筒状に形成されている。そして、チャンバー部11の後壁部11aの内面に、断面形状が略コ字状の係合部15が固定されている。この係合部15は、チャンバー部11の後壁部11aの内面中央に沿った円板部15aと、チャンバー部11の内周面との間に所定の隙間を設けた状態で円板部15aの外周縁部から前方に延びる軸方向の長さが短いリング部15bとで構成されている。そして、リング部15bの外周面における左右両側には、図4に示したように、一対の係止用突起15cが形成されている。また、チャンバー部11の内周面における前部側部分には、弁体30をチャンバー部11内から抜け止めするための細い溝からなる係合用凹部15dが円周に沿って形成されている。
そして、チャンバー部11の周壁部における下流分岐管12、連結用開口部13および上流分岐管14が連結された部分には、連通穴16a,16b,16cがそれぞれ形成されている。これらの連通穴16a,16b,16cのうち連通穴16bは、中心部の位置を他の連通穴16a,16cの中心部の位置よりもやや前部側にずらして形成されている。そして、連通穴16aを介してチャンバー部11の内部と下流分岐管12の内部に形成された流路12aとが連通し、連通穴16bを介してチャンバー部11の内部と連結用開口部13の内部に形成された流路13aとが連通している。また、連通穴16cを介してチャンバー部11の内部と上流分岐管14の内部に形成された流路14aとが連通している。
下流分岐管12は、チャンバー部11と一体的に形成されており、チャンバー部11側の基端部12bと、基端部12bよりも細く形成された先端側の雄ルアー部12cとで構成されている。また、雄ルアー部12cは基端部12b側部分よりも先端側部分の方が細くなった先細り状に形成されている。そして、下流分岐管12の外周面における基端部12bと雄ルアー部12cとの境界部には、突部12dが円周に沿って形成されている。
上部分岐管の下部側部分を構成する連結用開口部13は、下流分岐管12および上流分岐管14よりも直径が大きく軸方向の長さが短い略リング状に形成されており、上端周縁部における幅方向の略中央に円周に沿って係合溝13bが形成され、外周面における左右両側部分に一対の係合突起13cがそれぞれ形成されている。そして、連結用開口部13の内周面の左右両側には流路13aを前後に仕切る堰部17が掛け渡された状態で形成され、連結用開口部13の上端周縁部における係合溝13bの内側部分から堰部17の上端面にかけての部分に一対のゴム栓受け部18が形成されている。この一対のゴム栓受け部18は、係合溝13bの内周面側の壁部を構成し堰部17の上面17aよりも上方に突出した左右一対の側壁部18aと、堰部17の上面17aの左右両側部分とで構成されている。
また、連結用開口部13の係合突起13cには、連結用開口部13とでゴム栓25の下端部を固定するための蓋部材20が取り付けられている。蓋部材20は、上部21が下流分岐管12および上流分岐管14よりも直径がやや大きく設定され軸方向の長さが短い略円筒状に形成され、下部22が連結用開口部13よりもさらに直径が大きく平面視が前後方向に長い楕円形になった軸方向の長さが短い略キャップ状に形成された二段状の略円筒体で構成されている。そして、上部21と下部22との間には、下部22側から上部21側に向けて太さが徐々に細くなった傾斜部23が形成されている。
また、下部22の左右両側部分の下端部は、前後両側部分の下端部よりも下方に延びており、その下方に延びた部分の内面に、連結用開口部13の係合突起13cと係合可能な一対の係合凹部22aが形成されている。また、上部21の上端開口縁部は、図2に示したように前方から見た状態では、中央側が下方に窪んだ円弧状に形成され、図3に示したように側方から見た状態では、中央側が上方に突出した円弧状に形成されている。そして、上部21の外周面には、ねじ21aが形成されている。また、上部21の内周面21bは、下部側から上部側に向けて徐々に細くなったテーパ面に形成されている。
また、傾斜部23の内面には、下部22側から上部21側に向けて徐々に細くなったテーパ面23aが形成され、そのテーパ面23aの下部側に係合段部23bが形成されている。この蓋部材20は、下部22の係合凹部22aを係合突起13cに係合させることにより、連結用開口部13に着脱可能に取り付けられている。また、この蓋部材20と連結用開口部13との係合によって、ゴム栓25の下部側部分が固定されている。
ゴム栓25は、天然ゴム、合成ゴムまたはエラストマーなどの弾性部材からなっており、図6に示したように、上部側が肉厚の円板状に形成され下部側が略ドーム状に形成されたゴム栓本体26と、ゴム栓本体26の上端に形成された上部固定片27と、ゴム栓本体26の下端周縁部の外周側に形成されたリング状の下部固定片28とで構成されている。ゴム栓本体26は、上部側に形成された円板状部26aを上部21内に位置させ、下部側に形成されたドーム状部26bを傾斜部23内に位置させた状態で蓋部材20に取り付けられている。
また、円板状部26aの外周面の傾斜角度(円板状部26aの外周面上端から垂直方向に延長して下方に延びる図示せぬ仮想線と円板状部26aの外周面上で上下に延びる図示せぬ仮想線との間の角度)は、上部21の内周面21bの傾斜角度(蓋部材20の垂直軸と内周面21b上で上下に延びる図示せぬ仮想線との間の角度)よりも大きく設定されている。すなわち、上部21の内周面21bのテーパ角は、円板状部26aの外周面のテーパ角よりも鋭角になるように設定されている。
上部固定片27は、蓋部材20の上端開口縁部に沿う形状に形成されており、ゴム栓本体26の上面における左右方向の中央部分からそれぞれ左右の斜め上方に反って湾曲した曲面状の略円板状の部分で構成されている。また、図5に示したように、ゴム栓25における円板状部26aと上部固定片27との境界部分は、円板状部26aとドーム状部26bとの境界部よりも大径に形成されている。そして、このように構成されたゴム栓25は、円板状部26aと上部固定片27との境界部分で上部21から外れることを防止された状態で蓋部材20の内部に取り付けられている。
また、ゴム栓25の下部固定片28は、図4および図5に示したように、周縁部を連結用開口部13の係合溝13b内に挿し込んだ状態で蓋部材20の係合凹部22aを連結用開口部13の係合突起13cに係合させることにより、連結用開口部13と蓋部材20とによって固定されている。このとき、下部固定片28の上面は係合段部23bに沿って屈曲し、下部固定片28の下面は側壁部18aに沿って屈曲する。このように、下部固定片28が連結用開口部13と蓋部材20に挟まれて屈曲することによって、下部固定片28は、より強固に固定される。
すなわち、ゴム栓25は、円板状部26aと上部固定片27との境界の大径部分によって、蓋部材20の内部側に入り込むことを防止され、係合溝13b内に挿し込まれた下部固定片28が連結用開口部13と蓋部材20との係合によって固定されることによって、蓋部材20の上端開口から外部に抜け出ることを防止されている。これによって、ゴム栓本体26は、上方から下方に向って強く押圧されることにより蓋部材20の上部21から下方に向って変形しながら移動することができ、下方から上方に向って押圧されると上部21の内周面21bに押し付けられる。また、ゴム栓本体26が変形しながら下方に移動(伸長)する際には、上部固定片27は伸長し、下部固定片28は伸長または変形する。
また、ゴム栓25の円板状部26aおよび上部固定片27には、連結用開口部13の内部側との外部側との間を連通し、連結用開口部13の流路13aの一部を形成するためのスリット25aが設けられている。このスリット25aは、ゴム栓25を蓋部材20に取り付けたときにゴム栓本体26が蓋部材20の内周面から受ける圧縮力によって閉塞状態に維持される。そして、このスリット25aに、例えば、図7に示したシリンジ29の雄ルアー部29aを挿し込むことにより雄ルアー部29a内にシリンジ29の薬液収容部29bと流路13aと連通する流路を形成することができる。
また、スリット25aに雄ルアー部29aを挿し込んで、シリンジ29の薬液収容部29bと連結用開口部13の内部とを連通させたときには、雄ルアー部29aとスリット25aの周面との間は、ゴム栓25の弾性によって密着状態になる。さらに、ゴム栓本体26の下面の周縁部における一対のゴム栓受け部18に対応する部分は、それぞれゴム栓受け部18に押し付けられて変形することにより、シリンジ29の雄ルアー部29aの先端部側に空気が滞留する隙間が生じないようにする。
すなわち、このゴム栓本体26は、雄ルアー部29aによって連結用開口部13内の下方に押圧され、スリット25a内に雄ルアー部29aが挿入されたときに、ドーム状部26bの下面がゴム栓受け部18に押し付けられて段差等の隙間を生じさせない形状になるように予め形成されている。また、スリット25a内に雄ルアー部29aが挿入されていないときには、ドーム状部26bの下面は滑らかなドーム状の曲面になってドーム状部26bの下面側を薬液等の液体が流れる際に空気が滞留し難くなる。さらに、ゴム栓本体26の下面側を流れる液体によって、ゴム栓本体26に下方から上方に向う圧力が加わったときには、円板状部26aが上部21の内周面21bに押し付けられて、スリット25aは、さらに強固に閉塞状態に維持される。
上流分岐管14は、チャンバー部11と一体的に形成されており、内部には、テーパ状の穴部からなる流路14aが形成されている。この流路14aは、連通穴16cに連通しており、連通穴16c側部分が、連通穴16cに近いほど直径が小さく、連通穴16cから離れるにしたがって直径が大きくなったテーパ状に形成されている。また、流路14aの上流側部分(図4の右側部分)は、上流分岐管14の開口部に近づくほど徐々に直径が大きくなったテーパ状に形成されている。この上流分岐管14の開口部側部分は、他のチューブ等に連結された雄ルアー部を接続するための雌ルアー部を構成する。そして、上流分岐管14の開口部の外周面には、連結用のねじ部14bが形成されている。
弁体30は、略円筒状の弁本体31と、弁本体31の前端部に連結された操作部32とで構成されている。そして、弁本体31は、先端部をチャンバー部11の内周面と係合部15のリング部15bとの間に挿し込んだ状態でチャンバー部11内に設置されており、操作部32を操作することによりチャンバー部11の軸周り方向に回転する。また、弁本体31の内周面における先端部には、リング部15bの外周面に形成された一対の係止用突起15cに係合可能な複数の係止用凹部(図示せず)が円周方向に間隔を保って形成されており、この係止用凹部のうちの所定の係止用凹部を係止用突起15cに係合させることにより、弁体30を予め設定された3箇所で静止させることができる。
これによって、チャンバー部11の各連通穴16a,16b,16c間を連通させたり遮断させたりすることができる。また、弁本体31の外周面における操作部32側には、チャンバー部11の係合用凹部15dと係合する係合用突条36が円周に沿って形成されており、この係合用突条36と係合用凹部15dとの係合により、弁体30は、チャンバー部11から抜け止めされている。そして、図8に示したように、弁本体31の外周面には、二つの溝部33,34が軸方向に並んで形成されている。
溝部33は、弁本体31の外周面における軸方向の中心よりもやや後部側(図8の左側)の部分で円周に沿って略半周にわたって形成された切欠き溝で構成されている。また、溝部34は、弁本体31の外周面における軸方向の中心よりもやや前部側の部分で溝部33と平行して弁本体31の外周面に沿って形成された周方向溝部34aと、周方向溝部34aの一方の端部から屈曲して軸方向の後部側に向って延びる軸方向溝部34bとからなる略L字状の切欠き溝で構成されている。
そして、溝部34の軸方向溝部34bは、溝部33の一方の端部と所定間隔を保った位置に設けられており、溝部34の周方向溝部34aの他方の端部は、溝部33の他方の端部よりも円周方向に沿った一方側(図8における手前側)に位置している。また、溝部33と溝部34の弁本体31の円周方向に沿った長さはともに円周の略半周で等しく設定されており、溝部33と溝部34の周方向溝部34aとの間隔は、溝部33の幅と溝部34の周方向溝部34aの幅との合計の長さと同程度になっている。そして、溝部33と溝部34の周方向溝部34aとの間には、弁本体31の外周面に沿った仕切り壁部35が形成されている。
また、チャンバー部11内に設置されたときの弁本体31は、図9に示したように、外周面における溝部33および溝部34の軸方向溝部34bが形成された部分を連通穴16a,16cの位置に合わせ、溝部34の周方向溝部34aが形成された部分をチャンバー部11の内周面における前部側部分に対向させた状態になる。そして、仕切り壁部35の外周面は、チャンバー部11の内周面における中央よりもやや前部側の部分で連通穴16bに対向した状態になる。
このため、仕切り壁部35が上方に向くように弁本体31を位置させたときには、溝部33が連通穴16cと対向してチャンバー部11内と上流分岐管14とは溝部33を介して連通する。また、溝部34における軸方向溝部34bの後部側が連通穴16aと対向してチャンバー部11内と下流分岐管12とは溝部34を介して連通する。この場合、仕切り壁部35の上方には、堰部17が位置するようになり、仕切り壁部35の外周面と堰部17の下面とは略密着状態で接触する。
そして、堰部17の上方には、流路13aを構成する空間部が位置しているため、溝部33と溝部34とは流路13aを介して連通する。したがって、この状態では、上流分岐管14からチャンバー部11および連結用開口部13を介して下流分岐管12に薬液等を流すことができる。この場合、上流分岐管14から溝部33内に流れる薬液等は、堰部17を乗り越えて溝部34に流れていく。このため、薬液等はチャンバー部11の上方の流路13a内を通過するようになり、チャンバー部11内や流路13a内に空気等が滞留することを抑制できる。
その状態から弁体30を一方に回転させて、溝部33を連通穴16aに対向させるとともに、弁本体31の外周面を連通穴16cに対向させたときには、チャンバー部11内と下流分岐管12との間は連通し、チャンバー部11内と上流分岐管14との間は遮断される。また、弁体30を他方に回転させて、溝部33を連通穴16cに対向させた状態を維持するとともに、弁本体31の外周面を連通穴16aに対向させたときには、チャンバー部11内と下流分岐管12との間は遮断され、チャンバー部11内と上流分岐管14との間は連通する。
このように、弁体30を回転操作することにより、下流分岐管12と上流分岐管14との双方をチャンバー部11内に連通したり、一方だけをチャンバー部11内に連通したりすることができる。なお、操作部32は、3個の操作片32a,32b,32cを備えており、この操作片32a,32b,32cは、それぞれ下流分岐管12、連結用開口部13(蓋部材20)、上流分岐管14に対応するように、90度の角度を保って形成されている。そして、操作片32bを蓋部材20の位置に合わせたときに、流路12a,13a,14aのすべてが連通し、操作片32bを下流分岐管12の位置に合わせたときに、流路12a,13aが連通し、操作片32bを上流分岐管14の位置に合わせたときに、流路13a,14aが連通する。また、その際、係止用突起15cに係止用凹部が係合して、操作部32は外力が加わらない限りその位置に静止する。
この構成において、チャンバー部11内と上流分岐管14との間を遮断した状態で、上流分岐管14から下流分岐管12に所定の薬液等を流し、その薬液を患者(図示せず)の体内に供給する場合には、まず下流分岐管12に、患者に穿刺して留置するための留置針が接続された輸液チューブ(図示せず)の後端部を接続する。ついで、上流分岐管14に、患者に供給する薬液を収容する容器等から延びる輸液チューブの先端部に設けられた雄ルアー部を接続する。つぎに、薬液をチャンバー部11を含む輸液ライン内に通して、輸液ライン内の空気をすべて外部に放出したのちに、留置針を患者の体に穿刺して留置した状態で容器等の薬液を患者に向けて送り出すことにより患者への薬液の供給を行う。
この場合、薬液は、上流分岐管14からチャンバー部11内を通過したのちに下流分岐管12側に流れていく。その際、ゴム栓本体26のスリット25aは閉塞して薬液がゴム栓25から漏れ出ることを防止する。また、薬液の量が多くなってチャンバー部11内の液圧が上昇した場合には、ゴム栓本体26は、薬液の液圧によってスリット25aの閉塞状態をさらに強固に維持するようになり、薬液は適正状態でチャンバー部11内を通過していく。また、2種類の薬液を患者(図示せず)の体内に供給する場合には、前述した状態から、シリンジ29の薬液収容部29b内に他の薬液を吸引した状態で、雄ルアー部29aをゴム栓25のスリット25aに貫通させる。このとき、雄ルアー部29aは、ゴム栓本体26を蓋部材20の内周面に押し付けて変形させながらスリット25aを広げていく。
そして、ゴム栓本体26と上部固定片27とは、変形しながら下方に向って伸長していく。これによって、ゴム栓本体26は、雄ルアー部29aの押圧力によって蓋部材20に押さえ付けられて、蓋部材20の内周面および雄ルアー部29aの外周面に密着した状態で下方に伸びていく。そして、雄ルアー部29aがスリット25a内に挿入されて、薬液収容部29bが流路13aに連通したときには、ゴム栓本体26の下端部はゴム栓受け部18に押し付けられ、雄ルアー部29aの先端側部分には、段差等の空気が滞留し易くなる隙間は生じなくなる。
つぎに、薬液をチャンバー部11を含む輸液ライン内に通して、輸液ライン内の空気をすべて外部に放出したのちに、留置針を患者の体に穿刺して留置した状態で容器等の薬液を患者に向けて送り出すことにより患者への薬液の供給を行う。また、シリンジ29の薬液収容部29b内の薬液も、適宜、流路13aを介してチャンバー部11内に注入する。そして、シリンジ29からの薬液の供給が終わり、雄ルアー部29aをスリット25aから引き抜くと、ゴム栓本体26は雄ルアー部29aによる押圧から解放されるとともに、それ自身の復元力によって元の状態に戻る。また、この液体混注具Aによると、蓋部材20内をゴム栓25で閉塞したため、チャンバー部11内に空気が入って菌が繁殖することも抑制できる。
このように、本実施形態に係る液体混注具Aでは、蓋部材20における上部21の内周面21bを下部側から上部側にかけて徐々に細くなったテーパ面に形成し、ゴム栓25における内周面21bに密接する円板状部26aの外周面を、下部側から上部側にかけて徐々に細くなったテーパ面に形成している。そして、蓋部材20の内周面にゴム栓25を挿し込むことによりスリット25aを閉塞させて蓋部材20の上部側部分とチャンバー部11内とを遮断することができる。その状態で、チャンバー部11内を通過する薬液の液圧が上昇すると、ゴム栓25の円板状部26aは上部側が先細りになった上部21の内周面21bに押さえ付けられて、ゴム栓25はスリット25aの閉塞状態をさらに強固にする。
この際、ゴム栓25の円板状部26aも上部側が先細りになっているため、ゴム栓25の外周面は、蓋部材20の内周面に満遍なく接触するようになり、ゴム栓25にはスリット25aを効果的に圧縮する力が生じる。さらに、内周面21bのテーパ角が、円板状部26aの外周面のテーパ角よりも鋭角になっているため、ゴム栓25がチャンバー部11内の薬液から圧力を受けたときに、ゴム栓本体26は蓋部材20の内周面21bに食い込むように押し付けられてスリット25aをさらに強く圧縮するようになる。このため、ゴム栓25のシール性がさらに向上する。
なお、本実施形態に係る液体混注具Aにおいては、ドーム状部26bの外周面の傾斜角度(円板状部26aの外周面から垂直方向に延長して下方に延びる図示せぬ仮想線とドーム状部26bの外周面上で上下に延びる図示せぬ仮想線との間の角度)を、傾斜部23のテーパ面23aの傾斜角度(蓋部材20の垂直軸とテーパ面23a上で上下に延びる図示せぬ仮想線との間の角度)よりも大きく設定することもできる。これによると、ゴム栓25がチャンバー部11内の薬液から圧力を受けたときのシール性をさらに向上することができる。
図10は、本発明の変形例に係る液体混注具の要部を示している。この液体混注具では、連結用開口部43にはゴム栓45の下部固定片48を固定するための係合溝は形成されてなく、ゴム栓45の下部固定片48は、蓋部材40の内周面と連結用開口部43の上端面とに挟まれた状態で固定されている。また、蓋部材40の上部41と下部42との間に位置する傾斜部44の内周面は滑らかな曲面からなるテーパ面でなく二段状のテーパ面44a,44bで構成されている。この液体混注具におけるそれ以外の部分の構成については、前述した液体混注具Aと同一である。したがって、同一部分に同一符号を記して説明は省略する。この液体混注具によっても、前述した液体混注具Aと同様の作用効果を得ることができる。
また、本発明に係る液体混注具は、前述した各実施形態に限定するものでなく、適宜変更実施が可能である。例えば、前述した各実施形態では、液体混注具として弁体30を備えた活栓タイプのものを用いているが、本発明に係る液体混注具としては、弁体を備えず、上流分岐管から常時連通した下流分岐管に薬液等を流せるとともに、上部分岐管から他の薬液等をチャンバー部に流すことのできるものを用いてもよい。また、上流分岐管を備えてなく、分岐管を上部分岐管と下流分岐管だけで構成した液体混注具を用いることもできる。さらに、蓋部材20,40の内周面の形状や、ゴム栓25,45の外周面の形状についても適宜変更することができる。
本発明の一実施形態に係る液体混注具を示した平面図である。 液体混注具の正面図である。 液体混注具の側面図である。 図2に示した液体混注具の断面図である。 図3に示した液体混注具の断面図である。 ゴム栓を示した斜視図である。 図2の液体混注具のゴム栓に雄ルアー部を挿し込んだ状態を示した正面図である。 弁体を示した斜視図である。 液体混注具の本体と弁体との関係を示した断面図である。 変形例に係る液体混注具の要部を示した断面図である。
符号の説明
10…混注具本体、11…チャンバー部、12…下流分岐管、13,43…連結用開口部、14…上流分岐管、20,40…蓋部材、21,41…上部、21b…内周面、25,45…ゴム栓、25a…スリット、26…ゴム栓本体、26b…ドーム状部、44a…テーパ面、A…液体混注具。

Claims (3)

  1. チャンバー部と、前記チャンバー部からそれぞれ異なる方向に延び少なくとも上方に延びる上部分岐管を含む複数の分岐管とからなる混注具本体と、
    前記上部分岐管の内周面に取り付けられ、内部を貫通するスリットを閉じることにより前記上部分岐管を閉塞するとともに、前記スリットに接続管を挿通させることにより前記チャンバー部内と前記接続管内とを連通させるゴム栓と
    を備えた液体混注具であって、
    前記上部分岐管の内周面に、前記チャンバー部側から前記上部分岐管の上部側に向って徐々に細くなったテーパ面を形成するとともに、
    前記ゴム栓における前記テーパ面に密接する部分を、前記チャンバー部側に位置する部分から前記上部分岐管の上部側に位置する部分に向って徐々に細くなるように形成し、
    さらに、前記チャンバー部内と前記上部分岐管内との間に形成された流路に堰部を設けて液体が前記チャンバー部の上方を通過するようにし、
    前記上部分岐管に取り付けられた状態の前記ゴム栓に対して前記チャンバー部内と前記上部分岐管内との間に形成された流路を通る液体から圧力がかかったときに、前記ゴム栓が前記テーパ面により強く圧接して前記スリットの閉塞状態をより確実にするようにしたことを特徴とする液体混注具。
  2. 前記上部分岐管に取り付けられていない状態での前記ゴム栓における前記テーパ面に密接する外周面と垂直軸との間の角度を、前記上部分岐管のテーパ面と垂直軸との間の角度よりも大きく設定した請求項1に記載の液体混注具。
  3. 前記ゴム栓の下面をドーム状に形成した請求項1または2に記載の液体混注具。
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