JP5013808B2 - ストーカ式焼却炉の燃焼制御装置 - Google Patents
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Description
このようなストーカ式焼却炉において、ストーカ上の燃焼室内の燃焼排ガスの一部を抽出した再循環ガスを、再循環通路を通して前記燃焼室内の二次燃焼部に還流させて二次空気と共に燃焼に供するようにした技術が、特許文献1(特許第3582710号公報)により提供されている。
すなわち、前記従来技術においては、ストーカ上方の燃焼室内の燃焼排ガスの一部を抜き出して再循環ガスとして熱交換器に送り、該熱交換器にて一次空気及び二次空気と熱交換することにより該再循環ガスを冷却した後、この降温された再循環ガスを前記熱交換器の後流側に配置されたファンによって、燃焼室内の二次空気供給口よりも上流側部位に投入しているため、該再循環ガスを空気(一次空気及び二次空気)と熱交換してこれを降温してからファンに送り込むための熱交換器を必要とし、燃焼排ガス再循環系の構造が複雑になるとともに、機器数が多くなって装置コストの上昇を招いている。
また、前記ファンには、前記熱交換器によって降温されてはいるが、腐食成分の多い燃焼排ガスがそのまま送り込まれるため、ファンの腐食が進行し易く、該ファンの耐久性及び寿命の低下を招いている。
かかる先願発明においては、ストーカ上方の燃焼室内から抜き出した燃焼排ガスの一部を、ファンによって再循環通路を通して燃焼室内に還流させるにあたり、前記再循環通路のファンの上流部位において、再循環ガスに、燃焼用の一次空気または二次空気のいずれか一方からなる空気を直接に混合して、再循環ガス還流用のファンに導入し、この混合ガスからなる再循環ガスを該ファンによって燃焼室内に還流することにより、燃焼排ガスを空気によって降温するとともに、空気との混合によって燃焼排ガスを希釈してファンに導入することを可能とし、これによって、前記従来技術のような再循環ガスを冷却し降温させるための熱交換器は不要となり、燃焼排ガス再循環系の構造を簡単化するとともに構成機器数を低減させ、焼却設備の装置コストを低減させている。
(1)燃焼制御手段によって、再循環ファンに導入される空気混合再循環ガスの温度検出値に基づき、該空気混合再循環ガスの温度が予め設定された許容最高温度以下になるように前記空気流量調整手段の開度を調整して前記空気混合再循環ガスに混入される空気量を制御しているので、何らかの原因で前記再循環ガス中の温度が上昇した場合でも、該温度上昇に対応して空気量を増加することにより、前記再循環ファンに吸入される空気混合再循環ガスの温度を常時前記許容最高温度以下に適正に保持することができる。
これにより、前記空気混合再循環ガスによる再循環ファンの過熱を防止でき、該再循環ファンに特別な耐熱材料からなる高コストのファンを用いる必要がなくなり、高い耐久性を保持することができる。
(2)燃焼制御手段によって、再循環ファンに導入される空気混合再循環ガスのガス濃度検出値(好ましくは酸素濃度検出値)に基づき、該空気混合再循環ガスのガス濃度が予め設定された許容ガス濃度になるように、空気流量調整手段の開度を調整して前記空気混合再循環ガスに混入される空気量を制御しているので、例えば再循環ガス中の酸素が消費されて酸素濃度が過小になった場合でも、前記空気流量調整手段の開度を大きくして空気量を増加させることにより、常時前記許容最小酸素濃度以上での安定燃焼が可能となる。
図1は本発明の第1実施形態に係るストーカ式焼却炉の構成図、図2は前記第1実施形態における燃焼制御手段の概略構成図、図3は前記第1実施形態における燃焼制御ブロック図である。
図1において、1はごみや産業廃棄物等の被燃焼物が投入されるごみホッパ、2はストーカ式焼却炉である。このストーカ式焼却炉2は、ごみホッパ1からの投入口の炉内底部に主として乾燥帯を構成する乾燥帯ストーカ21、主として燃焼帯を構成する主燃焼帯ストーカ22、及び主としておき燃焼帯を構成するおき燃焼帯ストーカ23が敷設されている。乾燥帯ストーカ21は最上流側に位置し、主燃焼帯ストーカ22は乾燥帯ストーカ21の下流側に位置し、おき燃焼帯ストーカ23は主燃焼帯ストーカ22の下流で最下流側に位置している。ここで、主燃焼帯とは、ごみ層上で火炎を上げて燃えている領域を指している。
前記各ストーカ21,22,23は、固定火格子の間に配設された移動火格子を備え、該移動火格子の往復運動によりごみ(被燃焼物)を投入した後、該ごみをストーカ21で乾燥し、ストーカ22で主燃焼を行い、最後にストーカ23でおき燃焼を行うものである。なお、この実施形態では前記主燃焼帯ストーカ22は3個であるが、1個または複数個設けられていればよい。8は灰捕集槽である。
また、前記ストーカ21,22,23の上方には一次燃焼室3が設けられ、さらにその上方には二次燃焼室4が設けられている。
19a,19b,19c,19dは二次燃焼室4に臨んで設置された再循環ガス吹出しノズルである。また、81は二次燃焼室4の排気ガス出口に接続されるボイラである。
前記空気ダンパ30aは後述する燃料制御手段60からの制御信号を受けて自動的に開度調整(流量調整)可能に構成されており、該空気ダンパ30aの開度を調整することによって、混入空気通路30を流れる一次空気の流量が調整され、混合ガス通路14、サイクロン12及び吸入通路31を通って再循環ファン13に導入される再循環ガスと一次空気との混合ガスである、空気混合再循環ガスの再循環ガスと一次空気との混合割合を調整するように構成されている。
本発明の第1実施形態のストーカ式焼却炉2は、燃焼制御手段60を備え、該燃焼制御手段60は、温度センサ35(35aを含む)、空気ダンパ30a及び空気ダンパ開度検出器36に電気的に接続されており、温度センサ35から前記空気混合再循環ガスの温度検出値が入力されるとともに、空気ダンパ開度検出器36から空気ダンパ30aの開度検出値が入力され、かかる検出値に基づき前記空気混合再循環ガスの温度が目標温度となるように、空気ダンパ30aの開度を調整して、前記空気混合再循環ガスにおける再循環ガスと一次空気との混合割合を目標混合割合に制御するものである。
このようにすることで、燃焼排ガスの一部からなる再循環ガスを一次空気によって降温するとともに当該一次空気との混合によって燃焼排ガスを希釈化して再循環ファン13に導入することが可能となる。
本実施形態の燃焼制御手段60は、ガス温度比較部61、基準ガス温度設定部62、ガス温度/空気量設定部63、空気量調整量算出部64、空気ダンパ開度調整量算出部65及び空気ダンパ開度算出部66を備えており、温度センサ35により検出された空気混合再循環ガスの温度検出値は、当該燃焼制御手段60のガス温度比較部61に入力される。基準ガス温度設定部62では、前記再循環ファン13に送り込まれる前記空気混合再循環ガスの許容最高温度(300℃程度が好適)が設定されている。
また、ガス温度比較部61においては、温度センサ35からの空気混合再循環ガスの温度検出値と基準ガス温度設定部62に設定された許容最高温度との温度偏差を算出するようになっている。
そして、以下の手順により図2に示す空気ダンパ開度算出手段600による空気気ダンパ30aの開度を算出している。
ガス温度/空気量設定部63には、混入空気通路30を通して供給される空気の空気量と、前記空気と再循環通路16からの再循環ガスとの混合後の前記空気混合再循環ガス温度との関係が、実験結果あるいはシミュレーション計算によって予め設定されている。
また、空気量調整量算出部64においては、ガス温度比較部61からの前記温度偏差の算出値に対応する空気量偏差を前記ガス温度/空気量設定部63から算出(抽出)して、空気ダンパ開度調整量算出部65に出力している。空気ダンパ開度調整量算出部65には、前記空気ダンパ30aの開度特性として、空気量と空気ダンパ開度との関係が設定されており、該空気ダンパ開度調整量算出部65においては、空気量調整量算出部64からの空気量偏差算出値に対応する空気ダンパ開度調整量を算出して、空気ダンパ開度算出部66に入力している。
この空気ダンパ開度算出部66においては、前記空気ダンパ開度検出器36から入力されている空気ダンパ30aの開度検出値に前記空気ダンパ開度調整量算出部65からの空気ダンパ開度調整量を加算あるいは減算して、空気ダンパ開度の目標値、すなわち前記基準ガス温度に対応する空気ダンパ開度を算出し、前記空気ダンパ30aを当該目標開度に制御している。
これにより、前記空気混合再循環ガスによる再循環ファン13の過熱を防止でき、再循環ファン13に特別な耐熱材料からなる高コストのファンを用いる必要がなくなり、かつ高い耐久性を保持することができる。
図4は本発明の第2実施形態に係るストーカ式焼却炉の構成図、図5は前記第2実施形態における燃焼制御手段の概略構成図、図6は前記第2実施形態における燃焼制御ブロック図である。
本発明の第2実施形態では、前記空気混合再循環ガスのガス濃度を検出して該ガス濃度により空気ダンパ30aの開度を制御する手段において、ガス濃度として酸素濃度を用いている。なお、当該酸素濃度に代えて、CO2等の空気混合再循環ガス中の他の成分の濃度を用いることも可能である。
すなわち、本発明の第2実施形態のストーカ式焼却炉2には、図4に示すように、空気混合再循環ガス中の酸素濃度を検出する酸素濃度計37(あるいは酸素濃度計37a)と、前記二次燃焼室4の出口側における燃焼排ガス中のNOx濃度を検出するNOx濃度センサ38と、CO濃度を検出するCO濃度センサ39とが設けられている。
そして、本実施形態の燃焼制御手段60は、図5及び図6に示すように、酸素濃度比較部71、基準酸素濃度設定部72、NOx濃度比較部73、基準NOx濃度設定部74、CO濃度比較部75、基準CO濃度設定部76、空気量調整量算出部77、酸素濃度/空気量設定部78、空気量調整量算出部79、NOx濃度/空気量設定部80、空気量調整量算出部81、CO濃度/空気量設定部82、空気ダンパ開度調整量算出部65及び空気ダンパ開度算出部66を備えており、酸素濃度計37からの酸素濃度検出値に基づき、前記空気混合再循環ガスの酸素濃度が予め設定された目標酸素濃度になるような空気ダンパ30aの開度を算出して、空気ダンパ30aの開度を当該開度算出値に制御している。
また、燃焼制御手段60は、NOx濃度センサ38からのNOx濃度検出値及びCO濃度センサ39からのCO濃度検出値に基づき、前記燃焼排ガス中のNOx濃度が予め設定された目標NOx濃度以下になり、かつ燃焼排ガス中のCO濃度が予め設定された目標CO濃度以下になるような空気ダンパ30aの開度を算出して、空気ダンパ30aの開度を当該開度算出値に制御している。
図5は、かかる第2実施形態において、酸素濃度計37(37a)からの酸素濃度検出値に基づき、空気ダンパ開度算出手段600によって空気気ダンパ30aの開度を算出する手順を抜き出して示しているが、以下の動作説明は、前記酸素濃度に加えて燃焼排ガス中のNOx濃度及びCO濃度を用いた燃焼制御について、図6を参照して行う。
図6において、酸素濃度計37(あるいは酸素濃度計37a)により検出された前記空気混合再循環ガスの酸素濃度検出値は、燃焼制御手段60の酸素濃度比較部71に入力される。また、NOx濃度センサ38により検出された燃焼排ガス中のNOx濃度検出値は、燃焼制御手段60のNOx濃度比較部73に入力される。さらに、CO濃度センサ39により検出された燃焼排ガス中のCO濃度検出値は、燃焼制御手段60のCO濃度比較部75に入力される。
基準酸素濃度設定部72では、再循環ファン13に送り込まれる前記空気混合再循環ガスの許容最小酸素濃度が設定されている。基準NOx濃度設定部74では、前記燃焼排ガス中の許容最大NOx濃度が設定されている。基準CO濃度設定部76では、前記燃焼排ガス中の許容最大CO濃度が設定されている。
また、NOx濃度比較部73においては、NOx濃度センサ38からの燃焼排ガス中のNOx濃度検出値と、基準NOx濃度設定部74に設定された許容最大NOx濃度とのNOx濃度偏差を算出して、空気量調整量算出部79に入力している。
さらに、CO濃度比較部75においては、CO濃度センサ39からの燃焼排ガス中のCO濃度検出値と、基準CO濃度設定部76に設定された許容最大CO濃度とのCO濃度偏差を算出して、空気量調整量算出部81に入力している。
また、NOx濃度/空気量設定部80では、混入空気通路30を通して供給される空気の空気量と、前記燃焼排ガス中のNOx濃度との関係が、実験結果あるいはシミュレーション計算によって予め設定されている。
さらに、CO濃度/空気量設定部82では、混入空気通路30を通して供給される空気の空気量と、前記燃焼排ガス中のCO濃度との関係が、実験結果あるいはシミュレーション計算によって予め設定されている。
また、空気量調整量算出部79においては、NOx濃度比較部73からの前記NOx濃度偏差の算出値に対応する空気量偏差をNOx濃度/空気量設定部80から算出(抽出)して、空気ダンパ開度調整量算出部65に入力している。
さらに、空気量調整量算出部81においては、CO濃度比較部75からの前記CO濃度偏差の算出値に対応する空気量偏差をCO濃度/空気量設定部82から算出(抽出)して、空気ダンパ開度調整量算出部65に入力している。
その他の構成は前記第1実施形態と同様であり、これと同一の部材は同一の符号で示されている。
また、燃焼制御手段60によって、空気ダンパ30aの開度を調整することにより、燃焼排ガス中のNOx濃度を許容最大NOx濃度以下に、また燃焼排ガス中のCO濃度を許容最大CO濃度以下に、それぞれ常時保持することができ、排ガスの浄化を促進できる。
図7は本発明の第3実施形態に係るストーカ式焼却炉の構成図、図8は前記第3実施形態における酸素濃度及び空気混合再循環ガスの温度による燃焼制御を抜き出したフローチャートである。
本発明の第3実施形態は、図1〜図3に示す第1実施形態と図4〜図6に示す第2実施形態とを組み合わせたものである。
すなわち、この第3実施形態においては、燃焼制御手段60によって、温度センサ35a(あるいは図1における温度センサ35でもよい)による空気混合再循環ガスの温度検出値に基づき、該空気混合再循環ガスの温度が予め設定された許容最高温度以下になるように空気ダンパ30aの開度を調整して前記空気混合再循環ガスに混入される空気量を制御するとともに、前記空気混合再循環ガス中の酸素濃度を検出する酸素濃度計37による酸素濃度検出値に基づき前記空気混合再循環ガスの酸素濃度が予め設定された許容最小酸素濃度以上になるような空気ダンパ30aの開度を算出して、空気ダンパ30aの開度を当該開度算出値に制御している。
また、第3実施形態には、前記第2実施形態と同様に、二次燃焼室4の出口側における燃焼排ガス中のNOx濃度を検出するNOx濃度センサ38と、CO濃度を検出するCO濃度センサ39とが設けられており、NOx濃度センサ38からのNOx濃度検出値及びCO濃度センサ39からのCO濃度検出値に基づき、前記燃焼排ガス中のNOx濃度が予め設定された目標NOx濃度以下になり、かつ燃焼排ガス中のCO濃度が予め設定された目標CO濃度以下になり得るような空気ダンパ30aの開度を算出して、空気ダンパ30aの開度を当該開度算出値に制御している。
その他の構成は前記第1実施形態と同様であり、これと同一の部材は同一の符号で示されている。
すなわち、酸素濃度計37により空気混合再循環ガスの酸素濃度Cgを検出し(ステップ(1))、この酸素濃度検出値Cgを目標酸素濃度Cgoと比較し(ステップ(2))、酸素濃度Cgが目標酸素濃度Cgoよりも大きい場合(Cg>Cgo)は空気ダンパ30aを閉じて空気量を減少し(ステップ(3))、酸素濃度Cgが目標酸素濃度Cgoよりも小さい場合(Cg<Cgo)は空気ダンパ30aを開いて空気量を増加する(ステップ(4))。
そして、かかる酸素濃度による空気ダンパ30aの開度制御に続いて、次の手順で空気混合再循環ガスの温度による空気ダンパ30aの開度制御が行われる。
すなわち、図8において、温度センサ35a(あるいは図1における温度センサ35でもよい)により空気混合再循環ガスの温度Tgを検出し(ステップ(5))、この温度検出値Tgを目標温度Tgoと比較して(ステップ(6))、温度検出値Tgが目標温度Tg0に一致しているときは空気ダンパ30aの開度を現状に保持し、温度検出値Tgが目標温度Tgoよりも高い場合(Tg>Tgo)は空気ダンパ30aを開いて空気量を増加し、空気混合再循環ガスの温度Tgを下げ(ステップ(7))、温度検出値Tgが目標温度Tgoよりも低い場合(Tg<Tgo)は空気ダンパ30aを閉じて空気量を減少し、空気混合再循環ガスの温度Tgを上げる(ステップ(8))。
すなわち、第3実施形態に係るストーカ式焼却炉2の燃焼制御装置では、
(1)燃焼制御手段60によって、再循環ファン13に導入される空気混合再循環ガスの温度検出値に基づき、該空気混合再循環ガスの温度が予め設定された許容最高温度以下になるように空気ダンパ30aの開度を調整して前記空気混合再循環ガスに混入される空気量を制御しているので、何らかの原因で前記再循環ガスの温度が上昇した場合でも、該温度上昇に対応して空気量を増加させることにより、再循環ファン13に吸入される空気混合再循環ガスの温度を常時前記許容最高温度以下に適正に保持することができる。
これにより、前記空気混合再循環ガスによる再循環ファン13の過熱を防止でき、再循環ファン13に特別な耐熱材料からなる高コストのファンを用いる必要がなくなり、高い耐久性を保持することができる。
(2)燃焼制御手段60によって、再循環ファン13に導入される空気混合再循環ガスの酸素濃度検出値に基づき、該空気混合再循環ガスの酸素濃度が予め設定された許容最小酸素濃度以上になるように空気ダンパ30aの開度を調整して前記空気混合再循環ガスに混入される空気量を制御しているので、再循環ガス中の酸素が消費されて酸素濃度が過小になった場合でも、空気ダンパ30aの開度を大きくして空気量を増加させることにより、常時前記許容最小酸素濃度以上での安定燃焼が可能となる。
また、燃焼制御手段60によって、空気ダンパ30aの開度を調整することにより、燃焼排ガス中のNOx濃度を許容最大NOx濃度以下に、また燃焼排ガス中のCO濃度を許容最大CO濃度以下に、それぞれ常時保持することができ、排ガスの浄化を促進できる。
図9は本発明の第4実施形態に係るストーカ式焼却炉の構成図、図10は前記第4実施形態における燃焼制御フローチャートである。
本発明の第4実施形態においては、前記第3実施形態に加えて、再循環ガスに空気を混合して二次燃焼室4に供給される空気混合再循環ガスが通流する吸入通路(再循環ガス通路)31に空気混合再循環ガス流量を調整するガスダンパ013が設けられているとともに、再循環通路15に設けた混合ガス流量計90によって空気混合再循環ガスの流量を検出し、燃焼制御手段60により、前記ガス流量計からの空気混合再循環ガスの流量検出値に基づき該再循環ガスの流量が予め設定された目標流量になるようにガスダンパ013の開度を制御している。
すなわち、図10におけるステップ(1)〜(8)は、図8に示す前記第3実施形態の場合と同様である。
したがって、再循環ガスの流量Qgが目標流量Qgoになるようにガスダンパ013の開度を制御することにより、二次空気としての空気混合再循環ガスの量を、該空気混合再循環ガスが完全燃焼し得る量に安定的に保持することが可能となり、燃焼状態を平均化して安定燃焼を保持できる。
このような第4実施形態は、燃焼制御手段60によって、二次燃焼室4の左右の複数箇所(左側2箇所、右側2箇所)に対向して設けたガス圧力センサB42,及びガス圧力センサA41からの前記ガス圧力の検出値に基づき、前記複数箇所のガス圧力が予め設定された目標圧力になるような各分岐ガスダンパB33及び分岐ガスダンパA32の開度を算出して、各分岐ガスダンパB33及び分岐ガスダンパA32の開度算出値に制御するように構成されている。
前記ガス圧力検出値Pgが目標ガス圧力Pgoよりも小さいときには(Pg<Pgo)、分岐ガスダンパB33及び分岐ガスダンパA32を開き(厳密には開度を大きくし)(ステップ(14))、再循環ガス吹出しノズル19a,19c及び再循環ガス吹出しノズル19b,19dへの空気混入再循環ガス量を増加させる。
また、二次燃焼室4の左右の複数箇所(左側2箇所、右側2箇所)に対向して設けたガス圧力センサB42,及びガス圧力センサA41からの前記ガス圧力の検出値に基づき、前記複数箇所のガス圧力が予め設定された目標圧力になるように各分岐ガスダンパB33及び分岐ガスダンパA32の開度を算出して、各分岐ガスダンパB33及び分岐ガスダンパA32の開度算出値に制御しているので、二次燃焼室4の複数箇所に設けた再循環ガス吹出しノズル19a,19c及び再循環ガス吹出しノズル19b,19dへの空気混入再循環ガス量の配分を自在に調整でき、燃焼室の周方向に均一に空気混入再循環ガスを供給することが可能となって、燃焼を平均化できる。
2 ストーカ式焼却炉
3 一次燃焼室
4 二次燃焼室
5 一次空気主管
13 再循環ファン
013 ガスダンパ
14 入口通路
15,16,17 再循環通路
19a,19b,19c,19d 再循環ガス吹出しノズル
21 乾燥帯ストーカ
22 主燃焼帯ストーカ
23 おき燃焼帯ストーカ
30 混入空気通路
30a 空気ダンパ
31 吸入通路
32 分岐ガスダンパA
33 分岐ガスダンパB
35,35a 温度センサ
36 空気ダンパ開度検出器
37,37a 酸素濃度計
38 NOx濃度センサ
39 CO濃度センサ
40 再循環ガス抜出し口
41 ガス圧力センサA
42 ガス圧力センサB
51,52,53 一次空気管
60 燃焼制御手段
90 混合ガス流量計
Claims (5)
- 被焼却物が投入されるストーカの下方より一次空気を導入し、該ストーカ上方の燃焼室で一次燃焼を行った後、該燃焼室の上方で二次燃焼を行うとともに、前記燃焼室内の燃焼排ガスの一部を抽出した再循環ガスと、空気通路を通して供給される空気とを混合し、この空気混合再循環ガスをファンにより再循環通路を通して炉内に供給するように構成されたストーカ式焼却炉の燃焼制御装置において、
前記空気通路に空気流量を調整する空気流量調整手段を設ける一方、前記空気混合再循環ガスのガス濃度を検出するガス濃度検出手段と、前記ガス濃度検出手段からの前記空気混合再循環ガスのガス濃度検出値が入力され、該ガス濃度検出値に基づき前記空気混合再循環ガスのガス濃度が予め設定された目標ガス濃度になるような前記空気流量調整手段の通路面積を算出して、前記空気流量調整手段を前記通路面積算出値に制御する燃焼制御手段を設けたことを特徴とするストーカ式焼却炉の燃焼制御装置。 - 前記燃焼排ガス中のNOx濃度を検出するNOx濃度検出手段及び前記燃焼排ガス中のCO濃度を検出するCO濃度検出手段を設け、前記燃焼制御手段は、前記ガス濃度検出手段から入力される該ガス濃度検出値に基づき前記空気混合再循環ガスのガス濃度が予め設定された目標ガス濃度になり、かつ前記NOx濃度検出手段から入力されるNOx濃度検出値に基づき前記燃焼排ガス中のNOx濃度が予め設定された目標NOx濃度以下になるとともに前記CO濃度検出手段から入力されるCO濃度検出値に基づき前記燃焼排ガス中のCO濃度が予め設定された目標CO濃度以下になるような前記空気流量調整手段の通路面積を算出して、前記空気流量調整手段を前記通路面積算出値に制御するように構成されていることを特徴とする請求項1に記載のストーカ式焼却炉の燃焼制御装置。
- 被焼却物が投入されるストーカの下方より一次空気を導入し、該ストーカ上方の燃焼室で一次燃焼を行った後、該燃焼室の上方で二次燃焼を行うとともに、前記燃焼室内の燃焼排ガスの一部を抽出した再循環ガスと、空気通路を通して供給される空気とを混合し、この空気混合再循環ガスをファンにより再循環通路を通して炉内に供給するように構成されたストーカ式焼却炉の燃焼制御装置において、
前記空気通路に空気流量を調整する空気流量調整手段を設ける一方、前記空気混合再循環ガスの温度を検出する温度検出手段と、前記空気混合再循環ガスのガス濃度を検出するガス濃度検出手段と、前記温度検出手段からの前記空気混合再循環ガスの温度検出値及び前記ガス濃度検出手段からの前記空気混合再循環ガスのガス濃度検出値が入力され、これら温度検出値及びガス濃度検出値に基づき、前記空気混合再循環ガスの温度が予め設定された目標温度になり、かつ前記空気混合再循環ガスのガス濃度が予め設定された目標ガス濃度になるような前記空気流量調整手段の通路面積を算出して、前記空気流量調整手段を前記通路面積算出値に制御する燃焼制御手段を設けたことを特徴とするストーカ式焼却炉の燃焼制御装置。 - 被焼却物が投入されるストーカの下方より一次空気を導入し、該ストーカ上方の燃焼室で一次燃焼を行った後、該燃焼室の上方で二次燃焼を行うとともに、前記燃焼室内の燃焼排ガスの一部を抽出した再循環ガスと、空気通路を通して供給される空気とを混合し、この空気混合再循環ガスをファンにより再循環通路を通して炉内に供給するように構成されたストーカ式焼却炉の燃焼制御装置において、
前記再循環ガスに空気を混合して前記燃焼室に供給される空気混合再循環ガスが流通する再循環ガス通路に空気混合再循環ガス流量を調整する再循環ガス流量調整手段を設けるとともに、前記空気混合再循環ガスの流量を検出するガス流量計を設け、前記ガス流量計から入力される再循環ガスの流量検出値に基づき、該再循環ガスの流量が予め設定された目標流量になるような前記再循環ガス流量調整手段の通路面積を算出して、前記再循環ガス流量調整手段を前記通路面積算出値に制御する燃焼制御手段を設けたことを特徴とするストーカ式焼却炉の燃焼制御装置。 - 前記燃焼室の複数箇所に再循環ガス吹出し口を設けるとともに、前記再循環ガス通路を前記各再循環ガス吹出し口に接続して複数個設け、前記各再循環ガス通路に空気混合再循環ガス流量を調整する再循環ガス流量調整手段を設け、前記燃焼室の圧力を検出する燃焼室圧力検出手段を前記再循環ガス流量調整手段に対応して設け、前記燃焼制御手段は、前記複数個の燃焼室圧力検出手段からの燃焼室圧力検出値に基づき、前記複数箇所の燃焼室圧力が予め設定された目標圧力になるような前記各再循環ガス流量調整手段の通路面積を算出して、前記各再循環ガス流量調整手段を前記通路面積算出値に制御するように構成されていることを特徴とする請求項4に記載のストーカ式焼却炉の燃焼制御装置。
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