JP5012566B2 - インスリン抵抗性マーカー - Google Patents
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Description
しかしながら、実際には、すでにインスリン抵抗性を発症した後、さらに血圧や脂質代謝に異常を来たしてはじめて、健康診断などでメタボリック症候群が発覚することが現状である。すなわち、早期にインスリン抵抗性発症を診断することは非常に困難であることが現状である。
このため、インスリン抵抗性を特異的に検出することができる新規診断マーカーの発見が求められている。
このため、インスリン抵抗性に対して特異的作用を示す新規創薬ターゲットの発見が求められている。
具体的には、インスリンが、筋肉細胞や脂肪細胞に存在するインスリン受容体に結合すると、チロシンキナーゼが活性化されて、IRS-1(insulin receptor substrate-1)などがチロシンリン酸化される。IRS-1のリン酸化チロシンに、PI3-キナーゼ(phosphoinositide 3-kinase)、Grb2・Sos複合体、SHP-2が結合する。これにより、PI3-キナーゼが活性化され、Akt(別名:PKB、プロテインキナーゼB)が結合する。Aktは、PDK1(phosphatidylinositol-dependent protein kinase 1)によりリン酸化され、活性型Aktになる。活性化Aktは、細胞膜を離れ、種々のタンパク質をリン酸化する。そのため、筋肉細胞(骨格筋、心筋)、脂肪細胞では、糖輸送担体(グルコーストランスポーター:glucose transporter)のGLUT4(グルットフォー:glucose transporter 4)含有小胞の細胞膜への移動(トランスロケーション:translocation)が促進され、細胞膜上にGLUT4が発現され、細胞内へのグルコースの取り込みが促進される。
しかしながら、このタンパク質及びペプチドとインスリン抵抗性との関連性は全く知られていない。
(1)
配列番号1に記載のアミノ酸配列の少なくとも297番目から309番目のアミノ酸からなるポリペプチドを含む、インスリン抵抗性マーカー。
従って、「配列番号1に記載のアミノ酸配列の少なくとも297番目から309番目のアミノ酸からなるポリペプチド」には、一例として、配列番号3に記載のアミノ酸配列の相当するアミノ酸からなるポリペプチドが含まれる。
「ポリペプチド」には、オリゴペプチド及びタンパク質が含まれる。
インスリン抵抗性を評価する方法であって、以下の工程:
配列番号1に記載のアミノ酸配列の少なくとも297番目から309番目のアミノ酸からなるポリペプチドの、インスリン抵抗性を評価すべき対象となる個体に由来する試料中におけるレベルを測定する工程、及び
得られた測定レベルと、前記ポリペプチドの正常レベルとを比較する工程、
を含み、
前記得られた測定レベルが、前記正常レベルよりも増加していることを、前記対象となる個体がインスリン抵抗性の状態にある可能性が高いことの指標の1つとする方法。
「レベル」には、発現レベル及び分泌レベルが含まれる。
インスリン抵抗性を改善する物質のスクリーニング方法であって、以下の工程:
配列番号1に記載のアミノ酸配列の少なくとも297番目から309番目のアミノ酸からなるポリペプチドを含む試料、又は前記ポリペプチドの発現能又は分泌能を有する細胞と、候補物質と、を接触させる工程、
前記候補物質を接触させた場合の前記ポリペプチドのレベル、又は前記細胞における前記ポリペプチドの発現レベル又は分泌レベルを測定する工程、及び
前記候補物質を接触させた場合の測定された前記ポリペプチドのレベル、又は前記細胞における測定された前記ポリペプチドの発現レベル又は分泌レベルと、前記候補物質を接触させない場合の前記ポリペプチドのレベル、又は前記細胞における前記ポリペプチドの発現レベル又は分泌レベルと、を比較する工程、を含み、
前記候補物質を接触させた場合の測定された前記レベル、発現レベル又は分泌レベルが、前記候補物質を接触させない場合の前記レベル、発現レベル又は分泌レベルよりも減少していることを、インスリン抵抗性を改善する物質として前記候補物質を選択することの指標の1つとする方法。
インスリン抵抗性を改善する物質のスクリーニング方法であって、以下の工程:
配列番号1に記載のアミノ酸配列の少なくとも297番目から309番目のアミノ酸からなるポリペプチドを含む試料、又は前記ポリペプチドを発現又は分泌している細胞と、候補物質と、を接触させる工程、
前記候補物質を接触させた場合の前記ポリペプチドの機能、又は前記細胞における前記ポリペプチドの機能を測定する工程、及び
前記候補物質を接触させた場合の測定された前記ポリペプチドの機能、又は前記細胞における測定された前記ポリペプチドの機能と、前記候補物質を接触させない場合の前記ポリペプチドの機能、又は前記細胞における前記ポリペプチドの機能と、を比較する工程、を含み、
前記候補物質を接触させた場合の測定された前記機能が、前記候補物質を接触させない場合の前記機能より制御されていることを、インスリン抵抗性を改善する物質として前記候補物質を選択することの指標の1つとする方法。
上記(4)の方法によって、本発明のインスリン抵抗性マーカーによるインスリン抵抗性誘発活性(例えばインスリン情報伝達経路の抑制活性)を制御することによってインスリン抵抗性を改善する物質を選択することができる。
前記ポリペプチドの機能の測定は、Akt、リン酸化Akt及びインスリン情報伝達経路におけるAktの下流で機能する因子からなる群から選ばれるインスリン情報伝達関連因子のレベルを測定することにより行い、
前記候補物質を接触させた場合の前記インスリン情報伝達関連因子の測定レベルが、前記候補物質を接触させない場合の前記インスリン情報伝達関連因子のレベルより減少又は増加していることを、インスリン抵抗性を改善する物質として前記候補物質を選択することの指標の1つとする方法。
配列番号1に記載のアミノ酸配列の少なくとも297番目から309番目のアミノ酸からなるポリペプチドを含む、インスリン抵抗性を改善するための薬剤組成物。
配列番号1に記載のアミノ酸配列の少なくとも297番目から309番目のアミノ酸からなるポリペプチドに対する抗体を含む、インスリン抵抗性を改善するための薬剤組成物。
「抗体」とは、広く免疫特異的に結合する物質をいい、抗体フラグメントや抗体融合タンパク質も含まれる。
配列番号1に記載のアミノ酸配列の少なくとも297番目から309番目のアミノ酸からなるポリペプチドによる機能を制御する物質を有効成分として含む、インスリン抵抗性を改善するための薬剤組成物。
配列番号2に記載の塩基配列の少なくとも891番目から927番目の塩基からなるポリヌクレオチド及び該ポリヌクレオチドに相補的なポリヌクレオチドからなる群から選ばれるポリヌクレオチドを含む、インスリン抵抗性マーカー。
「ポリヌクレオチド」には、特定の配列(すなわち配列番号2に記載の塩基配列の少なくとも891番目から927番目の塩基からなる配列)で特定されるポリヌクレオチド、及び、当該ポリヌクレオチドによりコードされるポリペプチドの同族体及び変異体であり且つ当該ポリペプチドと同等のインスリン抵抗性に関与する生物学的機能を有するポリペプチドをコードするポリヌクレオチドが含まれる。
従って、「配列番号2に記載の塩基配列の少なくとも891番目から927番目の塩基からなるポリヌクレオチド及び該ポリヌクレオチドに相補的なポリヌクレオチドからなる群から選ばれるポリヌクレオチド」には、一例として、配列番号4に記載の塩基配列の相当する塩基からなるポリヌクレオチド及び該ポリヌクレオチドに相補的なポリヌクレオチドからなる群から選ばれるポリヌクレオチドが含まれる。
「ポリヌクレオチド」には、DNA及びRNAが含まれる。DNAには、cDNA、ゲノムDNA、及び合成DNAが含まれる。RNAには、totalRNA、mRNA、rRNA、及び合成RNAが含まれる。
「ポリヌクレオチド」には、1本鎖ポリヌクレオチド及び2本鎖ポリヌクレオチドが含まれる。
インスリン抵抗性を評価する方法であって、以下の工程:
配列番号2に記載の塩基配列の少なくとも891番目から927番目の塩基からなるポリヌクレオチド及び該ポリヌクレオチドに相補的なポリヌクレオチドからなる群から選ばれるポリヌクレオチドの、インスリン抵抗性を評価すべき対象となる個体に由来する試料中におけるレベルを測定する工程、及び
得られた測定レベルと、前記ポリヌクレオチドの正常レベルとを比較する工程、を含み、
前記得られた測定レベルが、前記正常レベルよりも増加していることを、前記対象となる個体がインスリン抵抗性の状態にある可能性が高いことの指標の1つとする方法。
インスリン抵抗性を改善する物質のスクリーニング方法であって、以下の工程:
配列番号2に記載の塩基配列の少なくとも891番目から927番目の塩基からなるポリヌクレオチド及び該ポリヌクレオチドに相補的なポリヌクレオチドからなる群から選ばれるポリヌクレオチドを含む試料、又は前記ポリヌクレオチドの発現能を有する細胞と、候補物質と、を接触させる工程、
前記候補物質を接触させた場合の前記ポリヌクレオチドのレベル、又は前記細胞における前記ポリヌクレオチドの発現レベルを測定する工程、及び
前記候補物質を接触させた場合の測定された前記ポリヌクレオチドのレベル、又は前記細胞における測定された前記ポリヌクレオチドの発現レベルと、前記候補物質を接触させない場合の前記ポリヌクレオチドのレベル、又は前記細胞における前記ポリヌクレオチドの発現レベルと、を比較する工程、を含み、
前記候補物質を接触させた場合の測定された前記レベル、又は発現レベルが、前記候補物質を接触させない場合の前記レベル、又は発現レベルよりも減少していることを、インスリン抵抗性を改善する物質として前記候補物質を選択することの指標の1つとする方法。
配列番号2に記載の塩基配列の少なくとも891番目から927番目の塩基からなるポリヌクレオチド及び該ポリヌクレオチドに相補的なポリヌクレオチドからなる群から選ばれるポリヌクレオチドを含む、インスリン抵抗性を改善するための薬剤組成物。
「インスリン抵抗性」とは、正常な量のインスリンによる正常な生理または分子応答を生じさせることができない状態をいう。場合により、内在的に生産されるか、又は外から加えられる過剰な生理学的量のインスリンによって、インスリン抵抗性を少なくとも一部改善することができる、又は生物学的応答を生じさせることができる状態を含むことができる。
また、「インスリン抵抗性」の量的な定義も、当業者によって適宜なされるものである。例を挙げると、HOMA−R値の正常値である2.5以下を逸脱すればインスリン抵抗性の疑い有りと診断されることが多い。しかしながら、これに限定されることなく、インスリン抵抗性の量的な定義は、その他のファクターで定義されて良い。
本発明は、配列番号1に記載のアミノ酸配列の少なくとも297番目から309番目のアミノ酸からなるポリペプチドを含む、インスリン抵抗性マーカーである。
本発明は、配列番号1に記載のアミノ酸配列の連続する少なくとも15個のアミノ酸からなるポリペプチドを含む、インスリン抵抗性マーカーである。
「配列番号1に記載のアミノ酸配列」は、プロエピセリンのヒトホモログの配列である。
「配列番号1に記載のアミノ酸配列の連続する少なくとも15個のアミノ酸からなるポリペプチド」には、プロエピセリン、エピセリンペプチド(具体的には、1−エピセリン、2−エピセリン、3−エピセリン、4−エピセリン、5−エピセリン、6−エピセリン、及び7−エピセリン)、及び、プロエピセリン配列中のインスリン抵抗性に関わる最小配列を一部又は全体に含むいかなるポリペプチドも含まれる。
従って、「配列番号1に記載のアミノ酸配列の連続する少なくとも15個のアミノ酸からなるポリペプチド」には、マウスホモログである配列番号3に記載のアミノ酸配列の連続する少なくとも15個のアミノ酸からなるポリペプチドが含まれる。
これら同族体及び変異体は、配列番号1に記載のアミノ酸配列の連続する少なくとも15個のアミノ酸からなる配列との相同性が、少なくとも80%、好ましくは少なくとも85%、より好ましくは少なくとも90%、さらにより好ましくは少なくとも95%のものが挙げられる。
本発明は、配列番号2に記載の塩基配列の少なくとも891番目から927番目の塩基からなるポリヌクレオチド及び該ポリヌクレオチドに相補的なポリヌクレオチドからなる群から選ばれるポリヌクレオチドを含む、インスリン抵抗性マーカーである。
本発明は、配列番号2に記載の塩基配列の連続する少なくとも45個の塩基からなるポリヌクレオチド及び該ポリヌクレオチドに相補的なポリヌクレオチドからなる群から選ばれるポリヌクレオチドを含む、インスリン抵抗性マーカーである。
「配列番号2に記載の塩基配列の連続する少なくとも45個の塩基からなるポリヌクレオチド」には、配列番号2に記載の塩基配列の連続する少なくとも45個の塩基からなる配列で特定されるポリヌクレオチド、及び、当該ポリヌクレオチドによりコードされるポリペプチドの同族体及び変異体であり且つ当該ポリペプチドと同等のインスリン抵抗性に関与する生物学的機能を有するポリペプチドをコードするポリヌクレオチドが含まれる。
従って、「配列番号2に記載の塩基配列の連続する少なくとも45個の塩基からなるポリヌクレオチド及び該ポリヌクレオチドに相補的なポリヌクレオチドからなる群から選ばれるポリヌクレオチド」には、マウスホモログである配列番号4に記載の塩基配列の連続する少なくとも45個の塩基からなるポリヌクレオチド及び該ポリヌクレオチドに相補的なポリヌクレオチドからなる群から選ばれるポリヌクレオチドが含まれる。
上記の本発明のインスリン抵抗性マーカーは、インスリン抵抗性を評価する方法において有用である。そこで、本発明は、前述のインスリン抵抗性マーカーを使用することにより、インスリン抵抗性を評価する方法を提供する。
インスリン抵抗性を評価すべき対象となる個体に由来する試料中におけるインスリン抵抗性マーカーのレベルを測定する工程、及び
得られた測定レベルと、前記インスリン抵抗性マーカーの正常レベルとを比較する工程、を含み、
前記得られた測定レベルが、前記正常レベルよりも増加していることを、前記対象となる個体がインスリン抵抗性の状態にある可能性が高いことの指標の1つとする。
インスリン感受性とは、正常な量のインスリンによる正常な生理または分子応答を生じさせることができる状態をいう。
また、インスリン感受性の量的な定義も、当業者によって適宜なされるものである。例を挙げると、HOMA−R値の正常値である2.5以下であればインスリン感受性と診断されることが多い。しかしながら、これに限定されることなく、インスリン感受性の量的な定義は、その他のファクターで定義されて良い。
具体的には、配列番号1に記載のアミノ酸配列を有するポリペプチドのマウスホモログは、インスリン抵抗性を有する容態又は病態のモデルとなりうる3T3-L1細胞の成熟細胞において、特異的に発現量が増加していた。従って、配列番号1に記載のアミノ酸配列の連続する少なくとも15個のアミノ酸からなるポリペプチドが、インスリン抵抗性を評価すべき対象となる個体に由来する試料において特異的に増加(例えば、正常レベルの1.25倍以上、好ましくは1.5倍以上、より好ましくは2倍以上(モル基準)増加)していれば、インスリン抵抗性の容態又は病態が疑われうる。
具体的には、配列番号1に記載のアミノ酸配列を有するポリペプチドのマウスホモログは、インスリン抵抗性を有する容態又は病態のモデルとなりうる3TL3-L1細胞の成熟細胞において、特異的に発現量が増加していた。従って、配列番号1に記載のアミノ酸配列をコードする配列番号2に記載の塩基配列の連続する少なくとも45個の塩基からなるポリヌクレオチド及び該ポリヌクレオチドに相補的なポリヌクレオチドからなる群から選ばれるポリヌクレオチドが、インスリン抵抗性を評価すべき対象となる個体に由来する試料において特異的に増加(例えば、正常レベルの1.25倍以上、好ましくは1.5倍以上、より好ましくは2倍以上(モル基準)増加)していれば、インスリン抵抗性の容態又は病態が疑われうる。
上記の本発明のインスリン抵抗性マーカーは、インスリン抵抗性を改善する物質のスクリーニング方法において有用である。そこで、本発明のインスリン抵抗性マーカーの発現を制御する、又は、本発明のインスリン抵抗性マーカーの機能(具体的にはインスリン抵抗性誘発活性、例えばインスリン情報伝達経路の抑制活性)を制御することによってインスリン抵抗性を改善する物質をスクリーニングする方法を提供する。
このようにして得られる候補物質は、インスリン抵抗性を改善するための薬剤組成物の有効成分として有用である。
この方法は、インスリン抵抗性マーカーの発現を制御するインスリン抵抗性改善物質のスクリーニング方法であり、インスリン抵抗性マーカーのレベルの上昇が、インスリン抵抗性の容態又は病態と関連することを利用するものである。
従って、インスリン抵抗性を改善する候補物質のスクリーニングには、本発明のインスリン抵抗性マーカーの発現の変動が指標の1つとなる。
インスリン抵抗性試料 と、候補物質とを接触させる工程、
前記候補物質を接触させた場合の前記インスリン抵抗性試料におけるインスリン抵抗性マーカーのレベルを測定する工程、及び
前記候補物質を接触させた場合の測定された前記インスリン抵抗性マーカーのレベルと、前記候補物質を接触させない場合の前記インスリン抵抗性マーカーのレベルと、を比較する工程、
を含み、
前記候補物質を接触させた場合の測定された前記インスリン抵抗性マーカーのレベルが、前記候補物質を接触させない場合の前記インスリン抵抗性マーカーのレベルよりも減少していることを、インスリン抵抗性を改善する物質として前記候補物質を選択することの指標の1つとする。
また、インスリン感受性の量的な定義も、当業者によって適宜なされるものである。例を挙げると、HOMA−R値の正常値である2.5以下であればインスリン感受性と診断されることが多い。しかしながら、これに限定されることなく、インスリン感受性の量的な定義は、その他のファクターで定義されて良い。
スクリーニングに用いられる、インスリン抵抗性マーカーを含む試料としては、配列番号2に記載の塩基配列の連続する少なくとも45個の塩基からなるポリヌクレオチド及び該ポリヌクレオチドに相補的なポリヌクレオチドからなる群から選ばれるポリヌクレオチドを含む水溶液、細胞(例えば後述の細胞)由来画分などが挙げられる。
例えば、上記のポリヌクレオチドを含む細胞溶解液、細胞破砕液、核抽出液などが挙げられる。
スクリーニングに用いられる、インスリン抵抗性マーカーを含む試料としては、配列番号1に記載のアミノ酸配列の連続する少なくとも15個のアミノ酸からなるポリペプチドを含む水溶液、細胞(例えば後述の細胞)由来画分などが挙げられる。
例えば、上記のポリペプチドを含む細胞溶解液、細胞破砕液、核抽出液などが挙げられる。
すなわち、内在性及び外来性を問わず、配列番号2に記載の塩基配列の連続する少なくとも45個の塩基からなるポリヌクレオチド及び該ポリヌクレオチドに相補的なポリヌクレオチドからなる群から選ばれるポリヌクレオチドを発現し、その翻訳産物として、配列番号1に記載のアミノ酸配列の連続する少なくとも15個のアミノ酸からなるポリペプチドを発現しうる細胞が挙げられる。
例えば、候補物質を接触させた試料におけるインスリン抵抗性マーカーのレベルが、当該候補物質を接触させない試料におけるインスリン抵抗性マーカーのレベルより減少すること;又は、候補物質を接触させた細胞におけるインスリン抵抗性マーカーの発現レベル又は分泌レベルが、当該候補物質を接触させない細胞におけるインスリン抵抗性マーカーの発現レベル又は分泌レベルより減少すること、を指標に、物質の選択を行うことができる。
この方法は、インスリン抵抗性マーカーの恒常的存在が、インスリン情報伝達を阻害すること、すなわちインスリン抵抗性の容態又は病態と関連することを利用するものである。
従って、インスリン抵抗性を改善する候補物質のスクリーニングには、本発明のインスリン抵抗性マーカーの機能(具体的にはインスリン抵抗性マーカーの恒常的存在によるインスリン抵抗性誘発活性、例えばインスリン抵抗性マーカーの恒常的存在によるインスリン情報伝達経路の抑制活性)の変動が指標の1つとなる。
恒常的にインスリン抵抗性である試料と、候補物質とを接触させる工程、
前記候補物質を接触させた場合の前記インスリン抵抗性試料におけるインスリン抵抗性マーカーの機能を測定する工程、及び
前記候補物質を接触させた場合の測定された前記ポリペプチドの機能又は前記細胞における測定された前記ポリペプチドの機能と、前記候補物質を接触させない場合の前記ポリペプチドの機能又は前記細胞における前記ポリペプチドの機能と、を比較する工程、
を含み、
前記候補物質を接触させた場合の測定された前記インスリン抵抗性マーカーの機能が、前記候補物質を接触させない場合の前記インスリン抵抗性マーカーの機能より制御されていることを、インスリン抵抗性を改善する物質として前記候補物質を選択することの指標の1つとする。
従って、スクリーニングに用いられる、インスリン抵抗性マーカーを含む試料としては、配列番号1に記載のアミノ酸配列の連続する少なくとも15個のアミノ酸からなるポリペプチドを含む水溶液、細胞(例えば後述の細胞)由来画分などが挙げられる。
例えば、上記のポリペプチドを含む細胞溶解液、細胞破砕液、核抽出液などが挙げられる。
すなわち、内在性及び外来性を問わず、配列番号2に記載の塩基配列の連続する少なくとも45個の塩基からなるポリヌクレオチド及び該ポリヌクレオチドに相補的なポリヌクレオチドからなる群から選ばれるポリヌクレオチドを発現し、その翻訳産物として、配列番号1に記載のアミノ酸配列の連続する少なくとも15個のアミノ酸からなるポリペプチドを発現又は分泌しうる細胞が挙げられる。
また例えば、上記のポリヌクレオチドを導入した遺伝子導入細胞を用いることができる。遺伝子導入に用いられる宿主細胞としては、例えば、マウス由来細胞(NIH 3T3、C127、COP 、MOP、WOPなど)、ハムスター由来細胞(CHO 、CHO DHFR-など)、サル由来細胞(COS-7 、COS-1、CV-1など)、ヒト由来細胞(HeLaなど)、昆虫由来細胞(Sf21、Sf9、High Fiveなど)が挙げられる。
なお、スクリーニングに用いられる細胞には、細胞の集合体である組織も含まれる。
この方法においては、インスリン抵抗性マーカーによる上記のような機能を抑制する物質を選択する。
「リン酸化Akt」は、Aktの活性化体である。
例えば、候補物質を接触させたインスリン抵抗性試料におけるリン酸化Aktのレベルが、当該候補物質を接触させないインスリン抵抗性試料におけるリン酸化Aktのレベルより増加すること;又は、候補物質を接触させたインスリン抵抗性細胞において発現したリン酸化Aktの発現レベルが、当該候補物質を接触させないインスリン抵抗性細胞におけるリン酸化Aktのレベルより減少すること、を指標の1つとして、物質の選択を行うことができる。
本発明における薬剤組成物は、インスリン抵抗性を評価するための診断薬、インスリン抵抗性を改善するための潜在的又は実用的な治療薬として用いられうるものである。
すなわち、本発明の薬剤組成物における有効成分としては、以下のものが挙げられる。薬剤組成物は、このような有効成分に、薬剤として許容される希釈剤、担体、賦形剤などを混合して調製することができる。
「抗体」とは、広く免疫特異的に結合する物質をいい、抗体フラグメントや抗体融合タンパク質も含まれる。
この物質は、上述のインスリン抵抗性を改善する物質のスクリーニング方法によって選択されるものであり、当該方法において述べたように、本発明のインスリン抵抗性マーカーである配列番号1に記載のアミノ酸配列の連続する少なくとも15個のアミノ酸からなるポリペプチドの発現量又は分泌量を減少させるものである。従って、この物質を有効成分として含む薬剤組成物は、治療薬として有用である。
この物質は、上述のインスリン抵抗性を改善する物質のスクリーニング方法によって選択されるものであり、当該方法において述べたように、本発明のインスリン抵抗性マーカーである配列番号1に記載のアミノ酸配列の連続する少なくとも15個のアミノ酸からなるポリペプチドの機能を減弱させるものである。従って、この物質を有効成分として含む薬剤組成物は、治療薬として有用である。
本発明のインスリン抵抗性マーカーであるこのポリヌクレオチドを標的RNAとした場合、当該標的RNAと配列相同性を持つ二本鎖RNA(これも本発明のインスリン抵抗性マーカーとして提供されるポリヌクレオチドに含まれる)は、RNA干渉機構によって、標的RNAの分解を誘導することができる。従って、当該ポリヌクレオチドを有効成分として含む薬剤組成物は、治療剤として有用である。
この物質は、上述のインスリン抵抗性を改善する物質のスクリーニング方法によって選択されるものであり、当該方法において述べたように、本発明のインスリン抵抗性マーカーである配列番号2に記載の塩基配列の連続する少なくとも45個の塩基からなるポリヌクレオチド及び該ポリヌクレオチドに相補的なポリヌクレオチドからなる群から選ばれるポリヌクレオチドの発現量を減少させるものである。従って、この物質を有効成分として含む薬剤組成物は、治療薬として有用である。
[参考例1]脂肪細胞への分化
マウス3T3-L1細胞(ATCC No.CCL-92.1.)に、ダルベッコ改変イーグル培地-低グルコース Dulbecco’s modified Eagle’s medium - low glucose(和光純薬)に10%ウシ血清(GIBCO BRL)、及びペニシリン/ストレプトマイシン溶液(GIBCO BRL)を添加して、37℃、5%二酸化炭素で培養した。
上記の分化誘導処理後、4日目には細胞内に脂肪滴を形成し、8日目には80%以上の細胞が脂肪滴を含んだ成熟脂肪細胞に分化していることを確認した。
上記の分化誘導処理後8日目以降の成熟脂肪細胞を用い、脂肪細胞維持培地に20 nM デキサメサゾンを添加して8日間培養することによってインスリン抵抗性誘導を行い、デキサメサゾンによってインスリン抵抗性誘導した脂肪細胞を得た。またその一方で、上記の分化誘導処理後8日目以降の成熟脂肪細胞を用い、脂肪細胞維持培地に4 ng/ml TNFαを添加して4日間培養する事によってインスリン抵抗性誘導を行い、TNFαによってインスリン抵抗性誘導した脂肪細胞を得た。
(i)同位体標識法(NBS(2-nitrobenzenesulfenyl)法)
参考例2に記載の方法によってインスリン抵抗性誘導した脂肪細胞を、6 Mグアニジン塩酸,50 mMトリス-塩酸(pH 8.0),2 mM EDTA,1mM PMSF,10 μg/ml ロイペプチン,10 μg/ml アプロチニンを用いて可溶化し、タンパク質を抽出した。それぞれ、抽出したタンパク質200 μgを、NBSラベル化キット(島津バイオテック)を用いて、トリプトファン残基を標識した。
上記(i)で得られた解析結果において、12C-NBS標識ペプチド(正常脂肪細胞に由来)に対する13C-NBS標識ペプチド(インスリン抵抗性脂肪細胞に由来)の相対強度が1.25倍以上の差があるピークに関して、MS/MS解析によってタンパク質の同定を行った。具体的には、AXIMA-QIT (島津製作所)を用いてMS/MS解析を行い、得られたスペクトルデータを、マスコット検索エンジン(マトリックスサイエンス社)を用いたMS/MSイオンサーチに供し、NCBI等の公共の遺伝子・タンパク質配列データベースに対し検索を行う事により実施した。
上記参考例2の方法によってインスリン抵抗性を誘導した成熟脂肪細胞を、TNE緩衝液{1 % (w/w) ノニデットP-40, 150 mM 塩化ナトリウム, 20 mM トリス塩酸 (pH 7.4), 2 mM EDTA, 10 μg / ml ロイペプチン, 10 μg / ml アプロチニン, 5 mM メルカプトエタノール, 1 mM PMSF, 1 mM Na3VO4, 10 μM モリブデン酸ナトリウム, 50 mM フッ化ナトリウム}で可溶化して、タンパク質を抽出した。抽出したタンパク質は、SDS-ポリアクリルアミドゲル電気泳動(SDS-PAGE)にて分離した後、Polyvinylidene fluoride (PVDF)膜、またはニトロセルロース膜に転写した。1次抗体にはヤギ抗Proepithelin抗体(R&Dシステムズ)を、2次抗体にはウサギ抗ヤギIgG HRP標識抗体(ZYMED)、HRP標識抗体の検出にはECL Blotting Detection Reagents(GEヘルスケア)を用いた。
インスリン抵抗性誘導に用いたTNFαの濃度(TNFα(ng/ml))及びデキサメサゾンの濃度(Dexamethasone(nM))を変化させたこと以外は上記参考例2と同じ方法を行い、さまざまな種類のインスリン抵抗性脂肪細胞を得た。このようなインスリン抵抗性脂肪細胞について、上記の実施例2と同様のウェスタンブロット法を行った。Proepithelinタンパク質及び比較用のハウスキーピングタンパク質GADPHについてのウェスタンブロット像を図3に示す。図3が示すように、Proepithelinタンパク質の発現量の亢進は、TNFαの濃度及びデキサメサゾンの濃度に対し、濃度依存的であることが示された。
上記参考例1において、分化誘導処理を開始した日を0日目(Day 0)とし、脂肪滴を蓄積し始める5日目(Day 5)、分化が完了する8日目(Day8)、その後10日目(Day10)、12日目(Day12)、16日目(Day16)、及び20日目(Day20)の細胞を回収した。
それぞれの細胞は、インスリン感受性が低い(すなわちインスリン抵抗性である)未分化の前駆脂肪細胞(Preadipocyte)が、成熟脂肪細胞(matured adipocyte)へ分化する過程における細胞である。すなわち、このようにして得られた一連の細胞は、脂肪細胞の分化モデルとして用いられる。
従って、上記の実施例2及び3(インスリン抵抗性誘導脂肪細胞を使用)と、本実施例4(インスリン抵抗性誘導しない脂肪細胞を使用)とから、Proepithelinタンパク質の発現量は、インスリン抵抗性誘導の有無に関わらず、インスリン抵抗性(感受性)と直接的な関連性を持つものであるということが示された。
本実施例では、インスリン抵抗性改善薬であるチアゾリジン系化合物(ピオグリタゾンPioglitazone)を使用し、インスリン抵抗性誘導におけるプロエピセリン発現に対するピオグリタゾンの効果を調べた。
上記参考例1の方法によって調製した成熟脂肪細胞に、100 nMインスリンとProepithelinタンパク質(アディポジェン社)とを添加して30分間培養し、又は、Proepithelinタンパク質を添加せず100 nMインスリンを添加して30分間培養し、インスリン刺激ありの脂肪細胞(+100nM Insulin)を調製した。Proepithelinタンパク質を添加する場合、Proepithelinタンパク質の濃度は、10 nM、50 nM、100 nM、及び200 nMとした。
得られたインスリン刺激なしの脂肪細胞(−Insulin)について、上記と同様にタンパク質抽出及びウェスタンブロットを行った。
Aktタンパク質の473番目セリンのリン酸化レベルの亢進が起こった。Aktタンパク質はインスリン受容体の下流で機能するタンパク質リン酸化酵素である。従って、Proepithelinタンパク質はインスリン情報伝達を亢進する働きがある事が示された。
上記参考例1の方法によって調製した成熟脂肪細胞に、Proepithelinタンパク質(アディポジェン社)を添加して6時間インキュベートし、その後、100 nMインスリンを加えて30分間培養し、又は、Proepithelinタンパク質を添加せず100 nMインスリンを添加して30分間培養し、インスリン刺激ありの脂肪細胞(+100nM Insulin)を調製した。Proepithelinタンパク質を添加する場合、Proepithelinタンパク質の濃度は、50 nM、100 nM、及び200 nMとした。
すなわち、プロエピセリンが、インスリンと同様に増殖作用のある公知のタンパク質であることから、その機能の1つとして、インスリン等の増殖シグナルを促進させる機能があると推測される一方で、恐らくはプロエピセリンとインスリンシグナルを介在する情報伝達経路が存在し、長期的暴露によってその経路が何らかの制御を受け、作用を逆転させるものと考えることができる。
Claims (11)
- 配列番号1に記載のアミノ酸配列の少なくとも297番目から309番目のアミノ酸からなるポリペプチドを含む、インスリン抵抗性マーカー。
- インスリン抵抗性を評価する方法であって、以下の工程:
配列番号1に記載のアミノ酸配列の少なくとも297番目から309番目のアミノ酸からなるポリペプチドの、インスリン抵抗性を評価すべき対象となる個体に由来する試料中におけるレベルを測定する工程、及び
得られた測定レベルと、前記ポリペプチドの正常レベルとを比較する工程、
を含み、
前記得られた測定レベルが、前記正常レベルよりも増加していることを、前記対象となる個体がインスリン抵抗性の状態にある可能性が高いことの指標の1つとする方法。 - インスリン抵抗性を改善する物質のスクリーニング方法であって、以下の工程:
配列番号1に記載のアミノ酸配列の少なくとも297番目から309番目のアミノ酸からなるポリペプチドを含む試料、又は前記ポリペプチドの発現能又は分泌能を有する細胞と、候補物質と、を接触させる工程、
前記候補物質を接触させた場合の前記ポリペプチドのレベル、又は前記細胞における前記ポリペプチドの発現レベル又は分泌レベルを測定する工程、及び
前記候補物質を接触させた場合の測定された前記ポリペプチドのレベル、又は前記細胞における測定された前記ポリペプチドの発現レベル又は分泌レベルと、前記候補物質を接触させない場合の前記ポリペプチドのレベル、又は前記細胞における前記ポリペプチドの発現レベル又は分泌レベルと、を比較する工程、を含み、
前記候補物質を接触させた場合の測定された前記レベル、発現レベル又は分泌レベルが、前記候補物質を接触させない場合の前記レベル、発現レベル又は分泌レベルよりも減少していることを、インスリン抵抗性を改善する物質として前記候補物質を選択することの指標の1つとする方法。 - インスリン抵抗性を改善する物質のスクリーニング方法であって、以下の工程:
配列番号1に記載のアミノ酸配列の少なくとも297番目から309番目のアミノ酸からなるポリペプチドを含む試料、又は前記ポリペプチドを発現又は分泌している細胞と、候補物質と、を接触させる工程、
前記候補物質を接触させた場合の前記ポリペプチドの機能、又は前記細胞における前記ポリペプチドの機能を測定する工程、及び
前記候補物質を接触させた場合の測定された前記ポリペプチドの機能、又は前記細胞における測定された前記ポリペプチドの機能と、前記候補物質を接触させない場合の前記ポリペプチドの機能、又は前記細胞における前記ポリペプチドの機能と、を比較する工程、を含み、
前記候補物質を接触させた場合の測定された前記機能が、前記候補物質を接触させない場合の前記機能より制御されていることを、インスリン抵抗性を改善する物質として前記候補物質を選択することの指標の1つとする方法。 - 配列番号1に記載のアミノ酸配列の少なくとも297番目から309番目のアミノ酸からなるポリペプチドを含む、インスリン抵抗性を改善するための薬剤組成物。
- 配列番号1に記載のアミノ酸配列の少なくとも297番目から309番目のアミノ酸からなるポリペプチドに対する抗体を含む、インスリン抵抗性を改善するための薬剤組成物。
- 配列番号1に記載のアミノ酸配列の少なくとも297番目から309番目のアミノ酸からなるポリペプチドによる機能を制御する物質を有効成分として含む、インスリン抵抗性を改善するための薬剤組成物。
- 配列番号2に記載の塩基配列の少なくとも891番目から927番目の塩基からなるポリヌクレオチド及び該ポリヌクレオチドに相補的なポリヌクレオチドからなる群から選ばれるポリヌクレオチドを含む、インスリン抵抗性マーカー。
- インスリン抵抗性を評価する方法であって、以下の工程:
配列番号2に記載の塩基配列の少なくとも891番目から927番目の塩基からなるポリヌクレオチド及び該ポリヌクレオチドに相補的なポリヌクレオチドからなる群から選ばれるポリヌクレオチドの、インスリン抵抗性を評価すべき対象となる個体に由来する試料中におけるレベルを測定する工程、及び
得られた測定レベルと、前記ポリヌクレオチドの正常レベルとを比較する工程、
を含み、
前記得られた測定レベルが、前記正常レベルよりも増加していることを、前記対象となる個体がインスリン抵抗性の状態にある可能性が高いことの指標の1つとする方法。 - インスリン抵抗性を改善する物質のスクリーニング方法であって、以下の工程:
配列番号2に記載の塩基配列の少なくとも891番目から927番目の塩基からなるポリヌクレオチド及び該ポリヌクレオチドに相補的なポリヌクレオチドからなる群から選ばれるポリヌクレオチドを含む試料、又は前記ポリヌクレオチドの発現能を有する細胞と、候補物質と、を接触させる工程、
前記候補物質を接触させた場合の前記ポリヌクレオチドのレベル、又は前記細胞における前記ポリヌクレオチドの発現レベルを測定する工程、及び
前記候補物質を接触させた場合の測定された前記ポリヌクレオチドのレベル、又は前記細胞における測定された前記ポリヌクレオチドの発現レベルと、前記候補物質を接触させない場合の前記ポリヌクレオチドのレベル、又は前記細胞における前記ポリヌクレオチドの発現レベルと、を比較する工程、を含み、
前記候補物質を接触させた場合の測定された前記レベル、又は発現レベルが、前記候補物質を接触させない場合の前記レベル、又は発現レベルよりも減少していることを、インスリン抵抗性を改善する物質として前記候補物質を選択することの指標の1つとする方法。 - 配列番号2に記載の塩基配列の少なくとも891番目から927番目の塩基からなるポリヌクレオチド及び該ポリヌクレオチドに相補的なポリヌクレオチドからなる群から選ばれるポリヌクレオチドを含む、インスリン抵抗性を改善するための薬剤組成物。
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