以下、本発明に係るミストシステムについて説明を行う。
図1は、ミストシステム1が設置された浴室2と洗面所3を示した概略構成図である。
ミストシステム1は、ミストの噴出を行うミスト発生装置(ミスト噴出手段)10と、浴室内の暖房を行うことが可能な浴室空調装置(暖房手段)11、ヒートポンプ式の給湯装置12とを備えている。
ミスト発生装置10は、浴室2の天井であって、浴槽2aと洗い場2bとの中間位置に設置されている。ミスト発生装置10は、電磁弁ユニット13と、電源部ユニット14と、ノズルユニット15、ミストリモコン16とを有している。
電磁弁ユニット13は、本体ケース17と、電磁弁配管18と、電磁弁19と、水温センサ20とを有している。
本体ケース17は、電磁弁配管18と、電磁弁19、水温センサ20を収納する箱体であり、図1に示すように浴室2又は洗面所3の天井裏部分に設置されている。
電磁弁配管18は、一端が給湯装置12より延設される給水配管21に接続され、他端がノズルユニット15のノズル配管22に接続された状態で、本体ケース17内に設置されている。電磁弁19は、電磁弁配管18に設けられており、この電磁弁19の開閉に応じて、給湯装置12よりノズルユニット15へと供給される温水の供給/停止が行われる。また、水温センサ20は、電磁弁配管18を通過する温水の温度を検出するために電磁弁19内に設けられている。
ミストリモコン16は、浴室の壁面に設けられており、通信ケーブルを介して電源部ユニット14に接続されている。入浴者はミストリモコン16を操作することによってミスト発生装置10によるミストの噴射/停止操作や後述する照明装置の照明色・照明光量の変更を行うことが可能となっている。なお、ミストリモコン16は、必ずしも通信ケーブルで接続されるものに限定されず、赤外線や電波等の無線リモコンによってミスト発生装置10の操作を行うものであってもよい。さらに、ミスト発生装置10を操作するリモコンとは別体に無線方式の照明リモコンを設け、照明リモコンによって照明装置46の操作を行う構成としてもよい。
電源部ユニット14は、図2に示すように、電源部25と、電磁弁駆動部26と、ミスト制御部27とを備えている。
電源部25は、家庭用の交流電源AC100Vより、電磁弁19を駆動するために用いる24Vの直流電圧や、ノズルユニット15のモータを駆動するための直流電圧等を生成する役割を有している。
電磁弁駆動部26は、ミスト制御部27の制御信号に応じて、電磁弁ユニット13の電磁弁19の開閉制御を行う役割を有しており、電磁弁駆動部26には、電源部25により生成された直流電圧が駆動源として供給されている。
ミスト制御部27は、ノズルユニット15に設けられる駆動モータ28(図5参照)の駆動制御、ノズルユニット15に設けられるLED光源29(図3参照)の点消灯制御、電磁弁駆動部26の駆動制御を行う役割を有しており、これらの制御のためのCPU(Central Processing Unit)、制御処理のためのワークエリアとして利用されるRAM(Random Access Memory)、制御処理を行うためのプログラムが記録されるROM(Read Only Memory)等を有している。
なお、ミスト制御部27は、ミストリモコン16より受信する操作信号と、電磁弁ユニット13の水温センサ20より取得する水温情報信号と、浴室空調装置11より受信する情報信号とに基づいて、電磁弁駆動部26による電磁弁19の開閉制御、ノズルユニット15の駆動モータ28の駆動制御、LED光源29の点消灯制御を行う。また、ミスト制御部27は、ミストリモコン16の操作に応じて浴室2の照明78の点消灯を行うことが可能となっている。さらに、ミスト制御部27は、経時機能を備えており、ミストリモコン16の操作により開始されるミスト噴出の経過時間を判断することが可能となっている。
ノズルユニット15は、図3に示すように、本体ユニット30と、フロントパネル31と、給水管部36と、ノズル32a,32b,32cと、配管用の接続部33とを有している。
本体ユニット30は、つば30a付の長型箱状を呈しており、つば30aが形成される底面が開放されている。本体ユニット30は、例えば腐食等を回避するためにABS樹脂等によって形成されている。
浴室2の天井面には、本体ユニット30の箱部位30bの外周形状よりも一回り大きく、かつ、つば30aよりも小さな開口部が開口されており、本体ユニット30は本体ユニット30が浴室天井の開口部に嵌め込まれ、その周囲を天井部材又は専用の裏打ち部材にビス止めすることによって天井面に固定されている。
また、本体ユニット30の長手方向の両側面には、図4(b)に示すように、軸受け部34a,34bが形成されている。
給水管部36は、銅パイプ又は黄銅パイプにより構成されており、本体ユニット30の軸受け部34a、34bに回動自在に軸支されている。なお、給水管部36は長手方向に沿って回動軸を成すために、本体ユニット30の両側の軸受け部34a,34bに至る長さを有している。
ノズル32a,32b,32cは、接続部材37a〜37cを介して給水管部36に直列に設けられており、それぞれのノズル32a〜32cは、中央に1カ所、両側に1カ所ずつ配置されている。各ノズル32a〜32cにはノズル孔が形成されており、このノズル孔は、各接続部材37a〜37cを介して給水管部36に連通されている。なお、接続部材37a〜37cには、一般的に銅角材(直方体)又は黄銅角材(直方体)が使用されるが、金属に限られるものではなく、硬質樹脂等を使用することも可能である。
また、図4(b)に示すように、ノズル32aは、右手側にθ1だけ傾斜角を設定して取り付けられ、ノズル32bは、給水管部36に対して直交する方向に取り付けられ、ノズル32aは、反対に左手側にθ2だけ傾斜角を設定して取り付けられている。このように傾斜角θ1、θ2を設定することによって、ノズルユニット15全体として、温水の噴霧(発散)範囲を拡張することが可能となる。
軸受け部34aには、図4(c)に示すように、ノズル配管22(図1参照)を接続するための接続部33が設けられている。ノズル配管22を通して供給される温水は、接続部33に設けられる接続通路を介して給水管部36内の配管を通り、ノズル32a,32b,32cに供給されて、ミストとして噴出される。
フロントパネル31は、プラスティック等の樹脂により形成されており、本体ユニット30の開放面を覆うようにして本体ユニット30に取り付けられている。フロントパネル31の短尺方向の長さは、本体ユニット30のつば30aの短尺方向の長さよりも若干長く形成されている。
また、フロントパネル31の四隅には、長細い楕円状のスライドガイド孔38a〜38dが設けられている。フロントパネル31は、スライドガイド孔38a〜38dにネジ39a〜39dが挿通された状態で本体ユニット30にビス止めされる。
このため、フロントパネル31をスライドガイド孔38a〜38dの長尺方向へとスライドさせると、ネジ39a〜39dがスライドガイド孔38a〜38dにガイドされた状態で、フロントパネル31が本体ユニット30の短尺方向へと摺動する。
また、フロントパネル31には、3つの開口部40a〜40cが設けられている。開口部40a〜40cは、外部に向かって広がる鉢状(ホーン状又はコーン状)を呈しており、その内壁にスロープ(R形状)が設けられている。
フロントパネル31が本体ユニット30に設置された場合、ノズル32aはその先端が開口部40aより露出し、ノズル32bはその先端が開口部40bより露出し、ノズル32cはその先端が開口部40cより露出するようにして配設される。このため、フロントパネル31のスライド時には、ノズル32a〜32cの先端がフロントパネル31のスライド方向に傾動することとなる。
図5(a)、(b)は、ノズルユニット15の駆動機構例を示す構成図である。図5(a)に示す給水管部36は、回動軸を基準にして左右にスイング可能な構造となされている。例えば、給水管部36には、歯車ユニット41が取り付けられ、この歯車ユニット41を回動駆動するための駆動モータ28が設けられている。このように駆動モータ28によって歯車ユニット41を介して給水管部36を回動させることによって、ノズル32a〜32cの方向を調整することが可能である。
これに対して、図5(b)に示すノズルユニット15では、本体ユニット30の内側又は外側に駆動モータ28を設置し、この駆動モータ28の出力軸先端に対して歯車42が形成されている。また、フロントパネル31の裏面にはラックレール43が設けられており、ラックレール43には、歯車42が噛み合わされている。このようにして構成される駆動機構において駆動モータ28を駆動させることによって、駆動モータ28の駆動量に応じてフロントパネル31をスライドさせることができるので、ノズル32a〜32cの方向を調整することが可能となる。
なお、図5(a)、(b)に設けられる駆動モータ28は、図示を省略する配線コードを介して電源部25に接続されており、ミスト制御部27の制御によって駆動モータ28の駆動量を制御することが可能となっている(図2参照)。
また、図5(a)、(b)に示すような駆動機構を設けることなく、手動式で任意に噴出方向を切り換える構造とすることも可能である。例えば、図3に示したネジ39a〜39dを緩めて、フロントパネル31を所望の方向に動かすと、フロントパネル31がスライドガイド孔38a〜38dに沿って摺動される。このように、フロントパネル31が摺動されると、フロントパネル31に設けられた開口部40a〜40cにノズル32a〜32cの先端が引っかかるため、ノズル先端の向きが変更される。そしてこれらのノズル32a〜32cの先端位置の調整を行った後に、フロントパネル31を本体ユニット30にネジ39a〜39dで固定することにより、ノズル32a〜32cの方向を調整することが可能となる。
また、フロントパネル31には、図3、図4(a)に示すように、パネルの長尺方向に配設された複数の照明装置(照明手段)46が設けられている。照明装置46は、赤、緑、青の3色のLED光源29により構成されており、それぞれのLED光源29を適時点消灯させることによって様々な色合いを表現することが可能となっている。
なお、図3、図4(a)に示すようにLED光源29は、図示を省略する配線コードを介して電源部25に接続されており、ミスト制御部27の制御によってLED光源29の点消灯制御を行うことが可能となっている(図2参照)。
浴室空調装置11は、図6〜図8に示すように、本体ケース50と、回転駆動される多翼のファン51と、このファン51を回転駆動するファンモータ52と、このファンモータ52が取り付けられると共に、風路を形成するファンケース53と、本体ケース50の底面に取り付けられるフロントパネル54とを備えている。
ファン51にはシロッコファン等の回転ファンが用いられており、ファン51は回転軸が下方向を臨むようにして縦向きに配置されている。ファン51の回転軸方向に沿ったファンケース53の下面には、吸込口53aが形成されている。吸込口53aには温度検出センサ55が取り付けられており、この温度検出センサ55によって浴室2の温度を検出することが可能となっている。なお、温度検出センサ55にはサーミスタが使用されている。また、ファンケース53のファン51の側方の側面には開口部が形成されており、開口部には、風路切換部56が設けられている。
風路切換部56は、ダンパ56aと、ダンパモータ56b(図2参照)と、カム56cとを有している。ダンパ56aには、ダンパモータ56bの駆動力がカム56cを介して伝達されており、このカム56cの回動に応じて、ダンパ56aが軸56dを支点に回転して開閉される構造となっている。
ファンケース53には、風路切換部56と連通する下面に吹出口53bが形成されると共に、風路切換部56と連通する側面に排気口53cが形成されている。このため、カム56cの回動に応じてダンパ56aの開閉位置を調整することによって、ファンケース53に吸入された空気の風路を、吸込口53aから吹出口53bへ連通した風路(このときのダンパ56aの位置を循環位置とする。図6参照)と、吸込口53aから排気口53cへ連通した風路(このときのダンパ56aの位置を換気位置とする。図8(a)参照))とに切り換えることが可能となっている。また、ダンパ56aの開閉位置を循環位置と換気位置との間の位置(このときのダンパ56aの位置を循環換気位置とする。図8(b)参照)とすることによって、吸込口53aから排気口53cと排気口53cとの2カ所へ連通した風路を形成することが可能となる。
吹出口53bには、ヒータ部57が取り付けられている。ヒータ部57には、加熱手段を構成する電気ヒータが使用されている。このヒータ部57によって吹出口53bより浴室2へと吹き出される空気を暖めることによって、ミストの温度低下を防止しすることができ、また浴室2内の温度を所定温度へ上昇させ、また所定温度に維持することが可能となる。
ファンケース53の吸込口53aの所定の位置には、イオン発生器58が設けられている。イオン発生器58は、ダンパ56aを循環位置あるいは循環換気位置に設定することによって形成される空気の流れに対してイオン放出面を露出するようにして配設されている。イオン発生器58は、正イオンと負イオンとの両方あるいは負イオンを発生することができる。正イオンと負イオンとの発生の原理は、誘電体が介在するように対向させた一対の電極間に家庭用交流電源等から得られた交流電圧を昇圧して印加することにより、コロナ放電を起こし、空気中の酸素乃至水分が電離によりエネルギーを受けてイオン化し、H+(H2O)m(mは任意の自然数)と、O2 -(H2O)n(nは任意の自然数)が主体のイオンを放出するものである。
これらH+(H2O)mおよびO2 -(H2O)nは、浮遊菌の表面に付着し、化学反応して活性種であるH2O2又は・OHを生成する。H2O2又は・OHは、極めて強力な活性を示すため、これらにより、空気中の浮遊細菌を取り囲んで除去することができる。ここで、・OHは活性種の1種であり、ラジカルのOHを示している。
ファン51の回転と連動させて略同数の正イオンと負イオンとを発生させ、これらの正イオンと負イオンとを含む空気を浴室2へ送風することによって、循環する空気に含まれる浮遊細菌と浴室2の空気中に含まれる浮遊細菌との双方を不活化してカビの発生等を抑え、除菌を行うことが可能となる。
本体ケース50は、矩形の箱形状を呈しており、その下面が開口されており、ファンケース53の吸込口53aと吹出口53bとが下方へ露出する構造となっている。また、本体ケース50の下面開口部には、フロントパネル54が着脱可能に取り付けられている。
フロントパネル54には、ファンケース53の吸込口53aに対向する吸込グリル54aが形成され、また、ファンケース53の吹出口53bに対向する吹出グリル54bが設けられている。また、フロントパネル54の吸込グリル54aの裏側に、フィルタ59が交換可能に取り付けられており(図7)、フロントパネル54の側面に設けられる挿入口59aより、フィルタ59の着脱を行うことが可能となっている。
本体ケース50の側面には、排気口53cと連通する排気ダクト接続部60が設けられており、この排気ダクト接続部60に、一端部が屋外へと連通する排気ダクトが接続される。
また、浴室空調装置11には、本体ケース50上部に、図示を省略する回路基板が設けられており、回路基板には、洗面所3に設けられる空調リモコン61の操作により設定される運転モード情報や、温度検出センサ55により検出される温度情報等を取得し、上述したファンモータ52、ダンパモータ56b、ヒータ部57、イオン発生器58を制御する空調制御部62が設けられている(図2参照)。
空調制御部62は、CPU(Central Processing Unit)、制御処理のためのワークエリアとして利用されるRAM(Random Access Memory)、制御処理を行うためのプログラムが記録されるROM(Read Only Memory)等を有しており、ROMに記録されるプログラムに従って各種制御処理を行う。
また、空調制御部62は、温度検出センサ55により検出された浴室2の温度を、ミスト制御部27に伝達する。
図9は、ヒートポンプ式の給湯装置12の構成例を示すブロック図である。
給湯装置12は、温水をミスト発生装置10、浴室2のシャワー等、洗面所3の蛇口等、台所の蛇口等に供給する役割を有している。
給湯装置12は、ヒートポンプユニット65と貯湯タンクユニット66とを有している。
ヒートポンプユニット65は、空気熱交換器67と水熱交換器68とを有しており、空気熱交換器67と水熱交換器68とは環状の冷媒配管69によって接続されている。また、空気熱交換器67の下流側であって空気熱交換器67と水熱交換器68との間には、冷媒配管69内を流れる冷媒ガス(CO2冷媒)の圧縮を行う圧縮機70が設けられており、また、空気熱交換器67の上流側であって空気熱交換器67と水熱交換器68との間には、冷媒配管69内を流れる冷媒ガスの圧力を開放して膨張させるための膨張弁71が設けられている。
空気熱交換器67にはファン72が設けられており、このファン72の回転によって空気熱交換器67に大気が供給されて、冷媒配管69を流れる冷媒ガスとの熱交換が行われる。空気熱交換器67による熱交換作用によって、空気熱交換器67を通過する冷媒ガスの温度が上昇する。
空気熱交換器67によって温度の上昇が行われた冷媒ガスは、圧縮機70によって圧縮されてさらに温度上昇を行う。圧縮機70の圧縮により温度が上昇した冷媒ガスは、水熱交換器68へと搬送される。
水熱交換器68と貯湯タンクユニット66のタンク73との間には、温水配管74aと冷水配管74bとが接続されており、圧縮機70の圧縮により温度が上昇した冷媒ガスは、ポンプ74cによってタンク73より冷水配管74bを通って水熱交換器68へと供給される水との熱交換を行う。水熱交換器68において熱交換が行われたタンク73の水は、熱交換により温度が上昇し、温水配管74aを通ってタンク73に貯留される。
水熱交換器68によって熱交換が行われた冷媒ガスは、膨張弁71で膨張されて温度が低下する。そして、低い温度となった冷媒ガスは、また、空気熱交換器67へと運ばれて大気との熱交換を繰り返し実行する。
貯湯タンクユニット66は、温水が貯水されるタンク73を有しており、タンク73は300乃至500リットルの蓄湯容量を有している。タンク73は、温水配管74aと冷水配管74bとによって水熱交換器68に接続されている。タンク73には、下部側に給水が行われる給水配管75が接続されると共に、冷水配管74bの一端が接続されている。また、タンク73には、上流側に温水配管74aの一端が接続されると共に、タンク73内の温水を取得するための取水配管76が接続されている。タンク73の下側より給水が行われると共に、タンク73上側に水熱交換器68を介して暖められた温水が供給されるため、タンク73上部の貯留水は高温(約85度〜90度)となり、タンク73下部の貯留水は低温となった二層化した状態で温水と水が貯水されている。
取水配管76はタンク73の上部とやや中部との2カ所より取水を行うことが可能な2又形状をなしており、切替弁76aによって上部および中部の取水配管の切替が行われる。取水配管76により取水された温水は、給水配管75により給水される水と給湯混合弁77によって混合されて最適な温度に調節された後に、台所の蛇口、浴室2のシャワーや浴槽、ミスト発生装置10、洗面所3の蛇口等に給湯される。
なお、給湯装置12は、自然冷媒を利用したヒートポンプ式に限定されるものではなく、ヒートポンプ式でない通常の電気温水器を使用するものであっても、また、ガスを熱源に使用するものであっても、さらに他の熱源を使用するものであってもよい。
次に、ミストシステム1における処理を、図面を示して説明する。
図10は、ミストリモコン16の操作によりミスト制御が行われた状態における浴室2内の温度変化と照明装置46より発光されるLED光源29の発光色とを示したグラフである。また、図11は、ミストシステム1における空調制御部62の制御処理を示し、図12、図13は、ミストシステム1におけるミスト制御部27の制御を示す。
まず、ミストリモコン16が操作されて入浴者によりミストシステム1によるミスト処理の開始が行われると、ミスト処理の開始信号がミストリモコン16よりミスト制御部27に伝達される。
ミスト制御部27では、ミスト処理の開始信号の検出処理(図12のステップS.201)を行い、開始信号の受信の有無を判断する(ステップS202)。開始信号を受信しない場合には、ミスト制御部27は、開始信号の検出処理(ステップS.201)を繰り返し実行する(ステップS.201)。
開始信号を受信した場合、ミスト制御部27はミスト処理の開始信号を空調制御部62に送信する(ステップS.203)。
空調制御部62では、ミスト制御部27からの信号の検出処理を行い(図11のステップS.101)、受信した信号がミスト制御部27からの開始信号であるか否かを判断する(ステップS.102)。検出した信号が開始信号でない場合、又は信号を検出しなかった場合には、空調制御部62は、信号の受信処理を繰り返し実行する(図12のステップS.101)。ミスト制御部27より開始信号を受信した場合、空調制御部62は、ダンパ56aを循環位置に移動した後にファンモータを駆動させてファン51を回転させ(ステップS.103)、図6に示すような空気の流れ(矢印Aおよび矢印B)を発生させる。なお、ファンモータ52の駆動に連動して、イオン発生器58を駆動させて正イオン・負イオンを発生させるようにしてもよい。
その後、空調制御部62は、温度検出センサ55より浴室内の温度情報を取得すると共に、取得した温度情報をミスト制御部27に送信する(ステップS.104)。その後、空調制御部62は、再度、ミスト制御部27からの信号の検出処理を行い(ステップS.105)、受信した信号がミスト制御部27からの終了信号でないか否かを判断する(ステップS.106)。例えば、入浴者がミストの利用を中止する場合もあるため、ミスト制御部27からの信号を再度検出して終了信号の判断を行う。取得した信号が終了信号である場合、空調制御部62は、ファンモータ52およびヒータ部57の駆動を停止して(ステップS.107)、ミスト処理を終了する。
一方で、検出した信号が終了信号でない場合、又は信号を検出しなかった場合、空調制御部62は、温度検出センサ55より取得した浴室の温度情報に基づいて、浴室の温度TがT1度以上であるか否かの判断を行う(ステップS.108)。
図10に示すT1度とT2度は、予め設定されるミスト制御部27のROMおよび空調制御部62のROMに記録されている温度である。T2度とはミスト使用時において、空調制御部62の制御によってヒータ部57の通電が停止される温度であり、T1度とは、空調制御部62の制御によってヒータ部57の通電が開始される温度である。つまり、浴室2内の温度をT1度からT2度の間の高温(図10に示す斜線部分の範囲)で一定に保つために、浴室2内の温度TがT2度以上の場合にはヒータ部57の通電を停止させて浴室2内の温度上昇を抑制し、浴室2内の温度TがT1度以下の場合にはヒータ部57の通電を開始させて浴室2内の温度低下を抑制する。
浴室2の温度がT1度未満である場合、空調制御部62は、ヒータ部57の駆動を開始して浴室2内の空気を暖める(ステップS.109)。そして、空調制御部62は、繰り返しステップS.104の処理を実行する。
一方で、浴室温度がT1度以上である場合、空調制御部62は、浴室の温度がT2度以上であるか否かの判断を行う(ステップS.110)。浴室温度がT2度以上である場合、空調制御部62は、ヒータ部57の駆動を停止して浴室2内の温度上昇を防止し(ステップS.111)、繰り返しステップS.104の処理を実行する。浴室温度がT2度以下である場合、空調制御部62は、そのままステップS.104の処理を繰り返し実行する。
このように、浴室2の温度がT1度以下の場合にヒータ部57を駆動させ、T2度以上の場合にヒータ部57を停止させることによって浴室の温度をT1度からT2度の間の温度に維持することが可能となる。
ヒータ部57の稼動/停止によって温度調整を行っている間、空調制御部62は、定期的に浴室2の温度情報をミスト制御部27に送信することができ(ステップS.104)、ミスト制御部27より停止信号を受信した場合には(ステップS.105、ステップS.106)、ファンモータ52およびヒータ部57の駆動を停止して(ステップS.107)、ミスト処理を迅速に終了することが可能となる。
一方で、ミスト制御部27では、空調制御部62より定期的に送られてくる浴室2内の温度情報を取得する(図12のステップS.204)。その後、ミスト制御部27は、空調制御部62より受信した浴室2内の温度情報に基づいて、浴室2内の温度Tが図10に示すT3度以上であるか否かの判断を行う(ステップS.205)。ここで、T3度とは、T1度以下の温度であって、ミスト噴出を開始するのに適した浴室2の温度を意味している。
浴室2内の温度TがT3度未満である場合、ミスト制御部27は、所定時間(時間tが所定時間t1以上となるまで、ステップS.206)浴室2の温度判断を繰り返し行う(ステップS.204、ステップS.205)。所定時間繰り返し浴室2の温度判断を行っても浴室内の温度TがT3度以上にならない場合には(ステップS.206においてYesの場合)、ミスト制御部27は入浴者に対してエラー等の警告を伝えた後に(ステップS.207)、後述するミスト制御を終了するための処理(ステップS.230〜)へ処理を移行する。
浴室2内の温度TがT3度以上である場合、ミスト制御部27は、LED光源29を赤色に点灯させる(ステップS.208)。このように、LED光源29を赤色に点灯させることによって、入浴者は、浴室2の温度がミストに最適な温度であるT1度〜T2に近づいていることを、洗面所3のスリガラス等を介して視覚的に判断することができる。
このため、入浴者はLED光源29の赤色点灯を合図に入浴準備を開始することによって、浴室2の温度Tがミストを開始する温度になると同時に入浴を開始することが可能となる。
LED光源29を赤色に点灯させた後、ミスト制御部27は、水温センサ20によって水温を検出し(ステップS.209)、水温センサ20により検出される水温がミストに適した所定温度となっているか否かを判断する(ステップS.210)。
水温が所定温度になっていない場合、ミスト制御部27は、所定時間(時間tが所定時間t2以上となるまで、ステップS.211)水温判断を繰り返し行い(ステップS.209、ステップS.210)、所定時間繰り返し水温判断を行っても水温が所定温度にならない場合には(ステップS.211においてYesの場合)、入浴者に対してエラー等の警告を伝えた後に(ステップS.207)、後述するミスト制御を終了するための処理(ステップS.230〜)へ処理を移行する。
水温が所定温度になった場合、ミスト制御部27は、電磁弁ユニット13の電磁弁19を開放させてミストノズル32a〜32cより温水を噴出させる(ステップS.212)。このように、ミスト噴出が行われることによって、浴室2内を高温・高湿度を高めることができるので入浴によってミスト効果を体感することが可能となる。
その後、ミスト制御部27は、空調制御部62より浴室2内の温度情報を取得して(ステップS.213)、浴室2内の温度Tが図10に示すT2度以上であるか否かの判断を行う(ステップS.214)。
ここで、T2度とは、入浴者がミスト入浴を開始するのに適した浴室2の温度を意味している。なお、本実施形態では、ミスト入浴を開始するのに適した温度T2度とヒータ部57による通電制御が行われる温度T2度とが同一の温度となっているが、入浴者がミスト入浴を開始するのに適した浴室2の温度は、必ずしもヒータ部57の通電制御温度と同一である必要はなく、通常はそれぞれの制御に応じて別々に設定され得る温度である。
浴室2内の温度TがT2度未満である場合、ミスト制御部27は、所定時間(時間tが所定時間t1以上となるまで、ステップS.215)浴室2の温度判断を繰り返し行う(ステップS.213、ステップS.214)。所定時間繰り返し浴室2の温度判断を行っても浴室内の温度TがT2度以上にならない場合には(ステップS.206においてYesの場合)、ミスト制御部27は入浴者に対してエラー等の警告を伝えた後に(ステップS.207)、後述するミスト制御を終了するための処理(ステップS.230〜)へ処理を移行する。
浴室2内の温度TがT2度以上となった場合、ミスト制御部27は、経時機能を用いて、ミスト噴出を開始してからの時間を開始すると共に(ステップS.216)、浴室内の照明を制御して暗くする(ステップS.217)。
なお、このミスト噴出中に、入浴者がミストリモコン16を操作することによってミストノズル32a〜32cの方向を浴槽2a側又は洗い場2b側に傾けることが可能である。ミスト制御部27は、ミストリモコン16の操作に応じて駆動モータ28を駆動制御して、ミストノズル32aを所望の方向へと傾動させる。
また、ノズル32a〜32cの方向の変更は、駆動モータ28の駆動によって変更される場合には限定されず、ミスト発生装置10のフロントパネル31を手動で動かすことによって変更してもよい。
その後、ミスト制御部27は、経時機能により計測された経過時間tを求め(ステップS.218)、ミスト噴射を開始してからの経過時間tがS1時間以上であるか否か判断する(ステップS.219)。本実施形態では、S1時間として5分の設定を行うものとする。経時時間tが5分未満(S1未満)である場合、ミスト制御部27は、LED光源29を青色に点灯させる(ステップS.220)。ミスト噴射を開始してから5分未満の場合、入浴者の体はまだ十分に温まっていない可能性が高いため、体温状態に対応させて、他の色よりも暖かみの低い色合いである青色でLED光源29を照明させる。浴室2の照明が暗くなっている(ステップS.217)ので、このLED光源29の照明効果をより効果的に与えることが可能となる。
ミスト噴射を開始してから経過時間tがS1時間以上である場合、ミスト制御部27は、経過時間tがS2時間以上であるか否かを判断する(ステップS.221)。本実施形態では、S2時間として10分の設定を行うものとする。経時時間tが10分未満(S2未満)である場合、より詳細には5分以上(S1以上)であって10分未満(S2未満)である場合、ミスト制御部62は、LED光源29を黄色に点灯させる(ステップS.222)。ミスト噴射を開始してからの経過時間tが5分以上10分未満の場合、入浴者の体も温まって穏やかな状態になっている可能性が高いため、視覚的に落ち着いた感覚を与える黄色でLED光源を照明することにより、精神的な安定を入浴者に与えることが可能となる。また、浴室2の照明が暗くなっているので(ステップS.217)、このLED光源29の照明効果をより効果的に与えることが可能となる。
ミスト噴射を開始してからの経過時間tがS2時間以上である場合、ミスト制御部27は、経過時間tがS3時間以上であるか否かを判断する(ステップS.223)。本実施形態では、S3時間として15分の設定を行うものとする。経時時間tが15分未満(S3未満)である場合、より詳細には10分以上(S2以上)であって15分未満(S3未満)である場合、ミスト制御部62は、LED光源29を緑色に点灯させる(ステップS.224)。ミスト噴射を開始してからの経過時間tが10分以上15分未満の場合、入浴者の体から十分な発汗も行われていると思われるため、LED光源29を緑色で照明することによって、入浴者はミストによって発汗効果を得るために必要な入浴時間は経過していることを視覚的に判断することができる。また、浴室2の照明が暗くなっているので(ステップS.217)、このLED光源29の照明効果をより効果的に与えることが可能となる。
さらに、ミスト噴射を開始してからの経過時間tがS3時間以上である場合、ミスト制御部27は、経過時間tがS4時間以上であるか否かを判断する(ステップS.225)。本実施形態では、S4時間として、例えば20分の設定を行うものとする。経時時間tが20分未満(S4未満)である場合、より詳細には15分以上(S3以上)であって20分未満(S4未満)である場合、ミスト制御部62は、LED光源29を橙色に点灯させる(ステップS.226)。ミスト噴射を開始してからの経過時間tが15分以上20分未満の場合、入浴者の体温が十分に高くなっているものと判断できることから、視覚的に十分な暖かさ示す橙色でLED光源29を照明することによって、入浴者はミストによる暖かな感覚を視覚的にも得ることが可能となる。また、浴室2の照明が暗くなっているので(ステップS.217)、このLED光源の照明効果をより効果的に与えることが可能となる。
そして、経時時間tが20分以上(S4以上)である場合、ミスト制御部62は、LED光源29を赤色に点灯させる(ステップS.227)。ミスト噴射を開始してからの経過時間tが20分以上の場合には、入浴者が高温・高湿度状態の浴室に長く入浴していることからそろそろミストを終了することが望ましいと判断することができる。このため、LED光源29を赤色で照明することによって、入浴者に対してミストの入浴を終了するように促すことが可能となる。また、浴室2の照明が暗くなっているので(ステップS.217)、このLED光源29の照明効果をより効果的に与えることが可能となる。
このように、入浴時間に応じて青−黄−緑−橙−赤とLED光源29の照明色を変化させることによって、入浴者の体温上昇に合わせた照明演出を行うことが可能となるため、入浴者の感覚との視覚的な印象とに違和感を与えることなく照明効果を奏することが可能となる。
なお、この照明の照明色およびその順番は、上述した照明色およびその順番に限られるものではなく、他の照明色や他の順番とすることも可能である。例えば、上述した色合いとは反対に、橙−緑−黄−青とLED光源29の照明色を変化させる構成としてもよい。
ミスト噴射を開始してから5分未満の場合、入浴者の体はまだ十分に温まっていない可能性が高いため、視覚的に暖かな感覚を表す橙色でLED光源29を照明することによって視覚的な落ち着きと暖かみを入浴者に与えることが可能となる。
その後、ミスト噴射を開始してからの経過時間tが5分以上10分未満の場合、入浴者の体も温まって穏やかな状態になっている可能性が高いため、視覚的に落ち着いた感覚を与える緑色でLED光源を照明することにより、精神的な安定を入浴者に与えることが可能となる。
さらに、ミスト噴射を開始してからの経過時間tが10分以上15分未満の場合、入浴者の体から十分な発汗も行われていると思われるため、LED光源29を黄色で照明することによって、入浴者はミストによって発汗効果を得るために必要な入浴時間は経過していることを視覚的に判断することができる。
また、ミスト噴射を開始してからの経過時間tが15分以上20分未満の場合、入浴者の体温が十分に高くなっているものと判断できることから、視覚的に涼しげな印象を与える青色でLED光源29を照明することによって、入浴者はミストによる息苦しさ等を視覚的に和らげることが可能となる。
LED光源の点灯処理を行った後(ステップS.220、ステップS.222、ステップS.224、ステップS.226、ステップS.227)、ミスト制御部27は、ミスト処理の終了信号の検出処理(ステップS.228)を行い、終了信号の受信の有無を判断する(ステップS229)。
終了信号を受信しない場合には、ミスト制御部27は、経時機能により計測された経過時間tを求める処理(ステップS.218)に処理を移行し、上述した処理(ステップS.219〜ステップS.229)を繰り返し実行する。
終了信号を受信した場合、ミスト制御部27は、終了信号を空調制御部62に送信し(ステップS.230)、経時機能による経時計測を終了し(ステップS.231)、LED光源29を消灯し(ステップS.232)、浴室2の照明78を点灯させ(ステップS.233)、電磁弁19を閉塞して(ステップS.234)ミスト噴射を終了させることによって、ミストシステム1による処理を終了する。
以上説明したように、本発明に係るミストシステム1を用いることによって、ミスト噴出開始後の時間に応じてLED光源29の発光色が変化するので、入浴中に入浴者が退屈になってしまうことを低減させることが可能となる。また、LED光源29の発光色が変化するので、入浴者はミスト噴出後の時間を視覚によって判断することができる。
例えば、ミスト利用時には、リラックス効果を高めるために時計を気にすることなく入浴を行うことが好ましいが、発汗作用を得るためには、ある程度の時間(例えば、10分程度)は継続的に入浴を行うことが望ましいため、入浴者は入浴時間を知りたいと思う傾向がある。また、サウナ効果によって息苦しくなったりするため、暑さ等に弱い入浴者は発汗効果を得る前に入浴を終了してしまうおそれがある。
本発明に係るミストシステム1のようにLED光源29によって入浴時間を判断できる場合には、時計等を浴室に持ち込むことなく時間の経過を把握することが可能であるため、時計等に気をとられることがなく、十分なリラクゼーション効果を得ることが可能となる。また、暑さに弱い入浴者にとっても、LED光源29の発光色の変化によって時間経過を判断することができるので、一定の発汗効果を得られる入浴時間の経過を簡単に知ることができる。
さらに、ミスト噴射が行われる前であって、T3度に達した時点でLED光源29が赤色に点灯するので、入浴者は入浴準備開始に最適なタイミングを簡単に知ることができ、早く脱衣を行ってしまって十分に暖房が行われていない状態で浴室2に入ってしまうことを防止することが可能となる。
なお、本実施形態においては、時間経過と共にLED光源29の発光色を変化させることとしたが、LED光源29の発光色の変化は実施形態に示した色の順番に限定されるものではなく、異なる色の順番によっても、また異なる色での発光を行うものであってもよい。
さらに、時間経過に拘わらずミスト噴出時に同一の発光色でLED光源29を照明させる構成とすることも可能である。例えば、ミストリモコン16にLED光源29の発光色を切り替えるボタンを設けることによって、血行を促進したい場合には赤色、集中力を高めたい場合には黄色、肉体疲労を軽減したい場合には緑色、精神的にリラックスしたい場合には青色など、入浴者の気分や体調に応じてLED光源29の発光色を変更させることにより、そのときの気分・体調に適した照明効果を得ることが可能となる。
また、LED光源29の発光色を変化させるだけでなく、発光量を変更させる構成とすることも可能である。例えば、ミスト噴出直後にはLED光源29の照明光を暗めに設定し、時間が経過するに従って照明光量を強めて明るくすることによって、入浴直後の薄暗い浴室2環境によってリラクゼーション効果を高め、時間経過と共に照明を明るくしてミスト終了を意識させるようにすることも可能である。
さらに、LED光源29の発光色の変化、発光量の変化と一緒に、ヒーリング音楽等を流すことによって、リラクゼーション効果をより一層高めることが可能となる。
また、上記実施形態において示したLED光源29の発光色が変更する時間間隔(実施形態では5分間隔)や、発光色の変化が終了する設定時間(実施形態では20分に設定)は、上記実施形態に示した時間間隔や設定時間に限定されるものでなく、利用者が自由に変更することが可能である。例えば、利用者がミストリモコン16を操作して、この時間間隔や設定時間を設定・変更することにより、利用者の好み等に応じて時間間隔等を変更・調整することが可能である。
さらに、本実施形態に示したミストシステム1では、浴室空調装置11が浴槽2a側の天井に設置され、ミスト発生装置10が洗い場2bと浴槽2aとの中間位置(境界位置)の天井面に配置されており、さらに、照明装置46がミスト発生装置10の浴槽2a側の縁部と洗い場2bの縁部とに配設されているので、入浴者が浴室2に居る場合であっても洗い場2bに居る場合であっても、LED光源29による照明演出を行うことが可能となり、入浴者は浴室内の位置に拘わらず照明効果を体感することが可能となる。
さらに、実施形態に示したミストシステム1では、浴室2を暖める暖房手段として浴室空調装置11を用いることができるので、浴室空調装置11を備えた一般的な浴室に対して安価にミスト発生装置10および給湯装置12を設置することが可能となる。
以上、本発明に係るミストシステムについて、図面を用いて詳細に説明を行ったが、本発明に係るミストシステムは上述した実施形態に限定されるものではない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された範疇内において、各種の変更例または修正例に想到しうることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
例えば、照明装置46の操作を変更するための照明リモコンを設け、赤外線や電波等の無線通信方式を採用することによって、利用者がミストを利用している間に浴室2から照明装置46の照明色・照明光量。照明色の変更間隔等を自由に変更できるようにすることも可能である。
具体的には、ノズルユニット15のフロントパネル31に照明リモコンの赤外線等を受けるための受光窓を形成すると共に、この受光窓を介して照明リモコンの赤外線を受光する受光装置をノズルユニット15の本体ユニット30側に設け、照明リモコンの操作情報が受光装置からミスト制御部27に伝達される構成とする。
このような構成とすることによって、照明リモコンの操作情報がミスト制御部27に伝達されることとなるので、ミスト制御部27は、操作情報に基づいてLED光源29の発光色、発光量、発光色を変更する時間間隔等を変更することが可能となる。
また、同様に、照明リモコンの赤外線等を受けるための受光窓を浴室空調装置11aのフロントパネル54に設けると共に、この受光窓を介して照明リモコンの赤外線を受光する受光装置をファンケース53に設け、照明リモコンの操作情報が、受光装置から空調制御部62を介してミスト制御部27に伝達される構成とすることも可能である。
このような構成を採用する場合であっても、照明リモコンの操作情報がミスト制御部27に伝達されることとなるので、ミスト制御部27は、操作情報に基づいてLED光源29の発光色、発光量、発光色を変更する時間間隔等を変更することが可能となる。
さらに、上記本実施形態では、浴室2の暖房を行うために浴室空調装置11を用いた場合について説明を行ったが、浴室2の暖房を行う装置は必ずしも浴室空調装置11のみに限定されるものではなく、浴室空調装置11とは別に暖房装置を設けるものであってもよい。
また、上記実施形態に示したミストシステム1では、ミストの噴出を行うミスト発生装置10と、浴室暖房を行う暖房手段である浴室空調装置11とを別々の装置として構成としたが、本発明に係るミストシステム1は、必ずしもミスト発生装置10と暖房手段とを別々の装置によって構成するものに限定されるものではなく、ミスト発生装置10に暖房手段が一体に設けられるものであってもよい。ミスト発生装置10に暖房手段が一体に構成される場合には、別体に構成される場合に比べてミスト発生装置10の設置負担を低減させることができ、また浴室2に暖房機能のない送風装置しか設置されていない浴室2に対して、簡易にミストシステム1を設置することが可能となる。
また、本実施形態においては、ミスト発生装置10に照明装置46が設けられる場合について説明を行ったが、照明装置46は必ずしもミスト発生装置10に設けられるものに限定されず、浴室空調装置11に設けるものであってもよく、また、ミスト発生装置10や浴室空調装置11とは別体に構成されるものであってもよい。
図14は、照明装置46aが設置された浴室空調装置11aを示しており、照明装置46aとして浴室空調装置11aのフロントパネル54にLED光源29が配設された状態を示している。このように浴室空調装置11aにLED光源29が設置される場合には、空調制御部62によってLED光源29の点消灯制御をはじめ、発光色の制御、発光量制御が行われる。浴室空調装置11aにおいてLED光源29の制御を行うことによって、ミスト発生装置10が設置されていない浴室2においても、LED光源29の照明光によるリラクゼーション効果を得ることが可能である。
例えば、近年、発汗作用やリラクゼーション効果を得るために、浴槽2aにおける半身浴を行うことが多くなっている。このような浴室2においてLED光源29を設けた浴室空調装置11aを設けることによって、ミスト発生装置10を設置していない場合であっても、LED光源29の発光色や発光量を変化させることによってリラクゼーション効果を高めることができる。また、発光色や発光量を変化させることによって、入浴中に退屈になってしまうことを低減させることが可能となる。
また、半身浴を行う場合であっても、発汗作用を得るためにある程度の時間半身浴を継続する必要があるため、例えば、浴室の照明のスイッチや空調装置のファンモータの駆動開始を入浴の開始時間として判断し、入浴した時間に応じてLED光源29の発光色を変化させることによって感覚的に半身浴による入浴時間を把握することができ、時計等を気にすることがなく、十分なリラクゼーション効果を得ることが可能となる。また、暑さに弱い入浴者にとっても、LED光源29の発光色等の変化によって入浴時間を簡単に判断することができるので、十分な半身浴効果を得ることが可能となる。
さらに、図14に示すように、照明装置46aを浴室空調装置11の浴槽2a側の縁部と洗い場2bの縁部とに配設することによって、入浴者が浴室2に居る場合であっても洗い場2bに居る場合であっても、LED光源29による照明演出を行うことが可能となり、入浴者は浴室内の位置に拘わらず照明効果を体感することが可能となる。