JP5010999B2 - 貼付剤用包装袋およびその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、貼付層を有する貼付剤収納するための包装袋およびその製造方法に関する。
貼付層を有する貼付剤として、例えば、薬剤を経皮吸収により生体内へ投与するための薬剤含有貼付剤は、局部に貼付することで経時的に薬剤を生体内に徐放することができるため、種々の分野で汎用されている。このような薬剤含有貼付剤は、ポリエステルやポリエチレンなどのプラスチック製、あるいは、薬剤非浸透性処理された織布や不織布などの基材表面に、経皮吸収性の薬剤を含有させた貼付層を形成し、貼付層表面に剥離シートを積層して貼付層表面を保護してなるものである。通常、このような貼付剤は、含有する薬剤の揮散や環境からの影響による劣化を防止するために、薬剤不透過性のシートからなる包装袋内に収納されている。貼付剤を包装袋により個装する場合、薬剤を含む貼付層の成分、例えば、貼付層組成物自体や、貼付剤組成物中に含まれる可塑剤、粘着付与剤などが基材や剥離シートの端面からはみ出して包装袋を構成するシートの内面や基材の背面に粘着し、使用時に貼付剤が包装袋より取り出しにくくなることがある。
これらの問題点を解決する方法として、特許文献1においては、貼付剤を封入するための包材ではないが、内面に低摩擦処理を施した袋が記載されている。この袋は、シリコーン系、フッ素系、または長鎖アルキル系処理剤を内面の全面または周囲を除いて低摩擦処理を施したものである。そして、内面の全面に低摩擦処理を施した場合は、ドットパターンの融着パターンを推奨しており、ドットパターンの食い込みによりフッ素膜を破って、フィルムの素地同士を接着させて熱融着することが開示されている。
しかし、この方法では、フィルムの素地を広く露出させることはできないので、十分なヒートシール強度を得ることはできない。また、基本的にシール部においては剥離剤層が連続しているので、ピンホールが発生する恐れが高く、貼付剤収納用包装袋として用いることはできない。
また、特許文献2においても、包装袋の熱融着部の少なくとも一部が該シートの熱融着樹脂層同士を直接熱融着して構成されるとともに、該シートの内面の一部に剥離剤からなる付着防止層を備える貼付剤収納用包装袋が記載されている。特許文献1の図2(A)にはシートの周縁における熱融着領域を除く全領域に付着防止層を形成してなる態様が示され、図3及び図4には、付着防止層領域と熱融着領域とが一部重なる態様が示されている。
しかし、これらの内面の周囲を除いて低摩擦処理や付着防止処理を施した包装袋を製造するためには、包装袋と一対一に対応した付着防止層領域を繰り返し形成した包材を用いることが必要であり、このような包材では、あらかじめ包装袋の寸法や熱融着領域の幅等に対応して所定の間隔で付着防止層領域を配置する必要がある。このため、付着防止層領域を設けた包材は、包装袋の製造に際して、送りのピッチを正確に管理する必要がある。ところが、通常の製袋機や製袋充填包装機は、光電管やCCDカメラで送りを制御するので、付着防止層領域を着色する必要がある。付着防止層領域を着色すると、着色剤が貼付剤に侵入する恐れがあり、薬効成分や人体への影響が懸念される場合がある。また、付着防止層領域を着色しても、包材の内面になるので、包材が透明でない場合は、光電管やCCDカメラで正確に検知できないことがある。通常、包材の外面には印刷が施されるので、外面に制御マークを印刷することも考えられるが、内面の印刷と外面の印刷のピッチを高精度に合わせることは難しい、という問題がある。
実開平3−93444 特開2005−328928号公報
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、貼付剤を包装したときの付着を防止できると共に、高いヒートシール強度が得られる貼付剤用包材用いたピンホールのない貼付剤用包装袋およびその製造方法を提供することを課題とする。
前記課題を解決するため、本発明は、貼付層を有する貼付剤を収納するための包装袋であって、少なくとも片面にヒートシール層を有するシートの前記ヒートシール層上に、ヒートシール時の熱で溶融する剥離剤からなる剥離剤層が、少なくともヒートシール予定部において前記シートに対する平面視において、ドット状、格子状、またはストライプ状のパターンで規則的に断続して形成されている貼付剤包装用包材同士を、前記ヒートシール層および前記剥離剤層を内面側に配して対向させ、前記剥離剤を溶融させてヒートシールしたことを特徴とする貼付剤用包装袋を提供する
前記剥離剤層が着色剤を含有しないことが好ましい。
発明の貼付剤用包装袋は、シール部において、前記剥離剤層が海島状態に分散されてヒートシールされたことが好ましい。
前記貼付剤包装用包材における前記剥離剤層が、前記貼付剤包装用包材の全面にわたり、所定のピッチで繰り返し形成されていることが好ましい。
また、本発明は、前記貼付剤包装袋の製造方法であって、前記貼付剤包装用包材同士を、前記ヒートシール層および前記剥離剤層を内面側に配して対向させ、前記剥離剤を溶融させてヒートシールすることを特徴とする貼付剤用包装袋の製造方法を提供する。
前記貼付剤包装用包材同士を、前記ヒートシール層および前記剥離剤層を内面側に配して対向させ、前記剥離剤を溶融させてヒートシールしない領域に押し出してヒートシールすることが好ましい。
複数本の凸条が設けられた線シール、網目状の金型、あるいは、フッ素系繊維の織布を貼付した金型を用いてヒートシールすることが好ましい。
本発明によれば、ヒートシール時の熱で溶融する剥離剤からなる剥離剤層(以下、単に「剥離剤層」という場合がある。)が形成されていることにより、剥離剤を極めて少なく塗布しても十分な剥離性能が得られる。したがって、ヒートシールしない部分においては、剥離性能が高く、貼付剤を包装したときの付着を防止できる。そして、ヒートシールする部分においては、ヒートシール時の熱で溶融した剥離剤を、ヒートシール時の圧力で海島状態に分散させてヒートシールするので、高いヒートシール強度が得られるとともに、シール部において剥離剤層が連続していないので、シール部のピンホールの発生を防止することができる。また、剥離剤層を規則的または不規則的に断続して全面に設けた場合は、包材の送りを制御する必要がないので、剥離剤層に着色剤を含有させなくとも容易に製袋することができる。
以下、最良の形態に基づき、図面を参照して本発明を説明する。
図1(a)〜(e)は本発明に係る貼付剤用包材の例を示す断面図である。図2は、本発明に係る貼付剤用包装袋の一例を示す断面図である。図3は、図2のS−S線に沿う断面図である。図4は、図1(b)に示す貼付剤用包材を用いた貼付剤用包装袋のヒートシール部付近を示す部分断面図である。図5(a)〜(d)は本発明に係る貼付剤用包材における剥離剤層のパターンを例示する平面図である。
図1に示すように、本形態例の貼付剤用包材は、基材上に薬剤を含有する貼付層と剥離シートとを積層してなる貼付剤を包装するための包材であって、一面にヒートシール層12を有するシート11の、ヒートシール層12の上に、剥離剤層13が形成されているものである。本発明において、剥離剤層13は、ヒートシール時の熱で溶融する剥離剤から構成される。本明細書において、ヒートシール時の熱で溶融する剥離剤とは、常温、その融点が、好ましくは高温の環境下にさらさせる場合を考慮すると40度C以上、より好ましくは50度C以上で、ヒートシール時の熱で溶融する剥離剤を意味する。ヒートシール時の熱で溶融する剥離剤としては、ワックス系剥離剤、アルキルペンダント系剥離剤の内、ヒートシール層12を構成する樹脂の融点以下の融点を有するもの等が挙げられる。低融点のアルキルペンダント系剥離剤としては、例えば、一方社油脂工業株式会社のピーロイル(商品名)や日本触媒株式会社のオクタデシルイソシアネート変性ポリエチレンイミン(商品名:RP−20)などの側鎖として多数の長鎖アルキル基を持つアクリル酸系の高分子化合物が挙げられる。側鎖に長鎖アルキル基を持つ高分子化合物の群は、その長鎖アルキル基によって剥離効果を奏するものと考えられている。したがって、長鎖アルキル基の炭素数は、5以上、好ましくは12以上で、上限は特に制限はないが、炭素数が大きくなると融点が高くなる傾向があること、溶剤への溶解性が悪くなる傾向があり、剥離剤層をパターンで形成することが困難となる場合があることから、通常、24以下であることが好ましい。
ヒートシール予定部において剥離剤層13は、包材のヒートシール層12上に、規則的または不規則的に断続して形成されている。この様に形成されていると、剥離剤を極めて少なく塗布することができる。通常、剥離剤を極めて少なく塗布すると、十分な剥離性能が得られなくなるが、断続して形成することで、剥離剤層13の剥離性能を保持することができる。本発明においては、不規則的に断続して設けることもできるが、規則的に断続して形成すると、ヒートシールに際し、シール強度が均一化しやすいので好ましい。
例えば図1(a)に示す貼付剤用包材10では、包材の全面にわたり、剥離剤層13が所定のピッチで繰り返し形成されている。貼付剤用包材10を貼付剤用包装袋とするには、外側の所定のピッチで繰り返し剥離剤層13が形成されている領域をヒートシールする
また、図1(b)に示す貼付剤用包材10Aでは、包材の一部が剥離剤層形成領域14とされ、剥離剤層形成領域14内で、ヒートシール予定部において剥離剤層13が所定のピッチで繰り返し形成されている。貼付剤用包材10Aを貼付剤用包装袋とするには、剥離剤層形成領域14をヒートシールする。
また、図1(c)に示す貼付剤用包材10Bでは、包材の一部が剥離剤層形成領域14とされ、剥離剤層形成領域14内で剥離剤層13がベタで形成されている。貼付剤用包材10Bを貼付剤用包装袋とするには、剥離剤層形成領域14とその外側において、ヒートシール層12と剥離剤層13とを含んでヒートシールするので、ヒートシール予定部において規則的に断続する。
また、図1(d)に示す貼付剤用包材10Cでは、包材の全面にわたり、剥離剤層13が形成されているが、所定のピッチで繰り返し剥離剤層13が形成されている領域15の内側16は、剥離剤層13がベタで形成されている。貼付剤用包材10Cを貼付剤用包装袋とするには、所定のピッチで繰り返し剥離剤層13が形成されている領域15をヒートシールする。
また、図1(e)に示す貼付剤用包材10Dでは、ヒートシール予定部となる外側15が所定のピッチで繰り返し剥離剤層13が形成され、その内側16は、剥離剤層13がベタで同心状に形成され、その内側17は、剥離剤層13が形成されていない。貼付剤用包材10Dを貼付剤用包装袋とするには、所定のピッチで繰り返し剥離剤層13が形成されている領域15をヒートシールする。
なお、貼付剤用包材上に剥離剤層形成領域14を設けた場合は、包装袋とした時に、図3、4に示すように、収納される貼付剤の周縁部が剥離剤層形成領域14に接するように設けることが好ましい。
剥離剤層13は、ヒートシール時の熱で溶融する剥離剤を有機溶剤等と配合して、グラビア方式やその他の印刷方式により、シートにコートすることによって形成することができる。
剥離剤層13は、ヒートシール時の熱で溶融する剥離剤がコートされた部分(塗工部)とコートされていない部分(非塗工部)が交互に隣接して(断続して)存在することが好ましい。例えば、図5に示すように、シート11に対する平面視において、水玉や正方形などのドット状、格子状、またはストライプ状のパターンで形成されることが好ましい。これらの内、剥離剤を極めて少なく塗布しても十分な剥離性能が得られ、ヒートシール時の圧力で海島状態に分散させ易いので、ドット状が好ましい。
図5(a)に示す例では、剥離剤層13が水玉状に多数形成され、水玉状部分同士の間ではヒートシール層12が露呈されている。
また、図5(b)に示す例では、剥離剤層13が正方形のドット状に形成され、その間の部分は非塗工部であり、ヒートシール層12が露呈されている。
また、図5(c)に示す例では、剥離剤層13のパターンが格子状とされ、格子縞の部分に剥離剤層13が形成され、格子目の部分は非塗工部であり、ヒートシール層12が露呈されている。
また、図5(d)に示す例では、剥離剤層13のパターンがストライプ状とされ、ストライプ同士の間は非塗工部であり、ヒートシール層12が露呈されている。
シート11は、内包する貼付剤に含まれる薬剤の揮散を抑制するという観点からは、ガス不透過性のシートを用いることが好ましく、このシートは熱融着性樹脂層を有する限り単層であっても、複数の層を積層してなる積層構造を有するものであってもよい。ガス不透過性のシートとしては、ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルムにアルミなどの金属箔、アルミなどの金属やアルミナ、シリカなどの金属酸化物を蒸着した蒸着フィルムが代表的なものとして挙げられる。また、合成樹脂フィルムは材質や厚みを選択することで単層でもガスバリア性を有するものもある。そのような合成樹脂としては、具体的には、例えば、塩化ビニリデン、ポリビニルアルコール、エチレン−ビニルアルコール共重合体、塩化ビニルなどが挙げられる。単層シート自体がヒートシール可能な材質からなるものであれば、単層シートの少なくとも片面に、上述の剥離剤層を設けることで本発明の貼付剤用包材を構成することができる。また、シート自体がヒートシール不可能な材質からなるものであれば、図1に示すように、シート11の少なくとも片面に、ヒートシール層12を設ける。
ヒートシール層12としては、ポリエチレンやポリプロピレンなどのポリオレフィンを用いてもよいが、貼付剤に用いられる薬剤は、揮発しやすい低分子化合物が多いため、ヒートシール層に吸着される場合がある。その様な場合は、ポリアクリロニトリル(PAN)、ポリエステル、環状ポリオレフィン、ポリビニルアルコール、エチレン−ビニルアルコール共重合体などの薬物非吸着性樹脂層をヒートシール層12として積層することが好ましい。ヒートシール層12の厚みは、内容品によるが、通常、10〜150μm程度である。また、印刷性や強度の改良を目的として最外層に紙や二軸延伸フィルムなどを積層してもよく、この場合、これらの素材はガス透過性であってもよい。包材の厚みは目的に応じて選択することができるが、一般的には、単層のシートでは10〜150μm程度、積層シートでは全体の厚みで10〜250μmが好ましい。
本発明の貼付材用包材を用いて貼付剤を包装するには、貼付剤包装用包材の周囲をヒートシールすることで、貼付剤を密封することができる。密封に際しては、予め包材を袋状に成形して、包装袋としておいて密封してもよいし、製袋充填包装機を用いて製袋と充填を同時に行ってもよい。
本発明の包装袋を成形するには、一対のシートを対面して配置し、一辺に開口部を残して、三方をヒートシールし、その後、開口部から貼付剤を封入後、開口部をヒートシールして密封すればよい。
本発明に係る貼付剤用包装袋は、基材上に薬剤を含有する貼付層と剥離シートとを積層してなる貼付剤を収納するための包装袋であって、本発明に係る貼付剤包装用包材からなり、ヒートシール層および剥離剤層を内面側に配してヒートシールしたものである。ヒートシールに際しては、公知の、ヒートシーラー、インパルスシーラー、超音波シーラー等を用いることができる。
図2に貼付剤用包装袋20の一例を示す。この包装袋20は、対面して配置された一対の包材10の周縁部をヒートシールしてなるものであり、四方のヒートシール部23によって囲まれてなる内部空間22には、貼付剤21を収納することができる。図3に示すように、周縁部のヒートシール部23においては、包装袋20を構成する包材10の内面に剥離剤層13が設けられている。
なお、図2では対面して配置された一対の包材10,10は、2枚のシート片により構成されているが、必ずしも2枚である必要はなく、一枚のシートを2つに折ることで対向する一対のシートを構成したものでもよく、その場合、気密性が確保できれば、折り目の部分はヒートシールしてもヒートシールしなくてもよい。ヒートシール部23においては、一方のシート片のヒートシール層12および剥離剤層13と、他方のシート片のヒートシール層12および剥離剤層13とがヒートシールされることにより、気密性が確保される。剥離剤層13は、ヒートシール時の熱で溶融するので、シート片の全面に剥離剤層13が断続して設けられても、剥離剤層が海島状態に分散されてヒートシールされてヒートシール部23で十分なシール強度を得ることができる。なお、剥離剤層が海島状態に分散されてヒートシールされる理由は、剥離剤層が、少なくともヒートシール予定部において規則的または不規則的に断続して形成されていることにもよるが、むしろ剥離剤を極めて少なく塗布すること、および、ヒートシール時の圧力で海島状態に分散させることにより、十分な剥離性能が得られる。そして、仮に、十分な剥離性能を得るために、剥離剤を極めて少なく塗布することができなくても、ヒートシール時の熱で溶融した剥離剤を、ヒートシール時の圧力でヒートシールしない部分に追い出して、剥離剤が極めて少ない状態とし、海島状態に分散させてヒートシールできる。押し出された剥離剤は、包装袋内部および/または包装袋外部で固化する。したがって、ヒートシールに際しては、包装袋の外周の端部よりやや内側をヒートシールすることが好ましい。また、このとき、複数本の凸条が設けられた線シールや網目状の金型を用いたり、あるいは、フッ素系繊維の織布を挟んでヒートシールすると、溶融した剥離剤層が網目、布目や線の間に逃げやすく、ヒートシール層12はヒートシール層12同士、剥離剤層13は剥離剤層13同士がヒートシールされる部分が多くなり、高いヒートシール強度が得られ、剥離剤層も連続しにくくなるので、ピンホールの発生がない。ただし、この場合であっても、ヒートシール部は、剥離剤層とヒートシール層とがヒートシールされた部分、剥離剤層同士がヒートシールされた部分およびヒートシール層同士がヒートシールされた部分が混在したものとなる。なお、剥離剤層は溶融して固化するので、剥離剤層同士はヒートシール可能である。このとき、ワックス系の剥離剤は、凝集力が小さいので、シール強度は低いが、低融点のアルキルペンダント系剥離剤であれば、ある程度のシール強度が得られる。また、剥離剤層とヒートシール層とは互いに密着し、溶融して固化するので、シール強度はあまり高くはないが、一応ヒートシール可能である。また、ヒートシール時は、ヒートシール層も溶融しているので、剥離剤層の一部はヒートシール層の内部に潜り込み、剥離剤層の下のヒートシール層もヒートシールに関与するものと考えられる。
なお、図3、4では、ヒートシール部23において、剥離剤層13が溶融したことを表すため、剥離剤層形成領域14のうち、ヒートシール部23内においては、剥離剤層13の構造が消失したように図示した。
ところで、本発明においては、ヒートシール部は、剥離剤層とヒートシール層とがヒートシールされた部分、剥離剤層同士がヒートシールされた部分およびヒートシール層同士がヒートシールされた部分が混在したものとなり、あまりシール強度の高くない剥離剤層とヒートシール層とのヒートシール部分が存在するが、比較的シール強度の高い剥離剤層同士および極めてシール強度の高いヒートシール層同士のヒートシール部分が隣接するので、全体として高いシール強度が得られる。また、仮に、剥離剤層とヒートシール層とのヒートシール部分の密度が高い個所が発生し、シール強度が下がったとしても、剥離剤層が連続していないこと、および、剥離剤層とヒートシール層とのヒートシール部分は、あまりシール強度が高くないにしても確実に密着しているので、剥離剤層同士およびヒートシール層同士がヒートシールされた部分のシートに押さえられて、ピンホールとなることはない。
本発明に適用されうる貼付剤は、貼付層を有するものであれば、特に制限なく用いることができる。例えば、基材上に薬剤を含有する貼付層を積層し、さらに貼付層上に剥離シートを積層して貼付層の表面を保護してなる貼付剤を挙げることができる。
貼付剤の基材としては、ポリエチレン、ポリプロピレンなどのポリオレフィン類;ポリエチレンテレフタレートなどのポリエステル類;ポリアクリロニトリル;などのプラスチック製シート、伸縮性を有するエラストマーやゴム製のシート、金属箔、表面に薬剤非浸透処理が施された織布、不織布やこれらの複合シートなどを用いることができる。
貼付層は、経皮により体内へ浸透することができる公知の経皮吸収性薬剤を薬効成分として含有する。薬剤としては、l−メントールやカンファーなどの血行促進剤、インドメタシンなどの鎮痛剤、尿素などの経皮浸透促進剤などが代表的なものとして挙げられるが、これに制限されるものではない。薬剤は、貼付剤の目的に応じて1種のみ、あるいは、2種以上を組み合わせて用いることができる。
これらの薬剤は、アクリル系、ゴム系、シリコーン系、ビニルエーテル系などの重合体を主成分とする粘着性を有する有機材料中に含有され、この有機材料をマトリックスとする貼付層が形成される。この貼付層を形成する組成物中には、必要に応じて可塑剤、粘着付与剤などを配合することができる。基材上に形成された薬剤含有貼付層表面は粘着性を有するため、使用時まで剥離シートを積層することにより保護される。
剥離シートとしては、PETフィルムなどの樹脂フィルム、金属箔、紙、又は、それらの積層体などにシリコーンを塗布したものなど、公知の剥離シートを任意に選択して用いることができる。
本発明の貼付剤用包材および貼付剤包装袋は、密閉性が高く、被収納物である貼付剤の薬剤の揮散を効果的に防止しうるとともに、貼付剤を取り出しやすいため、医薬品のみならず、例えば、薬剤として香料を含有する貼付剤などにも好適に使用することができる。
(貼付剤用包材の製造)
PET12μm/PAN30μmのPAN面に、ヒートシール時の熱で溶融する剥離剤として、炭素数18の長鎖アルキル基を持つアクリル酸系の3次元架橋を有しない高分子化合物である一方社油脂工業株式会社のピーロイルHT(商品名)をグラビア方式にて、図5(a)ドットパターンで乾燥重量0.3g/mコートし、本発明に係る貼付剤用包材を製造した。ドットの直径d、流れ方向のピッチp1、幅方向のピッチp2は、幅p3は、表1のように3種類のパターンとした。このときの剥離剤層の厚さは、およそ1.2μmである。
Figure 0005010999
(ヒートシール強度)
実施例1〜3の貼付剤用包材のヒートシール強度を、JIS Z1707に準拠して測定した。シール条件は、剥離剤コート面同士を温度160℃、圧力0.2MPa、時間1秒、ポリテトラフルオロエチレンの織布を上下の金型に貼付したヒートシーラーでヒートシールした。引張速度は300mm/分とした。
(剥離強度)
実施例1〜3の貼付剤用包材の剥離強度を、包材のPAN面(コート面)にセロファン粘着テープ(ニチバン株式会社製、商品名「セロテープ(登録商標)No.405」、24mm幅)を、ローラーを使用して貼付し、剥離速度50mmでT字剥離したときの剥離強度(剥離開始より15〜50mmの間の剥離強度の積分平均)を測定した。
(測定結果)
実施例1〜3の貼付剤用包材の幅方向の5個所について測定したヒートシール強度および剥離強度(いずれもn=5の平均値)を表2に示す。さらに表2には、従来例として、PET12μm/PAN30μm(コートなし)のヒートシール強度(PAN面同士のヒートシール)および剥離強度の測定値を示す。
Figure 0005010999
表2に示すように、実施例の貼付剤用包材は、従来例と比較して遜色のない十分なヒートシール強度を示し、かつ粘着剤に対しては、従来例と比べて低い剥離強度を示した。なお、この剥離強度は、貼付剤に比べて格段に接着力の高いセロテープ(登録商標)に対するものであるため、実施例の貼付剤用包材を包装袋として貼付剤を収納した場合に、貼付剤の粘着剤がはみ出して、剥離層に接着しても楽に取り出すことのできる程度の剥離強度である。
(a)〜(e)は本発明に係る貼付剤用包材の例を示す断面図である。 本発明に係る貼付剤用包装袋の一例を示す断面図である。 図2のS−S線に沿う断面図である。 図1(b)に示す貼付剤用包材を用いた貼付剤用包装袋のヒートシール部付近を示す部分断面図である。 (a)〜(d)は本発明に係る貼付剤用包材における剥離剤層のパターンを例示する平面図である。
符号の説明
10,10A,10B、10C、10D…貼付剤用包材、11…シート、12…ヒートシール層、13…ヒートシール時の熱で溶融する剥離剤からなる剥離剤層、14…剥離剤層形成領域、20,20A…貼付剤用包装袋、21…貼付剤、22…収納空間、23…ヒートシール部。

Claims (7)

  1. 貼付層を有する貼付剤を収納するための包装袋であって、
    少なくとも片面にヒートシール層を有するシートの前記ヒートシール層上に、ヒートシール時の熱で溶融する剥離剤からなる剥離剤層が、少なくともヒートシール予定部において、前記シートに対する平面視において、ドット状、格子状、またはストライプ状のパターンで規則的に断続して形成されている貼付剤包装用包材同士を、前記ヒートシール層および前記剥離剤層を内面側に配して対向させ、前記剥離剤を溶融させてヒートシールしたことを特徴とする貼付剤用包装袋。
  2. 前記剥離剤層が着色剤を含有しないことを特徴とする請求項に記載の貼付剤用包装袋
  3. シール部において、前記剥離剤層が海島状態に分散されてヒートシールされた請求項1または2に記載の貼付剤用包装袋。
  4. 前記貼付剤包装用包材における前記剥離剤層が、前記貼付剤包装用包材の全面にわたり、所定のピッチで繰り返し形成されていることを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の貼付剤用包装袋。
  5. 請求項1ないし4のいずれかに記載の貼付剤用包装袋の製造方法であって、
    前記貼付剤包装用包材同士を、前記ヒートシール層および前記剥離剤層を内面側に配して対向させ、前記剥離剤を溶融させてヒートシールすることを特徴とする貼付剤用包装袋の製造方法。
  6. 前記貼付剤包装用包材同士を、前記ヒートシール層および前記剥離剤層を内面側に配して対向させ、前記剥離剤を溶融させてヒートシールしない領域に押し出してヒートシールすることを特徴とする請求項5に記載の貼付剤用包装袋の製造方法。
  7. 複数本の凸条が設けられた線シール、網目状の金型、あるいは、フッ素系繊維の織布を貼付した金型を用いてヒートシールすることを特徴とする請求項5または6に記載の貼付剤用包装袋の製造方法。
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