JP5010068B2 - デバイス環境設定システム、デバイス環境設定処理方法及び情報記録媒体 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、デバイス環境設定システム、デバイス環境設定処理方法及び情報記録媒体に関する。特に、所定のシステムの機能を実現するためのアプリケーション・ソフトウェアを開発した開発用システムのデバイス環境設定情報を、所定のシステムに自動復元する手段を備えたデバイス環境設定システム、デバイス環境設定処理方法及び情報記録媒体に関する。
【0002】
【従来の技術】
POSシステムの構築において、標準化されたAPI(Application Program Interface)を使用してPOSシステムの各種機能を実現するアプリケーション・プログラムを開発することによって、POSシステムを構成するデバイスの機種等を意識することなく、多機能なPOSシステムを構築することができる。OPOS(OLE for Retail POS)は、世界標準の規格(仕様)であり、OPOS準拠のオブジェクトは、POSシステムにおける端末システム(以下、「POS端末システム」という)を構成するデバイスに関わるインタフェースの標準化を定義し、POS端末システムのホスト・コンピュータのWindows(商標である。以下同じ)OS上でサポートされるOLE(Object Linking and Embedding)Controlを使用して、アプリケーション・ソフトウェアを容易に開発するためのAPI関数をアプリケーション開発者に提供している。以下、OPOS準拠のオブジェクトをOPOSという。
【0003】
また、OPOSを利用するための情報である、POS端末システムを構成するデバイス及びデバイスの各種設定情報(以下、「デバイス設定情報」という)は、POS端末システムのホスト・コンピュータのOSによって管理されるシステム構成情報のデータベース(以下、「レジストリ」という)に格納(登録)される。以下、OPOSを利用するための情報である、POS端末システムを構成するデバイスおよびデバイスのデバイス設定情報を「OPOSデバイス環境設定情報」という。また、OPOSデバイス環境設定情報は、OPOSを利用するための情報としてレジストリに登録する情報である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
POSシステムを構成する1個または複数個の店舗用のPOS端末システムの構築は、開発用のPOS端末システムのホスト・コンピュータ(以下、「開発用PC」という)にアプリケーション・ソフトウェアを開発するOPOSデバイス環境設定情報を設定し、開発用PCによって店舗用のPOS端末システムの各種機能を実現するアプリケーション・ソフトウェアを開発し、開発用PCによって開発したアプリケーション・ソフトウェアおよびアプリケーション・ソフトウェアを動作させるOPOSデバイス環境設定情報を、POSシステムを構成する1個または複数個の店舗用のPOS端末システムのホスト・コンピュータ(以下、「店舗用クライアントPC」という)に復元することによって、実行される。
【0005】
従来、開発用PCによって開発したアプリケーション・ソフトウェアおよびアプリケーション・ソフトウェアを動作させるOPOSデバイス環境設定情報を、POSシステムを構成する1個または複数個の店舗用クライアントPCに復元する作業は、アプリケーション・ソフトウェアを開発するためのOPOSデバイス環境設定情報を設定する作業を、開発用PCにおいて実行した作業と同様にそれぞれの店舗用クライアントPCにおいて実行する必要があった。即ち、開発用PCにおいて実行した作業である、POS端末システムを構成するデバイスに適合するようなOPOSデバイス環境設定情報をレジストリに登録する作業を、POSシステムを構成する全ての店舗用クライアントPCにおいて、それぞれ実行する必要があった。従って、全ての店舗用クライアントPCにユーザインタフェースを利用して所要の設定情報を入力し、入力したOPOSデバイス環境設定情報をレジストリに登録するため、時間がかかってしまうという問題点があった。
【0006】
また、POS端末システムを構築する開発者が、開発用PCによって開発したアプリケーション・ソフトウェアおよびアプリケーション・ソフトウェアを動作させるOPOSデバイス環境設定情報を、POSシステムを構成する1個または複数個の店舗用のPOS端末システムの店舗用クライアントPCに復元するユーティリティ・ソフトウェアを独自に開発する場合もあったが、ユーティリティ・ソフトウェアを開発する時間もコストもかかるという問題点もあった。
【0007】
また、開発用PCによって開発したアプリケーション・ソフトウェアおよびアプリケーション・ソフトウェアを動作させるOPOSデバイス環境設定情報を、POSシステムを構成する1個または複数個の店舗用クライアントPCに復元する作業は、特定の復元作業の知識を有する作業者によってしか実行することができないという問題点もあった。
【0008】
従って、本発明は、以上のような問題点を解決するためになされたもので、所定のシステムの機能を実現するためのアプリケーション・ソフトウェアを開発した開発用システムのデバイス環境設定情報を、所定のシステムに自動復元する手段を備えたデバイス環境設定システム、デバイス環境設定処理方法及び情報記録媒体を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、上述した従来の問題点を解決すべく研究を重ねた。その結果、開発用PCのOPOSデバイス環境設定情報から店舗用クライアントPCのOPOSデバイス環境設定情報に同一の情報を設定できる同一設定情報を生成し、更に、POS端末システムのシステム構成情報に基づいた各店舗用クライアントPCに固有の設定情報を検索し、生成することによって、開発用PCによって開発したアプリケーション・ソフトウェアおよびアプリケーション・ソフトウェアを動作させるOPOSデバイス環境設定情報を、POSシステムを構成する1個または複数個の店舗用クライアントPCに復元する作業を、ユーザインタフェースを利用せずに実行できることが判明した。
【0010】
上記研究結果に基づき、以下の発明を提供する。
【0011】
本発明の、デバイス環境設定システムの第1の態様は、アプリケーション・ソフトウェアとデバイスの間をOSと共に中継するOPOSに使用されるもので、所定のシステムの機能を実現するための前記アプリケーション・ソフトウェアを開発した開発用システムから取得したデバイス環境設定情報を、所定のシステムにサイレンスインストール(自動復元)するデバイス環境復元手段を備えたデバイス環境設定システムであって、前記デバイス環境復元手段が、下記の手段を備えたことを特徴とする。
(i)前記所定のシステムのデバイス環境設定情報を構成する、前記開発用システムのデバイス環境設定情報と同一の設定値を設定する所定の設定情報を、前記開発用システムのデバイス環境設定情報における、前記デバイス環境設定情報を構成する全ての情報、若しくは前記デバイス環境設定情報を構成する所望の1個または複数個の前記デバイスの前記デバイス環境設定情報、若しくは前記所定のシステムのホスト・コンピュータの同一のポートに複数の前記デバイスが接続されていることを含む所定の接続形態で接続されている前記デバイスの前記デバイス環境設定情報、のいずれかに基づいて生成するとともに、
前記所定のシステムのホスト・コンピュータに接続される所定のデバイスに基づくもので、前記所定のシステムのホスト・コンピュータのOSが管理するシステム構成情報に基づいて、前記所定のシステムによって異なるシステム固有の設定情報を生成する設定情報生成手段と、
(ii)前記設定情報生成手段によって生成した前記所定の設定情報および前記システム固有の設定情報を、前記所定のシステムの前記システム構成情報に格納する設定情報格納手段と、
(iii)前記開発用システムのデバイス環境設定情報を、所定の情報記録媒体に記録し、保存するデバイス環境設定情報保存手段。
【0012】
本発明の、デバイス環境設定システムの第2の態様は、上述のデバイス環境復元手段が、(a)所定のシステムのデバイス環境設定情報を構成する、開発用システムのデバイス環境設定情報と同一の設定値を設定する所定の設定情報を、開発用システムのデバイス環境設定情報に基づいて生成する同一設定情報生成手段と、(b)所定のシステムのホスト・コンピュータのOSが管理するシステム構成情報に基づいて、所定のシステムによって異なるシステム固有の設定情報を生成する固有設定情報生成手段と、(c)同一設定情報生成手段によって生成した所要の設定情報および固有設定情報生成手段によって生成したシステム固有の設定情報を、所定のシステムのシステム構成情報に格納する設定情報格納手段とを備えたデバイス環境設定システムである。
【0013】
本発明の、デバイス環境設定システムの第3の態様は、上述の設定情報生成手段が、所定のシステムのデバイス環境設定情報を構成する、開発用システムのデバイス環境設定情報と同一の設定値を設定する所定の設定情報を、前記開発用システムのデバイス環境設定情報から検索する同一設定情報検索手段と、
開発用システムのデバイス環境設定情報から、同一設定情報検索手段によって検索した前記所定の設定情報を取得する設定情報取得手段と
を備えたデバイス環境設定システムである。
【0014】
本発明の、デバイス環境設定システムの第4の態様は、上述の固有設定情報生成手段が、所定のシステムに接続される所定のデバイスのインタフェースを検索し、検索したインタフェースに前記所定のシステムが割り付けた識別番号を取得するインタフェース識別番号検索手段を備えたデバイス環境設定システムである。
【0015】
本発明の、デバイス環境設定システムの第5の態様は、上述のインタフェース識別番号検索手段によって検索するインタフェースがUSBであることを特徴とするデバイス環境設定システムである。
【0016】
本発明の、デバイス環境設定システムの第6の態様は、開発用システムのホスト・コンピュータのOSが管理する開発用システムのシステム構成情報のデバイス環境設定情報を、所定の情報記録媒体に記録し、保存するデバイス環境設定情報保存手段を、更に備えたデバイス環境設定システムである。
【0017】
本発明の、デバイス環境設定システムの第7の態様は、上述のデバイス環境設定情報保存手段が、(a)情報記録媒体に保存するデバイス環境設定情報の1個または複数個の設定情報を指定する保存対象情報入力手段と、(b)デバイス環境設定情報から保存対象情報入力手段によって指定された設定情報を検索するデバイス情報検索手段と、(c)デバイス情報検索手段によって検索した設定情報を、所定の情報記録媒体に記録するデバイス情報記録手段とを備えたデバイス環境設定システムである。
【0018】
本発明の、デバイス環境設定システムの第8の態様は、上述の保存対象情報入力手段によって指定された設定情報が、デバイス環境設定情報を構成する全ての情報であることを特徴とするデバイス環境設定システムである。
【0019】
本発明の、デバイス環境設定システムの第9の態様は、上述の保存対象情報入力手段によって指定された設定情報が、デバイス環境設定情報を構成する所望の1個または複数個のデバイスのデバイス情報であることを特徴とするデバイス環境設定システムである。
【0020】
本発明の、デバイス環境設定システムの第10の態様は、上述の保存対象情報入力手段によって指定された設定情報が、デバイス環境設定情報を構成する所望のデバイスのデバイス情報、および、所望のデバイスに所定の接続形態によって接続されている全てのデバイスのデバイス情報であることを特徴とするデバイス環境設定システムである。
【0021】
本発明の、デバイス環境設定処理方法の第1の態様は、アプリケーション・ソフトウェアとデバイスの間をOSと共に中継するOPOSに使用されるもので、所定のシステムの機能を実現するための前記アプリケーション・ソフトウェアを開発した開発用システムから取得したデバイス環境設定情報を、所定のシステムにサイレンスインストール(自動復元)するデバイス環境復元手段を備えたデバイス環境設定システムのデバイス環境設定処理方法であって、前記デバイス環境復元手段が行うデバイス環境復元ステップが、下記のステップを含むことを特徴とするデバイス環境設定処理方法である。
(i)前記所定のシステムのデバイス環境設定情報を構成する、前記開発用システムのデバイス環境設定情報と同一の設定値を設定する所定の設定情報を、前記開発用システムのデバイス環境設定情報における、前記デバイス環境設定情報を構成する全ての情報、若しくは前記デバイス環境設定情報を構成する所望の1個または複数個の前記デバイスの前記デバイス環境設定情報、若しくは前記所定のシステムのホスト・コンピュータの同一のポートに複数の前記デバイスが接続されていることを含む所定の接続形態で接続されている前記デバイスの前記デバイス環境設定情報、のいずれかに基づいて生成するとともに、
前記所定のシステムのホスト・コンピュータに接続されているデバイスに基づくもので、前記所定のシステムのホスト・コンピュータのOSが管理するシステム構成情報に基づいて、前記所定のシステムによって異なるシステム固有の設定情報を生成する設定情報生成ステップと、
(ii)前記設定情報生成ステップによって生成した前記所定の設定情報および前記システム固有の設定情報を、前記所定のシステムの前記システム構成情報に格納する設定情報格納ステップと、
(iii)前記開発用システムのデバイス環境設定情報を、所定の情報記録媒体に記録し、保存するデバイス環境設定情報保存ステップ。
【0022】
本発明の、デバイス環境設定処理方法の第2の態様は、上述のデバイス環境復元ステップが、(a)所定のシステムのデバイス環境設定情報を構成する、開発用システムのデバイス環境設定情報と同一の設定値を設定する所定の設定情報を、開発用システムのデバイス環境設定情報に基づいて生成する同一設定情報生成ステップと、(b)所定のシステムのホスト・コンピュータのOSが管理するシステム構成情報に基づいて、所定のシステムによって異なるシステム固有の設定情報を生成する固有設定情報生成ステップと、(c)同一設定情報生成ステップによって生成した所要の設定情報および固有設定情報生成ステップによって生成したシステム固有の設定情報を、所定のシステムのシステム構成情報に格納する設定情報格納ステップとを備えたデバイス環境設定処理方法である。
【0023】
本発明の、デバイス環境設定処理方法の第3の態様は、上述の設定情報生成ステップが、
所定のシステムのデバイス環境設定情報を構成する、開発用システムのデバイス環境設定情報と同一の設定値を設定する所定の設定情報を、前記開発用システムのデバイス環境設定情報から検索する同一設定情報検索ステップと、
開発用システムのデバイス環境設定情報から、同一設定情報検索ステップによって検索した所定の設定情報を取得する同一設定情報取得ステップと
を備えたデバイス環境設定処理方法である。
【0024】
本発明の、デバイス環境設定処理方法の第4の態様は、上述の固有設定情報生成ステップが、所定のシステムを接続される所定のデバイスのインタフェースを検索し、検索したインタフェースに前記所定のシステムが割り付けた識別番号を取得するインタフェース識別番号検索ステップを備えたデバイス環境設定処理方法である。
【0025】
本発明の、デバイス環境設定処理方法の第5の態様は、上述のインタフェース識別番号検索ステップによって検索するインタフェースがUSBであることを特徴とするデバイス環境設定処理方法である。
【0026】
本発明の、デバイス環境設定処理方法の第6の態様は、開発用システムのホスト・コンピュータのOSが管理する開発用システムのシステム構成情報のデバイス環境設定情報を、所定の情報記録媒体に記録し、保存するデバイス環境設定情報保存ステップを、更に備えたデバイス環境設定処理方法である。
【0027】
本発明の、デバイス環境設定処理方法の第7の態様は、上述のデバイス環境設定情報保存ステップが、(a)情報記録媒体に保存するデバイス環境設定情報の1個または複数個の設定情報を指定する保存対象情報入力ステップと、(b)デバイス環境設定情報から保存対象情報入力ステップによって指定された設定情報を検索するデバイス情報検索ステップと、(c)デバイス情報検索ステップによって検索した設定情報を、所定の情報記録媒体に記録するデバイス情報記録ステップとを備えたデバイス環境設定処理方法である。
【0028】
本発明の、デバイス環境設定処理方法の第8の態様は、上述の保存対象情報入力ステップによって指定された設定情報が、デバイス環境設定情報を構成する全ての情報であることを特徴とするデバイス環境設定処理方法である。
【0029】
本発明の、デバイス環境設定処理方法の第9の態様は、上述の保存対象情報入力ステップによって指定された設定情報が、デバイス環境設定情報を構成する所望の1個または複数個のデバイスのデバイス情報であることを特徴とするデバイス環境設定処理方法である。
【0030】
本発明の、デバイス環境設定処理方法の第10の態様は、上述の保存対象情報入力ステップによって指定された設定情報が、デバイス環境設定情報を構成する所望のデバイスのデバイス情報、および、所望のデバイスに所定の接続形態によって接続されている全てのデバイスのデバイス情報であることを特徴とするデバイス環境設定処理方法である。
【0031】
本発明の、情報記録媒体の第1の態様は、上述のデバイス環境設定処理方法のプログラムを記録した情報記録媒体である。具体的には次の通りである。
開発用システムと所定のシステムを含むデバイス環境設定システムで実行可能なデバイス環境設定処理プログラムを記録した情報記録媒体であって、
前記デバイス環境設定処理プログラムは、前記デバイス環境設定システムのデバイス環境復元手段でデバイス環境復元ステップにより実行されるものであり、
前記デバイス環境復元ステップは、アプリケーション・ソフトウェアとデバイスの間をOSと共に中継するOPOSに使用されるもので、前記所定のシステムの機能を実現するための前記アプリケーション・ソフトウェアを開発した前記開発用システムから取得したデバイス環境設定情報を、前記所定のシステムにサイレンスインストール(自動復元)する際、下記のステップを含むことを特徴とするデバイス環境設定処理プログラムを記録した情報記録媒体。
(i)前記所定のシステムのデバイス環境設定情報を構成する、前記開発用システムのデバイス環境設定情報と同一の設定値を設定する所定の設定情報を、前記開発用システムのデバイス環境設定情報における、前記デバイス環境設定情報を構成する全ての情報、若しくは前記デバイス環境設定情報を構成する所望の1個または複数個の前記デバイスの前記デバイス環境設定情報、若しくは前記所定のシステムのホスト・コンピュータの同一のポートに複数の前記デバイスが接続されていることを含む所定の接続形態で接続されている前記デバイスの前記デバイス環境設定情報、のいずれかに基づいて生成するとともに、
前記所定のシステムのホスト・コンピュータに接続されているデバイスに基づくもので、前記所定のシステムのホスト・コンピュータのOSが管理するシステム構成情報に基づいて、前記所定のシステムによって異なるシステム固有の設定情報を生成する設定情報生成ステップと、
(ii)前記設定情報生成ステップによって生成した前記所定の設定情報および前記システム固有の設定情報を、前記所定のシステムの前記システム構成情報に格納する設定情報格納ステップと、
(iii)前記開発用システムのデバイス環境設定情報を、所定の情報記録媒体に記録し、保存するデバイス環境設定情報保存ステップ。
【0032】
本発明の、情報記録媒体の第2の態様は、コンパクト・ディスク、フロッピー・ディスク、ハード・ディスク、光磁気ディスク、ディジタル・バーサタイル・ディスク、磁気テープ、もしくはメモリ・カードであることを特徴とするプログラムを記録した情報記録媒体である。
【0033】
【発明の実施の形態】
この発明の一実施態様を、図面を参照しながら説明する。なお、以下に説明する実施態様は説明のためのものであり、本発明の範囲を制限するものではない。従って、当業者であればこれらの各要素もしくは全要素をこれと均等なものによって置換した実施態様を採用することが可能であるが、これらの実施態様も本発明の範囲に含まれる。
【0034】
図1は、POS端末システムのシステム構成の一例を示す図である。
【0035】
POS端末システム100は、ホスト・コンピュータ101、プリンタ102、カスタマディスプレイ103およびドロワ104によって構成されている。
【0036】
ホスト・コンピュータ101は、POS端末システム100の各種機能を実現するアプリケーション・ソフトウェアを備えている。また、ホスト・コンピュータ101は、レシート、ジャーナル等を印刷するためのプリンタ102、購入商品の情報等を表示するカスタマディスプレイ103、および、現金等を入れておく引き出しであるドロワ104とそれぞれ通信回線110を介して接続されている。通信回線110においては、シリアル・ケーブル、パラレル・ケーブル、ネットワーク・ケーブル、USB(Universal Serial Bus)等、各種の通信形態により提供される通信プロトコルを採用することができる。
【0037】
図2は、図1に示すブロック構成図に含まれるホスト・コンピュータ101の概要を示すブロック構成図である。
【0038】
ホスト・コンピュータ101は通信回線110に接続するためのインターフェース201と、ソフトウェアが記録されたCD−ROM(Compact Disk Read Only Memory)を読み出すCD−ROMドライブ202と、CPU(Central Processing Unit;中央処理装置)203と、CPU203が実行するプログラムや一時的な作業内容を記憶する記憶領域として使用されるRAM(Random Access Memory)204と、CPU203が実行するプログラムや各種データを記憶するハードディスク205と、各種のメッセージをユーザに知らせるためのモニタディスプレイ206などの表示装置と、ソフトウェアが記憶されたFD(Floppy Dick)を読み出すFDドライブ207と、ユーザからの入力を受け付けるキーボードやマウスなどの入力装置208と、これらを接続するバス210を備える。
【0039】
図3は、POS端末システムにおけるOPOSの役割を示す図である。図3(a)は、OPOSの位置付けを示す図であり、図3(b)は、POS端末システムのシステム開発作業のフローチャートを示す図である。
【0040】
図3(a)に示すように、OPOSは、POS端末システムを構成するデバイスの制御を実行させるアプリケーション・ソフトウェアとOSとの間に位置し、ホスト・コンピュータ(PC)とデバイスとのインタフェースを所定の仕様に基づいて標準化させるためのソフトウェアである。
【0041】
OPOSは、CO(Control Object)とSO(ServiceObject)の2階層から構成されている。COは、プリンタ、ディスプレイ等のデバイスクラス毎に提供させるオブジェクトであり、アプリケーション・ソフトウェアとのインタフェースを司っている。SOは、プリンタの機種等のデバイス毎に提供させるオブジェクトであり、OSを介して各デバイスの制御を実行する。また、OPOSに使用されるOPOSデバイス環境情報が登録されているレジストリは、OSによって管理されている。
【0042】
アプリケーション・ソフトウェアは、メソッド(Method)及びプロパティ(Property)によって制御対象となるデバイスに所望の制御を実行させ、イベント(Event)及びプロパティによってデバイスに制御を実行させた結果を受け取る。
【0043】
図3(b)に示すように、POS端末システムの構築は、4つの作業段階によって実行される。まず、開発用のホスト・コンピュータ(以下、「開発用PC」という)にOPOSをインストールし、即ち、CO、SO及びレジストリのOPOSデバイス環境設定情報をインストール(ステップS301)する。
【0044】
次に、開発用PCにおいて、POS端末システムを構成するデバイスに適合するようにOPOSデバイス環境設定情報を編集し、レジストリに登録する(ステップS302)。
【0045】
次に、開発用PCにおいて、POS端末システムの各種機能を実現するアプリケーション・ソフトウェアを開発する(ステップS303)。
【0046】
最後に、開発用PCにおいて開発したアプリケーション・ソフトウェア及びアプリケーション・ソフトウェアの実行環境を、POSシステムにおける複数個のPOS端末システムの店舗用クライアントPCに復元し(ステップS304)、POS端末システムの構築作業を終了する。
【0047】
POS端末システム構築の上述したステップS304の作業、即ち、開発用PCにおいて開発したアプリケーション・ソフトウェア及びアプリケーション・ソフトウェアの実行環境を、POSシステムにおける複数個のPOS端末システムの店舗用クライアントPCに復元する作業の効率化を計るデバイス環境設定システムについて以下に説明する。
【0048】
本発明のデバイス環境設定システムは、所定のシステムの機能を実現するためのアプリケーション・ソフトウェアを開発した開発用システムのデバイス環境設定情報を、所定のシステムに自動復元するデバイス環境復元手段を備えている。
【0049】
また、本発明のデバイス環境設定システムは、開発用システムのホスト・コンピュータのOSが管理する開発用システムのシステム構成情報のデバイス環境設定情報を、所定の情報記録媒体に記録し、保存するデバイス環境設定情報保存手段を、更に備えている。
【0050】
図4は、OPOSデバイス環境設定情報のインストール作業のフローチャートを示す図である。
【0051】
図4に示すように、OPOSデバイス環境設定情報のインストール作業は、まず、開発用PCにおいて、開発用PCのレジストリに登録されているOPOSデバイス環境設定情報をFD等の情報記録媒体に保存する(ステップS401)。
【0052】
次に、情報記録媒体に保存した開発用PCのOPOSデバイス環境設定情報を、店舗用クライアントPCに自動復元(サイレンスインストール)するか否かを判定する(ステップS402)。
【0053】
サイレンスインストールを実行する場合(ステップS402;Yes)は、情報記録媒体に保存した開発用PCのOPOSデバイス環境設定情報を、店舗用クライアントPCのレジストリのOPOSデバイス環境設定情報へユーザインタフェースを利用せずに格納し、更にサイレンスインストール対象の店舗用クライアントPCにおける固有の設定情報を、ユーザインタフェースを利用せずに自動設定する(ステップS403)。
【0054】
一方、サイレンスインストールを実行しない場合(ステップS402;No)は、開発用PCにおいて実行したOPOSデバイス環境設定情報の設定作業と同じ作業をインストール対象の店舗用クライアントPCにおいて実行する。または、POS端末システムを構築する開発者が独自に開発した店舗用クライアントPCに復元するユーティリティ・ソフトウェアを実行する(ステップS404)。
【0055】
上述したOPOSデバイス環境設定情報のインストール作業において実行される、開発用PCの機能であるステップS401の作業、即ち、開発用PCのレジストリに登録されているOPOSデバイス環境設定情報をFD等の情報記録媒体に保存する作業と、店舗用クライアントPCの機能であるステップS403、即ち、サイレンスインストールによる復元作業との効率化を計るデバイス環境設定システムについて以下に説明する。
【0056】
また、本発明のデバイス環境設定システムは、デバイス環境復元手段が、(a)所定のシステムのデバイス環境設定情報を構成する、開発用システムのデバイス環境設定情報と同一の設定値を設定する所定の設定情報を、開発用システムのデバイス環境設定情報に基づいて生成する同一設定情報生成手段と、(b)所定のシステムのホスト・コンピュータのOSが管理するシステム構成情報に基づいて、所定のシステムによって異なるシステム固有の設定情報を生成する固有設定情報生成手段と、(c)同一設定情報生成手段によって生成した所要の設定情報および固有設定情報生成手段によって生成したシステム固有の設定情報を、所定のシステムのシステム構成情報に格納する設定情報格納手段とを備えている。
【0057】
また、本発明のデバイス環境設定システムは、デバイス環境設定情報保存手段が、(a)情報記録媒体に保存するデバイス環境設定情報の1個または複数個の設定情報を指定する保存対象情報入力手段と、(b)デバイス環境設定情報から保存対象情報入力手段によって指定された設定情報を検索するデバイス情報検索手段と、(c)デバイス情報検索手段によって検索した設定情報を、所定の情報記録媒体に記録するデバイス情報記録手段とを備えている。
【0058】
図5は、デバイス環境設定システムの機能ブロック図である。以下に各機能についての説明をする。図5(a)は、開発用PCにおけるレジストリ保存の機能ブロックを示す図であり、図5(b)は、店舗用クライアントPCにおけるサイレンスインストールの機能ブロックを示す図である。
【0059】
図5(a)に示すように、開発用PC500におけるレジストリ保存機能は、開発用主制御手段501、保存対象情報入力手段502、デバイス情報検索手段503およびデバイス情報記録手段504を備えている。
【0060】
保存対象情報入力手段502は、図示されていないキーボードやマウス等の入力装置を介して、開発用PC500のレジストリ505に登録されているOPOSデバイス環境設定情報から所望の保存対象となる情報を指定する。
【0061】
デバイス情報検索手段503は、保存対象情報入力手段502によって指定された保存対象となる情報に基づいて、レジストリ505のOPOSデバイス環境設定情報から、保存すべき設定情報を検索する。
【0062】
デバイス情報記録手段504は、デバイス情報検索手段503によって検索された設定情報から、FD等の情報記録媒体520に保存するための保存情報を、情報記録媒体520の種別に基づいて生成し、生成した保存情報を情報記録媒体520に記録するための要求を実行する。
【0063】
開発用主制御手段501は、保存対象情報入力手段502、デバイス情報検索手段503およびデバイス情報記録手段504のそれぞれの手段を相互に関連付けて制御する。
【0064】
また、図5(b)に示すように、店舗用クライアントPC510におけるサイレンスインストール機能は、店舗用主制御手段511、同一設定情報生成手段512、固有設定情報生成手段513およびデバイス情報格納手段514を備えている。
【0065】
同一設定情報生成手段512は、開発用システム500のデバイス環境設定情報と同一の設定値を設定する、店舗用クライアントPC510のレジストリ515のOPOSデバイス環境設定情報の所定の設定情報を検索し、開発用PC500のレジストリ保存機能によって保存された情報記録媒体520のOPOSデバイス環境設定情報から検索した設定情報を取得し、レジストリ515のOPOSデバイス環境設定情報に格納するための同一設定情報を生成する。
【0066】
固有設定情報生成手段513は、店舗用クライアントPC510に接続されているデバイス521に基づいて、店舗用クライアントPC510のレジストリ515に格納されている固有の情報を取得し、レジストリ515のOPOSデバイス環境設定情報に格納するための固有設定情報を生成する。
【0067】
デバイス情報格納手段514は、同一設定情報生成手段512によって生成された同一設定情報および固有設定情報生成手段513によって生成された固有設定情報を、レジストリ515のOPOSデバイス環境設定情報に格納する。
【0068】
店舗用主制御手段511は、同一設定情報生成手段512、固有設定情報生成手段513およびデバイス情報格納手段514のそれぞれの手段を相互に関連付けて制御する。
【0069】
また、本発明のデバイス環境設定システムは、保存対象情報入力手段によって指定された設定情報が、デバイス環境設定情報を構成する全ての情報であることを特徴とする。
【0070】
また、本発明のデバイス環境設定システムは、保存対象情報入力手段によって指定された設定情報が、デバイス環境設定情報を構成する所望の1個または複数個のデバイスのデバイス情報であることを特徴とする。
【0071】
また、本発明のデバイス環境設定システムは、保存対象情報入力手段によって指定された設定情報が、デバイス環境設定情報を構成する所望のデバイスのデバイス情報、および、所望のデバイスに所定の接続形態によって接続されている全てのデバイスのデバイス情報であることを特徴とする。
【0072】
図6は、デバイス環境設定処理におけるレジストリ保存処理のフローチャートを示す図である。
【0073】
まず、レジストリのOPOSデバイス環境設定情報を保存するための画面を表示する(ステップS601)。次に、レジストリのOPOSデバイス環境設定情報から保存する対象の情報を指定させ(ステップS602)、指定した情報が何かを判定する(ステップS603)。図10は、レジストリの保存指示画面を示す図である。
【0074】
指定した情報がOPOSデバイス環境設定情報の全情報である場合(ステップS603;「全体」)は、全てのOPOSデバイス環境設定情報を取得し(ステップS604)、次のステップS608に移る。ステップS604は、図10において、「全体を保存」を指定することによって実行される。
【0075】
指定した情報がOPOSデバイス環境設定情報の選択したデバイスのデバイス情報である場合(ステップS603;「選択」)は、予め選択してあるデバイスのデバイス情報をOPOSデバイス環境設定情報から検索し、取得し(ステップS605)、次のステップS608に移る。ステップS605は、図10において、「選択中」を指定することによって実行される。
【0076】
指定した情報がOPOSデバイス環境設定情報の選択したデバイスがハイドラ接続である場合(ステップS603;「ハイドラ」)は、予め選択してあるデバイスがハイドラ接続である場合に選択したデバイスのデバイス情報をOPOSデバイス環境設定情報から検索し、取得する(ステップS606)。更に、取得したデバイス情報に基づいて、ハイドラ接続されている全てのデバイスのデバイス情報を検索し、取得し(ステップS607)、次のステップS608に移る。ここで、ハイドラ接続とは、同一のポートに複数個のデバイスが接続する接続方法であり、「パススルー接続」と「Y字接続」の2個の異なる形式がある。ステップS606およびステップS607は、図10において、「ハイドラ」を指定することによって実行される。
【0077】
取得したOPOSデバイス環境設定情報の情報から、保存先の情報記録媒体の種別に基づいて、保存用設定情報を生成し(ステップS608)、生成した保存用設定情報を情報記録媒体に記録させる要求を実行し(ステップS609)、レジストリ保存処理を終了する。
【0078】
また、本発明のデバイス環境設定システムは、同一設定情報生成手段が、(a)所定のシステムのデバイス環境設定情報を構成する、開発用システムのデバイス環境設定情報と同一の設定値を設定する所定の設定情報を検索する同一設定情報検索手段と、(b)開発用システムのデバイス環境設定情報から、同一設定情報検索手段によって検索した所定の設定情報を取得する同一設定情報取得手段とを備えている。
【0079】
図7は、デバイス環境設定処理におけるサイレンスインストール処理のフローチャートを示す図である。
【0080】
まず、情報記録媒体に保存されている開発用PCのレジストリのOPOSデバイス環境設定情報のユーザ設定情報を検索する(ステップS701)。ここで、ユーザ設定情報には、インストール先のフォルダ名、ユーザ名等の情報が格納されている。
【0081】
次に、検索したOPOSデバイス環境設定情報のユーザ設定情報に基づいて、情報記録媒体に保存されているCOとSOを店舗用クライアントPCにインストールし(ステップS702)、開発用PCのOPOSデバイス環境設定情報を店舗用クライアントPCのレジストリ情報に追加する(ステップS703)。
【0082】
次に、店舗用クライアントPCに接続されているデバイスに基づいて、店舗用クライアントPCのレジストリに格納されている固有の情報を取得し、OPOSデバイス環境設定情報を書き換えるための固有設定情報を生成する(ステップS704)。
【0083】
最後に、生成された固有設定情報を、店舗用クライアントPCのレジストリのOPOSデバイス環境設定情報に格納し(ステップS705)、サイレンスインストール処理を終了する。
【0084】
また、本発明のデバイス環境設定システムは、固有設定情報生成手段が、所定のシステムを構成する所定のデバイスに接続されている所定のシステムのインタフェースを検索し、検索したインタフェースの識別番号を取得するインタフェース識別番号検索手段を備えている。
【0085】
また、本発明のデバイス環境設定システムは、インタフェース識別番号検索手段によって検索するインタフェースがUSBであることを特徴とする。
【0086】
図8は、サイレンスインストール処理の固有設定情報生成処理のフローチャートを示す図である。
【0087】
まず、OPOSデバイス環境設定情報から店舗用クライアントPCに基づいて設定される情報を検索する(ステップS801)。
【0088】
次に、検索した情報にUSBデバイスのデバイス情報が必要か否かを判定する(ステップS802)。USBデバイスのデバイス情報が必要である場合(ステップS802;Yes)は、USB番号を自動検索し(ステップS803)、次のステップS804に移る。
【0089】
最後に、ポートの最大数等の店舗用クライアントPCに基づいて設定される情報を設定し(ステップS804)、固有設定情報生成処理を終了する。
【0090】
上述したUSB番号を自動検索する処理を、図9および図11を参照して説明する。
【0091】
図9は、プリンタが接続されているUSBのUSB番号自動検索処理を示す図である。図9(a)は、USB番号の検索処理におけるホスト・コンピュータとプリンタとの間の通信方法を示す図であり、図9(b)は、ホスト・コンピュータとプリンタとの間の通信処理のフローチャートを示す図である。
【0092】
USBデバイスをホスト・コンピュータに接続すると自動的にUSB番号が割り付けられる。このUSB番号は、図9(a)に示すように、USBインタフェース・ボード(UIB)が有する固有の識別番号と結び付けられるが、プリンタが有する固有の識別情報とは結び付けられていない。従って、USB番号からはどのUIBを使用しているかは判別できるが、そのUIBが何れのプリンタに装着されているかは判別できない。即ち、ホスト・コンピュータにプリンタを接続することによって、ホスト・コンピュータは、点線の矢印に示した通信経路901に基づいて、UIBの固有の識別番号をUSB番号と結び付けることはできるが、プリンタの固有の識別情報をUSB番号と結び付けることはできない。
【0093】
しかし、このプリンタの固有の識別情報は、コマンドによって取得することができる。従って、ホスト・コンピュータは、実線の矢印に示した送信経路902に基づいて、プリンタからホスト・コンピュータへプリンタを識別する情報を送信する送信依頼のコマンドを、プリンタへ送信し、更に、実線の矢印に示した受信経路903に基づいて、プリンタを識別する情報をステータスとして、プリンタから受信し、プリンタの固有の識別情報を取得することによって、取得したプリンタの固有の識別情報をUSB番号に結び付けることができる。
【0094】
この方法を利用することにより、ユーザが使用するプリンタ(そのプリンタに接続されライン・ディスプレイ、キャッシュ・ドロワー、マイカ等も同様)がどのUSB番号を使用しているか自動的に検索するシステムを提供することができる。また、この方法は、USB以外の通信プロトコルに対しても応用することができる。
【0095】
次に、ホスト・コンピュータとプリンタとの間の通信処理を、図9(b)を参照して説明する。
【0096】
まず、ホスト・コンピュータは、USB番号を検索するプリンタを指定させる(ステップS911)。ここで、指定したプリンタをプリンタAとする。次に、プリンタが接続されているUSBの全てのUSB番号を検索し(ステップS912)、検索した全てのUSB番号のUSBに接続されているそれぞれのプリンタiへ、プリンタiからホスト・コンピュータへプリンタiを識別する情報を送信する送信依頼のコマンドを送信する(ステップS913)。ここで、i=1からnの整数であり、nは、USBで接続されているプリンタの数である。
【0097】
プリンタiは、ホスト・コンピュータからの送信依頼に基づいて、プリンタiを識別する情報としてプロダクトIDとサポート言語を、ステータスとしてホスト・コンピュータへ送信し(ステップS921)、処理を終了する。
【0098】
ホスト・コンピュータは、プリンタiから受信したプロダクトIDとサポート言語とに基づいて、指定のプリンタAを検索し(ステップS914)、指定のプリンタAであると判定したプリンタiに接続されているUSBのUBS番号を取り出し(ステップS915)、USB番号自動検索処理を終了する。
【0099】
図11は、USB番号自動検索のユーザインタフェースを示す図である。
【0100】
図11に示すように、通信設定において「自動設定」を指定すると、既に指定してあるデバイスのUSB番号を検索することができる。
【0101】
上述したサイレンスインストール機能において、USB番号の自動検索はユーザインタフェースを利用せずに実行される。
【0102】
また、上述したデバイス環境設定システムのプログラム機能は、所定のシステムの機能を実現するためのアプリケーション・ソフトウェアを開発した開発用システムのデバイス環境設定情報を、所定のシステムに自動復元するデバイス環境復元ステップを備えている。
【0103】
また、デバイス環境設定システムのプログラム機能は、デバイス環境復元ステップが、(a)所定のシステムのデバイス環境設定情報を構成する、開発用システムのデバイス環境設定情報と同一の設定値を設定する所定の設定情報を、開発用システムのデバイス環境設定情報に基づいて生成する同一設定情報生成ステップと、(b)所定のシステムのホスト・コンピュータのOSが管理するシステム構成情報に基づいて、所定のシステムによって異なるシステム固有の設定情報を生成する固有設定情報生成ステップと、(c)同一設定情報生成ステップによって生成した所要の設定情報および固有設定情報生成ステップによって生成したシステム固有の設定情報を、所定のシステムのシステム構成情報に格納する設定情報格納ステップとを備えている。
【0104】
また、デバイス環境設定システムのプログラム機能は、同一設定情報生成ステップが、(a)所定のシステムのデバイス環境設定情報を構成する、開発用システムのデバイス環境設定情報と同一の設定値を設定する所定の設定情報を検索する同一設定情報検索ステップと、(b)開発用システムのデバイス環境設定情報から、同一設定情報検索ステップによって検索した所定の設定情報を取得する同一設定情報取得ステップとを備えている。
【0105】
また、デバイス環境設定システムのプログラム機能は、固有設定情報生成ステップが、所定のシステムを構成する所定のデバイスに接続されている所定のシステムのインタフェースを検索し、検索したインタフェースの識別番号を取得するインタフェース識別番号検索ステップを備えている。
【0106】
また、デバイス環境設定システムのプログラム機能は、開発用システムのホスト・コンピュータのOSが管理する開発用システムのシステム構成情報のデバイス環境設定情報を、所定の情報記録媒体に記録し、保存するデバイス環境設定情報保存ステップを更に備えている。
【0107】
また、デバイス環境設定システムのプログラム機能は、デバイス環境設定情報保存ステップが、(a)情報記録媒体に保存するデバイス環境設定情報の1個または複数個の設定情報を指定する保存対象情報入力ステップと、(b)デバイス環境設定情報から保存対象情報入力ステップによって指定された設定情報を検索するデバイス情報検索ステップと、(c)デバイス情報検索ステップによって検索した設定情報を、所定の情報記録媒体に記録するデバイス情報記録ステップとを備えている。
【0108】
デバイス環境設定システムのプログラム機能を、図4、図6、図7および図8のフローチャートに対応付けると、デバイス環境復元ステップはステップS403に、デバイス環境設定情報保存ステップはステップS401に、それぞれ対応する。
【0109】
また、同一設定情報生成ステップはステップS701およびステップS702に、固有設定情報生成ステップはステップS703に、設定情報格納ステップはステップS704に対応し、同一設定情報検索ステップはステップS701に、同一設定情報取得ステップはステップS702に、インタフェース識別番号検索ステップはステップS803に、それぞれ対応する。
【0110】
更に、保存対象情報入力ステップはステップS602に、デバイス情報検索ステップはステップS604、ステップS605、ステップS606およびステップS607に、デバイス情報記録ステップはステップS608およびS609に、それぞれ主として対応する。
【0111】
上述したデバイス環境設定システムのプログラム機能をコンピュータに組み込むことによって、汎用的に実現可能な、デバイス環境設定処理方法を実現することができる。
【0112】
また、本発明の情報記録媒体は、上述のデバイス環境設定処理方法のステップを有するプログラムを記録することもできる。
【0113】
また、本発明の情報記録媒体は、コンパクト・ディスク、フロッピー・ディスク、ハード・ディスク、光磁気ディスク、ディジタル・バーサタイル・ディスク、磁気テープ、もしくはメモリ・カードであっても良い。
【0114】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、以下の効果を奏する。
【0115】
開発用PCのOPOSデバイス環境設定情報から店舗用クライアントPCのOPOSデバイス環境設定情報に同一の情報を設定できる同一設定情報を生成し、更に、POS端末システムのシステム構成情報に基づいた各店舗用クライアントPCに固有の設定情報を検索し、生成することによって、開発用PCによって開発したアプリケーション・ソフトウェアおよびアプリケーション・ソフトウェアを動作させるOPOSデバイス環境設定情報を、POSシステムを構成する1個または複数個の店舗用クライアントPCに復元する作業を、ユーザインタフェースを利用せずに実行することができる。
【0116】
また、ユーザインタフェースを利用せずに復元作業を実行することによって、復元作業における入力作業のミスが無くなり、復元対象となる情報を正確にかつ容易に復元することもできる。
【0117】
また、ユーザインタフェースを利用しないことから、復元作業における入力作業の時間を削減することもできる。従って、POSシステムを構成する全ての店舗用クライアントPCにおける復元作業の作業時間を削減することもでき、復元作業にかかるコストを削減することもできる。
【0118】
また、特定の復元作業の知識を持たない作業者が復元作業を実行することもできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】POS端末システムのシステム構成の一例を示す図である。
【図2】POS端末システムのブロック構成を示す図である。
【図3】(a)は、POS端末システムにおけるOPOSの位置付けを示す図であり、
(b)は、POS端末システムのシステム開発作業のフローチャートを示す図である。
【図4】OPOSデバイス環境設定情報のインストール作業のフローチャートを示す図である。
【図5】(a)は、開発用PCのレジストリ保存の機能ブロックを示す図であり、
(b)は、店舗用クライアントPCのサイレンスインストールの機能ブロックを示す図である。
【図6】デバイス環境設定処理のレジストリ保存処理のフローチャートを示す図である。
【図7】デバイス環境設定処理のサイレンスインストール処理のフローチャートを示す図である。
【図8】サイレンスインストール処理の固有設定情報生成処理のフローチャートを示す図である。
【図9】(a)は、USB番号の検索処理におけるホスト・コンピュータとプリンタとの間の通信方法を示す図であり、
(b)は、ホスト・コンピュータとプリンタとの間の通信処理のフローチャートを示す図である。
【図10】レジストリの保存指示画面を示す図である。
【図11】USB番号自動検索のユーザインタフェースを示す図である。
【符号の説明】
100 POS端末システム
101 ホスト・コンピュータ
102 プリンタ
103 カスタマディスプレイ
104 ドロワ
110 通信回線
Claims (10)
- アプリケーション・ソフトウェアとデバイスの間をOSと共に中継するOPOSに使用されるもので、所定のシステムの機能を実現するための前記アプリケーション・ソフトウェアを開発した開発用システムから取得したデバイス環境設定情報を、前記所定のシステムにサイレンスインストールするデバイス環境復元手段を備えたデバイス環境設定システムであって、前記デバイス環境復元手段が、下記の手段を備えたことを特徴とするデバイス環境設定システム。
(i)前記所定のシステムのデバイス環境設定情報を構成する、前記開発用システムのデバイス環境設定情報と同一の設定値を設定する所定の設定情報を、前記開発用システムのデバイス環境設定情報における、前記デバイス環境設定情報を構成する全ての情報、若しくは前記デバイス環境設定情報を構成する所望の1個または複数個の前記デバイスの前記デバイス環境設定情報、若しくは前記所定のシステムのホスト・コンピュータの同一のポートに複数の前記デバイスが接続されていることを含む所定の接続形態で接続されている前記デバイスの前記デバイス環境設定情報、のいずれかに基づいて生成するとともに、
前記所定のシステムのホスト・コンピュータに接続される所定のデバイスに基づくもので、前記所定のシステムのホスト・コンピュータのOSが管理するシステム構成情報に基づいて、前記所定のシステムによって異なるシステム固有の設定情報を生成する設定情報生成手段と、
(ii)前記設定情報生成手段によって生成した前記所定の設定情報および前記システム固有の設定情報を、前記所定のシステムの前記システム構成情報に格納する設定情報格納手段と、
(iii)前記開発用システムのデバイス環境設定情報を、所定の情報記録媒体に記録し、保存するデバイス環境設定情報保存手段。 - 前記設定情報生成手段が、下記の手段を備えた請求項1に記載のデバイス環境設定システム。
前記所定のシステムのデバイス環境設定情報を構成する、前記開発用システムのデバイス環境設定情報と同一の設定値を設定する所定の設定情報を、前記開発用システムのデバイス環境設定情報から検索する同一設定情報検索手段と、
前記開発用システムのデバイス環境設定情報から、前記同一設定情報検索手段によって検索した前記所定の設定情報を取得する同一設定情報取得手段。 - 前記設定情報生成手段が、前記所定のシステムに接続される所定のデバイスのインタフェースを検索し、検索した前記インタフェースに前記所定のシステムが割り付けた識別番号を取得するインタフェース識別番号検索手段を備えた、請求項2に記載のデバイス環境設定システム。
- 前記インタフェース識別番号検索手段によって検索する前記インタフェースがUSBであることを特徴とする、請求項3に記載のデバイス環境設定システム。
- アプリケーション・ソフトウェアとデバイスの間をOSと共に中継するOPOSに使用されるもので、所定のシステムの機能を実現するための前記アプリケーション・ソフトウェアを開発した開発用システムから取得したデバイス環境設定情報を、前記所定のシステムにサイレンスインストールするデバイス環境復元手段を備えたデバイス環境設定システムのデバイス環境設定処理方法であって、前記デバイス環境復元手段が行うデバイス環境復元ステップが、下記のステップを含むことを特徴とするデバイス環境設定処理方法。
(i)前記所定のシステムのデバイス環境設定情報を構成する、前記開発用システムのデバイス環境設定情報と同一の設定値を設定する所定の設定情報を、前記開発用システムのデバイス環境設定情報における、前記デバイス環境設定情報を構成する全ての情報、若しくは前記デバイス環境設定情報を構成する所望の1個または複数個の前記デバイスの前記デバイス環境設定情報、若しくは前記所定のシステムのホスト・コンピュータの同一のポートに複数の前記デバイスが接続されていることを含む所定の接続形態で接続されている前記デバイスの前記デバイス環境設定情報、のいずれかに基づいて生成するとともに、
前記所定のシステムのホスト・コンピュータに接続されているデバイスに基づくもので、前記所定のシステムのホスト・コンピュータのOSが管理するシステム構成情報に基づいて、前記所定のシステムによって異なるシステム固有の設定情報を生成する設定情報生成ステップと、
(ii)前記設定情報生成ステップによって生成した前記所定の設定情報および前記システム固有の設定情報を、前記所定のシステムの前記システム構成情報に格納する設定情報格納ステップと、
(iii)前記開発用システムのデバイス環境設定情報を、所定の情報記録媒体に記録し、保存するデバイス環境設定情報保存ステップ。 - 前記設定情報生成ステップが、下記のステップを備えた請求項5に記載のデバイス環境設定処理方法。
前記所定のシステムのデバイス環境設定情報を構成する、前記開発用システムのデバイス環境設定情報と同一の設定値を設定する所定の設定情報を、前記開発用システムのデバイス環境設定情報から検索する同一設定情報検索ステップと、
前記開発用システムのデバイス環境設定情報から、前記同一設定情報検索ステップによって検索した前記所定の設定情報を取得する同一設定情報取得ステップ。 - 前記設定情報生成ステップが、前記所定のシステムを接続される所定のデバイスのインタフェースを検索し、検索した前記インタフェースに前記所定のシステムが割り付けた識別番号を取得するインタフェース識別番号検索ステップを備えた、請求項6に記載のデバイス環境設定処理方法。
- 前記インタフェース識別番号検索ステップによって検索する前記インタフェースがUSBであることを特徴とする、請求項7に記載のデバイス環境設定処理方法。
- 開発用システムと所定のシステムを含むデバイス環境設定システムで実行可能なデバイス環境設定処理プログラムを記録した情報記録媒体であって、
前記デバイス環境設定処理プログラムは、前記デバイス環境設定システムのデバイス環境復元手段でデバイス環境復元ステップにより実行されるものであり、
前記デバイス環境復元ステップは、アプリケーション・ソフトウェアとデバイスの間をOSと共に中継するOPOSに使用されるもので、前記所定のシステムの機能を実現するための前記アプリケーション・ソフトウェアを開発した前記開発用システムから取得したデバイス環境設定情報を、前記所定のシステムにサイレンスインストールする際、下記のステップを含むことを特徴とするデバイス環境設定処理プログラムを記録した情報記録媒体。
(i)前記所定のシステムのデバイス環境設定情報を構成する、前記開発用システムのデバイス環境設定情報と同一の設定値を設定する所定の設定情報を、前記開発用システムのデバイス環境設定情報における、前記デバイス環境設定情報を構成する全ての情報、若しくは前記デバイス環境設定情報を構成する所望の1個または複数個の前記デバイスの前記デバイス環境設定情報、若しくは前記所定のシステムのホスト・コンピュータの同一のポートに複数の前記デバイスが接続されていることを含む所定の接続形態で接続されている前記デバイスの前記デバイス環境設定情報、のいずれかに基づいて生成するとともに、
前記所定のシステムのホスト・コンピュータに接続されているデバイスに基づくもので、前記所定のシステムのホスト・コンピュータのOSが管理するシステム構成情報に基づいて、前記所定のシステムによって異なるシステム固有の設定情報を生成する設定情報生成ステップと、
(ii)前記設定情報生成ステップによって生成した前記所定の設定情報および前記システム固有の設定情報を、前記所定のシステムの前記システム構成情報に格納する設定情報格納ステップと、
(iii)前記開発用システムのデバイス環境設定情報を、所定の情報記録媒体に記録し、保存するデバイス環境設定情報保存ステップ。 - 前記情報記録媒体は、コンパクト・ディスク、フロッピー・ディスク、ハード・ディスク、光磁気ディスク、ディジタル・バーサタイル・ディスク、磁気テープ、もしくはメモリ・カードであることを特徴とする請求項9のプログラムを記録した情報記録媒体。
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