JP5009320B2 - ボルト支持具 - Google Patents

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Description

本発明は、間柱間に架設される長尺ボルトの端部を支持し、該端部を間柱に固定するためのボルト支持具に関する。
一般に、軽量間仕切壁は、所定間隔をおいて立設された複数の軽量形鋼材(間柱)の前後両側から軽量形鋼材を挟むように壁材が立設されて形成される。そして、この軽量間仕切壁において、隣り合う軽量形鋼材の間に配線器具を設置する場合には配線ボックスが用いられるとともに、この配線ボックスは、軽量形鋼材間に架設された長尺ボルトに固定される。
長尺ボルトの軽量形鋼材に対する固定は、特許文献1のように、軽量間柱に軽量間柱用長尺ボルト支持具を固定し、この軽量間柱用長尺ボルト支持具によって長尺ボルトを固定することで行われる。特許文献1の軽量間柱用長尺ボルト支持具は、長尺ボルト支持具本体を備える。この長尺ボルト支持具本体は、ネジ穴、長穴及びネジ挿通穴を有し、軽量間柱の開口部の両側において突出した両リップ部外面に当接させて使用される。また、軽量間柱用長尺ボルト支持具は固定板体を備える。この固定板体は、長尺ボルト支持具本体のネジ挿通穴から挿通されたネジを固定するための穴を有し、軽量間柱の両リップ部内面に当接させて使用される。そして、長尺ボルト支持具本体のネジ挿通穴に挿通したネジを、固定板体の穴に固定することによって、長尺ボルト支持具本体と固定板体とで両リップ部を挟持固定することにより、軽量間柱用長尺ボルト支持具が軽量間柱に固定される。
そして、軽量間柱用長尺ボルト支持具が軽量間柱に固定された状態において、この軽量間柱用長尺ボルト支持具に長尺ボルトの端部が回動しないように固定される。これは、長尺ボルトが回動すると、長尺ボルトに固定された配線ボックスや配線・配管材支持具も回動してしまい、回動した配線ボックスや配線・配管材支持具が、後の壁材の立設作業の妨げになってしまうことを防ぐためである。
特許文献1においては、長尺ボルト支持具本体の長穴に挿通された長尺ボルトに対し、予め螺着されている六角ナットを回転させて長尺ボルト支持具本体を表裏両側から六角ナットで締め付けることによって、長尺ボルトが軽量間柱用長尺ボルト支持具に固定される。又は、長尺ボルト支持具本体のネジ穴に長尺ボルトの端部を螺着した後、長尺ボルトに予め螺着した六角ナットを回転させて長尺ボルト支持具本体に締め付けることによって長尺ボルトの端部が固定される。
特開平9−329115号公報
ところで、特許文献1においては、長尺ボルトの回動を防止するために、ネジ穴と六角ナット、又は2つの六角ナットを用いた構成とし、2度に亘って螺着する作業を行う必要があり面倒であるという問題があった。
本発明は、このような従来の技術に存在する問題点に着目してなされたものであり、その目的は、ビス螺入部にビスを強制螺入する一度の作業だけで長尺ボルトをボルト支持部に回動を防止した状態で固定することができるボルト支持具を提供することにある。
上記問題点を解決するために、請求項1に記載の発明は、間柱間に架設される長尺ボルトの端部を支持し、該端部を前記間柱に固定するためのボルト支持具であって、前記間柱の側面に固定される固定部を備えるとともに、該固定部から前記長尺ボルトの架設方向へ延びるボルト支持部を備え、該ボルト支持部に前記架設方向に沿って延び前記長尺ボルトを収納可能な収納溝が凹設され、さらに、前記ボルト支持部に、前記架設方向に交差する方向に沿ってビスを螺進させつつ、前記収納溝内に前記ビスの軸部が突出するように前記ビスを案内させるビス螺入部が形成され、前記ビス螺入部が、前記軸部によって前記収納溝の開口幅が前記長尺ボルトの直径より小さくなるように前記軸部を螺進させる位置に形成されており、前記ビス螺入部から前記収納溝内に突出する軸部により前記ボルト支持部に前記長尺ボルトが固定されるようにしたことを要旨とする。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載のボルト支持具において、前記ボルト支持部には、前記ビス螺入部がスリットを介して前記収納溝に連通するように形成されており、前記ビス螺入部に螺入されたビスにおける軸部の一部が前記スリットから前記収納溝に突出することを要旨とする。
請求項3に記載の発明は、請求項1又は請求項2に記載のボルト支持具において、前記ビス螺入部は、前記収納溝に収納された長尺ボルトの架設方向への移動を許容するため、前記固定部から離れた位置に形成されていることを要旨とする。
請求項4に記載の発明は、請求項1〜請求項3のうちいずれか一項に記載のボルト支持具において、前記間柱の立設方向に前記ビスを螺進可能とするビス螺入部と、前記立設方向に対し直交する横方向に前記ビスを螺進可能とするビス螺入部とを備えることを要旨とする。
請求項5に記載の発明は、請求項1〜請求項4のうちいずれか一項に記載のボルト支持具において、前記ボルト支持部には、前記軸部の先端部を保持させながら該ビスを立設させるためのビス保持部が設けられていることを要旨とする。
本発明によれば、ビス螺入部にビスを強制螺入する一度の作業だけで長尺ボルトをボルト支持部に回動を防止した状態で固定することができる。
実施形態のボルト支持具、軽量形鋼材、及び配線ボックスを示す斜視図。 実施形態のボルト支持具を示す斜視図。 実施形態のボルト支持具を示す図2の3−3線断面図。 実施形態のボルト支持具を示す断面図。 ビス螺入部にビスを保持させた状態を示す断面図。 ビス螺入部にビスを強制螺入した状態を示す部分断面図。 壁形成片にビスを強制螺入した状態を示す斜視図。
以下、本発明を、間柱としての軽量形鋼材に長尺ボルトを固定するためのボルト支持具に具体化した一実施形態を図1〜図6にしたがって説明する。なお、以下の説明においてボルト支持具及び軽量形鋼材の「上」「下」は、図1に示す矢印Y1の方向を上下方向とし、「左」「右」は、図1に示す矢印Y2の方向を左右方向とし、「前」「後」は、図1に示す矢印Y3の方向を前後方向とする。
図1に示すように、軽量間仕切壁Wは、所定間隔をおいて立設された複数の軽量形鋼材P(図1では軽量型鋼材Pを1つだけ図示)の前後両側から軽量形鋼材Pを挟むように壁材Waが立設されて形成されている。そして、この軽量間仕切壁Wにおいて、隣り合う軽量形鋼材Pの間となる位置に配線器具を設置する場合には配線ボックスBが用いられるとともに、この配線ボックスBは、軽量形鋼材P間に架設された長尺ボルトVに固定される。なお、配線ボックスBは、前面に開口する有底四角箱状に形成されるとともに、底板の外面には長尺ボルトVに配線ボックスBを固定するための固定金具Kが取り付けられている。
なお、軽量形鋼材Pは、薄鋼板からなり、軽量形鋼材Pの立設方向(上下方向)に対して直交する方向への平断面視が略C字状をなすC型鋼である。軽量形鋼材Pは、立設方向に延びる開口部Paと、この開口部Paに相対向する背面板部Pbと、この背面板部Pbを挟む一対の側板部Pcと、各側板部Pcから延設されたリップ部Pdとからなる。そして、隣り合う軽量形鋼材P同士の間には、長尺ボルトVが架設され、この長尺ボルトVに配線ボックスBが固定されるようになっている。長尺ボルトVの各端部は、隣り合う軽量形鋼材Pのうち、一方の軽量形鋼材Pの側面としてのリップ部Pd、及び他方の軽量形鋼材Pの側面としての背面板部Pbに固定されたボルト支持具10それぞれによって支持されるとともに、各ボルト支持具10によって軽量形鋼材Pに固定される。
次に、ボルト支持具10について説明する。図2に示すように、合成樹脂材料製のボルト支持具10は、矩形板状をなす固定部11を備えるとともに、この固定部11の長辺方向の一端たる一方の短辺(以下、第1短辺11aとする)から延設された矩形板状をなす支持部12を備え、全体として略L字状に形成されている。支持部12は、固定部11に対し直交するように延設されている。よって、図1に示すように、固定部11が、その裏面を軽量形鋼材Pの側面(リップ部Pd)に当接させて固定された状態では、支持部12は長尺ボルトVの架設方向(左右方向)へ延びるようになっている。
図2に示すように、固定部11の表面において、長辺方向の他端たる他方の短辺(以下、第2短辺11bとする)側には、一定深さだけ固定部11の表面から凹む凹所15が形成されるとともに、この凹所15には固定孔16が第2短辺11bの延びる方向に沿って3箇所に形成されている。各固定孔16には、ボルト支持具10を軽量形鋼材Pに固定するための固定ビス39が挿通可能になっている。
また、固定部11において、第2短辺11bの端面には固定部11の長辺方向に対し直交する方向へ延びる押圧部13が形成されている。押圧部13は正面視逆C字状をなす薄板状に形成されるとともに、押圧部13は固定部11に対し、押圧部13の基端から折り取り除去可能に設けられている。固定部11において、第2短辺11bの延びる方向中央部には矢印14が設けられるとともに、この矢印14により第2短辺11bの延びる方向中央部が表示されている。また、3つ形成された固定孔16のうち中央の固定孔16は、矢印14と対応する位置に形成されている。
支持部12の表面には、一対の壁部20が上下方向に間隔を空けて立設されるとともに、一対の壁部20と、支持部12とから略横U字状をなすボルト支持部22が形成されている。両壁部20の内面と、支持部12の表面によって囲まれた空間には、長尺ボルトVを収納可能とする収納溝23が形成されている。そして、図1に示すように、固定部11が、その裏面を軽量形鋼材Pの側面(リップ部Pd)に当接させて固定された状態では、収納溝23は長尺ボルトVの架設方向(左右方向)に沿って延びる細溝状に形成されるとともに、収納溝23は架設方向の両端(左右方向の両端)に開口している。また、一対の壁部20の内面間の間隔、すなわち収納溝23の上下方向に沿った開口幅は、長尺ボルトVの直径より僅かに大きくなっている。
図2に示すように、両壁部20において、長尺ボルトVの架設方向に延びる収納溝23の開口側、すなわち、両壁部20の前端面における中央部同士は、一対の連結片24によって連結されている。一対の連結片24は、長尺ボルトVの架設方向(左右方向)に間隔を空けるように形成されている。また、一対の連結片24同士は略C字状をなす壁形成片25によって連結されている。なお、壁形成片25の内面によって形成される円弧の円における半径は、ビス40の軸部41における半径より僅かに小さくなっている。
さらに、両壁部20における左右方向中央部それぞれには溝26が各壁部20の前面から凹むように形成されている。そして、溝26それぞれから壁形成片25の内側にビス40を挿入可能になっている。壁形成片25の内側に挿入されたビス40は、軸部41が連結片24同士の間に配設されるとともに、収納溝23内に露出するようになっている。そして、連結片24及び壁形成片25は、ビス40における軸部41の先端部を保持するビス保持部を形成するとともに、収納溝23内にビス40の軸部41が突出するようにビス40の螺進を案内するビス螺入部を形成している。連結片24及び壁形成片25よりなるビス螺入部は、軽量形鋼材Pの立設方向へビス40を螺進可能とするビス螺入部である。
各壁部20の左右両側それぞれには、外方に向けて半円状に膨出する膨出部27が形成されている。各壁部20の前面には、各膨出部27に跨るように収容凹所27aが凹設されている。各収容凹所27aの内底面それぞれには、各壁部20を前後方向に貫通するビス螺入部29が形成されるとともに、このビス螺入部29にはビス40の軸部41が強制螺入されるようになっている。図3及び図4に示すように、ビス螺入部29は、壁部20の前側寄りに形成された第1螺入部29aと、この第1螺入部29aより後側に形成された第2螺入部29bとから形成されている。
第1螺入部29a及び第2螺入部29bそれぞれは、円孔に近い円弧状に形成されるとともに一部が収納溝23に連通するように形成されている。第1螺入部29a及び第2螺入部29bの円弧を形成する円の半径は同じに形成されている。この第1螺入部29a及び第2螺入部29bの円弧を形成する円の半径は、軸部41の半径より僅かに小さく形成されている。
また、第1螺入部29aと第2螺入部29bとは、ビス螺入部29の貫通方向(前後方向)において位置ずれして形成されている。すなわち、第1螺入部29aは、第2螺入部29bよりも収納溝23から退いた位置に形成されている。言い換えると、第2螺入部29bは、第1螺入部29aよりも収納溝23に近づいた位置に形成されている。このため、ビス螺入部29には、第1螺入部29aと第2螺入部29bとの境界に段差29cが形成されている。なお、収納溝23内に収納された長尺ボルトVを支持部12の表面に当接させたとき、段差29cは長尺ボルトVの最大直径に位置する長尺ボルトVの周面よりも前側に位置している。
また、ボルト支持部22の内面には、両壁部20の内面、及び支持部12の表面に跨るように略横U字状に延びるスリット31が2箇所に形成されている。このスリット31は、ビス螺入部29それぞれを収納溝23内に向けて開口させるとともに、上下に対向するビス螺入部29がスリット31を介して連通している。ここで、ビス螺入部29それぞれは、第2螺入部29bが、第1螺入部29aより収納溝23に近づいた位置に形成されている。このため、第1螺入部29aと対向する位置でのスリット31の開口幅は、第2螺入部29bと対向する位置でのスリット31の開口幅より狭くなっている。
そして、ビス螺入部29は、長尺ボルトVの架設方向に交差する方向に沿ってビス40を螺進させつつ、収納溝23内にビス40の軸部41が突出するようにビス40を案内させる。また、ビス螺入部29は、ビス螺入部29に軸部41が強制螺入されたとき、軸部41によって収納溝23の開口幅が長尺ボルトVの直径より小さくなるように軸部41を螺進させる位置に形成されている。なお、ビス螺入部29は、軽量形鋼材Pの立設方向に対し直交する横方向にビス40を螺進可能とするビス螺入部であり、ボルト支持具10は、上述の軽量形鋼材Pの立設方向へビス40を螺進可能とするビス螺入部も備えるため、2つのビス螺入部を備えている。
次に、ボルト支持具10を用いて軽量形鋼材Pに長尺ボルトVの端部を支持させる方法について説明する。
なお、図2に示すように、ボルト支持具10において、一対の壁部20のうち、下側に位置する壁部20に形成されたビス螺入部29であり、かつ固定部11から遠い側のビス螺入部29にビス40の先端部が保持されているものとする。このとき、図5に示すように、ビス40は、軸部41の先端部が、ビス螺入部29の段差29cに当接するまで第1螺入部29aに強制螺入され、ボルト支持部22に保持されている。また、隣り合う軽量形鋼材Pは、一方の軽量形鋼材Pのリップ部Pdに対し、他方の軽量形鋼材Pの背面板部Pbが対向するように立設されているものとする。
さて、隣り合う軽量形鋼材Pのうち、一方の軽量形鋼材Pに対しては、固定部11の裏面を、その軽量形鋼材Pの側面(リップ部Pd)に当接させるとともに、押圧部13の裏面を、リップ部Pdに直交する側板部Pcに当接させる。すると、固定部11における第2短辺11bが、側板部Pcと面一となるように位置決めされる。そして、押圧部13を把持しながら、ドライバー(工具)を用いて固定孔16からリップ部Pdに固定ビス39を強制螺入する。すると、図6に示すように、リップ部Pdに固定部11が固定されるとともに、ボルト支持具10が軽量形鋼材Pに固定される。なお、隣り合う軽量形鋼材Pにおいて、他方の軽量形鋼材Pに対しては、固定部11の裏面を、その軽量形鋼材Pの背面板部Pbに当接させた状態でボルト支持具10を固定し、隣り合う軽量形鋼材P同士でボルト支持具10同士を対向させる。また、ボルト支持具10を軽量形鋼材Pに固定した後、押圧部13は固定部11から折り取り除去する。
次に、長尺ボルトVの両端部それぞれをボルト支持具10の収納溝23に収納する。このとき、長尺ボルトVは、収納溝23の延びる方向、すなわち架設方向に沿って移動させ、収納溝23の側方から収納溝23内に収納する。そして、ビス40は、第1螺入部29aに強制螺入されており、第2螺入部29bにまでは強制螺入されていないため、ビス40の軸部41が長尺ボルトVの収納の妨げになることがない。
そして、両ボルト支持具10のボルト支持部22に長尺ボルトVの両端部を支持させた状態で、ドライバー(工具)を用いてビス40をビス螺入部29に強制螺入してビス40の頭部を収容凹所27aの内底面に当接させるとともに、頭部を収容凹所27a内に収容させる。すると、軸部41が第1螺入部29aから第2螺入部29bの内周面に係合するとともに、スリット31を介して軸部41の一部が収納溝23内に向けて突出する。このとき、第1螺入部29aよりも第2螺入部29bの方が収納溝23に近づいた位置に形成されているため、第2螺入部29bからの方が軸部41の収納溝23内への突出量が多くなっている。
そして、軸部41が収納溝23内に突出することによって、収納溝23の開口幅がビス40の螺入前に比べて狭くなるとともに、長尺ボルトVの直径より小さくなる。すると、ビス40の軸部41が長尺ボルトVの周面に係合するとともに、ビス40によって長尺ボルトVの周面が壁部20(ボルト支持部22)の内面に向けて押し付けられ、長尺ボルトVの周面も僅かに壁部20の内面に係合する。ビス40の軸部41のほとんどはビス螺入部29の内面に係合しているため、ビス40が、長尺ボルトVの架設方向へ移動することが防止される。そして、移動防止されたビス40の軸部41が長尺ボルトVの周面に係合するとともに、長尺ボルトVの周面が壁部20の内面に係合するように押し付けられているため、長尺ボルトVそのものも架設方向へ移動することが防止され、さらに、長尺ボルトVが回動することが防止される。
また、両壁部20は連結片24によって連結され、連結片24によって収納溝23の開口一部が閉鎖されている。このため、収納溝23内の長尺ボルトVが収納溝23の前面側へ抜け出ることが防止される。その結果、一対のボルト支持具10により軽量形鋼材P間に長尺ボルトVが架設され、各ボルト支持具10により長尺ボルトVの両端部が軽量形鋼材Pに固定される。
その後、長尺ボルトVに配線ボックスBを固定する。このとき、ボルト支持部22に固定された長尺ボルトVの前端から固定部11の第2短辺11bまでの長さは、配線ボックスBの前後方向への長さと同じになっている。このため、長尺ボルトVに配線ボックスBが固定された状態では、固定部11の第2短辺11b側端面と、配線ボックスBの開口端(前面)とが同一平面上に位置する。すなわち、長尺ボルトVに配線ボックスBが固定された状態では、配線ボックスBの開口端が軽量形鋼材Pの側板部Pc外面と同一平面上に位置する。さらに、軽量形鋼材Pの前後両側に壁材Waが立設されて軽量間仕切壁Wが構築されるとともに、軽量間仕切壁W内に配線ボックスBが設置される。
上記実施形態によれば、以下のような効果を得ることができる。
(1)ボルト支持具10のボルト支持部22には、固定部11を軽量形鋼材Pの側面に固定した状態で長尺ボルトVの架設方向へ延びる収納溝23が形成されるとともに、この収納溝23内にビス40の軸部41を突出させつつ、長尺ボルトVの架設方向に直交する方向へビス40を螺進させるビス螺入部29が形成されている。そして、ビス螺入部29にビス40を強制螺入すると、ビス40を収納溝23内の長尺ボルトVの周面に係合させることができる。したがって、ビス40をビス螺入部29に強制螺入する一度の作業だけで長尺ボルトVをボルト支持部22に回動を防止した状態で固定することができる。
(2)ビス螺入部29は、長尺ボルトVの架設方向に直交する方向へ延びるように略孔状に形成されるとともに、第1螺入部29a及び第2螺入部29bそれぞれの半径が軸部41の半径より僅かに小さく形成されている。そして、ビス螺入部29に軸部41を強制螺入することにより、ビス螺入部29の内面に軸部41が係合し、ビス40の軸部41のほぼ全体が保持される。このため、長尺ボルトVに、その架設方向への力が作用しても、ビス螺入部29によるビス40の保持により、ビス40が長尺ボルトVの架設方向へ移動することが防止され、ビス40の軸部41が長尺ボルトVの周面に係合した状態、及びビス40によって長尺ボルトVがボルト支持部22の内面に押し付けられた状態が維持される。その結果、長尺ボルトVの架設方向への移動を確実に防止することができる。
(3)ビス螺入部29は、長尺ボルトVの架設方向に直交する方向へ貫通する略孔状に形成されるとともに、ビス螺入部29はスリット31を介して収納溝23に連通している。このため、ビス螺入部29にビス40を強制螺入すると、スリット31を介して軸部41の一部を収納溝23内に突出させることができる。したがって、ビス螺入部29によってビス40を、長尺ボルトVの架設方向に直交する方向へ螺進するように案内しつつ、軸部41の一部を収納溝23内に突出させることができる。その結果として、ビス40をビス螺入部29に強制螺入すると同時に、ビス40の軸部41を長尺ボルトVの周面に係合させることができるとともに、ビス40によって長尺ボルトVの周面をボルト支持部22の内面に係合させることができる。
(4)ボルト支持部22には、長尺ボルトVの架設方向に沿ってビス螺入部29が2箇所に形成されている。このため、一方のビス螺入部29は、長尺ボルトVの架設方向において、固定部11から他方のビス螺入部29を介した位置にあり、他方のビス螺入部29を形成した分だけ固定部11から離れた位置に形成されている。よって、一方のビス螺入部29にビス40を強制螺入して長尺ボルトVを固定するようにすれば、長尺ボルトVは端部が軽量形鋼材Pのリップ部Pdに当接するまで、収納溝23内で移動させることができる。したがって、隣り合う軽量形鋼材Pにボルト支持具10を固定し、長尺ボルトVの長さが対向するボルト支持部22間の長さより若干長い場合には、一方の収納溝23に長尺ボルトVの一端部を挿入した後、収納溝23内で長尺ボルトVを移動させることで、他方の収納溝23に長尺ボルトVの他端側を挿入させることができる。また、長尺ボルトVを両ボルト支持具10に支持させた後、長尺ボルトVを移動させることで、配線ボックスBの配置位置の調節を行うことができる。
(5)ビス螺入部29は、収納溝23の開口側(前側)の第1螺入部29aと、この第1螺入部29aより後側の第2螺入部29bとを備え、第1螺入部29aと第2螺入部29bとが位置ずれして形成されることにより、第1螺入部29aと第2螺入部29bとの境界に段差29cが形成されている。そして、第1螺入部29aに軸部41を強制螺入するとともに、段差29cに軸部41を当接させることで、軸部41の先端部を第1螺入部29aに保持させた状態でボルト支持部22に立設させることができるとともに、ボルト支持具10にビス40を一体にすることができる。したがって、ボルト支持具10に長尺ボルトVを固定する場合、収納溝23内に長尺ボルトVを収納した後、第1螺入部29aに保持されたビス40をそのまま第2螺入部29bに強制螺入することができる。よって、例えば、ボルト支持具10とビス40とが別体にされて長尺ボルトVをボルト支持具10に固定する際に、ビス40を取り出してくる場合と比較して、長尺ボルトVの固定作業を速やかに行うことができる。
(6)ビス螺入部29は、収納溝23の開口側(前側)の第1螺入部29aと、この第1螺入部29aより後側の第2螺入部29bとを備え、第1螺入部29aと第2螺入部29bの境界に段差29cが形成されている。また、収納溝23に長尺ボルトVを収納するとともに、長尺ボルトVの周面を支持部12の表面に当接させた場合、段差29cは、壁部20の内面に当接する長尺ボルトVの周面より前面側(収納溝23の開口側)に位置している。そして、第1螺入部29aに軸部41を強制螺入した際、段差29cに軸部41が当接することで、軸部41が第2螺入部29bへ強制螺入されることが規制され、第2螺入部29bから収納溝23内に軸部41が突出することが防止される。よって、長尺ボルトVを、その架設方向に沿って収納溝23に挿入した場合、軸部41が長尺ボルトVに接触することが防止され、収納溝23への長尺ボルトVの挿入作業を容易に行うことができる。
(7)ボルト支持部22を形成する両壁部20の前面同士には、連結片24が架設され、連結片24によって収納溝23の開口一部が閉鎖されている。このため、収納溝23に収納された長尺ボルトVは、連結片24によって収納溝23の前面側から抜け出ることが防止される。
(8)ボルト支持具10は、ドライバー(工具)を用いて固定ビス39を軽量形鋼材Pに強制螺入することで軽量形鋼材Pに固定され、長尺ボルトVは、ドライバー(工具)を用いてビス40をビス螺入部29に強制螺入することでボルト支持部22に固定される。よって、ボルト支持具10を用いた長尺ボルトVの軽量形鋼材Pへの固定は、ドライバー(工具)一つだけで行うことができる。これに対し、特許文献1の軽量間柱用長尺ボルト支持具は、ドライバー(工具)を用いて、長尺ボルト支持具本体のネジ挿通穴に挿通したネジを固定板体の穴に螺入することで軽量間柱に固定され、長尺ボルトは、スパナ(工具)を用いて六角ナットを回転させることで軽量間柱用ボルト支持具に固定される。よって、特許文献1の軽量間柱用長尺ボルト支持具を用いた長尺ボルトの軽量間柱への固定は、ドライバーとスパナの2つの工具を使用しなければならない。したがって、本実施形態のボルト支持具10は、特許文献1と異なり、一つの工具だけで長尺ボルトVを固定することができ、長尺ボルトVの固定作業を簡単に行うことができる。
なお、上記実施形態は以下のように変更してもよい。
○ 図7に示すように、溝26の上方から連結片24の間、及び壁形成片25の内側に軸部41の先端部を強制螺入し、連結片24と壁形成片25の間にビス40を保持させるとともに、このビス40を、さらに強制螺入して長尺ボルトVをボルト支持部22に固定してもよい。この場合、連結片24及び壁形成片25がビス保持部、及びビス螺入部を構成する。このように構成すると、ビス40は、軽量形鋼材Pの立設方向に沿ってビス螺入部に強制螺入される。すなわち、ビス40をボルト支持具10の上方からビス保持部に強制螺入することができる。よって、軽量形鋼材Pの前側に壁材Waが立設された後であっても、ボルト支持具10に長尺ボルトVを固定する場合、ボルト支持具10の上方からビス40の強制螺入作業を行うことができる。また、壁材Waの立設前であっても、ボルト支持具10の前方に障害物があっても、ビス40の強制螺入作業を行うことができる。
○ ビス螺入部29において、第1螺入部29aを収納溝23側に近づけて第1螺入部29aと第2螺入部29bとが一繋ぎになるように形成して、ビス螺入部29を段差29cの存在しないように形成してもよい。
○ ボルト支持部22に形成するビス螺入部29を、長尺ボルトVの架設方向において1つだけにしてもよく、3つ以上形成してもよい。
○ 実施形態のビス螺入部29を削除するとともに、収納溝23の上下方向への開口幅を拡大し、収納溝23に収納した長尺ボルトVの周面と、この周面に対向するボルト支持部22の内面との間に軸部41の直径より僅かに小さい隙間が形成されるようにしてもよい。そして、この隙間にビス40の軸部41を強制螺入し、軸部41を収納溝23内に突出させるとともに収納溝23の開口幅を長尺ボルトVの直径より小さくさせる。その結果、ビス40の強制螺入によってビス40の軸部41がボルト支持部22の内面に係合するとともに、長尺ボルトVがボルト支持部22の内面に押し付けられて(係合して)長尺ボルトVがボルト支持部22に固定される。この場合、隙間が、長尺ボルトVの架設方向に対し交差する方向に沿ってビス40を螺入させるビス螺入部になる。
○ 隣り合う軽量形鋼材P間に長尺ボルトVを架設する場合、一方の軽量形鋼材Pのみにボルト支持具10を固定し、長尺ボルトVの一端部をボルト支持具10によって支持し、軽量形鋼材Pに固定する一方で、長尺ボルトVの他端部を、他方の軽量形鋼材Pに形成した透孔に挿通するだけにしてもよい。又は、複数本の軽量形鋼材P間に長尺ボルトVを架設する場合、両側に位置する2本の軽量形鋼材Pそれぞれにボルト支持具10を固定し、各ボルト支持具10によって長尺ボルトVの両端部を支持し、固定し、両側の軽量形鋼材P間に立設された軽量形鋼材Pに対しては長尺ボルトVを貫通させるだけとしてもよい。
○ ボルト支持部22における連結片24、及び壁形成片25を削除し、収納溝23の前面側全体を開口させてもよい。この場合、長尺ボルトVを収納溝23の前面側から収納溝23内に収納することができる。
○ 軽量形鋼材P間に長尺ボルトVを架設する場合、長尺ボルトVが比較的短いものである場合は、長尺ボルトVの一端部をボルト支持具10によって軽量形鋼材Pに固定し、長尺ボルトVの他端部を固定せずに自由端としてもよい。
○ 間柱は、軽量形鋼材P以外のものとして、例えば、木柱であってもよい。
○ 軽量形鋼材Pの側面として、側板部Pcにボルト支持具10を固定して長尺ボルトVを支持、固定してもよい。
P…間柱としての軽量形鋼材、Pb…側面としての背面板部、Pd…側面としてのリップ部、V…長尺ボルト、10…ボルト支持具、11…固定部、22…ボルト支持部、23…収納溝、24…ビス螺入部及びビス保持部を形成する連結片、25…ビス螺入部及びビス保持部を形成する壁形成片。29…ビス螺入部、29a…ビス保持部としての第1螺入部、31…スリット、40…ビス、41…軸部。

Claims (5)

  1. 間柱間に架設される長尺ボルトの端部を支持し、該端部を前記間柱に固定するためのボルト支持具であって、
    前記間柱の側面に固定される固定部を備えるとともに、該固定部から前記長尺ボルトの架設方向へ延びるボルト支持部を備え、該ボルト支持部に前記架設方向に沿って延び前記長尺ボルトを収納可能な収納溝が凹設され、さらに、前記ボルト支持部に、前記架設方向に交差する方向に沿ってビスを螺進させつつ、前記収納溝内に前記ビスの軸部が突出するように前記ビスを案内させるビス螺入部が形成され、
    前記ビス螺入部が、前記軸部によって前記収納溝の開口幅が前記長尺ボルトの直径より小さくなるように前記軸部を螺進させる位置に形成されており、前記ビス螺入部から前記収納溝内に突出する軸部により前記ボルト支持部に前記長尺ボルトが固定されるようにしたボルト支持具。
  2. 前記ボルト支持部には、前記ビス螺入部がスリットを介して前記収納溝に連通するように形成されており、前記ビス螺入部に螺入されたビスにおける軸部の一部が前記スリットから前記収納溝に突出する請求項1に記載のボルト支持具。
  3. 前記ビス螺入部は、前記収納溝に収納された長尺ボルトの架設方向への移動を許容するため、前記固定部から離れた位置に形成されている請求項1又は請求項2に記載のボルト支持具。
  4. 前記間柱の立設方向に前記ビスを螺進可能とするビス螺入部と、前記立設方向に対し直交する横方向に前記ビスを螺進可能とするビス螺入部とを備える請求項1〜請求項3のうちいずれか一項に記載のボルト支持具。
  5. 前記ボルト支持部には、前記軸部の先端部を保持させながら該ビスを立設させるためのビス保持部が設けられている請求項1〜請求項4のうちいずれか一項に記載のボルト支持具。
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