[1]第1の実施の形態
以下、第1の実施の形態に係るバッテリシステムについて図面を参照しながら説明する。なお、本実施の形態に係るバッテリシステムは、電力を駆動源とする電動車両(例えば電動自動車)に搭載される。バッテリシステムは、充放電が可能な複数のバッテリセルを備える蓄電装置または民生機器等に用いることもできる。
(1)バッテリシステムの構成
図1は、第1の実施の形態に係るバッテリシステムの構成を示すブロック図である。図1に示すように、バッテリシステム500は、複数のバッテリモジュール100、バッテリECU(Electronic Control Unit:電子制御ユニット)510、コンタクタ520、HV(High Voltage;高圧)コネクタ530およびサービスプラグ540を備える。本実施の形態では、バッテリシステム500は2個のバッテリモジュール100を含む。以下の説明において、2個のバッテリモジュール100をそれぞれバッテリモジュール100a,100bと呼ぶ。
各バッテリモジュール100a,100bは、複数のバッテリセル10からなるバッテリセル群BL、電圧検出部20、状態検出部30、演算処理装置40、通信ドライバ60および均等化回路70を含む。バッテリセル群BLの複数のバッテリセル10は直列接続されている。バッテリセル群BLは、互いに隣接するように配置されるとともにバッテリブロックとして一体的に保持されている。バッテリセル群BLには、温度を検出するための複数のサーミスタTH(後述する図9参照)が取り付けられる。各バッテリセル10は、例えばリチウムイオン電池またはニッケル水素電池等の二次電池である。
複数のバッテリモジュール100a,100bのバッテリセル群BLは、電源線およびサービスプラグ540を通して直列接続されている。サービスプラグ540は、バッテリモジュール100a,100b間を電気的に接続または遮断するためのスイッチを含む。サービスプラグ540のスイッチがオンされることにより、複数のバッテリモジュール100a,100bの全てのバッテリセル10が直列接続される。バッテリシステム500のメンテナンス時等には、サービスプラグ540のスイッチがオフされる。この場合、バッテリモジュール100a,100bに電流が流れない。これにより、ユーザがバッテリモジュール100a,100bに接触しても、ユーザが感電することを防止することができる。
まず、バッテリモジュール100aの各部の動作について説明する。電圧検出部20は複数のバッテリセル10の端子電圧を検出し、検出した端子電圧の値を示す検出信号DAを演算処理装置40に与える。
状態検出部30は、対応するバッテリセル群BLの充放電に関する異常として複数のバッテリセル10の端子電圧の異常の有無を検出し、その検出結果を示す検出信号DT1を発生する。バッテリモジュール100aの状態検出部30により発生される検出信号DT1は、接続線Q1を介して対応する演算処理装置40に与えられるとともに、信号線P1を介してバッテリモジュール100bの演算処理装置40に与えられる。各バッテリセル10の過放電および過充電を防止するために、端子電圧の許容電圧範囲が定められている。本実施の形態では、状態検出部30は、各バッテリセル10の端子電圧が許容電圧範囲の上限値(以下、上限電圧と呼ぶ。)以上であるか否かを検出するとともに端子電圧が許容電圧範囲の下限値(以下、下限電圧と呼ぶ。)以下であるか否かを検出する。
状態検出部30は、対応するバッテリセル群BLの少なくとも1つのバッテリセル10の端子電圧が上限電圧以上である場合または下限電圧以下である場合(異常検出時)に、異常を示す例えば“H”レベルの検出信号DT1を発生する。状態検出部30は、対応するバッテリセル群BLの全てのバッテリセル10の端子電圧が許容電圧範囲内にある場合(正常検出時)に、正常を示す例えば“L”レベルの検出信号DT1を発生する。
演算処理装置40は、例えばCPUおよびメモリ、またはマイクロコンピュータからなる。この演算処理装置40は、通信ドライバ60を介して例えばCAN(Controller Area Network)通信を行う。これにより、演算処理装置40は、対応する状態検出部30により与えられた検出信号DT1および後述するバッテリモジュール100bの状態検出部30により与えられた検出信号DT2を通信ドライバ60およびバスBSを介してバッテリECU510に送信する。また、演算処理装置40は、電圧検出部20から与えられた検出信号DAに基づいて、複数のバッテリセル10の端子電圧の値を通信ドライバ60およびバスBSを介してバッテリECU510に送信する。さらに、演算処理装置40は、後述する図9のサーミスタTHから与えられるバッテリモジュール100aの温度の値を通信ドライバ60およびバスBSを介してバッテリECU510に送信する。
また、演算処理装置40は、複数のバッテリセル10の端子電圧の値および温度の値を用いた各種演算処理および判定処理を行う。さらに、演算処理装置40は、バッテリECU510から各種指令信号をバスBSおよび通信ドライバ60を介して受信する。
均等化回路70は、演算処理装置40の制御によりバッテリセル群BLの複数のバッテリセル10の端子電圧を均等化する均等化処理を行う。
バッテリモジュール100bの構成および動作は、次の点を除いてバッテリモジュール100aの構成と動作と同様である。
バッテリモジュール100bの状態検出部30は、対応するバッテリセル群BLの充放電に関する異常として複数のバッテリセル10の端子電圧の異常の有無を検出し、その検出結果を示す検出信号DT2を発生する。バッテリモジュール100bの状態検出部30により発生される検出信号DT2は、接続線Q2を介して対応する演算処理装置40に与えられるとともに、信号線P2を介してバッテリモジュール100aの演算処理装置40に与えられる。
状態検出部30は、対応するバッテリセル群BLの少なくとも1つのバッテリセル10の端子電圧が上限電圧以上である場合または下限電圧以下である場合(異常検出時)に、異常を示す例えば“H”レベルの検出信号DT2を発生する。状態検出部30は、対応するバッテリセル群BLの全てのバッテリセル10の端子電圧が許容電圧範囲内にある場合(正常検出時)に、正常を示す例えば“L”レベルの検出信号DT2を発生する。
バッテリモジュール100bの演算処理装置40は、対応する状態検出部30により与えられた検出信号DT2およびバッテリモジュール100aの状態検出部30により与えられた検出信号DT1を通信ドライバ60およびバスBSを介してバッテリECU510に送信する。また、演算処理装置40は、後述する図9のサーミスタTHから与えられるバッテリモジュール100bの温度の値を通信ドライバ60およびバスBSを介してバッテリECU510に送信する。
バッテリECU510は、バッテリモジュール100a,100bの演算処理装置40から与えられた複数のバッテリセル10の端子電圧の値に基づいて各バッテリセル10の充電量を算出する。また、バッテリECU510は、各バッテリモジュール100a,100bの演算処理装置40から与えられた複数のバッテリセル10の端子電圧の値に基づいて各バッテリモジュール100a,100bのバッテリセル群BLの充放電に関する異常の有無を判定する。バッテリモジュール100a,100bのバッテリセル群BLの充放電に関する異常とは、例えば、バッテリセル群BLに流れる電流、バッテリセル10の端子電圧、SOC(充電量)、過放電、過充電または温度の異常等を含む。
さらに、バッテリECU510は、バッテリモジュール100a,100bの演算処理装置40から与えられる検出信号DT1,DT2に基づいて、バッテリモジュール100a,100bの複数のバッテリセル10の端子電圧の異常の有無を検出する。
バッテリモジュール100aの最も高電位のプラス電極に接続される電源線およびバッテリモジュール100bの最も低電位のマイナス電極に接続される電源線は、コンタクタ520に接続される。また、コンタクタ520は、HVコネクタ530を介して電動車両のモータ等の負荷に接続される。バッテリECU510は、バッテリモジュール100a,100bに異常が発生した場合、コンタクタ520をオフする。これにより、異常時には、複数のバッテリセル10に電流が流れないので、バッテリモジュール100a,100bの異常発熱が防止される。
バッテリECU510は、バスを介して電動車両の主制御部300(後述する図10参照)に接続される。バッテリECU510から主制御部300に各バッテリモジュール100a,100bの充電量(バッテリセル10の充電量)が与えられる。主制御部300は、その充電量に基づいて電動車両の動力(例えばモータの回転速度)を制御する。また、各バッテリモジュール100a,100bの充電量が少なくなると、主制御部300は、電源線に接続された図示しない発電装置を制御して各バッテリモジュール100a,100bを充電する。
(2)電圧検出部および状態検出部の構成
図2は、バッテリモジュール100aの電圧検出部20、状態検出部30および均等化回路70の構成を示すブロック図である。
電圧検出部20は、例えばASIC(Application Specific Integrated Circuit:特定用途向け集積回路)からなる。電圧検出部20は、複数の差動増幅器21、マルチプレクサ22、A/D(アナログ/デジタル)変換器23および送信回路24を含む。
各差動増幅器21は2つの入力端子および出力端子を有する。各差動増幅器21は、2つの入力端子に入力された電圧を差動増幅し、増幅された電圧を出力端子から出力する。各差動増幅器21の2つの入力端子は、それぞれ導体線W1により対応するバッテリセル10のプラス電極およびマイナス電極に接続される。これにより、各バッテリセル10のプラス電極とマイナス電極との間の電圧が各差動増幅器21により差動増幅される。各差動増幅器21の出力電圧は各バッテリセル10の端子電圧に相当する。複数の差動増幅器21から出力される端子電圧はマルチプレクサ22に与えられる。マルチプレクサ22は、複数の差動増幅器21から与えられる端子電圧を順次A/D変換器23に出力する。
A/D変換器23は、マルチプレクサ22から出力される端子電圧をデジタル値に変換する。A/D変換器23により得られたデジタル値は、端子電圧の値を示す検出信号DAとして送信回路24を介して演算処理装置40(図1参照)に与えられる。
状態検出部30は、例えばASICからなる。状態検出部30は、複数の差動増幅器31、マルチプレクサ32、スイッチ回路33、基準電圧出力部34,35、コンパレータ36、検出信号出力回路37、受信回路38aおよび送信回路38bを含む。
各差動増幅器31は2つの入力端子および出力端子を有する。各差動増幅器31は、2つの入力端子に入力された電圧を差動増幅し、増幅された電圧を出力端子から出力する。各差動増幅器31の2つの入力端子は、それぞれ導体線W1により対応するバッテリセル10のプラス電極およびマイナス電極に接続される。これにより、各バッテリセル10のプラス電極とマイナス電極との間の電圧が各差動増幅器31により差動増幅される。各差動増幅器31の出力電圧は各バッテリセル10の端子電圧に相当する。複数の差動増幅器31から出力される端子電圧はマルチプレクサ32に与えられる。マルチプレクサ32は、複数の差動増幅器31から与えられる端子電圧を順次コンパレータ36に出力する。
スイッチ回路33は、端子CP0,CP1,CP2を有する。基準電圧出力部34は、スイッチ回路33の端子CP1に上限電圧Vth_Oを出力する。基準電圧出力部35は出力端子CP2に下限電圧Vth_Uを出力する。上限電圧Vth_Oは例えば4.2V(4.19V以上4.21V以下)に設定され、下限電圧Vth_Uは例えば約2.0V(1.99V以上2.01V以下)に設定される。
コンパレータ36は2つの入力端子および出力端子を有する。コンパレータ36の一方の入力端子はマルチプレクサ32に接続される。コンパレータ36の他方の入力端子はスイッチ回路33の端子CP0に接続される。スイッチ回路33は、一定周期で端子CP0が複数の端子CP1,CP2に交互に接続されるように切り替わる。これにより、コンパレータ36の一方の入力端子にはマルチプレクサ32から出力される端子電圧が与えられるとともに、コンパレータ36の他方の入力端子には上限電圧Vth_Oおよび下限電圧Vth_Uが交互に与えられる。この場合、コンパレータ36は、マルチプレクサ32から与えられるバッテリセル10の端子電圧を上限電圧Vth_Oおよび下限電圧Vth_Uと順に比較し、比較結果を示す信号を検出信号出力回路37に出力する。
検出信号出力回路37は、コンパレータ36の出力信号に基づいて、複数のバッテリセル10の少なくとも1つの端子電圧が上限電圧Vth_O以上であるか否かを判定するとともに、複数のバッテリセル10の少なくとも1つの端子電圧が下限電圧Vth_U以下であるか否かを判定する。
複数のバッテリセル10の少なくとも1つの端子電圧が上限電圧Vth_O以上である場合または下限電圧Vth_U以下である場合、検出信号出力回路37は対応するバッテリセル群BLの端子電圧が異常であると判定する。全てのバッテリセル10の端子電圧が上限電圧Vth_O未満でありかつ下限電圧Vth_Uを超えている場合、検出信号出力回路37は、対応するバッテリセル群BLの端子電圧が正常であると判定する。
図1および後述する図6の例においては、受信回路38aに検出信号が与えられない。したがって、受信回路38aが設けられなくてもよい。検出信号出力回路37は、対応するバッテリセル群BLの端子電圧が異常であると判定した場合に、異常を示す例えば“H”レベルの検出信号DT1を発生する。検出信号出力回路37は、対応するバッテリセル群BLの端子電圧が正常であると判定した場合に、正常を示す例えば“L”レベルの検出信号DT1を発生する。送信回路38bは、検出信号出力回路37により発生される検出信号DT1を図1の接続線Q1を通して対応する演算処理装置40に与えるとともに、図1の信号線P1を通してバッテリモジュール100bの演算処理装置40に与える。
均等化回路70は、抵抗Rおよびスイッチング素子SWからなる複数組の直列回路を含む。各バッテリセル10のプラス電極とマイナス電極との間には、抵抗Rおよびスイッチング素子SWからなる1組の直列回路が接続される。スイッチング素子SWのオンおよびオフは、図1の演算処理装置40を介してバッテリECU510により制御される。なお、通常状態では、スイッチング素子SWはオフになっている。
図1のバッテリモジュール100bの電圧検出部20、状態検出部30および均等化回路70の構成は、次の点を除いてバッテリモジュール100aの電圧検出部20、状態検出部30および均等化回路70の構成と動作と同様である。
バッテリモジュール100bの検出信号出力回路37は、対応するバッテリセル群BLの端子電圧が異常であると判定した場合に、異常を示す例えば“H”レベルの検出信号DT2を発生する。検出信号出力回路37は、対応するバッテリセル群BLの端子電圧が正常であると判定した場合に、正常を示す例えば“L”レベルの検出信号DT2を発生する。バッテリモジュール100bの送信回路38bは、検出信号出力回路37により発生される検出信号DT2を図1の接続線Q2を通して対応する演算処理装置40に与えるとともに、信号線P2を通してバッテリモジュール100aの演算処理装置40に与える。
(3)プリント回路基板の一構成例
図1の各バッテリモジュール100a,100bの電圧検出部20、状態検出部30、演算処理装置40、通信ドライバ60および均等化回路70は、リジッドプリント回路基板(以下、プリント回路基板と呼ぶ。)に実装される。図3は、プリント回路基板の一構成例を示す模式的平面図である。図3に示すように、プリント回路基板110には、絶縁素子DIa,DIb,DIcおよびコネクタCNa,CNb,CNc,CNdがさらに実装される。また、プリント回路基板110は、第1の実装領域MT1、第2の実装領域MT2および帯状の絶縁領域INSを有する。
第2の実装領域MT2は、プリント回路基板110の1つの角部に形成される。絶縁領域INSは、第2の実装領域MT2に沿って延びるように形成される。第1の実装領域MT1は、プリント回路基板110の残りの部分に形成される。第1の実装領域MT1と第2の実装領域MT2とは絶縁領域INSにより互いに分離される。それにより、第1の実装領域MT1と第2の実装領域MT2とは絶縁領域INSにより電気的に絶縁される。
第1の実装領域MT1には、電圧検出部20、状態検出部30および均等化回路70が実装される。電圧検出部20、状態検出部30および均等化回路70の電源として、バッテリセル群BLの複数のバッテリセル10が電圧検出部20、状態検出部30および均等化回路70に接続される。
電圧検出部20、状態検出部30および均等化回路70の実装領域ならびに接続線の形成領域を除いて、第1の実装領域MT1にグランドパターンGND1が形成される。グランドパターンGND1は、バッテリセル群BLの複数のバッテリセル10の基準電位(グランド電位)に保持される。
第2の実装領域MT2には、演算処理装置40、通信ドライバ60およびコネクタCNa〜CNdが実装される。演算処理装置40および通信ドライバ60の電源として、電動車両の非動力用バッテリBATが演算処理装置40および通信ドライバ60に接続される。
演算処理装置40、通信ドライバ60およびコネクタCNa〜CNdの実装領域ならびに複数の接続線の形成領域を除いて、第2の実装領域MT2にグランドパターンGND2が形成される。グランドパターンGND2は非動力用バッテリBATの基準電位(グランド電位)に保持される。
このように、電圧検出部20、状態検出部30および均等化回路70にはバッテリセル群BLの複数のバッテリセル10により電力が供給され、演算処理装置40および通信ドライバ60には、非動力用バッテリBATにより電力が供給される。それにより、演算処理装置40および通信ドライバ60を電圧検出部20、状態検出部30および均等化回路70から独立に安定して動作させることができる。
絶縁素子DIaは、絶縁領域INSをまたぐように実装される。絶縁素子DIaは、電圧検出部20と演算処理装置40とを互いに電気的に絶縁しつつ電圧検出部20と演算処理装置40との間で信号を伝送する。絶縁素子DIbは、絶縁領域INSをまたぐように実装される。絶縁素子DIbは、状態検出部30と演算処理装置40とを互いに電気的に絶縁しつつ接続線Q1(または接続線Q2)を通して常検出部30の送信回路38b(図2参照)と演算処理装置40との間で信号を伝送する。また、絶縁素子DIbは、状態検出部30とコネクタCNcとを互いに電気的に絶縁しつつ状態検出部30の送信回路38b(図2参照)とコネクタCNcとの間で信号を伝送する。絶縁素子DIcは、絶縁領域INSをまたぐように実装される。絶縁素子DIcは、状態検出部30とコネクタCNdとを互いに電気的に絶縁しつつ状態検出部30の受信回路38a(図2参照)とコネクタCNdとの間で信号を伝送する。絶縁素子DIa〜DIcとしては、例えばデジタルアイソレータまたはフォトカプラ等を用いることができる。本実施の形態においては、絶縁素子DIa〜DIcとしてデジタルアイソレータを用いる。
第2の実装領域MT2において、演算処理装置40とコネクタCNaとは、通信ドライバ60を介して接続される。これにより、演算処理装置40から出力される複数のバッテリセル10の端子電圧の値およびバッテリモジュール100a,100bの温度の値が通信ドライバ60を介してコネクタCNaに与えられる。コネクタCNaには、図1のバスBSが接続される。コネクタCNbは演算処理装置40に接続される。バッテリモジュール100aのコネクタCNcとバッテリモジュール100bのコネクタCNbとが、図1の信号線P1により接続される。バッテリモジュール100aのコネクタCNbとバッテリモジュール100bのコネクタCNcとが、図1の信号線P2により接続される。なお、図1および後述する図6の例においては、絶縁素子DIcおよびコネクタCNdは設けられなくてもよい。
(4)プリント回路基板の他の構成例
プリント回路基板110の他の構成例について、図3のプリント回路基板110と異なる点を説明する。図4は、プリント回路基板110の他の構成例を示す模式的平面図である。図4に示すように、演算処理装置40は、第2の実装領域MT2ではなく第1の実装領域MT1に実装される。
演算処理装置40には、バッテリセル群BLの複数のバッテリセル10により電力が供給される。この場合、電圧検出部20、状態検出部30、演算処理装置40および均等化回路70に電力を供給するための構成が簡単になる。
第1の実装領域MT2において、状態検出部30と演算処理装置40とが接続線Q1(または接続線Q2)により接続される。コネクタCNaは、通信ドライバ60および絶縁素子DIaを介して演算処理装置40に接続される。コネクタCNbは、絶縁素子DIbを介して演算処理装置40に接続される。コネクタCNcは、絶縁素子DIbを介して状態検出部30の送信回路38b(図2参照)に接続される。コネクタCNdは、絶縁素子DIcを介して状態検出部30の受信回路38a(図2参照)に接続される。図1の信号線P2により接続される。なお、図1および後述する図6の例においては、絶縁素子DIcおよびコネクタCNdは設けられなくてもよい。
(5)バッテリセルの端子電圧の均等化処理
バッテリECU510は、電圧検出部20により検出された各バッテリセル10の端子電圧の値を演算処理装置40を介して取得する。ここで、バッテリECU510は、あるバッテリセル10の端子電圧の値が他のバッテリセル10の端子電圧の値よりも高いと判定した場合、そのバッテリセル10に対応する均等化回路70のスイッチング素子SWをオンにする指令信号を演算処理装置40に与える。それにより、そのバッテリセル10に充電された電荷が抵抗Rを通して放電される。
バッテリECU510は、そのバッテリセル10の端子電圧の値が他のバッテリセル10の端子電圧の値と略等しくなるまで低下したと判定した場合、そのバッテリセル10に対応する均等化回路70のスイッチング素子SWをオフにする指令信号を演算処理装置40に与える。それにより、全てのバッテリセル10の端子電圧の値が略均等に保たれる。これにより、一部のバッテリセル10の過充電および過放電を防止することができる。その結果、バッテリセル10の劣化を防止することができる。
(6)電圧検出部および状態検出部の他の例
バッテリモジュール100a,100bに含まれるバッテリセル群BLのバッテリセル10の数が多い場合、または電圧検出部20もしくは状態検出部30の耐圧が小さい場合には、各バッテリモジュール100a,100bは、直列に接続された複数の電圧検出部20および複数の状態検出部30を含んでもよい。
図5は、各バッテリモジュール100a,100bが複数の電圧検出部20および複数の状態検出部30を含む場合の構成を示すブロック図である。図5には、バッテリモジュール100aの構成が示される。図5の例では、バッテリモジュール100aは、3個の電圧検出部20および3個の状態検出部30を含む。
一の電圧検出部20(以下、低電位電圧検出部20Lと呼ぶ。)は、複数のバッテリセル10のうち低電位側の1/3の数のバッテリセル10(以下、低電位バッテリセル群10Lと呼ぶ。)に対応する。他の電圧検出部20(以下、中電位電圧検出部20Mと呼ぶ。)は、複数のバッテリセル10のうち中電位の1/3の数のバッテリセル10(以下、中電位バッテリセル群10Mと呼ぶ。)に対応する。さらに他の電圧検出部20(以下、高電位電圧検出部20Hと呼ぶ。)は、複数のバッテリセル10のうち高電位側の1/3の数(本例では6個)のバッテリセル10(以下、高電位バッテリセル群10Hと呼ぶ。)に対応する。
低電位電圧検出部20Lは、低電位バッテリセル群10Lの複数のバッテリセル10の端子電圧を検出する。中電位電圧検出部20Mは、中電位バッテリセル群10Mの複数のバッテリセル10の端子電圧を検出する。高電位電圧検出部20Hは、高電位バッテリセル群10Hの複数のバッテリセル10の端子電圧を検出する。
高電位電圧検出部20Hの送信回路24(図2参照)から出力される検出信号DAは中電位電圧検出部20Mの送信回路24(図2参照)を経由して低電位電圧検出部20Lの送信回路24(図2参照)に与えられ、低電位電圧検出部20Lの送信回路24から演算処理装置40に与えられる。中電位電圧検出部20Mの送信回路24から出力される検出信号DAは低電位電圧検出部20Lの送信回路24に与えられ、低電位電圧検出部20Lの送信回路24から演算処理装置40に与えられる。低電位電圧検出部20Lの送信回路24から出力される検出信号DAは演算処理装置40に与えられる。
一の状態検出部30(以下、低電位状態検出部30Lと呼ぶ。)は、低電位バッテリセル群10Lに対応する。他の状態検出部30(以下、中電位状態検出部30Mと呼ぶ。)は、中電位バッテリセル群10Mに対応する。さらに他の状態検出部30(以下、高電位状態検出部30Hと呼ぶ。)は、高電位バッテリセル群10Hに対応する。
低電位状態検出部30Lは、低電位バッテリセル群10Lの複数のバッテリセル10の異常の有無を検出する。中電位状態検出部30Mは、中電位バッテリセル群10Mの複数のバッテリセル10の異常の有無を検出する。高電位状態検出部30Hは、高電位バッテリセル群10Hの複数のバッテリセル10の異常の有無を検出する。
この場合、高電位状態検出部30Hの送信回路38b(図2参照)と中電位状態検出部30Mの受信回路38a(図2参照)とが接続される。中電位状態検出部30Mの送信回路38b(図2参照)と低電位状態検出部30Lの受信回路38a(図2参照)とが接続される。低電位状態検出部30Lの送信回路38b(図2参照)は、絶縁素子DIb(図3および図4参照)を介して演算処理装置40(図3および図4参照)に接続されるとともに、絶縁素子DIbを介してコネクタCNc(図3および図4参照)に接続される。高電位状態検出部30Hの受信回路38aは設けられなくてもよい。
高電位状態検出部30Hにおいて、検出信号出力回路37(図2参照)は、対応する高電位バッテリセル群10Hの端子電圧が異常であると判定した場合に、異常を示す例えば“H”レベルの検出信号DT1Hを発生する。また、検出信号出力回路37は、対応する高電位バッテリセル群10Hの端子電圧が正常であると判定した場合に、正常を示す例えば“L”レベルの検出信号DT1Hを発生する。送信回路38b(図2参照)は、検出信号出力回路37により発生される検出信号DT1Hを中電位状態検出部30Mに与える。
中電位状態検出部30Mにおいて、受信回路38a(図2参照)は、高電位状態検出部30Hにより与えられた検出信号DT1Hを検出信号出力回路37(図2参照)に与える。検出信号出力回路37は、対応する中電位バッテリセル群10Mの端子電圧が異常であると判定した場合または受信回路38aにより与えられる検出信号DT1Hが“H”レベル(異常)である場合に、異常を示す例えば“H”レベルの検出信号DT1Mを発生する。また、検出信号出力回路37は、対応する中電位バッテリセル群10Mの端子電圧が正常であると判定しかつ受信回路38aにより与えられる検出信号DT1Hが“L”レベル(正常)である場合に、正常を示す例えば“L”レベルの検出信号DT1Mを発生する。送信回路38b(図2参照)は、検出信号出力回路37により発生される検出信号DT1Mを低電位状態検出部30Lに与える。
低電位状態検出部30Lにおいて、受信回路38a(図2参照)は、中電位状態検出部30Mにより与えられた検出信号DT1Mを検出信号出力回路37(図2参照)に与える。検出信号出力回路37は、対応する低電位バッテリセル群10Lの端子電圧が異常であると判定した場合または受信回路38aにより与えられる検出信号DT1Mが“H”レベル(異常)である場合に、異常を示す例えば“H”レベルの検出信号DT1Lを発生する。また、検出信号出力回路37は、対応する低電位バッテリセル群10Lの端子電圧が正常であると判定しかつ受信回路38aにより与えられる検出信号DT1Mが“L”レベル(正常)である場合に、正常を示す例えば“L”レベルの検出信号DT1Lを発生する。送信回路38b(図2参照)は、検出信号出力回路37により発生される検出信号DT1Lを検出信号DT1として対応する演算処理装置40(図1参照)および信号線P1(図1参照)に与える。
他のバッテリモジュール100bの状態検出部30の動作は、次の点を除いてバッテリモジュール100aの状態検出部30の動作と同様である。バッテリモジュール100bの低電位状態検出部30Lは、検出信号DT1に代えて検出信号DT2を対応する演算処理装置40(図1参照)および信号線P2(図1参照)に与える。
(7)バッテリシステムの動作および効果
以下、バッテリモジュール100aのバッテリセル群BL、電圧検出部20、状態検出部30、演算処理装置40および通信ドライバ60をそれぞれバッテリセル群BLa、電圧検出部20a、状態検出部30a、演算処理装置40aおよび通信ドライバ60aと呼ぶ。また、バッテリモジュール100bのバッテリセル群BL、電圧検出部20、状態検出部30、演算処理装置40および通信ドライバ60をそれぞれバッテリセル群BLb、電圧検出部20b、状態検出部30b、演算処理装置40bおよび通信ドライバ60bと呼ぶ。
バッテリモジュール100aにおいて、状態検出部30aは、対応するバッテリセル群BLaの端子電圧が異常であると判定した場合に、異常を示す検出信号DT1を発生する。一方、状態検出部30aは、対応するバッテリセル群BLaの端子電圧が正常であると判定した場合に、正常を示す検出信号DT1を発生する。状態検出部30aにより発生された検出信号DT1は、接続線Q1を通して対応する演算処理装置40aに与えられるとともに、信号線P1を通してバッテリモジュール100bの演算処理装置40bに与えられる。
バッテリモジュール100bにおいて、状態検出部30bは、対応するバッテリセル群BLbの端子電圧が異常であると判定した場合に、異常を示す検出信号DT2を発生する。一方、状態検出部30bは、対応するバッテリセル群BLbの端子電圧が正常であると判定した場合に、正常を示す検出信号DT2を発生する。状態検出部30bにより発生された検出信号DT2は、接続線Q2を通して対応する演算処理装置40bに与えられるとともに、信号線P2を通してバッテリモジュール100aの演算処理装置40aに与えられる。
バッテリモジュール100aにおいて、演算処理装置40aは、対応する状態検出部30aにより与えられた検出信号DT1およびバッテリモジュール100bの状態検出部30bにより与えられた検出信号DT2を通信ドライバ60aおよびバスBSを通してバッテリECU510に与える。
バッテリモジュール100bにおいて、演算処理装置40bは、対応する状態検出部30bにより与えられた検出信号DT2およびバッテリモジュール100aの状態検出部30aにより与えられた検出信号DT1を通信ドライバ60bおよびバスBSを通してバッテリECU510に与える。
すなわち、本実施の形態において、第1の状態検出部である状態検出部30aは、第1のバッテリモジュールであるバッテリモジュール100aの第1のバッテリセル群であるバッテリセル群BLaの充放電に関する異常状態を検出すると、第1の検出信号である検出信号DT1を発生する。第2の状態検出部である状態検出部30bは、第2のバッテリモジュールであるバッテリモジュール100bの第2のバッテリセル群であるバッテリセル群BL2の充放電に関する異常状態を検出すると、第2の検出信号である状態検出部DT2を発生する。
状態検出部30aにより発生される検出信号DT1は、第1の通信回路である演算処理装置40aにより外部に送信される。具体的には、状態検出部30aにより発生される検出信号DT1は、第2の通信経路である接続線Q1を通して演算処理装置40aに伝達されるとともに、第1の通信経路である信号線P1を通して演算処理装置40bに伝達される。
状態検出部30bにより発生される検出信号DT2は、第2の通信回路である演算処理装置40bにより外部に送信される。具体的には、状態検出部30bにより発生される検出信号DT2は、第5の通信経路である接続線Q2を通して演算処理装置40bに伝達されるとともに、第4の通信経路である信号線P2を通して演算処理装置40aに伝達される。
このようにして、バッテリモジュール100a,100bの全てのバッテリセル10の端子電圧が正常であると判定された場合、バッテリECU510は、バッテリモジュール100a,100bから正常を示す検出信号DT1,DT2を取得する。一方、バッテリモジュール100a,100bの少なくとも1つのバッテリセル10の端子電圧が異常であると判定された場合、バッテリECU510は、バッテリモジュール100a,100bから異常を示す検出信号DT1,DT2を取得する。それにより、バッテリECU510は、バッテリモジュール100a,100bの複数のバッテリセル10の端子電圧の異常の有無を検出することができる。
上記の構成によれば、バッテリモジュール100aの演算処理装置40aもしくは通信ドライバ60aが故障した場合または接続線Q1に不具合が発生した場合でも、バッテリモジュール100aの状態検出部30aから信号線P1、バッテリモジュール100bの演算処理装置40bおよび通信ドライバ60bならびにバスBSを通して検出信号DT1をバッテリECU510に送信することができる。また、バッテリモジュール100bの演算処理装置40bもしくは通信ドライバ60bが故障した場合または接続線Q2に不具合が発生した場合でも、バッテリモジュール100bの状態検出部30bから信号線P2、バッテリモジュール100aの演算処理装置40aおよび通信ドライバ60aならびにバスBSを通して検出信号DT2をバッテリECU510に送信することができる。そのため、バッテリシステム500に追加の通信回路を設けることなくバッテリセル群BLa,BLbの端子電圧の異常を確実にバッテリECU510に通知することが可能となる。その結果、バッテリシステム500のコストの増加を抑制しつつバッテリシステム500の信頼性を向上させることができる。
同時に、バッテリECU510は、バッテリモジュール100aの電圧検出部20aから、演算処理装置40a、通信ドライバ60aおよびバスBSを通してバッテリセル群BLaの複数のバッテリセル10の端子電圧の値を取得する。また、バッテリECU510は、バッテリモジュール100bの電圧検出部20bから、演算処理装置40b、通信ドライバ60bおよびバスBSを通してバッテリセル群BLbの複数のバッテリセル10の端子電圧の値を取得する。これにより、バッテリECU510は、取得した端子電圧の値に基づいてバッテリモジュール100a,100bの複数のバッテリセル10の異常の有無を検出することができる。
上記の構成によれば、状態検出部30a,30bが故障した場合または信号線P1,P2に不具合が生じた場合でも、バッテリモジュール100aの電圧検出部20aにより検出されたバッテリセル群BLaの端子電圧の値を演算処理装置40a、通信ドライバ60aおよびバスBSを通してバッテリECU510に通知することができる。また、バッテリモジュール100bの電圧検出部20bにより検出されたバッテリセル群BLbの端子電圧の値を演算処理装置40b、通信ドライバ60bおよびバスBSを通してバッテリECU510に通知することができる。一方、電圧検出部20a,20bが故障した場合でも、バッテリモジュール100aの状態検出部30aにより検出されたバッテリセル群BLaの端子電圧の異常を接続線Q1、演算処理装置40a、通信ドライバ60aおよびバスBSを通してバッテリECU510に通知することができる。また、バッテリモジュール100bの状態検出部30bにより検出されたバッテリセル群BLbの端子電圧の異常を接続線Q2、演算処理装置40b、通信ドライバ60bおよびバスBSを通してバッテリECU510に通知することができる。その結果、バッテリシステム500の信頼性をより向上させることができる。
[2]第2の実施の形態
(1)バッテリシステムの構成
第2の実施の形態に係るバッテリシステム500について、第1の実施の形態に係るバッテリシステム500と異なる点を説明する。図6は、第2の実施の形態に係るバッテリシステム500の構成を示すブロック図である。
図6に示すように、バッテリモジュール100aの状態検出部30aは、対応するバッテリセル群BLaの複数のバッテリセル10の端子電圧の異常の有無を検出し、その検出結果を示す検出信号DT1を発生する。バッテリモジュール100aの状態検出部30aにより発生される検出信号DT1は、接続線Q1を介して対応する演算処理装置40aに与えられるとともに、信号線P1を介してバッテリモジュール100bの演算処理装置40bに与えられる。
バッテリモジュール100bの状態検出部30bは、対応するバッテリセル群BLbの複数のバッテリセル10の端子電圧の異常の有無を検出し、その検出結果を示す検出信号DT2を発生する。バッテリモジュール100bの状態検出部30bにより発生される検出信号DT2は、接続線Q2を介して対応する演算処理装置40bに与えられるとともに、信号線P2を介してバッテリECU510に与えられる。
この場合、バッテリモジュール100aのプリント回路基板110(図3および図4参照)のコネクタCNcとバッテリモジュール100bのプリント回路基板110(図3および図4参照)のコネクタCNbとが信号線P1により接続される。また、バッテリモジュール100bのプリント回路基板110のコネクタCNcとバッテリECU510とが信号線P2により接続される。バッテリモジュール100aのプリント回路基板110にはコネクタCNbが設けられなくてもよい。
(2)バッテリシステムの動作および効果
バッテリモジュール100aにおいて、状態検出部30aにより発生された検出信号DT1は、接続線Q1を通して対応する演算処理装置40aに与えられるとともに、信号線P1を通してバッテリモジュール100bの演算処理装置40bに与えられる。バッテリモジュール100bにおいて、状態検出部30bにより発生された検出信号DT2は、接続線Q2を通して対応する演算処理装置40bに与えられるとともに、信号線P2を通してバッテリECU510に与えられる。
バッテリモジュール100aにおいて、演算処理装置40aは、対応する状態検出部30aにより与えられた検出信号DT1を通信ドライバ60aおよびバスBSを通してバッテリECU510に与える。バッテリモジュール100bにおいて、演算処理装置40bは、対応する状態検出部30bにより与えられた検出信号DT2およびバッテリモジュール100aの状態検出部30aにより与えられた検出信号DT1を通信ドライバ60bおよびバスBSを通してバッテリECU510に与える。
すなわち、状態検出部30aにより発生される検出信号DT1は、第2の通信経路である接続線Q1を通して演算処理装置40aに伝達されるとともに、第1の通信経路である信号線P1を通して演算処理装置40bに伝達される。状態検出部30bにより発生される検出信号DT2は、第5の通信経路である接続線Q2を通して演算処理装置40bに伝達されるとともに、第7の通信経路である信号線P2を通して外部であるバッテリECU510に伝達される。
上記の構成によれば、バッテリモジュール100aの演算処理装置40aもしくは通信ドライバ60aが故障した場合または接続線Q1に不具合が発生した場合でも、バッテリモジュール100aの状態検出部30aから信号線P1、バッテリモジュール100bの演算処理装置40bおよび通信ドライバ60bならびにバスBSを通して検出信号DT1をバッテリECU510に送信することができる。また、バッテリモジュール100bの演算処理装置40bもしくは通信ドライバ60bが故障した場合または接続線Q2に不具合が発生した場合でも、バッテリモジュール100bの状態検出部30bから信号線P2を通して検出信号DT2をバッテリECU510に送信することができる。そのため、バッテリシステム500に追加の通信回路を設けることなくバッテリセル群BLa,BLbの端子電圧の異常を確実にバッテリECU510に通知することが可能となる。その結果、バッテリシステム500のコストの増加を抑制しつつバッテリシステム500の信頼性を向上させることができる。
[3]第3の実施の形態
(1)バッテリシステムの構成
第3の実施の形態に係るバッテリシステム500について、第1の実施の形態に係るバッテリシステム500と異なる点を説明する。図7は、第3の実施の形態に係るバッテリシステム500の構成を示すブロック図である。
図7に示すように、バッテリモジュール100aの状態検出部30aは、対応するバッテリセル群BLaの複数のバッテリセル10の端子電圧の異常の有無を検出し、その検出結果を示す検出信号DT1を発生する。バッテリモジュール100aの状態検出部30aにより発生される検出信号DT1は、接続線Q1を介して対応する演算処理装置40aに与えられるとともに、信号線P1を介してバッテリモジュール100bの状態検出部30bに与えられる。
バッテリモジュール100bの状態検出部30bは、対応するバッテリセル群BLbの複数のバッテリセル10の端子電圧の異常の有無を検出し、その検出結果およびバッテリモジュール100aの状態検出部30aから与えられる検出信号DT1に基づいて検出信号DT2を発生する。バッテリモジュール100bの状態検出部30bにより発生される検出信号DT2は、接続線Q2を介して対応する演算処理装置40bに与えられるとともに、信号線P2を介してバッテリECU510に与えられる。
この場合、バッテリモジュール100aのプリント回路基板110(図3および図4参照)のコネクタCNcとバッテリモジュール100bのプリント回路基板110(図3および図4参照)のコネクタCNdとが信号線P1により接続される。また、バッテリモジュール100bのプリント回路基板110のコネクタCNcとバッテリECU510とが信号線P2により接続される。バッテリモジュール100aのプリント回路基板110にはコネクタCNb,CNdおよび絶縁素子DIc(図3および図4参照)が設けられなくてもよい。
(2)バッテリシステムの動作および効果
バッテリモジュール100aにおいて、状態検出部30aにより発生された検出信号DT1は、接続線Q1を通して対応する演算処理装置40aに与えられるとともに、信号線P1を通してバッテリモジュール100bの状態検出部30bに与えられる。
バッテリモジュール100bの状態検出部30bの受信回路38a(図2参照)は、コネクタCNdに与えられた検出信号DT1を検出信号出力回路37に与える。検出信号出力回路37は、対応するバッテリセル群BLの端子電圧が異常であると判定した場合または受信回路38aにより与えられる検出信号DT1が“H”レベル(異常)である場合に、異常を示す例えば“H”レベルの検出信号DT2を発生する。検出信号出力回路37は、対応するバッテリセル群BLの端子電圧が正常であると判定しかつ受信回路38aにより与えられる検出信号DT1が“L”レベル(正常)である場合に、正常を示す例えば“L”レベルの検出信号DT2を発生する。送信回路38bは、検出信号出力回路37により発生される検出信号DT2を出力する。このようにして、バッテリモジュール100bにおいて、状態検出部30bにより発生された検出信号DT2は、接続線Q2を通して対応する演算処理装置40bに与えられるとともに、信号線P2を通してバッテリECU510に与えられる。すなわち、バッテリモジュール100aのバッテリセル群BLaの端子電圧が異常である場合、異常を示す検出信号DT1が検出信号DT2としてバッテリモジュール100bの状態検出部30bからバッテリモジュール100bの演算処理装置40bおよびバッテリECU510に与えられる。
バッテリモジュール100aにおいて、演算処理装置40aは、対応する状態検出部30aにより与えられた検出信号DT1を通信ドライバ60aおよびバスBSを通してバッテリECU510に与える。バッテリモジュール100bにおいて、演算処理装置40bは、対応する状態検出部30bにより与えられた検出信号DT2を通信ドライバ60bおよびバスBSを通してバッテリECU510に与える。
すなわち、状態検出部30aにより発生される検出信号DT1は、第2の通信経路である接続線Q1を通して演算処理装置40aに伝達されるとともに、第3の通信経路である信号線P1を通して状態検出部30bに伝達される。状態検出部30bにより発生される検出信号DT2は、第5の通信経路である接続線Q2を通して演算処理装置40bに伝達されるとともに、第7の通信経路である信号線P2を通してバッテリECU510に伝達される。
上記の構成によれば、バッテリモジュール100aの演算処理装置40aもしくは通信ドライバ60aが故障した場合または接続線Q1に不具合が発生した場合でも、バッテリモジュール100aの状態検出部30aから信号線P1、バッテリモジュール100bの状態検出部30b、演算処理装置40bおよび通信ドライバ60bならびにバスBSを通して検出信号DT1を検出信号DT2としてバッテリECU510に送信することができる。また、バッテリモジュール100aの状態検出部30aから信号線P1、バッテリモジュール100bの状態検出部30bおよび信号線P2を通して検出信号DT1を検出信号DT2としてバッテリECU510に送信することができる。
さらに、バッテリモジュール100bの演算処理装置40bもしくは通信ドライバ60bが故障した場合または接続線Q2に不具合が発生した場合でも、バッテリモジュール100bの状態検出部30bから信号線P2を通して検出信号DT2をバッテリECU510に送信することができる。そのため、バッテリシステム500に追加の通信回路を設けることなくバッテリセル群BLa,BLbの端子電圧の異常を確実にバッテリECU510に通知することが可能となる。
上記の構成では、バッテリモジュール100aの演算処理装置40aおよび通信ドライバ60aならびにバッテリモジュール100bの演算処理装置40bおよび通信ドライバ60bが故障しかつ接続線Q1,Q2に不具合が発生した場合でもバッテリセル群BLa,BLbの端子電圧の異常を確実にバッテリECU510に通知することが可能であるため、バッテリシステム500のコストの増加を抑制しつつバッテリシステム500の信頼性をより向上させることができる。
[4]第4の実施の形態
(1)バッテリシステムの構成
第4の実施の形態に係るバッテリシステム500について、第3の実施の形態に係るバッテリシステム500と異なる点を説明する。図8は、第4の実施の形態に係るバッテリシステム500の構成を示すブロック図である。
図8に示すように、バッテリモジュール100aの状態検出部30aは、対応するバッテリセル群BLaの複数のバッテリセル10の端子電圧の異常の有無を検出し、その検出結果を示す検出信号DT1を発生する。バッテリモジュール100aの状態検出部30aにより発生される検出信号DT1は、接続線Q1を介して対応する演算処理装置40aに与えられるとともに、信号線P1を介してバッテリモジュール100bの状態検出部30bに与えられる。また、バッテリモジュール100aの状態検出部30aにより発生される検出信号DT1は信号線P3を介してバッテリモジュール100bの演算処理装置40bに与えられる。
バッテリモジュール100bの状態検出部30bは、対応するバッテリセル群BLbの複数のバッテリセル10の端子電圧の異常の有無を検出し、その検出結果およびバッテリモジュール100aの状態検出部30aから与えられる検出信号DT1に基づいて検出信号DT2を発生する。バッテリモジュール100bの状態検出部30bにより発生される検出信号DT2は、接続線Q2を介して対応する演算処理装置40bに与えられるとともに、信号線P2を介してバッテリECU510に与えられる。
この場合、バッテリモジュール100aのプリント回路基板110(図3および図4参照)のコネクタCNcとバッテリモジュール100bのプリント回路基板110(図3および図4参照)のコネクタCNdとが信号線P1により接続される。また、バッテリモジュール100aのプリント回路基板110のコネクタCNcとバッテリモジュール100bのプリント回路基板110のコネクタCNbとが信号線P3により接続される。さらに、バッテリモジュール100bのプリント回路基板110のコネクタCNcとバッテリECU510とが信号線P2により接続される。バッテリモジュール100aのプリント回路基板110にはコネクタCNb,CNdおよび絶縁素子DIc(図3および図4参照)が設けられなくてもよい。
(2)バッテリシステムの動作および効果
バッテリモジュール100aにおいて、状態検出部30aにより発生された検出信号DT1は、接続線Q1を通して対応する演算処理装置40aに与えられるとともに、信号線P1を通してバッテリモジュール100bの状態検出部30bに与えられる。また、状態検出部30aにより発生された検出信号DT1は、信号線P3を通してバッテリモジュール100bの演算処理装置40bに与えられる。バッテリモジュール100bにおいて、状態検出部30bにより発生された検出信号DT2は、接続線Q2を通して対応する演算処理装置40bに与えられるとともに、信号線P2を通してバッテリECU510に与えられる。すなわち、バッテリモジュール100aのバッテリセル群BLaの端子電圧が異常である場合、異常を示す検出信号DT1が検出信号DT2としてバッテリモジュール100bの状態検出部30bからバッテリモジュール100bの演算処理装置40bおよびバッテリECU510に与えられる。
バッテリモジュール100aにおいて、演算処理装置40aは、対応する状態検出部30aにより与えられた検出信号DT1を通信ドライバ60aおよびバスBSを通してバッテリECU510に与える。バッテリモジュール100bにおいて、演算処理装置40bは、対応する状態検出部30bにより与えられた検出信号DT2およびバッテリモジュール100aの状態検出部30aにより与えられた検出信号DT1を通信ドライバ60bおよびバスBSを通してバッテリECU510に与える。
すなわち、状態検出部30aにより発生される検出信号DT1は、第2の通信経路である接続線Q1を通して演算処理装置40aに伝達されるとともに、第1の通信経路である信号線P1を通して演算処理装置40bに伝達され、第3の通信経路である信号線P3を通して状態検出部30bに伝達される。状態検出部30bにより発生される検出信号DT2は、第5の通信経路である接続線Q2を通して演算処理装置40bに伝達されるとともに、第7の通信経路である信号線P2を通してバッテリECU510に伝達される。
上記の構成によれば、バッテリモジュール100aの演算処理装置40aもしくは通信ドライバ60aが故障した場合または接続線Q1に不具合が発生した場合でも、バッテリモジュール100aの状態検出部30aから信号線P1、バッテリモジュール100bの状態検出部30b、演算処理装置40bおよび通信ドライバ60bならびにバスBSを通して検出信号DT1を検出信号DT2としてバッテリECU510に送信することができる。また、バッテリモジュール100aの状態検出部30aから信号線P1、バッテリモジュール100bの状態検出部30bおよび信号線P2を通して検出信号DT1を検出信号DT2としてバッテリECU510に送信することができる。さらに、バッテリモジュール100aの状態検出部30aから信号線P3、バッテリモジュール100bの演算処理装置40bおよび通信ドライバ60bならびにバスBSを通して検出信号DT1をバッテリECU510に送信することができる。
また、バッテリモジュール100bの演算処理装置40bもしくは通信ドライバ60bが故障した場合または接続線Q2に不具合が発生した場合でも、バッテリモジュール100bの状態検出部30bから信号線P2を通して検出信号DT2をバッテリECU510に送信することができる。そのため、バッテリシステム500に追加の通信回路を設けることなくバッテリセル群BLa,BLbの端子電圧の異常を確実にバッテリECU510に通知することが可能となる。
上記の構成では、バッテリモジュール100aの演算処理装置40aおよび通信ドライバ60aならびにバッテリモジュール100bの演算処理装置40bおよび通信ドライバ60bが故障しかつ接続線Q1,Q2に不具合が発生した場合でもバッテリセル群BLa,BLbの端子電圧の異常を確実にバッテリECU510に通知することが可能であるため、バッテリシステム500のコストの増加を抑制しつつバッテリシステム500の信頼性をより向上させることができる。
[5]バッテリモジュール
バッテリモジュール100の構造について説明する。図9は、バッテリモジュール100の一例を示す外観斜視図である。なお、図9においては、矢印X,Y,Zで示すように、互いに直交する三方向をX方向、Y方向およびZ方向と定義する。なお、本例では、X方向およびY方向が水平面に平行な方向であり、Z方向が水平面に直交する方向である。また、上方向は矢印Zが向く方向である。
図9に示すように、バッテリモジュール100においては、扁平な略直方体形状を有する複数のバッテリセル10がX方向に並ぶように配置される。略板形状を有する一対の端面枠EPがYZ平面に平行に配置される。一対の上端枠FR1および一対の下端枠FR2は、X方向に延びるように配置される。一対の端面枠EPの四隅には、一対の上端枠FR1および一対の下端枠FR2を接続するための接続部が形成される。一対の端面枠EPの間に複数のバッテリセル10が配置された状態で、一対の端面枠EPの上側の接続部に一対の上端枠FR1が取り付けられ、一対の端面枠EPの下側の接続部に一対の下端枠FR2が取り付けられる。これにより、複数のバッテリセル10が、一対の端面枠EP、一対の上端枠FR1および一対の下端枠FR2により一体的に固定される。複数のバッテリセル10、一対の端面枠EP、一対の上端枠FR1および一対の下端枠FR2により略直方体形状のバッテリブロックBLKが構成される。バッテリブロックBLKは図1のバッテリセル群BLを含む。
一方の端面枠EPには、プリント回路基板110が取り付けられる。バッテリブロックBLKの側面には、バッテリモジュール100の温度を検出する複数のサーミスタTHが取り付けられる。
ここで、各バッテリセル10は、Y方向に沿って並ぶようにバッテリブロックBLKの上面にプラス電極10aおよびマイナス電極10bを有する。バッテリモジュール100において、各バッテリセル10は、隣接するバッテリセル10間でY方向におけるプラス電極10aおよびマイナス電極10bの位置関係が互いに逆になるように配置される。また、複数のバッテリセル10の一方の電極10a,10bがX方向に沿って一列に並び、複数のバッテリセル10の他方の電極10a,10bがX方向に沿って一列に並ぶ。
それにより、隣接する2個のバッテリセル10間では、一方のバッテリセル10のプラス電極10aと他方のバッテリセル10のマイナス電極10bとが近接し、一方のバッテリセル10のマイナス電極10bと他方のバッテリセル10のプラス電極10aとが近接する。この状態で、近接する2個の電極10a,10bに、例えば銅からなるバスバーBBが取り付けられる。これにより、複数のバッテリセル10が直列接続される。
Y方向における複数のバッテリセル10の一端部側には、X方向に延びる長尺状のフレキシブルプリント回路基板(以下、FPC基板と略記する。)120が複数のバスバーBBに共通して接続される。同様に、Y方向における複数のバッテリセル10の他端部側には、X方向に延びる長尺状のFPC基板120が複数のバスバーBBに共通して接続される。
FPC基板120は、主として絶縁層上に後述する図2の複数の導体線W1が形成された構成を有し、屈曲性および可撓性を有する。FPC基板120を構成する絶縁層の材料としては例えばポリイミドが用いられ、導体線W1の材料としては例えば銅が用いられる。各FPC基板120は、バッテリセル群BLの一方の端面枠EPの上端部分で内側に向かって直角に折り返され、さらに下方に向かって折り返され、プリント回路基板110に接続される。これにより、図1の電圧検出部20、状態検出部30および均等化回路70がバッテリセル10のプラス電極10aおよびマイナス電極10bに接続される。
[6]電動車両
(1)構成および動作
電動車両について説明する。電動車両は上記の実施の形態に係るバッテリシステム500を備える。なお、以下では、電動車両の一例として電動自動車を説明する。
図10は、バッテリシステム500を備える電動自動車の構成を示すブロック図である。図10に示すように、電動自動車600は車体610を備える。車体610に、図1のバッテリシステム500ならびに非動力用バッテリBAT、電力変換部601、モータ602、駆動輪603、アクセル装置604、ブレーキ装置605、回転速度センサ606および主制御部300が設けられる。モータ602が交流(AC)モータである場合には、電力変換部601はインバータ回路を含む。バッテリシステム500には、図1のバッテリECU510が含まれている。
バッテリシステム500は、電力変換部601を介してモータ602に接続されるとともに、主制御部300に接続される。
主制御部300には、バッテリシステム500のバッテリECU510からバッテリモジュール100(図1参照)の充電量が与えられる。また、主制御部300には、アクセル装置604、ブレーキ装置605および回転速度センサ606が接続される。主制御部300は、例えばCPUおよびメモリ、またはマイクロコンピュータからなる。
アクセル装置604は、電動自動車600が備えるアクセルペダル604aと、アクセルペダル604aの操作量(踏み込み量)を検出するアクセル検出部604bとを含む。ユーザによりアクセルペダル604aが操作されると、アクセル検出部604bは、ユーザにより操作されていない状態を基準としてアクセルペダル604aの操作量を検出する。検出されたアクセルペダル604aの操作量が主制御部300に与えられる。
ブレーキ装置605は、電動自動車600が備えるブレーキペダル605aと、ユーザによるブレーキペダル605aの操作量(踏み込み量)を検出するブレーキ検出部605bとを含む。ユーザによりブレーキペダル605aが操作されると、ブレーキ検出部605bによりその操作量が検出される。検出されたブレーキペダル605aの操作量が主制御部300に与えられる。回転速度センサ606は、モータ602の回転速度を検出する。検出された回転速度は、主制御部300に与えられる。
上記のように、主制御部300には、バッテリモジュール100の充電量、アクセルペダル604aの操作量、ブレーキペダル605aの操作量およびモータ602の回転速度が与えられる。主制御部300は、これらの情報に基づいてバッテリモジュール100の充放電制御および電力変換部601の電力変換制御を行う。例えば、アクセル操作に基づく電動自動車600の発進時および加速時には、バッテリシステム500から電力変換部601にバッテリモジュール100の電力が供給される。
また、主制御部300は、与えられたアクセルペダル604aの操作量に基づいて、駆動輪603に伝達すべき回転力(指令トルク)を算出し、その指令トルクに基づく制御信号を電力変換部601に与える。
上記の制御信号を受けた電力変換部601は、バッテリシステム500から供給された電力を、駆動輪603を駆動するために必要な電力(駆動電力)に変換する。これにより、電力変換部601により変換された駆動電力がモータ602に供給され、その駆動電力に基づくモータ602の回転力が駆動輪603に伝達される。
一方、ブレーキ操作に基づく電動自動車600の減速時には、モータ602は発電装置として機能する。この場合、電力変換部601は、モータ602により発生された回生電力を複数のバッテリセル10の充電に適した電力に変換し、複数のバッテリセル10に与える。それにより、複数のバッテリセル10が充電される。
(2)効果
バッテリシステム500からの電力によりモータ602が駆動される。そのモータ602の回転力によって駆動輪603が回転することにより、電動車両である電動自動車600が移動する。
電動自動車600においては、上記の実施の形態に係るバッテリシステム500が設けられるので、電動自動車600のコストの増加を抑制しつつ電動自動車600の信頼性を向上させることができる。
なお、主制御部300は、バッテリECU510の機能を有していてもよい。この場合、主制御部300は、バスBSを通して各バッテリシステム500に含まれる各バッテリモジュール100a,100bの通信ドライバ60a,60b(図1参照)に接続される。また、第2〜4の実施の形態においては、主制御部300は、信号線P2を通して各バッテリシステム500に含まれるバッテリモジュール100bの状態検出部30b(図1参照)にさらに接続される。なお、主制御部300がバッテリECU510の機能を有する場合には、各バッテリシステム500には、バッテリECU510が設けられなくてもよい。
(3)他の移動体
上記では、図1のバッテリシステム500が電動車両に搭載される例について説明したが、バッテリシステム500が船、航空機、エレベータまたは歩行ロボット等の他の移動体に搭載されてもよい。
バッテリシステム500が搭載された船は、例えば、図10の車体610の代わりに船体を備え、駆動輪603の代わりにスクリューを備え、アクセル装置604の代わりに加速入力部を備え、ブレーキ装置605の代わりに減速入力部を備える。運転者は、船体を加速させる際にアクセル装置604の代わりに加速入力部を操作し、船体を減速させる際にブレーキ装置605の代わりに減速入力部を操作する。この場合、船体が移動本体部に相当し、モータが動力源に相当し、スクリューが駆動部に相当する。このような構成において、モータがバッテリシステム500からの電力を受けてその電力を動力に変換し、その動力によってスクリューが回転されることにより船体が移動する。
同様に、バッテリシステム500が搭載された航空機は、例えば、図10の車体610の代わりに機体を備え、駆動輪603の代わりにプロペラを備え、アクセル装置604の代わりに加速入力部を備え、ブレーキ装置605の代わりに減速入力部を備える。この場合、機体が移動本体部に相当し、モータが動力源に相当し、プロペラが駆動部に相当する。このような構成において、モータがバッテリシステム500からの電力を受けてその電力を動力に変換し、その動力によってプロペラが回転されることにより機体が移動する。
バッテリシステム500が搭載されたエレベータは、例えば、図10の車体610の代わりに籠を備え、駆動輪603の代わりに籠に取り付けられる昇降用ロープを備え、アクセル装置604の代わりに加速入力部を備え、ブレーキ装置605の代わりに減速入力部を備える。この場合、籠が移動本体部に相当し、モータが動力源に相当し、昇降用ロープが駆動部に相当する。このような構成において、モータがバッテリシステム500からの電力を受けてその電力を動力に変換し、その動力によって昇降用ロープが巻き上げられることにより籠が昇降する。
バッテリシステム500が搭載された歩行ロボットは、例えば、図10の車体610の代わりに胴体を備え、駆動輪603の代わりに足を備え、アクセル装置604の代わりに加速入力部を備え、ブレーキ装置605の代わりに減速入力部を備える。この場合、胴体が移動本体部に相当し、モータが動力源に相当し、足が駆動部に相当する。このような構成において、モータがバッテリシステム500からの電力を受けてその電力を動力に変換し、その動力によって足が駆動されることにより胴体が移動する。
このように、バッテリシステム500からの電力が動力源により動力に変換され、その動力により移動本体部が移動する。バッテリシステム500が搭載された移動体においては、動力源がバッテリシステム500からの電力を受けてその電力を動力に変換し、駆動部が動力源により変換された動力により移動本体部を移動させる。
[7]電源装置
(1)構成および動作
電源装置について説明する。図11は、電源装置の構成を示すブロック図である。図11に示すように、電源装置700は、電力貯蔵装置710および電力変換装置720を備える。電力貯蔵装置710は、バッテリシステム群711およびコントローラ712を備える。バッテリシステム群711は複数のバッテリシステム500を含む。複数のバッテリシステム500は互いに並列に接続されてもよく、または互いに直列に接続されてもよい。
コントローラ712は、例えばCPUおよびメモリ、またはマイクロコンピュータからなる。コントローラ712は、各バッテリシステム500に含まれるバッテリECU510(図1参照)に接続される。コントローラ712は、各バッテリECU510から与えられた各バッテリセル10の充電量に基づいて電力変換装置720を制御する。コントローラ712は、バッテリシステム500のバッテリモジュール100の放電または充電に関する制御として、後述する制御を行う。
電力変換装置720は、DC/DC(直流/直流)コンバータ721およびDC/AC(直流/交流)インバータ722を含む。DC/DCコンバータ721は入出力端子721a,721bを有し、DC/ACインバータ722は入出力端子722a,722bを有する。DC/DCコンバータ721の入出力端子721aは電力貯蔵装置710のバッテリシステム群711に各バッテリシステム500のHVコネクタ530(図1参照)を介して接続される。
DC/DCコンバータ721の入出力端子721bおよびDC/ACインバータ722の入出力端子722aは互いに接続されるとともに電力出力部PU1に接続される。DC/ACインバータ722の入出力端子722bは電力出力部PU2に接続されるとともに他の電力系統に接続される。
電力出力部PU1,PU2は例えばコンセントを含む。電力出力部PU1,PU2には、例えば種々の負荷が接続される。他の電力系統は、例えば商用電源または太陽電池を含む。電力出力部PU1,PU2および他の電力系統が電源装置に接続される外部の例である。なお、電力系統として太陽電池を用いる場合、DC/DCコンバータ721の入出力端子721bに太陽電池が接続される。一方、電力系統として太陽電池を含む太陽光発電システムを用いる場合、DC/ACインバータ722の入出力端子722bに太陽光発電システムのパワーコンディショナのAC出力部が接続される。
DC/DCコンバータ721およびDC/ACインバータ722がコントローラ712によって制御されることにより、バッテリシステム群711の放電および充電が行われる。バッテリシステム群711の放電時には、バッテリシステム群711から与えられる電力がDC/DCコンバータ721によりDC/DC(直流/直流)変換され、さらにDC/ACインバータ722によりDC/AC(直流/交流)変換される。
電源装置700が直流電源として用いられる場合、DC/DCコンバータ721によりDC/DC変換された電力が電力出力部PU1に供給される。電源装置700が交流電源として用いられる場合、DC/ACインバータ722によりDC/AC変換された電力が電力出力部PU2に供給される。また、DC/ACインバータ722により交流に変換された電力を他の電力系統に供給することもできる。
コントローラ712は、バッテリシステム群711のバッテリモジュール100の放電に関する制御の一例として、次の制御を行う。バッテリシステム群711の放電時に、コントローラ712は、算出された充電量に基づいてバッテリシステム群711の放電を停止するか否かまたは放電電流(または放電電力)を制限するか否かを判定し、判定結果に基づいて電力変換装置720を制御する。具体的には、バッテリシステム群711に含まれる複数のバッテリセル10(図1参照)のうちいずれかのバッテリセル10の充電量が予め定められたしきい値よりも小さくなると、コントローラ712は、バッテリシステム群711の放電が停止されまたは放電電流(または放電電力)が制限されるようにDC/DCコンバータ721およびDC/ACインバータ722を制御する。これにより、各バッテリセル10の過放電が防止される。
放電電流(または放電電力)の制限は、バッテリシステム群711の電圧が一定の基準電圧となるように制限されることにより行われる。また、基準電圧は、バッテリセル10の充電量に基づいて、コントローラ712により設定される。
一方、バッテリシステム群711の充電時には、他の電力系統から与えられる交流の電力がDC/ACインバータ722によりAC/DC(交流/直流)変換され、さらにDC/DCコンバータ721によりDC/DC(直流/直流)変換される。DC/DCコンバータ721からバッテリシステム群711に電力が与えられることにより、バッテリシステム群711に含まれる複数のバッテリセル10(図1参照)が充電される。
コントローラ712は、バッテリシステム群711のバッテリモジュール100の充電に関する制御の一例として、次の制御を行う。バッテリシステム群711の充電時に、コントローラ712は、算出された充電量に基づいてバッテリシステム群711の充電を停止するか否かまたは充電電流(または充電電力)を制限するか否かを判定し、判定結果に基づいて電力変換装置720を制御する。具体的には、バッテリシステム群711に含まれる複数のバッテリセル10(図1参照)のうちいずれかのバッテリセル10の充電量が予め定められたしきい値よりも大きくなると、コントローラ712は、バッテリシステム群711の充電が停止されまたは充電電流(または充電電力)が制限されるようにDC/DCコンバータ721およびDC/ACインバータ722を制御する。これにより、各バッテリセル10の過充電が防止される。
充電電流(または充電電力)の制限は、バッテリシステム群711の電圧が一定の基準電圧となるように制限されることにより行われる。また、基準電圧は、バッテリセル10の充電量に基づいて、コントローラ712により設定される。
なお、電源装置700と外部との間で互いに電力を供給可能であれば、電力変換装置720がDC/DCコンバータ721およびDC/ACインバータ722のうちいずれか一方のみを有してもよい。また、電源装置700と外部との間で互いに電力を供給可能であれば、電力変換装置720が設けられなくてもよい。
(2)効果
電力貯蔵装置710においては、システム制御部であるコントローラ712により、上記のバッテリシステム500のバッテリモジュール100a,100bの充電または放電に関する制御が行われる。それにより、バッテリモジュール100a,100bの劣化、過放電および過充電を防止することができる。
電源装置700においては、バッテリシステム500と外部との間で電力変換装置720により電力変換が行われる。電力変換装置720が電力貯蔵装置710のバッテリモジュール100a,100bの充電または放電に関する制御が行われる。具体的には、コントローラ712によりバッテリシステム群711と外部との間の電力の供給が制御される。それにより、バッテリシステム群711に含まれるバッテリモジュール100a,100bの各バッテリセル10の過放電および過充電が防止される。
電源装置700においては、上記の実施の形態に係るバッテリシステム500が設けられるので、電源装置700のコストの増加を抑制しつつ電源装置700の信頼性を向上させることができる。
コントローラ712は、バッテリセル群BLの端子電圧の異常を検出した場合、電力変換装置720を制御する。そのため、各バッテリシステム500には、図1のコンタクタ520が設けられなくてもよい。
コントローラ712は、バッテリECU510の機能を有していてもよい。この場合、コントローラ712は、バスBSを通して各バッテリシステム500に含まれる各バッテリモジュール100a,100bの通信ドライバ60a,60b(図1参照)に接続される。また、第2〜4の実施の形態においては、コントローラ712は、信号線P3を通して各バッテリシステム500に含まれるバッテリモジュール100bの状態検出部30b(図1参照)にさらに接続される。なお、コントローラ712がバッテリECU510の機能を有する場合には、各バッテリシステム500には、バッテリECU510が設けられなくてもよい。
[8]他の実施の形態
(1)上記実施の形態において、状態検出部30は、異常検出時に例えば“H”レベルの検出信号を発生し、正常検出時に例えば“L”レベルの検出信号を発生するがこれに限定されない。状態検出部30は、以下の検出信号を発生してもよい。
状態検出部30は、対応するバッテリセル群BLの少なくとも1つのバッテリセル10の端子電圧が上限電圧以上である場合(第1の異常検出時)に第1のデューティ比(例えば75%)を有する検出信号を発生する。状態検出部30は、対応するバッテリセル群BLの少なくとも1つのバッテリセル10の端子電圧が下限電圧以下である場合(第2の異常検出時)に第2のデューティ比(例えば25%)を有する検出信号を発生する。状態検出部30は、正常検出時に第3のデューティ比(例えば50%)を有する検出信号を発生する。
また、地絡が発生した場合、検出信号は“L”レベルになる。一方、天絡が発生した場合、検出信号は“H”レベルになる。なお、地絡とは状態検出部DTの信号線が断線するとともにグランド端子等に接触することにより、その信号線がグランド電位に保持される状態である。また、天絡とは、状態検出部DTの信号線が断線するとともに電源端子等に接触することにより、その信号線が電源電位に保持される状態である。したがって、状態検出部30、演算処理装置40およびバッテリECU510は、地絡が発生した場合には“L”レベルの検出信号を受け、天絡が発生した場合には“H”レベルの検出信号を受ける。
バッテリECU510は、上記の第1〜第3のデューティ比を有する検出信号ならびに“L”レベルおよび“H”レベルの検出信号を受けることにより、バッテリセル10の第1および第2の異常、正常、地絡ならびに天絡の発生を検出することができる。
(2)上記実施の形態において、状態検出部30は、バッテリセル群BLの充放電に関する異常状態および正常状態を検出し、異常または正常を示す検出信号を発生するが、これに限定されない。状態検出部30は、バッテリセル群BLの充放電に関する異常状態のみを検出し、異常のみを示す検出信号を発生してもよい。また、状態検出部30は、バッテリセル群BLの充放電に関する正常状態のみを検出し、正常のみを示す検出信号を発生してもよい。
(3)上記の実施の形態において、バッテリモジュール100は複数のバッテリセル10を含むが、これに限定されない。バッテリモジュール100は1個のバッテリセル10を含んでもよい。
(4)上記の実施の形態において、バッテリモジュール100aの状態検出部30aにより発生される検出信号DT1は、演算処理装置40aを通さずバッテリモジュール100bの状態検出部30bおよび演算処理装置40bの少なくとも一方に与えられるが、これに限定されない。バッテリモジュール100aの状態検出部30aにより発生される検出信号DT1は、演算処理装置40aを通してバッテリモジュール100bの状態検出部30bおよび演算処理装置40bの少なくとも一方に与えられてもよい。
同様に、バッテリモジュール100bの状態検出部30bにより発生される検出信号DT2は、演算処理装置40bを通してバッテリモジュール100aの状態検出部30aおよび演算処理装置40aの少なくとも一方に与えられてもよい。
図12は、第1の変形例に係るバッテリシステム500の構成を示すブロック図である。図12に示すように、バッテリモジュール100aの状態検出部30aにより発生される検出信号DT1は、接続線Q1を介して対応する演算処理装置40aに与えられるとともに、接続線Q1、演算処理装置40aおよび信号線P1を介してバッテリモジュール100bの演算処理装置40bに与えられる。
バッテリモジュール100bの状態検出部30bにより発生される検出信号DT2は、接続線Q2を介して対応する演算処理装置40bに与えられるとともに、接続線Q2、演算処理装置40bおよび信号線P2を介してバッテリモジュール100aの演算処理装置40aに与えられる。
すなわち、状態検出部30aにより発生される検出信号DT1は、第2の通信経路である接続線Q1を通して演算処理装置40aに伝達されるとともに、第1の通信経路である接続線Q1および信号線P1を通して演算処理装置40bに伝達される。状態検出部30bにより発生される検出信号DT2は、第5の通信経路である接続線Q2を通して演算処理装置40bに伝達されるとともに、第4の通信経路である接続線Q2および信号線P2を通して演算処理装置40aに伝達される。
バッテリモジュール100aの状態検出部30aにより発生される検出信号DT1は、接続線Q1、演算処理装置40aおよび信号線P1を介してバッテリモジュール100bの状態検出部30bに与えられてもよい。また、バッテリモジュール100aの状態検出部30aにより発生される検出信号DT1は、接続線Q1、演算処理装置40aおよび信号線P1を介してバッテリモジュール100bの演算処理装置40bに与えられ、さらに接続線Q1、演算処理装置40aおよび他の信号線を介してバッテリモジュール100bの演算処理装置40bに与えられてもよい。
バッテリモジュール100bの状態検出部30bにより発生される検出信号DT2は、接続線Q2、演算処理装置40bおよび信号線P2を介してバッテリモジュール100aの状態検出部30aに与えられてもよい。また、バッテリモジュール100bの状態検出部30bにより発生される検出信号DT2は、接続線Q2、演算処理装置40bおよび信号線P2を介してバッテリモジュール100aの演算処理装置40aに与えられ、さらに接続線Q2、演算処理装置40bおよび他の信号線を介してバッテリモジュール100aの演算処理装置40aに与えられてもよい。
演算処理装置40a,40bは、CAN、UART(Universal Asynchronous Receiver Transmitter)、I2C(Inter-Integrated Circuit)、LIN(Local Interconnect Network)およびイーサネット(登録商標)等の規格に従う複数の通信端子を有する。したがって、演算処理装置40a,40bは、複数の通信機器と容易に接続される。
そのため、バッテリモジュール100aの状態検出部30aは、演算処理装置40aの複数の通信端子を通して検出信号DT1をバッテリモジュール100bの状態検出部30bおよび演算処理装置40bに容易に与えることができる。同様に、バッテリモジュール100bの状態検出部30bは、演算処理装置40bの複数の通信端子を通して検出信号DT2をバッテリモジュール100aの状態検出部30aおよび演算処理装置40aに容易に与えることができる。
(5)上記の実施の形態において、バッテリシステム500は2個のバッテリモジュール100a,100bを含むが、これに限定されない。バッテリシステム500は3個以上のバッテリモジュール100を含んでもよい。
図13は、第2の変形例に係るバッテリシステム500の構成を示すブロック図である。図13に示すように、バッテリシステム500は、第1のバッテリモジュールであるバッテリモジュール100aおよび第2のバッテリモジュールであるバッテリモジュール100bに加えて1番目の第3のバッテリモジュールであるバッテリモジュール100cをさらに含む。すなわち、このバッテリシステム500は、第1のバッテリモジュール、第2のバッテリモジュールおよびN個の第3のバッテリモジュールを含む。第2の変形例では、Nは1である。
バッテリモジュール100cの構成は、バッテリモジュール100a,100bの構成と同様である。バッテリモジュール100cのバッテリセル群BL、電圧検出部20、状態検出部30、演算処理装置40および通信ドライバ60をそれぞれバッテリセル群BLc、電圧検出部20c、状態検出部30c、演算処理装置40cおよび通信ドライバ60cと呼ぶ。なお、図13においては、図1のコンタクタ520、HVコネクタ530およびサービスプラグ540の図示を省略している。
バッテリモジュール100aの状態検出部30aは、対応するバッテリセル群BLaの複数のバッテリセル10の端子電圧の異常の有無を検出し、その検出結果を示す検出信号DT1を発生する。バッテリモジュール100aの状態検出部30aにより発生される検出信号DT1は、接続線Q1を介して対応する演算処理装置40aに与えられるとともに、信号線P1を介してバッテリモジュール100bの演算処理装置40bに与えられる。
バッテリモジュール100bの状態検出部30bは、対応するバッテリセル群BLbの複数のバッテリセル10の端子電圧の異常の有無を検出し、その検出結果を示す検出信号DT2を発生する。バッテリモジュール100bの状態検出部30bにより発生される検出信号DT2は、接続線Q2を介して対応する演算処理装置40bに与えられるとともに、信号線P2を介してバッテリモジュール100cの演算処理装置40cに与えられる。
バッテリモジュール100cの状態検出部30cは、対応するバッテリセル群BLcの複数のバッテリセル10の端子電圧の異常の有無を検出し、その検出結果を示す検出信号DT3を発生する。バッテリモジュール100cの状態検出部30cにより発生される検出信号DT3は、接続線Q3を介して対応する演算処理装置40aに与えられるとともに、信号線P5を介してバッテリモジュール100aの演算処理装置40aに与えられる。
すなわち、第3の状態検出部である状態検出部30cが第3のバッテリモジュールであるバッテリモジュール100cの第3のバッテリセル群であるバッテリセル群BLcの充放電に関する異常状態を検出すると、第3の検出信号である検出信号DT3を発生する。
状態検出部30aにより発生される検出信号DT1は、第2の通信経路である接続線Q1を通して演算処理装置40aに伝達されるとともに、第1の通信経路である信号線P1を通して演算処理装置40bに伝達される。状態検出部30bにより発生される検出信号DT2は、第5の通信経路である接続線Q2を通して演算処理装置40bに伝達されるとともに、第8の通信経路である信号線P2を通して演算処理装置40cに伝達される。
なお、バッテリモジュール100cの状態検出部30cにより発生される検出信号DT3が、信号線P5を介してバッテリモジュール100aの演算処理装置40aに与えられず、信号線P5を介してバッテリECU510に与えられてもよい。
この場合、バッテリモジュール100aのプリント回路基板110(図3および図4参照)のコネクタCNcとバッテリモジュール100bのプリント回路基板110(図3および図4参照)のコネクタCNbとが信号線P1により接続される。また、バッテリモジュール100bのプリント回路基板110のコネクタCNcとバッテリモジュール100cのプリント回路基板110(図3および図4参照)のコネクタCNbとが信号線P2により接続される。さらに、バッテリモジュール100cのプリント回路基板110のコネクタCNcとバッテリモジュール100aのプリント回路基板110のコネクタCNbとが信号線P5により接続される。
なお、バッテリモジュール100cの状態検出部30cにより発生される検出信号DT3が、信号線P5を介してバッテリECU510に与えられる場合には、バッテリモジュール100cのプリント回路基板110のコネクタCNcとバッテリECU510とが信号線P5により接続される。この場合、バッテリモジュール100aのプリント回路基板110にはコネクタCNbが設けられなくてもよい。
第2の変形例においては、バッテリモジュール100aの状態検出部30aにより発生される検出信号DT1は、演算処理装置40aを通してバッテリモジュール100bの状態検出部30bおよび演算処理装置40bの少なくとも一方に与えられてもよい。バッテリモジュール100bの状態検出部30bにより発生される検出信号DT2は、演算処理装置40bを通してバッテリモジュール100cの状態検出部30cおよび演算処理装置40cの少なくとも一方に与えられてもよい。バッテリモジュール100cの状態検出部30cにより発生される検出信号DT3は、演算処理装置40cを通してバッテリモジュール100aの状態検出部30aおよび演算処理装置40aの少なくとも一方に与えられてもよい。
図14は、第2の変形例の他の例におけるバッテリシステム500の構成を示すブロック図である。図14においては、各バッテリモジュール100a〜100cのバッテリセル10、電圧検出部20、通信ドライバ60および均等化回路70の図示を省略している。また、図1のバッテリECU510、コンタクタ520、HVコネクタ530およびサービスプラグ540の図示を省略している。
バッテリモジュール100aの状態検出部30aにより発生される検出信号DT1は、信号線P1を介してバッテリモジュール100bの演算処理装置40bに与えられるとともに、信号線P1’を介してバッテリモジュール100cの演算処理装置40cにさらに与えられる。
バッテリモジュール100bの状態検出部30bにより発生される検出信号DT2は、信号線P2を介してバッテリモジュール100cの演算処理装置40cに与えられるとともに、信号線P2’を介してバッテリモジュール100aの演算処理装置40aにさらに与えられる。
バッテリモジュール100cの状態検出部30cにより発生される検出信号DT3は、信号線P5を介してバッテリモジュール100aの演算処理装置40aに与えられるとともに、信号線P5’を介してバッテリモジュール100bの演算処理装置40bにさらに与えられる。
図15は、第3の変形例に係るバッテリシステム500の構成を示すブロック図である。図15に示すように、バッテリシステム500は、第1のバッテリモジュールであるバッテリモジュール100a、第2のバッテリモジュールであるバッテリモジュール100b、1番目の第3のバッテリモジュールであるバッテリモジュール100cおよびN番目のバッテリモジュールであるバッテリモジュール100dを含む。すなわち、このバッテリシステム500は、第1のバッテリモジュール、第2のバッテリモジュールおよびN個のバッテリモジュールを含む。第3の変形例では、Nは2である。
バッテリモジュール100dの構成は、バッテリモジュール100a〜100cの構成と同様である。バッテリモジュール100dのバッテリセル群BL、状態検出部30および演算処理装置40をそれぞれバッテリセル群BLd、状態検出部30dおよび演算処理装置40dと呼ぶ。図15においては、各バッテリモジュール100a〜100dのバッテリセル10、電圧検出部20、通信ドライバ60および均等化回路70の図示を省略している。また、図1のバッテリECU510、コンタクタ520、HVコネクタ530およびサービスプラグ540の図示を省略している。
バッテリモジュール100aの状態検出部30aは、対応するバッテリセル群BLaの複数のバッテリセル10の端子電圧の異常の有無を検出し、その検出結果を示す検出信号DT1を発生する。バッテリモジュール100aの状態検出部30aにより発生される検出信号DT1は、接続線Q1を介して対応する演算処理装置40aに与えられるとともに、第1の通信経路である信号線P1を介してバッテリモジュール100bの演算処理装置40bに与えられる。バッテリモジュール100aの状態検出部30aにより発生される検出信号DT1は、バッテリモジュール100bの演算処理装置40bに与えられずに一点鎖線で示すように状態検出部30bに与えられてもよい。
バッテリモジュール100bの状態検出部30bは、対応するバッテリセル群BLbの複数のバッテリセル10の端子電圧の異常の有無を検出し、その検出結果を示す検出信号DT2を発生する。バッテリモジュール100bの状態検出部30bにより発生される検出信号DT2は、接続線Q2を介して対応する演算処理装置40bに与えられるとともに、第8の通信経路である信号線P2を介してバッテリモジュール100cの演算処理装置40cに与えられる。バッテリモジュール100bの状態検出部30bにより発生される検出信号DT2は、バッテリモジュール100cの演算処理装置40cに与えられずに一点鎖線で示すように状態検出部30cに与えられてもよい。
バッテリモジュール100cの状態検出部30cは、対応するバッテリセル群BLcの複数のバッテリセル10の端子電圧の異常の有無を検出し、その検出結果を示す検出信号DT3を発生する。バッテリモジュール100cの状態検出部30cにより発生される検出信号DT3は、接続線Q31を介して対応する演算処理装置40cに与えられるとともに、1番目の第9の通信経路である信号線P51を介してバッテリモジュール100dの演算処理装置40dに与えられる。バッテリモジュール100cの状態検出部30cにより発生される検出信号DT3は、バッテリモジュール100dの演算処理装置40dに与えられずに一点鎖線で示すように状態検出部30dに与えられてもよい。
バッテリモジュール100dの状態検出部30dは、対応するバッテリセル群BLdの複数のバッテリセル10の端子電圧の異常の有無を検出し、その検出結果を示す検出信号DT4を発生する。バッテリモジュール100dの状態検出部30dにより発生される検出信号DT4は、接続線Q32を介して対応する演算処理装置40dに与えられるとともに、N番目(本例においては2番目)の第9の通信経路である信号線P52を介してバッテリモジュール100aの演算処理装置40aに与えられる。バッテリモジュール100dの状態検出部30dにより発生される検出信号DT4は、バッテリモジュール100aの演算処理装置40aに与えられずに一点鎖線で示すように状態検出部30aに与えられてもよい。
第3の変形例においては、バッテリモジュール100aの状態検出部30aにより発生される検出信号DT1は、演算処理装置40aすなわち第1の通信回路を通してバッテリモジュール100bの状態検出部30bおよび演算処理装置40bの少なくとも一方に与えられてもよい。バッテリモジュール100bの状態検出部30bにより発生される検出信号DT2は、演算処理装置40bすなわち第2の通信回路を通してバッテリモジュール100cの状態検出部30cおよび演算処理装置40cの少なくとも一方に与えられてもよい。バッテリモジュール100cの状態検出部30cにより発生される検出信号DT3は、演算処理装置40cすなわち1番目の第3の通信回路を通してバッテリモジュール100dの状態検出部30dおよび演算処理装置40dの少なくとも一方に与えられてもよい。バッテリモジュール100dの状態検出部30dにより発生される検出信号DT4は、演算処理装置40dすなわち2番目の第3の通信回路を通してバッテリモジュール100aの状態検出部30aおよび演算処理装置40aの少なくとも一方に与えられてもよい。
図16は、第3の変形例の他の例におけるバッテリシステム500の構成を示すブロック図である。図16においては、各バッテリモジュール100a〜100dのバッテリセル10、電圧検出部20、通信ドライバ60および均等化回路70の図示を省略している。また、図1のバッテリECU510、コンタクタ520、HVコネクタ530およびサービスプラグ540の図示を省略している。
バッテリモジュール100aの状態検出部30aにより発生される検出信号DT1は、信号線P1を介してバッテリモジュール100bの演算処理装置40bに与えられるとともに、信号線P1’を介してバッテリモジュール100dの演算処理装置40dにさらに与えられる。バッテリモジュール100aの状態検出部30aにより発生される検出信号DT1は、バッテリモジュール100dの演算処理装置40dに与えられずに二点鎖線で示すように状態検出部30dに与えられてもよい。
バッテリモジュール100bの状態検出部30bにより発生される検出信号DT2は、信号線P2を介してバッテリモジュール100cの演算処理装置40cに与えられるとともに、信号線P2’を介してバッテリモジュール100aの演算処理装置40aにさらに与えられる。バッテリモジュール100bの状態検出部30bにより発生される検出信号DT2は、バッテリモジュール100aの演算処理装置40aに与えられずに二点鎖線で示すように状態検出部30aに与えられてもよい。
バッテリモジュール100cの状態検出部30cにより発生される検出信号DT3は、信号線P51を介してバッテリモジュール100dの演算処理装置40dに与えられるとともに、信号線P51’を介してバッテリモジュール100bの演算処理装置40bにさらに与えられる。バッテリモジュール100cの状態検出部30cにより発生される検出信号DT3は、バッテリモジュール100bの演算処理装置40bに与えられずに二点鎖線で示すように状態検出部30bに与えられてもよい。
バッテリモジュール100dの状態検出部30dにより発生される検出信号DT4は、信号線P52を介してバッテリモジュール100aの演算処理装置40aに与えられるとともに、信号線P52’を介してバッテリモジュール100cの演算処理装置40cにさらに与えられる。バッテリモジュール100dの状態検出部30dにより発生される検出信号DT4は、バッテリモジュール100cの演算処理装置40cに与えられずに二点鎖線で示すように状態検出部30cに与えられてもよい。
このように、第2および第3の変形例に係るバッテリシステムは、第10の通信経路(信号線P1’)と、1番目からN番目までのN個(図14の例ではN=1、図16の例ではN=2)の第11の通信経路(図14の例では信号線P5’、図16の例では信号線P51’,P52’)とをさらに備える。第10の通信経路は、第1のバッテリモジュール(バッテリモジュール100a)の第1の状態検出部(状態検出部30a)により発生される第1の検出信号(検出信号DT1)をN番目の第3のバッテリモジュール(図14の例ではバッテリモジュール100c、図16の例ではバッテリモジュール100d)の第3の通信回路(図14の例では演算処理装置40c、図16の例では演算処理装置40d)および第3の状態検出部(図14の例では状態検出部30c、図16の例では状態検出部30d)の少なくとも一方に伝達するように設けられる。Nが1である場合(図14の例の場合)、1番目の第11通信経路(信号線P5’)は、1番目の第3のバッテリモジュール(バッテリモジュール100c)の第3の状態検出部(状態検出部30c)により発生される第3の検出信号(検出信号DT3)を第2のバッテリモジュール(バッテリモジュール100b)の第2の通信回路(演算処理装置40b)および第2の状態検出部(状態検出部30b)の少なくとも一方に伝達するように設けられる。Nが2以上である場合(図16の例の場合)、j番目(jは2からNの自然数)の第11の通信経路(信号線P52’)は、j番目の第3のバッテリモジュール(バッテリモジュール100d)の第3の状態検出部(状態検出部30d)により発生される第3の検出信号(検出信号DT4)を(j−1)番目の第3のバッテリモジュール(バッテリモジュール100c)の第3の通信回路(演算処理装置40c)および第3の状態検出部(状態検出部30c)の少なくとも一方に伝達するように設けられる。1番目の第11通信経路(信号線P51’)は、1番目の第3のバッテリモジュール(バッテリモジュール100c)の第3の状態検出部(状態検出部30c)により発生される第3の検出信号(検出信号DT3)を第2のバッテリモジュール(バッテリモジュール100b)の第2の通信回路(演算処理装置40b)および第2の状態検出部(状態検出部30b)の少なくとも一方に伝達するように設けられる。
また、第2および第3の変形例に係るバッテリシステムにおいて、第10の通信経路は、第1の検出信号を第1の通信回路を通して伝達してもよい。同様に、第11の通信経路は、第3の検出信号を第3の通信回路を通して伝達してもよい。
(6)上記実施の形態において、状態検出部30a,30bは、対応するバッテリセル群BLa,BLbの充放電に関する異常として複数のバッテリセル10の端子電圧の異常を検出するが、これに限定されない。状態検出部30a,30bは、対応するバッテリセル群BLa,BLbの充放電に関する異常として、バッテリセル群BLa,BLbに流れる電流、バッテリセル10のSOC(充電量)、過放電、過充電または温度の異常等を検出してもよい。
状態検出部30a,30bが対応するバッテリセル群BLa,BLbの充放電に関する異常として、バッテリセル群BLa,BLbに流れる電流の異常を検出する場合、バッテリモジュール100a,100bはバッテリセル群BLa,BLbに流れる電流を検出する電流検出部を有する。
(7)第1の実施の形態において、バッテリモジュール100bの状態検出部30bにより発生された検出信号DT2は、バッテリモジュール100aの演算処理装置40aに与えられるが、これに限定されない。
図17は、第4の変形例に係るバッテリシステム500の構成を示すブロック図である。図17に示すように、バッテリモジュール100bの状態検出部30bにより発生された検出信号DT2は、信号線P4を通してバッテリモジュール100aの状態検出部30aに与えられてもよい。この場合、バッテリモジュール100bのコネクタCNc(図3および図4参照)とバッテリモジュール100aのコネクタCNd(図3および図4参照)とが信号線P4により接続される。この構成によると、検出信号DT2は、検出信号DT1としてバッテリモジュール100bの状態検出部30bから信号線P4、バッテリモジュール100aの状態検出部30a、演算処理装置40aおよび通信ドライバ60aならびにバスBSを通してバッテリECU510に与えられる。
また、バッテリモジュール100aの状態検出部30aとバッテリECU510とが信号線P3により接続されていてもよい。この場合、バッテリモジュール100aのコネクタCNc(図3および図4参照)とバッテリECU510とが信号線P3により接続される。この構成によると、検出信号DT2は、バッテリモジュール100bの状態検出部30bから信号線P4、バッテリモジュール100aの状態検出部30aおよび信号線P3を通してバッテリECU510に与えられる。
すなわち、状態検出部30aにより発生される検出信号DT1は、第2の通信経路である接続線Q1を通して演算処理装置40aに伝達されるとともに、第1の通信経路である信号線P1を通して演算処理装置40bに伝達される。状態検出部30bにより発生される検出信号DT2は、第5の通信経路である接続線Q2を通して演算処理装置40bに伝達されるとともに、第4の通信経路である信号線P2を通して演算処理装置40aに伝達され、第6の通信経路である信号線P4を通して状態検出部30aに伝達される。
第4の変形例においては、バッテリモジュール100aの状態検出部30aにより発生される検出信号DT1は、演算処理装置40aを通してバッテリモジュール100bの演算処理装置40bに与えられてもよい。バッテリモジュール100bの状態検出部30bにより発生される検出信号DT2は、演算処理装置40bを通してバッテリモジュール100aの状態検出部30aおよび演算処理装置40aに与えられてもよい。
[9]請求項の各構成要素と実施の形態の各部との対応関係
以下、請求項の各構成要素と実施の形態の各部との対応の例について説明するが、本発明は下記の例に限定されない。
バッテリモジュール100aが第1のバッテリモジュールの例であり、バッテリモジュール100bが第2のバッテリモジュールの例であり、バッテリモジュール100cが1番目の第3のバッテリモジュールの例であり、バッテリモジュール100dが2番目の第3のバッテリモジュールの例である。バッテリセル10がバッテリセルの例であり、バッテリセル群BLaが第1のバッテリセル群の例であり、バッテリセル群BLbが第2のバッテリセル群の例であり、バッテリセル群BLc,BLdが第3のバッテリセル群の例である。検出信号DT1が第1の検出信号の例であり、検出信号DT2が第2の検出信号の例であり、検出信号DT3,DT4が第3の検出信号の例である。状態検出部30aが第1の状態検出部の例であり、状態検出部30bが第2の状態検出部の例であり、状態検出部30c,30dが第3の状態検出部の例である。演算処理装置40aが第1の通信回路の例であり、演算処理装置40bが第2の通信回路の例であり、演算処理装置40c,40dが第3の通信回路の例であり、バッテリシステム500がバッテリシステムの例である。
モータ602がモータの例であり、駆動輪603が駆動輪の例であり、電動自動車600が電動車両の例であり、車体610、船の船体、航空機の機体、エレベータの籠または歩行ロボットの胴体が移動本体部の例である。モータ602、駆動輪603、スクリュー、プロペラ、昇降用ロープの巻上モータまたは歩行ロボットの足が動力源の例であり、電動自動車600、船、航空機、エレベータまたは歩行ロボットが移動体の例である。コントローラ712がシステム制御部の例であり、電力貯蔵装置710が電力貯蔵装置の例であり、電源装置700が電源装置の例であり、電力変換装置720が電力変換装置の例である。
第1の実施の形態(図1参照)においては、信号線P1が第1の通信経路の例である。接続線Q1が第1の通信経路の他の例(第2の通信経路の例)である。信号線P2が第4の通信経路の例である。接続線Q2が第4の通信経路の他の例(第5の通信経路の例)である。
第2の実施の形態(図6参照)においては、信号線P1が第1の通信経路の例である。接続線Q1が第1の通信経路の他の例(第2の通信経路の例)である。接続線Q2が第4の通信経路の例(第5の通信経路の例)である。信号線P2が第7の通信経路の例である。
第3の実施の形態(図7参照)においては、信号線P1が第1の通信経路の例(第3の通信経路の例)である。接続線Q1が第1の通信経路の他の例(第2の通信経路の例)である。接続線Q2が第4の通信経路の例(第5の通信経路の例)である。信号線P2が第7の通信経路の例である。
第4の実施の形態(図8参照)においては、信号線P1が第1の通信経路の例である。信号線P3が第1の通信経路の他の例(第3の通信経路の例)である。接続線Q1が第1の通信経路のさらに他の例(第2の通信経路の例)である。接続線Q2が第4の通信経路の例(第5の通信経路の例)である。信号線P2が第7の通信経路の例である。
第1の変形例(図12参照)においては、接続線Q1および信号線P1が第1の通信経路の例である。接続線Q1が第1の通信経路の他の例(第2の通信経路の例)である。接続線Q2および信号線P2が第4の通信経路の例である。接続線Q2が第4の通信経路の他の例(第5の通信経路の例)である。
第2の変形例(図13および図14参照)においては、信号線P1が第1の通信経路の例である。接続線Q1が第1の通信経路の他の例(第2の通信経路の例)である。信号線P2が第8の通信経路の例である。接続線Q2が第4の通信経路の他の例(第5の通信経路の例)である。信号線P5が1番目の第9の通信経路の例である。
第3の変形例(図15および図16参照)においては、信号線P1が第1の通信経路の例である。接続線Q1が第1の通信経路の他の例(第2の通信経路の例)である。信号線P2が第8の通信経路の例である。接続線Q2が第4の通信経路の他の例(第5の通信経路の例)である。信号線P51が1番目の第9の通信経路の例である。信号線P52が2番目の第9の通信経路の例である。
第4の変形例(図17参照)においては、信号線P1が第1の通信経路の例である。接続線Q1が第1の通信経路の他の例(第2の通信経路の例)である。信号線P2が第4の通信経路の例である。信号線P4が第4の通信経路の他の例(第6の通信経路の例)である。接続線Q2が第4の通信経路のさらに他の例(第5の通信経路の例)である。
請求項の各構成要素として、請求項に記載されている構成または機能を有する他の種々の要素を用いることもできる。