JP5008512B2 - 樹脂組成物及び積層体 - Google Patents

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Description

本発明は、熱可塑性樹脂層とエチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物層を含む積層体の回収物を溶融成形する際に、改質用の樹脂組成物を配合する成形方法及び、前記成形方法により得られた層を少なくとも1層有する積層体に関し、更に詳しくは、かかる積層体の回収物を溶融成形する時の変色、ゲル化、ロングラン成形性の低下、さらに、フィッシュアイの発生、波模様の発生、目ヤニの発生、透明性の低下等、製品の品質が低下することのない、成形方法に関するものである
従来、ポリエチレン、ポリプロピレンを始めとするポリオレフィン系樹脂に代表される熱可塑性樹脂層とエチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物(以下、EVOHと略記する)層を含む積層体は、フィルム、シート、カップ、トレイ、ボトル等に成形され、その特性を活かして各種用途に適用されており、特に食品や薬品の包装材料等に用いられている。かかる熱可塑性樹脂層とEVOH層を含む積層体から上記のような各種成形物を得る際に発生するクズや端部、不良品や、あるいは成形物を各種用途に使用した後のゴミ等を回収し、溶融成形して可塑性樹脂層とEVOH層を含む積層体の少なくとも1層として再利用する場合があり、このような再生技術は、廃棄物削減や経済性の点で産業上有用であり、実用されている。
しかしながら、熱可塑性樹脂層とEVOH層を含む積層体の回収物を再利用する際、溶融成形時の熱劣化によりゲル化を起こしたり、また、これらの変質した樹脂が押出機内に付着し長期間の連続溶融成形が行えなかったり(ロングラン成形性の低下)、さらに、かかる変質物が成形物中にしばしば混入するため、例えば成形物においてフィッシュアイが発生したり、相溶性が悪いため表面に波模様が発生したり、相分離異物(目ヤニ)が発生する等、製品の品質が低下するという問題があった。
上記の欠点を改善する試みとして、ポリオレフィン系樹脂とEVOHを含む積層体をリサイクルする際に、酸グラフト変性ポリオレフィンと、脂肪酸金属塩および/または金属酸化物等からなる1種以上の金属化合物からなる樹脂組成物を配合することにより、ロングラン成形性、相分離異物の発生抑制、耐層間剥離性、機械的特性が改善された積層体および成形物を得ることができるという技術が提案されている(例えば、特許文献1)。さらに、ポリオレフィン系樹脂、EVOH、金属石鹸、ハイドロタルサイト系化合物および/またはハイドロタルサイト系固溶体を含有してなる樹脂組成物を配合することにより、ロングラン成形性、フィッシュアイの発生改善、波模様発生防止、ガスバリア性に優れた積層体および成形物を得ることができる技術も提案されている(例えば、特許文献2)。
しかしながら、本発明者がこれらの技術について検討したところ、特許文献1および2記載の技術は、上述の問題点に対しては良好な効果が得られるものの、得られる成形物の透明性又は色調の面では十分なものとは言えなかった。かかる透明性や色調(変色)は、製品の美観を損なうという点で問題であり、特に食品や薬品の包装材料用途では強く改善が望まれていた。
特開2002−121342号公報 特開2004−168854号広報
本発明は、熱可塑性樹脂層とEVOH層を含む積層体の製造時に発生する製品のクズや端部、不良品や、あるいは成形物を各種用途に使用した後のゴミ等を回収し再利用する際に発生する上述の従来の問題を解決し、さらに両樹脂の相溶性不足に起因する透明性低下を防ぎ、また、樹脂の変色のない、熱可塑性樹脂層とEVOH層を含む積層体の回収物の使用方法を提供することを目的とするものである。
本発明者は、上記事情に鑑み、鋭意検討した結果、前記回収品を溶融成形する際に、酸グラフト変性ポリオレフィン系樹脂と共に、多価アルコール化合物を存在させることにより、透明性及び色調の良好な成形物が得られることを見出し、本発明を完成した。
すなわち、本発明の要旨は、熱可塑性樹脂層およびEVOH層を含む積層体の回収物を溶融成形する際に、酸グラフト変性ポリオレフィン系樹脂(A)及び多価アルコール化合物(B)を含有する樹脂組成物を配合することを特徴とする成形方法に存する。
本発明は、熱可塑性樹脂層とEVOH層を含む積層体の製造時に発生する製品のクズや端部、不良品や、あるいは成形物を各種用途に使用した後のゴミ等を回収し再利用をする際の変色を防ぎ、透明性に優れた成形物を得ることができる。さらに、前述したような従来の問題に対しても優れた効果を示すものであることから、得られる成形物は食品、薬品等の包装材料として特に有用である。
本発明において、上述の優れた効果が得られる理由は、多価アルコール化合物(B)によるEVOHの可塑化効果により、溶融状態での熱可塑性樹脂中でのEVOHの分散性が向上し、さらに酸グラフト変性ポリオレフィン系樹脂(A)による熱可塑性樹脂とEVOHの相溶化効果により、熱可塑性樹脂とEVOHがより高度に相溶することができ、本発明特有の顕著な効果が得られたものであると推測される。
以下、本発明について詳細に説明する。
以下に記載する構成要件の説明は、本発明の実施態様の一例(代表例)であり、これらの内容に特定されるものではない。
本発明の成形方法に使用される改質用の樹脂組成物に用いられる酸グラフト変性ポリオレフィン系樹脂(A)とは、ポリオレフィン系樹脂に酸をグラフト化して得られるもので、ポリオレフィン系樹脂を公知の方法、例えばポリオレフィン系樹脂を適当な有機溶媒に溶解又は懸濁させ、或いは押出機等で溶融状態にさせて、過酸化物やジアゾ系のラジカル開始剤を加えてポリオレフィン系樹脂鎖を活性化して、これに不飽和カルボン酸又はその誘導体を加えてグラフト反応させて得られるものである。本発明では、酸グラフト変性ポリオレフィン系樹脂(A)を用いることにより、グラフトしている酸のカルボニル基とEVOHの水酸基の相互作用によって熱可塑性樹脂に対するEVOHの相溶性が向上する。
上記におけるポリオレフィン系樹脂としては、具体的に直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)、低密度ポリエチレン(LDPE)、超低密度ポリエチレン(VLDPE)、中密度ポリエチレン(MDPE)、高密度ポリエチレン(HDPE)、等のポリエチレン類、エチレン−プロピレン(ブロック又はランダム)共重合体、ポリプロピレン(PP)、プロピレン−α−オレフィン(炭素数4〜20のα−オレフィン)共重合体、ポリブテン、ポリペンテン、ポリメチルペンテン等の脂肪族炭化水素系樹脂、またはこれらの原料であるオレフィンと、酢酸ビニル等のビニルエステル、アイオノマー、アクリル酸、メタクリル酸等の(メタ)アクリル酸および、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステル等の(メタ)アクリル酸エステルとの共重合体類を挙げることができ、なかでも、グラフト後の樹脂の安定性、経済性の点より、脂肪族炭化水素系樹脂およびエチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)が好ましく、特に好ましくは直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)、低密度ポリエチレン(LDPE)、超低密度ポリエチレン(VLDPE)、高密度ポリエチレン(HDPE)、エチレン−プロピレン(ブロック又はランダム)共重合体、ポリプロピレン(PP)、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)が好ましい。
尚、ポリオレフィン系樹脂のメルトフローレート(MFR)(230℃、荷重2160g)は、通常0.1〜100g/10分、好ましくは0.5〜50g/10分程度のものである。かかるMFRが小さすぎる場合も大きすぎる場合も、他樹脂と混合時の他樹脂に対する分散性不良により本発明の効果を十分に発現出来ないという傾向がある。
一方、上記ポリオレフィン系樹脂にグラフトさせる酸としては、通常、不飽和カルボン酸又はその誘導体であり、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸等の1価脂肪族不飽和カルボン酸類、安息香酸、ナフトエ酸等の1価芳香族カルボン酸類、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、シトラコン酸、テトラヒドロフタル酸等、2価の脂肪族不飽和カルボン酸類、フタル酸等、2価の芳香族カルボン酸類、或いはこれらの酸無水物、アルキルエステル、酸ハライド、アミド、イミド等の誘導体が挙げられ、これらの中でも不飽和ジカルボン酸又はその酸無水物が本発明の効果に優れる点で好適に用いられ、特にマレイン酸又は無水マレイン酸が好適である。
酸グラフト変性ポリオレフィン系樹脂の酸グラフト変性量とは、酸グラフト変性ポリオレフィン系樹脂の重量に対する酸グラフト変性基の重量を示し、通常0.005〜5重量%、好ましくは0.01〜3重量%、特に好ましくは0.03〜2重量%、殊には0.05〜1重量%である。該変性物中の変性量が少なすぎる場合には、本発明の効果が十分に得られない傾向があり、多すぎる場合には、酸グラフト変性ポリオレフィン系樹脂の架橋反応が促進され、成形性が悪くなる傾向がある。
更に、かかる酸グラフト変性ポリオレフィン系樹脂(A)としては、通常、ポリオレフィン系樹脂を変性処理したものをそのまま用いることもできるが、場合により、これを未変性のポリオレフィン系樹脂により希釈し、樹脂組成物中の酸グラフト変性量を調整したものを使用することもできる。
本発明では上記(A)成分と共に、多価アルコールを併用することを特徴とするものであるが、この多価アルコール化合物(B)は、複数の水酸基を有する化合物であり、通常2〜15価の多価アルコール、好ましくは3〜10価の多価アルコールであり、特に好ましくは3〜8価の多価アルコールである。また、通常炭素数2〜20の多価アルコール、好ましくは炭素数4〜15の多価アルコールであり、特に好ましくは炭素数6〜10の多価アルコールである。また、溶融混錬の際に液体であることが好ましいため、融点は通常−150〜300℃、好ましくは−100〜200℃、特に好ましくは−80〜150℃である。分子量は通常50〜1000、好ましくは50〜500であり、特に好ましくは80〜200である。
多価アルコール化合物(B)とは、脂肪族でも芳香族でもよいが好ましくは脂肪族アルコールであり、例えば、アルキレングリコール類、具体的には、エチレングリコール、およびジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール等のエチレングリコール類、プロピレングリコール、およびジプロピレングリコール、ポリプロピレングリコール等のプロピレングリコール類がある。さらに、2価アルコール類、例えば1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、1,2−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、2,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、2,5−ヘキサンジオール等の脂肪族2価アルコール類、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、ジ−2−アミノ−2−ヒドロキシメチル−1,3−プロパンジオール、トリ−2−アミノ−2−ヒドロキシメチル−1,3−プロパンジオール、ポリ−2−アミノ−2−ヒドロキシメチル−1,3−プロパンジオール等のアミノ基を有する2価アルコール類:グリセリン、およびジグリセリン、ポリグリセリン等のグリセリン類、トリメチロールメタン、およびジ−トリメチロールメタン、トリ−トリメチロールメタン、ポリ−トリメチロールメタン等のトリメチロールメタン類、トリメチロールエタン、およびジ−トリメチロールエタン、トリ−トリメチロールエタン、ポリ−トリメチロールエタン等のトリメチロールメタン類、トリメチロールプロパン、およびジ−トリメチロールプロパン、トリ−トリメチロールプロパン、ポリ−トリメチロールプロパン等のトリメチロールプロパン類、およびこれらのトリメチロールアルカン類、3−メチルペンタン−1,3,5−トリオール、1,2,6−ヘキサントリオール、2−(2−ヒドロキシプロピル)プロパン−1,3−ジオール、2−エチル−2−ヒドロキシメチル−1,3−プロパンジオール等の3価アルコール類:ペンタエリスリトール、およびジ−ペンタエリスリトール、トリ−ペンタエリスリトール、ポリ−ペンタエリスリトール等のペンタエリスリトール類、または4価アルコール類:マンニトール、ソルビトール、フルクトース、グルコース、アラビニトール等の糖類、または5価および6価アルコール類、またはこれらとモノカルボン酸、ジカルボン酸、トリカルボン酸等のカルボン酸とのエステル化物やポリエチレンオキサイド付加物などを挙げることができ、これらはそれぞれ単独で、もしくは複数種を同時に用いてもよい。
また、グリセリン、ジグリセリン、ポリグリセリン等のグリセリン類、トリメチロールプロパン、ジ−トリメチロールプロパン、トリ−トリメチロールプロパン、ポリ−トリメチロールプロパン等のトリメチロールプロパン類、ソルビトールである場合、本発明の効果をより顕著に得られる点で好ましく、かかる中でもトリメチロールプロパンおよびジグリセリンがロングラン成形性や相分離により発生する異物の抑制効果、透明性の低下防止効果の点で殊に好ましい。また、これらの性状としては、粉末状、顆粒状、液体状、ペースト状、エマルジョン状等任意の形態のものが使用可能である。
本発明の成形方法に用いられる改質用の樹脂組成物中の酸グラフト変性ポリオレフィン系樹脂(A)と多価アルコール化合物(B)の比は重量比にて、通常(A)/(B)=99.9/0.1〜70/30、好ましくは99/1〜80/20、特に好ましくは98/2〜90/10である。かかる多価アルコール化合物(B)の含有量が少なすぎた場合は、本発明の効果が十分に得られない傾向があり、逆に多すぎた場合には、得られる成形物の外観が悪化する傾向がある。また、複数種を同時に用いる場合は、その総計で上記範囲と同様に考慮する。
かかる(A)成分と(B)成分とは通常、予め、(1)溶融混練して混合する方法、(2)溶剤中で均一に溶解し混合した後に該溶剤を除去する方法等により混合することが可能である。また、場合により(A)成分と(B)成分とを別々に回収物に混合してもよい。
なお、前記(1)の混合方法の操作例につき説明する。溶融混練に際して、押出機等の溶融混練装置に(A)成分と(B)成分を供給する方法については特に限定されず、(1)(A)成分と(B)成分をドライブレンドして一括して押出機等に供給する方法、(2)一方の成分を押出機等に供給して溶融させたところに他方の成分を供給する方法(サイドフィード法)等を挙げることができる。(A)成分と(B)成分を溶融混練して混合する場合、その手段としては、例えば、ニーダールーダー、押出機、ミキシングロール、バンバリーミキサー、プラストミルなどの公知の溶融混練装置を使用して行うことができ、通常は150〜300℃、更には170〜280℃で、通常1分〜20分間程度溶融混練することが好ましく、特に単軸又は二軸の押出機を用いることが容易に樹脂組成物のペレットが得られる点で工業上有利であり、また必要に応じて、ベント吸引装置、ギヤポンプ装置、スクリーン装置等を設けることも好ましい。特に、水分や揮発成分、副生成物(熱分解低分子量物等)などを除去するために、押出機に1個以上のベント孔を設けて減圧下に吸引したり、押出機中への酸素の混入を防ぐために、ホッパー内に窒素等の不活性ガスを連続的に供給したりすることも、熱変色や熱劣化をさらに軽減することができる点で好ましい。
また、本発明の成形方法に用いられる改質用の樹脂組成物には、本願の効果を阻害しない範囲で(B)成分以外の公知の可塑剤、滑剤、熱安定剤、光安定剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、着色剤、帯電防止剤、界面活性剤、抗菌剤、乾燥剤、酸素吸収剤、アンチブロッキング剤などの添加剤を適宜、配合することもできる。更に、必要に応じて、上記(A)以外の他の熱可塑性樹脂を少量(例えば、組成物に対して10重量%以下)ブレンドすることも可能である。
かくして本発明の成形方法に用いられる改質用の樹脂組成物が得られるのであるが、本発明においては、かかる樹脂組成物を、熱可塑性樹脂層とEVOH層を含む積層体を再利用する時の回収物に配合することを特徴とするものであり、以下、かかる熱可塑性樹脂層とEVOH層を含む積層体について詳細に説明する。
本発明では熱可塑性樹脂層とEVOH層を含む積層体の回収物を再利用する際に上述の酸グラフト変性ポリオレフィン系樹脂を多価アルコールと共に配合するものであるが、その対象とする回収物としては熱可塑性樹脂層とEVOH層を有する積層体であれば特に限定されず、積層体の層構成および層の総数、また、熱可塑性樹脂及びエチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物の種類、両者の比率、さらに接着剤層の種類などは限定されるものではない。要するに、商業的に生産される熱可塑性樹脂/EVOH積層体の回収物の全てが対象となるものである。
かかる積層体としては様々な形態があり、本発明においては限定されないが、例えば、熱可塑性樹脂について説明すれば、通常、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂、ポリ塩化ビニリデン、塩素化ポリエチレン、塩素化ポリプロピレンなどのポリビニル系樹脂、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレートなどのポリエステル系樹脂、ナイロン6、ナイロン12などのポリアミド系樹脂、アクリル系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ビニルエステル系樹脂、ポリエステルエラストマー、ポリウレタンエラストマー、芳香族および脂肪族ポリケトン、脂肪族ポリアルコール等が挙げられ、これらは単独で、もしくは複数種を混合して積層されていてもよく、少なくとも1層積層されていればよい。中でもポリオレフィン系樹脂を含有するものを用いた場合に、本発明の効果が顕著に得られる。
上記におけるポリオレフィン系樹脂としては、具体的に直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)、低密度ポリエチレン(LDPE)、超低密度ポリエチレン(VLDPE)、中密度ポリエチレン(MDPE)、高密度ポリエチレン(HDPE)、等のポリエチレン類、エチレン−プロピレン(ブロック又はランダム)共重合体、ポリプロピレン(PP)、プロピレン−α−オレフィン(炭素数4〜20のα−オレフィン)共重合体、ポリブテン、ポリペンテン、ポリメチルペンテン等の脂肪族炭化水素系樹脂、またはこれらの原料であるオレフィンと、酢酸ビニル等のビニルエステル、アイオノマー、アクリル酸、メタクリル酸等の(メタ)アクリル酸および、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステル等の(メタ)アクリル酸エステルとの共重合体類を挙げることができ、なかでも、直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)、低密度ポリエチレン(LDPE)、超低密度ポリエチレン(VLDPE)、高密度ポリエチレン(HDPE)、エチレン−プロピレン(ブロック又はランダム)共重合体、ポリプロピレン(PP)等の脂肪族炭化水素系樹脂およびエチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)がグラフト後の樹脂の安定性、経済性の点より好ましい。
尚、かかる熱可塑性樹脂のメルトフローレート(MFR)(230℃、荷重2160g)は、通常0.1〜50g/10分、好ましくは0.5〜30g/10分程度のものである。
また、かかる熱可塑性樹脂には、当然のことながら、公知の可塑剤、滑剤、熱安定剤、光安定剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、着色剤、帯電防止剤、界面活性剤、抗菌剤、乾燥剤、酸素吸収剤、アンチブロッキング剤などの添加剤が配合されている場合があるが、何等、問題は無い。
また、EVOH層について説明すれば、通常、酢酸ビニルとエチレンとの共重合体をケン化して得られるもの、又は少量の第二成分を共重合させるか、もしくは、後から変性基を導入させて得られる変性EVOHが対象となる。通常、EVOHのエチレン含有量10〜70モル%、好ましくは15〜60モル%、特に好ましくは20〜50モル%、また、酢酸ビニル成分のケン化度は90モル%以上、更には95モル%以上、特には99モル%以上の広範なものが用いられる。
また、EVOHのメルトフローレート(MFR)は、通常0.5〜50g/10分(210℃、2160g荷重)であり、更には1〜35g/10分(同上)である。
また、変性EVOHにおける共重合単量体としては、プロピレン、1−ブテン、イソブテン等の不飽和炭化水素類、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、(無水)フタル酸、(無水)マレイン酸、(無水)イタコン酸等の不飽和カルボン酸類あるいはその塩、あるいはモノアルキルエステル類またはジアルキルエステル類、アクリルアミド、N−メチルアクリルアミド、N,N−ジメチルアクリルアミド等のモノあるいはジアルキル置換アクリルアミド類、アクリルアミドアルカンスルホン酸類あるいはその塩、アクリルアミドアルキルアミンあるいはその酸塩あるいはその4級塩等のアクリルアミド誘導体、メタクリルアミド、N−メチルメタクリルアミド、N,N−ジメチルメタクリルアミド等のモノあるいはジアルキル置換アクリルアミド類、2−メタクリルアミドアルカンスルホン酸類あるいはその塩、メタクリルアミドアルキルアミンあるいはその酸塩あるいはその4級塩等のメタクリルアミド誘導体、N−ビニルピロリドン等の環状ビニルアミド類、N−ビニルホルムアミド、N−ビニルアセトアミド等のN−ビニルアミド類、アクリルニトリル、メタクリルニトリル等のシアン化ビニル類、アルキルビニルエーテル、ヒドロキシアルキルビニルエーテル、アルコキシアルキルビニルエーテル等のビニルエーテル類、塩化ビニル、塩化ビニリデン、フッ化ビニル、フッ化ビニリデン、臭化ビニル等のハロゲン化ビニル類、酢酸アリル、塩化アリル、アリルアルコール、ジメチルアリルアルコール等のアリル化合物類、アリルトリメチルアンモニウムクロライド、メタアリルトリメチルアンモニウムクロライド等のカチオン基含有不飽和化合物類、ビニルトリメトキシシラン、ビニルジメトキシラウリロキシシラン等のケイ素含有不飽和化合物類、アセトアセチル基含有不飽和化合物等が挙げられ、これらは単独でもしくは複数種を同時に用いてあってもよい。これらは生産効率および生成物の安定性の点から、通常炭素数1〜30であり、さらには炭素数1〜20、特には1〜15である。
さらに、本発明では、EVOHが下記の構造単位(1)、すなわち1,2−グリコール構造単位を含有するものであってもよい。かかる構造単位を有する場合、該積層体のガスバリア性を保持したまま、該積層体の熱成形性(高延伸時の延伸性、真空圧空成形や深絞り成形などの2次加工性)や製膜安定性等が向上する傾向がある。
Figure 0005008512
[一般式(1)において、R1、R2、及びR3はそれぞれ独立して水素原子または有機基
を示し、Xは単結合または結合鎖を示し、R4、R5、及びR6はそれぞれ独立して水素原
子または有機基を示す。]
なお、かかるEVOH中の一般式(1)で表される構造単位の含有量は通常0.1〜20モル%である。
一般式(1)中の有機基としては特に限定されず、例えばハロゲン原子、水酸基、エステル基、カルボンキシル基、スルホン酸基や、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基等のアルキル基、フェニル基、ベンジル基等の芳香族基等が挙げられ、これらはハロゲン基、水酸基、アシルオキシ基、アルコキシカルボニル類、カルボキシル基、スルホン酸基等の置換基を有していてもよい。
1〜R3は通常炭素数1〜30、特には炭素数1〜15、さらには炭素数1〜4のアルキル基または水素原子である。R4〜R5は炭素数1〜30、特には炭素数1〜15、さらには炭素数1〜4のアルキル基または水素原子であり、特には水素原子である。殊には、R1〜R6がすべて水素で、Xが単結合である。
また、一般式(1)で表わされる構造単位中のXは代表的には単結合であるが、本発明の効果を阻害しない範囲であれば結合鎖であってもよく、かかる結合鎖としては特に限定されず、アルキレン、アルケニレン、アルキニレン、フェニレン、ナフチレン等の炭化水素(これらの炭化水素はフッ素、塩素、臭素等のハロゲン等で置換されていても良い)の他、−O−、−(CH2O)m−、−(OCH2m−、−(CH2O)mCH2−等のエーテ
ル結合部位を含む構造、−CO−、−COCO−、−CO(CH2mCO−、−CO(C64)CO−等のカルボニル基を含む構造、−S−、−CS−、−SO−、−SO2−等
の硫黄原子を含む構造、−NR−、−CONR−、−NRCO−、−CSNR−、−NRCS−、−NRNR−等の窒素原子を含む構造、−HPO4−等のリン原子を含む構造な
どのヘテロ原子を含む構造、−Si(OR)2−、−OSi(OR)2−、−OSi(OR)2O−等の珪素原子を含む構造、−Ti(OR)2−、−OTi(OR)2−、−OTi
(OR)2O−等のチタン原子を含む構造、−Al(OR)−、−OAl(OR)−、−
OAl(OR)O−等のアルミニウム原子を含む構造などの金属原子を含む構造等が挙げられる(Rは各々独立して任意の置換基であり、特には水素原子、アルキル基である。またmは自然数であり、通常1〜30、さらには1〜15、特には1〜10である。)。その中でも製造時あるいは使用時の安定性の点で−CH2OCH2−、および炭素数1〜10のアルキル鎖であり、さらには炭素数1〜6のアルキル鎖、特には炭素数1のメチレンである。
かかる共重合体は公知であり、その製造は、例えば特開2004−359965号公報記載の方法により製造することができる。
(もととなる積層体のEVOHの共重合可能モノマー)
また、本発明に用いられるEVOHは下記の構造単位(2)を含有するものであってもよく、かかる構造単位を有する場合、該積層体のガスバリア性を保持したまま、更に柔軟性や耐屈曲疲労性等が向上するので有用である。
Figure 0005008512
[式中、R7は置換または未置換の炭素数1〜30のアルキル鎖である]
かかる、上記一般式(2)に示す構造単位の含有量は、通常0.1〜50モル%である。
一般式(2)におけるR7は、置換または未置換の炭素数1〜30のアルキル鎖であり
、好ましくは炭素数2〜15のアルキル鎖であり、特には3〜10のアルキル鎖である。例えば、メチレン、エチレン等のアルキル鎖があげられ、かかるアルキル鎖はハロゲン原子、水酸基、アルコキシカルボニル基、アシルオキシ基、カルボキシル基、スルホン酸基等の置換基で置換されていてもよい。
かかる共重合体の製造は、例えば特願2006−109435号に記載の方法より製造することができる。
また、更に、後から変性基を導入した変性EVOHとしては、代表的には、グリシジル化合物によるヒドロキシエトキシ化、ウレタン化、アセタール化、シアノエチル化等、公知の後変性されたものが挙げられる。
また、重合度、ケン化度、エチレン含有量、変性基の種類、変性基の含有量、MFRの異なる複数種のEVOHを用いてあってもよい。このとき、エチレン含有量が5モル%以上異なり、及び/又はケン化度が1モル%以上異なり、及び/又はMFRの比が2以上であるEVOHの混合物を用いた場合、該積層体のガスバリア性や耐屈曲疲労性を保持したまま、更に柔軟性、熱成形性(高延伸時の延伸性、真空圧空成形や深絞り成形などの2次加工性)、製膜安定性等が向上するので有用である。異なる複数種のEVOHの混合物の製造方法は特に限定されず、例えば異なる複数種のエチレン−酢酸ビニル共重合体のケン化前の各ペーストを混合後ケン化する方法、ケン化後の各EVOHのアルコール又は水とアルコールの混合溶液を混合後ペレット化する方法、各EVOHペレットを混合後溶融混練する方法などが挙げられる。
本発明では、ホウ素化合物、リン化合物、脂肪酸塩から選ばれる少なくとも1種を回収物のEVOH層中にあらかじめ配合されているとき、また、場合によってはホウ素化合物、リン化合物、脂肪酸塩から選ばれる少なくとも1種を本願発明の樹脂組成物と、回収物とを溶融成形する際に配合剤としてさらに配合するとき、本発明の効果に特に優れる点で好ましい。
かかるホウ素化合物としては、ホウ酸またはその金属塩、例えばメタホウ酸リチウム、四ホウ酸リチウム、五ホウ酸リチウム等のリチウム塩、メタホウ酸ナトリウム、二ホウ酸ナトリウム、四ホウ酸ナトリウム、五ホウ酸ナトリウム、六ホウ酸ナトリウム、八ホウ酸ナトリウム等のナトリウム塩、メタホウ酸カリウム、四ホウ酸カリウム、五ホウ酸カリウム、六ホウ酸カリウム、八ホウ酸カリウム等のカリウム塩、およびこれらアルカリ金属塩、ホウ酸カルシウム等のカルシウム塩、オルトホウ酸マグネシウム、二ホウ酸マグネシウム、メタホウ酸マグネシウム、四ホウ酸三マグネシウム、四ホウ酸五マグネシウム等のマグネシウム塩、オルトホウ酸バリウム、メタホウ酸バリウム、二ホウ酸バリウム、四ホウ酸バリウム等のバリウム塩、およびこれらのアルカリ土類金属塩、ホウ酸コバルト等のコバルト塩、ホウ酸第1マンガン、メタホウ酸マンガン、四ホウ酸マンガン等のマンガン塩、オルトホウ酸ニッケル、二ホウ酸ニッケル、四ホウ酸ニッケル、八ホウ酸ニッケル等のニッケル塩、ホウ酸第2銅、メタホウ酸銅、四ホウ酸銅等の銅塩、メタホウ酸銀、四ホウ酸銀等のホウ酸銀類、四ホウ酸亜鉛,メタホウ酸亜鉛等の亜鉛塩、オルトホウ酸カドミウム、四ホウ酸カドミウム等のカドミウム塩、メタホウ酸鉛、六ホウ酸鉛等の鉛塩、ホウ酸ビスマス類等のビスマス塩、ホウ酸アルミニウム・カリウム等の複塩類などの他、メタホウ酸アンモニウム、四ホウ酸アンモニウム、五ホウ酸アンモニウム、八ホウ酸アンモニウム等のアンモニウム塩、ホウ砂、カーナイト、インヨーアイト、コトウ石、スイアン石、ザイベリ石等のホウ酸塩鉱物類などが挙げられ、好適にはホウ砂、ホウ酸およびそのアルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩であり、特に好ましくはホウ砂、ホウ酸、ホウ酸ナトリウム類が用いられる。
また、リン化合物としては、リン酸およびその塩が挙げられ、例えばリン酸二水素ナトリウム、リン酸水素二ナトリウム等のナトリウム塩、リン酸二水素カリウム、リン酸水素二カリウム、リン酸三カリウム等のカリウム塩、およびこれらのアルカリ金属塩または1価の塩、リン酸一水素カルシウム、リン酸二水素カルシウム、リン酸三カルシウム等のカルシウム塩、リン酸マグネシウム、リン酸水素マグネシウム、リン酸二水素マグネシウム等のマグネシウム塩、およびこれらのアルカリ土類金属塩、リン酸水素亜鉛、リン酸水素バリウム、リン酸水素マンガン等の2価の塩を挙げることができ、好適にはリン酸およびそのアルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩であり、特に好ましくはリン酸、リン酸二水素ナトリウム、リン酸二水素カリウム、リン酸二水素カルシウム、リン酸二水素マグネシウムが用いられる。
更に、脂肪酸塩としては、酢酸、プロピオン酸、酪酸、ラウリル酸、ステアリン酸、ベヘニン等の飽和脂肪酸、アクリル酸、オレイン酸等不飽和脂肪酸等のアルカリ金属塩(ナトリウム塩、カリウム塩等)やアルカリ土類塩(マグネシウム塩、カルシウム塩、バリウム塩等)や亜鉛金属塩、マンガン金属塩などを挙げることができ、好適には飽和脂肪酸のアルカリ金属塩およびアルカリ土類金属塩であり、特に好ましくは酢酸のアルカリ金属塩およびアルカリ土類金属塩であり、殊に好ましくは酢酸ナトリウム、酢酸カルシウム、酢酸マグネシウムが用いられる。
上記成分の含有量としては、特に限定されないが、かかる成分がホウ素化合物の場合は、EVOH中にホウ素換算で通常0.001〜1重量%、更には0.002〜0.5重量%、特に0.002〜0.1重量%であり、かかる成分がリン化合物の場合は、EVOH中にリン酸根換算で通常0.0005〜0.1重量%、更には0.001〜0.05重量%、特に0.002〜0.03重量%であり、かかる成分が脂肪酸塩の場合は、EVOH中に金属換算で通常0.001〜0.05重量%、更には0.0015〜0.04重量%、特に0.002〜0.03重量%である。かかる成分として、ホウ素化合物、リン化合物、脂肪酸塩の中から複数種を同時に併用する場合は、それぞれの含有量が上記の条件を満足することが好ましい。
更に、同様の理由において、飽和脂肪族アミド(例えばステアリン酸アミド等)、不飽和脂肪酸アミド(例えばオレイン酸アミド等)、ビス脂肪酸アミド(例えばエチレンビスステアリン酸アミド等)、低分子量ポリオレフィン(例えば分子量500〜10,000程度の低分子量ポリエチレン、又は低分子量ポリプロピレン等)などの滑剤、無機塩(例えばハイドロタルサイト等)、酸素吸収剤(例えば還元鉄粉類、亜硫酸カリウム、アスコルビン酸類、ハイドロキノン等)、熱安定剤、光安定剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、着色剤、帯電防止剤、界面活性剤、抗菌剤、アンチブロッキング剤(例えばタルク微粒子等)、スリップ剤(例えば無定形シリカ等)、充填材(例えば無機フィラー等)、他樹脂(例えばポリオレフィン、ポリアミド、ポリエステル等)可塑剤(例えばエチレングリコール、グリセリン、ヘキサンジオール等の脂肪族多価アルコールなど)などを配合しても良い。
熱可塑性樹脂層とEVOH層を含む積層体において、熱可塑性樹脂層/EVOH層からなるものの場合、その層間には必要に応じて接着性樹脂層が設けられていてもよい。かかる接着性樹脂としては、種々のものを使用することができる。熱可塑性樹脂の種類によって異なり一概に言えないが、不飽和カルボン酸又はその無水物をオレフィン系重合体(上述のポリオレフィン系樹脂)に付加反応やグラフト反応等により化学的に結合させて得られるカルボキシル基を含有する変性オレフィン系重合体を挙げることができ、具体的には、無水マレイン酸グラフト変性ポリエチレン、無水マレイン酸グラフト変性ポリプロピレン等の無水マレイン酸グラフト変性ポリオレフィン、無水マレイン酸グラフト変性エチレン−プロピレン(ブロック又はランダム)共重合体、無水マレイン酸グラフト変性エチレン−エチルアクリレート共重合体、無水マレイン酸グラフト変性エチレン−酢酸ビニル共重合体等の無水マレイン酸グラフト変性ポリオレフィン−ビニル系共重合樹脂が好適なものとして挙げられ、これらは単独でまたは複数種を混合して用いてもよい。
このときの、オレフィン系重合体に含有される不飽和カルボン酸又はその無水物の量はとくに限定されず、通常0.001〜3重量%、更に好ましくは0.01〜1重量%、特に好ましくは0.03〜0.5重量%である。該変性物中の変性量が少ない場合、層間接着性が不充分となる傾向があり、逆に多い場合は接着性樹脂が架橋反応を起こし、成形性が悪くなる傾向がある。また、これらの接着性樹脂には、ポリイソブチレン、エチレン−プロピレンゴム等のゴム・エラストマー成分、更には他の熱可塑性樹脂等をブレンドすることも可能である。特に、接着性樹脂の母体のポリオレフィン系樹脂と異なるポリオレフィン系樹脂をブレンドすることにより、接着性が向上することがあり有用である。
かかる積層体の各層の厚みは、層構成、熱可塑性樹脂の種類、用途や容器形態、要求される物性などにより一概に言えないが、EVOH層は通常5〜500μm、更には10〜200μmであり、熱可塑性樹脂層を有する場合は通常5〜5000μm、更には30〜1000μmである。このとき、接着性樹脂層は通常5〜400μm、更には10〜150μmである。
その熱可塑性樹脂層とEVOH層を含む積層体のクズや端部、不良品や、あるいは成形物を各種用途に使用した後のゴミ等を再び押出機等で溶融成形に供するためには、これらの回収物を粉砕することが好ましい。
かかる回収スクラップ成形物の粉砕に当たっては、公知の粉砕機を使用することにより行うことができる。かかる粉砕品の形状や粒径については特に限定されないが、JIS−K6891の「5.3見かけ密度」試験方法に準拠して測定される値で通常0.25〜0.85g/ml、更には0.3〜0.7g/ml、特には0.35〜0.6g/mlであることが好ましく、かかる見掛け密度が小さすぎた場合には、ブレンド物層中のEVOHの分散が不良となり、得られる成形品のブレンド物層の溶融成形性や機械的特性が低下する傾向があり、大きすぎた場合には、押出機での供給不良の発生によって得られる成形品のブレンド物層の溶融成形性が低下する傾向がある。かかる見掛け密度については、粉砕機の粉砕刃の形状、粉砕刃の回転数、粉砕の処理速度、使用するメッシュの目開きの大きさなどを任意に調整することにより、コントロールすることが可能である。
かかる回収物中のEVOHの含有量については、回収物の総重量に対して通常0.1〜30重量%、更には0.3〜25重量%であり、特には0.5〜20重量%である。本発明においては、いずれの含有量の回収物についても改善効果が発揮されるものであるが、必要に応じて、EVOHを適当量混合して、その含有量を調節してもよい。また、熱可塑性樹脂を適当量混合して、その含有量を調節することが経済的に好ましい。
本発明では、かかる回収物に本発明の成形方法に用いられる改質用の樹脂組成物を配合し、溶融成形する。
かかる回収物に対する本発明の成形方法に用いられる改質用の樹脂組成物〔(A)+(B)〕の配合量は、回収物の層構成、熱可塑性樹脂の種類、EVOHの含有量、容器形態、製品の用途や要求される物性などにより一概に言えないが、回収物100重量部に対して通常0.5〜50重量部、好ましくは1〜30重量部、特に好ましくは2〜10重量部であり、かかる改質用の樹脂組成物の配合量が少なすぎた場合は、本発明の効果を得ることが困難になる傾向があり、逆に多すぎた場合は、得られる成形物の外観が悪化したり、成形時の臭気が大きくなったり、機械的特性が低下する傾向にある。なお、回収物中の各樹脂が(B)成分を含んでいる場合は、本発明の樹脂組成物における(B)成分の総量に加算して考慮する。
また、混合後における(A)成分量は、回収物100重量部に対して通常0.05〜50重量部、好ましくは0.1〜30重量部、特に好ましくは0.5〜10重量部であり、(B)成分量は通常0.005〜15重量部、好ましくは0.01〜6重量部、特に好ましくは0.04〜1重量部である。
かかる回収物に本発明の成形方法に用いられる改質用の樹脂組成物を配合する方法に当たっては、ロッキングミキサー、リボンブレンダー、スーパーミキサー、ラインミキサー等の公知の混合装置を用いて配合させることが出来る。
得られたブレンド物は、そのまま成形品用の押出機に供給することもできるし、事前に1軸押出機や2軸押出機等の溶融混練機を用い、通常150〜300℃で溶融混錬し、公知の方法で再ペレット化を行ってから、かかるペレットを成形品用の押出機に供給することも可能である。
また、回収物でない同種の熱可塑性樹脂や異なる熱可塑性樹脂を適当量混合して押出機に供給することも可能であるが、かかるブレンド物をそのまま成形品用の押出機に供給する場合、溶融成形性や光学特性(透明性)に優れ、生産性、経済性の点で有利であるため好ましい。
かかるブレンド物を溶融成形して得られる樹脂組成物は、任意の成形品に成形でき、例えばフィルム、シート、テープ、カップ、トレイ、チューブ、ボトル、パイプ、フィラメント、異型断面押出物、各種不定形成形物等が例示される。
かかるブレンド物を溶融成形して得られるリサイクル樹脂組成物は、通常は積層体の少なくとも1層として用いられる。該積層体は、一般的には熱可塑性樹脂層やEVOH層、接着性樹脂層を含有してなり、回収物と同様の樹脂を材料として同様の方法により成形することが可能である。かかる場合、熱可塑性樹脂層に用いられる熱可塑性樹脂、EVOH層に用いられるEVOH、接着性樹脂層に用いられる接着性樹脂としては、特に限定されず、上述の積層体に例示されるものを用いることができる。
ブレンド物層を少なくとも1層有する積層体の層構成としては、例えば熱可塑性樹脂層/ブレンド物層/接着性樹脂層/EVOH層、熱可塑性樹脂層/ブレンド物層/接着性樹脂層/EVOH層/接着性樹脂層/熱可塑性樹脂層、熱可塑性樹脂層/ブレンド物層/接着性樹脂層/EVOH層/接着性樹脂層/ブレンド物層/熱可塑性樹脂層や、更にはブレンド物層/EVOH層、ブレンド物層/接着性樹脂層/EVOH層、ブレンド物層/接着性樹脂層/EVOH層/接着性樹脂層/EVOH層、ブレンド物層/接着性樹脂層/EVOH層/接着性樹脂層/熱可塑性樹脂層、ブレンド物層/接着性樹脂層/EVOH層/接着性樹脂層/ブレンド物層/熱可塑性樹脂層、熱可塑性樹脂層/接着性樹脂層/EVOH層/ブレンド物層/EVOH層/接着性樹脂層/熱可塑性樹脂層等が挙げられる。
ブレンド物層を少なくとも1層有する積層体の各層の厚みは、層構成、熱可塑性樹脂の種類、用途や容器形態、要求される物性などにより一概に言えないが、EVOH層は通常5〜500μm、更には10〜200μmであり、熱可塑性樹脂層を有する場合は通常5〜5000μm、更には30〜1000μmである。このとき、接着性樹脂層は通常5〜400μm、更には10〜150μm、ブレンド物層は通常5〜5000μm、更には30〜1000μm程度の範囲から選択される。
かかる積層体の積層方法としては、特に限定されず、例えばEVOHのフィルム、シート等にブレンド物を溶融押出ラミネートする方法、熱可塑性樹脂からなる基材にブレンド物を溶融押出ラミネートする方法、EVOHまたは熱可塑性樹脂とブレンド物を共押出する方法、EVOHまたは熱可塑性樹脂とブレンド物とを有機チタン化合物、イソシアネート化合物、ポリエステル系化合物、ポリウレタン化合物等の公知の接着剤を用いてドライラミネートする方法等が挙げられる。上記の溶融押出時の溶融成形温度は、通常150〜300℃の範囲から選ぶことが多い。
かかるブレンド物層を少なくとも1層有する積層体は、そのまま各種形状のものに使用されるが、更に該積層体の物性を改善し、目的とする任意の容器形状に成形するためには、加熱延伸処理が施されることも好ましい。ここで加熱延伸処理とは、熱的に均一に加熱されたフィルム、シート、パリソン状の積層体をチャック、プラグ、真空力、圧空力、ブローなどにより、カップ、トレイ、チューブ、ボトル、フィルム状に均一に成形する操作を意味し、かかる延伸方法としては、ロール延伸法、テンター延伸法、チューブラー延伸法、延伸ブロー法、真空成形、圧空成形、真空圧空成形等が挙げられる。二軸延伸の場合は同時二軸延伸方式、逐次二軸延伸方式のいずれの方式も採用できる。延伸温度は通常60〜170℃、好ましくは80〜160℃程度の範囲から選ばれる。一軸延伸、二軸延伸のいずれであってもよく、できるだけ高倍率の延伸を行ったほうが物性的に良好で、延伸時にピンホールやクラック、延伸ムラや偏肉、デラミ等の生じない、ガスバリア性に優れた延伸成形物が得られる。
尚、本願発明では回収物となる積層体として、上記したブレンド物層を少なくとも1層有する積層体(再生品)を用いても何等問題は無い。かかる再生品は、上記した回収物と同様の樹脂から同様の方法により成形することが可能である。即ち、バージン品の回収物に本願発明の成形方法に用いられる改質用の樹脂組成物を配合して再生品をつくり、その回収物から、再び同様にしてブレンド物層を少なくとも1層有する積層体を製造してもよい(再々生品)。
このとき、再々生品の熱可塑性樹脂層に用いられる熱可塑性樹脂、EVOH層に用いられるEVOH、接着性樹脂層に用いられる接着性樹脂は、特に限定されず、上述の積層体に例示されるものを用いることができる。
特に、本願発明においては、再生品を各種成形に供した後のクズや端部、不良品等の回収物に本願発明の成形方法に用いられる改質用の樹脂組成物を配合し、再び、再生品と同様の層構成を有する積層体を製造することが好ましい。
また、これに限定されず、[1]異なる複数種の熱可塑性樹脂層や異なる複数種のEVOH層を有する積層体の回収物、および/または異なる複数種の積層体の回収物を、同一のブレンド物層に用いることや、[2]回収物を、該回収物に含まれる熱可塑性樹脂およびEVOHとは異なる種類の熱可塑性樹脂およびEVOHを有する積層体のブレンド物層に用いることも可能である。
再生品および再々生品は、上述の積層体と同様にして、シートやフィルム状だけでなく、上記と同様の成形法により、パイプ・チューブ状やタンク・ボトル等の容器等に成形することができ、更には該積層体を通常100〜150℃程度に再度加熱して、ブロー延伸法や絞り成形法(真空成形、圧空成形、真空圧空成形等)等上記と同様の方法により延伸して、ボトル、チューブ、カップ、トレイ等の容器等に成形することも可能である。又、得られる積層体は必要に応じ、熱処理、冷却処理、圧延処理、印刷処理、ドライラミネート処理、溶液又は溶融コート処理、製袋加工、深絞り加工、箱加工、チューブ加工、スプリット加工等を行うことができる。
かくして得られたブレンド物層を少なくとも1層有する積層体は、再生品、再々生品を問わず、一般的な食品、マヨネーズ、ドレッシング等の調味料、味噌等の発酵食品、サラダ油等の油脂食品、スープ、飲料、化粧品、医薬品、洗剤、香粧品、工業薬品、農薬、燃料等各種の容器として有用であるが、特に、マヨネーズ、ケチャップ、ソース、味噌、わさび、からし、焼肉等のたれ等の半固形状食品・調味料、サラダ油、みりん、清酒、ビール、ワイン、ジュース、紅茶、スポーツドリンク、ミネラルウォーター等の液体状飲料・調味料用のボトル状容器やチューブ状容器、ゼリー、プリン、ヨーグルト、マヨネーズ、味噌、スープ等の半固形状食品・調味料用のカップ状容器や、生肉、畜肉加工品(ハム、ベーコン、ウインナー等)、米飯、ペットフード用のトレー状容器の用途に有用である。
以下に、実施例を挙げて本発明を具体的に説明する。
尚、実施例中「部」、「%」とあるのは、特に断わりのない限り、重量基準を意味する。
また、EVOH中の各成分の含有量の測定にあたっては、以下の方法によって測定した。
ホウ素化合物:EVOHをアルカリ溶融して、IPC発光分光分析により、
ホウ素量を定量
リン酸化合物:EVOHを温希硫酸抽出して、吸光光度法(モリブデン青)
により、リン酸根を定量(JIS K 0102に準拠)
脂肪酸塩 :EVOHを灰化後、塩酸水溶液に溶解して、原子吸光分析に
より、それぞれの金属量を定量
以下の樹脂や化合物等を用意した。
[酸グラフト変性ポリオレフィン系樹脂(A)]
A1;無水マレイン酸グラフト変性直鎖状低密度ポリエチレン(無水マレイン酸グラフト変性量0.6%)
A2;無水マレイン酸グラフト変性ポリプロピレン(無水マレイン酸グラフト変性量0.4%)
[多価アルコール化合物(B)]
B1;トリメチロールプロパン
B2;ジグリセリン
実施例1
酸グラフト変性ポリオレフィン系樹脂(A)としてA1、および酸グラフト変性量の調整のための希釈用ポリオレフィン系樹脂として低密度ポリエチレン[MFR1.1g/10min(190℃、2160g荷重)、密度0.924g/cm3]を用い、低密度ポリエチレン/A1=75/20(重量比)の割合で混合した((A)の変性量は0.13%となる)。そして、多価アルコール化合物(B)としてB1を用い、(A)/(B)=95/5(重量比)の割合となるよう混合して、同方向2軸押出機にて溶融混練して、本発明の改質用の樹脂組成物のペレットを得た。
尚、溶融混練成形条件は以下の通りである。
[溶融混練条件]
スクリュー径 30mm
L/D 30
押出温度 C1:180℃ C5:230℃
C2:210℃ D :230℃
C3:230℃
C4:230℃
スクリュー回転数 150rpm
別途、EVOH[エチレン含有量38モル%、ケン化度99.6モル%、MFR4.0g/10min(210℃、荷重2160g)、ホウ酸をホウ素換算で0.03%、酢酸ナトリウムをナトリウム換算で0.015%含有]、熱可塑性樹脂[ポリプロピレン、日本ポリプロ社製『ノバテックPP EA9』、MFR0.5g/10min(230℃、荷重2160g)、密度0.90g/cm3]、接着性樹脂[無水マレイン酸変性ポリプ
ロピレン、三菱化学社製『モディックAP P604V』、MFR3.2g/10min(230℃、荷重2160g)、密度0.90g/cm3]を用いて、共押出積層体成形
機に供給して、[内側]熱可塑性樹脂層/接着性樹脂層/EVOH層/接着性樹脂層/熱可塑性樹脂層[外側](厚み700μm/50μm/100μm/50μm/700μm)の構成の積層体を得た。
続いて、得られた積層体を粉砕機(径8mmφメッシュ)で粉砕して、該積層体の粉砕物(見掛け密度0.40g/ml)を得た。尚、かかる積層体の粉砕物中のEVOHの含有量は8.0%であった。
かかる積層体の粉砕物100部に対して、上記で得られた改質用の樹脂組成物のペレット5部を添加して、タンブラーにてドライブレンドして得られたブレンド物を、同様に共押出積層体成形機に供給して、[内側]熱可塑性樹脂層/ブレンド物層/接着性樹脂層/EVOH層/接着性樹脂層/ブレンド物層/熱可塑性樹脂層[外側](厚み200μm/500μm/50μm/100μm/50μm/500μm/200μm)の構成の積層体を得た。
得られた積層体を同様に粉砕して本発明の樹脂組成物のペレット5部を添加して、同様に積層体を得る操作を20回繰り返して、以下の評価を行った。
尚、かかる積層体の粉砕物(ブレンド物)中のEVOHの含有量は、1回目において12.3%であり、20回目において16.4%で、かかる全ての操作中における該EVOHの含有量は12.3〜16.4%の範囲内であった。
上記の工程において、以下の要領で評価を行った。
(ロングラン成形性)
上記の操作を20回繰り返した後の積層体の外観を目視で観察し、以下の通り評価した。
(1)表面平滑性
積層体のリグラインド層を目視で観察し、下記の基準で評価した。
○・・・スジ・波状の模様や表面荒れが殆ど認められない
△・・・スジ・波状の模様や表面荒れが若干認められる
×・・・スジ・波状の模様や表面荒れが著しく認められる
(2)フィッシュアイ
積層体のリグラインド層中の100cm2当たりの直径が0.4mm以上のフィッ
シュアイの個数を測定し、下記の基準で評価した。
○・・・2個未満
△・・・2〜4個
×・・・5個以上
(相分離異物−目ヤニ−の抑制)
上記の20回の成形操作中における、リグラインド層中への目ヤニの混入の頻度を観察し、下記の基準で評価した。
○・・・目ヤニの混入が2回未満
△・・・目ヤニの混入が2〜10回
×・・・目ヤニの混入が10回を越える
(変色)
積層体を10枚重ねて、その変色の有無を目視で観察し、下記の基準で評価した。
○・・・黄色や赤色の変色は全く認められない
△・・・黄色や赤色の変色が僅かに認められる
×・・・黄色や赤色の変色が明らかに認められる
上記で得られた積層体を、プラグアシスト型真空圧空成型機(浅野研究所製)にて、ヒーター温度が500℃でシート表面温度が155℃の条件で、カップ(上面65mmφ、底面60mmφ、深さ55mm)の加熱延伸成型加工を行って多層容器(カップ)を作製した。尚、シート表面温度はヒーターによるシートの加熱時間を調整することにより行った。
かかる加熱延伸成型多層容器(カップ)について、以下の評価を行った。
(透明性)
上記で得られたカップの側面の透明性を目視で観察し、下記の基準で評価した。
○・・・透明性の低下が殆ど認められない
△・・・透明性の低下が若干認められる
×・・・透明性の低下が著しく認められる
実施例2
実施例1において、酸グラフト変性ポリオレフィン系樹脂(A)としてA2、および酸グラフト変性量の調整のための希釈用ポリオレフィン系樹脂としてポリプロピレン[MFR1.4g/10min(230℃、2160g荷重)、密度0.90g/cm3]を用い、ポリプロピレン/A2=75/15(重量比)の割合で混合した((A)の変性量は0.07%となる)。そして、多価アルコール化合物(B)としてB2を用い、(A)/(B)=90/10(重量比)の割合で混合した以外は同様に行って、改質用の樹脂組成物のペレットを得て同様に積層体を得る操作を繰り返して、同様に評価を行った。
尚、積層体の粉砕物の見掛け密度は0.39g/mlであった。
実施例3
実施例1において、低密度ポリエチレン/A1=60/30(重量比)((A)の変性量は0.2%となる)、(A)/(B)=90/10(重量比)の割合で混合した以外は同様に行って、改質用の樹脂組成物のペレットを得て同様に積層体を得る操作を繰り返して、同様に評価を行った。但し、改質用の樹脂組成物のペレットの添加量は、積層体の粉砕物100部に対して一律3部とした。
尚、積層体の粉砕物の見掛け密度は0.41g/mlであった。
実施例4
実施例1において、EVOHとして、エチレン含有量40モル%、ケン化度99.7モル%、MFR5.5g/10min(210℃、荷重2160g)で、ホウ酸をホウ素換算で0.015%、リン酸二水素カルシウムをリン酸根換算で0.01%含有したものを用いた以外は同様に行って、同様に積層体を得る操作を繰り返して、同様に評価を行った。
尚、積層体の粉砕物の見掛け密度は0.40g/mlであった。
実施例5
実施例2において、EVOHとして、エチレン含有量35モル%、ケン化度99.7モル%、MFR3.5g/10min(210℃、荷重2160g)で、酢酸カルシウムをカルシウム換算で0.005%及び酢酸マグネシウムをマグネシウム換算で0.003%含有したものを用いた以外は実施例2と同様に行って、同様に積層体を得る操作を繰り返して、同様に評価を行った。
尚、積層体の粉砕物の見掛け密度は0.39g/mlであった。
実施例6
実施例1において、最初の積層体の各層厚みを、[内側]熱可塑性樹脂層/接着性樹脂層/EVOH層/接着性樹脂層/熱可塑性樹脂層[外側]=500/30/60/30/700(μm)として(かかる積層体の粉砕物中のEVOHの含有量は5.8%)、これ以降の積層体の各層厚みを、[内側]熱可塑性樹脂層/接着性樹脂層/EVOH層/接着性樹脂層/ブレンド物層/熱可塑性樹脂層[外側]=500/30/60/30/500/200(μm)(かかる積層体の粉砕物中のEVOHの含有量は、1回目において7.8%であり、20回目において8.9%で、かかる全ての操作中における該EVOHの含有量は7.8〜8.9%の範囲内)とした以外は実施例1と同様に積層体を得る操作を繰り返して、同様に評価を行った。
比較例1
実施例1において、ブレンド物層に改質用の樹脂組成物のペレットを配合せずに積層体の製造を繰り返して、同様に評価を行った。
比較例2
実施例1において、酸グラフト変性ポリオレフィン系樹脂(A)を使用せずに、多価アルコール化合物(B)としてB1と、低密度ポリエチレン[MFR1.1g/10min(190℃、2160g荷重)、密度0.924g/cm3]を、低密度ポリエチレン/
B1=95/5(重量比)の割合で混合して、同方向2軸押出機にて溶融混練して、改質用の樹脂組成物のペレットを得て、同様に評価を行った。
比較例3
実施例1において、多価アルコール化合物(B)を使用せずに、酸グラフト変性ポリオレフィン系樹脂(A)としてA1と、低密度ポリエチレン[MFR1.1g/10min(190℃、2160g荷重)、密度0.924g/cm3]を、低密度ポリエチレン/
A1=80/20(重量比)の割合で混合して、同方向2軸押出機にて溶融混練して、改質用の樹脂組成物のペレットを得て、同様に評価を行った。
比較例4(特許文献2 特開2004−168854の技術)
実施例1において、酸グラフト変性ポリオレフィン系樹脂(A)としてA2を、さらにステアリン酸マグネシウム(栄伸化成社製『EM−100』)とハイドロタルサイト系固溶体(協和化学工業社製『ZHT−4A』)を、A1/ステアリン酸マグネシウム/ハイドロタルサイト系固溶体=84/6/10(重量比)の割合で混合して、同方向2軸押出機にて溶融混練して、改質用の樹脂組成物のペレットを得て、同様に評価を行った。
実施例及び比較例の条件を表1に、評価結果を表2に示す。
Figure 0005008512
Figure 0005008512
本願発明の必須成分である酸グラフト変性ポリオレフィン系樹脂(A)及び多価アルコール化合物(B)を共に含有しない樹脂組成物を用いた比較例1では、ロングラン成形性、目ヤニの抑制、透明性のいずれの評価も不十分であった。
さらに、(A)成分を含有せず、(B)成分のみを含有する樹脂組成物を用いた比較例2では、変色については良好な評価が得られるものの、ロングラン成形性、目ヤニの抑制の評価は改善の余地があった。
また、(B)成分を含有せず、(A)成分のみを含有する樹脂組成物を用いた比較例3では、ロングラン成形性、目ヤニの抑制が若干改善されるが、透明性は未だ改善の余地があり、比較例4では、ロングラン成形性、目ヤニの抑制が改善されるものの、変色については樹脂組成物を入れない場合よりも劣る結果となった。
これに対して本願発明の必須成分である酸グラフト変性ポリオレフィン系樹脂(A)及び多価アルコール化合物(B)を共に含有する実施例では、ロングラン成形性、目ヤニの抑制、変色、透明性のいずれの評価も良好となる結果が得られた。
本発明の成形方法は、改質用の樹脂組成物を配合することによって、熱可塑性樹脂層とEVOH層を含む積層体の製造時に発生する製品のクズや端部、不良品や、あるいは成形物を各種用途に使用した後のゴミ等を回収、溶融成形して再利用する際の変色を防ぎ、透明性に優れた成形物を得ることができる。さらに、前述したような従来の問題、つまり溶融成形後に発生するゲル化がなく、成形物における波模様発生やフィッシュアイ発生を防ぎロングラン成形性に優れ、相分離異物(目ヤニ)発生防止に対しても優れた効果を示すものであることから、それにより得られる成形物は、食品、薬品等の包装材料として特に有用である。

Claims (6)

  1. 熱可塑性樹脂層およびエチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物層を含む積層体の回収物を溶融成形する際に、酸グラフト変性ポリオレフィン系樹脂(A)及び多価アルコール化合物(B)を含有する樹脂組成物を配合することを特徴とする成形方法。
  2. 多価アルコール化合物(B)の価数が2価〜15価であることを特徴とする請求項1記載の成形方法
  3. 酸グラフト変性ポリオレフィン系樹脂(A)の酸グラフト変性量が、酸グラフト変性ポリオレフィン系樹脂の重量に対して0.005〜5重量%であることを特徴とする請求項1〜2いずれか記載の成形方法
  4. 請求項1〜3いずれか記載の成形方法によって得られた層を少なくとも1層有することを特徴とする積層体。
  5. 酸グラフト変性ポリオレフィン系樹脂(A)及び多価アルコール化合物(B)を含有する樹脂組成物の配合量が、積層体の回収物100重量部に対して0.5〜50重量部であることを特徴とする請求項記載の積層体。
  6. 積層体の回収物中のエチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物の含有量が0.1〜30重量%であることを特徴とする請求項いずれか記載の積層体。
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